JP2853061B2 - ノイズフィルタ - Google Patents

ノイズフィルタ

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JP2853061B2
JP2853061B2 JP2281309A JP28130990A JP2853061B2 JP 2853061 B2 JP2853061 B2 JP 2853061B2 JP 2281309 A JP2281309 A JP 2281309A JP 28130990 A JP28130990 A JP 28130990A JP 2853061 B2 JP2853061 B2 JP 2853061B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電圧非直線性抵抗体として機能するノイズ
フィルタに関し、特に、金属−半導体間の界面における
ショットキー障壁を利用して電圧非直線性が得られてい
るノイズフィルタに関する。
〔従来の技術〕
近年、マイクロコンピュータの発達により、産業用機
器、家電製品及び通信機器等のあらゆる装置にマイクロ
コンピュータが搭載されている。
マイクロコンピュータが搭載された機器では、デジタ
ル制御処理が行われており、ノイズフィルタによる破壊
あるいは誤動作の恐れがあり、実際に、ノイズフィルタ
に起因する事故も生じている。ノイズフィルタの機器へ
の侵入経路は、電源部分及び信号配線部分であることが
多く、従って、入出力部分に用いられるノイズフィルタ
の役割が重要視されている。
EMIノイズの問題を解消するためには、ノイズを機器
から出さず、かつ機器に侵入させないことが必要であ
る。ノイズの出入は電線を経由するのが普通であり、従
って機器入出力部近傍において電線にノイズフィルタを
接続する方法が多用されている。
従来から用いられているノイズフィルタとしては、
(a)コンデンサ素子を用いたもの、(b)コンデンサ
−インダクタ複合系のもの、(c)インダクタ素子を用
いたもの、及び(d)バリスタ素子を用いたもの等があ
る。
(a)のコンデンサを用いたものは、微小ノイズを除
去するという点において優れているが、コンデンサのみ
では静電気のような高電圧パルスを吸収することができ
ず、高電圧パルスに基づく装置の破壊や誤動作を防止す
ることができなかった。(b)のコンデンサ−インダク
タ複合系ノイズフィルタは、ホワイトノイズ等を吸収す
るのに適している。また、(d)のバリスタ素子を用い
たものはトランジェント・ノイズを吸収するのに適して
いる。
しかしながら、信号ラインにおけるノイズ吸収は信号
の周波数と密接な関係がある。また、最近では、デジタ
ル化が進んでいるため、波形に大きな歪みが生じてはな
らない。よって、静電容量が大きすぎると信号ライン用
ノイズフィルタとして用いることができず、またICの耐
電圧が60〜70V程度であるため、これ以下にノイズ成分
を抑える必要がある。
コンデンサ−インダクタ系ノイズフィルタは、静電容
量の点では問題はないが、共振周波数帯のトランジェン
ト・ノイズをそのまま通過させてしまい、回路保護がで
きないという問題がある。また、高電圧ノイズの場合に
は、波形を変えることは可能であるが、波高値を大きく
抑えることはできない。
他方、バリスタ素子を用いたものでは、静電容量が50
0pF以上あり、信号ラインのような数100kHz〜数10MHzの
信号を扱う場合には、信号までも吸収あるいは変形させ
ることがあった。従って、現在のところ、バリスタは信
号ラインのノイズ除去用素子としてはあまり用いられて
いない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本願発明者らは、先に、トランジェント・ノイズの吸
収性に優れたバリスタ素子の特徴を活かしつつ、静電容
量が低減されており、信号の吸収や変形を生じさせ難い
ノイズフィルタを提案した(特願平1−176370号)。
このノイズフィルタは、第2図に示すように、バリス
タ特性を有する複数枚のセラミックグリーンシート1〜
4を後述の電極を介在させて積層し、一体焼成すること
により得られた焼結体を利用して構成されている。すな
わち、セラミックグリーンシート3上には、端縁3a,3b
間に延びるように、導電ペーストが印刷されて共通電極
5が形成されている。また、セラミックグリーンシート
2の上面には、端縁2a,2b間に延びるように導電ペース
トが印刷されて複数本のスルー電極6〜8が形成されて
いる。
セラミックグリーンシート1〜4を積層し、焼成する
ことにより、第3図に示す焼結体9が得られる。焼結体
9では、第1の側面9aから第2の側面9bに延びるように
共通電極5が形成されており、第3の側面9c及び第4の
側面9d間にはスルー電極6〜8が延ばされている。
なお、共通電極5及びスルー電極6〜8は、セラミッ
クグリーンシート上に印刷された導電ペーストが、セラ
ミック焼結体9を得る際の焼成工程においてセラミック
グリーンシートと共に焼付けられることにより形成され
ている。
この先行技術のノイズフィルタは、第4図に示すよう
に、上記焼結体9の側面9a〜9d(第3図参照)に、外部
電極10a〜10hを形成することにより完成される。
上記ノイズフィルタでは、共通電極5とスルー電極6
〜8が焼結体9内において交差するように配置されてい
るため、バリスタ特性部分における電極重なり面積が低
減されており、それによって静電容量が小さくされてい
る。また、バリスタ特性を有する焼結体9の誘電体とし
ての性質をも利用することにより、コンデンサとしての
ノイズ吸収性能をも有する。従って、コンデンサとして
のノイズ吸収性能と、バリスタとしてのノイズ吸収性能
の双方を併せ持つため、種々の形態のノイズを効果的に
吸収することが可能とされている。
ところで、上記ノイズフィルタは、共通電極5とスル
ー電極6〜8との間に配置された半導体セラミックス層
を利用して電圧非直線性を得るものである。すなわち、
半導体セラミックス層における半導体粒子間の粒界にお
ける電圧非直線性を利用したものである。従って、半導
体セラミックス層の厚み及び焼成条件を調整し、共通電
極とスルー電極との間の半導体粒子の粒界を制御するこ
とによってバリスタ電圧が制御されている。
しかしながら、現在のセラミックス焼結技術では、セ
ラミックス粒子の粒径を高制度にコントロールすること
は非常に困難である。例えば、平均粒径に対して倍以上
の径を有する粒子が生成されることは、ごく普通であ
る。このような大きな粒子が存在した場合、該大きな粒
子の存在している部分によってバリスタ電圧が決定され
ることになる。従って、量産に際し、バリスタ電圧のば
らつきが大きくなるおそれがあった。また、上記のよう
な大きな粒子が存在する部分に電流集中が生じ易く、サ
ージ耐量も小さくなるおそれがあった。
もっとも、内部電極の面積を増大させれば、大きな粒
子の存在確率が高くなるために、サージ耐量が高められ
る。しかしながら、内部電極面積を増大させると、同時
に静電容量も増加するため、信号ラインのノイズ吸収用
としては使用することができなくなる。
よって、本発明の目的は、バリスタ電圧のばらつきが
生じ難く、低バリスタ電圧で動作させることが可能であ
りながらサージ耐量も高められたノイズフィルタを提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本願発明者らは、ノイズフィルタにおける電圧非直線
性を得るメカニズムを検討した結果、内部電極と半導体
粒子との間の界面に形成されるショットキー障壁を積極
的に利用すればよいのではないかと考え、鋭意検討した
結果、本願発明をなすに至った。
すなわち、半導体粒子間の粒界で得られるバリスタ特
性は安定したものであるが、半導体粒子の粒径を均一に
することは非常に困難である。他方、金属−半導体の界
面におけるショットキー障壁は、材料により決定される
ものであるため、ブレイクダウン電圧は一定である。半
導体セラミックス層の両端に金属電極を形成すると、対
称形のバリスタが形成される。通常のバルク型バリスタ
では電流分散が大きくなるが、金属−半導体間の界面に
形成されるショットキー障壁を利用した上記の構造で
は、電流分散が大きくならず、ブレイクダウン電圧のば
らつきは小さくなる。
上記のようなショットキー障壁を利用した構造は、単
結晶を用いて構成することも可能であるが、単結晶の場
合には製造コストが非常に高く付く。他方、マイクロチ
ップ・コンデンサ等の製造に用いるものとして、膜厚の
非常に薄い、〜10μm程度のグリーンシートを用いて技
術が確率されている。本発明は、このような非常に薄い
膜厚のグリーンシートの取扱技術を利用することによ
り、完成されたものである。
本発明のノイズフィルタでは、半導体セラミックスよ
りなる焼結体の側面の第1の部分から第2の部分に向か
って延びるように焼結体内に共通電極が形成されてい
る。そして、該焼結体の厚み方向において半導体セラミ
ックス層を介して前記共通電極から隔てられた高さ位置
に、前記焼結体の側面の第3の部分から第4の部分に向
って延びるように、かつ前記共通電極と交差するように
少なくとも一本のスルー電極が形成されている。焼結体
の側面の第1〜第4の部分には、第1〜第4の外部電極
が形成されている。
また、共通電極とスルー電極との間には、前記外部電
極に電気的に接続されないように配置された少なくとも
1つの非接続型内部電極が形成されている。少なくとも
1つの非接続型内部電極は、共通電極と半導体セラミッ
クス層を介して隔てられており、またスルー電極とも半
導体セラミックス層を介して隔てられており、さらに、
厚み方向に複数の非接続型内部電極が形成されている場
合には非接続型内部電極同士が半導体セラミックス層を
介して隔てられるように配置されている。
本発明のノイズフィルタでは、共通電極、スルー電極
及び非接続型内部電極のそれぞれと、半導体セラミック
ス層との界面に形成されるショットキー障壁により電圧
非直線性が得られる。また、共通電極と非接続型内部電
極との間の半導体セラミックス層、スルー電極と非接続
型内部電極との間の半導体セラミックス層、及び非接続
型内部電極間の半導体セラミックス層の半導体粒子の粒
界数の最小値は2以下とされている。
本発明において、半導体セラミックス層の粒界数の最
小値を2以下としたのは、焼結体を得るためにセラミッ
クグリーンシート積層体を焼成する際し、電極、特にPd
を成分として含む電極を用いた場合、半導体粒子間の粒
界1〜2層分の酸素を電極が吸収し、粒界のショットキ
ー障壁を減少させ、粒界に起因するバリスタ特性の影響
を低減することができ、安定なバリスタ電圧を得ること
ができるからである。
半導体セラミックスを構成する材料としては、ZnOやF
e2O3を主成分とする種々のものが用いられ得る。好まし
くは、ZnOを主成分とする材料で半導体セラミックス層
を構成した場合、内部電極及び非接続型内部電極材とし
て、0.01〜10重量%の希土類酸化物を含有する金属材料
が用いられる。
希土類酸化物を上記の範囲の量だけ含有させた方が好
ましいのは、以下の理由による。すなわち、希土類酸化
物の含有量が0.01重量%より少ない場合には、共通電
極、スルー電極または非接続型内部電極と、半導体セラ
ミック層との界面に十分に酸素が拡散しないため、電圧
非直線係数αが小さくなるからである。他方、希土類酸
化物含有量が10重量%を超えると、半導体セラミックス
層の焼結が不十分なものとなり、バリスタ電圧が著しく
大きくなるからである。
〔発明の作用及び効果〕
本発明では、共通電極、スルー電極及び非接続型内部
電極と、半導体セラミックス層との界面に形成されたシ
ョットキー障壁により電圧非直線性が与えられる。従っ
て、バリスタ電圧のばらつきの小さなノイズフィルタが
構成され得る。
また、共通電極、スルー電極及び非接続型内部電極間
の半導体セラミックス層の粒界数の最小値が2以下とさ
れているため、粒界部分におけるショットキー障壁が減
少され、それによってバリスタ電圧がより一層安定なも
のとされている。
さらに、共通電極及びスルー電極が焼結体内で交差す
るように配置されているため、バリスタ特性部分におけ
る電極重なり面積が低減されており、それによって静電
容量が小さくされている。
よって、本発明によれば、バリスタ電圧のばらつきが
生じ難く、低バリスタ電圧で動作させることができ、か
つサージ耐量の大きなノイズフィルタが提供され得る。
〔実施例の説明〕
本発明の一実施例にかかるノイズフィルタを第1図、
第5図及び第6図を参照して説明する。本実施例のノイ
ズフィルタは、第1図に示すように、複数枚のセラミッ
クグリーンシート11〜15を後述の電極を介在させて積層
し、一体焼成して得られた焼結体を用いて構成されてい
る。
セラミックグリーンシート14の上面には、端縁14a,14
b間に延びるように導電ペーストを印刷することによ
り、共通電極16が形成されている。
セラミックグリーンシート13上には、いずれの端縁に
も至らない複数本の非接続型内部電極17〜19が導電ペー
ストを印刷することにより形成されている。
さらに、セラミックグリーンシート12の上面には、複
数本のスルー電極20〜22が導電ペーストを印刷すること
により形成されている。スルー電極20〜22は、セラミッ
クグリーンシート12の端縁12a,12b間に至る長さに形成
されている。なお、前述した非接続型内部電極17〜19
は、セラミックグリーンシート11〜15を積層して得られ
る積層体において、セラミックグリーンシート12を介し
て、スルー電極20〜22と重なり合う位置に形成されてい
る。
また、セラミックグリーンシート12,13としては、そ
の厚みが、焼成後に半導体セラミックス層の半導体粒界
数の最小値が2以下となるような厚みのものが用いられ
ている。
セラミックグリーンシート11〜15を積層して得られた
積層体を焼成することにより、第5図に示す焼結体23が
得られる。焼結体23では、第1の側面23a,第2の側面23
b間に延びるように共通電極16が配置されている。他
方、焼結体23の第3の側面23cと第4の側面23dとの間に
延びるように、スルー電極20〜22が形成されている。
さらに、第5図では図示されていないが、共通電極16
とスルー電極20〜22との間の高さ位置に、前述した非接
続型内部電極17〜19が形成されている。
次に、焼結体23の第1〜第4の側面23a〜23dに、第6
図に示すように、第1,第2の外部電極24a,24b及び第3,
第4の外部電極24c〜24e,24f〜24hが形成される。外部
電極24a〜24hは、上述した共通電極16及びスルー電極20
〜22を外部と電気的に接続するために設けられているも
のである。外部電極24a〜24hは、得られた焼結体23の所
定部分に導電ペーストを塗布し、焼付けることにより、
あるいは蒸着、スパッタまたはめっき等の適宜の導電膜
形成方法により形成することができる。
本実施例のノイズフィルタでは、共通電極16と半導体
セラミックス層との界面、スルー電極20〜22と半導体セ
ラミックス層との界面、並びに非接続型内部電極17〜19
と半導体セラミックス層との界面に形成された各ショッ
トキー障壁により電圧非直線性が与えられている。金属
−半導体の界面に形成されるショットキー障壁は、材質
により決定されるものであるため、ブレイクダウン電圧
が一定であり、従って本実施例のノイズフィルタではバ
リスタ電圧のばらつきが小さくされ得る。
しかも、焼結体23の厚み方向において、共通電極16、
非接続型内部電極17〜19及びスルー電極20〜22間に挟ま
れる半導体セラミックス層の厚みは、各半導体セラミッ
クス層の半導体粒界層の最小値が2以下となるような厚
みとされている。従って、半導体粒子間の粒界1〜2層
分の酸素を共通電極16、非接続型内部電極17〜19または
スルー電極20〜22が吸収し、それによって粒界に起因す
るバリスタ特性の影響が低減されている。
なお、第1図、第5図及び第6図を参照して示した実
施例の構造は、本発明が適用されるノイズフィルタの一
例を示すものに過ぎない。すなわち、共通電極、非接続
型内部電極及びスルー電極の形状及び数は、本発明の範
囲内において適宜変更し得るものである。また、図示の
実施例では、焼結体23の側面の第1〜第4の部分は、そ
れぞれ、第1〜第4の側面23a〜23dとされていたが、本
発明における焼結体の側面の第1〜第4の部分は、図示
のように異なる側面に分散させる必要は必ずしもない。
すなわち、焼結体23のいずれか1の側面に、側面の第1
〜第4の部分のうちの2以上の部分が配置されていても
よい。
次に、本発明の具体的な実施例につき説明する。
実施例1 ZnO(95.0モル%)、CoO(1.0モル%、)MnO(1.0モ
ル%)、Sb2O3(2.0モル%)及びCr2O3(1.0モル%)
を、上記のモル比で混合してなるセラミックス材料に、
B2O3、SiO2、PbO及びZnOからなるガラス粉末10重量%を
加えて原料を調製した。
得られた原料に、有機バインダとしてポリビニルブチ
ラール樹脂を10重量%の割合で混合し、リバース・ロー
ル・コータ方式により、膜厚5μm、10μm、15μm、
20μm及び30μmの厚みの各グリーンシートを形成し
た。
次に、上記各グリーンシートを、所定の大きさの矩形
形状に切り出し、第1図に示したセラミックグリーンシ
ート11〜15を得た。但し、セラミックグリーンシート1
1,14,15としては膜厚30μmのグリーンシートを、セラ
ミックグリーンシート12,13としては膜厚5μm、10μ
m、15μm、20μm及び30μmのものをそれぞれ用意し
た。
次に、Ag及びPdを重量比で7:3の割合で混合した導電
ペーストを、セラミックグリーンシート12〜14上に図示
の印刷形状に印刷し、共通電極16、非接続型内部電極17
〜19及びスルー電極20〜22を形成した。もっとも、これ
らの各電極は、後述の焼成工程により焼付けられること
により電極として完成されるものである。
次に、上述のようにして用意したセラミックグリーン
シート11〜15を、第4図に示したように積層し、厚み方
向に2t/cm2の圧力を加えて圧着し、積層体を得、所定の
大きさに切断した。
なお、セラミックグリーンシート12,13としては、上
述したような5種類の膜厚のものを順に用いた。従っ
て、上記積層体として5種類の積層体を得た。
上記のようにして得られた各積層体を950〜1050℃の
温度で空気中で3時間焼成し、第5図に示した焼結体23
を得た。焼結体23の側面23a〜23dにAgペーストを塗布
し、700℃の温度で10分間焼付けることにより、外部電
極24a〜24hを形成し、ノイズフィルタを得た。
上記のようにして得られた各ノイズフィルタの電圧−
電流特性、及び8×20μ秒の三角電流波(強度は100A)
を印加したときのバリスタ電圧(1mAの電流を流したと
きの外部電極間の電圧)の変化を第1表に示す。
第1表において、nは共通電極とスルー電極との間に
おいて、非接続型内部電極17〜19により得られた半導体
セラミックス層の数、従って第4図に示したセラミック
グリーンシート11〜15を積層して得られた焼結体では、
n=2となる。
上記のようにして用意された各ノイズフィルタを研磨
し、サーマルエッチングした結果、半導体セラミック粒
子の粒径が平均4.2μmであることがわかった。従っ
て、セラミックグリーンシートの膜厚が30μmの場合に
は、半導体セラミックス層の最小粒界数は3であること
がわかる。すなわち、第1表に示したグリーンシート膜
厚が30μmの例は、本発明の範囲外にあるものである。
第1表の結果から明らかなように、グリーンシートの
膜厚が5、10、15及び20μmのグリーンシートを用いた
ノイズフィルタでは、すなわち半導体セラミックス層の
最小粒界数が2以下である本発明の範囲内にあるノイズ
フィルタでは、膜厚30μmのグリーンシートを用いた本
発明外のノイズフィルタに比べて、より大きな電圧非直
線係数α0.1−1を示し、さらにバリスタ電圧の変動ΔV
1mAもかなり小さいことがわかる。
実施例2 ZnOに対して、Co3O4、MgO、Cr2O3及びK2O3をCo、Mg、
Cr及びKに換算して、それぞれ、2.0原子%、0.1原子
%、0.1原子%、及び0.1原子%の比率となるように秤量
し、添加して原料を得た。この原料に有機バインダを混
合し、リバース・ロールコータ方式により10μmの厚み
の均一なグリーンシートを形成した後、上記グリーンシ
ートを矩形状に切断した。得られた矩形のセラミックグ
リーンシートを第1図のセラミックグリーンシート11〜
15として用意した。
他方、Ptにビヒクルを混合してなるペーストに、Pr6O
11を0.01〜1.0重量%添加してなる導電ペーストを用意
し、セラミックグリーンシート12〜14上に印刷し、スル
ー電極20〜22、非接続型部分電極17〜19及び共通電極16
を形成した。
上記のようにして用意したセラミックグリーンシート
11〜15を第1図に示したように積層し、厚み方向に2t/c
m2の圧力を加えて圧着し、積層体を得、所定の大きさに
切断した。
切断して得られた積層体を1100〜1300℃の温度で空気
中にて3時間焼成し、焼結体23を得た。この焼結体23の
側面にAgペーストを塗布し、700℃の温度で10分間焼付
けることにより第6図に示すノイズフィルタを得た。
上記のようにして得た本実施例のノイズフィルタにつ
いて、バリスタ電圧V1mA、電圧非直線係数α
0.1−1μA及びα1−10mA、並びに8×20μ秒の波形
を有する100A三角電流波を5分間隔で2回印加した時の
V1mAの変化を第2表に示す。
また、比較のために内部電極材に希土類元素の酸化物
を含有させず、他は同様に構成したノイズフィルタにつ
いても同様の測定を行った(**印を付して示す。)。
なお、**印を付した試料番号1,10のノイズフィルタ
の焼結体の組成は、ZnOに対して、Pr6O11、Co3O4、Mg
O、Cr2O3及びK2CO3を、Co、Mg、Cr及びKに換算して、
それぞれ、0.5原子%、2.0原子%、0.1原子%、0.1原子
%及び0.1原子%の比率となるように添加したものであ
る。
実施例3 内部電極材料として、Ptにビヒクルを混合してなるペ
ーストに、第3表に示すように、Pr6O11、La2O3、Sm2O3
及びCe2O3の希土類酸化物の中から少なくとも1種類の
希土類酸化物を1.0重量%添加してなる導電ペーストを
用いた。上記材料を主体とする導電ペーストを用いた以
外は実施例2と同様にして、ノイズフィルタを作製し
た。
これらのノイズフィルタについても実施例2と同様に
測定を行い、結果を第3表に示した。
第3表から明らかなように、内部電極中に含有させる
希土類酸化物としては、第2表に示したPr6O11に限ら
ず、La2O3、Sm2O3、及びCe2O3の中から任意の少なくと
も1種類の希土類酸化物を含有させても同程度の特性を
得ることができる。また、このことから、希土類酸化物
は、上述したPr6O11、La2O3、Sm2O3、及びCe2O3に限ら
れるものではなく、本発明の趣旨の範囲から出ない他の
希土類(Nd、Pm、Em、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Sc及びY)の酸化物を用い得ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のノイズフィルタを得るため
に用いられるセラミックグリーンシート及びその上に形
成される電極形状を説明するための分解斜視図、第2図
は従来のノイズフィルタを得るのに用いられるセラミッ
クグリーンシート及びその上に形成される電極形状を説
明するための分解斜視図、第3図は従来例において用い
られる焼結体を示す斜視図、第4図は従来例のノイズフ
ィルタを示す斜視図、第5図は本発明の一実施例におい
て用いられる焼結体を示す斜視図、第6図は本発明の一
実施例にかかるノイズフィルタを示す斜視図である。 図において、11〜15はセラミックグリーンシート、16は
共通電極、17〜19は非接続型内部電極、20〜22はスルー
電極、23は焼結体、23a〜23dは、それぞれ、焼結体の第
1〜第4の部分を構成する第1〜第4の側面、24a〜24h
は外部電極を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂部 行雄 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体セラミックスよりなる焼結体と、 前記焼結体の側面の第1の部分から第2の部分に向かっ
    て延びるように焼結体内に形成された共通電極と、 前記焼結体の厚み方向において、半導体セラミックス層
    を介して前記共通電極から隔てられた高さ位置におい
    て、前記焼結体の側面の第3の部分から第4の部分に向
    かって延びるように、かつ前記共通電極と交差するよう
    に設けられた少なくとも一本のスルー電極と、 前記焼結体の側面の前記第1〜第4の部分に形成された
    第1〜第4の外部電極と、 前記焼結体内において前記共通電極と前記スルー電極と
    の間の高さ位置に配置されており、かついずれの外部電
    極にも電気的に接続されないように形成された少なくと
    も一つの非接続型内部電極とを備え、 前記共通電極と半導体セラミックス層との界面、前記ス
    ルー電極と半導体セラミックス層との界面、及び前記非
    接続型内部電極と半導体セラミックス層との界面にそれ
    ぞれ形成されたショットキー障壁により電圧非直線性が
    与えられており、 前記共通電極と非接続型内部電極との間の半導体セラミ
    ックスス層、前記非接続型内部電極間の半導体セラミッ
    クス層、及び前記スルー電極と非接続型内部電極との間
    の半導体セラミックス層の半導体粒界数の最小値が2以
    下であることを特徴とする、ノイズフィルタ。
  2. 【請求項2】前記半導体セラミックスが、酸化亜鉛を主
    成分として構成されており、かつ前記共通電極、非接続
    型内部電極及びスルー電極が、希土類酸化物を0.01〜10
    重量%含有する金属材料により構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
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