JP2842427B2 - ポリイミドフィルム - Google Patents

ポリイミドフィルム

Info

Publication number
JP2842427B2
JP2842427B2 JP1585497A JP1585497A JP2842427B2 JP 2842427 B2 JP2842427 B2 JP 2842427B2 JP 1585497 A JP1585497 A JP 1585497A JP 1585497 A JP1585497 A JP 1585497A JP 2842427 B2 JP2842427 B2 JP 2842427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
viscosity
solution
film
mol
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1585497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09188763A (ja
Inventor
義和 佐々木
浩 井上
忠雄 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP1585497A priority Critical patent/JP2842427B2/ja
Publication of JPH09188763A publication Critical patent/JPH09188763A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2842427B2 publication Critical patent/JP2842427B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、大きな突起が殆ど
存在することない、耐熱性と強度の高い自己支持性ポリ
イミドフィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】磁気テープなどの磁気記録媒体の非磁性
支持体として、従来よりポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステルからなるフィルムが一般的に用いられ
てきたが、最近では耐熱性や強度などに優れた芳香族ポ
リイミドのフィルムの使用が提案されている。 【0003】一方、磁気テープ等に使用されるベースの
表面の平滑性に対する要求は厳しくなってきている。特
に、磁気テープなどの薄膜型磁気記録媒体では磁性層が
薄いため、支持体表面の微細な突起がそのまま磁性層表
面に突起となって出現する傾向が強い。特に、高密度記
録を意図する薄膜型磁気記録媒体では、支持体表面の微
細な傷は記録・再生のエラーとなるため、重大な欠点と
なる。このような問題は他の用途(たとえば、電子機器
の基板としてフィルムの使用)でのポリイミドフィルム
にとっても同様である。 【0004】ポリイミドフィルム表面の突起の生成は、
その大部分がフィルム中に存在する異物やゲル状塊状物
に起因する。従来、芳香族ポリイミドフィルムは、芳香
族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを略等
モル、有機極性溶媒中にて重合してポリアミック酸を生
成させ、そのポリアミック酸溶液を製膜したのち熱的ま
たは化学的にイミド化することより得られている。ポリ
イミドフィルム中の異物を除去するには、ポリイミドフ
ィルムの前駆体である上記のポリアミック酸溶液の段階
で存在する異物を除去する必要がある。ポリアミック酸
溶液中の異物を除去する方法としては、フィルターで濾
過することが一般的である。フィルム表面の大きな突起
(ひとつの基準として高さ0.273μm以上の突起が
想定される)をなくすためには、少なくともポリアミッ
ク酸溶液中に存在する径が1μm以上の異物を除去する
ことが必要である。 【0005】径が1μm以上の異物を除去することので
きる精密フィルターとしては、たとえば、日本精線
(株)製の「エクセルポアー」(金属短繊維焼結フィル
ター)、日本濾器(株)製の「ウルトラフィルター」や
「ミクロピュアー」、住友電工(株)製の「フロロポア
ー」等が利用できる。ポリアミック酸溶液の濾過も、そ
のような精密フィルターを利用することによっても可能
である。ただし、径1μm以上の異物を除去するこれら
のフィルターでポリアミック酸溶液を濾過する場合に
は、ポリアミック酸溶液の粘度は100ポイズ以下にす
る必要がある。ポリアミック酸溶液の粘度が100ポイ
ズ以上になるとフィルターの濾過効率が悪くなり、工業
的な連続プロセスには採用できない。 【0006】ポリアミック酸溶液からフィルム形状に製
膜する方法として、一般的にダイスからポリアミック酸
溶液を回転ロール、またはベルト上に薄膜を吐出して薄
膜を形成し、その薄膜から溶媒を徐々に除去する方法が
利用される。しかし、このようにポリアミック酸溶液を
ダイスから吐出して、均一な厚みの薄膜を形成するため
には、ポリアミック酸溶液の粘度は1000ポイズ以上
であることが必要である。しかしながら、前記のよう
に、1000ポイズ以上のポリアミック酸を1μm以上
の異物を除去するフィルターを使用して精密濾過するこ
とは、濾過効率が非常に悪くなるので工業的規模では実
際上不可能である。 【0007】ポリイミドフィルム中に存在する異物の大
部分は、原料である芳香族テトラカルボン酸成分や芳香
族ジアミン成分、そして有機極性溶媒中に存在していた
異物に由来するものであるので、芳香族テトラカルボン
酸成分や芳香族ジアミン成分を別々に溶媒に溶解させた
後、精密濾過する方法も考えられる。しかし、この方法
では、芳香族テトラカルボン酸成分(たとえば、芳香族
テトラカルボン酸二無水物)の良溶媒がない場合があっ
たり、または、芳香族テトラカルボン酸二無水物が、溶
媒中の水分と反応して加水分解され、芳香族テトラカル
ボン酸となってしまい、芳香族ジアミン溶液と等モル反
応させてもポリアミック酸溶液の粘度が製膜に適した粘
度まで上昇しない等の欠点がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来より利
用されているポリイミドフィルムの製造法によっては得
ることができなかった耐熱性が高く、かつ表面上の突起
の形成が抑制された自己支持性のポリイミドフィルムを
提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族テトラ
カルボン酸成分としてビフェニルテトラカルボン酸二無
水物とピロメリット酸二無水物とを用い、そして芳香族
ジアミン成分としてp−フェニレンジアミンとジアミノ
ジフェニルエーテルとを用いて重合・脱水させて得たポ
リイミドフィルムであって、そのフィルム表面に形成さ
れている0.273μm以上の突起の数が62個/10
0cm以下である高強度、高耐熱性、かつ高平滑性の
自己支持性ポリイミドフィルムにある。 【0010】上記のフィルム表面に形成されている0.
273μm以上の突起の数は、3〜50個/100cm
の範囲に有ることが好ましい。本発明の自己支持性ポ
リイミドフィルムは一旦は、長尺状のフィルム形態とし
て得られるものである。 【0011】すなわち、本発明者は、高強度、高耐熱性
で、かつ表面平滑性の優れたポリイミドフィルムを製造
するポリアミック酸溶液の調製法について鋭意研究した
結果、有機極性溶媒中に、特定の種類の芳香族ジアミン
成分を特定の種類の芳香族テトラカルボン酸成分に対し
て過剰に配合して両成分の重合を行なったのち、100
ポイズ以下(30℃)の低粘度重合溶液をフィルターに
通して粗大粒子を除去し、そして、再び重合反応を行な
わせてポリイミドフィルム製造用のドープ液(ポリアミ
ック酸溶液)を得たうえで、このドープ液を用いて通常
の方法で支持体上に流延塗布し、加熱し、その後支持体
より剥がし取って、更に高温に加熱することにより、上
記の耐熱性が高く、かつ表面平滑性が高い自己支持性の
ポリイミドフィルムを製造することが可能なことを見出
し、本発明を完成した。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明のポリイミドフィル
ムを製造する方法について、代表的な実施の態様を示し
て詳しく説明する。ドープ液の調製に際しては、まず芳
香族ジアミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸成分
のモル比が0.5〜0.95で、粘度(30℃の測定
値)が100ポイズ以下(好ましくは60ポイズ以下)
の低粘度重合液を調製する。ここで芳香族ジアミン成分
に対する芳香族テトラカルボン酸成分のモル比は、特に
好ましくは0.6〜0.90である。このモル比が大き
すぎると、低粘度重合液の粘度が高くなるので好ましく
ない。低粘度重合液の粘度は100ポイズ以下とする。
なお、重合液の粘度が高い場合、たとえば100ポイズ
を超える場合には、有機溶媒を添加することにより希釈
して粘度を低下させることも可能である。 【0013】なお、低粘度重合液を調製する方法とし
て、逆に芳香族ジアミン成分に対する芳香族テトラカル
ボン酸成分のモル比が1.00以上、すなわち芳香族テ
トラカルボン酸成分を過剰とする方法も考えられるが、
この場合は、生成したポリアミック酸の末端が芳香族テ
トラカルボン酸成分となるので、加水分解され易く、後
に芳香族ジアミン成分を追加してモル比を等モルにして
もポリアミック酸溶液の粘度が製膜に適した粘度まで上
昇しない欠点があるので好ましくない。上記のようにし
て調製した低粘度重合液から、次に粗大粒子(たとえ
ば、径1μm以上の異物)を除去するフィルターとして
は、前述の「エクセルポアー」、「ミクロピュアー」、
「フロロポアー」等のフィルターが使用できる。 【0014】次に、フィルターを通して粗大粒子を除去
した低粘度重合液に、芳香族ジアミン成分に対する芳香
族テトラカルボン酸成分のモル比を約1にするために、
残余の芳香族テトラカルボン酸成分を添加して、再び重
合反応を行なわせる。ここで残余の芳香族テトラカルボ
ン酸成分を固体状態で添加することもできるが、有機極
性溶媒に溶解し、それを前記フィルターで濾過した後、
添加することが最適である。 【0015】この発明で用いる芳香族ジアミン成分は、
p−フェニレンジアミンを必須成分として用い、さらに
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメト
キシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジ
フェニルエーテル系ジアミンで代表される他の芳香族ジ
アミン成分を併用してもよい。 【0016】この発明で用いる芳香族テトラカルボン酸
成分は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸成分、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸成分などのビフェニルテトラカルボン酸の二無水
物を必須成分として用い、さらにピロメリット酸の二無
水物などの他の芳香族テトラカルボン酸成分を併用して
もよい。 【0017】前記有機極性溶媒は、各モノマー成分、お
よび/または両モノマー成分が生成するオリゴマー、ま
たは低分子量のポリアミック酸を均一に溶解する溶媒で
あることが必要である。有機溶媒としては、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカ
プロラクタムなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルフォスホルアミド、ジメチルスルホ
ン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレン
スルホン、ピリジン、エチレングリコールなどを挙げる
ことができる。なお、これらの有機極性溶媒は、ベンゼ
ン、トルエン、ベンゾニトリル、キシレン、ソルベント
ナフサおよびジオキサンのような他の有機溶媒と混合し
て使用することもできる。 【0018】低粘度重合液の調製において有機極性溶媒
中の両モノマーの濃度は5〜40重量%、好ましくは6
〜35重量%、特に好ましくは10〜30重量%であ
る。最終のドープ液の調製において、有機極性溶媒中の
両モノマーの濃度は、5〜40重量%、好ましくは6〜
35重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
低粘度重合液を調製する際の重合温度は通常は0〜80
℃、好ましくは5〜70℃である。低粘度重合液を調製
する際の重合時間は、通常は0.5〜50時間、好まし
くは1〜40時間である。 【0019】本発明のポリイミドフィルムを得る方法で
は、濾過した低粘度重合液にさらに残余の芳香族テトラ
カルボン酸成分を添加して、モル比を約1にする際の重
合温度は通常、0〜80℃、特に5〜70℃であり、重
合時間は通常0.5〜50時間、特に1〜40時間であ
る。本発明の自己支持性のポリイミドフィルムは、上記
のドープ液(ポリアミック酸溶液)を公知の方法によ
り、長尺状の支持体上に流延し、その後加熱して、乾燥
と部分イミド化を行ない、ついでその支持体から剥がし
取り、さらに高温にて加熱して充分なイミド化すること
により、製造することができる。 【0020】 【実施例】以下の、実施例と比較例とにおいて、重合液
の粘度は、東京計器(株)製E粘度計を使用して、30
℃で測定した。また、0.273μm以上の粗大突起の
個数は、日本光学(株)の多重干渉顕微鏡により測定し
た。 【0021】[実施例1] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド4481g、p−フェニレンジアミン227.0
94g(2.1モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル180.216g(0.9モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物441.3
30g(1.5モル)を入れ、50℃で5時間攪拌し
た。次いで、この反応液の温度を25℃に下げ、ピロメ
リット酸二無水物196.308g(0.9モル)を添
加し、5時間攪拌し、低粘度重合液を得た。この低粘度
重合液の粘度は2ポイズ(30℃)であった。この時の
芳香族ジアミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸成
分のモル比は0.8である。上記の低粘度重合液を、有
効面積100cmの平均孔径1μmのフィルター(フ
ロロポアーFP−100:住友電工(株)製)で圧力1
kg/cmにて濾過した。濾過に要した時間は0.5
時間であり、濾過速度は184g/100cm/分で
あった。そして、濾過した低粘度重合液は内容積10L
の円筒型重合槽に入れた。 【0022】N,N−ジメチルアセトアミド876gに
ピロメリット酸二無水物130.872g(0.6モ
ル)を55℃で溶解させ溶液を孔径1μmのフロロポア
ーで濾過した後、これを25℃の温度で攪拌している前
記低粘度重合液に添加し、次いで3時間攪拌を続け、ド
ープ液を得た。このドープ液の粘度は、1700ポイズ
(30℃)であった。次に、このドープ液をリップ幅3
50mm、リップ間隔0.3mmのTダイより、回転下
にある金属ベルト面上に吐出し、薄膜を形成した。次い
で、薄膜表面に100〜140℃の熱風を供給して、そ
の薄膜より溶媒を徐々に除去し、生乾きのフィルムを形
成した。この生乾きのフィルムをピンテンターに把持し
て150〜450℃の熱風で熱処理して、厚さ約50μ
mのポリイミドフィルムを連続的に製造した。このフィ
ルム表面は平滑性が高く、0.273μm以上の粗大突
起の数は7個/100cmであった。 【0023】[実施例2] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド4700g、p−フェニレンジアミン346.0
48g(3.2モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル160.192g(0.8モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物941.5
04g(3.2モル)を入れ、50℃で5時間攪拌し、
低粘度重合液を得た。この低粘度重合液の粘度は1.5
ポイズ(30℃)であった。この時の芳香族ジアミン成
分に対する芳香族テトラカルボン酸成分のモル比は0.
8である。この低粘度重合液を、有効面積100cm
の平均孔径0.6μmのフィルター(エクセルポアーN
P−Z06:日本精線(株)製)で圧力5kg/cm
にて濾過した。濾過に要した時間は0.1時間で、濾過
速度は634g/100cm/分であった。そして、
濾過した低粘度重合液を内容積10Lの円筒型重合槽に
入れた。 【0024】N,N−ジメチルアセトアミド1168g
にピロメリット酸二無水物174.496g(0.8モ
ル)を55℃で溶解させ溶液を孔径0.6μmのエクセ
ルポアーで濾過した後、これを25℃の温度で攪拌して
いる前記低粘度重合液に添加し、次いで3時間攪拌を続
け、ドープ液を得た。このドープ液の粘度は1200ポ
イズ(30℃)であった。次に、このドープ液をリップ
幅350mm、リップ間隔0.3mmのTダイより、回
転下にある金属ベルト面上に吐出し、薄膜を形成した。
次いで、薄膜表面に100〜140℃の熱風を供給し
て、その薄膜より溶媒を徐々に除去し、生乾きのフィル
ムを形成した。この生乾きのフィルムをピンテンターに
把持して150〜450℃の熱風で熱処理して、厚さ約
25μmのポリイミドフィルムを連続的に製造した。こ
のフィルム表面は平滑性が高く、0.273μm以上の
粗大突起の数は12個/100cmであった。 【0025】[実施例3] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド4651g、p−フェニレンジアミン432.5
6g(4モル)を入れ、窒素雰囲気中で500℃で1時
間攪拌した後、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物941.504g(3.2モル)を
二回に分割して添加し、これを4時間攪拌し、低粘度重
合液を得た。この低粘度重合液の粘度は2.3ポイズ
(30℃)であった。この時の芳香族ジアミン成分に対
する芳香族テトラカルボン酸成分のモル比は0.8であ
る。この低粘度重合液を、フィルター(有効濾過面積1
00cmのエクセルポアーNP−1、公称孔径1μ
m:日本精線(株)製)を用い、圧力5kg/cm
て濾過した。濾過に要した時間は0.25時間であり、
濾過速度は370g/100cm/分であった。 【0026】次いで、濾過した低粘度重合液を内容積1
0Lの円筒型重合槽に入れ、これに3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物117.688
g(0.8モル)を添加し、50℃で3時間攪拌を続
け、ドープ液を得た。このドープ液の粘度は2500ポ
イズであった。次に、このドープ液を実施例1と同様に
処理して、厚さ約25μmのポリイミドフィルムを連続
的に製造した。得られたフィルム表面の平滑性は高く、
0.273μm以上の粗大突起の個数は62個/100
cmであった。 【0027】[実施例4] フィルターをエクセルポアーNP−Z03(有効濾過面
積100cm、公称孔径0.3μm:日本精線(株)
製)に変え、圧力を10kg/cmに変えた以外は実
施例1と同じ操作を行なった。この低粘度重合液の粘度
は2.0ポイズ(30℃)であった。低粘度重合液の濾
過に要した時間は0.3時間であり、濾過速度は350
g/100cm/分であった。得られたフィルム表面
の平滑性は高く、0.273μm以上の粗大突起の個数
は3個/100cmであった。 【0028】[実施例5] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド4919g、p−フェニレンジアミン227.0
94g(2.1モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル180.216g(0.9モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物441.3
30g(1.5モル)を入れ、50℃で5時間攪拌し
た。次いで、この反応液の温度を25℃に下げ、ピロメ
リット酸二無水物261.744g(1.4モル)を添
加し、5時間攪拌し、低粘度重合液を得た。この低粘度
重合液の粘度は9ポイズ(30℃)であった。この時の
芳香族ジアミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸成
分のモル比は0.9である。この低粘度重合液を、エク
セルポア−NP−Z03を用い、圧力10kg/cm
にて濾過した。濾過に要した時間は1.44時間であ
り、濾過速度は70g/100cm/分であった。そ
して、濾過した低粘度重合液は内容積10Lの円筒型重
合槽に入れた。 【0029】N,N−ジメチルアセトアミド438gに
ピロメリット酸二無水物65.436g(0.3モル)
を55℃で溶解させ調製した溶液をエクセルポア−NP
−Z03で濾過した後、これを25℃の温度で攪拌して
いる前記低粘度重合液に添加し、次いで3時間攪拌を続
け、ドープ液を得た。このドープ液の粘度は2600ポ
イズ(30℃)であった。次にこのドープ液を使用して
実施例1と同様に処理して、厚さ約50μmのポリイミ
ドフィルムを得た。このフィルム表面は平滑性が高く、
0.273μm以上の粗大突起の数は5個/100cm
であった。 【0030】[実施例6] フィルターをエクセルポアーNP−Z03に変え、圧力
を20kg/cmに変えた以外は実施例2と同じ操作
を行なった。この低粘度重合液の粘度は1.5ポイズ
(30℃)であった。低粘度重合液の濾過に要した時間
は0.12時間であり、濾過速度は850g/100c
/分であった。得られたフィルム表面の平滑性は高
く、0.273μm以上の粗大突起の個数は4個/10
0cmであった。 【0031】[実施例7] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド5430g、p−フェニレンジアミン346.0
48g(3.2モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル160.192g(0.8モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物941.5
04g(3.2モル)を入れ、50℃で5時間攪拌し
た。次いで、この反応液の温度を25℃に下げ、ピロメ
リット酸二無水物130.872g(0.6モル)を添
加し、5時間攪拌し、低粘度重合液を得た。この低粘度
重合液の粘度は50ポイズ(30℃)であった。この時
の芳香族ジアミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸
成分のモル比は0.8である。この低粘度重合液を、エ
クセルポアーNP−Z03を用い、圧力20kg/cm
にて濾過した。濾過に要した時間は4時間であり、濾
過速度は634g/100cm/分であった。そし
て、濾過した低粘度重合液は内容積10Lの円筒型重合
槽に入れた。 【0032】N,N−ジメチルアセトアミド438gに
ピロメリット酸二無水物43.436g(0.2モル)
を55℃で溶解させ調製した溶液をエクセルポアーNP
−Z03で濾過した後、これを25℃の温度で攪拌して
いる前記低粘度重合液に添加し、次いで3時間攪拌を続
け、ドープ液を得た。このドープ液の粘度は2100ポ
イズ(30℃)であった。次にこのドーブ液をリップ幅
350mm、リップ間隔0.3mmのTダイより、回転
下にある金属ベルト面上に吐出し、薄膜を形成した。次
いで、薄膜表面に100〜140℃の熱風を供給して、
その薄膜より溶媒を徐々に除去し、生乾きのフィルムを
形成した。この生乾きのフィルムをピンテンターに把持
して150〜450℃の熱風で熱処理して、厚さ約25
μmのポリイミドフィルムを連続的に製造した。このフ
ィルム表面は平滑性が高く、0.273μm以上の粗大
突起の数は6個/100cmであった。 【0033】[比較例1] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド5357g、p−フェニレンジアミン346.0
48g(3.2モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル160.192g(0.8モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物588.4
4g(2.0モル)を入れ、50℃で5時間攪拌した。
次いで、この反応液の温度を25℃に下げ、ピロメリッ
ト酸二無水物418.790g(1.92モル)を添加
し、5時間攪拌して重合液を得た。この重合液の粘度は
150ポイズ(30℃)であった。この時の芳香族ジア
ミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸成分のモル比
は0.98である。この低粘度重合液を、エクセルポア
ーNP−Z03を用い、圧力10kg/cmにて濾過
した。この時の濾過速度は6g/100cm/分で非
常に遅く、10時間経過しても全量濾過することができ
なかった。 【0034】[比較例2] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド6360g、p−フェニレンジアミン346.0
48g(3.2モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル160.192g(0.8モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物441.3
30g(1.5モル)を入れ、50℃で5時間攪拌し
た。次いで、この反応液の温度を25℃に下げ、ピロメ
リット酸二無水物418.790g(1.92モル)を
添加し、5時間攪拌して重合液を得た。この重合液の粘
度は150ポイズ(30℃)であった。この時の芳香族
ジアミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸成分のモ
ル比は1.00である。この低粘度重合液を、エクセル
ポアーNP−Z03を用い、圧力10kg/cmにて
濾過した。この時の濾過速度は6g/100cm/分
で非常に遅く、10時間経過しても全量濾過することが
できなかった。 【0035】[比較例3] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド6430g、p−フェニレンジアミン346.0
48g(3.2モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル160.192g(0.8モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物941.5
04g(3.2モル)を入れ、50℃で5時間攪拌し
た。次いで、この反応液の温度を25℃に下げ、ピロメ
リット酸二無水物174.496g(0.8モル)を添
加し、5時間攪拌して重合液を得た。この重合液の粘度
は3500ポイズ(30℃)であった。この時の芳香族
ジアミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸成分のモ
ル比は1.00である。この低粘度重合液を、エクセル
ポアーNP−Z03を用い、圧力20kg/cmにて
濾過した。この時の濾過速度は0.8g/100cm
/分で、非常に遅く、10時間経過しても殆ど濾過する
ことができなかった。 【0036】[比較例4] 内容積10Lの円筒型重合槽にN,N−ジメチルアセト
アミド6430g、p−フェニレンジアミン346.0
48g(3.2モル)、4,4’−ジアミノジフェニル
エーテル160.192g(0.8モル)を入れ、窒素
雰囲気中で50℃で1時間攪拌した後、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物941.5
04g(3.2モル)を入れ、50℃で5時間攪拌し
た。次いで、この反応液の温度を25℃に下げ、ピロメ
リット酸二無水物174.496g(0.8モル)を添
加し、5時間攪拌して重合液を得た。この重合液の粘度
は1800ポイズ(30℃)であった。この時の芳香族
ジアミン成分に対する芳香族テトラカルボン酸成分のモ
ル比は1.00である。このドープ液を使用して実施例
1と同様に処理して、厚さ約50μmのポリイミドフィ
ルムを製造した。このフィルム表面は平滑性が低く、
0.273μm以上の粗大突起の数は460個/100
cmであった。 【0037】[磁気テープ支持体としての評価] 各例にて得られたポリイミドフィルム表面に真空蒸着に
より厚さ0.2μmのCo−Cr合金層を形成して磁気
テープとして、その磁気テープの電磁変換特性を下記の
方法により評価した。中心周波数4.5MHzで記録
し、再生した場合のS/N比(相対値)を測定した。そ
して、比較例4の磁気テープのS/Nを基準として、出
力が大きいものをAとした。上記の測定の結果、実施例
1〜7の磁気テープでは再生出力が比較例4の磁気テー
プに比べて明らかに高い値が得られることが確認され
た。 【0038】 【発明の効果】本発明の特定の芳香族ジアミン成分と芳
香族テトラカルボン酸成分とを用いて製造したポリイミ
ドフィルムで、かつフィルム表面での粗大粒子の生成が
抑制されたポリイミドフィルムは磁気テープや他の電子
機器部品の製造に用いるポリイミドフィルムとして優れ
た耐熱性と平滑性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−139755(JP,A) 特開 昭60−197759(JP,A) 特開 昭60−28432(JP,A) 特開 昭60−244508(JP,A) 特開 昭60−212428(JP,A) 特公 平3−20131(JP,B2) 工業調査会編集部編「電子工業用プラ スチック」工業調査会(第20頁〜第22頁 及び第163頁〜第175頁)1985年1月 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/10 C08J 5/18

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.芳香族テトラカルボン酸成分としてビフェニルテト
    ラカルボン酸二無水物ピロメリット酸二無水物を用
    い、芳香族ジアミン成分としてp−フェニレンジアミン
    ジアミノジフェニルエーテルを用いて重合・脱水さ
    せて得たポリイミドフィルムであって、そのフィルム表
    面に形成されている0.273μm以上の突起が62個
    /100cm以下である高強度、高耐熱性かつ高平滑
    性の自己支持性ポリイミドフィルム。 2.フィルム表面に形成されている0.273μm以上
    の突起の数が3〜50個/100cmである請求項1
    に記載のポリミドフィルム。 3.長尺状のフィルム形態にある請求項1と2のいずれ
    かの項に記載のポリイミドフィルム。
JP1585497A 1997-01-13 1997-01-13 ポリイミドフィルム Expired - Fee Related JP2842427B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1585497A JP2842427B2 (ja) 1997-01-13 1997-01-13 ポリイミドフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1585497A JP2842427B2 (ja) 1997-01-13 1997-01-13 ポリイミドフィルム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11017498A Division JP2910757B2 (ja) 1998-04-06 1998-04-06 無機微粒子を含有する自己支持性ポリイミドフィルムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09188763A JPH09188763A (ja) 1997-07-22
JP2842427B2 true JP2842427B2 (ja) 1999-01-06

Family

ID=11900402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1585497A Expired - Fee Related JP2842427B2 (ja) 1997-01-13 1997-01-13 ポリイミドフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2842427B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006124685A (ja) * 2004-09-29 2006-05-18 Ube Ind Ltd Cof用ポリイミドフィルムおよび積層体
US8167600B2 (en) 2005-04-27 2012-05-01 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Apparatus for producing polymer film and process for producing polymer film
JP4839914B2 (ja) * 2006-03-24 2011-12-21 東洋紡績株式会社 高分子フィルムの製造装置および高分子フィルムの製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
工業調査会編集部編「電子工業用プラスチック」工業調査会(第20頁〜第22頁及び第163頁〜第175頁)1985年1月

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09188763A (ja) 1997-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101045149B1 (ko) 금속 피복 폴리이미드 필름
US4923968A (en) Melt-moldable crystalline polyimide polymer
US4755428A (en) Polyimide powder and method for producing the same
US4839217A (en) Aromatic polyimide film
JPH0655491B2 (ja) 芳香族ポリイミドフィルムの製造方法
JP2842427B2 (ja) ポリイミドフィルム
JP2910757B2 (ja) 無機微粒子を含有する自己支持性ポリイミドフィルムの製造方法
JPH0730247B2 (ja) 芳香族ポリアミック酸溶液組成物
US20030236359A1 (en) Polyimide substrates having an interpenetrating network morphology and methods relating thereto
JP2811066B2 (ja) ポリイミドフイルム製造用ドープ液の調製法
JP5754692B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JPH09227697A (ja) ゲルを経由した耐熱性ポリイミドフィルムの製造方法
US20090011223A1 (en) Polyimide Film and Method for Production Thereof
JPH0812773A (ja) 粗面化ポリイミドフィルムの製造法
JPH04331230A (ja) 三成分系ポリイミド樹脂組成物及びその製造方法
JPS62236827A (ja) ポリイミドフイルムおよびその製法
CN115667379A (zh) 树脂膜以及树脂膜的制造方法
JPH08134232A (ja) ポリイミドフィルム、積層体およびフレキシブル回路用基板
JP4251947B2 (ja) ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムを用いた金属積層板
JP5443845B2 (ja) ポリイミドフィルムの製造方法
JP4753167B2 (ja) ポリイミドフィルム及びその製造方法
JPH10265589A (ja) フィルム及び磁気記録媒体
JPH1067851A (ja) ポリイミドフィルム
JPS61241325A (ja) 低熱膨張性ポリイミド
JP2000119418A (ja) ポリイミドブレンドフィルム、その製造方法およびこれを基材とした金属配線回路板

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980922

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees