JP2017210754A - ケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法 - Google Patents

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【課題】 ケーソン躯体の周面摩擦を適切に制御して、ケーソン躯体の傾き修正や沈設を確実かつ効率的に行う。【解決手段】 ケーソン躯体10の周方向及び上下方向に設置箇所をそれぞれ異ならせて複数箇所に設けられ、当該ケーソン躯体10の周面から上方へ向かって液体を高圧噴射可能な噴射ノズル20と、各噴射ノズル20の近傍に設けられ、ケーソン躯体10の周面摩擦を測定する摩擦計30と、各摩擦計30で測定した摩擦値に基づいて、各噴射ノズル20からの液体の噴射を制御する液体噴射制御手段50とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法に関するものであり、特に大深度でケーソン躯体を安定的に沈設させる装置及び方法に関するものである。
ニューマチックケーソン工法において、GL−80m級の大深度でケーソン躯体を沈設させる際に、従来は滑剤工法(例えば、ベントナイト泥水をケーソン躯体の外周部に注入する工法)を実施しているが、大深度になると滑剤の摩擦低減効果が低くなり、地盤からの周面摩擦力によりケーソン躯体の沈設及び傾斜の修正や抑制が困難になることが懸念される。
このため、圧入アンカーによりケーソン躯体の沈設推力を向上させたり、地盤からケーソン躯体の周辺に注入管を挿入してベントナイト泥水を注入することにより周面摩擦を低減したり、ボーリングホール工法や高圧撹拌噴射工法によりケーソン躯体の周囲に緩み領域を構築して周面摩擦を低減したりという対策が採られている。また、ケーソン躯体を沈設する際に、周面摩擦を低減させるための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献1に記載された技術は、ケーソン躯体に配置した外方に向けて摩擦低減剤を噴射するジェットノズルに関するものである。このジェットノズルは、周面に孔を有し、先端部を閉塞したノズルと、ノズルの周面に配置し、ノズルに供給された摩擦低減剤の供給圧によって形状を変形させて孔を閉塞または開放する開鎖具と、開鎖具の側部に一定の間隔を有しつつ、開鎖具およびノズルを格納して開鎖具の変形量を拘束する防護管とを備えている。
特許文献2に記載された技術は、ニューマチックケーソン工法における漏気防止並びに掘削沈下に伴う地山崩落を防止するための多液固結型滑剤の注入装置に関するものである。この多液固結型滑剤の注入装置は、多液固結型滑剤の原材料を圧送する複数の注入管にそれぞれ設けられる逆止弁と、複数の注入管における原材料の吐出方向に対向して配置される多液混合板を有している。そして、ケーソン躯体の刃口の先端部近傍に設けられ、複数の注入管から逆止弁を介して、多液混合板に複数の原材料をほぼ直角に噴射して攪拌することにより混合して滑剤を生成する多液混合室と、複数の原材料を混合して生成した滑剤を、ケーソン躯体の刃口の先端部近傍から地山方向へ吐出する滑剤吐出口と、滑剤吐出口を挟んで、ケーソン躯体の刃口外周の全周に帯状に配置され、滑剤吐出口から吐出された滑剤を刃口外周の全周に導き分散させる第1及び第2の分散誘導壁とを備えている。
特許文献3に記載された技術は、ケーソン躯体貫入時の周面摩擦の低減方法に関するものである。このケーソン躯体貫入時の周面摩擦の低減方法は、ケーソン躯体内に設けた送気通路を介して、スカート部の周面が接触している水底地盤に向けて、高圧気体を噴射し、この高圧気体の噴射により、送水通路内から吸引される水と、噴射により離脱した土砂とを混合して、スカート部に沿って浮上させるようにしたものである。
特開2005−90022号公報 特開2012−136882号公報 特開平11−140880号公報
しかし、大深度におけるケーソン躯体の沈設作業において、ケーソン躯体が一度傾斜してしまうと修正することは困難であり、修正作業には多大な時間と費用がかかるという問題があった。
例えば、圧入アンカーにより推力の向上を図る方法では、大深度で沈設を行わなければならないため、多大な推力が必要となり、大がかりな推力装置を用いなければならず、また推力の制御も容易ではなかった。
また、ケーソン躯体の周辺にベントナイト泥水を注入する方法では、注入圧力の低いベントナイト泥水が地盤が弱い部分に流れ込んでしまい、周面摩擦力が高い箇所へ効率的に流れこまないことがあった。
また、ボーリングホール工法や高圧撹拌噴射工法によりケーソン躯体の周囲に緩み領域を構築する方法では、ケーソン躯体を沈設させる際に、ケーソン躯体の周辺が高圧コンプレッサーにより圧気状態であるため、周面摩擦力を低減させるために最も効果のあるケーソン躯体の直近では、空気穴が地上まで連通して地下水が墳発するおそれがあった。
さらに、上述した各特許文献に記載された技術は、ケーソン躯体を沈設する際に、周面摩擦を低減させることはできるが、確実かつ効率的な沈設を行うためにはさらなる工夫の余地があった。
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、ケーソン躯体の周面摩擦を適切に制御して、ケーソン躯体の傾き修正や沈設を確実かつ効率的に行うことが可能なケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法を提供することを目的とする。
本発明に係るケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明に係るケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法は、ケーソン躯体の周面から上方へ向かって液体を高圧噴射可能な噴射ノズルと、各噴射ノズルの近傍に設けられ、ケーソン躯体の周面摩擦を測定する摩擦計と、各摩擦計で測定した摩擦値に基づいて、各噴射ノズルからの液体の噴射を制御する液体噴射制御手段とを備えている。噴射ノズルは、ケーソン躯体の周方向及び上下方向に設置箇所をそれぞれ異ならせて複数箇所に設けてある。
そして、各摩擦計で測定した摩擦値に基づいて、各噴射ノズルからの液体の噴射を制御することにより、当該ケーソン躯体の沈設を促進するとともに傾斜を修正することを特徴とするものである。すなわち、各摩擦計により計測したケーソン躯体の周面摩擦が上昇傾向を示した場合に、当該周面摩擦の上昇傾向を計測した摩擦計の近傍に設けた噴射ノズルから、当該ケーソン躯体の周面上方へ向かって液体を高圧噴射することにより、当該ケーソン躯体の沈設を促進するとともに傾斜を修正する。
また、噴射ノズルへ液体を送出する配管に、所定圧力以上の液体が送出された場合に、当該噴射ノズルからの液体の噴射を許容する逆止弁を設けることが好ましい。
さらに、噴射ノズルから液体を噴射することによりケーソン躯体の周面において形成された緩み領域の範囲を測定する緩み領域測定手段を備えることが好ましい。この場合には、緩み領域の範囲が基準範囲を下回った場合に、噴射ノズルから噴射する液体の噴射圧力または噴射量の少なくとも一方を増加させる。
また、噴射ノズルは、ケーソン躯体の周面において、接線方向の直行方向外側(接線方向に直行する方向であって、ケーソン躯体の周面の外側方向)に所定幅で液体を噴射可能な噴射口を備えていることが好ましく、さらに、液体の他に、滑剤、空気、固化材のうちの少なくとも一つを噴射可能であることが好ましい。
本発明に係るケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法によれば、ケーソン躯体の周面摩擦が上昇傾向を示した箇所の近傍に設けた噴射ノズルから、当該ケーソン躯体の周面上方へ向かって液体を高圧噴射することにより周面摩擦を低減して、当該ケーソン躯体の沈設を促進するとともに傾斜を修正することができる。
また、ケーソン躯体の周面において形成された緩み領域の範囲を測定して、緩み領域の範囲が基準範囲を下回った場合に、噴射ノズルから噴射する液体の噴射圧力または噴射量の少なくとも一方を増加させることにより、より一層確実にケーソン躯体の傾き修正や沈設を行うことができる。
したがって、大がかりな装置を用いることなく、また簡便な噴射制御により、ケーソン躯体の周面摩擦を適切に制御して、ケーソン躯体の傾き修正や沈設を確実かつ効率的に行うことが可能となる。
本発明の実施形態に係るケーソン躯体の沈設装置の概略縦断面図。 本発明の実施形態に係るケーソン躯体の沈設装置の概略横断面図。 噴射ノズルの説明図。 本発明の実施形態に係るケーソン躯体の沈設方法による沈設促進の説明図。 本発明の実施形態に係るケーソン躯体の沈設方法による傾斜修正の説明図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法を説明する。図1〜図5は本発明の実施形態に係るケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法を説明するもので、図1はケーソン躯体の沈設装置の概略縦断面図、図2はケーソン躯体の沈設装置の概略横断面図、図3は噴射ノズルの説明図、図4はケーソン躯体の沈設促進の説明図、図5はケーソン躯体の傾斜修正の説明図である。
<ケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法の概要>
本発明の実施形態に係るケーソン躯体の沈設装置及び沈設方法は、図1及び図2に示すように、ケーソン躯体10の周方向及び上下方向に設置箇所をそれぞれ異ならせて複数箇所に設けた噴射ノズル20と、各噴射ノズル20の近傍に設けた摩擦計30とを備えている。そして、各摩擦計30により計測したケーソン躯体10の周面摩擦が上昇傾向を示した場合(周面摩擦値が所定値を超えた状態が所定時間継続した場合)に、当該周面摩擦の上昇傾向を計測した摩擦計30の近傍に設けた噴射ノズル20から、当該ケーソン躯体10の周面上方へ向かって液体を高圧噴射することにより、当該ケーソン躯体10の沈設を促進するとともに傾斜を修正するようになっている。
また、現在普及している周面摩擦計(摩擦計30)はサイズが大きいため、取り付け箇所に制限を受ける場合がある。このため、周面摩擦計(摩擦計30)のみにより緩み領域(噴射ノズル20から上向きに噴射した液体による地山とケーソン躯体10との縁切り範囲)を正確に測定できないこともある。そこで、噴射ノズル20から液体を噴射することによりケーソン躯体10の周面において形成された緩み領域の範囲を測定する緩み領域測定手段60を備えることが好ましい。この場合には、緩み領域の範囲が基準範囲を下回った場合に、噴射ノズル20から噴射する液体の噴射圧力または噴射量の少なくとも一方を増加させることにより、ケーソン躯体10の傾き修正や沈設の促進を容易に制御することができる。
<噴射ノズル>
噴射ノズル20は、図1〜図3に示すように、ケーソン躯体10の周方向及び上下方向に設置箇所をそれぞれ異ならせて複数箇所に設けられ、当該ケーソン躯体10の周面から上方へ向かって液体を高圧噴射可能となっている。この噴射ノズル20の基端部は、ケーソン躯体10内に設けた送出管40に連通接続されている。また、各噴射ノズル20には逆止弁(図示せず)を設けることが好ましく、所定圧力以上の液体が送出された場合に、当該噴射ノズル20からの液体の噴射を許容する。
各噴射ノズル20には送出管40が連通接続してあるが、噴射ノズル20毎に別個の送出管40を連通接続してもよいし、複数の噴射ノズル20に共通の送出管40を連通接続し、各噴射ノズル20に開閉弁(図示せず)を設けてもよい。また、図示しないが、送出管40には、噴射ノズル20から噴出する液体を貯留するためのタンク、圧送ポンプ等が取り付けてある。
開閉弁は、例えば、電磁弁からなり、各噴射ノズル20への送出経路を開閉するための弁であり、この開閉弁を開閉することにより、各噴射ノズル20からの液体の噴射及び停止を制御することができる。開閉弁の開閉は、液体噴射制御手段50により制御される。
噴射ノズル20の噴射口は、噴射する液体の噴射量や噴射圧力に応じて適宜な大きさに設定されている。一般的には、円形の噴射口となっているが、ケーソン躯体の周面において、接線方向の直行方向外側(接線方向に直行する方向であって、ケーソン躯体の周面の外側方向)に向かって所定幅を持たせた噴射口とすることにより、ケーソン躯体の周面から外側へ向かって所定幅で液体を噴射することができる。
本実施形態において、ケーソン躯体を沈設する際に周面摩擦を低減するために噴射ノズル20から噴射する液体は、水、ベントナイト泥水、滑剤、セメントミルク、空気等の混合体であるが、この噴射ノズル20から、他の物体、例えば、滑剤、空気、固化材を噴射してもよい。この場合、これらの物体のうちの1種類を噴射してもよいし、複数種類の物体を混合して噴射してもよい。噴射ノズル20から滑剤や固化材を噴射させる場合には、滑剤や固化材の注入管及び注入口を省略することができる。
また、図示しないが、滑剤注入管及びこれに連通接続する滑剤注入口を別途設けて、噴射ノズル20から液体を高圧噴射してケーソン躯体周辺の地山を緩めるとともに、当該噴射のゾルの近傍にある滑剤注入口から滑剤を注入することにより、ケーソン躯体の周辺に形成した空隙部において地山を自立させて、地山崩壊を防止することができる。
また、噴射ノズル20は、ケーソン躯体10の周面から外方へ向かって突出して設けてある。したがって、ケーソン躯体10を沈設する際に、噴射ノズル20が周辺地山に引っ掛かるおそれがある。そこで、図示しないが、噴射ノズル20を保護するためのカバー部材を取り付けることが好ましい。
<摩擦計>
摩擦計30は、ケーソン躯体10の周面と地山との間の摩擦を計測するための装置であり、各噴射ノズル20の近傍に設置してある。なお、各噴射ノズル20の近傍に必ず摩擦計30を設けるのではなく、複数の噴射ノズル20に対して1個の摩擦計30を設けてもよい。すなわち、ケーソン躯体10の周面摩擦は、各噴射ノズル20の設置位置に限って上昇するのではなく、複数の噴射ノズル20の設置範囲において上昇するものである。したがって、噴射ノズル20と摩擦計30とは、必ずしも1対1の関係で設置する必要はない。
摩擦計30により計測した摩擦値(計測信号)は液体噴射制御手段50に送信され、噴射ノズル20からの液体噴射制御に使用される。なお、摩擦計30と液体噴射制御手段50との間における信号の送受信は、両者を電気的に接続する電気ケーブルを介して行ってもよいし、無線通信手段を用いた無線通信により行ってもよい。
<緩み領域測定手段>
緩み領域測定手段60は、噴射ノズル20から液体を噴射することによりケーソン躯体10の周面において形成された緩み領域の範囲を測定するための装置であり、ケーソン躯体10の周方向及び上下方向に設置箇所をそれぞれ異ならせて複数箇所に設けられている。この緩み領域測定手段60は、例えば、温度計(熱電対、光ファイバ温度計等)、土圧計、弾性波測定器、超音波測定器等により構成することができる。
<液体噴射制御手段>
液体噴射制御手段50は、各摩擦計30で測定した摩擦値に基づいて、各噴射ノズル20からの液体の噴射を制御する手段であり、具体的には、各摩擦計30により計測したケーソン躯体10の周面摩擦が上昇傾向を示した場合に、当該周面摩擦の上昇傾向を計測した摩擦計30の近傍に設けた噴射ノズル20から、当該ケーソン躯体10の周面上方へ向かって液体を高圧噴射するような制御を行う。このような制御を行うことにより、ケーソン躯体10の沈設を促進するとともに傾斜を修正することができる。噴射ノズル20から液体を高圧噴射させる周面摩擦の閾値は、ケーソン躯体10の大きさ、形状、沈設深度、周辺地盤の土質等、種々の要因に基づいて、適宜設定することができる。
この液体噴射制御手段50は、例えば、オペレータが各摩擦計30の計測値を観察し、観察結果に基づいて操作入力を行うことにより、液体噴射を行うべき噴射ノズル20の開閉弁を操作して、当該噴射ノズル20から液体を高圧噴射するような制御信号を送信する装置からなる。
また、コンピュータ及びこれにインストールした制御プログラムと、コンピュータの周辺機器とにより液体噴射制御手段50を構成し、各摩擦計30からの計測信号を受信して、計測値(摩擦値)が所定値を超えた場合に、液体噴射を行うべき噴射ノズル20の開閉弁を自動制御して、当該噴射ノズル20から液体を高圧噴射してもよい。なお、ケーソン躯体10の大きさ、形状、沈設深度、周辺地盤の土質等、種々の要因により、計測値(摩擦値)が過渡的に上昇することもあり、この場合には、短時間で計測値(摩擦値)が所定値以下に戻ることになる。したがって、周面摩擦値が所定値を超えた状態が所定時間継続した場合に、噴射ノズル20から液体を高圧噴射するような制御を行うことが好ましい。
また、液体噴射制御手段50は、緩み領域測定手段60により測定した緩み領域の範囲が基準範囲を下回ると、噴射ノズル20から噴射する液体の噴射圧力または噴射量の少なくとも一方を増加させるような制御を行う。これにより、想定した範囲よりも緩み領域が狭い場合であっても緩み領域を修正して、確実にケーソン躯体10の傾き修正や沈設を行うことができる。特に、ケーソン躯体10が大断面になればなるほど、施工箇所による土質の違いが生じる可能性が高く、このような場合にも適切な対応を行うことができる。
<ケーソン躯体の沈設制御>
図4及び図5を参照して、本実施形態に係るケーソン躯体10の沈設装置を用いたケーソン躯体10の沈設方法について説明する。図4はケーソン躯体10の傾斜修正を行う場合の模式図であり、図5はケーソン躯体10の沈設促進を行う場合の模式図である。なお、ケーソン躯体10の傾斜修正と沈設促進とを別個に行うだけではなく、両者を同時に行って、ケーソン躯体10の周面摩擦を適切に制御することにより、ケーソン躯体10の傾き修正や沈設を確実かつ効率的に行うことができる。
<沈設促進>
図4に示すように、ケーソン躯体10の周面において周面摩擦が所定値よりも上昇した箇所がある場合に(a)、当該周面摩擦を計測した摩擦計30の近傍に設置されている噴射ノズル20から液体を高圧噴射して(b)、当該周面摩擦が上昇した箇所のフリクションカットを行い(周面摩擦を低減させ)、さらに、当該箇所で滑剤の注入を行って地山崩壊を防止することにより(c)、ケーソン躯体10の沈設を促進することができる。
<傾斜修正>
図5に示すように、ケーソン躯体10の周面において周面摩擦が所定値よりも上昇した箇所があり、ケーソン躯体10が傾斜した場合に(a)、当該周面摩擦を計測した摩擦計30の近傍に設置されている噴射ノズル20から液体を高圧噴射して(b)、当該周面摩擦が上昇した箇所のフリクションカットを行い(周面摩擦を低減させ)、さらに、沈設が遅れている箇所の切羽部分で掘削を行って先行沈下させることにより(c)、ケーソン躯体10の傾斜を修正することができる。
10 ケーソン躯体
20 噴射ノズル
30 摩擦計
40 送出管
50 液体噴射制御手段
60 緩み領域測定手段

Claims (7)

  1. ケーソン躯体の周方向及び上下方向に設置箇所をそれぞれ異ならせて複数箇所に設けられ、当該ケーソン躯体の周面から上方へ向かって液体を高圧噴射可能な噴射ノズルと、
    前記各噴射ノズルの近傍に設けられ、前記ケーソン躯体の周面摩擦を測定する摩擦計と、
    前記各摩擦計で測定した摩擦値に基づいて、前記各噴射ノズルからの液体の噴射を制御する液体噴射制御手段と、
    を備えたことを特徴とするケーソン躯体の沈設装置。
  2. 前記噴射ノズルへ液体を送出する配管に、所定圧力以上の液体が送出された場合に、当該噴射ノズルからの液体の噴射を許容する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載のケーソン躯体の沈設装置。
  3. 前記噴射ノズルは、前記ケーソン躯体の周面において、接線方向の直行方向外側に所定幅で液体を噴射可能な噴射口を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーソン躯体の沈設装置。
  4. 前記噴射ノズルは、前記液体の他に、滑剤、空気、固化材のうちの少なくとも一つを噴射可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーソン躯体の沈設装置。
  5. 前記噴射ノズルから液体を噴射することにより前記ケーソン躯体の周面において形成された緩み領域の範囲を測定する緩み領域測定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーソン躯体の沈設装置。
  6. ケーソン躯体の周方向及び上下方向に設置箇所をそれぞれ異ならせて複数箇所に設けた噴射ノズルと、各噴射ノズルの近傍に設けた摩擦計とを備えたケーソン躯体の沈設装置を用いて、
    前記各摩擦計により計測した前記ケーソン躯体の周面摩擦が上昇傾向を示した場合に、当該周面摩擦の上昇傾向を計測した前記摩擦計の近傍に設けた前記噴射ノズルから、当該ケーソン躯体の周面上方へ向かって液体を高圧噴射することにより、当該ケーソン躯体の沈設を促進するとともに傾斜を修正することを特徴とするケーソン躯体の沈設方法。
  7. 前記噴射ノズルから液体を噴射することにより前記ケーソン躯体の周面において形成された緩み領域の範囲を測定し、
    前記緩み領域の範囲が基準範囲を下回った場合に、前記噴射ノズルから噴射する液体の噴射圧力または噴射量の少なくとも一方を増加させることを特徴とする請求項6に記載のケーソン躯体の沈設方法。
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