JPH11182182A - 下向き斜坑トンネル掘削機 - Google Patents

下向き斜坑トンネル掘削機

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JPH11182182A
JPH11182182A JP35310897A JP35310897A JPH11182182A JP H11182182 A JPH11182182 A JP H11182182A JP 35310897 A JP35310897 A JP 35310897A JP 35310897 A JP35310897 A JP 35310897A JP H11182182 A JPH11182182 A JP H11182182A
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JP
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water
pipe
pump
mud
compartment
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Pending
Application number
JP35310897A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Tayama
稔 田山
Kiyoshi Tsuchiya
清 土屋
Kazunori Ueda
和憲 植田
Ryoichi Arita
亮一 有田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Sankei Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Sankei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排泥ポンプが斜坑トンネル掘削機の後部に配
設された場合でも切羽側の排泥管開口での泥水の吸引力
の低下を防止でき、泥水の吸引効率が優れた下向き斜坑
トンネル掘削機を提供する。 【解決手段】 隔壁2により気密に区画された前方に設
けられた隔室5内に蓄留する水と共に掘削回転盤3によ
り掘削された掘削ズリを吸い込む排泥管18aの吸込口
19を隔室5底部に開口させ、分流器25で分流された
掘削ズリを含まない泥水を噴流ポンプ42で吸い上げて
噴流管41を経て合流管40のノズル部から下流に向け
て噴射させることにより、隔室5から吸い込まれた泥水
を排泥管18b側に押し流す圧力を発生させ、トンネル
掘削機本体1の後方に配置される排泥ポンプ24との間
の排泥管18b〜18e中の泥水の水圧による吸込口1
9の吸引力の低下を補うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は掘削回転盤の回転に
より生成された掘削ズリを隔室内に蓄留する水と共に吸
い込んで後方に搬出するようにした下向き斜坑トンネル
掘削機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】大口径の急傾斜坑、例えば、水力発電所
における水圧管路は約45°乃至はそれ以上の対水平角
度で形成しなければならないので、ズリ搭載車両による
坑道外への排出方法を用いることができない。そこで、
かかる大口径の急傾斜坑を掘削して生成された掘削ズリ
を効率良く排出するために、例えば、特開平9−437
5号公報には掘削回転盤(カッターヘッド)の内部に掘
削ズリを集めるズリ回収用バケットを複数個設け、この
ズリ回収用バケットに掘削回転盤と共に回転するズリ吸
込用排出管をそれぞれ接続し、これらの管の集合部に回
転継手を介してジェットポンプを接続し、このジェット
ポンプにより排出用の循環水を吸引させることにより、
ズリ回収用バケット内に入り込んだ掘削ズリを循環水と
共に吸い込んで搬出するようにした下向き急傾斜斜坑掘
削機におけるズリ搬出装置の発明が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術では掘
削回転盤と共に回転するズリ吸込用排出管と固定された
排泥管を相互回転可能に接続するために中央部に回転継
手を設けると共に、排泥管が循環水レベルより下側にズ
リ吸込口が開口するズリ吸込用排出管のみと連通させる
ための開閉手段を設けている。このように、急傾斜斜坑
掘削機本体の先端部の直後方中央部に複雑な構造の回転
継手が設けられているため、岩盤から成る地山を掘削す
る急傾斜斜坑掘削機では、比較的頻繁に行われる掘削回
転盤の交換作業のための作業員の先端部側への移動がし
辛くなり、作業効率が著しく低下する。
【0004】また、急傾斜斜坑を掘削する場合には斜め
上方に引き出される排泥管中の泥水の水圧が下部に配置
されるジェットポンプに掛かるので、排泥管の長さが長
くなればなる程、上記水圧が大きくなり、ジェットポン
プに大きな負荷が掛かる。このため、元来、水の吸引効
率が良くないジェットポンプの吸引効率が益々低下して
しまい、急傾斜斜坑を掘削するのに要する費用が嵩んで
実用性が失われてしまう虞がある。そこで、上述の従来
例ではトンネル掘削機の後方に土砂脱水篩装置を設け
て、水と分離したズリをトロッコに載せて上部に搬出さ
せることを提案している。しかし、急傾斜斜坑において
はトロッコにズリを載せて坑道外に搬出するには牽引負
荷の増大等多くの困難を伴うため、これとても実用性の
増大効果に乏しい。
【0005】上述のジェットポンプに対して遠心吸水式
ポンプは水の吸引効率が良いので、この型式の吸水ポン
プをトンネル掘削機の駆動部の後方に配設して、これに
より切羽近傍に蓄留する循環水を吸い上げて掘削ズリを
一緒に搬送する方法も考えられるが、この場合は吸水ポ
ンプより下方の排泥管中の泥水の水圧が吸水式ポンプに
対して吸引力として作用するので、その分だけ切羽側の
排泥管開口での水の吸引力が低下し、上記泥水の水圧が
大気圧に達すると切羽側の排泥管開口での水の吸引力は
0になり、最早、排土することができなくなってしま
う。本発明は従来技術におけるかかる問題点を解決し
て、排泥ポンプが斜坑トンネル掘削機の後部に配設され
た場合でも切羽側の排泥管開口での泥水の吸引力の低下
を防止できる泥水の吸引効率が優れた下向き斜坑トンネ
ル掘削機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、掘削ズリと共に吸い込まれる水を後方に導
く排泥管の開口を隔室の下部に固設し、斜坑トンネル掘
削機の後部に排泥管内の水を吸引する遠心吸水式の排泥
ポンプを設けると共に排泥管の開口の下流側直後に排泥
管内の水を吸引して下流側に押し込む補助揚水手段を設
け、該補助揚水手段による水の揚水により、排泥ポンプ
より上流の排泥管内の水の水圧による前記開口での水の
吸引力の低下を補うようにしたものであり、好ましく
は、補助揚水手段は排泥管内の下流側に向けて、高速水
流生成手段により生成された高速水流が合流する合流管
であり、補助揚水手段と排泥ポンプとの間の排泥管の途
中に、下流に掘削ズリを搬送する速い流れと上方に向か
う掘削ズリを含まない遅い流れとに分流する分流器を介
装すると共に、該分流器の上部と隔室の上部とを接続す
る戻し管の途中に戻しポンプを介装し、該戻しポンプと
送水ポンプとにより隔室内に注水された水の水量と排泥
ポンプにより排泥管の下流側に送り出される水の水量と
を監視して、隔室内に蓄留する水の水位を一定に保持
し、分流器の上部と合流管とを接続する噴流管の途中に
介装した噴流ポンプを高速水流生成手段としたものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を具
体化した一具体例を詳細に説明する。図1は本具体例の
概略構成を示す構成図、図2は本具体例に係るトンネル
掘削機の稼働状態の縦断面図、図3は同じく、トンネル
掘削機の先端部の拡大縦断面図、図4は図3中の切断線
I−Iに沿った要部断面図である。
【0008】これらの図において、1は鋼材で形成され
た円筒状のトンネル掘削機本体であり、2はトンネル掘
削機の駆動部と掘削部側を垂直に遮る隔壁、3はトンネ
ル掘削機の先端側の掘削部に回転自在に設けられ、回転
により地山を掘削する掘削回転盤、3aは掘削回転盤3
の前面に多数取り付けられ、地山の岩盤を割り砕く掘削
刃、3bは掘削回転盤3の背面に設けられた円筒状の支
持環、4は支持環3bと後述する隔壁2の支持筒体との
間を摺動自在かつ気密に封止する封止帯、5は掘削機本
体1、隔壁2および掘削回転盤3により区画された空間
より成る隔室(チャンバー)、6は隔壁2に取り付けら
れ、掘削回転盤3を回転駆動する駆動装置、7は隔壁2
の前面に設けられた同心状の円筒体で形成され、掘削回
転盤3の支持環3bが摺動自在に嵌合する支持筒体、8
は支持筒体7の内面に回転自在に配設され、掘削回転盤
3の支持環3bを支持する旋回ベアリングである。
【0009】また、13は次に述べる送水管を流れた泥
水が隔室5の底部近傍に噴出する先端開口である噴出
口、14(a,b)は地上に設置された図示しない送水
タンクから給水された水を隔室5内に導く送水管、15
は送水管14bの途中に介装され、送水管14中の水を
隔室5側に送り込む送水ポンプ、16は隔室5内の泥水
の水位Lが一定になるように、送水ポンプ15の送水量
を制御する送水制御装置、17は送水管14a,14b
の間に介装され、送水管14中の水の流れの開閉を行う
ための開閉弁、18(a〜f)は隔室5内に落ち込んだ
掘削ズリを泥水と共に坑道内を地上まで導く排泥管、1
9は排泥管18aが隔室5内の底部に切羽F側に向けて
開口した吸込口である。
【0010】20は隔壁2に穿設された貫通孔に連通し
て設けられ、隔室5内の泥水の水位Lを検出するための
水圧を計る水圧計、21は送水制御装置16と水圧計2
0とを接続する信号線、22は圧接する一対のローラー
を有して、排泥管18c中を搬送された岩片を適当な大
きさに割り砕く破砕機、23は排泥管18bから排泥管
18cへの泥水の流れの開閉を行うための開閉弁、24
は排泥管18e中の泥水を吸引して排泥管f側に送出す
る遠心吸水式の排泥ポンプ、25は排泥管18dを経て
流入した泥水を殆ど岩片を含まない泥水の流れと岩片密
度が高い泥水の流れとに分流すると共に、泥水中に含ま
れる気泡をも分離して取り除く分流器、26は排泥ポン
プ24を駆動する直流変圧式モーターである。
【0011】30は分流器25で分流された殆ど岩片を
含まない泥水を隔室5に導いて還流させる戻し管、31
は戻し管30の途中に介装されて分流器25からの泥水
を隔室5側に送り込む戻しポンプ、32は分流器25内
の上部に溜まった気泡を隔室5の上部に導く空気抜き
管、33は空気抜き管32の途中に介装されて空気抜き
管32中の空気を吸引する真空ポンプ、34は分流器2
5の上部に配設され、当該箇所の空気を検出する空気検
出器、35は空気検出器34の検出信号に基づいて真空
ポンプ33の運転を制御する制御装置である。
【0012】さらに、40は後述する噴流管を経て送水
された泥水が高速で管内に流れ込み、排泥管18aから
の泥水と合流して排泥管18b側に流出する合流管、4
0aは噴流管からの泥水を高速流水とするために噴流管
より小径としたノズル部、40bはノズル部40aから
流出した噴流管からの泥水が排泥管18aからの泥水と
合流する排泥管18aとほぼ同径の円筒状の混合部、4
0cは混合部40bから流出した泥水の流速を落とすた
めに混合部40bよりも大径とした緩流部、41(a,
b)は分流器25からの泥水を合流管40に導く噴流
管、42は分流器25からの泥水を合流管40に送り込
む噴流ポンプ、43は噴流管41a,41bの間に介装
されて流路の開閉を行うための開閉弁である。
【0013】次に、この具体例の動作を説明する。掘削
動作に先立って、先ず開閉弁17を開くと共に送水ポン
プ15を回転させて、地上の送水タンク内の水を送水管
14(a,b)を介して隔室5内に注水する。送水制御
装置16は信号線21を介して伝達された水圧計20か
らの水圧信号から隔室5内の泥水の水位Lを演算し、水
位Lが所定値に達したら制御装置35に排水開始信号を
送る。制御装置35は排水開始信号を受信すると、開閉
弁23および開閉弁43を開き、破砕機22、排泥ポン
プ24、戻しポンプ31および噴流ポンプ42を回転さ
せて、隔室5内の泥水を排泥管18(a〜f)を経て地
上の送水タンクに送り出すと共に、分流器25内の泥水
を戻し管30を介して隔室5内に還流させ、さらに、噴
流ポンプ42により噴流管41(a,b)を介して合流
管40で排泥管18aからの泥水と合流させる。こうし
て、所定時間各水路の流水の通水動作を継続しながら、
送水制御装置16の動作により送水ポンプ15の送水量
を制御して隔室5内の泥水の水位Lを一定に保持する。
【0014】その後、駆動装置6を駆動して掘削回転盤
3を回転させ、掘削刃3aにより切羽Fの岩盤を割り砕
く。割り砕かれた上部からの岩片Gは隔室5内の下方に
落下する(図3参照)。隔室5内に落下した岩片Gは送
水管14aの先端の噴出口13からの噴流水により撹拌
され、周囲の泥水と共に排泥管18aの先端の吸込口1
9内に吸い込まれる。なお、隔室5内の泥水の水位Lは
掘削した岩片Gの落ち込みにより所定の水位L0 より若
干高くなるが、送水制御装置16により水圧計20から
出力された水圧信号に基づいて送水ポンプ15の送水量
が低下するように制御されるから、水位Lは所定の水位
0 に保持される。吸込口19内に吸い込まれた岩片G
が大きなものであった時は、排泥管18cを経て送り込
まれた破砕機22で適当な大きさに破砕される。破砕機
22で大きさが揃えられた岩片Gは泥水と共に分流器2
5内に送り込まれる。
【0015】分流器25内では、泥水の水流が上方に向
かう岩片Gを殆ど含まない流速の緩やかな水流と、排泥
管18dの開口から排泥管18eの開口に向かう岩片G
の混入密度が高く流速の速い水流とに分流される。前者
の水流の一部は戻しポンプ31により戻し管30を経て
隔室5内に還流され、残りの水流は噴流ポンプ42によ
り噴流管41(a,b)を介して合流管40に還流され
る。他方、後者の水流は排泥管18eを経て排泥ポンプ
24により吸引され、排泥管18fを経て地上の送水タ
ンクに至る。
【0016】なお、排泥管18a〜18fの口径につい
ては、破砕される前の大きな岩片Gが通過する排泥管1
8a〜18cの口径が閉塞防止のため最も大きく、排泥
管18dには隔室5から排泥管18aに流入した水流と
噴流管41(a,b)を経て合流管40で合流した水流
とが流れるので、そこでの配管の水流抵抗を低減するた
めに、分流器25より下流の排泥管18e,18fより
大きなものが用いられる。また、太い径の排泥管18a
〜18dの管底に岩片Gが沈下することなく搬送される
ようにするために、戻しポンプ31で分流器25内の泥
水を吸引して隔室5内に還流させ、排泥管18a〜18
dの管内流速を高めて適正な搬送能力を保持させてい
る。
【0017】また、トンネル掘削機により斜坑角θの下
向き斜坑のトンネルを掘削する場合には水平坑道を掘削
する場合と異なって、吸込口19における泥水の吸引力
は例えば、排泥ポンプ24については、図2に示すよう
に、吸込口19から排泥ポンプ24までの実距離L1に
対して吸引高さL2(L2=sin θ)分に相当する水圧
だけ低下する。戻しポンプ31による吸引力についても
同様である。そこで、この具体例では噴流管41bの上
流に噴流ポンプ42を配設して、分流器25内の泥水を
吸引して合流管40に送水し、合流管40中の高速流水
による加圧により隔室5から排泥管18aに流入した泥
水を下流の排泥管18b側に流し込む付勢力を与えて、
排泥ポンプ24および戻しポンプ31による負荷圧に対
する水圧の低下を補うようにしている。
【0018】即ち、排泥ポンプ24および戻しポンプ3
1はそれぞれ排泥管18eおよび戻し管30中の泥水を
吸引することにより吸込口19における泥水の吸引力を
得ているため、排泥ポンプ24または戻しポンプ31か
らの上記吸引高さ分に相当する水圧が大気圧以上になる
と、最早これらの排泥ポンプ24または戻しポンプ31
によっては吸込口19から泥水を吸引することができな
い。そこで、吸込口19の直後に配設された合流管40
により排泥管18b中の泥水を押し上げることにより、
上述の水圧低下を補うようにしたものである。
【0019】合流管40中では噴流ポンプ42により噴
流管41(a,b)を経て送水された泥水が小径のノズ
ル部40aから混合部40b内に勢い良く高速流水とし
て流入することにより、隔室5から排泥管18aに流入
した泥水が混合部40b内で高速流水に引き込まれて緩
流部40c側に一緒に押し流される。こうして、混合部
40bから下流側に泥水を押し流す大きな水圧が発生す
るから、排泥ポンプ24等の吸引力発生源が吸込口19
の位置よりかなり高い位置にあっても、それによる吸込
口19近傍の水圧低下を補うことができる。なお、この
具体例では排泥管18aは8インチ管、排泥管18b〜
18dは10インチ管、排泥管18e,18fは6イン
チ管を用い、噴流管41は6インチ管、合流管40のノ
ズル部40aは4インチ管、混合部40bは8インチ管
を用いた。
【0020】排泥管18dを経て分流器25内に流入し
た泥水に混入した気泡はその上部に浮き上がり、空気抜
き管32を経て真空ポンプ33により吸引され、隔室5
の上部に排気される。ところで、隔室5内の泥水の水位
Lが何らかの理由で異常に低下して吸込口19から空気
が吸い込まれるようになると、分流器25内に流入する
空気の流入量が分流器25内の上部に溜まった気泡を空
気抜き管32を介して排気する真空ポンプ33の排気能
力を上回ってしまい、分流器25内の上部に空気層が滞
留し、やがて戻し管30および噴流管41b内に多量の
気泡が吸い込まれるようになる。こうなると、戻しポン
プ31の水吸引能力が低下して殆ど空転してしまい、隔
室5内の泥水の水位Lが益々低下するという悪循環を起
こす。そして、気泡が排泥管18e側にも吸い込まれる
ようになると、排泥ポンプ24も空転し、トンネル掘削
機は排土能力を失って稼働不能になってしまう。
【0021】そこで、送水制御装置16は送水管14a
を経て隔室5内に流入する水の水量と戻し管30を経て
隔室5内に還流する泥水の水量との和と、吸込口19か
ら吸い込まれる隔室5内の泥水の水量(排泥ポンプ24
および戻しポンプ31の水吸引量の和)の差を監視し、
これが所定範囲を越えないように送水ポンプ15の送水
量を制御して隔室5内に流入する水の水量を調整し、隔
室5内の泥水の水位Lを所定の水位L0 に保持してい
る。一方、分流器25内の上部に空気層が形成される
と、空気検出器34がこれを検出して検出信号を制御装
置35に送信する。制御装置35はこの検出信号を受信
すると、真空ポンプ33を回転させて分流器25内の上
部に滞留した空気を空気抜き管32を介して隔室5の上
部に排気させる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、掘削ズリと共に吸い込まれる水を後方に導く
排泥管の開口を隔室の下部に固設し、斜坑トンネル掘削
機の後部に設けた遠心吸水式の排泥ポンプにより排泥管
内の水を吸引し、排泥管の開口の下流側直後に設けた補
助揚水手段による水の揚水により、排泥ポンプより上流
の排泥管内の水の水圧による前記開口での水の吸引力の
低下を補うようにしたので、優れた水の吸引効率を維持
しながら、切羽側の排泥管開口での泥水の吸引力の低下
を防止することができる。請求項2記載の発明によれ
ば、補助揚水手段は排泥管内の下流側に向けて、高速水
流生成手段により生成された高速水流が合流する合流管
で構成したので、排泥管の開口に流れ込む大きな岩片に
よる補助揚水手段の磨耗を可及的に低減できると共に、
補助揚水手段を小型にして隔壁の直後に設けられる補助
揚水手段の専有空間を小さくできる。
【0023】請求項3記載の発明によれば、補助揚水手
段と排泥ポンプとの間の排泥管の途中に分流器を介装す
ると共に、該分流器の上部と隔室の上部とを接続する戻
し管の途中に戻しポンプを介装し、該戻しポンプと送水
ポンプとにより隔室内に注水された水の水量と排泥ポン
プにより排泥管の下流側に送り出される水の水量とを監
視して、隔室内に蓄留する水の水位を一定に保持したの
で、水位の異常低下により排泥管の開口に多量の空気が
流入して排泥ポンプが空転し、トンネル掘削機が稼働不
能になるのを防止できる。請求項4記載の発明によれ
ば、補助揚水手段と排泥ポンプとの間の排泥管の途中に
分流器を介装すると共に、該分流器の上部と合流管とを
接続する噴流管の途中に噴流ポンプを介装し、該噴流ポ
ンプによる水圧により噴流管から合流管内に流入する高
速水流を生成したので、合流管と分流器との間の排泥管
内における水流が加速されるから、該箇所での掘削ズリ
の搬送力を高めて分流器に向けて掘削ズリを円滑に搬送
することができると共に排泥ポンプの負担を軽減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例の概略構成を示す構成図
【図2】本発明の具体例に係るトンネル掘削機の稼働状
態の縦断面図
【図3】同じく、トンネル掘削機の先端部の拡大縦断面
【図4】図3中の切断線I−Iに沿った要部断面図
【符号の説明】
1 トンネル掘削機本体 2 隔壁 3 掘削回転盤 5 隔室 13 噴出口 14(a,b) 送水管 15 送水ポンプ 16 送水制御装置 18(a〜f) 排泥管 19 吸込口 20 水圧計 22 破砕機 24 排泥ポンプ 25 分流器 30 戻し管 31 戻しポンプ 32 空気抜き管 33 真空ポンプ 34 空気検出器 35 制御装置 40 合流管 40a ノズル部 40b 混合部 40c 緩流部 41(a,b) 噴流管 42 噴流ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 和憲 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 有田 亮一 大阪府吹田市芳野町7番9号 三恵株式会 社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後を気密に区画する隔壁により仕切ら
    れた前方の掘削回転盤との間に設けられた隔室内に送水
    ポンプにより送水された水を蓄留すると共に、前記掘削
    回転盤の回転により地山が掘削されて生成され、前記隔
    室内に落下した掘削ズリを該隔室内に蓄留する水と共に
    吸い込んで後方に搬出するようにした下向き斜坑トンネ
    ル掘削機において、掘削ズリと共に吸い込まれる水を後
    方に導く排泥管の開口を前記隔室の下部に固設し、前記
    斜坑トンネル掘削機の後部に前記排泥管内の水を吸引す
    る遠心吸水式の排泥ポンプを設けると共に前記排泥管の
    開口の下流側直後に前記排泥管内の水を吸引して下流側
    に押し込む補助揚水手段を設け、該補助揚水手段による
    水の揚水により、前記排泥ポンプより上流の前記排泥管
    内の水の水圧による前記開口での水の吸引力の低下を補
    うようにしたことを特徴とする下向き斜坑トンネル掘削
    機。
  2. 【請求項2】 補助揚水手段は排泥管内の下流側に向け
    て、高速水流生成手段により生成された高速水流が合流
    する合流管であることを特徴とする請求項1記載の下向
    き斜坑トンネル掘削機。
  3. 【請求項3】 補助揚水手段と排泥ポンプとの間の排泥
    管の途中に、下流に掘削ズリを搬送する速い流れと上方
    に向かう掘削ズリを含まない遅い流れとに分流する分流
    器を介装すると共に、該分流器の上部と隔室の上部とを
    接続する戻し管の途中に戻しポンプを介装し、該戻しポ
    ンプと送水ポンプとにより隔室内に注水された水の水量
    と排泥ポンプにより排泥管の下流側に送り出される水の
    水量とを監視して、前記隔室内に蓄留する水の水位を一
    定に保持するようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の下向き斜坑トンネル掘削機。
  4. 【請求項4】 合流管と排泥ポンプとの間の排泥管の途
    中に、下流に掘削ズリを搬送する速い流れと上方に向か
    う掘削ズリを含まない遅い流れとを分流する分流器を介
    装し、該分流器の上部と前記合流管とを接続する噴流管
    の途中に介装した噴流ポンプを高速水流生成手段とした
    ことを特徴とする請求項2記載の下向き斜坑トンネル掘
    削機。
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