JP6480959B2 - 歯科用埋没材粉末、歯科用埋没材、歯科用補綴物の製造方法 - Google Patents

歯科用埋没材粉末、歯科用埋没材、歯科用補綴物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、歯科用埋没材粉末、歯科用埋没材、歯科用補綴物の製造方法に関する。
従来から、歯科用補綴物等を鋳造する際に歯科用埋没材粉末を液体で混練した歯科用埋没材が用いられている。歯科用埋没材は、例えば製造する歯科用補綴物等の形状にあわせて形成する鋳型の材料として用いられ、該歯科用埋没材で形成した鋳型にセラミックス等を圧入することで所望の形状の歯科用補綴物等が製造できる。
ところで、歯科用埋没材で形成した鋳型にセラミックスを圧入、成型した後、歯科用補綴物等となる成型したセラミックスを取り出した際に、セラミックスの成型体の表面に鋳型を構成していた歯科用埋没材が固着する場合がある。この場合、セラミックスの成型体の表面から固着した歯科用埋没材をサンドブラスト処理等により除去することになる。
しかし、セラミックスの成型体は歯牙を模したものであることから、通常、白色系の色を有している。また、歯科用埋没材は高温で加熱されるため一般的には白色系の色となる。従って、セラミックスの成型体と、その表面に強固に固着した歯科用埋没材とを目視により識別することが困難である。このため、サンドブラスト処理等によりセラミックスの成型体の表面に付着した歯科用埋没材を除去する際に、歯科用埋没材がほとんど付着していない部分を削ったり、歯科用埋没材が付着した部分を削らずにセラミックスの成型体の表面に残存する場合があった。
ここで、歯科用埋没材として例えば特許文献1には、石膏成分、シリカ成分及びアントシアニン系色素を主構成要素とする歯科用石膏系埋没材が開示されている。
特許文献1に開示された歯科用石膏系埋没材は、脱ロウ(加熱)を開始し得る時期が到来したことを埋没材の外観から把握することのできる歯科用石膏系埋没材を提供するため、アントシアニン系色素を添加したものである。
しかしながら、アントシアニン系色素は温度に弱いため、加熱を行った際に退色する。このため、特許文献1に開示されているような着色された歯科用埋没材を用いて、上述のようにセラミックスの成型体を鋳造した場合でも、セラミックスの成型体と、その表面に付着した埋没材とを識別することは困難であった。
日本国特開2004−73609号公報
本発明は上記従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであって、本発明の一側面では、着色がされ、かつ加熱前後での色の変化が抑制された歯科用埋没材粉末を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、リン酸塩系埋没材粉末と、三酸化二鉄、四酸化三鉄、オキシ水酸化鉄、クロム酸鉛、酸化クロム、クロムグリーン、クロムスズピンク、クロムアルミナピンク、クロムチタンイエロー、バナジウムスズ黄、バナジウムジルコニウム黄、バナジウムジルコニウム青、ジルコングレー及びプラセオジム黄からなる群より選択される1種以上の顔料とを含有する歯科用埋没材粉末を提供する。
本発明の一態様によれば、着色がされ、かつ加熱前後での色の変化が抑制された歯科用埋没材粉末を提供することができる。
本発明の実施形態において、ワックスパターンから鋳型を製造する手順の説明図。 本発明の実施形態において、ワックスパターンから鋳型を製造する手順の説明図。 本発明の実施形態において、ワックスパターンから鋳型を製造する手順の説明図。 本発明の実施形態において、ワックスパターンから鋳型を製造する手順の説明図。 本発明の実施形態において、鋳型を用いて歯科用補綴物を製造する手順の説明図。 本発明の実施形態において、鋳型を用いて歯科用補綴物を製造する手順の説明図。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
[歯科用埋没材粉末、歯科用埋没材]
本実施形態では歯科用埋没材粉末、及び歯科用埋没材の一構成例について説明する。
本実施形態の歯科用埋没材粉末は、リン酸塩系埋没材粉末と、耐熱性の顔料とを含有することができる。
本実施形態の歯科用埋没材粉末に含むことができる各成分について以下に説明する。
まず、リン酸塩系埋没材粉末について説明する。
リン酸塩系埋没材粉末はセラミックスの鋳造等の高温鋳造に用いることができる歯科用埋没材の原料として用いることができ、耐火材と、結合材とを含むことができる。
耐火材としては、石英とクリストバライトとの混合物を用いることができる。また、結合材としては、酸化マグネシウムとリン酸二水素アンモニウム(第一リン酸アンモニウム)との混合物を用いることができる。
次に、耐熱性の顔料について説明する。
歯科用補綴物等として用いるセラミックスの成型体を鋳造により製造する場合、歯科用埋没材が鋳型の材料として用いられていた。しかしながら、既述のようにセラミックスの鋳造後、セラミックスの成型体と、歯科用埋没材との目視による識別が困難であることから、セラミックスの成型体の表面に付着した歯科用埋没材を選択的に除去することは困難であった。
そこで、本実施形態の歯科用埋没材粉末においては歯科用埋没材粉末に予め顔料を添加して着色することができる。このため、作製したセラミックスの成型体と、該セラミックスの成型体の表面に付着した、歯科用埋没材粉末を用いた歯科用埋没材とを目視により容易に識別できる。
ただし、セラミックスの成型体を製造する場合、歯科用埋没材を用いた鋳型も例えば800℃以上の高温に加熱されることとなる。そこで、本実施形態の歯科用埋没材粉末は、耐熱性の顔料を含有することが好ましく、特に800℃以上の温度での退色が抑制された耐熱性の顔料を含有することがより好ましい。
後述のように歯科用埋没材を用いてセラミックスの成型体、歯科用補綴物を作製する場合、歯科用埋没材にワックスパターンを埋没させ、歯科用埋没材が硬化した後、ワックスパターンを焼却する焼却工程や、セラミックスを鋳造するための加熱を行う。このため、歯科用埋没材の硬化後、焼却工程の実施前の歯科用埋没材の色(以下、「加熱前の色」とも記載する)と、セラミックスを鋳造後の歯科用埋没材の色(以下、「加熱後の色」とも記載する)との変化、すなわち脱色度が小さい耐熱性の顔料を用いることが好ましい。
加熱前の色と、加熱後の色とは例えばLの色空間により評価を行うことができる。そして、加熱前の色のLの値と、加熱後の色のLの値とに関して、特に歯科用埋没材の加熱前後での明度(L)の差であるΔLに着目し、該ΔL を脱色度として評価できる。また、歯科用埋没材の加熱後の明度(L)についても所定の範囲にあることが好ましい。
すなわち、耐熱性の顔料を含む歯科用埋没材は加熱後のLが80以下、且つ脱色度ΔLが17以下であることが好ましく、加熱後のLが78以下、且つ脱色度ΔLが15以下であることがより好ましい。なお、脱色度ΔLや、加熱後のLを評価する際の歯科用埋没材の最高加熱温度は、セラミックスの成型体の鋳造条件等により選択され、特に限定されないが、800℃以上1000℃以下であることが好ましく、800℃以上950℃以下であることがより好ましい。
耐熱性の顔料として具体的には例えば、三酸化四鉄、四酸化三鉄、水酸化過酸化鉄、クロム酸鉛、酸化クロム、クロムグリーン、クロムスズピンク、クロムアルミナピンククロムチタンイエローにアンチモン及び/またはニオブ及び/またはタングステンが固溶した黄色顔料、バナジウムスズ黄、バナジウムジルコニウム黄、バナジウムジルコニウム青、ジルコングレー、プラセオジム黄から選択された1種類以上を好ましく用いることができる。
本実施形態の歯科用埋没材粉末における耐熱性の顔料の含有量は、鋳造するセラミックスの成型体の色や、鋳型に要求される強度等に応じて任意に選択でき、特に限定されるものではなく任意に選択できる。歯科用埋没材粉末における耐熱性顔料の含有量は、例えば0.005重量%以上0.3重量%以下であることが好ましく、0.05重量%以上0.3重量%以下であることがより好ましい。
これは、歯科用埋没材粉末中の耐熱性の顔料の含有量を0.005重量%以上とすることで、該歯科用埋没材粉末を含む歯科用埋没材を用いてセラミックスの成型体を鋳造した場合に、歯科用埋没材とセラミックスの成型体とをより容易に識別できるためである。
ただし、耐熱性の顔料の含有量を0.3重量%より多くしても、歯科用埋没材と、セラミックスの成型体との識別性の向上はあまり見られなくなることや、鋳型の強度に影響を与える恐れがあることから、0.3重量%以下が好ましい。
また、本実施形態の歯科用埋没材粉末は、上述したリン酸塩系埋没材粉末と、耐熱性の顔料とに加えて、さらに任意の成分を含有することもできる。
例えば本実施形態の歯科用埋没材粉末はさらに界面活性剤を含むことができる。
本実施形態の歯科用埋没材粉末は、液体と混練することで歯科用埋没材とすることができる。そして、本実施形態の歯科用埋没材粉末が界面活性剤を含む場合、歯科用埋没材粉末と液体との馴染みをよくすることができ、作業性を向上することができる。
界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えば陰イオン界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸塩や、アルキル硫酸塩を好ましく用いることができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては例えば、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等を好ましく用いることができる。また、アルキル硫酸塩としては例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等を好ましく用いることができる。
本実施形態の歯科用埋没材粉末が界面活性剤を含有する場合、その含有量は特に限定されるものではないが、例えば0.001重量%以上0.1重量%以下であることが好ましく、0.01重量%以上0.05重量%以下であることがより好ましい。
これは界面活性剤の含有量を0.001重量%以上とすることで、歯科用埋没材粉末と、液体とをより馴染ませることができ、作業性を向上させることができるためである。ただし、界面活性剤を0.1重量%より多く添加しても、歯科用埋没材と液体とを馴染ませる程度に大きな差異はないことから、0.1重量%以下であることが好ましい。
そして、本実施形態の歯科用埋没材粉末は、上述のように液体と混練することで、歯科用埋没材とすることができる。すなわち、本実施形態の歯科用埋没材粉末を含有する歯科用埋没材とすることができる。
この際、用いる液体としては特に限定されるものではなく、リン酸塩系埋没材粉末に適用できる液体を用いることができる。具体的には例えばコロイダルシリカを含有する液体を好ましく用いることができる。
以上に説明した本実施形態の歯科用埋没材粉末、及び歯科用埋没材は、耐熱性の顔料を含んでおり、着色がされている。さらに、歯科用埋没材粉末、及び歯科用埋没材の加熱前後での色の変化が抑制されている。このため、該歯科用埋没材粉末、及び歯科用埋没材を用いてセラミックスの成型体を鋳造した場合でも、加熱された歯科用埋没材と、セラミックスの成型体とを目視で識別でき、セラミックスの成型体の表面に付着した歯科用埋没材を容易、かつ確実に除去できる。
従って、所望の形状により忠実な形状を有し、かつ歯科用埋没材の残留をより抑制したセラミックスの成型体、歯科用補綴物を製造することができる。
[歯科用補綴物の製造方法]
次に、歯科用補綴物の製造方法の一構成例について説明する。
本実施形態の歯科用補綴物の製造方法は以下の工程を以下に挙げた順に有することができる。
ワックスパターンを歯科用埋没材に埋没させる埋没工程。
歯科用埋没材の硬化後に、ワックスパターンを含む歯科用埋没材を加熱してワックスパターンを焼却し、鋳型を形成する焼却工程。
セラミックスブロックを前記鋳型に鋳込む成型工程。
なお、埋没工程において用いる歯科用埋没材としては、既述の歯科用埋没材を用いることができる。歯科用埋没材については既述のため、説明を省略する。
ここで、本実施形態の歯科用補綴物の製造方法の各工程について図1A〜図1D、図2A、図2Bを用いながら以下に説明する。
図1A〜図1D、図2A、図2Bは本実施形態の歯科用補綴物の製造方法の各工程を模式的に示したものである。
まず、本実施形態の歯科用補綴物の製造方法を開始する前に、図1(a)に示すように、形成する歯科用補綴物に対応した形状を有するワックスパターン11を準備することができる。
ワックスパターン11は、形成する歯科用補綴物に対応した形状にできるように、例えば印象材等で患者から取得した歯型に石膏を流して作製した石膏模型13上に形成することができる。
ワックスパターン11を歯科用埋没材中に埋没させ、該歯科用埋没材が硬化した後焼却することで、該歯科用埋没材中に歯科用補綴物に対応した形状の空隙を有する鋳型を形成できる。そして、該鋳型中の空隙にセラミックスを供給することで所望の形状の歯科用補綴物を形成することができる。そして、歯科用埋没材中に歯科用補綴物に対応した形状の空隙を形成する際、該空隙にセラミックスを供給するための供給路もあわせて形成できるように、図1Aに示すようにワックスパターン11にはスプルー線12を併せて形成しておくことが好ましい。
ワックスパターン11、及びスプルー線12は共に歯科用のワックスにより形成されることが好ましい。
次に、埋没工程を実施するための準備として、図1Bに示すようにワックスパターン11をスプルー線12を介してクルシブルフォーマー14上に固定することができる。そして、図1Cに示すように、ワックスパターン11、及びスプルー線12を固定したクルシブルフォーマー14の土台部の周縁部上に、ワックスパターン11、及びスプルー線12を囲むように、リング15を配置できる。リング15の内部にはライナー16が形成されていてもよい。そして、ワックスパターン11を歯科用埋没材に埋没させる埋没工程を実施することができる。
埋没工程では、図1Cに示したようにリング15の内部にスラリー状にした歯科用埋没材17を流し込んで、ワックスパターン11、及びスプルー線12を埋没させる。
埋没工程で用いる歯科用埋没材については、既述の歯科用埋没材を用いることができる。
次に、埋没材の硬化後にワックスパターン11を含む歯科用埋没材を加熱してワックスパターンを焼却し、鋳型を形成する焼却工程を実施することができる。
焼却工程では、歯科用埋没材が硬化した後、クルシブルフォーマー14を取り外し、焼成することができる。この際の焼成温度は特に限定されるものではなく、ワックスパターン11、及びスプルー線12を形成する際に用いたワックスの材料や歯科用埋没材17の材料に応じて温度を選択することができる。
焼却工程を実施することにより図1Dに示すように、ワックスパターン11が除去され、形成する歯科用補綴物に対応した形状の空隙21が形成されると共に、スプルー線12も焼却されるため、該空隙21に通じるスプルー線部22が形成される。また、焼却工程を実施することで歯科用埋没材も焼成され、歯科用埋没材の焼成体27とすることができ、該歯科用埋没材の焼成体27中に形成する歯科用補綴物に対応した形状の空隙21を有する鋳型20とすることができる。
スプルー線部22の一方の端部には、後述する成型工程でセラミックスブロックを配置するための湯口部28(クルシブル部ともいう)が形成されている。係る湯口部28はスプルー線12を固定したクルシブルフォーマー14に対応した形状となっている。
次に、セラミックスブロックを焼却工程で形成した鋳型20に鋳込む成型工程を実施することができる。すなわち、成型工程では、ワックスパターンが焼却されることで形成された鋳型内の空隙に、セラミックスブロックを加熱、加圧して充填することができる。
具体的には、図1Dを用いて説明した鋳型20の湯口部28にセラミックスブロックを配置し、セラミックスブロックを鋳型ごと加熱してプレス成型することで、空隙21、及びスプルー線部22にセラミックスを充填することができる。
成型工程を実施することにより図2Aに示すように、セラミックスの成型体31を作製することができる。
成型工程終了後は鋳型からセラミックスの成型体31を取り出し、図2Bに示すように例えば点線Xに沿って切断することで、歯科用補綴物311を得ることができる。
なお、得られたセラミックスの成型体31の表面には図示しない歯科用埋没材(歯科用埋没材の焼成体)が強固に付着している。そこで、本実施形態の歯科用補綴物の製造方法においては、成型工程において得られたセラミックスの成型体31の表面に付着した歯科用埋没材(歯科用埋没材の焼成体)を除去する付着物除去工程をさらに有することができる。
付着物除去工程は、セラミックスの成型体31の状態で実施することもできるが、上述のように図2Bにおける点線Xに沿ってスプルー線部に対応した部分を除去した後に実施してもよい。
付着物除去工程において、セラミックスの成型体31の表面に付着した歯科用埋没材を除去する方法は特に限定されるものではなく、例えばサンドブラスト法等により実施することができる。
以上に説明した本実施形態の歯科用補綴物の製造方法では、耐熱性の顔料を含有する歯科用埋没材を用いており、歯科用埋没材が着色されている。さらに、歯科用埋没材の加熱前後での色の変化が抑制されている。このため、該歯科用埋没材を用いてセラミックスの成型体を鋳造した際に、加熱された歯科用埋没材と、セラミックスの成型体とを目視で識別でき、セラミックスの成型体の表面に付着した歯科用埋没材を容易、かつ確実に除去できる。
従って、所望の形状により忠実な形状を有し、かつ歯科用埋没材の残留をより抑制した歯科用補綴物を製造することができる。
以下に具体的な実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(歯科用埋没材粉末の調製)
リン酸塩系埋没材(株式会社GCEurope製 製品名:Multi press vest)に対して、耐熱性の顔料として酸化クロムを添加、混合して、歯科用埋没材粉末を調製した。なお、耐熱性の顔料は、得られた歯科用埋没材粉末中に0.08重量%の割合で含まれるように秤量、混合した。
得られた歯科用埋没材粉末は、コロイダルシリカを含有する液体(日産化学社製 製品名 ST30)と混練してスラリー状の歯科用埋没材として、後述する歯科用補綴物の製造に用いた。
(歯科用補綴物の製造)
まず、患者の歯からシリコーンラバー印象材を用いて歯型を取った。次いで、その歯型に石膏を流し、石膏模型を形成した。
次に、図1Aに示すように、作製した石膏模型13上に歯科用ワックス(株式会社ジーシー製 製品名:インレーワックス)を用いて、ワックスパターン11を形成した。次いで、直径2.5mmのスプルー線12を植立した。
そして、図1Bに示すようにワックスパターン11、及びスプルー線12をクルシブルフォーマー14上に接合した。
次に、ワックスパターン11、及びスプルー線12を固定したクルシブルフォーマー14の土台部の周縁部上に、ワックスパターン11、及びスプルー線12を囲むように、内部にライナー16が形成されたリング15を配置した。
そして、図1Cに示すように、リング15の内部に上述のスラリー状の歯科用埋没材17を流し込んで、ワックスパターン11、及びスプルー線12を埋没させた(埋没工程)。
歯科用埋没材が硬化するまで放置した後、クルシブルフォーマー14を取り外し、ワックスパターン11を含む埋没材を大気雰囲気下、850℃で30分間加熱してワックスパターンを焼却して鋳型を形成した(焼却工程)。
焼却工程後、図1Dに示すように、ワックスパターン11、及びスプルー線12が除去されていることが確認できた。
そこで図1Dに示した鋳型20の湯口部28に二ケイ酸リチウムセラミックスブロックを配置し、鋳型20、及びセラミックスブロックを大気雰囲気下、930℃に加熱しながら、セラミックスブロックをピストンにより加圧することでプレス成型を行った。プレス成型を行うことで、図2Aに示すように鋳型20内のスプルー線部22、及び空隙21にセラミックスを充填した(成型工程)。
冷却後、鋳型20からセラミックスの成型体31を取り出した。
セラミックスの成型体31の表面には歯科用埋没材(歯科用埋没材の焼成体)が付着していたが、目視によりセラミックスの成型体と、歯科用埋没材とを識別することができた。そこで、セラミックスの成型体の表面に付着していた歯科用埋没材を、サンドブラスト処理により除去したところ(付着物除去工程)、歯科用埋没材のみを選択的に除去することができた。
次に、図2Bに示すようにスプルー線部を切断することで歯科用補綴物311を得た。
なお、歯科用埋没材が硬化した後、焼却工程を行う前にL色空間により歯科用埋没材の色を分光測色計(コニカミノルタ社製 型式:MINOLTA CM−3610d)により測定した。
また、成型工程後に歯科用埋没材の焼成体の色を同様にして分光測色計により測定した。
そして、焼却工程を実施する前に測定した歯科用埋没材の色(加熱前の色)のうちの明度(加熱前L)と、成型工程後に測定した歯科用埋没材の色(加熱後の色)のうちの明度(加熱後L)との差である脱色度ΔLを算出した。結果を表1に示す。表1には脱色度ΔLに加えて、加熱前の歯科用埋没材の明度(加熱前L)、及び加熱後の歯科用埋没材の明度(加熱後L)も示している。
[実施例2]
歯科用埋没材粉末を調製する際、酸化クロムに代えて耐熱性の顔料として四酸化三鉄を0.04重量%用いた点以外は実施例1と同様にして歯科用埋没材粉末、及び歯科用埋没材を調製した。
そして得られた歯科用埋没材を用いて実施例1と同様にして歯科用補綴物の作製を行った。
成型工程後、鋳型から取り出したセラミックスの成型体の表面には歯科用埋没材(歯科用埋没材の焼成体)が付着していたが、目視によりセラミックスの成型体と、歯科用埋没材とを識別することができた。そこで、セラミックスの成型体の表面に付着していた歯科用埋没材を、サンドブラスト処理により除去したところ(付着物除去工程)、歯科用埋没材のみを選択的に除去することができた。
そして、付着物除去工程の後、図2Bに示すようにスプルー線部を切断することで歯科用補綴物311を得た。
また、実施例1と同様にして加熱前後での歯科用埋没材の色を測定し、脱色度ΔLを算出した。結果を表1に示す。
[実施例3]
歯科用埋没材粉末を調製する際、耐熱性の顔料である酸化クロムの含有量が0.15重量%となるように添加した点以外は実施例1と同様にして歯科用埋没材粉末、及び歯科用埋没材を調製した。
そして得られた歯科用埋没材を用いて実施例1と同様にして歯科用補綴物の作製を行った。
成型工程後、鋳型から取り出したセラミックスの成型体の表面には歯科用埋没材(歯科用埋没材の焼成体)が付着していたが、目視によりセラミックスの成型体と、歯科用埋没材とを識別することができた。そこで、セラミックスの成型体の表面に付着していた歯科用埋没材を、サンドブラスト処理により除去したところ(付着物除去工程)、歯科用埋没材のみを選択的に除去することができた。
実施例1の場合と比較すると歯科用埋没材の色が濃くなっており、実施例1の場合よりもセラミックスの成型体と、歯科用埋没材とをより容易に識別できたため、作業性が若干向上していた。
そして、付着物除去工程の後、図2Bに示すようにスプルー線部を切断することで歯科用補綴物311を得た。
また、実施例1と同様にして加熱前後での歯科用埋没材の色を測定し、脱色度ΔLを算出した。結果を表1に示す。
[比較例1]
歯科用埋没材粉末を調製する際、耐熱性の顔料にかえてアントシアニン系色素(長谷川香料株式会社製、製品名:レッドカラー−TH−CA)を用いた点以外は実施例1と同様にして歯科用埋没材粉末、及び歯科用埋没材を調製した。
そして得られた歯科用埋没材を用いて実施例1と同様にして歯科用補綴物の作製を行った。
成型工程後、鋳型から取り出したセラミックスの成型体の表面には歯科用埋没材(歯科用埋没材の焼成体)が付着していると考えられるが、目視によりセラミックスの成型体と、歯科用埋没材とを識別することは非常に困難であった。そして、実施例1と同様にセラミックスの成型体の表面に付着していた歯科用埋没材の焼成体を、サンドブラスト処理により除去した(付着物除去工程)が、セラミックスの成型体の表面に付着している歯科用埋没材を正確且つ十分に除去することはできなかった。
付着物除去工程の後、図2Bに示すようにスプルー線部を切断することで歯科用補綴物311を得た。
また、実施例1と同様にして加熱前後での歯科用埋没材の色を測定し、脱色度ΔLを算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006480959
表1に示した結果によると、実施例1〜実施例3においては脱色度ΔLが17以下であり、加熱前後での歯科用埋没材の色の変化が抑制されていることが確認できた。これに対して比較例1では脱色度ΔLが29と大きくなっており、加熱前後での色の変化が大きいことが確認できた。
また、実施例1〜実施例3においては加熱後の明度Lが72または77となっているのに対して、比較例1では加熱後Lが94と大きく、歯科用埋没材が明るい色になっていることも確認できた。これは実施例1〜実施例3では添加した顔料により加熱後も歯科用埋没材を着色できているのに対して、比較例1では添加した色素が退色したためである。そしてその結果、上述のように実施例1〜実施例3では加熱後でも歯科用埋没材とセラミックスの成型体とを目視により容易に識別できたのに対して、比較例1では両者を識別することが困難となった。
以上に歯科用埋没材粉末、歯科用埋没材、歯科用補綴物の製造方法を、実施形態、実施例等で説明したが、本発明は上記実施形態、実施例等に限定されない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
本出願は、2015年1月23日に日本国特許庁に出願された特願2015−011549号に基づく優先権を主張するものであり、特願2015−011549号の全内容を本国際出願に援用する。
11 ワックスパターン
17 歯科用埋没材
20 鋳型

Claims (5)

  1. リン酸塩系埋没材粉末と、
    三酸化二鉄、四酸化三鉄、オキシ水酸化鉄、クロム酸鉛、酸化クロム、クロムグリーン、クロムスズピンク、クロムアルミナピンク、クロムチタンイエロー、バナジウムスズ黄、バナジウムジルコニウム黄、バナジウムジルコニウム青、ジルコングレー及びプラセオジム黄からなる群より選択される1種以上の顔料とを含有する歯科用埋没材粉末。
  2. 記顔料の含有量が0.005重量%以上0.3重量%以下である請求項1に記載の歯科用埋没材粉末。
  3. 請求項1に記載の歯科用埋没材粉末を含有する歯科用埋没材。
  4. ワックスパターンを請求項に記載の歯科用埋没材に埋没させる埋没工程と、
    前記ワックスパターンが埋没した歯科用埋没材硬化させた後に、加熱して前記ワックスパターンを焼却し、鋳型を形成する焼却工程と、
    セラミックスブロックを前記鋳型に鋳込み、セラミックスの成型体を作製する成型工程とを有する歯科用補綴物の製造方法。
  5. 記セラミックスの成型体の表面に付着した前記歯科用埋没材を除去する付着物除去工程をさらに有する請求項に記載の歯科用補綴物の製造方法。
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