JP2014222018A - 気泡シールド工法における、抑泡剤を用いた、掘削土の流体輸送方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シールド機10による地盤の掘削が開始されたならば、送泥ポンプ48、クラッシャ52、複数の排泥ポンプ56を動作させ、調整槽66において第1の泥水に抑泡剤を注入する。コンベア20から排出された気泡土が合流管44において第1の泥水と合流、混合されて第2の泥水となる。ここで、第2の泥水は、抑泡剤と気泡土の気泡を含んでいる。次いで、気泡を含む第2の泥水と抑泡剤が混合されることにより、第2の泥水に含まれる気泡の大半が消泡される。大半の気泡が消泡された第2の泥水は、クラッシャ52において礫が破砕されたのち、分流器54に移送され、複数の排泥ポンプ56により排泥管50を介して振動ふるい装置64へ移送される。
【選択図】図1
Description
気泡シールド工法は、起泡剤を含む液体を発泡させて生成した気泡を、切羽とカッタとの間に、あるいは、カッタで掘削された掘削土を貯えるチャンバに注入しつつ、カッタによって地山を掘削するものである(特許文献1、2参照)。
そのため、掘削土の移送処理に手間を要すると共に、移送設備が複雑化することからコストがかさみ、省力化を図る上で不利がある。更に、消泡剤を空気中に噴霧するために、気泡土に満遍なく行き渡らせることが困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、気泡シールド工法において排出される気泡を含む掘削土の移送において、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる気泡シールド工法における、消泡剤(抑泡剤)を用いた、掘削土の流体輸送方法を提供することを目的とする。
したがって、第2の泥水に含まれる気泡が低減されるため、排泥ポンプにおけるキャビテーションの発生を抑制でき、第2の泥水の移送が安定してかつ確実に行われる。
そのため、気泡を含む掘削土を円滑に流体移送することができるため、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる。
図1は本実施の形態の気泡シールド工法の説明図である。
本実施の形態における気泡シールド工法は、シールド機10と、発泡設備30(図2)と、流体輸送設備42と、泥水処理設備62とを用いて実施される。
なお、図1において、符号1は地盤に対して鉛直方向に掘削された発進立坑を示し、符号2は発進立坑1からシールド機10によって水平方向に掘削されたトンネルを示す。また、符号Gは地面を示す。
シールド機10は、掘削部12およびテール部14などを含んで構成されている。
カッタ装置16は、掘削部12の前端に配設された円盤状のカッタ1602を掘進方向と平行な軸線回りに回転することで地盤を掘削するように構成されている。
隔壁18は、カッタ装置16の後方に設けられ、隔壁18とカッタ装置16の背面との間に、カッタ装置16による地盤の掘削で排出された掘削土を貯えるチャンバ28が形成される。
コンベア装置20は、チャンバ28に貯えられた掘削土を後述する合流管44に運搬するように構成されている。コンベア装置20としては例えばスクリュコンベアが使用可能である。
ジャッキ装置22は、カッタ装置16によって掘削されたトンネル2に環状に組み付けられるセグメント4の箇所を掘進方向の後方に向けて押圧することでシールド機10を掘進方向に推進させるように構成されている。
鋼殻外装壁24は、トンネル2の内壁に臨む円筒状を呈し、鋼殻外装壁24の内側に形成される円柱状の空間内にコンベア装置20の前部とジャッキ装置22を収容している。
鋼殻外装壁26は、トンネル2の内壁に臨む円筒状を呈し、掘削部12の鋼殻外装壁24の掘進方向の後端に接続され、鋼殻外装壁26の内側面2604の内側に形成される円柱状の空間内にコンベア装置20の後部などを収容している。
発泡設備30は、起泡剤貯留槽32、起泡剤注入ポンプ34、コンプレッサ36、気泡制御装置38、発泡装置40などを含んで構成されている。
これら各装置は、テール部14の後部に連結された不図示の複数の発泡設備用の設備車両に分散して配設されている。これら複数の発泡設備用の設備車両もシールド機用の設備車両と同様にレール6上を移動可能に設けられている。
起泡剤注入ポンプ34は、起泡剤貯留槽32から供給される起泡剤を気泡制御装置38に移送するものである。
コンプレッサ36は、圧縮空気を気泡制御装置38に供給するものである。
気泡制御装置38は、起泡剤および圧縮空気の流量をそれぞれ制御して発泡装置40に供給するものである。
発泡装置40は、気泡制御装置38から供給される起泡剤および圧縮空気からシェービングクリーム状の気泡を生成するものである。
発泡装置40で生成された気泡は、気泡注入管4002を介して切羽とカッタ1602の前面との間に供給され、あるいは、チャンバ28に供給される。
したがって、カッタ装置16によって掘削された掘削土は気泡が混合された気泡土となる。
流体輸送設備42は、抑泡剤注入装置43と、合流管44と、送泥管46と、送泥ポンプ48と、排泥管50と、クラッシャ52と、分流器54と、複数の排泥ポンプ56と、循環管58と、循環ポンプ60と、制御盤61とを含んで構成されている。
第1の開口44Aは、コンベア装置20の下流端に接続されている。
第2の開口44Bは、第1の泥水を、第1の泥水を貯える後述する調整槽66から合流管44に移送する送泥管46の下流端に接続されている。
第3の開口44Cは、複数の排泥ポンプ56が設けられ第2の泥水を合流管44からトンネル2の外に移送する排泥管50の上流端に接続されている。
合流管44は、コンベア装置20から第1の開口44Aに供給される気泡土と、送泥管46から第2の開口44Bに供給される第1の泥水とを合流、混合させ、気泡土と第1の泥水とが混合された第2の泥水を第3の開口44Cから排泥管50に供給するものである。
抑泡剤は、あらかじめ泥水中に分散させておくと、泥水中の気泡の薄膜の安定性を阻害し泡の生成を不可能(消泡)とするものである。
このような抑泡剤として、例えば、エマルジョン型抑泡剤など、従来公知のさまざまな抑泡剤が使用可能である。
なお、シールド機10により地山が掘削されて排出される掘削土に含まれる礫の大きさが小さく、礫が含まれる第2の泥水を排泥ポンプ56によって支障なく移送できる場合には、クラッシャ52によって礫を破砕する必要が無い。したがって、そのような場合には、クラッシャ52、分流器54、及び循環ポンプ60を、全て省略することができる。
分流器54は、泥水吸入口54Aから供給される抑泡剤が注入された第2の泥水を第1の泥水排出口54Bに排出する経路と、泥水吸入口54Aに供給される第2の泥水を第2の泥水排出口54Cに導くバイパス経路との2つの経路を備えている。
循環ポンプ60は、循環管58の中間部に設けられ、分流器54の第2の泥水排出口54Cから供給される第2の泥水を送泥管46の中間部に供給するものである。
制御盤61は、これら抑泡剤注入装置43、送泥ポンプ48、クラッシャ52、分流器54、複数の排泥ポンプ56、循環ポンプ60の起動、停止などを操作するための操作スイッチを備えており、これら操作スイッチが操作されることで制御を行う。
本実施の形態では、循環ポンプ60および制御盤61は、専用の車両6002上に設けられ、この専用の車両6002は、前記のシールド機用の設備車両、発泡設備用の設備車両、クラッシャ52専用の車両5202と同様にレール6上を移動可能に設けられている。
礫分および砂分が除去された第2の泥水は、75ミクロン未満のシルト・粘土・コロイドの微粒子を含む第1の泥水として振動ふるい装置64から調整槽66に移送される。
振動ふるい装置64によって取り除かれた礫分および砂分aは、油圧ショベルAおよびダンプトラックBを用いて搬出される。
原水槽68は、調整槽66から送水管67を介して移送された第1の泥水を余剰泥水として貯えるものである。
凝集剤は、水の濁りや色を除去するために用いられる薬剤で、水中に懸濁する微粒子をくっつけてフロック(集塊)をつくらせ、沈降、濾過によって分離除去するのを容易にする作用がある。凝集剤としては、PAC(ポリ塩化アルミニウム)など従来公知のさまざまな凝集剤が使用可能である。
フィルタプレス装置76は、移送された泥水を脱水処理することで脱水ケーキbを得るものである。脱水ケーキbは、油圧ショベルDおよびダンプトラックEを用いて処理場に搬出される。
清水槽80は、ろ液水槽78から送水管79を介して移送された水を清水として貯えるものである。
シールド機10による地盤の掘削が開始される前に、送泥ポンプ48、抑泡剤注入装置43、クラッシャ52、複数の排泥ポンプ56、循環ポンプ60の全てが動作停止状態にあるものとする。
シールド機10による地盤の掘削が開始されると、コンベア装置20から排出された気泡土が合流管44において抑泡剤を含んだ第1の泥水と合流、混合されて第2の泥水となる。
言い換えると、チャンバ28から排出され気泡が混合された掘削土からなる気泡土に、抑泡剤を含んだ第1の泥水を混合して第2の泥水とする第1の工程が実行される。
言い換えると、第2の泥水を排泥ポンプ56を用いてトンネル2の外に移送する第2の工程が実行される。また、本実施の形態では、前記の第1の工程と、前記第2の工程との間で、第2の泥水に含まれる礫をクラッシャ52によって破砕する破砕工程が実行される。
そのため、第2の泥水に含まれる気泡が低減されるため、排泥ポンプ56におけるキャビテーションの発生を抑制でき、第2の泥水の移送が安定してかつ確実に行われる。
そのため、気泡を含む掘削土を円滑に流体移複数の排泥ポンプ56による第2の泥水の移送が安定してかつ確実に行われる。
したがって、気泡シールド工法においてシールド機10から排出される気泡を含む掘削土を円滑に流体移送することができるため、掘削土の移送において、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる。
特に、従来のように、気泡を含む掘削土に消泡剤を噴霧して消泡したのち、掘削土を台車、あるいは、ベルトコンベアを用いて移送する場合に比較して、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる。
これに対して、本実施の形態では、抑泡剤を使用することによって、泥水中の気泡の薄膜の安定性を阻害し泡の生成を不可能とできるので、前記各ポンプにおけるキャビテーションの発生を抑制でき、泥水を円滑に移送あるいは循環させる上で有利となる。
言い換えると、第1の工程に先立って、気泡を消泡する抑泡剤を第1の泥水に注入する第1の抑泡剤注入工程を実行してもよい。
すなわち、調整槽66に貯えられた第1の泥水に抑泡剤を注入、混合してもよい。
あるいは、気泡土と第1の泥水とが混合された直後に抑泡剤を注入すると共に、第1の泥水に抑泡剤を混合してもよい。
要するに、排泥管50で移送する第2の泥水に含まれる気泡を消泡することができれば、抑泡剤を第2の泥水に注入するか、第1の泥水に注入するか、あるいは、第1、第2の泥水の双方に注入するかは任意である。
すなわち、第1の工程に先立って、気泡を消泡する抑泡剤を第1の泥水に注入する第1の抑泡剤注入工程、あるいは、第1の工程のあとで抑泡剤を第2の泥水に注入する第2の抑泡剤注入工程、あるいは、第1の抑泡剤注入工程および第2の抑泡剤注入工程の双方の工程の何れを行うかは任意である。
第2の泥水に残存する気泡の量が多いと、複数の排泥ポンプ56による第2の泥水の移送が円滑に行われないなどの影響を与えることが懸念される。
そのため、第2の泥水に含まれる気泡の量が複数の排泥ポンプ56による第2の泥水の移送に影響を与えないように、第2の泥水に含まれる気泡の量を監視しつつ、抑泡剤の注入量を制御することが好ましい。
しかしながら、第2の泥水は、クラッシャ52および排泥管50を通っていることから気泡の量を監視することは容易ではない。
一方、調整槽66に貯えられる第1の泥水は、振動ふるい64によって第2の泥水から礫が除去されたものであることから、第1の泥水に含まれる気泡の量を監視すれば、実質的に第2の泥水に含まれる気泡の量を監視することができる。
そこで、調整槽66の第1の泥水に含まれている気泡の量を監視して調整槽66の第1の泥水に対する抑泡剤の注入量を制御すれば、実質的に第2の泥水に含まれる気泡の量を監視して抑泡剤の注入量を制御することができる。
この場合、調整槽66の第1の泥水に含まれている気泡の量を監視することは容易であるため、抑泡剤の注入量を適切に管理することが容易にでき好ましい。
したがって、第2の泥水に含まれる気泡が低減されるため、排泥ポンプにおけるキャビテーションの発生を抑制でき、第2の泥水の移送が安定してかつ確実に行われる。
そのため、気泡を含む掘削土を円滑に流体移送することができるため、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる。
また、調整槽の第1の泥水に含まれている気泡の量を監視しつつ、その監視結果に基づいて調整槽の第1の泥水に対する抑泡剤の注入量を制御するため、実質的に第2の泥水に含まれる気泡の量を監視しつつ、その監視結果に基づいて抑泡剤の注入量を制御することになる。したがって、調整槽の第1の泥水に含まれている気泡の量を監視することは容易であるため、第2の泥水の気泡を消泡するために必要な抑泡剤の注入量を適切にかつ容易に管理する上で有利となる。
Claims (6)
- 起泡剤を含む液体を発泡させて生成した気泡を、切羽とカッタとの間に、あるいは、カッタで掘削された掘削土を貯えるチャンバに注入しつつ、カッタによって地山を掘削する気泡シールド工法であって、
前記チャンバから排出され気泡が混合された掘削土からなる気泡土に第1の泥水を混合して第2の泥水とする第1の工程と、
前記第2の泥水を、排泥ポンプを用いてトンネルの外に移送する第2の工程と、
前記第1の工程に先立って、気泡を消泡する抑泡剤を前記第1の泥水に注入する第1の抑泡剤注入工程、あるいは、前記第1の工程のあとで前記抑泡剤を前記第2の泥水に注入する第2の抑泡剤注入工程、あるいは、第1の抑泡剤注入工程および第2の抑泡剤注入工程の双方の工程と、
を備えることを特徴とする気泡シールド工法における、抑泡剤を用いた、掘削土の流体輸送方法。 - 前記第1の工程と前記第2の工程との間で、前記第2の泥水に含まれる礫をクラッシャによって破砕する破砕工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1記載の気泡シールド工法における、抑泡剤を用いた、掘削土の流体輸送方法。 - 前記気泡土の前記チャンバからの排出はコンベア装置によってなされ、
前記コンベア装置に、前記気泡土と、前記第1の泥水とを混合して前記第2の泥水を作る合流管が接続され、
前記排泥ポンプにより前記第2の泥水を前記合流管からトンネルの外に移送する排泥管が設けられ、
前記抑泡剤を前記第1の泥水に注入する抑泡剤注入装置が設けられ、
前記第1の抑泡剤注入工程による前記第1の泥水への前記抑泡剤への注入は前記抑泡剤注入装置でなされる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の気泡シールド工法における、抑泡剤を用いた、掘削土の流体輸送方法。 - 前記合流管は、互いに連通する第1、第2、第3の開口を備え、
前記第1の開口は、前記コンベア装置の下流端に接続され、
前記第2の開口は、前記第1の泥水を、第1の泥水を貯える調整槽から前記合流管に移送する送泥管の下流端に接続され、
前記第3の開口は、前記排泥ポンプが設けられ前記第2の泥水を前記合流管からトンネルの外に移送する排泥管の上流端に接続され、
前記第1の開口に供給される気泡土と、前記第2の開口に供給される第1の泥水とが前記合流管内で合流、混合されて前記第2の泥水が作られ、この第2の泥水が前記第3の開口から前記排泥管に供給される、
ことを特徴とする請求項3記載の気泡シールド工法における、抑泡剤を用いた、掘削土の流体輸送方法。 - 前記第1の泥水を貯える調整槽が設けられ、
前記第1の抑泡剤注入工程による前記第1の泥水への前記抑泡剤への注入は前記調整槽でなされる、
ことを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載の気泡シールド工法。 - 前記第1の泥水は、礫が破砕された前記第2の泥水から礫分および砂分を除去した泥水を、前記礫分および砂分を除去した泥水から微粒子を除去した清水で希釈した水である、 ことを特徴とする請求項2記載の気泡シールド工法における、抑泡剤を用いた、掘削土の流体輸送方法。
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