JP6181957B2 - 気泡シールド工法における流体状掘削土の消泡方法 - Google Patents

気泡シールド工法における流体状掘削土の消泡方法 Download PDF

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本発明は気泡シールド工法における流体状掘削土の消泡方法関する。
地山を掘削してトンネルを構築するシールド工法の一つとして気泡シールド工法が提案されている。
気泡シールド工法は、起泡剤を含む液体を発泡させて生成した気泡を、切羽とカッタとの間に、あるいは、カッタで掘削された掘削土を貯えるチャンバに注入しつつ、カッタによって地山を掘削するものである(特許文献1、2参照)。
従来、この種の気泡シールド工法では、カッタによる掘削土は、気泡が混合された気泡土となっていることから、気泡を消泡するための消泡剤を掘削土に空気中で噴霧したのち、台車やベルトコンベアで排出する必要がある。
そのため、掘削土の移送処理に手間を要すると共に、移送設備が複雑化することからコストがかさみ、省力化を図る上で不利がある。更に、消泡剤を空気中に噴霧するために、気泡土に満遍なく行き渡らせることが困難である。
そこで、本出願人は、気泡シールド工法における掘削土の流体輸送方法を既に提案している(特許文献3参照)。
この方法では、チャンバから排出され気泡が混合された掘削土からなる気泡土に第1の泥水を混合して第2の泥水とする第1の工程と、前記第2の泥水を、排泥ポンプを用いてトンネルの外に移送する第2の工程と、前記第1の工程に先立って、気泡を消泡する消泡剤を前記第1の泥水に注入する第1の消泡剤注入工程、あるいは、前記第1の工程のあとで前記消泡剤を前記第2の泥水に注入する第2の消泡剤注入工程、あるいは、第1の消泡剤注入工程および第2の消泡剤注入工程の双方の工程とを備えことで、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図るものである。
特開2005−76285号公報 特開2006−348727号公報 特開2012−12771号公報
上記の掘削土の流体輸送方法は、泥水と消泡剤とを混合することで泥水中の消泡を促進するものである。そのため、泥水と消泡剤とを効率良く混合することが泥水中の消泡を促進する上でより有利となると考えられる。
本発明は、泥水と消泡剤との比重が近いほど互いに混じりやすいことに着目してなされたものであり、気泡シールド工法において排出される気泡を含む掘削土の移送において、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる気泡シールド工法における消泡方法を提供することを目的とする。
本発明は、起泡剤を含む液体を発泡させて生成した気泡を、切羽とカッタとの間に、あるいは、カッタで掘削された掘削土を貯えるチャンバに注入しつつ、カッタによって地山を掘削するに際して、前記チャンバから排出され気泡が混合された掘削土からなる気泡土に第1の泥水を混合して第2の泥水とする第1の工程と、前記第2の泥水を、排泥ポンプを用いてトンネルの外に移送する第2の工程と、前記トンネルの外に移送された前記第2の泥水から礫分および砂分を除去することで第3の泥水を生成する第3の工程と、前記トンネルの外で前記第3の泥水からシルト、粘度、コロイドの微粒子を除去することで清水を生成する第4の工程と、前記第1の工程に先立って、気泡を消泡する消泡剤を前記第1の泥水に注入する第1の消泡剤注入工程、あるいは、前記第1の工程のあとで前記消泡剤を前記第2の泥水に注入する第2の消泡剤注入工程、あるいは、第1の消泡剤注入工程および第2の消泡剤注入工程の双方の工程とを備え、前記第3の泥水を、前記清水で希釈したものを、前記第1の泥水として用いる気泡シールド工法であって、前記消泡剤の比重を1.0以上1.1以下としたことを特徴とする。
第1の工程に先立って、気泡を消泡する消泡剤を第1の泥水に注入する第1の消泡剤注入工程、あるいは、第1の工程のあとで消泡剤を第2の泥水に注入する第2の消泡剤注入工程、あるいは、第1の消泡剤注入工程および第2の消泡剤注入工程の双方の工程を行うようにした。
そして、消泡剤の比重を1.0以上1.1以下の範囲内としたので、第1の泥水あるいは第2の泥水と消泡剤とを混じりやすくすることができ、泥水と消泡剤とを効率良く混合して泥水中の消泡を促進する上で有利となる。
したがって、第2の泥水に含まれる気泡が低減されるため、排泥ポンプにおけるキャビテーションの発生を抑制でき、第2の泥水の移送が安定してかつ確実に行われる。
そのため、気泡を含む掘削土を円滑に流体移送することができるため、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる。
実施の形態における気泡シールド工法における消泡方法を実施するための設備を示す説明図である。 発泡設備30の構成を示す説明図である。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態の気泡シールド工法における消泡方法の説明図である。
本実施の形態における気泡シールド工法における消泡方法は、シールド機10と、発泡設備30(図2)と、流体輸送設備42と、泥水処理設備62とを用いて実施される。
なお、図1において、符号1は地盤に対して鉛直方向に掘削された発進立坑を示し、符号2は発進立坑1からシールド機10によって水平方向に掘削されたトンネルを示す。また、符号Gは地面を示す。
シールド機10は、地山を削孔してトンネル2を掘削するとともにシールド機10の後部内で、既に組み立てられたトンネル躯体5の端部に、複数のセグメント4を組み付けてセグメントリングを組み立てることでトンネル躯体5を延長するものである。
シールド機10は、掘削部12およびテール部14などを含んで構成されている。
掘削部12は、カッタ装置16、隔壁18、コンベア装置20、ジャッキ装置22、鋼殻24などを含んで構成されている。
カッタ装置16は、掘削部12の前端に配設された円盤状のカッタ1602を掘進方向と平行な軸線回りに回転することで地盤を掘削するように構成されている。
隔壁18は、カッタ装置16の後方に設けられ、隔壁18とカッタ装置16の背面との間に、カッタ装置16による地盤の掘削で排出された掘削土を貯えるチャンバ28が形成される。
コンベア装置20は、チャンバ28に貯えられた掘削土を後述する合流管44に運搬するように構成されている。コンベア装置20としては例えばスクリュコンベアが使用可能である。
ジャッキ装置22は、カッタ装置16によって掘削されたトンネル2に環状に組み付けられるセグメント4の箇所を掘進方向の後方に向けて押圧することでシールド機10を掘進方向に推進させるように構成されている。
鋼殻外装壁24は、トンネル2の内壁に臨む円筒状を呈し、鋼殻外装壁24の内側に形成される円柱状の空間内にコンベア装置20の前部とジャッキ装置22を収容している。
テール部14は、円筒状を呈し、鋼殻外装壁26を含んで構成されている。
鋼殻外装壁26は、トンネル2の内壁に臨む円筒状を呈し、掘削部12の鋼殻外装壁24の掘進方向の後端に接続され、鋼殻外装壁26の内側面2604の内側に形成される円柱状の空間内にコンベア装置20の後部などを収容している。
また、シールド機10は、カッタ装置16、コンベア装置20、ジャッキ装置22などを動作させるための制御ユニット、駆動源、油タンクなどをさらに備えており、これらは、テール部14の後部に連結された不図示の複数のシールド機用の設備車両に分散して配設されている。これら複数のシールド機用の設備車両は、トンネル2の長手方向に延在するレール6上を移動可能に設けられている。
図2に示すように、発泡設備30は、起泡剤を含む水(液体)を発泡させて生成したシェービングクリーム状の気泡を、切羽とカッタ1602の前面との間に注入し、あるいは、チャンバ28に注入するものである。
発泡設備30は、起泡剤貯留槽32、起泡剤注入ポンプ34、コンプレッサ36、気泡制御装置38、発泡装置40などを含んで構成されている。
これら各装置は、テール部14の後部に連結された不図示の複数の発泡設備用の設備車両に分散して配設されている。これら複数の発泡設備用の設備車両もシールド機用の設備車両と同様にレール6上を移動可能に設けられている。
起泡剤貯留槽32は、トンネル2内に引き込まれた起泡剤供給用の配管3202から供給される起泡剤を一時的に貯留するものである。
起泡剤注入ポンプ34は、起泡剤貯留槽32から供給される起泡剤を気泡制御装置38に移送するものである。
コンプレッサ36は、圧縮空気を気泡制御装置38に供給するものである。
気泡制御装置38は、起泡剤および圧縮空気の流量をそれぞれ制御して発泡装置40に供給するものである。
発泡装置40は、気泡制御装置38から供給される起泡剤および圧縮空気からシェービングクリーム状の気泡を生成するものである。
発泡装置40で生成された気泡は、気泡注入管4002を介して切羽とカッタ1602の前面との間に供給され、あるいは、チャンバ28に供給される。
したがって、カッタ装置16によって掘削された掘削土は気泡が混合された気泡土となる。
図1に示すように、流体輸送設備42は、シールド機10によって掘削され排出された掘削土(気泡土)を泥水と共に流体輸送してトンネル2から発進立坑1を介して地上Gに移送するものである。
流体輸送設備42は、消泡剤注入装置43と、合流管44と、送泥管46と、送泥ポンプ48と、排泥管50と、クラッシャ52と、分流器54と、複数の排泥ポンプ56と、循環管58と、循環ポンプ60と、制御盤61とを含んで構成されている。
合流管44は、互いに連通する第1、第2、第3の開口44A、44B、44Cを備えている。
第1の開口44Aは、コンベア装置20の下流端に接続されている。
第2の開口44Bは、第1の泥水を、第1の泥水を貯える後述する調整槽66から合流管44に移送する送泥管46の下流端に接続されている。
第3の開口44Cは、複数の排泥ポンプ56が設けられ第2の泥水を合流管44からトンネル2の外に移送する排泥管50の上流端に接続されている。
合流管44は、コンベア装置20から第1の開口44Aに供給される気泡土と、送泥管46から第2の開口44Bに供給される第1の泥水とを合流、混合させ、気泡土と第1の泥水とが混合された第2の泥水を第3の開口44Cから排泥管50に供給するものである。
送泥ポンプ48は、送泥管46の調整槽66寄りの箇所に設けられ、調整槽66に貯えられた第1の泥水を送泥管46によって合流管44に移送するものである。
送泥管46の、合流管44に近い位置には、言い換えると、合流管44の第2の開口44Bの上流側に位置する送泥管46の箇所には、消泡剤注入装置43が設置され、送泥管46を流れる第1の泥水に消泡剤注入装置43から消泡剤が注入される。
消泡剤は、あらかじめ泥水中に分散させておくと、泥水中の気泡の薄膜の安定性を阻害し泡の生成を不可能(消泡)とするものである。
なお、本明細書において、消泡剤は、抑泡剤、脱泡剤、破泡剤を含むものとする。
このような消泡剤として、シリコン系エマルジョン型消泡剤、あるいは、鉱物油系オイル型消泡剤など、従来公知のさまざまな消泡剤が使用可能である。
また、泥水と消泡剤との比重が近いほど互いに混じりやすいため、消泡剤の比重が泥水の比重(ほぼ1.0)に近いことが泥水中の消泡を促進する上でより有利となる。
そこで、本実施の形態では、後述する実験結果に基づいて、消泡剤の比重を1.0以上1.1以下とした。
消泡剤の比重が1.0以上1.1以下の範囲内であると、第1の泥水と消泡剤とを混じりやすくすることができ、泥水と消泡剤とを効率良く混合して泥水中の消泡を促進する上でより有利となる。
消泡剤の比重が1.0を下回ると、第1の泥水に注入された消泡剤が第1の泥水に対して浮き上がやすくなり、第1の泥水と消泡剤とを混じりやすくする上で不利となる。また、消泡剤の比重が1.1を上回ると、第1の泥水に注入された消泡剤が第1の泥水に対して沈みやすくなり、第1の泥水と消泡剤とを混じりやすくする上で不利となる。したがって、何れの場合も、消泡剤の比重が1.0以上1.1以下の範囲内である場合に比較して泥水と消泡剤とを効率良く混合しがたく、泥水中の消泡を促進する効果が少ない。
排泥管50には、クラッシャ52と、分流器54と、複数の排泥ポンプ56とが上流から下流に沿ってこの順番に沿って配設され、下流端が後述する振動ふるい装置64に接続されている。
本実施の形態では、クラッシャ52は、専用の車両5202上に設けられ、この専用の車両5202は、前記のシールド機用の設備車両や発泡設備用の設備車両と同様にレール6上を移動可能に設けられている。
クラッシャ52は、合流管44の第3の開口44Cから供給される消泡剤が注入された第2の泥水に含まれる礫を破砕して排出するものである。
なお、シールド機10により地山が掘削されて排出される掘削土に含まれる礫の大きさが小さく、礫が含まれる第2の泥水を排泥ポンプ56によって支障なく移送できる場合には、クラッシャ52によって礫を破砕する必要が無い。したがって、そのような場合には、クラッシャ52、分流器54、及び循環ポンプ60を、全て省略することができる。
分流器54は、互いに連通する泥水吸入口54Aと、第1の泥水排出口54Bと、第2の泥水排出口54Cとを備えている。
分流器54は、泥水吸入口54Aから供給される消泡剤が注入された第2の泥水を第1の泥水排出口54Bに排出する経路と、泥水吸入口54Aに供給される第2の泥水を第2の泥水排出口54Cに導くバイパス経路との2つの経路を備えている。
複数の排泥ポンプ56は、分流器54の第1の泥水排出口54Bから排出された礫が破砕された第2の泥水を排泥管50を経由して振動ふるい装置64に移送するものである。
循環管58は、分流器54の第2の泥水排出口54Cを送泥管46の中間部に接続するものである。
循環ポンプ60は、循環管58の中間部に設けられ、分流器54の第2の泥水排出口54Cから供給される第2の泥水を送泥管46の中間部に供給するものである。
制御盤61は、消泡剤注入装置43、送泥ポンプ48、クラッシャ52、分流器54、複数の排泥ポンプ56、循環ポンプ60の動作を制御するものである。
制御盤61は、これら消泡剤注入装置43、送泥ポンプ48、クラッシャ52、分流器54、複数の排泥ポンプ56、循環ポンプ60の起動、停止などを操作するための操作スイッチを備えており、これら操作スイッチが操作されることで制御を行う。
本実施の形態では、循環ポンプ60および制御盤61は、専用の車両6002上に設けられ、この専用の車両6002は、前記のシールド機用の設備車両、発泡設備用の設備車両、クラッシャ52専用の車両5202と同様にレール6上を移動可能に設けられている。
泥水処理設備62は地上Gに配設されており、振動ふるい装置64と、調整槽66と、原水槽68と、PAC槽70と、貯泥槽72と、打ち込みポンプ74と、フィルタプレス装置76と、ろ液水槽78と、清水槽80とを含んで構成されている。
振動ふるい装置64は、送泥ポンプ48の動作により分流器54の第1の泥水排出口54Bから排泥管50を経由して移送される第2の泥水をふるいにかけて礫分および砂分を取り除くものである。
礫分および砂分が除去された第2の泥水は、75ミクロン未満のシルト・粘土・コロイドの微粒子を含む第1の泥水として振動ふるい装置64から調整槽66に移送される。
振動ふるい装置64によって取り除かれた礫分および砂分aは、油圧ショベルAおよびダンプトラックBを用いて搬出される。
調整槽66は、振動ふるい装置64から送水管65を介して移送される第1の泥水を貯えるものであり、清水槽80から移送される清水によって希釈される。
原水槽68は、調整槽66から送水管67を介して移送された第1の泥水を余剰泥水として貯えるものである。
貯泥槽72は、原水槽68から送水管69を介して移送される余剰泥水を廃棄泥水として貯えるものであり、PAC槽70から移送管71を介して移送される凝集剤が廃棄泥水に投入され混合撹拌されることにより、廃棄泥水に含まれるシルト・粘土・コロイドの微粒子などが凝集され、沈殿する。
凝集剤は、水の濁りや色を除去するために用いられる薬剤で、水中に懸濁する微粒子をくっつけてフロック(集塊)をつくらせ、沈降、濾過によって分離除去するのを容易にする作用がある。凝集剤としては、PAC(ポリ塩化アルミニウム)など従来公知のさまざまな凝集剤が使用可能である。
打ち込みポンプ74は、貯泥槽72の下部に凝集して沈下した微粒子を含む泥水を送水管75を介してフィルタプレス装置76に移送するものである。
フィルタプレス装置76は、移送された泥水を脱水処理することで脱水ケーキbを得るものである。脱水ケーキbは、油圧ショベルDおよびダンプトラックEを用いて処理場に搬出される。
ろ液水槽78は、フィルタプレス装置76で取り除かれたろ液(水)を一時的に貯えるものである。
清水槽80は、ろ液水槽78から送水管79を介して移送された水を清水として貯えるものである。
次に、本発明の要旨である流体輸送設備42の動作について説明する。
シールド機10による地盤の掘削が開始される前に、送泥ポンプ48、消泡剤注入装置43、クラッシャ52、複数の排泥ポンプ56、循環ポンプ60の全てが動作停止状態にあるものとする。
シールド機10による地盤の掘削が開始される前に、制御盤61の操作スイッチを操作することにより、消泡剤注入装置43、クラッシャ52、複数の排泥ポンプ56を動作させる。
シールド機10による地盤の掘削が開始されると、コンベア装置20から排出された気泡土が合流管44において消泡剤を含んだ第1の泥水と合流、混合されて第2の泥水となる。
言い換えると、チャンバ28から排出され気泡が混合された掘削土からなる気泡土に、消泡剤を含んだ第1の泥水を混合して第2の泥水とする第1の工程が実行される。
この様に、気泡土と消泡剤を含んだ第1の泥水とを混合して第2の泥水とすることにより、第2の泥水に含まれる気泡の大半が消泡される。
大半の気泡が消泡された第2の泥水は、クラッシャ52において礫が破砕されたのち、分流器54に移送され、複数の排泥ポンプ56により排泥管50を介して振動ふるい装置64へ移送される。
言い換えると、第2の泥水を排泥ポンプ56を用いてトンネル2の外に移送する第2の工程が実行される。また、本実施の形態では、前記の第1の工程と、前記第2の工程との間で、第2の泥水に含まれる礫をクラッシャ52によって破砕する破砕工程が実行される。
本実施の形態によれば、気泡土と消泡剤を含んだ第1の泥水とが混合されることで第2の泥水の大半の気泡を消泡したのち、この第2の泥水を複数の排泥ポンプ56により排泥管50を介して泥水処理設備62に移送するようにした。
そのため、第2の泥水に含まれる気泡が低減されるため、排泥ポンプ56におけるキャビテーションの発生を抑制でき、第2の泥水の移送が安定してかつ確実に行われる。
そのため、気泡を含み流体状およびスラリー状となっている掘削土を円滑に流体移複数の排泥ポンプ56による第2の泥水の移送が安定してかつ確実に行われる。
そして、消泡剤の比重を1.0以上1.1以下の範囲内としたので、第1の泥水と消泡剤とを混じりやすくすることができ、泥水と消泡剤とを効率良く混合して泥水中の消泡を促進する上でより有利となる。
したがって、気泡シールド工法においてシールド機10から排出される気泡を含み流体状およびスラリー状となっている掘削土を円滑に流体移送することができるため、掘削土の移送において、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる。
特に、従来のように、気泡を含む掘削土に消泡剤を噴霧して消泡したのち、掘削土を台車、あるいは、ベルトコンベアを用いて移送する場合に比較して、消泡の確実性、安全性、及び作業性の向上を図る上で有利となる。
なお、消泡剤を第1の泥水に噴霧して使用した場合には、大気に触れている気泡のみしか取り除くことができず、送泥ポンプ48、排泥ポンプ56、循環ポンプ60において、泥水内部の気泡に起因するキャビテーションが生じることによって、それらポンプの動作が正常になされなくなるおそれがある。
これに対して、本実施の形態では、気泡土と消泡剤を含んだ第1の泥水とを混合することによって、泥水中の気泡の薄膜の安定性を阻害し泡の生成を不可能とできるので、前記各ポンプにおけるキャビテーションの発生を抑制でき、泥水を円滑に移送あるいは循環させる上で有利となる。
また、本実施の形態では、消泡剤を第1の泥水に添加してからコンベア装置20から排出された気泡土と第1の泥水とを混合したが、以下に示すように、泥水処理設備62から坑内までの何れかの場所において、消泡剤を第1の泥水に混合するようにしてもよい。
言い換えると、第1の工程に先立って、気泡を消泡する消泡剤を第1の泥水に注入する第1の消泡剤注入工程を実行してもよい。
すなわち、調整槽66に貯えられた第1の泥水に消泡剤を注入、混合してもよい。
あるいは、気泡土と第1の泥水とが混合された直後に消泡剤を注入すると共に、第1の泥水に消泡剤を混合してもよい。
要するに、排泥管50で移送する第2の泥水に含まれる気泡を消泡することができれば、消泡剤を第2の泥水に注入するか、第1の泥水に注入するか、あるいは、第1、第2の泥水の双方に注入するかは任意である。
すなわち、第1の工程に先立って、気泡を消泡する消泡剤を第1の泥水に注入する第1の消泡剤注入工程、あるいは、第1の工程のあとで消泡剤を第2の泥水に注入する第2の消泡剤注入工程、あるいは、第1の消泡剤注入工程および第2の消泡剤注入工程の双方の工程の何れを行うかは任意である。
なお、消泡剤によって第2の泥水の気泡の大半は消泡できるが、完全に消泡することはできず、一部の気泡は残存する。
第2の泥水に残存する気泡の量が多いと、複数の排泥ポンプ56による第2の泥水の移送が円滑に行われないなどの影響を与えることが懸念される。
そのため、第2の泥水に含まれる気泡の量が複数の排泥ポンプ56による第2の泥水の移送に影響を与えないように、第2の泥水に含まれる気泡の量を監視しつつ、消泡剤の注入量を制御することが好ましい。
しかしながら、第2の泥水は、クラッシャ52および排泥管50を通っていることから気泡の量を監視することは容易ではない。
一方、調整槽66に貯えられる第1の泥水は、振動ふるい64によって第2の泥水から礫が除去されたものであることから、第1の泥水に含まれる気泡の量を監視すれば、実質的に第2の泥水に含まれる気泡の量を監視することができる。
そこで、調整槽66の第1の泥水に含まれている気泡の量を監視して調整槽66の第1の泥水に対する消泡剤の注入量を制御すれば、実質的に第2の泥水に含まれる気泡の量を監視して消泡剤の注入量を制御することができる。
この場合、調整槽66の第1の泥水に含まれている気泡の量を監視することは容易であるため、消泡剤の注入量を適切に管理することが容易にでき好ましい。
次に、消泡剤と泥水との混じりやすさに関する実験について説明する。
実験条件は以下の通りである。
消泡剤は、シリコン系エマルジョン型消泡剤と、鉱物油系オイル型消泡剤との2種類とし、消泡剤毎に比重を0.8、1.0、1.1、1.3の4段階に変えたものを用意した。
同量の消泡剤と泥水とを用意して混合した。
混じりやすさの評価は、シリコン系エマルジョン型消泡剤の比重1.0の場合の混合度合いを100とする指数で評価した。
シリコン系エマルジョン型消泡剤と、鉱物油系消泡剤との何れの場合においても、比重が1.0以上1.1以下の範囲内のものが混じりやすいと評価され、1.0以上1.1以下の範囲外のものは混じり難いと評価された。
したがって、消泡剤の比重を1.0以上1.1以下の範囲内とすることで、泥水と消泡剤とを混じりやすくすることができ、泥水と消泡剤とを効率良く混合して泥水中の消泡を促進する上でより有利となることが明らかとなった。
また、シリコン系エマルジョン型消泡剤の方が鉱物油系消泡剤よりも泥水と混じりやすいと評価された。
なお、シリコン系エマルジョン型消泡剤は、鉱物油系消泡剤に比較して周辺環境に与える汚染などの影響が少ないという点でも有利である。
2……トンネル、1602……カッタ、20……コンベア装置、28……チャンバ、43……消泡剤注入装置、44……合流管、44A……第1の開口、44B……第2の開口、44C……第3の開口、46……送泥管、50……排泥管、52……クラッシャ、54……分流器、56……排泥ポンプ、66……調整槽。

Claims (2)

  1. 起泡剤を含む液体を発泡させて生成した気泡を、切羽とカッタとの間に、あるいは、カッタで掘削された掘削土を貯えるチャンバに注入しつつ、カッタによって地山を掘削するに際して、
    前記チャンバから排出され気泡が混合された掘削土からなる気泡土に第1の泥水を混合して第2の泥水とする第1の工程と、
    前記第2の泥水を、排泥ポンプを用いてトンネルの外に移送する第2の工程と、
    前記トンネルの外に移送された前記第2の泥水から礫分および砂分を除去することで第3の泥水を生成する第3の工程と、
    前記トンネルの外で前記第3の泥水からシルト、粘度、コロイドの微粒子を除去することで清水を生成する第4の工程と、
    前記第1の工程に先立って、気泡を消泡する消泡剤を前記第1の泥水に注入する第1の消泡剤注入工程、あるいは、前記第1の工程のあとで前記消泡剤を前記第2の泥水に注入する第2の消泡剤注入工程、あるいは、第1の消泡剤注入工程および第2の消泡剤注入工程の双方の工程とを備え、
    前記第3の泥水を、前記清水で希釈したものを、前記第1の泥水として用いる気泡シールド工法であって、
    前記消泡剤の比重を1.0以上1.1以下とした、
    ことを特徴とする気泡シールド工法における掘削土の消泡方法。
  2. 前記消泡剤は、シリコン系エマルジョン型である、
    ことを特徴とする請求項1記載の気泡シールド工法における掘削土の消泡方法。
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