JP2852422B2 - 電子部品のリード折曲加工方法及びこの方法に用いられるリードフレーム - Google Patents

電子部品のリード折曲加工方法及びこの方法に用いられるリードフレーム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、IC等の電子部品を樹脂材料によって封止
成形した成形品におけるアウターリードを適正な状態で
折曲加工するリード折曲加工方法とこの方法に用いられ
るリードフレームの改良に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、IC等の電子部品を樹脂材料にて封止成形
し、その後に、その樹脂封止成形体から突設された所要
数のアウターリードを略90度の角度(第2図及び第7図
等参照)や、略Z字状(第4図等参照)等の所定角度に
折り曲げる電子部品のリード折曲加工方法が知られてい
る。
この方法は、電子部品の樹脂封止成形後に、そのリー
ドフレームにおけるアウターリードの連結タイバー部分
を切断除去するタイバーカット工程を行ない、次に、該
アウターリード部分を上記した所定角度に折り曲げるリ
ード折曲工程を行なうのが通例である。
なお、第7図及び第8図は電子部品の樹脂封止成形体
1から所要数のアウターリード2が突設された成形品の
形態例を概略的に示しているが、近時においては、多数
のアウターリードを突設したものが提案されており、従
って、そのような成形品においては、必然的に、アウタ
ーリード間の間隔Wやアウターリード自体の幅W1が狭く
(或は細く)なるように配設されている。
また、通常の打抜加工手段によると、アウターリード
の間隔やアウターリード自体の幅を狭く形成して多数の
アウターリードを設けることができないと云う問題があ
るので、この場合は、所謂、エッチング加工手段が採用
されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、この種の成形品においては上記したアウタ
ーリードが適正な状態に折曲加工されていない場合、例
えば、第8図に鎖線で示すように、アウターリードが偏
位・変形されていると、そのアウターリードが隣接する
他のアウターリードに接触してその本来の機能を失った
り、該アウターリード間に所定の間隙が得られず機器類
への組付けが不能になる等の品質上の弊害が生じる。
特に、近時において提供されている多数のアウターリ
ードを有する成形品については、その僅かな変形等であ
っても上記したような弊害が著しく現れることになる。
リード折曲工程時におけるアウターリードの変形等
は、アウターリード幅W1がリードフレーム板厚W2と略同
じであるか或はそれ以下であるようなときに特に多く発
生するが、これは主に次のような原因に基づくものと考
えられる。
即ち、このような条件下においては、リードの折曲加
工力によってアウターリードが捻じれ或は歪み易いと云
う実情があり、従って、その変形等を確実に防止するこ
とができないからである。
また、変形等がみられるアウターリードは、折曲加工
力を受けた部分の断面形状が、例えば、第9図に示すよ
うに、適正な矩形状の断面となっておらず、従って、折
曲加工力を受けた部分が横方向に捻じれ或は歪んで該ア
ウターリードを偏位・変形させることになるものであ
る。
なお、タイバーは樹脂成形用金型のキャビティ内に注
入される溶融樹脂材料がアウターリード2間から外部に
流出するのを防止する目的で備えられるものであるか
ら、該タイバーはキャビティ周縁部に配設され、従っ
て、該タイバーは樹脂封止成形体1の近傍位置に配設さ
れている。
また、エッチング加工手段を採用する場合において
も、エッチングフレームパターンズレ等に起因して、例
えば、第10図または第11図に示すように、アウターリー
ド部分の断面形状が適正な矩形状に形成されないことが
ある。従って、この場合には、折曲加工力を受けた部分
が横方向に捻じれ或は歪んで該アウターリードを偏位・
変形させることになる。
本発明は、アウターリードの折曲加工時における該ア
ウターリードの捻じれ・歪みを未然に防止することによ
り、高品質性及び高信頼性を備えた成形品を得ることが
できるリード折曲加工方法とこの方法に用いられるリー
ドフレームを提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上述したような従来の問題点を解消するための本発明
に係る電子部品のリード折曲加工方法は、電子部品の樹
脂封止成形体から突設されると共にその幅がリードフレ
ームの板厚と略同じであるか或はそれ以下であるような
アウターリードを所定の角度に折り曲げる電子部品のリ
ード折曲加工方法であって、上記したアウターリードの
連結タイバーを高精度に切断除去するタイバーカット加
工を行ない、次に、上記タイバーカット工程にて切断除
去されたタイバーの連結位置と対応する上記アウターリ
ードの個所に所要の折曲加工力を加えることにより該ア
ウターリードを所定の角度に折り曲げるリード折曲工程
を行なうことを特徴とするものである。
また、本発明に係る電子部品のリードフレームは、タ
イバーを介して連結されると共に、その幅がリードフレ
ームの板厚と略同じであるか或はそれ以下であるような
所要数のアウターリード部分を形成した電子部品装着用
のリードフレームであって、上記したアウターリードに
対する折曲加工力を加える個所と合致する位置に該アウ
ターリードの連結タイバーを配設して構成したことを特
徴とするものである。
〔作用〕
本発明方法によれば、連結タイバーを高精度に切断除
去することにより、切断除去されたタイバーの連結位置
と対応するアウターリードの個所を適正な矩形状の断面
形状に形成することができる。
このため、上記した矩形状の断面形状部分に所要の折
曲加工力を加えることにより、アウターリードを偏位・
変形させるようなことがなく、効率の良い且つ確実で適
正なリード折曲作用を得ることができる。
また、本発明リードフレームは、そのアウターリード
に対する折曲加工力を加える個所と合致する位置に該ア
ウターリードの連結タイバーを配設したものであるか
ら、該連結タイバーを高精度に切断除去することによ
り、切断除去されたタイバーの連結位置と対応するアウ
ターリードの個所を適正な矩形状の断面形状に形成でき
る。
従って、上記した矩形状の断面形状部分に所要の折曲
加工力を加えることによって該アウターリードを偏位・
変形させるようなことがなく、効率の良い且つ確実で適
正なリード折曲作用を得ることができる。
〔実施例〕
次に、本発明を第1図乃至第6図に示す実施例図に基
づいて説明する。
第1図及び第2図には電子部品を樹脂封止成形した状
態のリードフレーム10が概略的に示されており、電子部
品は樹脂封止成形体11の内部に封止されると共に、該樹
脂封止成形体11の二方向から多数のアウターリード12が
突設されている。
該アウターリードの幅W1は、リードフレームの板厚W2
と略同じに、或は、それ以下の寸法関係を有するように
形成されている。また、上記各アウターリードのピッチ
間隔は、所謂、ファインピッチと称されて、例えば、約
0.3mm以下に設けられている。従って、該アウターリー
ドを備えたリードフレームは通常の打抜加工手段により
形成することが困難であるので、所謂、エッチング加工
手段にて形成されている。
また、上記したリードフレーム10の両側部にはサイド
フレーム13が並設されると共に、該サイドフレーム13と
各アウターリード12間はタイバー14によって連結されて
いる。また、該タイバー14はアウターリード12に対して
折曲加工力が加えられる個所と合致する位置に配設され
ている。
なお、樹脂封止成形体11を成形するための金型キャビ
ティ周縁部と対応する部分には、アウターリード12とサ
イドフレーム13及びタイバー14等から構成される溶融樹
脂材料のダム部15が設けられている。
樹脂封止成形後のリードフレーム10は、適宜な打抜・
折曲加工装置(図示なし)側に移送・供給されて、その
不要部分が切断除去されると共に、その各アウターリー
ドが所定の角度に折り曲げられて製品となる。即ち、該
打抜・折曲加工装置にて、まず、製品としては不要な部
分となるサイドフレーム13とタイバー14等を切断除去
し、次に、上記タイバー14のカット部分A(第2図参
照)に所要の折曲加工力を加えて、該各アウターリード
12を所定の角度に折り曲げる。
しかしながら、上記したタイバー14部分の切断除去
(タイバーカット)工程において高精度な切断除去処理
を行なうことにより、該タイバー14位置におけるアウタ
ーリード12の部分を適正な矩形状の断面形状に形成する
ことができる。
即ち、上記したアウターリードの連結タイバーを高精
度に切断除去するタイバーカット工程を行ない、次に、
上記タイバーカット工程にて切断除去されたタイバーの
連結位置と対応する上記アウターリードの個所に所要の
折曲加工力を加えることにより、該アウターリード12に
捻じれ或は歪みが発生しない状態でこれを所定の角度に
折り曲げる(リード折曲)工程を行なうことができるも
のである。このとき、各アウターリード12は所定の位置
において適正な状態(第2図の場合は、略90度の折曲角
度)に折り曲げられると共に、該各アウターリード12間
には所定の間隙が得られることになる。
第3図及び第4図はアウターリードの折曲形状を略Z
字状に形成する場合のリードフレーム101を概略的に示
したものである。
該リードフレームにおけるアウターリード121に対し
ては、第1図に示したものよりも広い範囲の個所に折曲
加工力が加えられることになる。
このため、そのタイバー141を、上記した広い範囲と
合致するように、リードフレーム101の長手方向へ延設
したものである。従って、この点が異なるのみで、その
他の構成は実質的に第1図に示すものと同一であるか
ら、該リードフレームを用いる場合においても、不要な
サイドフレーム131と各タイバー141とを切断除去すると
共に、切断除去された上記タイバー141の連結位置と対
応する上記アウターリード121の個所に所要の折曲加工
力を加えて、その各アウターリード121を所定の角度に
折り曲げればよい。また、この場合においても、該タイ
バー141に対して高精度な切断除去処理を行なうことが
できるので、上記したと同様に、該アウターリード121
を適正な矩形状の断面形状に形成することができる。従
って、その後に、上記タイバーカット部分A1(第4図参
照)に所要の折曲加工力を加えると、該アウターリード
121に捻じれ或は歪みが発生しない状態でこれを所定の
形状に折り曲げることができるものである。
また、このとき、上記各アウターリード121は、同様
に、所定の位置において適正な状態に折り曲げられると
共に、該各アウターリード121間には所定の間隙が得ら
れることになる。
第5図及び第6図は、樹脂封止成形体11の四方向から
多数本のアウターリード122が突設されたファインピッ
チの成形品形態例を概略的に示しているが、形態が四方
向フラットパッケージである点等を除いて、前述した実
施例の構成と実質的に同じである。
本発明は、上述した実施例図のものに限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に
応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採用できるも
のである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、アウターリードの折曲加工時におけ
る該アウターリードの捻じれ・歪みを未然に防止して、
該アウターリードを効率良く且つ確実に所定の角度に折
り曲げることができるので、高品質性及び高信頼性を備
えた成形品を得ることができる電子部品のリード折曲加
工方法とこの方法に用いられるリードフレームを提供す
ることができると云った優れた実用的な効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、電子部品を樹脂封止成形した状態
のリードフレームを示す一部切欠平面図及びそのアウタ
ーリードの折曲加工状態を示す正面図である。 第3図及び第4図は、電子部品を樹脂封止成形した状態
の他のリードフレームを示す一部切欠平面図及びそのア
ウターリードの折曲加工状態を示す正面図である。 第5図及び第6図は、電子部品を樹脂封止成形した状態
の他のリードフレームを示す斜視図及びそのアウターリ
ードの折曲加工状態を示す要部拡大斜視図である。 第7図及び第8図は、通常の成形品形態例を示す斜視図
及びその正面図である。 第9図乃至第11図は、いずれもアウターリード部分の縦
断端面図である。 〔符号の説明〕 10……リードフレーム 101……リードフレーム 11……樹脂封止成形体 12……アウターリード 121……アウターリード 122……アウターリード 123……アウターリード 13……サイドフレーム 131……サイドフレーム 14……タイバー 141……タイバー 15……ダム部 A……タイバーカット部分 A1……タイバーカット部分 W1……アウターリードの幅 W2……リードフレームの板厚 W3……リード幅 W4……リード幅

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子部品の樹脂封止成形体から突設される
    と共に、その幅がリードフレームの板厚と略同じである
    か或はそれ以下であるようなアウターリードを所定の角
    度に折り曲げる電子部品のリード折曲加工方法であっ
    て、 上記したアウターリードの連結タイバーを高精度に切断
    除去するタイバーカット工程を行ない、 次に、上記タイバーカット工程にて切断除去されたタイ
    バーの連結位置と対応する上記アウターリードの個所に
    所要の折曲加工力を加えることにより該アウターリード
    を所定の角度に折り曲げるリード折曲工程を行なうこと
    を特徴とする電子部品のリード折曲加工方法。
  2. 【請求項2】タイバーを介して連結されると共に、その
    幅がリードフレームの板厚と略同じであるか或はそれ以
    下であるような所要数のアウターリード部分を形成した
    電子部品装着用のリードフレームであって、上記したア
    ウターリードに対する折曲加工力を加える個所と合致す
    る位置に該アウターリードの連結タイバーを配設して構
    成したことを特徴とするリードフレーム。
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