JP7206081B2 - 気泡注入システムおよび気泡シールド工法 - Google Patents

気泡注入システムおよび気泡シールド工法 Download PDF

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Description

本発明は、気泡注入システムおよび気泡シールド工法に関する。
気泡シールド工法においては、発泡体を切羽やシールドマシンのチャンバー内に注入して発泡体と掘削土砂と混合することで、切羽土圧に対抗して切羽の安定を確保するとともに、掘削土砂の流動性を向上させて当該掘削土砂の搬出能力を向上させている。このような気泡シールド工法では、シールド掘削機のバルクヘッド後方に設けられた発泡器と、発泡器にそれぞれ独立したラインを介して接続する起泡剤注入ポンプおよびコンプレッサーとを備える気泡注入システムにより発泡体を注入するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。気泡注入システムは、希釈した起泡剤(希釈気泡液)にコンプレッサーにより供給された圧力空気を混合して混合体を生成し、この混合体を発泡器に通すことで発泡体を生成した後、この発泡体を切羽またはチャンバー内に圧入する。
特許第5507411号公報
従来の気泡注入システムでは、希釈気泡液および空気の注入量、ならびに、注入圧力により管理を行っていたが、発泡器通過後の発泡状況(適正に発泡しているか否か)を確認することができなかった。発泡体が適正に発泡していないと、圧縮空気と希釈気泡液とが分離した状態で切羽またはチャンバーに注入されてしまうため、計画注入量では掘削土砂を塑性流動化させることができないおそれがある。発泡状態が不十分な場合には、掘削土砂を塑性流動化させるために、計画注入量よりも多い量の起泡剤を注入することになり、その結果、費用が高くなってしまう。また、希釈気泡液と分離した状態で注入された圧縮空気がチャンバー上部に滞留してしまう場合には、当該圧縮空気の噴発を抑制するための対策工を講じる必要がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、発泡器通過後の発泡状態を確認することを可能とし、その結果、不良な発泡状態をいち早く発見することで即時に対処することを可能とする気泡注入システムとこれを利用した気泡シールド工法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の気泡注入システムは、切羽あるいはチャンバー内に発泡体を注入するものであって、前記発泡体を供給する複数の注入系統を備えている。前記注入系統は、起泡剤を圧送する起泡剤供給ポンプと、圧縮空気を圧送するコンプレッサーと、前記起泡剤と前記圧縮空気とを混合した混合体を気泡化して前記発泡体を生成する発泡器と、前記発泡体を前記切羽あるいは前記チャンバーへ供給する気泡供給管とを備えていて、前記気泡供給管の少なくとも一部に、当該気泡供給管の内部を視認可能な視認区間を有している。さらに、本発明の気泡注入システムは、前記視認区間を撮影する監視カメラと、前記監視カメラの撮影画像から前記発泡体と当該発泡体以外の物質とに区分する画像処理を行う画像処理手段とを備えている。なお、前記視認区間にサイトグラスが設けられているのが望ましい。
かかる気泡注入システムによれば、気泡供給管の内部を視認可能なため、発泡器から排出された発泡体(混合体)が適正に発泡しているか否かを確認することができる。そのため、発泡状態が不良な場合には、即時に対処することが可能となり、その結果、計画注入量に沿って気泡材を注入することができる。
気泡注入システム、前記視認区間を撮影する監視カメラを備えているため、離れた場所においても、気泡供給管の内部の状況を確認することができる。また、前記監視カメラの撮影画像から前記発泡体と当該発泡体以外の物質とに区分する画像処理を行う画像処理手段を備えているため、処理画像データに基づいて発泡状態を確認することができる。また、処理画像データを利用して、自動制御することも可能となる。
なお、気泡注入システムが前記混合体を加圧して前記発泡器に送出するスクイズポンプを備えていれば、高水圧下においても気泡注入を行うことが可能となるとともに、注入圧力を簡易に調整することができる。さらに、前記コンプレッサーと前記スクイズポンプとの間に圧縮空気の空気圧を調整するレギュレーターを備えていれば、気泡供給管内の発泡状態が不良な場合に、空気圧を調整することで即時に対処することができる。すなわち、空気圧を低減して発泡器に供給する空気量を増加させることで、混合体の発泡を促すことができる。
また、本発明の気泡シールド工法は、気泡注入システムにより供給された前記発泡体と、掘削土砂とを混合して気泡混合土を生成し、当該気泡混合土により切羽の土圧に対抗しながら掘進する気泡シールド工法である。前記気泡注入システムは、起泡剤を圧送する起泡剤供給ポンプと、圧縮空気を圧送するコンプレッサーと、前記起泡剤と前記圧縮空気とを混合した混合体を気泡化して前記発泡体を生成する発泡器と、前記発泡体を前記切羽あるいはチャンバーへ供給する気泡供給管と、を備える複数の注入系統を備えており、前記気泡供給管の少なくとも一部に、当該気泡供給管の内部を視認可能な視認区間を有している。
当該気泡シールド工法では、前記気泡供給管内の前記発泡体の発泡が不十分と判断された場合には、一部の前記注入系統による前記発泡体の注入を停止させることでその他の前記注入系統による混合体の流速を増加させて発泡を促すか、前記圧縮空気の空気圧を減圧させることで前記発泡器に供給する圧縮空気の空気量を増加させることで発泡を促すものとする。
かかる気泡シールド工法によれば、発泡状態が不良な場合であっても即時に対処することで安定的な施工を継続することができる。しかも、起泡材の注入量を計画注入量から大幅に増加させることがないため、経済的な施工が可能である。
本発明の気泡注入システムおよび気泡シールド工法によれば、気泡状態を確認しながら掘進することが可能なため、適正な切羽保持および掘削土砂の塑性流動化が可能となり、その結果、安定的な施工が可能となる。また、気泡状態が不良な場合には即時に対処することで、計画注入量に応じた起泡剤の注入量により施工を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る気泡注入システムを示す系統図である。 気泡注入システムの制御手段を示すブロック図である。 注入口の配置を示す正面図である。 図1の気泡注入システムの注入系統を示す系統図である。 発泡筒および気泡供給管を示す平面図である。 (a)および(b)はサイトグラスを示す正面図である。
本実施形態では、図1に示す気泡注入システム1を利用した気泡シールド工法について説明する。気泡シールド工法は、気泡注入システム1により供給された発泡体Lと掘削土砂とを混合して塑性流動化させた気泡混合土を生成し、この気泡混合土により切羽の土圧に対抗しながら掘進するものである。
気泡注入システム1は、起泡剤と圧縮空気A等を混合して発泡体Lを生成し、この発泡体Lを加圧した状態で切羽に注入する。気泡注入システム1は、掘削断面に対して発泡体Lを均等に供給するように配置された14本(図1では7本のみ表示している)の注入系統2と、複数の注入系統2を制御する制御手段9(図2参照)とを備えている。図3に示すように、14本の注入系統2の注入口21A~21N(以下、「注入口21A~21N」を区別しない場合は、単に「注入口21」を称する)は、カッターヘッドCに対して、各注入口21から吐出される発泡体Lが均等に排出されるように配置されている。すなわち、各注入口21は、他の注入口21と同じ面積の領域(図3において二点鎖線で囲まれた範囲)に対して発泡体Lを注入する。なお、注入口21の数は限定されるものではなく、掘削断面形状等に応じて適宜決定すればよい。
注入系統2は、図4に示すように、起泡剤供給ポンプ3と、コンプレッサー4と、レギュレーター5と、スクイズポンプ6と、発泡筒(発泡器)7と、気泡供給管8とを備えている。すなわち、気泡注入システム1は、複数(本実施形態では14台)のスクイズポンプ6,6,…を介して、切羽に対して複数の注入口21から発泡体Lを注入する。なお、注入系統2の本数は限定されるものではなく、掘削断面形状等に応じて適宜設定すればよい。
起泡剤供給ポンプ3は、図4に示すように、起泡剤管31を介してスクイズポンプ6に接続されており、希釈された起泡剤である希釈気泡液Lをスクイズポンプ6に圧送する。起泡剤管31には、流量計32が設置されている。流量計により、起泡剤供給ポンプ3から供給された希釈気泡液Lの流量を測定できる。 起泡剤管31は、スクイズポンプ6の吸入口に配設された合流管63に接続されている。起泡剤管31を介して供給された希釈起泡液は、合流管63内において、圧縮空気Aと混合されてスクイズポンプ6に吸入される。なお、希釈気泡液Lは、予め起泡剤が所定の配合で希釈されたものであってもよいし、現地において水と起泡剤とを合流させた液体を起泡剤供給ポンプ3に供給したものであってもよい。
コンプレッサー4は、図4に示すように、スクイズポンプ6に圧縮空気Aを圧送する。なお、コンプレッサー4は、注入系統2毎に1台ずつ設けられていてもよいし、複数の注入系統2に対して1台設けてもよい。 本実施形態では、コンプレッサー4を掘削機内またはトンネル坑内に配設するが、コンプレッサー4の設置箇所は限定されるものではない。
コンプレッサー4は、レギュレーター5を介してスクイズポンプ6,6,…に接続されている。
コンプレッサー4とレギュレーター5は、第一送気管41により連結されている。第一送気管41は、図1に示すように、コンプレッサー4に接続する本管41aと、本管41aから分岐されて、各レギュレーター5接続する分岐管41b,41b,…と、により構成されている。 なお、分岐管41bには、圧縮空気Aの流量を調節する電磁弁や圧縮空気Aから不純物を除去するエアーフィルター等が配設されている。
レギュレーター5は、図4に示すように、コンプレッサー4の切羽側に配設されていて、第一送気管41を介してコンプレッサー4から供給された圧縮空気Aの空気圧を調整する。例えば、コンプレッサー4が圧縮空気Aの圧送圧力が0.7MPaで一定の場合に、レギュレーター5は、圧縮空気Aの圧力を0.1~0.7MPaに調整する。レギュレーター5により調整された圧縮空気Aは、第二送気管51を介してスクイズポンプ6に送気される。第二送気管51は、スクイズポンプ6の吸入口に配設された合流管63に接続されている。
合流管63内では、起泡剤供給ポンプ3を介して圧送された希釈気泡液Lとコンプレッサー4からレギュレーター5を介して圧送された圧縮空気Aとが混合される。これにより得られた混合体Lは、スクイズポンプ6に供給される。
スクイズポンプ6は、希釈気泡液Lと圧縮空気Aとを混合した混合体Lを加圧して発泡筒7に送出する。 図4に示すように、スクイズポンプ6の吐出口には、発泡筒7に接続する混合体輸送管61が配管されている。 スクイズポンプ6の吐出口と混合体輸送管61との接続部には、圧力計62が設置されている。圧力計62は、スクイズポンプ6から吐出される混合体Lの圧力を測定する。
発泡筒7は、スクイズポンプ6から供給された混合体Lを通過させることで、混合体Lを気泡化して発泡体Lを生成する。発泡筒7の内部には多数のガイシが配設されている。発泡筒7に流入された混合体Lは、ガイシの間を通過することで、撹拌されて発泡する。ここでガイシとは、円筒状の部材であって、例えば、長さ5mm、外径6mm、内径3mmのものや、長さ10mm、外径9mm、内径6mmのもの等がある。
図4に示すように、発泡筒7には、流量計71が設置されている。流量計71は、発泡筒7内を通過する混合体Lの流量を測定する。
発泡筒7から排出された発泡体Lは、気泡供給管8を介して切羽に注入される。
発泡筒7の吐出口と気泡供給管8との接続部には、流量計72および圧力センサー73が設置されている。流量計72は、切羽に注入される発泡体Lの流量を測定し、圧力センサー73は、発泡体Lの圧力を測定する。
本実施形態では、図5に示すように、発泡筒7と平行に加泥管74が配管されている。加泥管74は、泥水等の加泥材を切羽に供給するための管路である。発泡筒7および加泥管74の基端部は第一分岐管75を介して混合体輸送管61に接続されていて、発泡筒7および加泥管74の先端部は第二分岐管76を介して気泡供給管8に接続されている。また、発泡筒7および加泥管74の基端および先端には、それぞれバルブ77が設けられている。すなわち、本実施形態の注入系統2は、バルブ77を切り替えることにより、発泡筒7と加泥管74に流路を切替可能に構成されている。加泥材を切羽に供給する場合には、発泡筒7の先端および基端のバルブ77を遮蔽するとともに、加泥管74の先端および基端のバルブ77を開放した状態で加泥材を注入系統2に供給する。こうすることで、発泡筒7に加泥材が詰まることを防止する。一方、切羽に気泡を供給する場合には、発泡筒7の先端および基端のバルブ77を開放するとともに、加泥管74の先端および基端のバルブ77を遮蔽した状態で混合体Lを供給する。
気泡供給管8は、カッターヘッドCの注入口21に接続されていて、発泡筒7を通過することで生成された発泡体Lを切羽へ供給する。図5に示すように、気泡供給管8には、サイトグラス81(確認窓)が設けられている。すなわち、気泡供給管8には、内部を視認可能な視認区間が設けられている。サイトグラス81には、発泡体Lの流路を挟むように前後(図5において上下)に一対の透明な板材(ガラス板)83,83が配設されている。サイトグラス81を通じて気泡供給管8の内部を視認できる。
本実施形態では、視認区間(サイトグラス81)を撮影する監視カメラ82が設けられている。監視カメラ82は、運転室のモニター92(図2参照)に接続されていて、運転室において視認区間の映像を確認可能である。本実施形態では、図示しない照明設備によりサイトグラス81に照明をあてた状態で撮影する。照明設備の構成は限定されるものではないが、例えば、調光機能を有した白色照明を利用する。なお、監視カメラ82が照明内蔵型(例えば赤外線照明内蔵)であれば、照明設備は省略してもよい。
運転室には、制御手段9の操作盤91(図2参照)が設けられていて、気泡注入システム1の操作を行う。1つのサイトグラス81(注入系統2)に対して1台の監視カメラ82を設けてもよいし、複数のサイトグラス81を1台の監視カメラ82により撮影してもよい。
制御手段9は、各注入系統2を制御する。すなわち、気泡注入システム1は、運転室において、遠隔操作が可能である。本実施形態では、レギュレーター5やスクイズポンプ6等の制御を、制御手段9により実行する。
制御手段9は、図2に示すように、操作盤91と、モニター92と、CPUボックス93とを備えている。
操作盤91は、気泡注入システム1の起動スイッチ、注入系統2の選択スイッチ等を備えている。 操作盤91から出力された信号は、CPUボックス93に送信される。
モニター92は、監視カメラ82や各計測器(流量計32,72、圧力計62、圧力センサー73等)により測定された各データを表示する。
CPUボックス93は、操作盤91から送信された信号に応じて、注入系統2に信号を出力し、注入圧や注入流量の制御を行う。つまり、気泡注入システム1では、監視カメラ82の画像や各計測機により測定されたデータに応じて管理者が操作盤91を操作することにより、レギュレーター5やスクイズポンプ6等の制御を行う。
なお、コンプレッサー4は、定圧供給であるため、ON/OFF以外の制御は行わない。
気泡注入システム1は、掘削機の掘進に伴い駆動させる。気泡注入システム1を駆動させると、起泡剤供給ポンプ3を介して供給された希釈気泡液L(起泡剤)と、コンプレッサー4を介して供給された圧縮空気Aとが、合流管63により混合された混合体Lとなる。混合体Lは、スクイズポンプ6に供給された後、所定の圧力によって発泡筒7を通過する。発泡筒7を通過することで混合体Lが気泡化されて発泡体Lとなる。発泡体Lは、気泡供給管8を介して切羽へ供給される。 発泡体Lの注入流量は、掘削土量に対する掘削土量に対する割合により設定する。掘削機の掘削外径と掘進速度とにより、1分間当たりの掘削土量を算出し、それに注入率を乗算することにより、1分間当たりの発泡体Lの注入量を算出する。
運転室では、監視カメラ82により撮影された画像をモニター92で確認することで、視認区間を通過する発泡体Lの状況を確認する。気泡供給管8内の発泡体Lの発泡が不十分と判断された場合には、操作盤91により注入系統2の構造部品(レギュレーター5やスクイズポンプ6等)を操作して対策を講じる。ここで、発泡体Lの発泡が不十分な場合には、発泡体Lと圧縮空気Aとが別々に供給される。すなわち、発泡体Lの発泡が十分な場合には、図6(a)に示すように、気泡供給管8内の全断面で発泡体Lになるのに対し、発泡が不十分な場合には、図6(b)に示すように、気泡供給管8内において、上から順に空気(圧縮空気A)の層、発泡体Lの層および希釈気泡液Lの層とが形成された状態となる。運転室では、掘削機の運転状況や、発泡筒7の使用期間等を含めて検討したうえで、発泡状態の改善策を講じる。
例えば、初期掘進時や障害物撤去時等、掘削機の掘進速度が低い場合には、複数の注入系統2,2,…のうちの一部の注入系統2による発泡体Lの注入を停止させる。すなわち、掘削機の掘進速度が低い場合には、切羽への発泡体Lの注入量を少なくする。発泡体Lの注入量を少なくすると、発泡不良が生じる場合があるが、これは、起泡剤供給ポンプ3の回転数が低減することで希釈気泡液Lの注入量が減少するのに対し、コンプレッサー4による圧縮空気Aの供給量は一定のため、圧縮空気Aのみが先行して供給されてしまうことが原因と予想される。また、起泡剤供給ポンプ3による混合体Lの注入量が減少すると、配管内(注入系統2内)の流速が低下するため、発泡筒7を通過しても気泡化し難くなる場合がある。そのため、発泡体Lの注入量を減らす場合には、駆動させる注入系統2の数を減少させることで、一本当たりの注入系統2の流速を増大させて、気泡化しやすくする。このとき、発泡体Lが掘削断面に対して均等に行きわたるように、停止させる注入系統2を決定する。例えば、14本の注入系統2,2,…のうち、半分(7本)の注入系統2,2,…を停止させる場合には、中心側の注入口21Aから一つおきの注入口21C,21E…21Mに接続する注入系統2,2,…を利用し、それ以外の注入口21B,21D…21Nに接続する注入系統2を停止させればよい。
また、切羽への発泡体Lの注入量を減少させていない場合等、注入系統2を減らしていない場合において、気泡供給管8内の発泡体Lの発泡が不十分と判断された場合には、圧縮空気Aの空気圧を減圧させればよい。圧縮空気Aの空気圧を減圧させると、スクイズポンプ6(発泡筒7)に供給される圧縮空気Aの空気量が増加する。発泡筒7に供給される混合体Lの空気量が増加すると発泡しやすくなるため、発泡状態が改善される。
また、発泡筒7の使用期間が長く、ガイシの劣化やつまりが予想される場合には、発泡筒7を交換する。
本実施形態の気泡注入システム1によれば、気泡供給管8の内部を視認可能なため、発泡器から排出された発泡体L(混合体L)が適正に発泡しているか否かを確認することができる。そのため、発泡状態が不良な場合には、即時に対処することが可能となり、その結果、計画注入量に沿って起泡剤(希釈気泡液L)を注入することができる。そのため、適正な切羽保持および塑性流動化が可能となり、安定的な施工を継続することができる。また、起泡剤(希釈気泡液L)の注入量を計画注入量から大幅に増加させることがないため、経済的な施工が可能である。また、不良な発泡を抑制できるため、チャンバー内等に空気だまりが発生し難い。
また、監視カメラ82の画像に基づいて遠隔操作をすることで、作業員が視認区間において常時監視する必要がない。その結果、監視に要する人員を削減することができる。
また、気泡注入システム1が混合体Lを加圧して発泡筒7に送出するスクイズポンプ6を備えているため、コンプレッサー4の圧力や起泡剤供給ポンプ3の圧力と切り離して、所望の圧力により切羽に発泡体Lを注入することが可能となる。すなわち、コンプレッサー4の圧力よりも大きな圧力により発泡体Lを注入することができるため、高水圧下においても気泡注入を行うことが可能となる。また、スクイズポンプ6を採用することで、所定の圧力により定量注入を行うことができる。
また、コンプレッサー4とスクイズポンプ6との間に圧縮空気Aの空気圧を調整するレギュレーター5を備えているため、気泡供給管8内の発泡状態が不良な場合に、空気圧を調整することができる。すなわち、発泡状態が不良である場合には、空気圧を低減して発泡筒7に供給する空気量を増加させることで、混合体Lの発泡を促すことができる。
ここで、本実施形態の気泡注入システム1において、圧縮空気Aの空気圧を減圧させることによる発泡状態の改善効果を確認するために実施した実験結果を示す。本実験では、加圧状態のチャンバー内に、発泡体Lを注入する場合において、発泡体Lを生成する際に、コンプレッサー4から圧送された圧縮空気Aの空気圧をレギュレーター5により変化(減圧)させた場合における発泡筒通過後の発泡状況を目視にて確認した。ここで、コンプレッサー4から圧送される空気圧は0.7MPaとし、チャンバー内の圧力(チャンバー圧)は、コンプレッサー4の圧力と同等の0.7~0.8MPaとした。実験結果を表1に示す。なお、発泡状況は、サイトグラス81を通じて視認した際に、発泡体Lによって全体が満たされている場合を良好(OK)とし、発泡体Lの他に空気層や希釈気泡液層が形成されている場合を不良(NG)とした。なお、コンプレッサー4の初期圧力設定は、設備上、運転開始後に0.1MPa下がった状態で保持される。そのため、レギュレーター5によって減圧をしない場合であっても、チャンバー内と圧縮空気Aとの空気圧との間には、0.1MPaの差圧が生じている。
Figure 0007206081000001
試験A1~A3に示すように、気泡流量が100L/minでは、差圧を0.3MPa(試験A2)にすることで発泡状態が安定する結果となった。また、試験B1~B3に示すように、気泡流量を50L/minの場合は、差圧を0.4以上(試験B1,B2)にすることで発泡状態が安定する結果となった。したがって、発泡状態が不安定な場合であっても、レギュレーター5により圧縮空気Aの空気圧を下げることで、発泡状態が改善されることが確認できた。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、モニター92に表示された監視カメラ82の映像に基づいて、オペレータが操作盤91を操作する場合について説明したが、モニター92には、画像処理後のデータが表示されてもよい。すなわち、監視カメラ82が、監視カメラ82の撮影画像から発泡体Lと発泡体L以外の物質(空気や希釈気泡液L)とに区分(例えば色分け)する画像処理を行う画像処理手段(図示せず)に接続されていて、モニター92は画像処理手段により作成された処理画像を表示してもよい。このようにすれば、オペレータが発泡状況を確認しやすい。
また、気泡注入システム1は、自動制御してもよい。すなわち、画像処理手段からCPUボックス93に送信された処理データに基づいて気泡注入システム1を自動制御するように構成してもよい。
また、起泡注入システムで使用するスクイズポンプ6の台数は限定されるものではなく、掘削断面形状に応じて適宜設定すればよい。 また、スクイズポンプ6の台数と注入口21の数との関係は適宜設定すればよく、例えば、1台のスクイズポンプ6を利用して2箇所の注入口21から注入してもよい。
コンプレッサー4や各ポンプ等の吐出能力は限定されるものではない。
発泡筒7を介して発泡体Lを生成したが、発泡体Lの生成方法は限定されるものではない。
1 気泡注入システム
2 注入系統
21 注入口
3 起泡剤供給ポンプ
4 コンプレッサー
5 レギュレーター
6 スクイズポンプ
7 発泡筒(発泡器)
8 気泡供給管
81 サイトグラス
82 監視カメラ
9 制御手段
A 圧縮空気
C カッターヘッド
希釈気泡液
混合体
発泡体

Claims (5)

  1. 切羽あるいはチャンバー内に発泡体を注入する気泡注入システムであって、
    前記発泡体を供給する複数の注入系統を備えており、
    前記注入系統は、
    起泡剤を圧送する起泡剤供給ポンプと、
    圧縮空気を圧送するコンプレッサーと、
    前記起泡剤と前記圧縮空気とを混合した混合体を気泡化して前記発泡体を生成する発泡器と、
    前記発泡体を前記切羽あるいは前記チャンバーへ供給する気泡供給管と、を備えており、
    前記気泡供給管の少なくとも一部に、当該気泡供給管の内部を視認可能な視認区間を有しており、
    前記視認区間を撮影する監視カメラと、
    前記監視カメラの撮影画像から前記発泡体と当該発泡体以外の物質とに区分する画像処理を行う画像処理手段と、をさらに備えていることを特徴とする、気泡注入システム。
  2. 前記視認区間にサイトグラスが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の気泡注入システム。
  3. 前記混合体を加圧して前記発泡器に送出するスクイズポンプを備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の気泡注入システム。
  4. 前記コンプレッサーと前記スクイズポンプとの間に、前記圧縮空気の空気圧を調整するレギュレーターを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の気泡注入システム。
  5. 気泡注入システムにより供給された発泡体と、掘削土砂とを混合して気泡混合土を生成し、当該気泡混合土により切羽の土圧に対抗しながら掘進する気泡シールド工法であって、
    前記気泡注入システムは、起泡剤を圧送する起泡剤供給ポンプと、圧縮空気を圧送するコンプレッサーと、前記起泡剤と前記圧縮空気とを混合した混合体を気泡化して前記発泡体を生成する発泡器と、前記発泡体を切羽あるいはチャンバーへ供給する気泡供給管と、を備える複数の注入系統を備えており、
    前記気泡供給管の少なくとも一部に、当該気泡供給管の内部を視認可能な視認区間を有していて、
    前記気泡供給管内の前記発泡体の発泡が不十分と判断された場合には、一部の前記注入系統による前記発泡体の注入を停止させることで、その他の前記注入系統による混合体の流速を増加させることを特徴とする、気泡シールド工法。
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