JP6775136B2 - 泥水式シールド工法における泥水処理方法および泥水処理設備 - Google Patents
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- Treatment Of Sludge (AREA)
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
Description
ここで、例えば、泥水の移送量Qが5.0m3/min、泥水の比重γtが1.35、土粒子真比重Gsが2.65、PAC比重Gpが1.20であり、泥水が流れる泥水流路の途中でPACを添加する場合に、その泥水流路に対するPACの必要移送流量q〔m3/min〕は、以下のようにして求められる。
Ws=Gs・〔(γt−1)/(Gs−1)〕・V
Gsは2.65、γtは1.35、Vは1であるので、Wsは以下のようにして求められる。
Ws=2.65×〔(1.35−1)/(2.65−1)〕×1
=0.562t/m3
次に、泥水移送重量Woを下記の式を用いて求める。
Wo=Q・Ws
Qは5.0、Wsは0.562であるので、Woは以下のようにして求められる。
Wo=5.0×0.562=2.810t/min
PACの移送重量をWpとすると、下記の2つの式が成立する。
Wp=q・Gp
Xp=Wp/Wo
これら2つの式からPACの必要移送流量qは下記の式で表すことができる。
q=Xp・Wo/Gp
Xpは25、Woは2.810、Gpは1200であるので、qは以下のようにして求められる。
q=25×2.810/1200
=0.059m3/min(60L/min)
泥水式シールド工法で用いられる泥水に対しその泥水が流れる泥水流路の途中で凝集剤を添加して凝集処理を行うようにした泥水式シールド工法における泥水処理方法であって、
前記凝集剤が添加される前の泥水の比重を計測するとともに、前記凝集剤が添加される前の泥水の流量を計測し、計測した泥水の比重と流量とに基づいて前記泥水流路に対する前記凝集剤の必要移送流量を演算し、算出された必要移送流量となるように前記泥水流路に対する前記凝集剤の移送流量を制御することを特徴とするものである。
泥水式シールド工法で用いられる泥水に対しその泥水が流れる泥水流路の途中で凝集剤を添加して凝集処理を行うようにした泥水式シールド工法における泥水処理設備であって、
前記凝集剤が添加される前の泥水の比重を計測する比重計と、前記凝集剤が添加される前の泥水の流量を計測する流量計と、前記凝集剤を前記泥水流路へと移送する凝集剤移送手段と、前記凝集剤移送手段による前記凝集剤の前記泥水流路への移送流量を制御する凝集剤移送流量制御手段とを備え、
前記凝集剤移送流量制御手段は、前記比重計からの計測信号と前記流量計からの計測信号とに基づいて前記泥水流路に対する前記凝集剤の必要移送流量を演算し、算出された必要移送流量となるように前記泥水流路に対する前記凝集剤の移送流量を制御することを特徴とするものである。
泥水式シールド工法は、泥水式のシールド掘進機1によりシールドドンネルを形成して行く工法で、シールド掘進機1のカッタ面板2の直後に隔壁3により区画形成した圧力室4に、加圧した泥水を、排泥管5および送泥管6を介して循環充填し、切羽を安定させながら機械掘りするものである。この泥水式シールド工法おいて、発生した掘削土砂は、泥水とともに流体輸送し、泥水処理施設10で掘削土砂を分離し、掘削土砂を分離した泥水を再び循環再利用しつつ掘り進むとともに、シールド掘進機1の後方において図示されないセグメント組立装置により順次セグメントを組み立ててシールドトンネルを構築する。
この泥水式シールド工法における泥水処理設備10は、主に、一次処理プラント11、二次処理プラント12および三次処理プラント13を備えている。
一次処理プラント11は、圧力室4から排泥管5を介して排出される、掘削土砂を随伴する排泥水から砂質分を分離処理する。二次処理プラント12は、循環再利用される泥水を除いた一次処理後の余剰泥水から粘土質分やシルト質分を分離除去する。三次処理プラント13は、二次処理により分離された余剰水を調整処理する。以下に、各処理プラント11,12,13についてより具体的に説明する。
一次処理プラント11は、切羽から送られてきた排泥水に含まれる掘削土砂を最初に処理する設備である。この一次処理プラント11は、例えば振動脱水篩方式のサンドコレクター21を備え、サンドコレクター21は、排泥水から砂質分、すなわち礫、砂、粘土およびシルト塊を分離処理する。砂質分が分離除去された排泥水は、サンドコレクター21の泥水受槽22に一旦貯留され、サンドコレクター21に付設されたサイクロン23および配管24を介して二次処理プラントに圧送される。
なお、サンドコレクター21によって分離された砂質分は、一次処理土として、図示されない搬送装置等により、1次土砂ピット25へと送られる。
二次処理プラント12は、主として、調整槽31と、余剰泥水槽32と、フロック生成のためのスラリー槽33と、PACのような無機系の凝集剤を貯留するPAC槽34もしくはDMDACのような有機系の凝集剤を貯留するDMDAC槽35と、脱水装置36とによって構成されている。
三次処理プラント13は、脱水装置36からの分離水が導入される濾水槽51を備えている。この濾水槽51において、pH調整等によりその品質をシールド工事の工事用水として使用可能な品質に調整し、かかる調整後の濾水は、配管52を介して調整槽31に送られて、循環泥水の品質を調整するための混合水として使用されるとともに、後述する凝集剤供給管56に送られて、凝集剤を希釈する希釈水として使用される。
凝集剤移送手段55は、凝集剤供給管56を備え、この凝集剤供給管56の途中に凝集剤ポンプ57を配設して構成されている。ここで、凝集剤供給管56は、PAC槽34もしくはDMDAC槽35と、泥水流通管45における凝集剤添加部45aとを接続するための配管である。また、凝集剤ポンプ57は、その吸込側をPAC槽34もしくはDMDAC槽35に向ける一方で、その吐出側を泥水流通管45に向けた状態で設けられ、凝集剤ポンプ制御信号を受けてその動作が制御されるようになっている。また、凝集剤供給管56における凝集剤ポンプ57の吐出側には、流量計58が配設されている。
希釈水移送手段60は、希釈水供給管61を備え、この希釈水供給管61の途中に希釈水ポンプ62を配設して構成されている。ここで、希釈水供給管61は、凝集剤供給管56における希釈水添加部56aと、濾水槽51とを接続するための配管である。また、希釈水ポンプ62は、その吸込側を濾水槽51に向ける一方で、その吐出側を凝集剤供給管56に向けた状態で設けられている。また、希釈水供給管61における希釈水ポンプ62の吐出側には、流量計63が配設されている。
泥水処理設備10は、設備を構成する各種機器を自動制御する自動制御装置65を備えている。この自動制御装置65は、主として、CPU(中央演算処理装置)、種々のデータや所定プログラム等を記憶するメモリ、およびその他の電気回路等のハードウェア(いずれも図示省略)により構成されている。この自動制御装置65には、比重計43、凝集剤ポンプ57、希釈水ポンプ62および流量計47,58,63がそれぞれ所定信号を伝達可能に接続されている。
自動制御装置65における図示されないCPUにおいては、図示されないメモリから所定プログラムを適宜に読み込んで実行することにより、凝集剤ポンプ制御部65a(本発明の「凝集剤移送流量制御手段」に相当する。)や、希釈水ポンプ制御部65b(本発明の「希釈水移送流量制御手段」に相当する。)などの種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、凝集剤ポンプ57や希釈水ポンプ62の動作制御を行っている。
Q:泥水流量〔m3/min〕
γt:泥水比重
Gs:土粒子真比重(本例では2.65)
Xp:PAC必要添加量(本例では25kg/sst)
Xd:DMDAC必要添加量(本例では2.1kg/sst)
Gp:PAC比重(本例では1.20)
Gd:DMDAC比重(本例では1.10)
qP:PAC必要移送流量〔m3/min〕
qD:DMDAC必要移送流量〔m3/min〕
qW:希釈水必要移送流量〔m3/min〕
N:希釈倍率
まず、泥水1m3中の土粒子重量Ws〔t/m3〕を下記の式を用いて求める。
Ws=Gs・〔(γt−1)/(Gs−1)〕・V
ここで、Gsは固定値で本例では2.65であり、Vは1であるので、Wsは以下のようにして求められる。
Ws=2.65×〔(γt−1)/(2.65−1)〕×1
=1.61×(γt−1)
次に、泥水移送重量Wo〔t/min〕を下記の式を用いて求める。
Wo=Q・Ws
=1.61×(γt−1)・Q
PAC移送重量をWp〔kg/min〕とすると下記の2つの式が成り立つ。
Wp=qP・Gp
Xp=Wp/Wo
ここで、Gpは1200であり、Xpは固定値で本例では25kg/sstであるので、これら2つの式から下記の式が成り立つ。
25=1200・qP/〔1.61×(γt−1)・Q〕
上記の式からPAC必要移送流量qP〔m3/min〕は下記の式(1)で表される。
qP=25×〔1.61×(γt−1)・Q〕/1200 ・・・(1)
こうして、比重計43からの信号に基づく泥水比重γtと、流量計47からの信号に基づく泥水流量Qと、上記式(1)とによってPAC必要移送流量qPを求めることができる。
XpをXd、GpをGdに置き換え、上記PAC必要移送流量qPの計算と同様にして、下記式(2)によりDMDAC必要移送流量qD〔m3/min〕を求めることができる。
qD=2.1×〔1.61×(γt−1)・Q〕/1100 ・・・(2)
希釈水必要移送流量qW〔m3/min〕は、泥水の性状等に応じて適宜に設定される希釈倍率Nを用いて下記の式で求められる。
qW=qD・(N―1)
この式と上記式(2)とにより、希釈水必要移送流量qWは下記(3)で表される。
qW={2.1×〔1.61×(γt−1)・Q〕/1100}・(N−1)
・・・(3)
まず、凝集剤ポンプ制御部65aは、比重計43の計測信号を読み込むとともに、流量計47の計測信号を読み込む(S1)。次いで、読み込んだ計測信号に基づいて上記式(1)および式(2)により、PAC必要移送流量qPとDMDAC必要移送流量qDを演算する(S2)。次いで、凝集剤ポンプ57に対し所定の凝集剤ポンプ制御信号を出力して、流量計58の計測信号(フィードバック信号)に基づく凝集剤ポンプ57の実際の移送流量が必要移送流量(qP+qD)となるように凝集剤ポンプ57の吐出動作を制御する(S3〜S4)。
まず、希釈水ポンプ制御部65bは、比重計43の計測信号を読み込むとともに、流量計47の計測信号を読み込む(T1)。次いで、読み込んだ比重計43の計測信号と流量計47の計測信号に基づいて自動設定される希釈倍率Nを読み込む(T2)。次いで、読み込んだ計測信号および希釈倍率Nに基づいて上記式(3)により、希釈水必要移送流量qWを演算する(T3)。次いで、希釈水ポンプ62に対し所定の希釈水ポンプ制御信号を出力して、流量計63の計測信号(フィードバック信号)に基づく希釈水ポンプ62の実際の移送流量が必要移送流量qWとなるように希釈水ポンプ62の吐出動作を制御する(T4〜T5)。
10 泥水処理設備
32 余剰泥水槽
33 スラリー槽
34 PAC槽
35 DMDAC槽
43 比重計
45 泥水流通管(泥水流路)
47 流量計
55 凝集剤移送手段
56 凝集剤供給管(凝集剤流路)
57 凝集剤ポンプ
60 希釈水移送手段
61 希釈水供給管
62 希釈水ポンプ
65 自動制御装置
65a 凝集剤ポンプ制御部(凝集剤移送流量制御手段)
65b 希釈水ポンプ制御部(希釈水移送流量制御手段)
Claims (2)
- 泥水式シールド工法で用いられる泥水に対しその泥水が流れる泥水流路の途中で凝集剤を添加して凝集処理を行うようにした泥水式シールド工法における泥水処理方法であって、
前記凝集剤が添加される前の泥水の比重を計測するとともに、前記凝集剤が添加される前の泥水の流量を計測し、計測した泥水の比重と流量とに基づいて前記泥水流路に対する前記凝集剤の必要移送流量を演算し、算出された必要移送流量となるように前記泥水流路に対する前記凝集剤の移送流量を制御し、
前記凝集剤に対しその凝集剤が流れる凝集剤流路の途中で希釈水を添加して前記凝集剤を希釈するようにし、前記凝集剤が添加される前の泥水の比重を計測するとともに、前記凝集剤が添加される前の泥水の流量を計測し、計測した泥水の比重及び流量と、これら比重及び流量に基づいて自動設定される希釈倍率とに基づいて、前記凝集剤流路に対する前記希釈水の必要移送流量を演算し、算出された必要移送流量となるように前記凝集剤流路に対する前記希釈水の移送流量を制御することにより、前記凝集剤の濃度を制御することを特徴とする泥水式シールド工法における泥水処理方法。 - 泥水式シールド工法で用いられる泥水に対しその泥水が流れる泥水流路の途中で凝集剤を添加して凝集処理を行うようにした泥水式シールド工法における泥水処理設備であって、
前記凝集剤が添加される前の泥水の比重を計測する比重計と、前記凝集剤が添加される前の泥水の流量を計測する流量計と、前記凝集剤を前記泥水流路へと移送する凝集剤移送手段と、前記凝集剤移送手段による前記凝集剤の前記泥水流路への移送流量を制御する凝集剤移送流量制御手段とを備え、
前記凝集剤移送流量制御手段は、前記比重計からの計測信号と前記流量計からの計測信号とに基づいて前記泥水流路に対する前記凝集剤の必要移送流量を演算し、算出された必要移送流量となるように前記泥水流路に対する前記凝集剤の移送流量を制御し、
前記凝集剤に対しその凝集剤が流れる凝集剤流路の途中で希釈水を添加して前記凝集剤を希釈するようにし、前記希釈水を前記凝集剤流路へと移送する希釈水移送手段を設けるとともに、前記希釈水移送手段による前記希釈水の前記凝集剤流路への移送流量を制御する希釈水移送流量制御手段を設け、
前記希釈水移送流量制御手段は、前記比重計からの計測信号及び前記流量計からの計測信号と、これらの計測信号に基づいて自動設定される希釈倍率とに基づいて、前記凝集剤流路に対する前記希釈水の必要移送流量を演算し、算出された必要移送流量となるように前記凝集剤流路に対する前記希釈水の移送流量を制御することにより、前記凝集剤の濃度を制御することを特徴とする泥水式シールド工法における泥水処理設備。
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