JP2844874B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
表面に設けるディンプルの配列を対称性の点から改良し
て、回転軸によって飛行性能が変化しないように均一化
を図ると共に、ディンプルの容積を改良して空気力学的
にボールの揚力、抗力を向上し、飛距離増大を図るもの
である。
ルが設けられており、該ディンプルの主たる目的は、ゴ
ルフボールの飛行時においてボールの空力特性を向上
し、飛距離を伸ばすことにある。
生じるバックスピンといわれる回転が与えらえる。この
ように回転体となるために、その回転軸が飛距離増大と
均一性に対し重要なファクターとなる。上記均一性とは
回転軸の相違により飛距離に差が出るか否かということ
であり、飛距離の差が大きいものは均一性がないことに
なる。
使用可能なボールを公認する。これはイギリスでは「Ro
yal and Ancient」、アメリカではUSGAがテストを行
い、そのルールに認められたボールのみ公式球として認
められる制度となっている。上記ルールの中でゴルフボ
ールのシンメトリーテスト(対称性テスト)があり、該
シンメトリーテストは、ボールの回転方向によってボー
ルの飛距離が変化するか否かをテストする。
割金型を合わせることにより成形され、よって、ゴルフ
ボールには上記金型の合わせ目のシームが存在する。ゴ
ルフボールはその表面のどの部分を打撃しても飛距離に
差のないことが望ましいが、上記シームの存在によっ
て、第7図(A)に示すように両極P(ポール)を結ぶ
線がバックスピンの回転軸となるようにボールを打ち出
した時(シーム打)、第7図(B)に示すように上記回
転軸と直交する線を回転軸としてボールを打ち出した時
(ポール打)とでは、飛距離に差が出やすい問題があ
る。この回転軸の違いにより飛距離の差が大きい場合に
は均一性がないとして、公認球とは認められない。優れ
たゴルフボールを得ようとする場合、公認球として認め
られるのは当然のこと、公認される基準値以上に、回転
軸の違いにより飛距離に差がないことが要求される。即
ち、90度対称の関係にある上記シーム打ちとポール打ち
のいずれの時も飛行特性が均一で、ゴルフボールの製法
によって飛距離、弾道が変化しないことが要求される。
性が要求されるが、従来提供されているディンプルの配
列方向は第8図から第12図に示すように、飛行性能の向
上を主たる目的としており、対称性については余り配慮
されていなかった。
50744号公報記載)および変形20面体配列(特開平2−4
5074号公報記載)、第9図に示す正20面体配列(特公昭
57−22595号公報記載)、第10図に示す20−12面体配列
(特開昭60−234674号公報記載)、第11図に示す同心円
状配列(特開昭53−115330号公報記載)、第12図に示す
立方8面体配列(実開昭63−186469号公報、特開平1−
221182号公報記載)のいずれも複数本の対称軸を有して
いるが、それらはどれも90度で交わることなく、また、
どの対称軸で球面を二分割しても左右対称の配列とはな
っておらず、対称性を有していない。
が開発された当時から存在する基本的な配列方法とし
て、第13図に示す正八面体配列がある。該配列では、3
本の対称軸SL1、SL2、SL3は互いに直交しており、全て
のディンプルDが同一直径、同一深さ、同一容積で、直
交対称性が高く、対称性の点で欠点がない。よって、今
なおゴルフボールのディンプル配列方法の主流となって
いる。
ゴルフボールでは、対称性の点で優れているが、飛距離
性能の点で問題があった。即ち、上記したように、ゴル
フボールは打撃時にパックスピンといわれる回転が与え
られながら飛行し、該飛行時に、ボール下方の空気の剥
離点よりもボールの上方の空気の剥離点をより後方に移
行させ、ボール上方の空気圧力をボール下方の空気圧力
より小さくすると、ボールをより高く引き上げることが
出来る。上記ボール上方の空気の剥離はボール表面の空
気の流れを乱すことにより促進される。この空気の流れ
を乱す観点からは、ディンプルを整然と配列した場合よ
り、乱れた配列として、該乱れた配列が最適であれば、
ディンプルの空力学的効果の揚力と抗力のバランスが向
上して、飛距離増大を図ることが出来る。
は、ディンプルの直径、深さ、容積が全て同一で、整然
とした配列であるため、ボール表面での空気流れの乱れ
は少く、飛距離の増大を図る点からは問題があった。
目的で、ディンプルの大きさ(直径)を変える提案も多
くなされている。(特開昭60−234674号公報参照)この
場合、飛距離の増大は図られるが、ディンプルのサイズ
が異なるためにボール直径が部分的に不均一となり、パ
ッテング時のライン合わせが難しく、かつ、芝生上での
回転時に直進性の点で問題があった。
で、対称性に優れた従来の正八面体配列に改良を加え、
対称性を損なうことなくディンプル配列の区画を細分化
し、かつ、空力学的な揚力の向上を図るべく、ディンプ
ルの直径を均一にしながら隣接するディンプルの容積を
特定の比率で変化させることにより、対称性、均一性お
よび飛距離の両方の向上を図ることを目的とするもので
ある。
表面に互いに直交する3本の大円を備えると共に、18個
の正四角形と8個の正三角形から構成される立体像を、
それに外接する球面に投影して得られる仮想線によって
区画された各区画に、その区画線と交差することなく、
その各区画内で均一な直径をもつディンプルを配し、か
つ、特定のディンプルに対してその隣接するディンプル
の少なくとも一つ以上がそのディンプル容積比において
10%以上異ならせると共に、該ゴルフボールの表面に設
けるディンプルと交差しない3本の大円を備えているこ
とを特徴とするゴルフボールを提供するものである。
総数が300〜600個、ディンプルの総容積が250〜400cm3
の範囲のものを含み、これらディンプル総数、ディンプ
ル総容積および各区画内のディンプル数、ディンプル容
積は、ゴルフボールの種類、即ち、バラタボール、サー
リン糸巻ボール、2ピースボール、3ピースボール、ワ
ンピースボール等の種類に応じて好適に設定される。
形の区画内で、ディンプルを対称性を持つ配置とすると
共に、上記複数の正四角形および正三角形の区画内にお
いてディンプルの配置を夫々同一とすることが好まし
い。
径を同一および/または上記8個の正三角形の区画内の
ディンプルの径を同一とすることが好ましく、かつ、全
てのディンプルの直径を同一とすることも好ましい。
けると共に、18個の正四角形と8個の正三角形とに区画
し、かつ、これら全ての各区画内においてディンプルを
均等かつ対称に設けた配列としているため、3本の大円
からなる対称軸はいずれも直交し、どの対称軸で球面を
二分割しても左右対称の配列となり、直交対称性を保持
することができる。よって、回転軸によって飛行特性が
変化することはなく、対称性および均一性を向上させる
ことが出来る。
するディンプルの少なくとも一つ以上を、そのディンプ
ルの容積比において10%以上異ならせているため、飛行
時の空気の流れを乱すことが出来、空力学的にボールの
揚力、抗力を最適化して飛距離の増大を図ることが出来
る。
相異した場合に、即ち、ボールの表面のどの部分を打撃
しても、飛行特性の均一化および飛距離増大の両方を図
ることが出来るものである。
る。
1図(A)においてボール中心点P1を通る水平線からな
るシーム上に第1大円1Aと、中心点P1を通る垂直線から
なる第2大円1Bと、外周線からなる第3大円1C(第1図
(B)において中心P2を通る垂直線)を備え、これら3
本の大円1A、1B、1Cは互いに直交している。
形(1)〜(18)と8個の正三角形(1)′〜(18)′
により構成される多面体の立体像を、それに外接する球
面に各稜線を投影して得られる仮想線により、26個のブ
ロックに区画している。該仮想区画線を第1図(A)
(B)において区画線Lとして実線で現しており、第1
図(A)に示す正面側および第1図(B)に示す側面
側、また、図示していないが上面側および下面側からの
いずれの方向から見ても、同一の態様で正四角形の区画
Sと正三角形の区画Tとに区分されている。即ち、中央
に十字状に5個の正四角形区画Sが配置されると共に、
その4隅に4個の正三角形区画Tが配置され、外周部に
沿って8個の正四角形区画Tの各半側部が配置される構
成となっている。尚、第1図(A),(B)において第
2図の各面に対応する部分を(1)〜(18)、(1)′
〜(18)′で現している。
区画Sと8個の正三角形区画Tの各区画内には、それぞ
れ均一な直径(3.65mm)を持つディンプル2を配置して
いる。尚、本実施例においては、正四角形区画Sと正三
角形区画Tと全ての区画内のディンプル2を同一の直径
とし、よって、ボール表面に設けるディンプル2の全て
を同一直径としている。
するディンプル2はそれぞれ区画内において対称性を備
えた均一な配置としている。即ち、第1図(A),
(B)および第3図に示すように、各正四角形区画T内
には16個のディンプル2を縦横4×4の配列で対称性を
有する均一な配列で配置し、また、各正三角形区画T内
には6個のディンプル2を各辺に3個づつ対称性を有す
る均一な配列で配置している。よって、本実施例のディ
ンプル総数は、16×18+6×8=336個である。
(B)では黒丸と白丸で区分けすると共に、第3図では
丸囲みと丸囲み無しとで区分けしているように、容積の
相異した2種類のディンプル2A、2Bからなる。これらの
ディンプルの容積比は空気の流れを大きく乱す作用をも
たせる点から、10%以上異ならせる必要がある。本実施
例ではディンプル2Aの容積を0.98mm3、ディンプル2Bの
容積を0.87mm3としている。かつ、この直径が同一であ
るが容積が相異する2種類のディンプル2A、2Bの配置
は、1つの特定なディンプル、例えば、黒丸の第1容積
のディンプル2Aを特定ディンプルとすると、該特定ディ
ンプル2Aを中心として隣接するディンプルのうちの少な
くとも1つ以上を容積が相異する白丸のディンプル2Bと
なるように配置している。しかも、これら容積が相異す
るディンプル2A、2Bの配置も各区画内において対称性が
保持され均一となるように配置している。
類を2種類としているが、2種類に限定されず、2種類
以上とすることも出来る。
ル2が3本の互いに直交する大円1A、1B、1Cを対称軸と
して対称に配置され、どの対称軸で球面を二分割しても
ディンプルの配列が対称となるため、対称性の点で優れ
ている。また、細分化された各区画内においても、ディ
ンプル2が均等に、しかも対称性を有するように配置さ
れていると共に、ディンプルの直径を均一としているた
め、この点からも対称性および均一性の点で優れてい
る。よって、該ゴルフボールの表面のどの部分を打撃し
ても、即ち、回転軸が相異するシーム打ちとポール打ち
のいずれの場合も飛行特性に差が殆ど生じない。かつ、
パッテイング時のライン合わせが容易になると共に、芝
生上での回転時に直進性の点で優れている。
する1つ以上のディンプルの容積比を異ならせているた
め、飛行時に空気の流れに大きな乱れを発生させること
が出来る。よって、ボールの揚力、抗力のバランスを最
適化して、飛距離の増大を図ることが出来る。
第2実施例では正四角形区画T内のディンプル2の個数
を第1実施例と同様に16個としているが、正三角形区画
T内のディンプルの個数を10個としている。よって、デ
ィンプル総数は368個である。上記正三角形区画T内の
ディンプル数を増加することにより、正三角形区画S内
のディンプル2の直径を3.0mmとする一方、正四角形区
画T内のディンプル2の直径は第1実施例と同様に3.65
mmとしてして、正三角形区画T内のディンプルの直径と
正四角形区画S内のディンプルの直径とを相異させてい
る。
る2種類のデインプル2A、2Bからなる。この容積が相異
するディンプル2Aと2Bの配置は、第1実施例と同様に、
各区画内で対称となるように均一に配置すると共に、特
定のディンプルの隣接するディンプルのうちの少なくと
も1つ以上は他の種類のディンプルとなるように設定し
ている。該配置はディンプル2Aを第4図では黒丸、第5
図では丸囲みで現し、ディンプル2Bは第4図では白丸、
第5図では丸囲みなしで現している。
2実施例に限定されず、さらに、第6図(A),
(B),(C),(D)等に示す配列とすることも出来
る。
個のディンプルを配列し、18個の正四角形区画S内に16
個のディンプルを配列し、ディンプル総数を320個とし
たものである。
るものを2種類設けており、図中丸囲みと、丸囲み無し
とで区別し、夫々図示の対称性を有する配列で各区別内
に配列している。尚、以下の第6図(B),(C),
(D)の実施例もディンプルの種類は容積が相異するも
のを2種類設けている。
9個のディンプルを配列し、18個の正四角形区画S内に
16個のディンプルを配列し、ディンプル総数を360個と
したものである。
形区画T内に10個のディンプルを配列し、18個の正四角
形区画S内に16個のディンプルを配列し、ディンプル総
数を368個としたもので、図示のように容積が相異する
ディンプルの配列を正四角形区画T内で相異させてい
る。
フボールと、第13図に示す従来の正八面体配列のゴルフ
ボールとを、下記のように、2ピースボールで試作し、
飛距離テストを実施した。
ってインターナルミキサにて混練し、該混合物で円筒形
のプラグを作製し、該プラグを加圧・加熱成形金型にい
れ、150℃で40分間加硫し、直径38.4mmの内核芯を得
た。この内核芯の回りに、サーリン1707と酸化チタンと
を混合比100:2重量%で混合したブレンド物を、射出成
形して被覆して、直径42.8mmのゴルフボールを作成し
た。その後、バリ取りをし、ペイント塗装を施した。
フボールと従来例のゴルフボールの諸元は次頁の表2に
示す通りである。
とを、ツルーテンパー社製スイングロボットを用い、1
番ウッド(ドライバー)により45m/sのヘッドスピード
にて打撃した。ボールの数は第1実施例および従来例と
も各々8個用意し、前記したように回転軸の均一性のテ
ストを加味して同一のボールをポール打ちとシーム打ち
とで回転軸を変えて2回打撃し、その平均値をとった。
気候条件は18℃、2〜3m/sの向かい風で、着地点は良好
であった。テスト結果は下記の表3に示す通りである。
例と比較して飛距離が増大すると共に、弾道も適性とな
っていることが確認された。
フボールでは、ボール表面を18個の正四角形と8個の正
三角形の区画に分け、これら各区画内にディンプルを均
一かつ対称に配列し、ボール表面に設けた3本の互いに
直交するいずれの大円に沿って球面を二分割しても、対
称となる配置としているため、対称性に優れている。よ
って、回転軸によって飛行性能が変化することなく、均
一性が極めて良好となる。
ら、隣接するディンプルの容積を特定の比率で変化させ
ているため、飛行時に空気の流れを大きく乱すことが出
来、空力学的にボールの揚力と抗力とのバランスを最適
化して、飛距離の増大を図ることが出来る。
面図、第1図(B)は第1図(A)の側面図、第2図は
上記第1実施例のゴルフボールの区画の分け方を説明す
るための多面体の展開図、第3図は第1実施例の各区画
内のディンプルの配列を示す図面、第4図は本発明の第
2実施例のゴルフボールの正面図、第5図は第2実施例
の各区画内のディンプルの配列を示す図面、第6図
(A)、第6図(B)、第6図(C)および第6図
(D)はそれぞれ他の実施例の各区画内のディンプルの
配列を示す図面、第7図(A)と第7図(B)はシーム
打ちとポール打ちとを説明するための図面、第8図から
第13図は従来のディンプルの配列を示すゴルフボールの
正面図の一例である。 1A、1B、1C……大円、 2、2A、2B……ディンプル、 S……正四角形区画、 T……正三角形区画。
Claims (3)
- 【請求項1】ゴルフボールの表面に互いに直交する3本
の大円を備えると共に、 18個の正四角形と8個の正三角形から構成される立体像
を、それに外接する球面に投影して得られる仮想線によ
って区画された各区画に、その区画線と交差することな
く、その各区画内で均一な直径をもつディンプルを配
し、かつ、 特定のディンプルに対してその隣接するディンプルの少
なくとも一つ以上がそのディンプル容積比において10%
以上異ならせていることを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】上記正四角形および正三角形の各区画内
で、ディンプルを対称性を持つ均一な配置とし、上記3
本の大円のうちいずれの大円で球面を二分割しても左右
対称の配列となるようにした請求項1記載のゴルフボー
ル。 - 【請求項3】上記18個の正四角形の区画内のディンプル
の径が同一および/または上記8個の正三角形の区画内
のディンプルの径が同一である請求項1または請求項2
のいずれか1項に記載のゴルフボール。
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