JP4047143B2 - 掘削ズリの排出機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地上から所定深さまで下方に向かってトンネルを掘削する掘削機において、掘削ズリを効率よく上方に排出するための掘削ズリの排出機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、前面にカッタヘッドを有するトンネル掘削機を下向きにして立坑や斜坑等のトンネルを掘削する場合、上方に向かってトンネルを掘削する場合に比べて地中にトンネル掘削機発進用の水平坑を設ける必要はないという大きな利点を有しているが、掘削した岩片であるズリを坑外に排出する際に、上方に向かってトンネルを掘削する方法においてはズリを自然落下させることによって円滑に排出することができるが、下方に向かってのトンネル掘削ではズリを上方に向かって強制的に排出しなければならないという問題点があり、このため、ズリの排出が下方に向かってトンネルを掘削する上において大きな課題となっている。
【0003】
一般に、掘削ズリを上方に排出する手段としては、ポンプの作動により管路を通じて圧送、又は吸引する流体輸送方式、或いは、ズリ受け用桟付きのベルトコンベアやバケットコンベア、カプセル輸送等の機械輸送方式が広く知られているが、これらの輸送方式を、下方に向かってトンネルを掘削するトンネル掘削機におけるカッタヘッドの背面側に取り込まれた掘削ズリを上方に排出するために適用しようとすると、次のように問題点があり、単一の方式のみでは上方への排出が困難である。
【0004】
即ち、ポンプ圧送方式では、通常インペラによる圧送方式であるため、カッタヘッドのローラカッタによって掘削された掘削ズリが小径であれば長距離輸送が可能となるが、比較的大径の片状掘削ズリの場合には管路が詰まって輸送することができないという問題点があり、ポンプ吸引方式では、管路が詰まることはないが、長距離輸送を行うためには送風量を大きくする必要があり、ブロア設備として非常に大規模なものとなり、その上、水中輸送として使用するには限界がある。
【0005】
一方、ベルトコンベアやバケットコンベアによる輸送方式によれば、カッタヘッド背後に貯留されている掘削ズリの取り込み率が悪く、また、掘削ズリが硬くて表面が鋭角な形状となっているために、コンベアが短期間で損傷する虞れがある。また、カプセル輸送方式ではカプセル内に掘削ズリを積み込む手段をカッタヘッド背後の空間部に設ける必要があり、実質上、実施することが困難である。
【0006】
このため、カッタヘッド背面側に隔室を設けて該隔室内に取り込まれた掘削ズリを上方に排出する機構として、まず、吸引ポンプの一種であるジェットポンプにより上記隔室内の掘削ズリを吸引した後、排泥ポンプにより上方に排出するように構成した排出機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−182182号公報(第3〜5頁、第1図)。
【0008】
そして、このズリ排出機構においては、上記ジェットポンプの作動には多量の噴出水が必要であることから、排泥ポンプに至るまでの管路中に分流器を設けてこの分流器内に掘削ズリと共に流入した水の一部を該分流器から戻しポンプによって上記隔室内に戻すように構成している。また、隔室から分流器に至る間の管路中、即ち、分流器の上流側に掘削ズリの破砕機を配設していると共に、上記隔室内の水位を別系統で設けている送水ポンプからの給水量によって制御するように構成している。従って、このズリ排出機構によれば、ジェットポンプの作動に使用する多量の噴流水として、掘削ズリと共に隔壁内から排出される水を使用することができるので、別系統を通じて供給する水量が少なくて済むと共に、隔室内に水の流れを発生させて排土効率を向上させることができるという利点を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ズリ排出機構は、隔室内の水位の調整を、別系統の管路中に配設した送水ポンプからの給水量を制御することによって行なっているため、例えば、湧水のように外部から隔室内に多量の水が浸入した場合には、送水ポンプや戻しポンプを停止させても水位の調整ができなくなる。そのため、送水ポンプで水位の調整ができない場合には、戻しポンプと排泥ポンプとの双方の複雑な制御が必要となる。
【0010】
また、ジェットポンプの作動に使用する多量の噴流水として、掘削ズリと共に隔壁内から排出される泥水を使用しているため、ポンプの目詰まりが生じて流速の低下を招き、隔室内からの掘削ズリの吸引力が低下することになる。さらに、掘削ズリの破砕機を分流器の上流側に配設しているため、分流器から取り出した隔室への戻り水に掘削ズリの一部である土粒子が多量に含まれており、排土効率が悪いといった問題点がある。
【0011】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ポンプや管路内が目詰まりすることなく掘削ズリを効率よく排出し得るようにすると共に小規模の搬送設備でもって地上への排出を可能にし、また、カッタヘッドの背面側に湛水しながら掘削する場合においては、湧水等が発生してもその水位を掘削ズリを吸引するのに最適な水位に調整、維持し得るようにした掘削ズリの排出機構を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載の掘削ズリの排出機構は、前面に回転自在に配設しているカッタヘッドを下方に向け且つ該カッタヘッドの背面側に湛水した状態で下方に向かってトンネルを掘削する掘削機における掘削ズリの排出機構であって、カッタヘッド背面側の掘削ズリを水と共に上方に吸い込む吸込管と、この吸込を通じて吸い込んだ掘削ズリと水とを受入れ、且つ、受け入れた水をオーバフローによりカッタヘッドの背面側に戻すように構成しているタンクと、このタンクの下部内の掘削ズリを排出管を通じて水と共に上方に排出し、且つ、カッタヘッド背面側の水位が所定高さとなるように排出量を調整可能にした圧送ポンプとからなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項に係る発明は、前面に回転自在に配設しているカッタヘッドを下方に向け且つ該カッタヘッドの背面側に湛水した状態で下方に向かってトンネルを掘削する掘削機における掘削ズリの排出機構であって、カッタヘッド背面側の掘削ズリを水と共に上方に吸い込む吸込管と、この吸込管を通じて吸い込んだ掘削ズリと水とを受入れ、且つ、受け入れた水をオーバフローによりカッタヘッドの背面側に戻すように構成しているタンクと、このタンクの下部内の掘削ズリを排出管を通じて水と共に上方に排出する圧送ポンプと、カッタヘッドの背後に設けられてカッタヘッドの背面側に湛水している水を汲み上げる汲み上げポンプとを備え、上記タンクからオーバフローによりカッタヘッド背面側へ戻る水量が上記吸込管による掘削ズリと水との吸い込み量より多くなるように上記圧送ポンプの排出量を設定しておき、カッタヘッド背面側の水位が所定高さを越えたときに上記汲み上げポンプを作動させるように構成している。
【0014】
上記請求項又は請求項に記載の発明において、請求項5に係る発明は、上記タンクの下部に掘削ズリの破砕部を設け、破砕された掘削ズリを水と共に圧送ポンプにより上方に排出するように構成していることを特徴とする。
【0015】
【作用】
掘削機の前面に設けているカッタヘッドを下向きにしてこのカッタヘッドを回転させながら下方に向かってトンネルを掘削していく。掘削されたズリは、カッタヘッドの背面側に取り込まれ、吸引部を構成している吸込管を通じてカッタヘッドの上方に設置したタンク内に投入、排出される。タンクの下部内には破砕部が設けられてあり、この破砕部によって大径の掘削ズリは小割り状に破砕されたのち、タンクの下端部に連通している排出管を通じてタンクからさらに上方に排出され、カプセル輸送等の輸送手段によって地上に排出される。
【0016】
このように、まず、掘削ズリが詰まることなく排出可能な吸引方式によって所定高さに設置しているタンクにまで一旦搬入し、このタンクを中継所として該タンクの下部内で掘削ズリを破砕したのち、次いで、該タンクから排出管を通じて上方に排出するものであるから、掘削ズリは小割り状に破砕されているので、排出ポンプや排出管内が目詰まりすることなく掘削ズリの排出が可能となり、その上、該排出管の径を吸引部の上記吸込管の径よりも小さくすることができて長距離輸送が行えると共に配管設備の省スペース、小規模化を図ることができるものであり、さらに、掘削ズリは粒子間の隙間が少ない密な状態となって排土効率が向上するものである。
【0017】
また、カッタヘッドの背面側に湛水しながら掘削する場合においては、上記吸引部の吸込管によってカッタヘッドの背面側に取り込まれている掘削ズリを水と共に吸引し、その上端部から掘削ズリを水と共に上記タンク内に投入して水を該タンクの上部からオーバフローさせる一方、掘削ズリをタンクの下部(底部)に向かって沈降させ、排出管を通じて一部の水と共に上方に搬出する。この際、オーバフローによってカッタヘッドの背面側の湛水部に給水する量は、吸込管を通じてタンク内に排出される掘削ズリと水との量から排出管を通じて排出される排泥量を引いた量であり、従って、この排泥量を変化させることによって上記湛水部の水位を簡単に調整することができる。
【0018】
このような湛水部の水位の調整は、湛水部に水の汲み上げポンプを別途設けておくと共に、上記タンクからオーバフローによりカッタヘッド背面側へ戻る水量が上記吸込管による掘削ズリと水との吸い込み量より多くなるようにタンクから排出管を通じて排出される排出量を設定しておき、カッタヘッド背面側の水位が所定高さを越えたときに上記汲み上げポンプを作動させるように構成しておけば、湧水によって湛水部の水位が上昇しようとしても、汲み上げポンプの作動により湛水部の水を積極的に排出してその水位を掘削ズリを吸引するのに最適な水位に調整、維持することことができるものである。
【0019】
また、タンク側からカッタヘッドの背面側に戻す水の一部は、上述したようにオーバフローによる戻し水であり、掘削ズリはタンク内に沈降するので、この戻し水には殆ど土粒子が含まれてなく、従って、排土効率の向上を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1はトンネル掘削機の簡略縦断面図、図2は掘削ズリを排出する管路構成図であって、トンネル掘削機Aはその中心部に設けている小径垂直筒部1の下端にカッタヘッド2を下向きにして回転自在に配設していると共に上記小径垂直筒部1の上端に該小径垂直筒部1よりも大径の円板形状の作業床3を一体に固着してあり、さらに、小径垂直筒部1内に縦長円筒形状のタンク4を配設してその上部を上記作業床3の中央部から上方に貫通状態で突出させてこの作業床3に一体に連結、支持させている。
【0021】
上記タンク4はその上下端を天板4a(エア抜き孔4cが設けられている)と底板4bとで密閉状に閉塞されていると共に下端部内にコーンクラッシャからなる掘削ズリの破砕装置5を設置してあり、さらに、上記作業床3から上方に突出している該タンク4の上端部内に、上記カッタヘッド2の背面側に取り込まれた掘削ズリBの吸引部を構成する吸込管6の上端開口部を臨ませていると共にこの吸込管6の下端開口部を上記カッタヘッド2の背面に形成している掘削ズリ貯留凹部7内に臨ませている。
【0022】
なお、この吸込管6は、上記小径垂直筒部1内をタンク4の一側面に沿って上下方向に配設されていると共に、小径垂直筒部1の下端から下方に突出している該吸込管6の下端部はロータリージョイント6aによって回転可能に形成されていてその下端吸込口の位置を上記掘削ズリ貯留凹部7の内底面上に沿って水平方向に移動できるように構成している。また、この吸込管6の上端部は上記作業床3の中央部からタンク4の上端部の一側壁面を貫通して該一側壁面部に支持された状態でその上端開口部をタンク4の上端部内に突出させている。
【0023】
タンク4の上部内の中央部には、該タンク4の上部内を左右両側の通路部9a、9bに仕切っている縦仕切板8が固定されてあり、この縦仕切板8の下端部を掘削ズリ排出時においてタンク4内に滞留する水Cの水面下に没入させていると共に、上端面に上記吸込管6の上端開口部を支持してこの吸込管6の開口端をタンク4の他側方の通路部9bの上端開口部に臨ませている。
【0024】
さらに、上記ロータリージョイント6aの上側近傍部における該吸込管6の下部に、圧力水を供給する噴流管10の下端ノズル部10a を上向きにして連通させてあり、このノズル部10a から吸込管6の下部に圧力水を上向き流入させて該吸込管6の下端部に吸引力を発生させ、その吸引力によって掘削ズリ貯留凹部7内の掘削ズリBを貯留凹部7内に湛水している水の一部と共に吸込管6に吸引して圧力水の流れにより吸込管6内を上方に押し上げ、タンク4の上端部内に排出するように構成している。
【0025】
噴流管10はその上端部を図2に示すように、トンネル掘削機A内に配設している上記タンク4から所定高さ上方におけるトンネルT内、或いはトンネル掘削機A内に配設された固液分離装置11に連結、連通させてあり、この噴流管10中に設けている噴流ポンプ12によって固液分離装置11内の水槽(図示せず)から水を吸引して噴流管10内に送り込み、上述したようにその下端ノズル部10a から吸込管6の下端部内に噴流させるように構成している。
【0026】
また、上記タンク内の下端部に設けている破砕装置5によって小割り状の岩片に破砕処理された破砕処理ズリB'を上記固液分離装置11内に送り込む排出部13を設けている。この排出部13は、破砕装置5のズリ排出口の下方とタンク4の底板3bとの間の空間部によって形成されている破砕処理ズリ室14に下端を連結、連通させ、且つ上端を上記固液分離装置11に連結、連通させている排出管13a と、この排出管13a の下端部中に設けているインペラ式揚水ポンプからなる圧送ポンプ13b とから構成している。
【0027】
上記固液分離装置11としては、例えばサイクロンと振動フルイとを組み合わせてなる装置が用いられ、排出管13a を通じてこの固液分離装置11内に供給された破砕処理ズリB'と水との混合物は、固液分離装置11によって破砕処理ズリB'と水とに分離され、破砕処理ズリB'は固液分離装置11からカプセル輸送等の輸送手段によって地上に排出される一方、分離した水は該固液分離装置11内に配設している水槽内を通じて上述したように噴流管10に供給するようにしている。また、この水槽内には、トンネルT内を通じて別途配管している給水管15により必要量の水を供給するように構成している。
【0028】
さらに、トンネル掘削機Aの上記小径垂直筒部1内における一側部にタンク4内から一部の水を掘削ズリ貯留凹部7側に戻す戻し管16を上記吸込管6に並列させて配設してあり、この戻し管16の上端部をタンク3の一側上部に水密状に貫通、支持させてタンク3の上部内の仕切板8によって仕切られている一側方の通路部9a側に連通させていると共に下端部を掘削ズリ貯留凹部7上に臨ませて、タンク3内に一定高さまで滞留した水を該戻し管16内を通じてオーバフローさせ、貯留凹部7に戻すようにしている。
【0029】
また、掘削ズリ貯留凹部7内に汲み上げポンプ17を配設して貯留凹部7内の湛水C中に没入させてあり、この汲み上げポンプ17の吐出口に排水管18の下端を連通させて汲み上げポンプ17の作動により貯留凹部7内に湛水している水の一部を排水管18を通じて上方に排出するように構成していると共に、カッタヘッド2の背面上方に掘削ズリ貯留凹部7内の湛水の水位を計測する水位計19を設置し、この水位計19と上記排水部13側の圧送ポンプ13b 、及び上記汲み上げポンプ17とを機内等の適所に配設した制御盤20に電気的に接続して、貯留凹部7内の水位が所定高さとなるようにこれらの圧送ポンプ13b 及び汲み上げポンプ17の作動を制御するように構成している。
【0030】
上記カッタヘッド2は、その回転中心部21を小径の水平部分に形成されていて該回転中心部21から外周端に向かって上方に傾斜した逆截頭円錐形状に形成されていると共に、下面に多数個のローラビット22を突設してあり、さらに、周方向に所定間隔毎にズリ取込み開口部23を設けていると共に、このズリ取込み開口部23の回転方向に面している側端縁に、掘削ズリBを機内側に向かって掻き上げ且つ掘削ズリ貯留凹部7の中央部に向かって掻き寄せるように傾斜した傾斜スクレーパ24を固着している。
【0031】
さらに、カッタヘッド2の外周端に、内径方向に向かって複数本のアーム部材2aを突設してこれらのアーム部材2aの内端を中央リング部材2bに一体に固着し、該リング部材2bをトンネル掘削機Aの上記小径垂直筒部1の下端部外周面に円環状水平板25a を介して同心的に固着している短筒体25b の下端部内周面に回転自在に支持させてあり、このリング部材2bの内周面に設けている円形ラック26に、円環水平板25a 上に設置している駆動用モータ27の回転軸に固着したピニオン28を噛合させてモータ27の駆動によりカッタヘッド2を回転させるように構成している。
【0032】
また、上記短筒体25b の外周面に、周方向に所定間隔毎に下向きに傾斜した傾斜ジャッキ29と上向きに傾斜した傾斜ジャッキ30との内端部を上下方向に回動自在に連結、支持してあり、これらの傾斜ジャッキ29、30の外端部を周方向に複数分割しているグリッパ31の内面に連結して該傾斜ジャッキ29、30を伸長させることにより、グリッパ31を掘削壁面tに圧着させてトンネル掘削機Aを支持させながら下方に推進させるように構成している。
【0033】
このように構成したトンネル掘削機Aによって下方に向かって垂直なトンネルTを掘進すると共に掘削されたズリBを上方に排出する方法について説明すると、トンネルTを掘り下げていくには、上記傾斜ジャッキ29、30によってグリッパ31を掘削壁面tに圧着させることにより、該掘削壁面tに推進反力をとると共にトンネル掘削機Aの支持を行わせ、短筒体25b から斜め上方に傾斜している傾斜ジャッキ30を伸長させることにより、トンネル掘削機Aを垂直下方に推進させながら、カッタヘッド2の回転によって切羽地盤を切り下げ掘削していく。なお、短筒体25b から斜め下方に傾斜しているジャッキ29は、掘削壁面tに対するグリッパ31の下端部の圧着力を調整してトンネル掘削機Aが必要以上に下動するのを阻止する突っ張り作用を行うものである。
【0034】
掘削されたズリBは、ズリ取込み開口部23の側端縁に固着しているスクレーパ24によってズリ取込み開口部24を通じてカッタヘッド2の裏面側、即ち、上面側に掻き上げられると共に、カッタヘッド2の回転中心部21に向かって掻き寄せられながらカッタヘッド2の回転中心部21上のズリ貯留凹部7に寄せ集められる。
【0035】
ズリ貯留凹部7内には一定高さまで水Cが湛水してあり、掘削ズリBは水と共吸込管6に吸引される。即ち、噴流ポンプ12の作動によって固液分離装置11側から噴流管10内に圧力水を供給し、該圧力水を噴流管10の上向きに屈曲している下端ノズル部10a から上記吸込管6の下端部に上方に向かって流入させることによって上記吸込管6の下端部に吸引力を発生させ、この吸引力によってズリ貯留凹部7内に没入している吸込管6の開口下端から掘削ズリを水と共に吸込管6内に吸入するものである。
【0036】
この時、吸込管6の吸引力によって湛水Cに該吸込管6に向かう流れが発生し、ズリ貯留凹部7が下向きの截頭円錐形状に形成されているのと相まって、掘削ズリBが該吸込管6の吸込口に向かって円滑に流動して確実に排出することができ、その上、吸込管6の吸込管口をズリ貯留凹部7上に臨ませた状態でロータリージョイント6aを介して回動させることにより、吸込口の位置を変化させてズリ貯留凹部7内で広範囲に亘る掘削ズリBの吸引、排出が可能となるものである。そして、吸込管6の下端部内を上方に向かって噴流するノズル部10a からの圧力水によって吸込管6内の掘削ズリは水と共に上方に押し上げられて吸込管6の上端からタンク4の上端部内に排出される。
【0037】
吸込管6によってタンク4内に供給される掘削ズリと水との量は、タンク4の下端部から排出管13a によって排出される掘削ズリと水との量よりも多く、従って、タンク4内には戻し管16に達する高さまで水が滞留していてそれ以上の水は戻し管16を通じて掘削ズリ貯留凹部7に還流する一方、吸込管6の上端開口部から排出された掘削ズリBは、タンク4内に滞留している水中をタンク4の下端部に配設している破砕装置5に向かって沈降する。
【0038】
この際、タンク3の上部内は縦仕切板8によって二つの通路部9a、9bに仕切られていて、一側方の通路部9a側に上記戻し管16の上端が連通している一方、他側方の通路部9b内に掘削ズリBを投入するので、水中を沈降する掘削ズリBや土粒子が戻し管16側に浮動するのを縦仕切板8により阻止され、戻し管16に殆ど土粒子等が混入していない水がオーバフローして掘削ズリ貯留凹部7側に戻されることになり、排土効率が向上する。
【0039】
タンク3内の水中を沈降して破砕装置5に達した掘削ズリBは、破砕装置5によって小割り状に破砕されて岩片となり、この破砕処理ズリB'は破砕装置5とタンク3の底板4b間の破砕処理ズリ室14内に一旦滞留したのち、排出部13の圧送ポンプ13b の作動によって排出管13a を通じて水と共に上方に設置している固液分離装置11内に排出される。この際、掘削ズリBは、破砕装置5によって細かく破砕されているので、上記吸込管6よりも小径の排出管を使用して管内が詰まることなく長距離輸送が可能となる。
【0040】
上記固液分離装置11内に排出された破砕処理ズリB'は水と分離され、この固液分離装置11側で、例えばカプセル内に一定量、投入され、該固液分離装置11から地上に達するまで配管されているカプセル輸送管を通じて排出される。一方、破砕処理ズリB'から分離した水は一旦水槽内に貯留され、上記噴流管10を通じて吸込管6の下端部に噴流させて掘削ズリ貯留凹部7内の掘削ズリの吸引に使用するものであり、この際、噴流水には破砕処理ズリB'の土粒子が殆ど含まれていないから、噴流ポンプ12が目詰まりしたり、流速が低下したりする虞れはない。
【0041】
このように、トンネル掘削機Aを下方に向かって掘進させながら掘削されたズリBを貯留凹部7内に取込み、噴流管10の下端ノズル10a からの噴流によって吸込管6に掘削ズリBを水と共に吸引して上方のタンク4内に排出し、該タンク4からオーバフローする水を戻し管16を通じて掘削ズリ貯留凹部7内に還流させる一方、タンク内に投入された掘削ズリBをタンクの下端部内に配設している破砕装置5まで沈降させて該破砕装置5により小割り状の岩片に破砕し、この破砕処理ズリB'を圧送ポンプ13b によって排水管18を通じて上方の固液分離装置11まで搬出し、この固液分離装置11側からカプセル輸送やバケットコンベア等の等の輸送手段によって地上にまで排出する。
【0042】
この際、例えば吸込管6内に供給される噴流水の量を1.46m3 /分、圧力を8kgf/cm2 とし、吸込管6によって水と共に吸込まれる掘削ズリBの量を2.01m3/分とすると、この吸込管6からタンク4内に排出される量(掘削ズリB+水の量)は3.47m3 /分となり、タンク4の下端部から排出部の排出管13a を通じて排出される破砕処理ズリB'と水との量を1.4 m3 /分に設定すると、タンク4から掘削ズリ貯留凹部7にオーバーフローする水の量は、3.47−1.4 =2.07m3 /分であって、吸込管6によって吸込まれる上記量(2.01m3 /分)に略等しい量となる。
【0043】
タンク4から排出管13a を通じて排出される破砕処理ズリB'と水との量は、圧送ポンプ13b の揚水量によって決定されるので、カッタヘット2の背面側の掘削ズリ貯留凹部7に湛水している水位を水位計19によって検出してこの水位が常に一定高さとなるように上記圧送ポンプ13b による揚水量を制御盤20を介して制御するものである。
【0044】
また、上記圧送ポンプ13b による揚水量を一定量にして、吸込管6による吸込まれる量よりもオーバーフローする水の量が常に大きくなるように設定、即ち、水位が常時、上昇するように設定しておいてもよく、この場合は、掘削ズリ貯留凹部7に湛水している水位を水位計19によって検出して、制御盤20を介して汲み上げポンプ17を作動させ、排水管18を通じて固液分離装置11又は地上側に排出して掘削ズリ貯留凹部7に湛水している水位を常に一定高さとなるように調整すればよい。
【0045】
このように、タンク4からオーバフローによりカッタヘッド背面側へ戻る水量が上記吸込管6による掘削ズリと水との吸い込み量より多くなるように上記圧送ポンプ13b の排出量を設定しておき、カッタヘッド背面側の水位が所定高さを越えたときに上記汲み上げポンプ17を作動させるように構成しておけば、湧水のように外部からカッタヘッド4の背面側の掘削ズリ貯留凹部7内に多量の水が浸入しても、汲み上げポンプ17の作動によって水位が一定高さとなるように容易に調整することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に係る掘削ズリの排出機構によれば、前面に回転自在に配設しているカッタヘッドを下方に向け且つ該カッタヘッドの背面側に湛水した状態で下方に向かってトンネルを掘削する掘削機における掘削ズリの排出機構であって、カッタヘッド背面側の掘削ズリを水と共に上方に吸い込む吸込管と、この吸込管を通じて吸い込んだ掘削ズリと水とを受入れ、且つ、受け入れた水をオーバフローによりカッタヘッドの背面側に戻すように構成しているタンクと、このタンクの下部内の掘削ズリを排出管を通じて水と共に上方に排出し、且つ、カッタヘッド背面側の水位が所定高さとなるように排出量を調整可能にした圧送ポンプとからなるので、吸込管によってタンク内に水と共に投入された掘削ズリをタンク内で水中を通じて沈降させるから、掘削ズリをタンク内で水と効果的に分離させることができ、従って、タンクの上部からオーバーフローさせてカッタヘッドの背面側に戻す水には殆ど土粒子等が混在してなく、排土効率が向上するものである。
【0047】
その上、オーバフローによってカッタヘッドの背面側の湛水部に給水する水量は、吸込管を通じてタンク内に排出される掘削ズリと水との量から排出管を通じて排出される排泥量を引いた量であり、従って、この排泥量を変化させることによって上記湛水部の水位を簡単に調整することができる。
【0048】
一方、請求項に係る発明によれば、カッタヘッドの背面側に湛水している水を汲み上げる汲み上げポンプを別途設けておくと共に、上記タンクからオーバフローによりカッタヘッド背面側へ戻る水量が上記吸込管による掘削ズリと水との吸い込み量より多くなるようにタンクから排出管を通じて排出される排出量を設定しておき、カッタヘッド背面側の水位が所定高さを越えたときに上記汲み上げポンプを作動させるように構成しているので、湧水によって湛水部の水位が急激に上昇しても、上記汲み上げポンプの作動により湛水部の水を積極的に排出してその水位を掘削ズリを吸引するのに最適な水位に調整、維持することことができるものである。
【0049】
また、請求項3に係る発明によれば、タンクの下部掘削ズリの破砕部を設け、破砕された掘削ズリを水と共に圧送ポンプにより上方に排出するように構成しているので、タンクの下部内には掘削ズリの破砕部を設けたことによって、タンク内に排出した上記掘削ズリを直ちに小割り状に破砕することができる。
【0050】
このように細かく破砕された掘削ズリを排出管と排出ポンプからなる排出部を通じて上方に排出するものであるから、排出ポンプや排出管内を詰まらせることなく掘削ズリの排出が可能となり、その上、該排出管の径を吸引部の上記管路の径よりも小さくすることができて長距離輸送が行えると共に配管設備の省スペース、小規模化を図ることができるものであり、さらに、掘削ズリは粒子間の隙間が少ない密な状態となって排土効率が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明掘削ズリの排出機構を備えたトンネル掘削機の簡略縦断面図。
【図2】 掘削ズリを排出するための管路構成図。
【符号の説明】
A トンネル掘削機
B 掘削ズリ
B' 破砕処理ズリ
2 カッタヘッド
4 タンク
5 破砕装置
6 吸込管
7 掘削ズリ貯留凹部
8 縦仕切壁
10 噴流管
11 固液分離装置
12 噴流ポンプ
13 排出部
13a 排出管
13b 圧送ポンプ
16 戻し管
17 汲み上げポンプ
18 排水管
19 水位計

Claims (3)

  1. 前面に回転自在に配設しているカッタヘッドを下方に向け且つ該カッタヘッドの背面側に湛水した状態で下方に向かってトンネルを掘削する掘削機における掘削ズリの排出機構であって、カッタヘッド背面側の掘削ズリを水と共に上方に吸い込む吸込管と、この吸込管を通じて吸い込んだ掘削ズリと水とを受入れ、且つ、受け入れた水をオーバフローによりカッタヘッドの背面側に戻すように構成しているタンクと、このタンクの下部内の掘削ズリを排出管を通じて水と共に上方に排出し、且つ、カッタヘッド背面側の水位が所定高さとなるように排出量を調整可能にした圧送ポンプとからなることを特徴とする掘削ズリの排出機構。
  2. 前面に回転自在に配設しているカッタヘッドを下方に向け且つ該カッタヘッドの背面側に湛水した状態で下方に向かってトンネルを掘削する掘削機における掘削ズリの排出機構であって、カッタヘッド背面側の掘削ズリを水と共に上方に吸い込む吸込管と、この吸込管を通じて吸い込んだ掘削ズリと水とを受入れ且つ受け入れた水をオーバフローによりカッタヘッドの背面側に戻すように構成しているタンクと、このタンクの下部内の掘削ズリを排出管を通じて水と共に上方に排出する圧送ポンプと、カッタヘッドの背後に設けられてカッタヘッドの背面側に湛水している水を汲み上げる汲み上げポンプとを備え、上記タンクからオーバフローによりカッタヘッド背面側へ戻る水量が上記吸込管による掘削ズリと水との吸い込み量より多くなるように上記圧送ポンプの排出量を設定しておき、カッタヘッド背面側の水位が所定高さを越えたときに上記汲み上げポンプを作動させるように構成していることを特徴とする掘削ズリの排出機構。
  3. タンクの下部に掘削ズリの破砕部を設け、破砕された掘削ズリを水と共に圧送ポンプにより上方に排出するように構成していることを特徴とする請求項又は請求項に記載の掘削ズリの排出機構。
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