JP2841258B2 - 蛍光x線定性分析方法 - Google Patents

蛍光x線定性分析方法

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JP2841258B2 JP4299290A JP29929092A JP2841258B2 JP 2841258 B2 JP2841258 B2 JP 2841258B2 JP 4299290 A JP4299290 A JP 4299290A JP 29929092 A JP29929092 A JP 29929092A JP 2841258 B2 JP2841258 B2 JP 2841258B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は蛍光X線定性分析方法
に関し、さらに詳しくは、複数の種類の元素を含む測定
試料で、精度よく定性分析を行うことができる蛍光X線
定性分析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光X線分析装置では、図7に
示すように、X線発生装置1から測定を行う測定試料
(以下、試料という)2にX線を照射し、試料2から発
せられる蛍光X線3を検出器4で検出し、データ収集装
置41で、図8に示すようなスペクトルデータを得るよ
うにしている。
【0003】この際、試料2に含まれている各元素ごと
に、発生する蛍光X線3のエネルギー値は決まっている
ため、このスペクトルデータは試料2に含まれる元素に
応じたエネルギー位置にピークを有する。このピークの
位置より試料2に含まれる元素を特定することが可能で
ある。
【0004】従来のこの種定性分析方法では、発生確率
の高い順に重要を決めてその順に各元素の蛍光X線の
エネルギー位置のピークの有無を調べ、元素の有無を判
断するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、試料2中に、
複数の種類の元素からなる試料2から得られるスペクト
ルデータで、図9に示すように、ある元素から発生した
重要度の高い、ピーク位置aを有するスペクトル5がピ
ーク位置bを有する他のスペクトル6に重なり、スペク
トル5を独立した、ピーク位置aを有するものとして認
識できないおそれがあり、当該元素は含まれていないと
いう誤った判断に陥る結果となり、精度よく定性分析を
行うのが難しい。
【0006】この発明は、上記問題に鑑みてなしたもの
で、その目的は、複数の種類の元素からなる試料から確
実に当該元素を測定できる蛍光X線定性分析方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、この発明は、X線発生装置から発せられ
たX線が測定試料に照射され、当該測定試料から発せら
れる蛍光X線を検出器で検出し、その信号を信号処理手
段を経てスペクトルデータとして読み取ることで当該測
定試料に含まれている元素の定性分析を行うに際して
該測定試料から発せられた蛍光X線よりスペクトルデ
ータを得て、そのデータに発生したピーク発生位置を決
定する工程と、そのデータから得られた前記ピーク発生
位置と予め定めておいた各元素の基準ピーク位置とを比
較し、この比較の結果、前記ピーク発生位置と前記基準
ピーク位置との一致度を数値化する工程と、この数値化
の結果、得られた数値がある値以上の数値となった場合
に、当該測定試料に当該元素が含まれると判断し、一
方、得られた数値がある値未満の数値となった場合に、
当該測定試料には当該元素は含まれないとの判断を行う
工程とからなり、更に、前記数値化が、 y=Σ{〔(A×h−ΔE)×I〕/(A×h)}/ΣI (1) (ここで、(1)式において、A×h−ΔE<0のとき、 A×h−ΔE=0と定義する) 但し、 y:ある元素の数値 A:係数 h:測定ピークの高さ ΔE:ピーク発生位置(測定ピーク位置)と、ある元素より発 生する基準ピーク位置(ピーク位置)のずれ I:ピークの発生確率に応じた重み で示される式で 行われることを特徴とする蛍光X線定性
分析方法である。
【0008】この発明は、各工程自体、公知の方法を用
いているけれども、これらの工程を組み合わせることに
より、図9に示すように、ある元素から発生した重要度
の高い、ピーク位置aを有するスペクトル5がピーク位
置bを有する他のスペクトル6に重なり、スペクトル5
を独立した、ピーク位置aを有するものとして認識でき
ないおそれがあり、当該元素は含まれていないという誤
った判断に陥る結果になるような従来の事態を回避でき
る。
【0009】この発明において、スペクトルデータから
得られたピーク発生位置と比較に用いる各元素の基準ピ
ーク位置は、通常の場合、既存のデータテーブルの値
を、例えば、図1に示すコンピュータ14に記憶させ
る。以下に示すような方法にて予め定めておくのが好ま
しい。これは、各元素ごとに発生する蛍光X線のエネル
ギー値は決まっているため、これを利用して、各元素ご
とに、各元素に応じたエネルギー位置に形成されるピー
ク位置を基準ピーク位置として記憶させておく。この
際、基準ピーク位置を求める方法として、
【0010】まず、1つの元素に関して、検出器の分解
能を考慮したシミュレーション計算で、例えば、スペク
トルのデータを作成する。さらに、このスペクトルデー
タを全ての元素について求めておく。すなわち、定性分
析の判断に含める全ての元素について行い、例えば、前
記元素のスペクトルのデータに続き、異なる元素のスペ
クトルのデータを順次求める。
【0011】続いて、得られた複数のスペクトルによ
り、ある元素から発生する蛍光X線のエネルギー位置に
対応する基準ピーク位置L,M,N・・・(図2,図5
参照)を順次求める。
【0012】これら予め各元素ごとに発生する基準ピー
ク位置L,M,N・・・を、例えば、図1に示すコンピ
ュータ14に記憶させておく。
【0013】さて、この発明では、図1において、当該
測定試料9から発せられた蛍光X線10よりスペクトル
データを得て、そのデータよりピーク発生位置を決定す
る。このスペクトルデータは、図5に示すように、図1
の測定試料9により得られたデータであって、例えば、
図1に示すマルチチャンネルアナライザ13を含む信号
処理手段によりピーク発生位置A〜Hが得られる。
【0014】次に、この発明では、そのデータから得ら
れた前記ピーク発生位置と予め定めておいた各元素の基
準ピーク位置とを比較し、この比較の結果、前記ピーク
発生位置と前記基準ピーク位置との一致度を数値化す
る。この数値化の式が前記(1)式で与えられる。これ
は、図2〜図5に示すように、比較に用いる元素が発生
する蛍光X線のエネルギー位置(基準ピーク位置)と一
致する位置に測定試料から発せられた蛍光X線10よ
得られるスペクトルデータのピークがあれば最高値を
与え、比較に用いる元素が発生する蛍光X線のエネルギ
ー位置(基準ピーク位置)から外れる位置に前記スペク
トルデータのピークがあれば、その外れる度合い(Δ
E)とピーク高さhに応じて数値を与えるようにしたも
のである。この数値は、ピーク位置が外れる程小さくな
るように計算が行われる。
【0015】すなわち、図2において、例えば、ピーク
発生位置Dと、予め定めておいた比較するある元素の基
準ピーク位置Mとを比較して数値を決定するに際して、
ピーク発生位置(測定ピーク位置)Dと、比較に用いる
ある元素の基準ピーク位置(ピーク位置)MのずれΔ
E、いわゆる、ピーク発生位置(測定ピーク位置)から
どの程度基準ピーク位置(ピーク位置)が離れているか
の離れ具合ΔEを数値化する訳であるが、図2では、図
3、図4を参照して、ある範囲W,w(W>w)から外
れる場合には0に数値化する。しかも、この範囲は、図
3に示すように、測定試料9からのスペクトルデータ1
9aの発生ピークが高い場合には、範囲Wを広くとり、
一方、図4に示すように、測定試料9からのスペクトル
データ19bの発生ピークが低い場合には、範囲wを狭
くとっている。
【0016】続いて、1つの元素から発生する蛍光X線
のエネルギーは数種類あり、発生ピークとして検出され
る可能性のあるエネルギー位置についてそれぞれこの計
算を行い、さらに、各エネルギーの蛍光X線の発生する
確率に応じた重み(I)を掛け合わす〔(A×h−Δ
E)×I〕。これを、エネルギー位置が一致した場合の
値(Ah)で割り、この計算で得られた各値を合計《Σ
{〔(A×h−ΔE)×I〕}/(A×h)》し、さら
に、Σ{〔(A×h−ΔE)×I〕/(A×h)}を規
格化した値yに変換する《y=Σ{〔(A×h−ΔE)
×I〕/(A×h)}/ΣI…(1)》
【0017】要するに、前記(1)式において、ピーク
のはずれる度合いとピークの高さに応じて、ある元素に
ついての数値化が行われる。
【0018】この数式化の結果、この方法で得られた数
値がある値以上の数値となった場合に、測定試料9に当
該元素が含まれると判断し、一方、得られた数値がある
値未満の数値となった場合に、測定試料9に当該元素は
含まれないとの判断を行う。そして、測定試料9に当該
元素が含まれると判断した場合には、当該元素を定性分
析結果に加える。この処理を、定性分析の判断に含める
全ての元素について行うことにより、複数の種類の元素
が含まれている測定試料の場合でも、精度よく定性分析
を行うことができる。また、当該元素が含まれている、
当該元素が含まれていないだけの判断でなく、当該元素
が含まれている可能性がどの程度あるかを求めることが
可能である。さらに、測定を行う測定試料系に応じて判
断基準を可変にすることが可能である。
【0019】このようにして、ある測定試料9を測定し
たときのピーク発生位置Dと、予め定めておいた各元素
の基準ピーク位置Mとを比較し、しかも、ピーク発生位
置Dと基準ピーク位置Mとの一致度を前記(1)式で
値化するようにしたので、複数の種類の元素が含まれて
いる測定試料の場合でも、含まれているかどうかの判断
を行うことにより精度よく定性分析を行うことができ
る。特に、図9に示したように、ある元素重要度の高
い、ピーク位置aを有するスペクトル5がピーク位置b
を有する他のスペクトル6に重なり、スペクトル5を独
立した、ピーク位置aを有するものとして認識できない
おそれがあり、測定試料に当該元素は含まれていないと
いう誤った判断に陥る結果になるような事態を回避でき
る。
【0020】また、検出器の交換などで分解能が変化す
る場合などでも、分解能は検出器に応じて予め分かって
いるので、その分解能に応じた数値化の、例えば、上記
(1)式における係数(A)を設定することができ、精
度よく定性分析を行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明に係る蛍光X線定性分析方法
の一実施例を、図面に基づいて説明する。なお、この発
明はそれによって限定を受けるものではない。図1にお
いて、7はX線発生装置、9は測定を行う試料、11は
検出器、12はA/D変換器、13はマルチチャンネル
アナライザ、14はコンピュータである。
【0022】X線発生装置7から発せられたX線8が測
定試料9に照射され、その試料9から発せられる蛍光X
線10を検出器11で検出し、その信号をA/D変換器
12、マルチチャンネルアナライザ13を経てコンピュ
ータ14でスペクトルデータとして読み取る。このコン
ピュータ14で、得られたスペクトルデータより定性分
析を行う。このコンピュータ14には、予め各元素ごと
に発生するピークの位置L,M,N・・・(図5参照)
を記憶させておく。
【0023】以下、測定試料9の定性分析処理を行う手
順を図6に示す。図6において、ステップ101で定性
分析処理が開始され、測定試料9から発せられた蛍光X
線10より、スペクトルデータを得て(ステップ102
参照)、そのデータよりピーク発生位置A〜Fを求める
(ステップ103参照)。続いて、各元素について予め
定めておいた基準ピーク位置L,M,N・・・と、ピー
ク発生位置A〜F,G,Hとを比較し、さらに、ピーク
発生位置A〜F,G,Hと基準ピーク位置L,M,N・
・・との一致度を、上述したような(1)式を用いて数
値化する(ステップ104参照)。
【0024】次に、この数値化の結果、得られた数値が
ある値以上の数値となった場合に、測定試料9に当該元
素が含まれると判断し、一方、得られた数値がある値未
満の数値となった場合に、測定試料9に当該元素は含ま
れないとの判断を行い(ステップ105参照)、測定試
料9に当該元素が含まれると判断した場合には、当該元
素を定性分析結果に加える(ステップ106参照)。そ
して、この処理を、定性分析の判断に含める全ての元素
について行い(ステップ107参照)、定性分析処理が
終了する(ステップ108参照)。これにより、複数の
種類の元素が含まれている測定試料の場合でも、精度よ
く定性分析を行うことができる。特に、図9に示したよ
うに、ある元素重要度の高い、ピーク位置aを有する
スペクトル5がピーク位置bを有する他のスペクトル6
に重なり、スペクトル5を独立した、ピーク位置aを有
するものとして認識できないおそれがあり、測定試料に
当該元素は含まれていないという誤った判断に陥る結果
になるような事態を回避できる。また、当該元素が含ま
れている、当該元素が含まれていないだけの判断でな
く、当該元素が含まれている可能性がどの程度あるかを
求めることが可能である。さらに、測定を行う測定試料
系に応じて判断基準を可変にすることが可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の蛍光X
線定性分析方法は、ある測定試料を測定したときのピー
ク発生位置と、予め定めておいた各元素の基準ピーク位
置とを比較し、しかも、ピーク発生位置と基準ピーク位
置との一致度を上述したような(1)式を用いて 数値
化し、数値化された値によって、ある元素か測定試料に
含まれているかどうかの判断を行うものである。この場
合、比較に用いる元素が発生する蛍光X線のエネルギー
位置(基準ピーク位置)と一致する位置に測定試料から
発せられた蛍光X線より得たスペクトルデータのピーク
があれば最高値を与え、比較に用いる元素が発生する蛍
光X線のエネルギー位置(基準ピーク位置)から外れる
位置に前記スペクトルデータのピークがあれば、その外
れる度合い(ΔE)とピーク高さhに応じて数値を与え
るように計算が行われる。よって、複数の種類の元素が
含まれている測定試料の場合でも、精度よく定性分析を
行うことができる効果がある。また、検出器の交換など
で分解能が変化する場合などでも、その分解能に応じた
数値化の式の係数を設定することにより、精度よく定性
分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る蛍光X線定性分析方法で用いる
分析装置の一実施例を示す構成説明図である。
【図2】上記実施例における数値化を行う工程を含む説
明図である。
【図3】同じく上記実施例における数値化を行う工程を
含む説明図である。
【図4】同じく上記実施例における数値化を行う工程を
含む説明図である。
【図5】上記実施例における複数の種類の元素が含まれ
ている測定試料から得られたスペクトルデータを示す図
である。
【図6】上記実施例におけるフローチャートである。
【図7】従来例を示す構成説明図である。
【図8】従来例における測定試料のピーク発生位置を示
す図である。
【図9】従来例における分析方法を示す図である。
【符号の説明】
7…X線発生装置、8…X線、9…測定試料、10…蛍
光X線、11検出器、12…A/D変換器、13…マル
チチャンネルアナライザ、14…コンピュータ、19
a,19b…スペクトル、L,M,N…基準ピーク位
置、A〜H…ピーク発生位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 23/223

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線発生装置から発せられたX線が測定
    試料に照射され、当該測定試料から発せられる蛍光X線
    を検出器で検出し、その信号を信号処理手段を経てスペ
    クトルデータとして読み取ることで当該測定試料に含ま
    れている元素の定性分析を行うに際して、当該測定試料
    から発せられた蛍光X線よりスペクトルデータを得て、
    そのデータに発生したピーク発生位置を決定する工程
    と、そのデータから得られた前記ピーク発生位置と予め
    定めておいた各元素の基準ピーク位置とを比較し、この
    比較の結果、前記ピーク発生位置と前記基準ピーク位置
    との一致度を数値化する工程と、この数値化の結果、得
    られた数値がある値以上の数値となった場合に、当該測
    定試料に当該元素が含まれると判断し、一方、得られた
    数値がある値未満の数値となった場合に、当該測定試料
    には当該元素は含まれないとの判断を行う工程とからな
    り、更に、前記数値化が、 y=Σ{〔(A×h−ΔE)×I〕/(A×h)}/ΣI (1) (ここで、(1)式において、A×h−ΔE<0のとき、 A×h−ΔE=0と定義する) 但し、 y:ある元素の数値 A:係数 h:測定ピークの高さ ΔE:ピーク発生位置(測定ピーク位置)と、ある元素より発 生する基準ピーク位置(ピーク位置)のずれ I:ピークの発生確率に応じた重み で示される式で行われることを特徴とす る蛍光X線定性
    分析方法。
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