JP2858433B2 - 誘導電動機の速度検出方式 - Google Patents

誘導電動機の速度検出方式

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JP2858433B2 JP1001169A JP116989A JP2858433B2 JP 2858433 B2 JP2858433 B2 JP 2858433B2 JP 1001169 A JP1001169 A JP 1001169A JP 116989 A JP116989 A JP 116989A JP 2858433 B2 JP2858433 B2 JP 2858433B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、可変電圧,可変周波数PWMインバータによ
る3相誘導電動機の瞬時トルク,瞬時磁束制御方式にお
いて、誘導電動機の速度を速度センサを使用することな
く演算することにより検知する、速度センサレス速度検
知の一方式に関するものである。
(従来の技術) 本発明にかかる誘導電動機の速度検出方式によって検
知した値は、誘導電動機の種々の制御のために適用でき
るが、ここでは内容を分かり易くするために速度制御系
に従来の速度センサを使用した場合について詳述する。
従来、空間ベクトルによる誘導電動機の速度制御は、
第2図のブロック図に示すように、3相誘導電動機6に
取り付けられたPGあるいはTGなどの速度センサ8により
誘導電動機の実速度Nmを検出し、速度指令Nとの偏差
をトルク指令として制御回路7に与え、瞬時トルク,
瞬時磁束制御を行うことにより速度制御系を構成してい
た。
第2図において破線で囲まれた瞬時トルク,瞬時磁束
制御方式の制御回路7の基本動作は、昭和61年1月発行
の電気学会論文誌Bの106巻1号第9頁以下に記載され
た「瞬時すべり周波数制御に基づく誘導電動機の新高速
トルク制御法」なる論文に記載されている。
その基本原理は、空間ベクトルで表された誘導電動機
の1次電流▲▼および1次磁束ベクトルのベク
トル積として瞬時発生トルクを演算し、これとトルク指
令Tとの偏差および1次磁束φと磁束指令値φ
との偏差に応じて、予めテーブル化されているインバー
タのトルク応答を最適とするスイッチングパターンを選
び、インバータの出力電圧を時々刻々更新して瞬時トル
クおよび磁束を瞬時制御するものである。
第2図は前述のごとき基本動作を行う誘導電動機の瞬
時トルク,磁束制御系のブロック図であり、直流電圧源
1より正母線1aおよび負母線1bを経て3相PWMインバー
タ3を介して3相誘導電動機6に給電する。制御回路7
は指令および検出された電流,電圧信号を処理し、PWM
インバータ3のスイッチング素子の通電信号を発生す
る。4は電源スイッチである。
PWMインバータ3はトランジスタ等のオン,オフ可能
なスイッチング素子とダイオードとをそれぞれ逆並列接
続してなる6個のアームを3相グレッツ結線することに
より構成されるが、図のように3個の切換スイッチSu,S
v,Swとして表すことができる。
PWMインバータ3の各出力端子から電流検出器5u,5v,5
wを経て3相誘導電動機6に給電すると共に、直流側正
負母線間に電圧検出器2が接続され、これら検出器と後
述するスイッチ状態変数とから各相電流および各相電圧
が検出できるようになっている。
3相かご形誘導電動機の1次端子電圧および電流をそ
れぞれ▲▼,▲▼とし、2次電流を▲▼と
すると、電圧方程式は ただし、記号▲▼,▲▼,▲▼は直軸,
横軸すなわちd,q2軸変換された量のベクトル表示であ
り、例えば▲▼はd軸成分をv1d,q軸成分をv1qとす
ると で示され、▲▼,▲▼も同様に定義される。な
お、式左辺のはd,q両軸成分とも0の場合を表し、
かご形回転子の場合2次電圧はこのようにとなる。
式における定数は R1;1次巻線抵抗 L11;1次インダクタンス R2;2次巻線抵抗 L22;2次インダクタンス M;相互インダクタンス は回転角速度,pは微分演算子,jは虚数記号を表
す。
一方、磁束の定義として、1次磁束φ 式の第1行を展開して 式を代入し、整理すると 両辺を積分すると すなわち、電動機1次磁束は式の積分演算により求
められる。
各切換スイッチSu,Sv,Swは、正母線1a側に倒れる場合
と負母線1b側に倒れる場合とがあり、中間位置をとるこ
とはない。前者を状態1,後者を状態0とするとインバー
タの出力状態は次に示すスイッチ状態変数表ですべてを
表すことができる。
ここに、kは切換スイッチ状態を示す番号で、この8
通りしか存在しない。また、▲▼,▲▼はd,q2
軸成分で表したスイッチ状態変数で、実際のd,q軸電圧v
1d,v1qは、これに直流電圧源1の電圧Vと とを乗じ と表せる。
このスイッチ状態変数表を図示したのが第3図であ
り、v1の横の括弧内は切換スイッチSu,Sv,Swの状態を順
に示しており、kが増加するに従って時計方向に60゜ず
つステップする電圧ベクトルを表している。なお、k=
0およびk=7は零ベクトルと呼ばれるもので、図では
原点と一致する。k=0およびk=7はそれぞれインバ
ータの出力を決定する切換スイッチSu,Sv,Swがすべて正
母線1a側に倒れるか、または負母線1b側に倒れるかの違
いはあるが、3相誘導電動機6の線間電圧はいずれも零
となり、3相短絡モードである。
瞬時トルクTは式の1次磁束と1次電流▲
▼のベクトル積として式により求められる。
ここで、φ1d1qおよびi1d,i1qはそれぞれ1次磁束
および1次電流▲▼をd,q2軸に分解したときの
各成分である。
ブロック701および703bは切換スイッチSu,Sv,Swの状
態と電圧検出器2で検出した電流電圧源1の電圧Vとか
ら1次端子電圧▲▼を算出するブロックであり、ス
イッチ状態変数表と式とから算出される。
ブロック702は電流検出器5u,5v,5wにより検出される
3相電流iu,iv,iwを、次式によりd,q2軸成分に変換する
ブロックである。
この1次電流▲▼に、ブロック703aにおいて1次
巻線抵抗R1を乗じ、ブロック704において1次端子電圧
▲▼から1次巻線抵抗R1と1次電流▲▼の積を
減算する。
ブロック705は式に従って磁束を積分演算するブロ
ックであり、1次磁束のd,q両軸成分φ1d1qが求
められ、ブロック706にて磁束ベクトル長φが次式に
より求められる。
更に、ブロック710では第4図の磁束状態図に示すよ
うに、1次磁束ベクトルのd軸を基準とする時計方
向の回転角θが、境角線として30゜,90゜,150゜,210゜,
270゜,330゜の60゜毎に仕切られるどの領域に属してい
るかによって、制御フラグfθを次のように発生する。
−30゜≦θ< 30゜;fθ=I 30゜≦θ< 90゜;fθ=II 90゜≦θ<150゜;fθ=III 150゜≦θ<210゜;fθ=IV 210゜≦θ<270゜;fθ=V 270゜≦θ<330゜;fθ=VI 第5図はヒステリシスコンパレータの状態制御図で、
磁束ベクトル長φが磁束指令値φ に対し、誤差限
界Δφを用いて φ −Δφ/2<φ<φ +Δφ/2 となるように制御するための制御フラグfφを発生す
る。すなわち、磁束ベクトル長φが増加して上限であ
るφ +Δφ/2に達すると減磁を指令する制御フラグ
fφ=0を発生し、また磁束ベクトル長φが減少して
下限であるφ −Δφ/2に達すると増磁を指令する制
御フラグfφ=1を発生する。
かくして、磁束ベクトル長φは第5図に示される矢
印の方向にリミットサイクルを描くようにして制御され
ることになるが、実際には、ブロック706で式により
算出された磁束ベクトル長φがブロック708において
磁束指令値φ から減算され、ブロック711において
第5図の状態制御図に従い制御フラグfφ=1,0を発生
する。
第5図に示した磁束のリミットサイクルは、第4図に
関していえば、1次磁束のベクトルの頭部が常に図
示された円環部分に存在するように制御されていること
に対応する。
第5図による制御フラグfφと第4図で説明した制御
フラグfθとが組み合わされて、例えばfφ=1,fθ=
Iの制御フラグが立っているとすると、領域が−30゜≦
θ<30゜における増磁モードを意味するから、1次磁束
ベクトルに積分されるべき1次電圧▲▼ベクト
ルは、円の外向き成分を持ったものの中から選ばれる。
ブロック707はブロック702,705の両出力のベクトル積
を式により演算し、瞬時トルクTを算出するブロック
であり、ブロック709においてトルク指令Tから瞬時
トルクTを減算し、トルク指令Tと式により求めら
れた瞬時トルクTとの差が所定の誤差限界以内に押えら
れるように、ブロック712において第6図の状態制御部
に従って制御フラグfτを発生する。
第6図は3値ヒステリシスコンパレータの状態制御図
で、電動機力行時はトルク偏差T−Tが上限値ΔT
1(ΔT1>0)に達すると、加速モードの制御フラグf
τ=1を発生する。電動機が加速されてトルク偏差が下
限値−ΔT2(ΔT2>0)に達すると、零ベクトルモード
の制御フラグfτ=0を発生し、トルクが漸減して再び
偏差が増加し上限値ΔT1に達すると加速モードに移り、
第6図の上半部のヒステリシスループを矢印方向に周回
するリミットサイクルを描く。
次に、電動機が回生制動を行っている時は第6図の下
半部のヒステリシスループを描くことになり、トルク偏
差が負の下限値−ΔT1(ΔT1>0)に達すると漸減モー
ドの制御フラグfτ=−1を発生する。以下、力行時と
同様に矢印方向のリミットサイクルを繰り返えす。かく
して、ブロック712は制御フラグfτ=1,0,−1を出力
する。
ブロック713はブロック710,711,712から出力される3
個の制御フラグfθ,fφ,fτの各組み合わせに最も適し
たインバータ出力電圧を決定するブロックであり、次に
示すスイッチングテーブルによって、第4図で説明した
1次磁束のベクトル長と回転方向をこれら3個の制
御フラグfθ,fφ,fτが制御する。
このスイッチングテーブルは、3個の制御フラグf
θ,fφ,fτのすべての組み合わせについて出力電圧ベク
トルの番号kの値を示したもので、毎演算サイクルごと
にブロック713においてこのスイッチングテーブルを参
照することにより、インバータ3へスイッチング信号を
送り、磁束およびトルクの制御が行われる。
インバータ周波数は第4図の1次磁束ベクトルの
回転速度と考えることができるが、これは外部から与え
られるものではなく、式による電圧ベクトルの積算結
果として生じるものである。
以上に説明したように、瞬時トルク,瞬時磁束制御系
が破線で囲んだ制御回路7で構成され、速度指令N
3相誘導電動機6に取り付けられたPGあるいはTGなどの
速度センサ8により得た誘導電動機の実速度Nmとの偏差
をブロック717にて演算し、これをトルク指令Tとし
て制御回路7に与えて誘導電動機の速度制御系が構成さ
れていた。
以上説明したように、空間ベクトル法に基づいてPWM
インバータによる3相誘導電動機の瞬時トルク,瞬時磁
束制御が行われるが、従来のPWMインバータによる誘導
電動機の速度制御においては、電圧と周波数との比率を
一定とし、すなわち磁束指令値φを一定として与え、
速度指令Nと3相誘導電動機に外付けされた例えばPG
またはTGなどの速度センサによって得られる誘導電動機
の実速度Nmとの偏差をトルク指令Tとして与えて制御
されていた。
このような制御では速度センサが不可欠なものであ
り、誘導電動機の軸端にPGまたはTGなどを取り付ける
か、または速度センサ付の誘導電動機を用意しなければ
ならなかった。すなわち、誘導電動機の速度検出のため
に高価な速度センサを具備しなければこの速度制御は不
可能であり、コスト面で極めて不利である。また、速度
センサの取り付けのための機構およびスペースの面から
電動機の軸方向寸法が大きくなる不具合があった。速度
センサ内蔵の誘導電動機を使用しても同様にコスト高と
なり、また速度センサ無しのものとの互換性がない場合
もあった。更に、PGやTGなどの速度センサの信号に対し
てノイズ対策など配線についての配慮が要求され、また
この速度センサの断線時のオーバーラン対策を要するな
ど、速度センサを具備することによる問題点が多数残さ
れていた。
3相誘導電動機の速度制御の手段として誘導電動機の
速度を検出するために、従来は速度センサが不可欠のも
のであったが、速度センサはそれが高価なことや取付ス
ペースなどの制約から、速度センサ無しで、すなわち速
度センサレスの速度制御を行うことが種々提案されてい
る。
空間ベクトル法に基づく瞬時トルク,瞬時磁束制御を
基本とした速度制御を行う際には、演算1次磁束の変数
がφ1d1qで与えられ、この情報からPWMインバータの
1次周波数すなわち3相誘導電動機へ印加される1次周
波数が得られるところから、誘導電動機の無負荷回転速
度N1が演算可能であり、また電圧と周波数との比率が一
定で制御されておれば、演算された瞬時トルクTとすべ
り回転速度Nsとの間には、定常的にはKsを一定常数とし
て Ns=Ks×T の関係があるので、誘導電動機の実速度Nmは Nm=N1−Ns なる演算によって得ることができる。
本出願人は前記のことに着目し、先に特願昭63−2945
00号により、空間ベクトル法による場合に瞬時トルク,
瞬時磁束制御のための演算の他に、前述のごとき瞬時速
度演算を追加することによって、速度センサ無しで簡単
に速度制御を可能とする誘導電動機の速度検出方式を出
願した。
すなわち、特願昭63−294500号明細書記載の誘導電動
機の速度検出方式は、3相誘導電動機の電圧および電流
をそれぞれ空間ベクトル値に換算して1次磁束ベクトル
の瞬時値を演算する手段と、前記1次磁束ベクトルと電
流ベクトルとからトルクの瞬時値を演算する手段と、磁
束指令値と前記1次磁束ベクトルの大きさとを比較する
磁束比較手段と、トルク指令値と前記トルクの瞬時値と
を比較するトルク比較手段と、前記1次磁束ベクトルの
方向を判別する磁束ベクトル方向判別手段とを具え、こ
れら磁束比較手段,トルク比較手段および磁束ベクトル
方向判別手段の出力から判断して、可変電圧,可変周波
数インバータの最適出力電圧を決定し誘導電動機の瞬時
トルク,瞬時1次磁束を制御する方式において、前記1
次磁束ベクトル成分の演算値よりインバータの出力周波
数による誘導電動機の無負荷回転速度N1を、また前記ト
ルクの瞬時値よりすべり回転速度Nsを求め、該誘導電動
機の実速度Nmを Nm=N1−Ns として演算することを特徴とするものである。
なお、本明細書では誘導電動機の速度検出方式を速度
制御のために適用した場合について詳述するが、例えば
巻取機のセンタードライブ方式のような間接張力制御な
どで、速度情報が必要なその他の制御方式に対してもこ
の速度検出方式が適用できる。
空間ベクトルによる誘導電動機の瞬時トルク,瞬時磁
束制御では、瞬時トルクTおよび瞬時1次磁束を演
算によって求めている。これら2つの情報から、誘導電
動機の速度が演算によって算出できることを以下に説明
する。
1次磁束ベクトルの回転速度はインバータの出力
周波数と考えることができるので、この1次磁束
クトルの回転速度が算出できれば、誘導電動機の1次周
波数f1が算出でき、誘導電動機の極数をPとしたとき無
負荷回転速度N1(rpm)は N1=120f1/P により求められる。
1次磁束ベクトルはd,q両軸成分φ1d1qとして
算出されているので、1次磁束ベクトルのd軸に対
する偏角θは tan θ=φ1q1d …(1) で表される。この式(1)の両辺を時間tで微分すると これを整理して ここで(1)式から であるから、これを(2)式に代入し となる。
ここで、1d,1qは1サンプリング前の情報との差
とサンプリングタイムhとから、例えば、φ1dについて
現在の値をφ1d(n)とし、1サンプリング前の値をφ
1d(n−1)とすれば、 として得られ、同様にして が得られる。
これら(4),(5)式を(3)式に代入して整理す
ると としてdθ/dt、すなわちインバータ出力の1次角周波
数ωが求まり、 から、無負荷回転速度N1が得られる。
次に、電圧と周波数との比率を一定とした制御の下で
は、2次抵抗r2の温度による変化を無視すれば、すべり
回転速度Nsと瞬時トルクTとは定常的には比例するの
で、一定常数Ksと演算した瞬時トルクTとからすべり回
転速度Nsは Ns=Ks×T として求められることは前述の通りである。
かくして、誘導電動機の実速度Nmは Nm=N1−Ns として演算により算出することができ、例えば速度制御
系に適用した場合には、この演算により実速度Nmをフィ
ードバックして速度センサ無しで速度制御系を構成する
ことができる。
第7図は特願昭63−294500号明細書記載の誘導電動機
の速度検出方式の特徴を表した誘導電動機の速度制御ブ
ロック図であり、第2図と同一の符号は同一機能を有す
る部分を示し、第2図と異なる所は速度センサ8を除去
してブロック714〜716を追加したのみである。
ブロック705で演算された1次磁束ベクトルのd,q
両軸成分φ1dおよびφ1qが、ブロック706,707の両ブロ
ックへ送られると共に、ブロック714へも送られる。
ブロック714には1サンプリング前の値を記憶するメ
モリを内蔵して、式(4)〜(7)により誘導電動機の
無負荷回転速度N1を算出し、ブロック716へ送る。
ブロック707で演算された瞬時トルクTはブロック709
のみならずブロック715へも送られ、ブロック715ではこ
の瞬時トルクTと一定常数Ksとを乗算してすべり回転速
度Nsを算出し、ブロック716へ送る。
ブロック716ではブロック714よりの無負荷回転速度N1
からブロック715よりのすべり回転速度Nsを減算し、誘
導電動機の実速度Nmを算出してブロック717へ送る。
ブロック717では第2図の場合と同様に速度指令N
から誘導電動機の実速度Nmを減算し、これをトルク指令
として制御回路7に与えることにより誘導電動機の
速度制御系を構成する。
(発明が解決しようとする課題) 以上詳細に説明した特願昭63−294500号明細書記載の
誘導電動機の速度検出方式によると、通常の運転状況で
は速度センサを用いることなく円滑に速度を検出するこ
とができるが、特に低速では前記無負荷回転速度N1の算
出結果が間欠パルス状となるので、正確な誘導電動機の
実速度を算出することができず、円滑な速度制御ができ
なくなる場合があった。
本発明はこの不具合を解決すると共に、全回転速度範
囲で円滑な制御を可能にするためになされたものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明にかかる誘導電動機の速度検出方式は、空間ベ
クトル法により誘導電動機の瞬時トルク,瞬時1次磁束
を制御する方式であって、1次磁束ベクトル成分の演算
値よりインバータの出力周波数による誘導電動機の無負
荷回転速度N1を、またトルクの瞬時値よりすべり回転速
度Nsを求め、該誘導電動機の実速度Nmを Nm=N1−Ns として演算することにより求める、速度センサを使用し
ない誘導電動機の速度検出方式において、前記誘導電動
機の無負荷回転速度N1として前記1次磁束ベクトルの演
算より算出した誘導電動機の無負荷回転速度を1次遅れ
フィルターを通過せしめた値を用いることを特徴とす
る。
また、前記すべり回転速度Nsとしてトルクの瞬時値よ
り求めたすべり回転速度をトルクの瞬時値の微分要素に
より補正した値を用いることを特徴とする。
更に、前記誘導電動機の無負荷回転速度N1として前記
1次磁束ベクトルの演算より算出した誘導電動機の無負
荷回転速度を1次遅れフィルターを通過せしめた値を用
いると共に、前記すべり回転速度Nsとしてトルクの瞬時
値より求めたすべり回転速度をトルクの瞬時値の微分要
素により補正した値を用いることを特徴とする。
(作 用) 式(6)により演算される1次磁束ベクトルの回
転速度は、これが低速の場合にはインバータが零ベクト
ルモードを頻繁に選択し、1次磁束ベクトルが停止
する期間が長くなるので、その期間は式(7)により演
算される無負荷回転速度N1が零となるため、瞬時演算し
た無負荷回転速度は間欠パルス状となる。
そこで、上記算出結果を一次遅れフィルターを通過せ
しめ,平滑化することによってリップル分を除去でき、
低速時の誘導電動機の実速度Nmの演算結果をより正確に
することができる。
更に、低速運転中に限らず全運転速度範囲においてト
ルク変動に対してすべり回転速度Nsの応答を高めるため
に、前記一次常数Ksのような比例要素のみでなく、微分
要素をも付加することにより制御性能を一層高めること
ができる。
(実施例) 以下に、誘導電動機の速度制御系に本発明の速度検出
方式を適用した一実施例について説明する。
第1図は本発明の特徴を表した誘導電動機の速度制御
ブロック図であり、第7図に示した特願昭63−294500号
明細書記載の誘導電動機の速度制御ブロック図と同一の
符号は同一機能を有する部分を示し、第7図と異なる所
はブロック718〜720が追加されたのみである。
ブロック714とブロック716との間に新たに挿入された
ブロック718は一次遅れフィルターであり、ブロック714
から送られた式(4)〜(7)により算出された無負荷
回転速度は、それが間欠パルス状であっても、この一次
遅れフィルターブロック714を通過することにより平均
化されて、安定した無負荷回転速度N1をブロック716へ
送ることができる。
すべり回転速度Nsとしてトルクの瞬時値より求めたす
べり回転速度をトルクの瞬時値の微分要素により補正し
た値をも用いるために、ブロック719及びブロック720が
追加されている。ブロック715とブロック716との間にブ
ロック720が挿入され、ブロック707により707とこのブ
ロック720との間にブロック719が挿入される。ブロック
719はブロック707より送られた演算瞬時トルクTを微分
し、所定の一定常数Ks′を乗じてブロック720へ送り、
ブロック720ではブロック715より送られた演算すべり回
転速度にブロック719から送られた補正量を加算してブ
ロック716へ送る。これにより制御性能を一層高めるこ
とができる。
(発明の効果) 従来は3相誘導電動機の各種の制御を行う場合に、誘
導電動機の実速度を検出するため、PGやTG等の高価な速
度センサを必要とし、且つその速度センサを誘導電動機
へ取り付けるための工数およびスペースを必要としてい
たが、本発明の誘導電動機の速度検出方式によれば、速
度センサ無しで従来から空間ベクトル法で演算されてい
た情報を利用した簡単な演算のみで、超低速から高速に
至る広い回転速度範囲で誘導電動機の速度が検出でき
る。
すなわち、本発明により高価な速度センサが不要の速
度制御方法等の誘導電動機の制御方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる誘導電動機の速度検出方式を適
用した空間ベクトルによる誘導電動機の速度制御系のブ
ロック図、 第2図は従来の空間ベクトルによる誘導電動機の速度制
御系のブロック図、 第3図は1次端子電圧ベクトルを示すベクトル図、 第4図は磁束状態を示すベクトル図、 第5図は磁束に関するヒステリシスコンパレータの状態
制御図、 第6図はトルクに関する3値ヒステリシスコンパレータ
の状態制御図、 第7図は従来技術による速度センサを用いない空間ベク
トルによる誘導電動機の速度制御系のブロック図であ
る。 1……直流電圧源、1a……正母線 1b……負母線、2……電圧検出器 3……PWMインバータ、4……電源スイッチ 5u,5v,5w……電流検出器 6……3相誘導電動機、7……制御回路 8……速度センサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3相誘導電動機の電圧および電流をそれぞ
    れ空間ベクトル値に換算して1次磁束ベクトルの瞬時値
    を演算する手段と、前記1次磁束ベクトルと電流ベクト
    ルとからトルクの瞬時値を演算する手段と、磁束指令値
    と前記1次磁束ベクトルの大きさとを比較する磁束比較
    手段と、トルク指令値と前記トルクの瞬時値とを比較す
    るトルク比較手段と、前記1次磁束ベクトルの方向を判
    別する磁束ベクトル方向判別手段とを具え、これら磁束
    比較手段,トルク比較手段および磁束ベクトル方向判別
    手段の出力から判断して、可変電圧,可変周波数インバ
    ータの最適出力電圧を決定し誘導電動機の瞬時トルク,
    瞬時1次磁束を制御する方式であって、前記1次磁束ベ
    クトル成分の演算値よりインバータの出力周波数による
    誘導電動機の無負荷回転速度N1を、また前記トルクの瞬
    時値よりすべり回転速度Nsを求め、該誘導電動機の実速
    度Nmを Nm=N1−Ns として演算することにより求める、速度センサを使用し
    ない誘導電動機の速度検出方式において、 前記誘導電動機の無負荷回転速度N1として前記1次磁束
    ベクトル成分の演算より算出した誘導電動機の無負荷回
    転速度を1次遅れフィルターを通過せしめた値を用いる
    ことを特徴とする誘導電動機の速度検出方式。
  2. 【請求項2】3相誘導電動機の電圧および電流をそれぞ
    れ空間ベクトル値に換算して1次磁束ベクトルの瞬時値
    を演算する手段と、前記1次磁束ベクトルと電流ベクト
    ルとからトルクの瞬時値を演算する手段と、磁束指令値
    と前記1次磁束ベクトルの大きさとを比較する磁束比較
    手段と、トルク指令値と前記トルクの瞬時値とを比較す
    るトルク比較手段と、前記1次磁束ベクトルの方向を判
    別する磁束ベクトル方向判別手段とを具え、これら磁束
    比較手段,トルク比較手段および磁束ベクトル方向判別
    手段の出力から判断して、可変電圧,可変周波数インバ
    ータの最適出力電圧を決定し誘導電動機の瞬時トルク,
    瞬時1次磁束を制御する方式であって、前記1次磁束ベ
    クトル成分の演算値よりインバータの出力周波数による
    誘導電動機の無負荷回転速度N1を、また前記トルクの瞬
    時値よりすべて回転速度Nsを求め、該誘導電動機の実速
    度Nmを Nm=N1−Ns として演算することにより求める、速度センサを使用し
    ない誘導電動機の速度検出方式において、 前記すべり回転速度Nsとしてトルクの瞬時値より求めた
    すべり回転速度をトルクの瞬時値の微分要素により補正
    した値を用いることを特徴とする誘導電動機の速度検出
    方式。
  3. 【請求項3】3相誘導電動機の電圧および電流をそれぞ
    れ空間ベクトル値に換算して1次磁束ベクトルの瞬時値
    を演算する手段と、前記1次磁束ベクトルと電流ベクト
    ルとからトルクの瞬時値を演算する手段と、磁束指令値
    と前記1次磁束ベクトルの大きさとを比較する磁束比較
    手段と、トルク指令値と前記トルクの瞬時値とを比較す
    るトルク比較手段と、前記1次磁束ベクトルの方向を判
    別する磁束ベクトル方向判別手段とを具え、これら磁束
    比較手段,トルク比較手段および磁束ベクトル方向判別
    手段の出力から判断して、可変電圧,可変周波数インバ
    ータの最適出力電圧を決定し誘導電動機の瞬時トルク,
    瞬時1次磁束を制御する方式であって、前記1次磁束ベ
    クトル成分の演算値よりインバータの出力周波数による
    誘導電動機の無負荷回転速度N1を、また前記トルクの瞬
    時値よりすべり回転速度Nsを求め、該誘導電動機の実速
    度Nmを Nm=N1−Ns として演算することにより求める、速度センサを使用し
    ない誘導電動機の速度検出方式において、 前記誘導電動機の無負荷回転速度N1として前記1次磁束
    ベクトル成分の演算より算出した誘導電動機の無負荷回
    転速度を1次遅れフィルターを通過せしめた値を用い、
    且つ、前記すべり回転速度Nsとしてトルクの瞬時値より
    求めたすべり回転速度をトルクの瞬時値の微分要素によ
    り補正した値を用いることを特徴とする誘導電動機の速
    度検出方式。
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