JP2861066B2 - 着色ジルコニア質焼結体およびその製造法 - Google Patents

着色ジルコニア質焼結体およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、時計用外装部品,ネクタイピン,ライター
ケースなどに適した着色ジルコニア質焼結体に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、着色ジルコニア質焼結体として、安定化剤を含
むジルコニア粉末に、遷移金属などの酸化物あるいは加
熱により該金属の酸化物となる金属塩を(さらに、要求
される色調によっては、呈色を安定化させるために、ア
ルミナ粉末を)混合し、成形し、焼成して製造したもの
が知られている。
たとえば、着色ジルコニア質焼結体として、CE(I
V),Cr(III),Co(II),Co(III),Cu(II),Er(II
I),Ho(III),Fe(III),Mn(IV),Nd(III),Ni(I
I),Pr(III),Tm(III),TI(IV),V(III)等の酸化
物と安定化剤を含むジルコニアとの混合粉末を成形し、
焼成したもの(特開昭59−105055号,特開昭61−141668
号,特開昭62−59571号等の公報)やAl2O3,TiO2またはS
iO2とPr6O11,V2O5,MnO2またはCo3O4との混合粉末を焼結
して粉砕したものを着色成分として、ジルコニアなどに
含ませた焼結体(特開昭62−12305号公報)などが知ら
れている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、これら装飾用部品などに用いられる着色ジ
ルコニア質焼結体は、バラエティーに富んだ各種の色調
を呈していること、およびこれらの色調が容易に再現で
きるものであることが望ましい。しかし、上記のような
従来の着色ジルコニア質焼結体は、着色成分が焼結時の
高温により変色し、すなわち焼結後の発色と混合時の色
調とに大きな差を生じ、したがって焼結後の発色を予測
して着色成分組成を決定することが、すなわち調色(色
合せ)が困難であり、多彩な色表現が困難であった。
本発明は、このような課題を解決、すなわち製造にお
ける調色の容易な、そして所望のかつ多彩な色彩表現の
可能な着色ジルコニア質焼結体およびその製造法の提供
を目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 (1)ジルコニウムと他の金属との複合酸化物および/
またはZr:Si原子比1:1のジルコンと他の金属との複合酸
化物からなる顔料と部分安定化ジルコニアとからなるこ
とを特徴とする着色ジルコニア質焼結体。
(2)ジルコニウムと他の金属との複合酸化物および/
またはZr:Si原子比1:1のジルコンと他の金属との複合酸
化物からなる顔料と部分安定化ジルコニアとからなる混
合粉末を、成形し、目的とする色調に調整した後、焼成
することを特徴とする着色ジルコニア質焼結体の製造方
法。
を要旨とするものものである。
以下、それらの詳細について説明する。
本発明の着色ジルコニア焼結体の、すなわちまたその
製造法における原料混合粉末の一方の成分は、部分安定
化ジルコニア、すなわちY2O3,MgO,CaO,CeO2などを1〜1
2モル%を固溶したジルコニアである。
他方の成分であるジルコニア基および/またはジルコ
ン基の顔料は、ジルコニウムと他の金属との複合酸化物
および/またはZr:Si原子比1:1のジルコニウムと珪素と
他の金属との複合酸化物のうち着色顔料としての特性を
もつ物質であり、青色顔料のバナジウム青(V(IV)を
もつジルコン基顔料),黄色顔料のプラセオジム黄(Pr
(IV)をもつジルコン基顔料),黄色顔料のバナジウム
ジルコニウム黄(V(V)をもつジルコニア基顔料),
赤色顔料のコーラル赤(Fe(III)をもつジルコン基顔
料)などが知られている。
ジルコニア基およびジルコン基の顔料は、いずれも他
の顔料よりジルコニアの特性を損ないにくいのである
が、それでもあまり多く含ませるとジルコニアの機械的
性質が損なわれるのを避けることができないので、顔料
成分の合計量は、焼結体中、すなわちまた原料混合粉末
中10wt%以下とするのが望ましい。いっぽう、少なすぎ
ると当然焼結体の色がうすくなるので、実用上、1wt%
以上とするのがよい。
本発明の着色ジルコニア質焼結体および本発明の方法
によってえられる焼結体は、ジルコニア基および/また
はジルコン基の顔料の結晶と部分安定化ジルコニアの結
晶との混合組織からなるものであり、前者の中の着色酸
化物である上記のV(IV),Pr(IV),V(V),Fe(II
I)などの酸化物が後者の結晶の中にまで分散して入り
込んだ構造をとるものではない。
本発明の方法によって本発明の焼結体を製造するにあ
たり、要求される色調によっては、ジルコニア基または
ジルコン基の顔料以外の顔料、たとえばコバルトブル
ー,クロムアルミナピンクなどを補助的に併用してもよ
い。ジルコニア基および/またはジルコン基の酸化物顔
料のみを使用する場合にくらべて、これ以外の顔料の使
用割合が多いほど、調色が難しくなることに留意する必
要がある。この場合も、全顔料の使用量は、焼結体中、
すなわち原料混合粉末中1〜10wt%とするのがよい。
本発明における顔料成分とその色のいくつかの例を示
せば、つぎのとおりである。
青色: ・ バナジウム青のみ ・ バナジウム青/コバルトブルー併用 黄色: ・ プラセオジム黄のみ ・ バナジウムジルコニウム黄のみ ピンク: ・ コーラル赤のみ 緑色: ・ プラセオジム黄/バナジウム青 重量比 1/1
〜1.5/1 ・ バナジウムジルコニウム黄/バナジウム青 重量比
1/1〜1.5/1 茶色: ・ プラセオジム黄/コーラル赤 重量比約 1/1 ・ バナジウムジルコニウム黄/コーラル赤 重量比
約1/1 ・ プラセオジム黄/クロムアルミナピンク 重量比
約1/1 ・ バナジウムジルコニウム黄/クロムアルミナピンク
重量比 約1/1 本発明の焼結体の製造法における焼成は、ジルコニア
の焼結に通常採用されている条件で行えばよく、すなわ
ち1100〜1600℃に1〜2時間焼成すればよい。この温度
が低すぎたりあるいはその時間が短かすぎると、えられ
る焼結体の機械的性質が劣り、研磨しても表面が滑らか
にならない傾向にあり;いっぽうその温度が高すぎた
り、その時間が長すぎると、えられる焼結体における結
晶粒が粗大化し、硬さ,強度などの焼結体物性が低下す
る傾向にある。
[作用] 前述のとおり、焼結体において、ジルコニアとジルコ
ニア基および/またはジルコン基の顔料とは、それらの
結晶の混合した組織からなり、たがいに他方の成分が固
溶しないので、焼結体が顔料自体の鮮明な色彩をそのま
ま帯びることとなるものと考えられる。したがってま
た、原料の配合段階で調色を容易に行なうことができ
る。しかも、ジルコニア基および/またはジルコン基の
顔料は、3原色がそろっているので、それらを1種類,2
種類または3種類使用し、その使用割合を調整すること
によって所望の色相のものをうるのがきわめて容易であ
る。また、ジルコニアと顔料の両成分が共通してZr−O
の構造をもつからか、他の顔料を使用する場合にくらべ
て、ジルコニアの特性が損なわれにくい。
[実施例] 実施例 1 バナジウム青5gをY2O33モル%含むジルコニア粉末100
gに添加し(すなわち、バナジウム青含有量4.76wt%と
し)、エタノール中で湿式混合し、蒸発乾固し、えられ
た混合粉末を500kgf/cm2で金型成形し、さらに2トン/c
m2静水圧プレス成形し、えられた成形体を大気中で1500
℃で2時間焼成した。えられた焼結体は、バナジウム青
本来の色とその濃さを含めてほとんど変わらない鮮やか
なトルコブルーを呈していた。その硬度は、Hz 1230で
あった。
実施例 2 バナジウム青2gとプラセオジム黄3gとを混合して緑色
顔料をえ、これをY2O33モル%含むジルコニア粉末100g
に添加し(すなわち、バナジウム青およびプラセオジム
黄の含有量をそれぞれ1.90wt%および2.86wt%とし)、
実施例1と同様にして、焼結体をえた。えられた焼結体
は、上記の混合顔料とほとんど変わらない鮮やかな緑色
を呈していた。その硬度は、Hz 1280であった。
実施例 3 バナジウム青の代わりに、バナジウムジルコニウム黄
2g使用して、これの含有量を1.96wt%とした以外は、実
施例1と同じ条件にして焼結体をえた。えられた焼結体
は、バナジウムジルコニウム黄顔料本来の色相とほとん
ど変わらない鮮やかな黄橙色を呈していた。その硬度
は、Hv 1300であった。
実施例 4 バナジウムジルコニウム黄2gとクロムアルミナピンク
2gとを混合して茶色顔料をえ、これをY2O33モル%含む
ジルコニア粉末100gに添加し(すなわち、バナジウムジ
ルコニウム黄およびクロムアルミナピンクのいずれをも
1.90wt%含ませ)、実施例1と同様にして、焼結体をえ
た。えられた焼結体は、上記の混合顔料とほとんど変わ
らない茶色を呈していた。その硬度は、Hv 1300であっ
た。
比較例 酸化プラセオジム(Pr6O11)(黒色)1gをY2O33モル
%含むジルコニア粉末100gに添加し(すなわち、酸化プ
ラセオジムの含有量を0.99wt%とし)、エタノール中で
湿式混合し、蒸発乾固して灰色の混合粉末をえた。これ
を実施例1と同様に、成型し、焼結して黄色の焼結体を
えた。すなわち、焼結前後で色相が大きく変化した。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る着色ジルコニア質
焼結体は、焼成前後で色の変化のほとんどないジルコン
基および/またはジルコニア基の顔料を着色成分として
含有するため、ジルコニア粉末と着色成分を混合する
際、目的とする色調をうるための調色(色合せ)が非常
に容易である。また、これらジルコン基およびジルコニ
ア基の顔料には、色の三原色である青,黄および赤のい
ずれのものもあるので、バラエティーに富む色彩表現が
可能であり、さらに他の顔料を補助的に用いれば、さら
にゆたかな色彩表現が可能となる。
すなわち、本発明の着色ジルコニア焼結体は、豊かな
色調を有し、本発明の製造法によれば、多彩な色相をも
つこのような焼結体を容易に製造することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニウムと他の金属との複合酸化物お
    よび/またはZr:Si原子比1:1のジルコンと他の金属との
    複合酸化物からなる顔料と部分安定化ジルコニアとから
    なることを特徴とする着色ジルコニア質焼結体。
  2. 【請求項2】ジルコニウムと他の金属との複合酸化物お
    よび/またはZr;Si原子比1:1のジルコンと他の金属との
    複合酸化物からなる顔料と部分安定化ジルコニアとから
    なる混合粉末を、成形し、目的とする色調に調整した
    後、焼成することを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載の着色ジルコニア質焼結体の製造方法。
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