JP2840643B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP2840643B2
JP2840643B2 JP1227162A JP22716289A JP2840643B2 JP 2840643 B2 JP2840643 B2 JP 2840643B2 JP 1227162 A JP1227162 A JP 1227162A JP 22716289 A JP22716289 A JP 22716289A JP 2840643 B2 JP2840643 B2 JP 2840643B2
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light absorbing
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雄治 新井
恵美子 浜田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レーザ光により記録されたピットを有する
光情報記録媒体に関する。
[従来の技術] レーザ光の照射により、データを記録することができ
る光情報記録媒体は、Te、Bi、Mn等の金属層や、シアニ
ン、メロシアニン、フタロシアニン等の色素層等からな
る記録層を有し、レーザ光の照射により、上記記録層を
変形、昇華、蒸発或は変性させる等の手段で、ピットを
形成し、データを記録する。この記録層を有する光情報
記録媒体では、ピットを形成する際の記録層の変形、昇
華、蒸発或は変性等を容易にするため、記録層の背後に
空隙を設けることが一般に行なわれている。具体的には
例えば、空間部を挟んで2枚の基板を積層する、いわゆ
るエアサンドイッチ構造と呼ばれる積層構造がとられ
る。
この光情報記録媒体では、上記透光性を有する基板1
側からレーザ光を照射し、ピットを形成する。そして、
記録したデータを再生するときは、上記基板1側から記
録時よりパワーの弱いレーザ光を照射し、上記ピットと
それ以外の部分との反射光の違いにより、信号を読みと
る。
一方、予めデータが記録され、その後のデータの書き
込みや消去ができない、いわゆるROM型光情報記録媒体
が情報処理や音響部門で既に広く実用化されている。こ
の種の光情報記録媒体は、上記のような記録層を持た
ず、記録データを再生するためのピットを予めプレス等
の手段で透光性基板の上に形成し、この上にAu、Ag、C
u、Al等の金属膜からなる反射層を形成し、さらにこの
上を保護層で覆ったものである。
このROM型光情報記録媒体で最も代表的なものが音響
部門や情報処理部門等で広く実用化されているコンパク
トディスク、いわゆるCDであり、このCDの記録、再生信
号の仕様は、いわゆるCD規格として規格化され、これに
準拠する再生装置は、コンパクトディスクプレーヤ(CD
プレーヤ)として極めて広く普及している。
[発明が解決しようとする課題] 上記光情報記録媒体の再生については、既に広く普及
したCDと互換性を有し、CDプレーヤで再生できることが
強く望まれる。
しかしながら、上記の光情報記録媒体は、CDには無い
記録層を有し、基板にではなく、記録層にピットを形成
して記録する手段がとられる。さらに、この記録層にピ
ットを形成するのを容易にするための空隙層等を有する
ことから、CD規格に規定する全厚(上表面から下表面ま
での厚みをいう。)に収めることが困難であり、レーザ
光の反射率、再生信号の変調度等の点で再生信号がCDと
異なってくる。このため、いわゆる上記CD規格を満足す
ることが困難であり、これまでCDプレーヤで再生可能な
光ディスクを提供することができなかった。
本発明は、上記従来の問題点を解消するためなされた
もので、その目的は、CD規格に適合することができる全
厚と再生信号の変調度が得られる光情報記録媒体を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] すなわち、上記目的を達成するため、本発明において
採用された手段の要旨は、透光性基板の上に直接または
他の層を介してレーザ光を吸収する光吸収層が設けら
れ、前記光吸収層の上に直接または他の層を介してレー
ザ光を反射する光反射層とが設けられ、透光性基板層か
らレーザ光を照射することによって光吸収層と隣接する
基板側の層が変形している光情報記録媒体において、基
板側の層の変形の変位Δdが10nm以上である光情報記録
媒体である。
この場合において、上記変形は、光吸収層側に凸状で
ある場合もあり、また凹状である場合もある。
さらに、これらの場合において、上記変形している部
分の光吸収層およびまたは光吸収層と隣接する基板側の
層に、局部的に光学特性が変わった光学特性変性部を有
していたり、変形している部分の光吸収層と同層に隣接
する他の層との界面部分に空隙が形成されていたり、変
形している部分の光吸収層に微細な気泡が分散していた
り、或は、変形している部分の光吸収層に隣接する基板
側の層に、光吸収層の分解成分が拡散して形成されてい
る場合がある。
[作用] 上記本発明の光情報記録媒体では、レーザ光を照射す
ることによって光吸収層と隣接する基板側の層が局部的
に変形しており、その変位Δdが10mm以上であることに
より、ピット部分とピット部分以外との間に位相差が生
じ、かつ、入射したレーザスポットが散乱され、レーザ
光の反射光量に大きな違いが生じる。そのため、再生信
号の変調度を大きくとることができる。
本発明において、変位Δdは、光吸収層とそれに隣接
する基板側の層との界面の記録前後の変位を表し、変形
部分の巾をトラッキングピッチに置き換えて換算した値
で表される。具体的には、第10図で示すように、変形部
分のトラッキングピッチ方向(光情報記録媒体の径方
向)の断面の巾を1、光吸収層とそれに隣接する基板側
との界面の非変形部分を基準とした変形部分の最大高さ
をdmax、トラッキングピッチを1trとした場合に、 Δd=dmax×1/1tr で表される。例えば、CD規格において、トラッキングピ
ッチ1trは1.5〜1.7μmである。
本発明者らは、上記変位Δdと再生信号の変調度の関
係について着目し、透光性基板上に光吸収層を形成し、
さらに反射層および保護層を設けた光情報記録媒体を用
いて実験およびシミュレーションを行った結果、変位Δ
dが10nm以上なければCD規格に規定する変調度を満足す
ることができないことが分かった。
変位Δdが10nmよりも小さいと、変形のみを要因とし
て得られる信号の変調度を十分にとることができず、信
号の変調度を高くするためには、著しい光学的特性の変
化等、他の要因が必要である。
さらに、変位Δdは、大きいほど高い変調度を得るの
に有利になる。その上限は規定することが困難である
が、少なくとも基板と光吸収層と反射層を有し、CD規格
に規定した範囲の全厚を有する光情報記録媒体の試作品
で確認された範囲においては、変位Δdが100nm以上の
変形をみることができなかった。
この場合において、ピット部分の基板側の変形は、光
吸収層またはその光吸収層側に凸状であることが望まし
いが、凹状である場合や、その複合の変形が一般にあり
得る。
さらに、ピット部分に上記のような変形に加えて、基
板側の層もしくは光吸収層に局部的に光学特性が変わっ
た光学特性変性部を有していたり、光吸収層と同層に隣
接する他の層との界面部分に空隙が形成されていたり、
ピットの部分の光吸収層に微細な気泡が分散していた
り、上記変形している部分の光吸収層に隣接する基板側
の層に、光吸収層の分解成分が拡散して形成されていた
りすると、これらによるレーザスポットの位相差、吸
収、散乱等の作用により、ピットの部分とピット以外の
部分とのレーザ光の反射光量により大きな違いが生じ、
再生信号の変調度をより大きくとることができる。
このように光吸収層に隣接する基板側の層を変形或は
変化させてピットを形成する光情報記録媒体では、光吸
収層の背後に密着して反射層を設けることができること
から、形態的にもCDに近似した層構造を有する光情報記
録媒体が得られる。特に、データを読みとる際の再生信
号、特に変調度がCD規格に適合する記録可能な光情報記
録媒体が容易に得られる [実 施 例] 次に、図面を参照しながら、本発明の実施例について
詳細に説明する。
本発明による光情報記録媒体の模式的な構造の例を、
第1図〜第3図に示す。同図において、1は、透光性を
有する基板、2は、その上に形成された光吸収層で、後
述するように、照射されたレーザ光を吸収して発熱する
と共に、融解、蒸発、昇華、変形または変性し、レーザ
スポットが照射された位置にピット5を形成するための
層である。第2図は、レーザ光による記録前の状態を、
第3図は、記録後の状態、すなわち、光学ピックアップ
8からレーザ光7を光吸収層2に収束して照射した時
に、透光性基板1の表面が一部変形及び/または変化
し、ピット5が形成された状態を模式的に示す。
たとえば、光吸収層2にレーザ光7を照射したとき、
その照射部分がレーザ光7を吸収して発熱すると共に、
同照射部分が融解、分解し、同時にこれに隣接する層も
軟化、融解する。このとき、光吸収層2がレーザ光を吸
収して熱発生して体積増加を伴わない変化を起こし、か
つ基板等の光吸収層に隣接する層に成形時の残留応力が
あると、基板等の光吸収層に隣接する層が光吸収層側に
変形する。
これに伴って、光吸収層2と隣接する層の表面に凸状
の変形部分6が形成される。こうした現象は、例えば、
光吸収層2と隣接する一方の層が金属層からなる光反射
層3であり、隣接する他方の層が樹脂層からなる透光性
基板1である場合には、主として透光性基板1側で起こ
り易いが、光吸収層2との界面側の変形は、光反射層3
側にも生じることがある。
透光性基板1は、レーザ光に対する透明度の高い材料
で、耐衝撃性に優れた主として樹脂により形成されたも
の、例えばポリカーボネート板、アクリル板、エポキシ
板等が用いられる。また、同基板1は、プレス成形手
段、たとえば射出成形によって成形されたものが望まし
い。
光吸収層2は、上記透光性基板1側から入射したレー
ザ光を吸収して発熱すると共に、融解、分解するもの
で、例えば、インドジカーボシアニン等のシアニン系色
素を、上記基板1の上またはその上に形成された他の層
を介してスピンコート法等により形成することにより形
成できるが、このような手段により形成されたものに限
られない。
反射層3は、反射率の高い金属膜により形成するのが
望ましく、例えば、金、銀、銅、アルミニウムあるいは
これらを含む合金膜等により形成される。
保護層4は、透光性基板1と同様の耐衝撃性に優れた
樹脂により形成され、最も一般的には紫外線硬化性樹脂
をスピンコート法により塗布し、これに紫外線を照射し
て硬化させることにより形成される。この他、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂、シリコーン系ハードコート樹脂等
が一般に使用される。
なお、変位Δdを大きくするための手段としては、光
吸収層よりも反射層側の層、たとえば保護層に基板側の
層よりも硬い物質を用いる、基板側の層に反射層側の層
よりも柔らかい物質を用いる、基板の成形密度を高くす
ること等が挙げられる。
なお、この発明による光情報記録媒体において、上記
光吸収層2の複素屈折率の実数部nabsとその膜厚dabs
と再生光の波長λとで与えられるρ=nabs dabs/λが
0.05≦ρ≦0.6であり、かつ上記複素屈折率の虚部kabs
が0.3以下であるのが望ましい。これは、上記再生光に
対する反射率を高くするためであり、上記の条件を満足
する光情報記録媒体は、高い反射率が得られ、反射率70
%以上というCD規格に定められた規格特性を十分確保で
きる。
第4図〜第8図にレーザ光を照射して形成された上述
のピット5の状態の例を模式的に示している。
第4図は、ピット5の部分において、レーザ光7のス
ポットを光吸収層2に照射する事により、光吸収層2と
隣接する基板1に変形6が生じた状態を模式的に示して
いる。
これをより具体的に説明すると、第4図(a)は、光
吸収層2にレーザスポットを照射したとき、同層2の成
分が融解、分解されると共に、透光性基板1の上記光吸
収層2との界面側が軟化し、変形6が形成された場合を
模式的に示している。この変形6の部分は、同時に、光
吸収層2の成分が透光性基板1を構成する材料と局部的
に混合し、部分的に化合することにより、光吸収層2や
透光性基板1と光学的特性が異なるようになった光学特
性変性部12が生じることがある。例えば、光吸収層2を
シアニン系色素で形成し、透光性基板1をポリカーボネ
ートにより形成した場合、上記光学特性変性部12の光学
的特性は、透光性基板1と若干異なった値となる。
ピット5を形成するため、そこの光吸収層2にレーザ
スポットを照射すると、その部分で光吸収層2を形成す
る成分が局部的に発熱し、融解、分解するため、光吸収
層2の光学特性も局部的に変化する場合が多い。さら
に、こうした現象に伴い、物理的には第4図(b)で示
すように、光吸収層2とこれに隣接する他の層、例えば
光反射層3との界面が剥離し、そこに空隙部10が形成さ
れたり、或は光吸収層2の中に気泡が発生し、これが冷
却後にも残存していることがある。
上記のような空隙10は、光吸収層2のレーザ光7の入
射する側に隣接する層、例えば基板1側が、光吸収層2
の背後側の層、例えば光反射層3及び保護層4側より比
較的熱変形しやすく、光吸収層2との結着性が、後者が
前者に比べて悪い場合に形成できる。すなわち、このよ
うな光情報記録媒体では、光吸収層2のレーザ光7を照
射したとき、既に述べたようにして光吸収層2にエネル
ギーが発生し、基板1が変形6されると同時に、光吸収
層2の中にガスが発生し、これによって結着性の悪い光
吸収層2とそれに隣接する光反射層3との界面が剥離
し、そこにガスが溜ることによって生じるものと考えら
れる。また、光吸収層2の内部で発生したガスは、気泡
11となって残存する。
第4図(c)と(d)は、透光性基板1側の変形6の
他の形状を示すもので、(c)は、凸状の変形6の頂部
が2つに割れた状態を示しており、(d)は、凹凸が交
互に繰り返される波状の変形6を示している。これらの
場合にも、上記のような空隙部10、気泡11、光学的変性
部12が形成されることがあり得る。
第8図は、透光性基板1の表面に形成されたトラッキ
ング手段であるところのプリグルーブ13に沿ってピット
5を形成するため、上記プリグルーブ13に沿って光吸収
層2にCD信号に変調されたレーザスポットを照射した
後、保護層4と光反射層3を透光性基板1から剥離し、
さらに同基板1の表面から光吸収層2を除去した状態を
模式的に示している。
さらに、STM(Scanning Tunneling Microscope)を用
いて、上記プリグルーブ13に沿う透光性基板1の表面の
状態を観察した例を、第9図に示す。同図では、チップ
(探針)14のプリグループ13に沿う方向、つまりトラッ
キング方向の移動距離を横軸にとり、透光性基板1の表
面の高度を縦軸にとって示してある。同図(a)は、ピ
ットの距離が10000オングストロームと比較的短い場合
であり、ここでは高さ約200オングストロームの凸状の
明瞭な変形6が形成されていることが理解できる。ま
た、同図(b)は、ピットの距離が40000オングストロ
ームと比較的長い場合であり、ここでは高さ約200オン
グストロームの凸状の変形6が認められるが、この変形
の中間部がやや低くなっており、変形6の峰が2つに分
かれていることが分かる。
第5図は、ピット5の部分における、光吸収層2と隣
接する透光性基板1の変形6が、光吸収層2に対し、凹
状に形成されている場合を模式的に示す。
第5図(a)は、光吸収層2と光反射層3との境界に
空隙10が形成された場合を示しており、空隙10は、基板
1の硬度が低く、光吸収層2がレーザによって与えられ
たエネルギにより体積膨張し、その後冷却されて光吸収
層2が収縮したときに、光吸収層2と反射層3との結着
力が、基板1と光吸収層2との結着力よりも弱い場合に
生じる。同図(b)は、上記空隙10が形成されるのと同
時に、光吸収層2がガス発生を伴って、光吸収層2の中
に微細な気泡11、11…が分散し、さらに変形6が形成さ
れた透光性基板1に、光吸収層2の分解成分が拡散し、
この成分と透光性基板1を構成する成分とが混合して、
部分的に化合し、光学特性変性部12が形成されている場
合を示している。さらに、同図(c)は、上記空隙10が
形成されるのと同時に、基板1と光吸収層2との間にも
空隙10′が形成された場合を示しており、こうした状態
は、光吸収層2と反射層3との結着力が、基板1と光吸
収層2との結着力と同等に極めて弱い場合に生じやす
い。
第6図は、ピット5における変形6、6′が、光吸収
層2に隣接する双方の層に及んでいる場合を示してい
る。こうしたピットは、光吸収層2を挟む両側の層、例
えば基板1と光反射層3及び保護層4との熱変形温度ま
たは硬度がともに小さく、かつほぼ同等である場合に形
成されることが多い。
第6図(a)では、上記ピット5において、基板1と
光吸収層2との結着力が弱いために、光吸収層2と基板
1との間に空隙10′が形成された場合を、同図(b)
は、光反射層3と光吸収層2および基板1と光吸収層2
の両方の結着力が弱いために、光吸収層2と隣接する基
板1及び光反射層3との間の双方に空隙部10、10′が形
成された場合を、同図(c)は、反射層3と光吸収層2
および基板1と光吸収層2の両方の結着力が強く、光吸
収層2が膨脹する際にガス発生を伴い、かつ光吸収層2
の中に微細な気泡11、11…が分散している場合を各々示
している。第6図(d)には、光吸収層が熱収縮性であ
り、反射層3および基板1の両方の硬度が低く、かつ結
着力が強いために、透光性基板1と光反射層3側の変形
6、6′が、何れも光吸収層2側に向かって凸状に形成
されている状態を示している。
さらに第7図は、光吸収層2に対して、レーザ光7が
入射される側の層に、ピット5の部分において他の部分
と光学的特性の変わった光学特性変性部13を有する場合
である。この変性部13は、必ずレーザ光7の入射側にあ
り、これが光吸収層2の内部に及ぶことが多い。この場
合、光吸収層2に隣接する層の変形6がみられることが
あるが、光学特性変性部13の存在により、変形が不明瞭
であるのが一般的である。
第7図(a)は、光吸収層2が熱により分解、変性
し、光吸収層2に隣接する、例えば基板1の部分に光学
特性変性部13が形成された状態を示し、同図(b)は、
光吸収層2の分解、変性が不完全なために、上記基板1
から光吸収層2に至って、その厚み方向に光学特性が漸
次変化する状態を示している。
こうした各層の変性は、光吸収層2にレーザ光7が照
射されたときに発生する熱の作用により、光吸収層2や
他の層が分解、反応、相互拡散することにより形成され
る。従って、このようなピット5は、光吸収層2とこれ
に隣接する層とに、こうした作用を有する材料を選択し
たときに形成される。
さらに、本発明の具体的な実施例について、以下に説
明する。
(実施例1) 表面に幅0.8μm、深さ0.08μm、ピット1.6μmのス
パイラル状のプリグループ8が形成された厚さ1.2mm、
外径120mmφ、内径15mmφのポリカーボネート基板1を
射出成形法により成形した。このポリカーボネート基板
1のロックウェル硬度ASTM D785はM75(鉛筆硬度HBと
同等)であり、熱変形温度ASTM D648は4.6kg/cm2121℃
であった。
光吸収層2を形成するための有機色素として、0.65g
の1,1′ジブチル3,3,3′,3′テトラメチル4,5,4′,5′
ジベンゾインドジカーボシアニンパークロレート(日本
感光色素研究所製、品番NK3219)を、ジアセトンアルコ
ール溶剤10ccに溶解し、これを上記の基板1の表面に、
スピンコート法により塗布し、膜厚130nmの光吸収層2
を形成した。
次に、このディスクの直径45〜118mmφの領域の全面
にスパッタリング法により、膜厚80nmのAu膜を成膜し、
反射層3を形成した。さらに、この反射層3の上に紫外
線硬化性樹脂をスピンコートし、これに紫外線を照射し
て硬化させ、膜厚10μmの保護層4を形成した。この保
護層4の硬化後のロックウェル硬度ASTM D785はM90で
あり、熱変形温度ASTM D648は4.6kg/cm2135℃であっ
た。
こうして得られた光ディスクに、波長780mmの半導体
レーザを線速1.2m/sec、記録パワー6.0mWで照射し、EFM
信号を記録した。その後、この光ディスクを、市販のCD
プレーヤ(Aurex XR−V73、再生光の波長λ=780nm)
で再生したところ、半導体レーザの反射率が72%、I 11
/Itopが0.68、I 3/Itopが0.35、ブロックエラーレートB
LERが1.2×10-2であった。
CD規格では、反射率が70%以上、I 11/Itopが0.6以
上、I 3/Itopが0.3〜0.7、ブロックエラーレートBLERが
3×10-2以下と定められており、この実施例による光デ
ィスクは、この規格を満足している。
さらにこの記録後の光ディスクの上記保護層4と光反
射層3とを剥離し、光吸収層2を溶剤で洗浄、除去し
て、透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、ピットの部分に凸状の変
形が見られた。さらに、基板1の記録部分と未記録部分
の分光々度計で測定したところ、記録部分では未記録部
分で見られた樹脂のピーク以外にピークが見られた。
この場合において、さらにSTMにてピット部分の凸状
の変形の高さ及びグルーブ形状を測定し、ピットの変位
Δdを求めたところ、11nmであった。
(実施例2) 上記実施例1において、光吸収層2と光反射層3との
間に、エポキシ樹脂をスピンコートし、膜厚100nmの硬
質層を設けたこと以外は、上記実施例1と同様にして、
光ディスクを製作した。なお、このエポキシ樹脂硬化後
のロックウェル硬度ASTM D785はM90であり、熱変形温
度ASTM D648は4.6kg/cm2135℃であった。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にしてEFM信号を記録し、その後、この光ディスクを、
市販のCDプレーヤで再生したところ、上記実施例1と同
様の半導体レーザの反射率、再生信号出力特性が得ら
れ、さらにブロックエラーレートBLERは3.0×10-3であ
った。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、凸状の変形部分6が認め
られた。この変形部分6の中間はやや低くなっており、
変形の峰が2つに分かれていることが確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、15nmであった。
(実施例3) 上記実施例1において、光吸収層2と光反射層3との
間であって、光吸収層2の上面に形成するエポキシ樹脂
に代えて膜厚100nmのシリコンアクリル樹脂の硬質層を
設け、この硬質層の上面にエポキシ樹脂からなる20nmの
結着層をそれぞれスピンコート法により形成したこと以
外は、上記実施例1と同様にして、光ディスクを製作し
た。なお、シリコンアクリル樹脂層の硬化後のロックウ
ェル硬度ASTM D785はM100であり、熱変形温度ASTM D6
48は4.6kg/cm2100℃であった。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にして記録パワー7.0mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例1と同じCDプレーヤ(Aurex
XR−V73、再生光の波長780nmで再生したところ、半導
体レーザの反射率が75%、I 11/Itopが0.63、I 3/Itop
が0.35、ブロックエラーレートBLERが2.5×10-3であっ
た。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、12nmであった。
(実施例4) 上記実施例1において、光吸収層2の上に、光反射層
3として金とアンチモンとの9:1の割合の合金膜を真空
蒸着法で形成したこと、及びこの反射層3の上に、エポ
キシ樹脂からなる20nmの結着層を介して紫外線硬化樹脂
からなる保護層4を形成したこと以外は、上記実施例1
と同様にして、光ディスクを製作した。なお、上記光反
射層3は、鉛筆硬度として「H」以上の硬度を有する。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にして記録パワー6.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例1と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が72%、I 11/Itopが
0.62、I 3/Itopが0.32、ブロックエラーレートBLERが3.
5×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、11nmであった。
(実施例5) 上記実施例1において、ポリカーボネート基板1の光
入射側上に紫外線硬化型ハードコート樹脂をスピンコー
トし、厚さ1μmの基板保護層を設け、プリグルーブを
設けた面上に光吸収層2を形成したこと、及びこの光吸
収層2の上に、光反射層3としてイリジウムと金との3:
1の割合の合金膜をスパッタリング法により形成したこ
と以外は、上記実施例1と同様にして、光ディスクを製
作した。なお、上記光反射層3は、鉛筆硬度として「5
H」以上の硬度を有する。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にしてEFM信号を記録し、その後、この光ディスクを、
上記実施例1と同じCDプレーヤで再生したところ、半導
体レーザの反射率が70%、I 11/Itopが0.62、I 3/Itop
が0.37、ブロックエラーレートBLERが3.7×10-3であっ
た。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、11nmであった。
(実施例6) 上記実施例1において、光反射層3を厚さ60nmの銀膜
で形成したこと、その上にシリコーン系ハードコート剤
をスピンコートし、これを加熱、硬化させて厚み3μm
の硬質保護層4を形成した以外は、上記実施例1と同様
にして、光ディスクを製作した。なお、上記保護層4
は、鉛筆硬度として「HB」以上の硬度を有する。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にしてEFM信号を記録し、その後、この光ディスクを、
実施例1と同じCDプレーヤで再生したところ、半導体レ
ーザの反射率が71%、I 11/Itopが0.63、I 3/Itopが0.3
5、ブロックエラーレートBLERが2.8×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、10nmであった。
(実施例7) 上記実施例1において、膜厚50nmのAu膜を真空蒸着し
た光反射層3の上に、ジグリシジルエーテルで希釈した
ポリサルファイド添加エポキシ樹脂をスピンコートして
形成された30nmの結着層を介してシリコーン系ハードコ
ート剤をスピンコートし、これを加熱、硬化させて厚み
3μmの硬質保護層4を形成した以外は、上記実施例1
と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にしてEFM信号を記録し、その後、この光ディスクを、
実施例1と同じCDプレーヤで再生したところ、半導体レ
ーザの反射率が72%、I 11/Itopが0.65、I 3/Itopが0.3
5、ブロックエラーレートBLERが2.5×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、11nmであった。
(実施例8) 上記実施例1において、1、1′ジブチル3、3、
3′、3′テトラメチル5、5′ジエトキシインドジカ
ーボンアニンアイオダイドを用いて光吸収層2を形成し
たこと、光反射層3の上にエポキシ樹脂からなる100nm
の硬質層を形成し、さらにこの上に紫外線硬化樹脂を10
μm設けて、保護層4を形成した以外は、上記実施例1
と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にしてEFM信号を記録し、その後、この光ディスクを、
実施例1と同じCDプレーヤで再生したところ、半導体レ
ーザの反射率が74%、I 11/Itopが0.68、I 3/Itopが0.3
4、ブロックエラーレートBLERが8.3×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、14nmであった。
(実施例9) 上記実施例1において、ポリカーボネート基板1の光
入射側上に紫外線硬化型ハードコート樹脂をスピンコー
トし、厚さ1μmの基板保護層を設けたこと以外は、上
記実施例1と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にしてEFM信号を記録し、その後、この光ディスクを、
上記実施例1と同じCDプレーヤで再生したところ、半導
体レーザの反射率が70%、I 11/Itopが0.62、I 3/Itop
が0.37、ブロックエラーレートBLERが1.3×10-2であっ
た。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、10nmであった。
(実施例10) 上記実施例1において、光吸収層2と反射層3との間
に、シクロヘキサンに溶解したポリブタジエン樹脂をス
ピンコートし、厚さ10nmのポリブタジエン樹脂層を設け
たこと以外は、上記実施例1と同様にして、光ディスク
を製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例1と同様
にしてEFM信号を記録し、その後、この光ディスクを、
上記実施例1と同じCDプレーヤで再生したところ、半導
体レーザの反射率が72%、I 11/Itopが0.65、I 3/Itop
が0.35、ブロックエラーレートBLERが8.6×10-3であっ
た。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、10nmであった。
(実施例11) 上記実施例1において使用したのと同じポリカーボネ
ート基板1の表面にジイソブチルケトンで溶解したアク
リル樹脂をスピンコートし、厚み40nmの樹脂層(図示せ
ず)を形成した。この樹脂層のロックウェル硬度ASTM
D785はM85であり、熱変形温度ASTM D648は4.6kg/cm210
0℃であった。
光吸収層2を形成するための有機色素として、0.6gの
1,1′ジプロピル,3,3,3′,3′テトラメチル5,5′ジメト
キシインドジカーボシアニンアイオダイドを、イソプロ
ピルアルコール溶剤10ccに溶解し、これを上記の基板1
の表面に、スピンコート法により塗布し、膜厚120nmの
光吸収層2を形成した。この光吸収層2の複素屈折率の
実数部nabsとその膜厚dabsと再生光の波長λとで与え
られるρ=nabs dabs/λは0.41であり、かつ上記複素
屈折率の虚部kabsは0.02であった。
次に、この上にシクロヘキサンに溶解したシリコンア
クリル樹脂をスピンコートし、厚さ100nmの硬質層を形
成した。この硬質層は鉛筆硬度2H、熱変形温度ASTM D6
48は4.6kg/cm2120℃であった。硬質層の上にスパッタリ
ング法により、膜厚50nmのAu膜を成膜し、反射層3を形
成した。さらに、この反射層3の上に紫外線硬化性樹脂
をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬化させ、
膜厚10μmの保護層4を形成した。この保護層4の硬化
後のロックウェル硬度ASTM D785はM90であり、熱変形
温度ASTM D648は4.6kg/cm2135℃であった。
こうして得られた光ディスクに、波長780nmの半導体
レーザを線速1.2m/sec、記録パワー7.5mWで照射し、EFM
信号を記録した。その後、この光ディスクを、実施例1
と同じCDプレーヤで再生したところ、半導体レーザの反
射率が74%、I 11/Itopが0.62、I 3/Itopが0.31、ブロ
ックエラーレートBLERが4.0×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、11nmであった。
(実施例12) 上記実施例11において、樹脂層の上に、シリコンコー
ト剤をスピンコートして、厚み0.01μmのシリケート層
を設け、その上に光吸収層2を形成したこと以外は、上
記実施例11と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.8mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が73%、I 11/Itopが
0.62、I 3/Itopが0.31、ブロックエラーレートBLERが3.
4×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、11nmであった。
(実施例13) 上記実施例11において、基板1としてガラス基板を用
いたこと、及び反射層の上に、トルエンとメチルエチル
ケトンの1:1の溶剤で溶解したイソシアネート樹脂をス
ピンコート法にて形成された厚さ20nmの結着層を形成し
たこと以外は、上記実施例11と同様にして、光ディスク
を製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が72%、I 11/Itopが
0.65、I 3/Itopが0.33、ブロックエラーレートBLERが3.
6×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、14nmであった。
(実施例14) 上記実施例11において、樹脂層の上に、シリコンコー
ト剤をスピンコートして、厚み0.01μmのシリケート層
を設け、その上に光吸収層2を形成したこと、及び光反
射層3の上に、ポリブタジエンをスピンコート法にて形
成した厚さ20nmの結着層を形成したこと以外は、上記実
施例11と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が72%、I 11/Itopが
0.66、I 3/Itopが0.35、ブロックエラーレートBLERが3.
5×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、15nmであった。
(実施例15) 上記実施例11において、樹脂層の厚みを20nmとしたこ
と、シリコンアクリル樹脂層を設けないこと及び反射層
3としてイリジウムと金との1:9の割合の合金膜をスパ
ッタリング法により形成したこと以外は、上記実施例11
と同様にして、光ディスクを製作した。なお、前記合金
膜の鉛筆硬度は2Hであった。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.0mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が71%、I 11/Itopが
0.63、I 3/Itopが0.32、ブロックエラーレートBLERが3.
3×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、10nmであった。
(実施例16) 上記実施例11において、樹脂層の上に、シリコンコー
ト剤をスピンコートして、厚み0.01μmのシリケート層
を設け、その上に光吸収層2を形成したこと、シリコン
アクリル樹脂層を設けないこと及び反射層3としてイリ
ジウムと金との1:9の割合の合金膜をスパッタリング法
により形成したこと以外は、上記実施例11と同様にし
て、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.8mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が71%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.32、ブロックエラーレートBLERが2.
8×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、13nmであった。
(実施例17) 上記実施例11において、シリコンアクリル樹脂層を設
けないこと及び反射層3としてイリジウムと金との1:9
の割合の合金膜をスパッタリング法により形成したこ
と、及び光反射層の上に、ポリイソプレンとスピンコー
トして、厚さ20nmの結着層を形成し、この上に紫外線硬
化性樹脂製の保護層4を形成したこと以外は、上記実施
例11と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.4mWにてEFM信号を記録し、その後、
その光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が72%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.32、ブロックエラーレートBLERが4.
1×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、13nmであった。
(実施例18) 上記実施例11において、シリコンアクリル樹脂層を設
けないこと及び反射層3として厚さ50nmの銅膜を形成し
たこと、及び保護層4としてジグリシジルエーテル溶剤
に希釈したビスフェノール硬化型エポキシ樹脂をスピン
コートして厚さ5μmのエポキシ樹脂層を形成したこと
以外は、上記実施例11と同様にして、光ディスクを製作
した。なお、上記保護層はロックウェル硬度ASTM D785
がM110であることから硬質層としての機能を有する。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.0mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が75%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.33、ブロックエラーレートBLERが2.
9×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、13nmであった。
(実施例19) 上記実施例11において、樹脂層の上に、シリコンコー
ト剤をスピンコートして、厚み0.01μmのシリケート層
を設け、その上に光吸収層2を形成したこと、シリコン
アクリル樹脂層を設けないこと及び反射層3として厚さ
50nmの銅膜を形成したこと、及び保護層4としてジグリ
シジルエーテル溶剤に希釈したビスフェノール硬化型エ
ポキシ樹脂をスピンコートして厚さ5μmのエポキシ樹
脂層を形成したこと以外は、上記実施例11と同様にし
て、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.0mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が74%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.33、ブロックエラーレートBLERが3.
5×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、13nmであった。
(実施例20) 上記実施例11において、アクリル樹脂に発砲剤を混入
し、シリコンアクリル樹脂層を設けないこと及び反射層
3として厚さ50nmの銅膜を真空蒸着法で形成したこと、
反射層の上に、トルエンとメチルエチルケトンの6:4の
溶剤で溶解したポリ酢酸ビニル樹脂をスピンコートて形
成した厚さ20nmの結着層を介して保護層4を形成したこ
と、及び保護層4としてジグリシジルエーテル溶剤に希
釈したビスフェノール硬化型エポキシ樹脂をスピンコー
トして厚さ5μmのエポキシ樹脂層を形成したこと以外
は、上記実施例11と同様にして、光ディスクを製作し
た。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例11と同様
にして記録パワー7.4mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例11と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が74%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.33、ブロックエラーレートBLERが3.
6×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、13nmであった。
(実施例21) 表面に幅0.8μm、深さ0.08μm、ピッチ1.6μmのス
パイラル状のプリグルーブ8が形成された厚さ1.2mm、
外径120mmφ、内径15mmφのポリカーボネート基板1を
射出成形した。光吸収層2を形成するための有機色素と
して、0.5gの1,1′,ジプロピル3,3,3′,3′テトラメチ
ル5,5′ジエトキシインドジカーボシアニンパークロレ
ートを、イソプロピルアルコール溶剤10ccに溶解し、こ
れを上記の基板1の表面に、スピンコート法により塗布
し、膜厚100nmの光吸収層2を形成した。さらに、この
光吸収層2上にSiO2膜を40nmの厚みにスパッタリング法
で成膜した。
次に、このディスクの直径45〜118mmφの領域の全面
にスパッタリング法により、膜厚50nmのAu膜を成膜し、
反射層3を形成した。さらに、この反射層3の上にメチ
ルエチルケトンで溶解したウレタン樹脂を100nmの厚み
にスピンコートし、緩衝層を形成し、この上に紫外線硬
化性樹脂をスピンコートし、これに紫外線を照射して硬
化させ、膜厚10μmの保護層4を形成した。
こうして得られた光ディスクに、波長780nmの半導体
レーザを線速1.2m/sec、記録パワー6.8mWで照射し、EFM
信号を記録した。その後、この光ディスクを、市販のCD
プレーヤ(Aurex XR−V73、再生光の波長λ=780nm)
で再生したところ、半導体レーザの反射率が77%、I 11
/Itopが0.66、I 3/Itopが0.36、ブロックエラーレートB
LERが3.5×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例2と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、15nmであった。
(実施例22) 上記実施例21において、SiO2膜をLPD法により形成し
たこと、及び光吸収層2を形成する際のコーティング剤
の溶剤としてジオキサン溶剤を用いたこと以外は、上記
実施例21と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー7.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が77%、I 11/Itopが
0.66、I 3/Itopが0.35、ブロックエラーレートBLERが4.
0×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、15nmであった。
(実施例23) 上記実施例21において、SiO2膜に代えて、ジグリシジ
ルエーテルに溶解したエポキシ樹脂をスピンコートし
て、厚さ100nmのエポキシ樹脂層を形成したこと、反射
層3として金とチタンの9:1の割合による合金薄膜層を
形成したこと、及び光吸収層2と反射層3との間に、シ
クロヘキサンに溶解したポリブタジエン樹脂をスピンコ
ートし、厚さ120nmのポリブタジエン樹脂層を設けたこ
と以外は、上記実施例21と同様にして、光ディスクを製
作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー7.0mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が74%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.33、ブロックエラーレートBLERが2.
5×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、13nmであった。
(実施例24) 上記実施例21において、SiO2膜に代えて、ジグリシジ
ルエーテルに溶解したエポキシ樹脂をスピンコートし
て、厚さ100nmのエポキシ樹脂層を形成したこと、反射
層3として金とチタンの9:1の割合による合金薄膜層を
形成したこと、光吸収層2と反射層3との間に、シクロ
ヘキサンに溶解したポリブタジエン樹脂をスピンコート
し、厚さ120nmのポリブタジエン樹脂層を設けたこと、
及び光反射層と保護層4との結着性を高めるため、その
間にビスフェノール硬化型エポキシ樹脂を20nmの厚みに
スピンコートしたこと以外は、上記実施例21と同様にし
て、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー7.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が74%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.33、ブロックエラーレートBLERが3.
0×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、13nmであった。
(実施例25) 上記実施例21において、SiO2膜に代えて、ジグリシジ
ルエーテルに溶解したエポキシ樹脂をスピンコートし
て、厚さ100nmのエポキシ樹脂層を形成したこと、この
エポキシ樹脂層と反射層3との間に、シクロヘキサンに
溶解したポリブタジエン樹脂をスピンコートし、厚さ12
0nmのポリブタジエン樹脂層を設けたこと、及び保護層
の膜厚を5μmとしたこと以外は、上記実施例21と同様
にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー7.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が74%、I 11/Itopが
0.64、I 3/Itopが0.32、ブロックエラーレートBLERが3.
3×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、11nmであった。
(実施例26) 上記実施例21において、SiO2膜を形成しないこと、光
吸収層2と反射層3との間に、シクロヘキサンに溶解し
たポリブタジエン樹脂をスピンコートし、厚さ120nmの
ポリブタジエン樹脂層を設けたこと、反射層と保護層4
との結着性を高めるため、その間にビスフェノール硬化
型エポキシ樹脂を20nmの厚みにスピンコートしたこと、
及び保護層の膜厚を5μmとしたこと以外は、上記実施
例21と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー7.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が74%、I 11/Itopが
0.63、I 3/Itopが0.32、ブロックエラーレートBLERが2.
8×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、10nmであった。
(実施例27) 上記実施例21において、上記SiO2膜を形成しないこと
以外は、上記実施例21と同様にして、光ディスクを製作
した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー7.2mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が77%、I 11/Itopが
0.66、I 3/Itopが0.35、ブロックエラーレートBLERが1.
0×10-2であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、12nmであった。
(実施例28) 上記実施例1において、巾0.4μm、深さ0.13μm、
ピッチ1.6μmのスパイラル状のプリグループが形成さ
れたポリカーボネート基板を用いたことと以外は、上記
実施例1と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー6.8mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が73.5%、I 11/Itop
が0.78、I 3/Itopが0.45、ブロックエラーレートBLERが
2.0×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、25nmであった。
(実施例29) 上記実施例2において、巾0.4μm、深さ0.18μm、
ピッチ1.6μmのスパイラル状のプリグループが形成さ
れたポリカーボネート基板を用いたことこと以外は、上
記実施例2と同様にして、光ディスクを製作した。
こうして得られた光ディスクに、上記実施例21と同様
にして記録パワー6.8mWにてEFM信号を記録し、その後、
この光ディスクを、実施例21と同じCDプレーヤで再生し
たところ、半導体レーザの反射率が77.5%、I 11/Itop
が0.65、I 3/Itopが0.40、ブロックエラーレートBLERが
5.2×10-3であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
また、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求め
たところ、28nmであった。
なお、上述の実施例1〜29において得られた光ディス
クの全厚は、何れも1.2mmであった。
(比較例1) 上記実施例1において、プリグルーブ8の幅を0.4μ
mとしたこと以外は、同実施例1と同様の光ディスクを
使用し、上記実施例1と同様にして記録パワー4.2mWに
てEFM信号を記録した。その後、この光ディスクを、実
施例1と同じCDプレーヤで再生したところ、半導体レー
ザの反射率が72%、I 11/Itopが0.52、I 3/Itopが0.2
7、ブロックエラーレートBLERが5.0×10-2であった。
また、上記実施例1と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
しかし、実施例1と同様にしてピットの変位Δdを求
めたところ、6nmであった。
(比較例2) 上記実施例21において、プリグルーブ8の幅を0.6μ
mとしたこと以外は、同実施例21と同様の光ディスクを
使用し、上記実施例21と同様にして記録パワー2mWにてE
FM信号を記録した。その後、この光ディスクを、実施例
21と同じCDプレーヤで再生したところ、半導体レーザの
反射率が77%、I 11/Itopが0.58、I 3/Itopが0.29、ブ
ロックエラーレートBLERが5.0×10-1であった。
また、上記実施例21と同様にして、記録後の光ディス
クの透光性基板1の表面をSTM(Scanning Tunneling Mi
croscope)で観察したところ、実施例1と同様の状態が
確認された。
しかし、実施例21と同様にしてピットの変位Δdを求
めたところ、9nmであった。
(実施例と比較例のまとめ) 以上の実施例1〜29及び比較例1、2について、ピッ
トの変位Δd、変形部分の幅1、トラッキングピッチ1t
r、変形部分の頂点の高さdmax、プリグループ8の幅及
びその深さをまとめたのが表1である。
上記実施例1〜29及び比較例1、2の光ディスクのト
ラッキングピッチ1trは、何れも1.6μmであり、いわゆ
るCD規格に準じている。
そのうち、実施例1〜27の光ディスクでは、変形部分
の幅1が何れも0.8μm、変形部分の頂点の高さdmaxが2
0〜30nmであり、Δdは何れも10nm以上である。そし
て、記録後の光ディスクは、I 11/Itopが0.6以上、I 3/
Itopが0.3〜0.7というCD規格をそれぞれ満足している。
これに対し、比較例1と2の光ディスクは、変形部分
の頂点の高さdmaxが24nmと、実施例1〜27と同等である
が、変形部分の幅1がそれぞれ0.4μm、0.6μmと実施
例1〜27に比べて小さいために、Δdは10nmに満たな
い。そして、記録後の光ディスクは、I 11/Itopが0.6以
上、I 3/Itopが0.3〜0.7というCD規格を満足していな
い。
なお、実施例28と29は、変形部分の幅1がそれぞれ0.
4μmと実施例1〜27に比べて小さいが、変形部分の頂
点の高さdmaxが100nm以上と大きいために、Δdは20nm
以上となっている。実施例1〜27と同様に、実施例28及
び実施例29の記録後の光ディスクも、I 11/Itopが0.6以
上、I 3/Itopが0.3〜0.7というCD規格をそれぞれ満足し
ている。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明の光情報記録媒体によれ
ば、変調度の高い再生信号が得られるピットが形成でき
る。これにより、CD規格に適合した光情報記録媒体が容
易に得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、光情報記録媒体の構造の一例を示す模式半断
面斜視図、第2図は、第1図の光情報記録媒体の光記録
前のトラックに沿って断面した部分拡大図、第3図は、
第1図の光情報記録媒体の光記録後のトラックに沿って
断面した部分拡大図、第4図〜第7図は、光情報記録媒
体ピットの各例を示すためトラックに沿って断面した要
部断面拡大図、第8図は、記録後の光情報記録媒体の透
光性基板の表面を示す要部拡大斜視図、第9図は、上記
透光性基板の表面をSTM(Scanning Tunneling Microsco
pe)で観察したときのチップのトラッキング方向に沿う
移動距離と高度の関係を示すグラフの例、第10図は、ピ
ットの寸法関係を示すトラックと直交する方向に沿う要
部断面拡大図である。 1……基板、2……光吸収層、3……光反射層、4……
保護層、5……ピット、6、6′……変形部分、10、1
0′……空隙部、11……微細な気泡、12、13……光学特
性変性部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石黒 隆 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−189851(JP,A) 特開 昭61−130094(JP,A) 特開 平1−151082(JP,A) 特開 昭63−298837(JP,A) 特開 平2−132654(JP,A) 特開 平2−139732(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板の上に直接または他の層を介し
    てレーザ光を吸収する光吸収層が設けられ、前記光吸収
    層の上に直接または他の層を介してレーザ光を反射する
    光反射層とが設けられた光情報記録媒体において、透光
    性基板側からレーザ光を照射することによって光吸収層
    と隣接する基板側の層が変形しており、その変形部分の
    トラッキングピッチ方向の断面の巾を1、光吸収層とそ
    れに隣接する基板側との界面の非変形部分を基準とした
    変形部分の最大高さをdmax、トラッキングピッチを1tr
    としたときに、Δd=dmax×1/1trで表される変位Δd
    が10nm以上であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、上記光吸
    収層と隣接する基板側の層の変形が、光吸収層側に凸状
    の変形である光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、上記光吸
    収層と隣接する基板側の層の変形が、光吸収層側に凹状
    の変形である光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項〜第3項の何れかに
    おいて、上記変形している部分の光吸収層およびまたは
    光吸収層と隣接する基板側の層に、局部的に光学特性が
    変わった光学特性変性部を有する光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項〜第4項の何れかに
    おいて、上記変形している部分の光吸収層と同層に隣接
    する他の層との界面部分に空隙が形成されている光情報
    記録媒体。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項〜第5項の何れかに
    おいて、上記変形している部分の光吸収層に微細な気泡
    が分散している光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項〜第6項の何れかに
    おいて、上記変形している部分の光吸収層に隣接する基
    板側の層に、光吸収層の分解成分が拡散して形成されて
    いる光情報記録媒体。
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