JP2860451B2 - シールド掘進機 - Google Patents

シールド掘進機

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JP2860451B2
JP2860451B2 JP13289795A JP13289795A JP2860451B2 JP 2860451 B2 JP2860451 B2 JP 2860451B2 JP 13289795 A JP13289795 A JP 13289795A JP 13289795 A JP13289795 A JP 13289795A JP 2860451 B2 JP2860451 B2 JP 2860451B2
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bulkhead
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孝行 阿比留
栄治 酒井
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SHINGIJUTSU KOEI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セミシールド工法によ
る導水路や下水道等のトンネルの掘削に用いられるシー
ルド掘進機であって、石が含まれる切羽内土砂を、滞留
や詰まりを起こさせずに後方へ排出する、シールド掘進
機に関する。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機を先導体とし、その直後
へ地山を支える管体を後方の発進立坑内のジャッキで押
し込んで推進させながら埋設していくセミシールド工法
による、導水路や下水道等の内径0.8〜1.2m程度の
トンネル掘削において用いるシールド掘進機では、切羽
内圧力を保持して掘削地山を支えるため、バルクヘッド
前方の切羽内に泥土を圧入している。この切羽に圧入し
た泥土は、掘削した土砂と混合して流動性をもつ切羽内
土砂を形成する。切羽内土砂は、バルクヘッドの排泥口
から、この排泥口と掘進機後方のトロンメルとを接続す
る排泥管内に導入される。この後切羽内土砂は排泥管を
通り、トロンメルで石と泥土・砂に分離され、それぞれ
別に地上へ回収される。これら切羽内土砂が通る排泥管
は、従来は円断面の一般的な形状の管が用いられてき
た。こうした管内では、上層に比重が軽く粒子の細かい
土などが、下層に比重が重く形の大きい石などが集まり
やすい傾向にある。切羽内土砂に含まれる石は、多くが
長径と短径の比が1:0.7程度の楕円体形状の玉石で
あるので、管内で石の上側に別の石が重なって流れるこ
ともよくある。このため、上下の石がかかわり合って管
内の流れを滞らせ、排出速度が遅くなるばかりでなく、
管内壁に石がはまって外れなくなると管の閉塞が起き
て、掘進機全体の運転の支障となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記した問題点を解決し、石による滞留・
閉塞が発生しにくく、切羽内土砂をスムーズに後方へ排
出できるシールド掘進機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
発明の構成は、トンネル前方で地山を掘削するカッター
ヘッドの後側に、切羽と坑内とを隔てるバルクヘッドを
設け、同バルクヘッドに切羽内土砂排出用の排泥口を設
け、後方に設けられた泥土・砂と石を分離するトロンメ
ルとこの排泥口を排泥管で接続する、トンネル掘削用の
シールド掘進機において、排泥管の内部断面形状が水平
方向に長くした楕円断面で、その長径が短径の1.15
〜1.30倍となっていることを特徴とするシールド掘
進機にある。
【0005】
【作用】本発明のシールド掘進機では、切羽内土砂を排
出するため排泥口を開放すると、バルクヘッドで隔てら
れた切羽と掘進機内部を含む坑内との圧力差によって排
泥口から切羽内土砂が排泥管内に流れ込む。排泥口は切
羽内圧力保持のため、断続的にしか開放されないが、排
出時の高い排出圧力により、流れ込んだ切羽内土砂は排
泥管内を後方に向かって進んで行く。排泥管内の断面形
状は、水平方向に拡がった楕円断面で、その長径が短径
の1.15〜1.30倍になっており、同じ断面積の円管
よりも管内の上部および下部の面の曲率が小さく、楕円
体形状の玉石の形に合う断面形状であるため、管内で玉
石が上下に二個重なって円管ならば詰まるような場合で
も、下の石が円管に比べて、より管内下方まで下がるこ
とができ、上側の石が下側の石を乗り超えるための残り
の空間が大きくなる。そしてこの残りの空間も円管に比
べて水平方向に広く、より玉石に適したものであるか
ら、重なった石を詰まらせずに流すことができる(図
7、図8参照)。土砂全体に対しても、管内が円管より
も上下に小さく、水平方向に広いので、土や砂・石など
の上下への偏在が起こりにくく、管内をこれら大きさの
異なるものがほどよく分散した状態で流すことができ
る。このようにして管内を流れて進んだ土砂・石は掘進
機後方のトロンメルに入り、土砂と石が分離されてそれ
ぞれ外部に回収される。排泥管の長径が短径に対する
1.15〜1.30倍という範囲を外れると、長径が1.
15倍より小さい場合には石をスムーズに通す効果がな
く円管同様玉石が上下に重なって詰まる割合が多くな
る。逆に長径が1.30倍より大きい場合には、管内の
上下の間隔が詰まり過ぎて、流せる最大の石の寸法が同
じ断面積の円管に比べ小さくなってしまい、楕円体形状
以外の石が通りにくくなる。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例は、排泥管楕円断面の長径を短径の1.25倍
としたシールド掘進機の例である。図1は実施例を示す
正面図、図2は実施例の前半部分の垂直断面図、図3は
実施例の後半部分の垂直断面図、図4は実施例の前半部
分の水平断面図、図5は実施例の後半部分の水平断面
図、図6は図2のA−A断面図、図7は実施例の排泥管
内流動状態を示す説明図、図8は従来の排泥管内流動状
態を示す説明図、図9は実施例を用いたトンネル掘削作
業を示す説明図である。本実施例のシールド掘進機1
は、最前方で回転して地山36の掘削を行なうカッター
ヘッド7の直後に切羽32と坑内作業空間を隔てるバル
クヘッド2がある。カッターヘッド7を駆動する機構
は、シールド8内の減速機付電動機9で発生する駆動力
を、バルクヘッド2中央を貫通する回転主軸10に歯車
11を介して伝え、回転主軸10と直結したカッターヘ
ッド7を回転させる仕組みとしている。一方、バルクヘ
ッド2には切羽内土砂排出用の排泥口4や、切羽内圧力
を検知する圧力センサ5用の圧力導入孔6、および切羽
圧入用泥土供給口12を設けると共に、排泥口4を開閉
するストップゲート3を取付けている。排泥口4には、
ここから導入される切羽内土砂をシールド掘進機1後部
へ通す排泥管13が接続している。この排泥管13の断
面形状は水平方向に拡がった楕円断面であり、その長径
Lを短径Rに対して1.25倍としている(図7参
照)。排泥管13の終端には駆動装置15により回転し
ながら切羽内土砂に含まれる石34を泥土や砂と分離す
るトロンメル14を設置している。分離された泥土や砂
を収容する貯泥槽16は地上に設けたタンク27と排泥
パイプ22で接続され、同じく地上の真空吸引装置26
からの吸引力がここまで伝わるようにしている。一方ト
ロンメル14で分離された石34の排出手段として、立
坑35部まで石34を運搬するトロッコ24が設置され
る。逆に切羽32へ泥土を圧入するために、泥土を供給
する送泥装置28を地上に設け、送泥パイプ23でバル
クヘッド2の泥土供給口12と接続している。こうした
各装置が接続されたシールド掘進機1は、立坑35内に
設置される元押しジャッキ25からの押圧力を地山36
を支えるヒューム管31を介して最後端の受圧部18で
受け、これを支えとしながら、受圧部18の直前にある
中押しジャッキ17で推進する仕組みである。本実施例
のシールド掘進機1を用いたトンネルの掘削方法では、
地上の送泥装置28から送泥パイプ23を通して圧送さ
れる泥土をバルクヘッド2の泥土供給口12から切羽3
2内に圧入し、切羽内圧力を高くして地山36の崩壊を
防ぎながら、カッターヘッド7を回転させて掘削を行な
っていく。掘削と同時にシールド掘進機1は中押しジャ
ッキ17により推進し、所定量推進すると、その分元押
しジャッキ25によりヒューム管31が押し込まれて、
トンネル部分の地山36が支えられると共にシールド掘
進機1全体が前進した形になる。カッターヘッド7で掘
削された土砂33や石34は、切羽32に圧入した泥土
と混合され、流動性を持った切羽内土砂として切羽内圧
力を維持し掘削地山の崩壊を防ぐ役割を果たす。切羽内
土砂の量が増大して切羽内圧力が適正値を超えた場合に
は、バルクヘッド2のストップゲート3により、排泥口
4を開いて土砂を排出する。切羽内圧力が下がると、ス
トップゲート3により再び排泥口4を閉鎖して、切羽内
圧力が下がり過ぎないようにしている。排泥口4から導
入された切羽内土砂は排泥管13に入り、管内を土と砂
および石が混合した状態で進む。排泥管13は水平方向
に拡がった楕円断面であり、その長径が短径の1.25
倍のため、楕円体形状の玉石を含む土砂が均等に分散
し、石も詰まらず、整然と流れる。排泥管の内径の比が
上記の範囲を外れると、円管同様玉石が上下に重なって
詰まり易かったり、逆に管内上下間隔が縮まり過ぎて、
流せる最大の玉石の寸法が同じ断面積の円管に比べ小さ
くなったりするため、本実施例の長径と短径の比のもの
が実用性が高い。土砂および石34は排泥管13を通っ
てから、トロンメル14に達し、石34と泥土・砂に分
離される。泥土および砂は貯泥槽16に入り、真空吸引
装置26で吸引されて排泥パイプ22を通り、タンク2
7へ回収される。タンク27に回収された泥土の一部
は、送泥装置28に送られて再び切羽32へ戻される。
一方、トロンメル14で分離された石34はまとめてト
ロッコ24により立坑35部まで運ばれ、外部に搬出さ
れる。シールド掘進機1内部は、トロンメル14部まで
後方から作業者が入って作業することができ、トロンメ
ル14で土砂が詰まったりした場合には作業者が直接除
去等を行う。
【0007】
【発明の効果】本発明は、排泥管断面形状を水平に長
く、長径が短径の1.15〜1.30倍の楕円とした構成
を採用することにより、排泥管内を大きな石を含む土砂
がスムーズに流れて滞留・閉塞が起こりにくく、土砂・
石の排出が迅速に行える上、排泥管の詰まりを除く作業
の頻度が著しく減少するため、全体の掘進作業が効率良
く進められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す正面図である。
【図2】実施例の前半部分の垂直断面図である。
【図3】実施例の後半部分の垂直断面図である。
【図4】実施例の前半部分の水平断面図である。
【図5】実施例の後半部分の水平断面図である。
【図6】図2のA−A断面図である。
【図7】実施例の排泥管内流動状態を示す説明図であ
る。
【図8】従来の排泥管内流動状態を示す説明図である。
【図9】実施例を用いたトンネル掘削作業を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機 2 バルクヘッド 3 ストップゲート 4 排泥口 5 圧力センサ 6 圧力導入孔 7 カッターヘッド 8 シールド 9 減速機付電動機 10 回転主軸 11 歯車 12 泥土供給口 13 排泥管 14 トロンメル 15 駆動装置 16 貯泥槽 17 中押しジャッキ 18 受圧部 19 パッキン 20 ビクトリックジョイント 21 方向修正ジャッキ 22 排泥パイプ 23 送泥パイプ 24 トロッコ 25 元押しジャッキ 26 真空吸引装置 27 タンク 28 送泥装置 29 坑内送風用コンプレッサ 30 エアパイプ 31 ヒューム管 32 切羽 33 土砂 34 石 35 立坑 36 地山
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 9/12 E21D 9/06 311

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル前方で地山を掘削するカッター
    ヘッドの後側に、切羽と坑内とを隔てるバルクヘッドを
    設け、同バルクヘッドに切羽内土砂排出用の排泥口を設
    け、後方に設けられた泥土・砂と石を分離するトロンメ
    ルとこの排泥口を排泥管で接続する、トンネル掘削用の
    シールド掘進機において、排泥管内部の断面形状が水平
    方向に長くした楕円断面で、その長径が短径の1.15
    〜1.30倍となっていることを特徴とするシールド掘
    進機。
JP13289795A 1995-05-02 1995-05-02 シールド掘進機 Expired - Lifetime JP2860451B2 (ja)

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CN107091098B (zh) * 2017-06-30 2018-11-23 中铁一局集团有限公司 一种盾构设备在高粘度泥岩中的掘进方法
CN116906069B (zh) * 2023-09-14 2024-04-05 中建交通建设集团有限公司 一种泥水盾构机中防止淤泥堵塞的分割系统

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