JP2023005341A - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の誘起電圧により算出される回転子の位置に基づいて電動機の動作を制御する制御装置において、電動機のトルクが比較的小さい場合であっても、回転子の位置の推定精度が低下することを抑制する。【解決手段】ゼロであるd軸電流指令値Id*を中心に振動する振動d軸電流指令値Id*´を出力するとともに、推定部8により推定される回転数ω^と回転数指令値ω*との回転数差Δωを用いて求められるq軸電流指令値Iq*を中心に振動する振動q軸電流指令値Iq*´を出力し、d軸電流Idと振動d軸電流指令値Id*´との差ΔIdが小さくなるようにd軸電圧指令値Vd*を算出するとともにq軸電流Iqと振動q軸電流指令値Iq*´との差ΔIqが小さくなるようにq軸電圧指令値Vq*を算出し、推定部8により推定される位置θ^によりd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機の動作を制御する制御装置に関する。
電動機の制御装置として、電動機に流れる電流をd軸電流及びq軸電流に変換し、d軸電流及びq軸電流に基づいて電動機の誘起電圧を算出し、電動機の誘起電圧により推定される回転子の位置に基づいて電動機の動作を制御するもの、いわゆる、センサレスベクトル制御を行うものがある。関連する技術として、特許文献1がある。
ところで、電動機のトルクが比較的小さい場合、d軸電流及びq軸電流が比較的小さくなり、誘起電圧の算出精度が低下するおそれがある。また、d軸電流がゼロに調整される場合、電動機のトルクが小さくなるほど、q軸電流のみが小さくなるおそれがある。
そのため、上記制御装置では、電動機のトルクが比較的小さい場合、誘起電圧の算出精度が低下し、回転子の位置の推定精度が低下するおそれがある。
特開2015-133802号公報
本発明の一側面に係る目的は、電動機の誘起電圧により算出される回転子の位置に基づいて電動機の動作を制御する制御装置において、電動機のトルクが比較的小さい場合であっても、回転子の位置の推定精度が低下することを抑制することである。
本発明に係る一つの形態である電動機の制御装置は、搬送波の電圧値と電圧指令値との比較結果により電動機を駆動させるインバータ回路と、前記電動機の回転子の位置及び回転数を推定する推定部と、前記推定部により推定される位置により前記電動機に流れる電流をd軸電流及びq軸電流に変換する電流変換部と、ゼロであるd軸電流指令値を中心に振動する振動d軸電流指令値を出力するとともに、前記推定部により推定される回転数と回転数指令値との回転数差を用いて求められるq軸電流指令値を中心に振動する振動q軸電流指令値を出力する電流指令値出力部と、前記d軸電流と前記振動d軸電流指令値との差が小さくなるようにd軸電圧指令値を算出するとともに前記q軸電流と前記振動q軸電流指令値との差が小さくなるようにq軸電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、前記推定部により推定される位置により前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値を前記電圧指令値に変換する電圧指令値変換部とを備える。
前記推定部は、d軸誘起電圧をEdとし、q軸誘起電圧をEqとし、前記d軸電圧指令値をVdとし、前記q軸電圧指令値をVqとし、前記電動機の抵抗成分をRとし、前記d軸電流または前記振動d軸電流指令値をIdとし、前記q軸電流または前記振動q軸電流指令値をIqとし、前記回転数をω^とし、前記電動機のq軸インダクタンスをLqとする場合において、下記式1、式2、及び式3により算出される位置誤差推定値Δθ^に基づいて、前記回転子の位置及び回転数を推定する。
Ed=Vd-R×Id+ω^×Lq×Iq ・・・式1
Eq=Vq-R×Iq+ω^×Lq×Id ・・・式2
Δθ^=tan-1(Ed/Eq) ・・・式3
このように、ゼロであるd軸電流指令値を中心に振動する振動d軸電流指令値を出力することで、ゼロを中心にd軸電流を脈動させることができる。また、回転数差を用いて求められるq軸電流指令値を中心に振動する振動q軸電流指令値を出力することで、q軸電流指令値を中心にq軸電流を脈動させることができる。そのため、電動機のトルクが比較的小さい場合であっても、d軸電流または振動d軸電流指令値が含まれる上記式1の第2項及び上記式2の第3項がゼロになることを抑制することができるとともに、q軸電流または振動q軸電流指令値が含まれる上記式1の第3項及び上記式2の第2項が比較的小さくなることを抑制することができる。そのため、d軸誘起電圧Ed及びq軸誘起電圧Eqの算出精度が低下することを抑制することができ、位置誤差推定値Δθ^の算出精度が低下することを抑制することができる。従って、電動機のトルクが比較的小さい場合であっても、回転子の位置の推定精度が低下することを抑制することができる。
また、前記電流指令値出力部は、前記電動機の最大トルクをTMとし、前記電動機のイナーシャをJとし、前記q軸電流指令値の最大値に対する、前記回転数差を用いて求められるq軸電流指令値の比率をZとし、前記回転数の目標変動量をYとする場合において、下記式4により算出される周波数で振動する前記振動q軸電流指令値を出力するように構成してもよい。
周波数=((TM/J)×Z)/Y ・・・式4
これにより、回転数の変動量を目標変動量に抑えることができるため、回転数の脈動を抑えることができる。
本発明によれば、電動機の誘起電圧により算出される回転子の位置に基づいて電動機の動作を制御する制御装置において、電動機のトルクが比較的小さい場合であっても、回転子の位置の推定精度が低下することを抑制することができる。
実施形態の電動機の制御装置の一例を示す図である。 オブザーバ、伝達関数K(s)、伝達関数P(s)、速度推定系、及び位置推定系を示すブロック線図である。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
図1は、実施形態の電動機の制御装置の一例を示す図である。
図1に示す制御装置1は、例えば、電動フォークリフトやプラグインハイブリッド車などの車両に搭載される電動機Mの動作を制御するものであって、インバータ回路2と、制御回路3とを備える。なお、電動機Mは、例えば、表面磁石型同期モータ(Surface Permanent Magnetic Synchronous Motor)などである。
インバータ回路2は、電源Pから供給される電力により電動機Mを駆動させるものであって、コンデンサCと、スイッチング素子SW1~SW6(例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))と、電流センサSe1、Se2とを備える。すなわち、コンデンサCの一方端子が電源Pの正極端子及びスイッチング素子SW1、SW3、SW5の各コレクタ端子に接続され、コンデンサCの他方端子が電源Pの負極端子及びスイッチング素子SW2、SW4、SW6の各エミッタ端子に接続されている。スイッチング素子SW1のエミッタ端子とスイッチング素子SW2のコレクタ端子との接続点は電流センサSe1を介して電動機MのU相の入力端子に接続されている。スイッチング素子SW3のエミッタ端子とスイッチング素子SW4のコレクタ端子との接続点は電流センサSe2を介して電動機MのV相の入力端子に接続されている。スイッチング素子SW5のエミッタ端子とスイッチング素子SW6のコレクタ端子との接続点は電動機MのW相の入力端子に接続されている。
コンデンサCは、電源Pから出力されインバータ回路2へ入力される電圧を平滑する。
スイッチング素子SW1は、制御回路3から出力される駆動信号S1に基づいて、オンまたはオフする。スイッチング素子SW2は、制御回路3から出力される駆動信号S2に基づいて、オンまたはオフする。スイッチング素子SW3は、制御回路3から出力される駆動信号S3に基づいて、オンまたはオフする。スイッチング素子SW4は、制御回路3から出力される駆動信号S4に基づいて、オンまたはオフする。スイッチング素子SW5は、制御回路3から出力される駆動信号S5に基づいて、オンまたはオフする。スイッチング素子SW6は、制御回路3から出力される駆動信号S6に基づいて、オンまたはオフする。スイッチング素子SW1~SW6がそれぞれオンまたはオフすることで、電源Pから出力される直流電圧が、互いに位相が120度ずつ異なる3つの交流電圧に変換され、それら交流電圧が電動機MのU相、V相、及びW相の入力端子に印加され電動機Mの回転子が回転する。
電流センサSe1は、ホール素子やシャント抵抗などにより構成され、電動機MのU相に流れるU相電流Iuを検出して制御回路3に出力する。また、電流センサSe2は、ホール素子やシャント抵抗などにより構成され、電動機MのV相に流れるV相電流Ivを検出して制御回路3に出力する。
制御回路3は、記憶部4と、ドライブ回路5と、演算部6とを備える。
記憶部4は、RAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などにより構成される。また、記憶部4は、後述する、基準位置θref1と基準位置θref2との差θoffsetなどを記憶する。
ドライブ回路5は、IC(Integrated Circuit)などにより構成され、搬送波(三角波、ノコギリ波、または逆ノコギリ波など)の電圧値と、演算部6から出力されるU相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*、及びW相電圧指令値Vw*とを比較し、その比較結果に応じた駆動信号S1~S6をスイッチング素子SW1~SW6のそれぞれのゲート端子に出力する。
例えば、ドライブ回路5は、U相電圧指令値Vu*が搬送波の電圧値以上である場合、ハイレベルの駆動信号S1を出力するとともに、ローレベルの駆動信号S2を出力し、U相電圧指令値Vu*が搬送波の電圧値より小さい場合、ローレベルの駆動信号S1を出力するとともに、ハイレベルの駆動信号S2を出力する。また、ドライブ回路5は、V相電圧指令値Vv*が搬送波の電圧値以上である場合、ハイレベルの駆動信号S3を出力するとともに、ローレベルの駆動信号S4を出力し、V相電圧指令値Vv*が搬送波の電圧値より小さい場合、ローレベルの駆動信号S3を出力するとともに、ハイレベルの駆動信号S4を出力する。また、ドライブ回路5は、W相電圧指令値Vw*が搬送波の電圧値以上である場合、ハイレベルの駆動信号S5を出力するとともに、ローレベルの駆動信号S6を出力し、W相電圧指令値Vw*が搬送波の電圧値より小さい場合、ローレベルの駆動信号S5を出力するとともに、ハイレベルの駆動信号S6を出力する。
演算部6は、マイクロコンピュータなどにより構成され、電流変換部7と、推定部8と、減算部9と、トルク指令値算出部10と、電流指令値出力部11と、減算部12と、減算部13と、電圧指令値算出部14と、電圧指令値変換部15とを備える。例えば、マイクロコンピュータが記憶部4に記憶されているプログラムを実行することにより、電流変換部7、推定部8、減算部9、トルク指令値算出部10、電流指令値出力部11、減算部12、減算部13、電圧指令値算出部14、及び電圧指令値変換部15が構成される。
電流変換部7は、電流センサSe1により検出されるU相電流Iu及び電流センサSe2により検出されるV相電流Ivを用いて、電動機MのW相に流れるW相電流Iwを求める。
また、電流変換部7は、推定部8により推定される位置θ^を用いて、U相電流Iu、V相電流Iv、及びW相電流Iwをd軸電流Id(電動機Mに弱め界磁を発生させるための電流成分)及びq軸電流Iq(電動機Mにトルクを発生させるための電流成分)に変換する。
例えば、電流変換部7は、下記式5に示す変換行列C1を用いて、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwを、d軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する。
Figure 2023005341000002
なお、電流センサSe1、Se2により検出される電流は、U相電流Iu及びV相電流Ivの組み合わせに限定されず、V相電流Iv及びW相電流Iwの組み合わせ、または、U相電流Iu及びW相電流Iwの組み合わせでもよい。電流センサSe1、Se2によりV相電流Iv及びW相電流Iwが検出される場合、電流変換部7は、V相電流Iv及びW相電流Iwを用いて、U相電流Iuを求める。また、電流センサSe1、Se2によりU相電流Iu及びW相電流Iwが検出される場合、電流変換部7は、U相電流Iu及びW相電流Iwを用いて、V相電流Ivを求める。
また、インバータ回路2において、電流センサSe1、Se2の他に、電動機MのW相に流れる電流を検出する電流センサSe3をさらに備える場合、電流変換部7は、推定部8により推定される位置θ^を用いて、電流センサSe1~Se3により検出されるU相電流Iu、V相電流Iv、及びW相電流Iwをd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換するように構成してもよい。
推定部8は、d軸電流Id及びq軸電流Iqなどに基づいて算出される電動機Mの誘起電圧により電動機Mの回転子の位置θ^及び回転数ω^を推定する。
ここで、図2(a)は、誘起電圧eを外乱としe^を推定した誘起電圧とするときのオブザーバを示すブロック線図である。また、図2(b)は、回転子の実際の位置θと位置θ^との差である位置誤差Δθから位置誤差推定値Δθ^までの伝達関数P(s)と、位置誤差推定値Δθ^から位置θ^までの伝達関数K(s)とを示すブロック線図である。また、図2(c)は、伝達関数P(s)と、位置誤差推定値Δθ^が入力されるとともに回転数ω^が出力される速度推定系と、位置誤差推定値Δθ^及び回転数ω^が入力されるとともに位置θ^が出力される位置推定系とを示すブロック線図である。なお、vは回転座標系における電動機Mにかかる電圧とし、iは回転座標系における電動機Mに流れる電流とする。また、Rは電動機Mの抵抗成分とする。また、Iを下記式6とし、Jを下記式7とする。また、pを微分演算子とする。また、Ldを電動機Mのd軸インダクタンスとし、Lqを電動機Mのq軸インダクタンスとする。また、ω^を推定部8により推定される回転数ω^とする。また、d軸誘起電圧Edを下記式1とし、q軸誘起電圧Eqを下記式2とし、位置誤差推定値Δθ^を下記式3とする。また、Vdはd軸電圧指令値Vd*とし、Vqはq軸電圧指令値Vq*とする。また、Idはd軸電流Idまたは振動d軸電流指令値Id*´とし、Iqはq軸電流Iqまたは振動q軸電流指令値Iq*´とする。また、伝達関数P(s)を下記式8とする。また、伝達関数K(s)を下記式9とする。また、αを図2(a)に示すオブザーバの極とする。また、k、k、kは、図2(c)に示す位置推定系の閉ループの極より決められる設計パラメータとする。
図2(a)~図2(c)において、推定部8は、下記式10により位置θ^を推定する。また、推定部8は、下記式11により回転数ω^を推定する。
Figure 2023005341000003
Figure 2023005341000004
Ed=Vd-R×Id+ω^×Lq×Iq ・・・式1
Eq=Vq-R×Iq+ω^×Lq×Id ・・・式2
Δθ^=tan-1(Ed/Eq) ・・・式3
Figure 2023005341000005
Figure 2023005341000006
Figure 2023005341000007
Figure 2023005341000008
図1に示す減算部9は、外部から入力される回転数指令値ω*と推定部8により推定される回転数ω^との回転数差Δωを算出する。
トルク指令値算出部10は、減算部9から出力される回転数差Δωを用いて、トルク指令値T*を算出する。例えば、トルク指令値算出部10は、記憶部4に記憶されている、電動機Mの回転子の回転数と電動機Mのトルクとが互いに対応付けられている情報(不図示)を参照して、回転数差Δωに相当する回転数に対応するトルクを、トルク指令値T*として求める。
電流指令値出力部11は、ゼロであるd軸電流指令値Id*を中心に振動する振動d軸電流指令値Id*´を出力するとともに、トルク指令値T*を用いて求められるq軸電流指令値Iq*を中心に振動する振動q軸電流指令値Iq*´を出力する。
このように、ゼロであるd軸電流指令値を中心に振動する振動d軸電流指令値Id*´を出力することで、ゼロを中心にd軸電流Idを脈動させることができる。また、トルク指令値T*を用いて求められるq軸電流指令値Iq*を中心に振動する振動q軸電流指令値Iq*´を出力することで、q軸電流指令値Iq*を中心にq軸電流Iqを脈動させることができる。そのため、電動機Mのトルクが比較的小さい場合であっても、d軸電流Idまたはd軸電流指令値Id*が含まれる上記式1の第2項(R×Id)及び上記式2の第3項(ω^×Lq×Id)がゼロになることを抑制することができるとともに、q軸電流Iqまたはq軸電流指令値Iq*が含まれる上記式1の第3項(ω^×Lq×Iq)及び上記式2の第2項(R×Iq)が比較的小さくなることを抑制することができる。そのため、d軸誘起電圧Ed及びq軸誘起電圧Eqの算出精度が低下すること抑制することができ、位置誤差Δθの算出精度が低下することを抑制することができる。
また、d軸電流Idをゼロを中心に脈動させることができるため、所定時間(脈動するd軸電流Idの1周期など)においてd軸電流Idの平均値をゼロまたは略ゼロにすることができる。これにより、d軸電流Idの変動に伴って電動機Mで発生する磁束の変動を抑制することができるため、電動機Mのトルク変動などを抑制することができる。
なお、電流指令値出力部11は、回転数ω^の変動量が所定変動量以内になるような周波数で振動する振動d軸電流指令値Id*´を出力する。例えば、電流指令値出力部11は、回転数ω^が1000[rad/s]であるときの回転数ω^の変動量が50[rad/s]以内になるような周波数で振動する振動d軸電流指令値Id*´を出力する。
また、d軸電流Idが負の場合、電動機M内の永久磁石の磁束が比較的弱くなるため、電動機Mにかかる電圧が変化しない状態で回転数ω^を大きくすることができるが、電動機Mのトルクが小さくなってしまう。また、d軸電流Idが正の場合、永久磁石の磁束が比較的強くなるため、電動機Mのトルクを大きくすることができるが、磁気飽和が発生するおそれがある。そのため、一般的には、d軸電流Idをゼロに調整するために、ゼロであるd軸電流指令値Id*をそのまま出力する場合が多いが、本実施形態では、振動d軸電流指令値Id*´またはd軸電流Idの絶対値をゼロより大きくさせる機会を増やすために、ゼロであるd軸電流指令値Id*を中心に振動する振動d軸電流指令値Id*´を出力する構成であり、電動機Mのトルクが定格トルクを下回ることや電動機Mに磁気飽和が発生することが抑制されるように、振動d軸電流指令値Id*´の振幅値が設定されていることが望ましい。
また、電流指令値出力部11は、記憶部4に記憶されている、電動機Mのトルクとq軸電流指令値Iq*とが互いに対応付けられている情報(不図示)を参照して、トルク指令値T*に対応するq軸電流指令値Iq*を求め、その求めたq軸電流指令値Iq*を中心に下記式4により求められる周波数[Hz]で振動する振動q軸電流指令値Iq*´を出力する。なお、TMを電動機Mの最大トルク[Nm]とし、Jを電動機Mのイナーシャ[kgm]とし、Zをq軸電流指令値Iq*の最大値に対する、トルク指令値T*を用いて求められるq軸電流指令値Iq*の比率[%]とし、Yを回転数ω^の目標変動量[rad/s]とする。
周波数=((TM/J)×Z)/Y ・・・式4
例えば、最大トルクTM:イナーシャJ=100:1とし、比率Zを30[%]とし、回転数ω^が1000[rad/s]であるときの回転数ω^の目標変動量Yを50[rad/s]とする場合を想定する。
この場合、電流指令値出力部11は、100×30/50=60[Hz]の周波数で振動する振動q軸電流指令値Iq*´を出力する。
一般に、電流制御の応答速度は、機械的な応答速度に比べて十分に速い。また、位置推定系は、上記式1、式2に示すように、電流制御と密接な関係があるが、図2(c)に示すように、速度推定系とは独立に設計することが可能である。そこで、実施形態では、このことを利用して、回転数ω^が変動しない範囲(回転数ω^の変動量が目標変動量Y以下になる範囲)で、d軸電流Id及びq軸電流Iqを脈動させる。すなわち、実施形態では、上記式4により求められる周波数で振動する振動q軸電流指令値Iq*´を出力する。これにより、回転数ω^の変動量を目標変動量Yに抑えることができるため、回転数ω^の脈動を抑えることができる。
なお、電流指令値出力部11にトルク指令値算出部10の機能を含ませてもよい。すなわち、電流指令値出力部11は、ゼロであるd軸電流指令値Id*を中心に振動する振動d軸電流指令値Id*´を出力するとともに、回転数差Δωを用いて求められるq軸電流指令値Iq*を中心に振動する振動q軸電流指令値Iq*´を出力するように構成してもよい。このように構成する場合、比率Z[%]は、q軸電流指令値Iq*の最大値に対する、回転数差Δωを用いて求められるq軸電流指令値Iq*の比率とする。
減算部12は、電流指令値出力部11から出力される振動d軸電流指令値Id*´と、電流変換部7から出力されるd軸電流Idとの差ΔIdを算出する。
減算部13は、電流指令値出力部11から出力される振動q軸電流指令値Iq*´と、電流変換部7から出力されるq軸電流Iqとの差ΔIqを算出する。
電圧指令値算出部14は、減算部12から出力される差ΔId及び減算部13から出力される差ΔIqを用いたPI制御により、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を算出する。例えば、電圧指令値算出部14は、下記式12によりd軸電圧指令値Vd*を算出するとともに、下記式13によりq軸電圧指令値Vq*を算出する。なお、KpはPI制御の比例項の定数とし、KiはPI制御の積分項の定数とし、Lqは電動機Mのq軸インダクタンスとし、Ldは電動機Mのd軸インダクタンスとし、ω^は推定部8により推定される回転数とし、Keは誘起電圧定数とする。
d軸電圧指令値Vd*=Kp×差ΔId+∫(Ki×差ΔId)-ω^LqIq・・・式12
q軸電圧指令値Vq*=Kp×差ΔIq+∫(Ki×差ΔIq)+ω^LdId+ω^Ke・・・式13
電圧指令値変換部15は、推定部8により推定される位置θ^を用いて、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を、U相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*、及びW相電圧指令値Vw*に変換する。例えば、電圧指令値変換部15は、下記式14に示す変換行列C2を用いて、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を、U相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*、W相電圧指令値Vw*に変換する。
Figure 2023005341000009
このように、実施形態の制御装置1は、振動d軸電流指令値Id*´またはd軸電流Idの絶対値をゼロより大きくさせる機会を増やしつつ、振動q軸電流指令値Iq*´またはq軸電流Iqを比較的大きくさせることができるため、電動機Mのトルクが比較的小さい場合であっても、d軸誘起電圧Ed及びq軸誘起電圧Eqを精度よく算出することができ、位置誤差推定値Δθ^を精度よく算出することができる。これにより、位置誤差推定値Δθ^を用いて回転子の位置θ^を推定することで、電動機Mのトルクが比較的小さい場合であっても、回転子の位置θ^の推定精度が低下することを抑制することができる。
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 制御装置
2 インバータ回路
3 制御回路
4 記憶部
5 ドライブ回路
6 演算部
7 電流変換部
8 推定部
9 減算部
10 トルク指令値算出部
11 電流指令値出力部
12 減算部
13 減算部
14 電圧指令値算出部
15 電圧指令値変換部
P 電源
C コンデンサ
Se1 電流センサ
Se2 電流センサ

Claims (2)

  1. 搬送波の電圧値と電圧指令値との比較結果により電動機を駆動させるインバータ回路と、
    前記電動機の回転子の位置及び回転数を推定する推定部と、
    前記推定部により推定される位置により前記電動機に流れる電流をd軸電流及びq軸電流に変換する電流変換部と、
    ゼロであるd軸電流指令値を中心に振動する振動d軸電流指令値を出力するとともに、前記推定部により推定される回転数と回転数指令値との回転数差を用いて求められるq軸電流指令値を中心に振動する振動q軸電流指令値を出力する電流指令値出力部と、
    前記d軸電流と前記振動d軸電流指令値との差が小さくなるようにd軸電圧指令値を算出するとともに前記q軸電流と前記振動q軸電流指令値との差が小さくなるようにq軸電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
    前記推定部により推定される位置により前記d軸電圧指令値及び前記q軸電圧指令値を前記電圧指令値に変換する電圧指令値変換部と、
    を備え、
    前記推定部は、d軸誘起電圧をEdとし、q軸誘起電圧をEqとし、前記d軸電圧指令値をVdとし、前記q軸電圧指令値をVqとし、前記電動機の抵抗成分をRとし、前記d軸電流または前記振動d軸電流指令値をIdとし、前記q軸電流または前記振動q軸電流指令値をIqとし、前記回転数をω^とし、前記電動機のq軸インダクタンスをLqとする場合において、下記式1、式2、及び式3により算出される位置誤差推定値Δθ^に基づいて、前記回転子の位置及び回転数を推定する
    Ed=Vd-R×Id+ω^×Lq×Iq ・・・式1
    Eq=Vq-R×Iq+ω^×Lq×Id ・・・式2
    Δθ^=tan-1(Ed/Eq) ・・・式3
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動機の制御装置であって、
    前記電流指令値出力部は、前記電動機の最大トルクをTMとし、前記電動機のイナーシャをJとし、前記q軸電流指令値の最大値に対する、前記回転数差を用いて求められるq軸電流指令値の比率をZとし、前記回転数の目標変動量をYとする場合において、下記式4により算出される周波数で振動する前記振動q軸電流指令値を出力する
    周波数=((TM/J)×Z)/Y ・・・式4
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
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