JP2859768B2 - 高集積リードフレームの製造方法 - Google Patents

高集積リードフレームの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多ピンで高集積リードフ
レームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置は、半導体集積回路チップを
リードフレームのパッド部(半導体搭載部)に搭載し、
半導体集積回路チップの端子とリードフレームのインナ
ーリードとを金線やアルミ線等のワイヤーで接続する
か、もしくはインナーリードと半導体集積回路チップを
直接的に接続し、これらを樹脂やセラミック等で封入す
ることにより製造される。
【0003】ところで、半導体装置はあらゆる産業分野
に適用される電子機器に不可欠で、その技術的進歩が目
覚ましく、これに対応して半導体装置は高機能化、高集
積化および小型化することが重要である。
【0004】最近、リードフレームはピン数が例えば1
00ピン以上のものが製造されるようになっている。多
ピン化はリード幅およびリード間隔の減少、なかでもイ
ンナーリードの幅と間隔は極めて微細となる。
【0005】多ピンリードフレームの製造の一つとし
て、プレスによる打抜きとエッチングの食刻を併用する
方法が提案されている。例えば特公平3−6663号公
報にはインナーリード部とパッド部はエッチングにより
形成し、アウターリード部はプレスで形成するリードフ
レームの製造方法が示されている。これによるとエッチ
ングの微細食刻作用と、プレスの高速かつ高安定打抜き
作用の双方の利点が得られる効果がある。
【0006】特開昭63−148667号公報にはプレ
スでアウターリード、ダムバーおよびガイドホールを穿
設した後、ガイドホールを基準として位置決めしエッチ
ングでインナーリード部を形成するリードフレームの製
造方法が開示されている。これはプレスとエッチング加
工の利点を組み合わせた効果がある。
【0007】
【この発明が解決しようとする課題】従来の技術ではそ
れ相応の作用効果があるが、エッチングで食刻されたイ
ンナーリードにはサイドエッチングと称されるフォトレ
ジストパターン裏側が深く侵食されることから、当該イ
ンナーリードの幅が板厚方向で異なり板面側が狭幅を呈
してワイヤーボンデングの際に、溶接接続不良や溶接速
度の高速化阻害等不都合を生じることがある。
【0008】リードフレームの多ピン化によりインナー
リードの幅、間隔は極めて微細に例えば0.12mm以
下となるから前記不都合の発生頻度が増加する。
【0009】多ピンの対応にはリードフレーム素材金属
板の薄厚化が考えられるが、板厚の薄手化は素材金属板
のコスト高騰をまねく。また薄い素材金属板であっても
エッチングでは前記サイドエッチングの問題が依然とし
て残る。さらに、薄い例えば0.12mm未満の金属板
を素材としてプレスでリードフレームを穿設する際には
打抜き応力の影響が大きくなり、その形成加工が難しく
なる。
【0010】本発明はエッチングでのサイドエッチング
現象の悪影響を受けず、インナーリードのワイヤーボン
ディング有効幅を安定して確保でき、またコスト高とな
らずにエッチングとプレス加工を併用して多ピンのリー
ドフレームを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、アウタ
ーリード部と、前記アウターリード部に連なりパッド周
りを臨んで設けられるインナーリード部とを少なくとも
有するリードフレームの製造方法において、被形成金属
板にフォトレジスト膜を設け、インナーリード部または
インナーリード先端部の形成領域の前記フォトレジスト
膜の片面にフォトマスクパターンを形成し、当該片面か
らのみエッチングしてインナーリード部またはインナー
リード先端部を食刻し、アウターリード部はプレスで形
成することを特徴する高集積リードフレームの製造方法
にある。さらに必要に応じて前記フォトマスクパターン
の形成をパッド部まで行い、当該片面からのみエッチン
グし、アウターリード部はプレスで形成するところにあ
る。
【0012】
【作用】本発明ではエッチングとプレス加工を併用して
リードフレームを製造する際、エッチングでのインナー
リード部またはインナーリード先端部あるいはパッド部
の形成は被形成金属板の片面側からのみ食刻で行うか
ら、サイドエッチング現象が他面は起こらず当該板面は
狭幅化が防止される。而して多ピンリードフレームでも
ワイヤーボンディングの際にリード捻じれや変位あるい
は接続不良等の不都合が生じることがない。また、アウ
ターリード部はプレスで形成されるからその加工利点が
合わせて得られる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明について1実施例に基いて図
面を参照して詳細に説明する。図面において、1は半導
体集積回路を搭載するパッド、2はインナーリードで前
記パッド1の周りに先端を臨み、この実施例におけるク
ワッド形のリードフレーム3では放射状に形成され、そ
の他端はアウターリード4に連なっている。5はタイバ
ー、6はサポートバーで前記パッド1を支持している。
7はサイドレールである。
【0014】前記リードフレーム3はエッチングとプレ
ス加工を併用して製造するが、その加工順序は何れを先
にしてもよい。
【0015】先ず、エッチングでインナーリード部を形
成する場合について述べる。素材金属板8は薄厚材で、
その両面にフォトレジスト9を貼付する。次いでインナ
ーリード2形成領域の前記フォトレジスト9の片面の上
にインナーリード2部のフォトマスク10を対接し片面
からのみ露光する。
【0016】その後、フォトマスク10を現像液で処理
し感光した片面における領域以外のフォトレジスト膜を
除去して、レジストパターン11を当該片面側にのみ形
成する。
【0017】インナーリード部2のレジストパターン1
1を形成した片面側にエッチング液を噴射して食刻させ
る。このエッチングによりレジストパターン11面下は
深く侵食されるが、他面のフォトレジスト9膜が設けら
れたままの側は侵食されず、その食刻貫通後の断面状況
は図3に示すようにフォトレジスト9膜側のリード幅が
広めになる。これはその後のワイヤーボンディング作業
を安定化させる。
【0018】レジストパターン11の形成は、インナー
リード2部の全てでなくインナーリード先端部例えばア
ウターリード4に非平行で放射状にてパッド1側に臨む
部分に行い、エッチングしてもよい。
【0019】また、インナーリード2部からパッド1に
わたりレジストパターン11を形成してエッチングし当
該インナーリード2部とパッド1をともに食刻してもよ
い。
【0020】エッチングで形成した以外の部分例えばア
ウターリード4部等は金型を用いたプレスで打抜き形成
する。エッチングによる形成がインナーリード先端部の
際はプレスによりアウターリード4部からインナーリー
ド2部側に平行な形状で連なる箇所まで打抜き形成すれ
ばよい。
【0021】エッチングによる食刻とプレスによる形成
の位置合わせはサイドレール7に穿孔されたガイドホー
ル12を基準とすることで容易になされ、エッチングと
プレスの打抜きによりリードフレーム3が形成される。
【0022】また、先にプレスでアウターリード4ある
いはタイバー5、サポートバー6まで打抜いて形成し、
その後に素材金属板8の両面にフォトレジスト9を設
け、インナーリード形成領域の片面にフォトマスク10
を対接して露光、現像し、当該片面にレジストパターン
11を形成しエッチングしても同様な作用効果が得られ
フォトレジスト9側の板面はリード幅が広めになる。
【0023】この実施例ではクワッド形リードフレーム
の製造について述べたが、デユアルインライン形など種
々のリードフレームの製造に適用できる。
【0024】また、プレスとエッチングの間で、あるい
はエッチングとプレスの間でメッキを施してしてもよ
い。
【0025】
【発明の効果】本発明はプレスとエッチングの併用より
リードフレームを製造する際に、微細構造のインナーリ
ード部あるいはインナーリード先端部の形成は、被形成
金属板の片面にレジストパターンを形成し、該片面側か
らのみエッチングして行うので、フォトレジスト板面側
はインナーリード幅が広めになり、ワイヤーボンデング
性が優れる。さらにリードフレームに半導体集積回路を
搭載し樹脂封止し組立てる際にリード先端部の安定化が
有効に機能し、多ピン化方向におけるリードフレームの
製造に極めて効果がある。またエッチングの微細食刻作
用は当然確保され多ピンのリードフレームが安定して得
られ、さらにアウターリード等はプレスで形成されプレ
スの高速かつ高安定作業性の利点が享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例におけるリードフレームを示
す図。
【図2】本発明の1実施例においてインナーリードの1
部におけるフォトレジストとレジストパターンを示す
図。
【図3】本発明の1実施例でエッチング後のインナーリ
ードの断面形状を示す図。
【符号の説明】
1 パッド 2 インナーリード 3 リードフレーム 4 アウターリード 5 タイバー 6 サポートバー 7 サイドレール 8 素材金属板 9 フォトレジスト 10 フォトマスク 11 レジストパターン 12 ガイドホール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アウターリード部と、前記アウターリー
    ド部に連なりパッド周りを臨んで設けられるインナーリ
    ード部とを少なくとも有するリードフレームの製造方法
    において、被形成金属板にフォトレジスト膜を設け、イ
    ンナーリード部またはインナーリード先端部の形成領域
    の前記フォトレジスト膜の片面にフォトマスクパターン
    を形成し、当該片面からのみエッチングしてインナーリ
    ード部またはインナーリード先端部を食刻し、アウター
    リード部はプレスで形成することを特徴する高集積リー
    ドフレームの製造方法。
  2. 【請求項2】 アウターリード部と、前記アウターリー
    ド部に連なりパッド周りを臨んで設けられるインナーリ
    ード部とを少なくとも有するリードフレームの製造方法
    において、被形成金属板にフォトレジスト膜を設け、イ
    ンナーリード部またはインナーリード先端部およびパッ
    ド部形成領域の前記フォトレジスト膜の片面にフォトマ
    スクパターンを形成し、当該片面からのみエッチングし
    てインナーリード部またはインナーリード先端部および
    パッド部を食刻し、アウターリード部はプレスで形成す
    ることを特徴とする高集積リードフレームの製造方法。
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