JP3395104B2 - 記録再生可能な光記録媒体及び光記録方法 - Google Patents

記録再生可能な光記録媒体及び光記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録再生可能な光記
録媒体及びその光記録方法に関し、特に金属または非金
属記録層を有する記録再生可能なコンパクトディスク
(CD)及びその媒体への光記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は既存の磁気記録媒体に比べ
て記録単位当りの記録面積が小さいので、高密度用の記
録媒体として多用されている。このような光記録媒体は
機能により、記録された情報の再生のみが可能な読み出
し専用方式(Read Only Memory:ROM)と、1回に限
って記録可能な追記方式(Write Once Read Many:WO
RM)と、記録後消去及び再記録可能な消去可能方式(E
rasable Programmable Read Only Memory:EPROM)
とに分類される。このような光記録媒体は、記録された
情報が記録再生器から再生可能な特性が要求されてい
る。このため、既存の標準化規定を満足する必要があ
り、70%以上の反射率と47dBのCNR(Carriert
o Noise Ratio )が要求される。
【0003】記録可能な光記録媒体では、記録前と記録
後の記録層の物理的な変形や位相の変化や磁気的性質の
変化等による反射率の変化で記録を再生する。CDと互
換可能な記録媒体では、上述した高反射率とCNR特性
以外にも記録の長期保存性及び高い記録感度が要求され
る。このように、光記録媒体の特性を向上させ、媒体を
容易に作するために多様な材料を用いて様々な光記録
媒体が提案され一部は実用化されている。
【0004】特開昭63ー268142号によれば、図
8に示すように、記録媒体は、基板1上にゼラチン、カ
ゼインまたはPVA等よりなる増感層2と、この上にC
r、Ni、Au等の金属薄膜3が50〜500オングストロ
ームの厚さで形成されている構造を有する。このような
記録媒体の場合、レーザービームを用いる光記録時、金
属薄膜3が光を吸収して増感層2と金属薄膜3が変形さ
れることにより記録ピットが形成される。しかしなが
ら、このような構造の媒体は記録ピットが露出されてい
るので記録の長期的保存が難しい。
【0005】米国特許4,973,520号によれば、
図9に示すように、基板1a上に3層構造の金属薄膜2
aを形成することにより50dB以上の良好な記録特性が
得られる技術が提案されている。しかしながら、これも
レーザー照射により金属薄膜に記録ピットが形成される
が、記録ピットが外部に露出しているので記録保存性が
劣る短所がある。
【0006】以上のような欠点を解決するために米国特
許4,983,440号には、図10に示すように、基
板1b上に金属薄膜2b、2b’を2層の記録層2aと
し、記録層2aを保護するため、その上に保護層4を形
成する技術が提案されている。この技術による記録媒体
は、反射層がないため反射率が20%以下と低く、既存
のCD互換型で使用できないだけでなく、非互換的な媒
体として実用化されるためにはドライブに高出力の光源
を使用する必要がある等の問題がある。
【0007】また、米国特許5,039,558号によ
れば、図11に示すように、金属薄膜2c、2c’と保
護層4c、4c’が積層された2枚の基板1c、1c’
を接着層5で接着して記録ピットの安定性を向上させて
いる。しかし、この方式では金属薄膜が反射層と光吸収
層の役割を同時に行えないので、原理的に反射率が70
%にも及ばない問題がある。
【0008】また、米国特許5,328,813号によ
れば、基板上に金属薄膜を記録層として備え、その上に
固い金属酸化物層を形成して記録保存性を高め、反射率
を40〜60%に向上させているが、CNRが低い問題
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、米国特許4,9
90,388及び5,155,723号には、図12に
示すように、基板1d上に記録層を有機色素層6で形成
し、その上に反射層7と保護層4dを形成する技術が提
案されている。この媒体では、記録時色素層6で記録レ
ーザー光を吸収発熱して、基板を加熱変形させ、変形部
位の記録前後の反射率の変化で情報の認識ができ、70
%以上の反射率と記録後のCNRが47dB以上の条件
下でCDとの互換が可能になった。
【0010】しかしながら、このようなディスクの記録
層は耐熱性及び耐光性が弱く特に価格の高い有機色素を
使用する短所を有している。また、色素を有機溶媒に溶
かした状態でこれをスピンコーティング法で基板に積層
すべきであるが、コーティング層の厚さの偏差により反
射率が大きく変化するので±3%内の偏差でコーティン
グ層の厚さを制御しうる高価な設備が要求され、精密な
厚さの制御により生産性が劣る問題がある。
【0011】そこで、本発明は、CDと互換性があり、
安価で生産性の高い記録/再生可能な光記録媒体及びそ
の光記録方法を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、高い反射率と記録信号を
有し、記録の安定性が向上された記録/再生可能な光記
録媒体及びその光記録方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【発明を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の光記録媒体は、案内溝が形成された基板
と、この基板上に形成される金属薄膜と、この金属薄膜
上に備えられる反射層と、金属薄膜と反射層との間に形
成される変形可能な緩衝層とを備える。
【0014】また、本発明の光媒体への光記録方法は、
変形が起こるピットを形成する光記録媒体への光記録方
法であって、予め形成された所定の溝を有する基板上に
金属薄膜を形成する工程と、金属薄膜上に緩衝層を形成
する工程と、基板と前記金属薄膜と前記緩衝層の内少な
くとも1つ以上に変形が起きるように、前記基板と前記
緩衝層の間に位置する前記金属薄膜をレーザービームで
加熱する工程とを備える。ここで、ピットとはレーザー
ビームによる変形部位を意味する。光学的に記録/読出
し可能なピットは、一般的に全ての種類の光学的に記録
及び検索可能な表示を含む。また、基板と金属薄膜と緩
衝層の変形部位は残りの部分とは光学的に異なる特性を
有している。
【0015】金属薄膜への光記録方法は、緩衝層に照射
されたレーザビームの熱エネルギーを吸収できる色素を
含み、緩衝層がレーザビームにより直接加熱される工程
を更に備える。金属皮膜には、記録時基板上に光をガイ
ドする溝が形成されることが望ましい。
【0016】また、複屈折率係数の虚数部のk値が0.
01以上の金属を金属薄膜の原料として用い、金属薄膜
の厚さを30〜500オングストロームの範囲とし、特
に、Au、Al、Ag、Pt、Cu、Cr、Ni、Ti、Ta、Fe及びその
合金の中から選択された少なくとも何れか1つよりなる
ことが望ましい。
【0017】また、緩衝層の厚さは50〜10000オ
ングストロームの範囲とし、そのガラス転移温度は60
〜180℃の範囲とすることが望ましい。更に、特性の
向上のため、緩衝層の有機材料に対して有機色素を30
%未満添加することができる。 反射層は、Au、Al、A
g、Pt、Cu、Cr、Ni、Ti、Ta、Fe及びその合金の中から
選択された少なくとも何れか1つよりなることが望まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づき本発明
を更に詳しく説明する。図1は本発明の光記録媒体の実
施の形態であるディスクの積層構造を示す断面図であ
る。図1に示すように、記録時、光をガイドする溝が形
成された基板10上に、金属薄膜20が形成され、緩衝
層30と反射層40が順次積層される。保護層50は記
録媒体を保護するために反射層40上に選択的に配置さ
れる。
【0019】本発明において、光記録時、集光されたレ
ーザービームが金属薄膜20を加熱し、この熱は基板1
0及び緩衝層30に伝達されると共に、加熱された金属
薄膜20部分に隣接した基板10の一部も熱的に膨張変
形してピットを形成するため、金属薄膜20の加熱部分
が緩衝層30の方に膨張する。記録再生時、記録された
基板10の一部と金属薄膜20の変形された部分は、未
記録部位に比べて次のような原理により反射率が低下す
ることになる。
【0020】第1には、基板10と金属薄膜20の界面
からの反射光と緩衝層30と反射層40の界面からの反
射光との消滅干渉により反射率が低下する。図2にディ
スクに形成された記録部位であるピットの構造を示す。
図2に示すように、未記録部位は反射層40からの反射
光b1 と金属薄膜20からの反射光cが補強干渉となる
ように、緩衝層30の厚さが最初にd1 で決定されてい
る。そして、記録部位は加熱により基板10及び金属薄
膜20が熱膨張することにより、緩衝層30がd2 と薄
くなり、また、緩衝層30の膨張は反射層40を変形さ
せる。従って、基板10と金属薄膜20の界面で反射さ
れる反射光aと緩衝層30と反射層40との界面からの
反射光b2 との消滅干渉により反射率が低下する。
【0021】これは、ファブリーペロー効果を利用する
ものであって、図3に示すように、緩衝層30の厚さに
より記録媒体の反射率が変化する。よって、緩衝層30
は金属薄膜20の変形により消滅干渉が生じる条件の厚
さd2 に変形することができる材料で形成されるべきで
ある。
【0022】第2に、記録部位での入射光の分散により
反射率が低下する。基板10と金属薄膜20と緩衝層3
0は図2に示すように変形し、特に記録部位の両側に傾
いた面があって記録光が金属薄膜20の壁面で分散さ
れ、入射光の分散のない未記録部位に比べて反射率が低
下する。このような理由により、記録部位は未記録部位
に比べて反射率が低く、記録部位と未記録部位の反射率
の差で記録の再生が可能になる。
【0023】第3に、記録光が照射されて金属薄膜20
が光を吸収し、吸収部位が局部的に加熱されて温度が急
激に上昇する場合、金属薄膜20及び隣接した基板10
と緩衝層30が局部的に熱分解されて、図2に示すよう
に、反射光aとb2 が小さくなることにより全体反射率
が低下する。上部層を除去後の変形した基板10と金属
薄膜20上のAFM写真を図6に示し、反射層40除去
後の変形した緩衝層30上のAFM写真を図7に示す。
【0024】上述したように、この実施の形態の光記憶
媒体であるディスクは、緩衝層30上に反射層40を設
けて反射層40から反射される反射光b1 と金属薄膜か
ら反射される光cが補強干渉されるように緩衝層30の
厚さを調節することにより、未記録部位での70%以上
の反射が可能になる。特に、緩衝層30には必要により
色素を添加して、緩衝層30の屈折率を調節して、ファ
ブリーペロー効果を最大限にしている。
【0025】上記のような本実施の形態のディスクにお
いて、基板10はレーザービームに対して透明であり、
優れた衝撃強度を有すると共に熱により膨張変形できる
ポリカーボネート、ポリメチルーメタクリレート、エポ
キシ、ポリエステル、非晶質ポリオレフィン等の材料を
用いて製造することができる。基板10の熱変形のため
のガラス転移温度は80〜200℃の範囲であり、最適
温度は100〜200℃である。基板10の表面には、
情報記録/再生時レーザービームをガイドする深さ30
〜450nm、幅0.1〜1.2μmの溝を形成する必要
がある。
【0026】金属薄膜20は、記録レーザービームを吸
収して発熱する発熱層及び記録前後のコントラストを示
すための部分反射層(partial mirror)の役割をすべき
であるので、一定の吸収率と反射率の特性が要求され
る。厚さは30〜500オングストローム、透過率は5
〜95%、吸収率は5〜95%が適当である。更に、金
属薄膜層20の代りに、非金属フィルムを薄膜/部分反
射膜20として適用することができる。非金属薄膜記録
層として、シリコン及びその化合物(シリコンナイトラ
イド、シリコンゲルマニウム、シリカ、SiO等)のよう
な非金属膜も使用できる。
【0027】このような金属または非金属薄膜記録層を
形成する物質の光学特性の複素屈折率の虚数部のk値は
0.01以上が適していて、0.01以下の場合、記録
時吸収及び記録部の変形が小さく、記録感度も小さくな
る。コンピューターシミュレーションの結果、n,k平
面上で7.15+3.93i,7.15+5.85i,
8.96+6.28i,9.56+5.90i,8.1
4+3.77iの頂点により決定された五角形内にある
k値を有する金属薄膜または非金属薄膜用の物質等は、
望ましい記録可能CDのための効果的な記録感度をもた
らさないものであると知られてきた。
【0028】一方、金属薄膜20の厚さが500オング
ストローム以上の場合、次のような理由で記録信号が小
さくなる。第1に、記録時の基板10の膨張が金属薄膜
20により妨害されて、記録部位の変形が小さくなるか
らである。第2に、図4に示すように、金属薄膜20の
厚さが厚くなるほど記録時の緩衝層30の厚さの変化に
よる反射率の低下が小さくなり、記録部位のコントラス
トが低くなるからである。一方、金属薄膜20の厚さが
30オングストローム以下である場合、記録時の吸収に
よる発熱量が小さくなり基板の変形が難しくなる。
【0029】そして、金属薄膜20の熱伝導度が4W/
cm℃以上の場合、レーザービームによる記録加熱時、
加熱された薄膜で熱が集中できず急速に周囲に伝達され
必要温度以上での加熱が難しく、加熱されても記録部の
大きさが拡大され隣接したトラックにまで拡張される可
能性があるので、金属薄膜の熱伝導度を4W/cm℃以
下になるように設定すべきである。
【0030】金属薄膜20の線膨張係数は3×10−6
/℃以上が適当であり、それ以下であると記録時に基板
10の変形による膨張で金属薄膜20に亀裂が発生し、
均一な記録信号値を得ることができない。
【0031】以上のような条件が要求される金属薄膜の
原料としては、Au、Al、Ag、Pt、Cu、Cr、Ni、Ti、Ta、
Fe及びその合金よりなるグループの中から少なくとも何
れか1つの金属が選択され適用され、この金属薄膜20
が基板10に真空蒸着、電子ビーム、スパッタリング法
等により積層される。
【0032】緩衝層30は基板10と金属薄膜20の変
形を吸収する層として、変形しやすく、適当な流動性の
ある有機物で形成することが望ましい。この緩衝層30
のガラス転移温度(glass transition temperature)は
60〜180℃の範囲が適当であり、使用される基板の
ガラス転移温度より低い必要がある。ここで、緩衝層3
0のガラス転移温度が60℃以下であると記録の保存性
が低下し、180℃以上であると基板10の変形を妨害
して記録感度が低下する。このような緩衝層30は有機
物質を有機溶媒に溶かしてスピンコーティング法により
コーティングされるが、この際の溶媒として、有機物質
の溶解性が良く、基板を損傷させないものを使用するこ
とが望ましい。緩衝層30の厚さは、図4に示すよう
に、反射率70%以上となる厚さに設定されるが、その
範囲は50〜10000オングストロームが適当であ
る。
【0033】緩衝層30の材料として使用される有機物
質には、ビニールアルコール系樹脂、ビニールアセ
ト系樹脂、アクレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系
樹脂、セルロー系樹脂、脂肪酸(fatty acid)系化合
物,低い分子量の有機化合物等があり、これら材料等の
共重合体も緩衝層の料として使用することができる。
【0034】記録時の基板の熱変形を容易にするため
に、緩衝層30に色素を添加することができる。色素を
添加すると、記録時に緩衝層30も共に加熱されて基板
10の変形が容易に行われる。添加される色素の量は緩
衝層物質の30wt%未満にすべきであり、それ以上で
あると高い反射率が得られない。記録時に使用される光
を吸収する色素は、記録レーザービームの波長の長さ
(長波長:低密度光ディスク、低波長:高密度光ディス
ク)により選択される。780〜850nm範囲の波長
を吸収する近赤外線色素または610〜700nm範囲
の波長を吸収する色素を使用することが望ましい。例え
ば、シアニン、クロコニウム、フタロシアニン、ナフタ
ロシアニン等が使用される。
【0035】反射層40は真空蒸着、電子ビーム蒸着、
スパッタリング法等により形成することができるが、そ
の原料としてはAu、Al、Ag、Pt、Cu、Cr、Ni、Ti、Ta、
Fe及びその合金が使用され、その厚さは500〜150
0オングストロームの範囲が適当である。
【0036】記録媒体を保護する保護膜50には、衝撃
強度が強くて透明であり、紫外線(UV)により硬化可能
な物質が使用でき、エポキシ系またはアクリル酸塩系硬
化樹脂はスピンコーティング法によりコーティングされ
た後、紫外線により硬化させて保護膜として利用され
る。
【0037】この実施の形態では、各層(基板、金属薄
膜、緩衝層、反射層)を変形させる例を説明したが、各
層のレーザービームのパワー及び物理的特性(例えば、
ヤング率、熱伝導度、熱膨張係数、ガラス転移温度等)
により、1つまたは2つの層のみを変形をすることがで
きる。金属薄膜の溶融点が高いので金属薄膜自体の変形
は希なことである。しかし、金属薄膜の熱変形はレーザ
ービームのパワーにより起こる。例えば、記録レーザー
ビームのパワーが高い時、集光中心部の周りを形成する
ために、金属薄膜20を金属溶融点以上で加熱すること
により溶かす。
【0038】更に、緩衝層30に使用される原料が、基
板10に使用される原料より安定的な物理的な特性(例
えば、低い熱膨張係数、高いガラス転移温度及び高いヤ
ング率)を有するとき、基板10のみに変形が起こる。
レーザー記録時、金属薄膜20の熱転移により金属薄膜
20と緩衝層30に変形が起こる。しかし、金属薄膜2
0と緩衝層30での変形は非常に微弱であるので観測し
にくい。また、この変形は記録する間ほとんど影響を与
えない。
【0039】また、基板10に使用される材料が緩衝層
30に使用される材料と比べて安定的な物理的な特性を
有しているとき、変形は主に緩衝層30で起こる。基板
10に使用される材料と緩衝層30に使用される材料が
類似した物理的特性を有するとき、基板10と緩衝層3
0で変形が主に発生する。
【0040】
【実施例】本発明を実施例に基づき更に詳述するが、本
発明はその詳細な実験例に限定されない。
【0041】本発明の第1の実施例について説明する。
深さ170nm、幅0.05μm、トラックピッチ1.
6μmの溝を有する1.2mmの厚さのポリカーボネー
ト基板上に10nmのAl薄膜を真空蒸着した。この上
に、シアノーバイフェニルエポキシアミン0.9gをジ
アセトンアルコール10mlに溶かしたコーティング液
を2000rpmでスピンコーティングして緩衝層を形
成した。この際、溝の部位の緩衝層の厚さをSEMで測
定した結果、約2500オングストロームであった。そ
して、40℃の温度を保つ真空オーブンで約4時間乾燥
した後、1000オングストロームのAlを真空蒸着して
反射層を形成した。この上に、エポキシアクリル酸塩系
UV硬化樹脂をスピンコーティングした後、硬化させディ
スクを製造した。
【0042】このように製造されたディスクを780nm
のレーザービームを使用する評価設備を使用して評価し
た結果、反射率72%であり、記録速度1.3m /se
c、720kHzの信号を記録パワー8mWで記録した後に
0.7mWのレーザービームで記録を再生して51dBのC
NRを得た。そして、記録速度4.8m/sec、記録パワ
ー10mWで記録した後に再生したとき、42dBのCNR
を得た。上記の記録条件で記録パワーを変化させると、
図5に示すように、4mW以上で47dB以上の記録信号の
再生が可能となる。このディスクをパイオニア社のRP
−1000CDレコーダーによりオーディオ記録後、C
Dプレーヤーで再生可能であって、CDーCATSで記録特性
を評価した結果、全項目がCD規格を満たしていた。
【0043】次に、第2及び第3の実施例として、Al薄
膜の厚さを7nmと12nmとして、他の工程を第1の
実施例と同一な方法によりディスクを製造した。そし
て、第1実施例のような評価条件で記録評価した結果、
金属薄膜7nmのディスクは反射率73%、CNR48dB
を示し、金属薄膜12nmのディスクは反射率69%、
53dBのCNRを示した。
【0044】更に、第4乃至第8実施例として、金属薄
膜を下記の表1に示すようにAu、Cu、Ag、Ni、Ptとし
て、第1実施例と同一な方法でディスクを製造し評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】更にまた、第9乃至第13実施例として、
緩衝層の材料をPMMA(Polyscience製、Mw:2500
0)、PVA(Polyscience製:35000)、Polyethyle
neoxide(Polyscience製、Mw:32000)及び脂肪酸
(Fatty acid、Tokyo Kasei製、Standard kit FE
M−1)とし、緩衝層の厚さを2500オングストロー
ムになるように溝で調節して、第2実施例と同じ記録評
価を行った。評価結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】また、第14実施例として,緩衝層の形成
時において,緩衝層にNK125(日本光学色素)を緩
衝層材料の0.5wt%を添加し、それ以外の製造工程を
第1実施例と同一な方法によりディスクを作した。こ
のディスクを記録速度1.3m/sec,記録パワー8mwで
記録した場合、52dBのCNR、4.8m/secで記録し
た場合、48dBのCNRを得て,反射率70%でCD
−ROM用ディスクとして使用することができた。
【0049】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明は緩衝層を
用いることにより記録が可能となり、CDとの互換が可
能となる。特に、高価な有機色素を使用しないので製造
コストを低減することができ、生産性を大きく高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体であるディスクの積層
構造を示す断面図である。
【図2】本発明に係るディスクに形成された記録部位で
あるピットの構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係るディスクの金属薄膜の厚さの変化
に対する緩衝層の厚さの変化による反射率の変化を示す
グラフである。
【図4】本発明に係るディスクにおいて、緩衝層の厚さ
の変化による反射率の変化を示すグラフである。
【図5】本発明に係る第1実施例のディスクの記録パワ
ーとCNRの関係を示すグラフである。
【図6】記録部により変形された基板と金属薄膜を示す
AFM写真である。
【図7】
記録部により変形された緩衝層を
示すAFM写真である。
【図8】従来の光記録媒体の積層構造を示す断面図であ
る。
【図9】従来の光記録媒体の積層構造を示す断面図であ
る。
【図10】従来の光記録媒体の積層構造を示す断面図で
ある。
【図11】従来の光記録媒体の積層構造を示す断面図で
ある。
【図12】従来の光記録媒体の積層構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10…基板 20…金属薄膜 30…緩衝層 40…反射層 50…保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 96−57073 (32)優先日 平成8年11月25日(1996.11.25) (33)優先権主張国 韓国(KR) (31)優先権主張番号 特願平8−235693 (32)優先日 平成8年9月6日(1996.9.6) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 許 永 宰 大韓民国 ソウル特別市 銅雀區 大方 洞 348−7番地 (72)発明者 閔 慶 ▲旋▼ 大韓民国 京畿道 龍仁郡 器興邑 新 葛里 11 6−2番地 (72)発明者 金 鍾 星 大韓民国 京畿道 城南市 盆唐區 金 谷洞 177番地 チョンソルマウル瑞光 アパート 101棟 1604號 (72)発明者 ガリット コーネリス ダベルダム オランダ王国 6904 ピー・エイチ ゼ ベェナ シムバール 16 (72)発明者 フレディー ガーハルド ヘンドリクス バン ウィック オランダ王国 6814 ビー・ケー アー ンヘム アペルドーンウェグ 24 (72)発明者 ニコ マースカント オランダ王国 6852 イー・エヌ ハイ セン タス 3 (56)参考文献 特開 昭57−55540(JP,A) 特開 平2−11385(JP,A) 特開 平2−168446(JP,A)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内溝が形成された基板と、 前記基板上に形成される金属薄膜と、 前記金属薄膜上に備えられる反射層と、 前記金属薄膜と前記反射層との間に形成される変形可能
    な緩衝層と、前記反射層上に備えられる保護層と、 を備え 前記基板と前記金属薄膜はレーザービームによるピット
    を有し、前記緩衝層はレーザービームによるピットで厚
    さが薄くなり、 前記ピットは、記録再生時に未記録部位に比べて反射率
    が低下することを特徴とする 記録再生可能な光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記緩衝層は有機物質よりなることを特
    徴とする請求項1記載の記録再生可能な光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記金属薄膜は複素屈折率係数の虚数部
    の値が0.01以上であることを特徴とする請求項1記
    載の記録再生可能な光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記金属薄膜の厚さが30〜500オン
    グストロームの範囲であることを特徴とする請求項1記
    載の記録再生可能な光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記金属薄膜はAu、Al、Ag、P
    t、Cu、Cr、Ni、Ti、Ta、Fe及びその合金
    の中から選択された少なくとも何れか1つよりなること
    を特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の
    記録再生可能な光記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記緩衝層の厚さは50〜10000オ
    ングストロームの範囲であることを特徴とする請求項1
    記載の記録再生可能な光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記緩衝層のガラス転移温度は60〜1
    80℃の範囲であることを特徴とする請求項記載の記
    録再生可能な光記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記緩衝層は30%未満の有機色素を含
    むことを特徴とする請求項1又は請求項のいずれかに
    記載の記録再生可能な光記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記反射層はAu、Al、Ag、Pt、
    Cu、Cr、Ni、Ti、Ta、Fe及びその合金の中
    から選択された少なくとも何れか1つよりなることを特
    徴とする請求項1記載の記録再生可能な光記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記金属薄膜は4W/cm℃以下の熱
    伝導度を有することを特徴とする請求項1記載の記録再
    生可能な光記録媒体。
  11. 【請求項11】 変形が起こるピットを形成する光記録
    媒体への光記録方法であって、 予め形成された所定の溝を有する基板上に金属薄膜を形
    成する工程と、 前記金属薄膜上に緩衝層を形成する工程と、 前記基板と前記金属薄膜と前記緩衝層の内少なくとも1
    つ以上に変形が起きるように、前記基板と前記緩衝層の
    間に位置する前記金属薄膜をレーザービームで加熱する
    工程と、前記緩衝層上に反射層を形成する工程と、前記反射層上
    に保護層を形成する工程を備え、 前記金属薄膜をレーザービームで加熱する工程は、前記
    緩衝層と前記金属薄膜と前記基板を変形させる工程を更
    に備え、 前記ピットは、記録再生時に未記録部位に比べて反射率
    が低下することを特徴とする 光記録媒体への光記録方
    法。
  12. 【請求項12】 前記緩衝層は有機物質よりなることを
    特徴とする請求項11記載の光記録媒体への光記録方
    法。
  13. 【請求項13】 前記金属薄膜はAu、Al、Ag、P
    t、Cu、Cr、Ni、Ti、Ta、Fe及びその合金
    の中から選択された少なくとも何れか1つの物質よりな
    ることを特徴とする請求項11記載の光記録媒体への光
    記録方法。
  14. 【請求項14】 前記緩衝層のガラス転移温度は60〜
    180℃の範囲であることを特徴とする請求項11記載
    の光記録媒体への光記録方法。
  15. 【請求項15】 前記緩衝層に有機色素を添加する工程
    を更に備えることを特徴とする請求項11記載の光記録
    媒体への光記録方法。
  16. 【請求項16】 前記緩衝層は30%未満の有機色素が
    添加されていることを特徴とする請求項11記載の光記
    録媒体への光記録方法。
  17. 【請求項17】 前記金属薄膜は4W/cm℃以下の熱
    伝導度を有することを特徴とする請求項11記載の光記
    録媒体への光記録方法。
  18. 【請求項18】 前記金属薄膜をレーザービームで加熱
    する工程は、前記緩衝層を変形させる工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項11記載の光記録媒体への光記
    録方法。
  19. 【請求項19】 前記緩衝層上の前記反射層を変形させ
    る工程を更に備えることを特徴とする請求項11記載の
    光記録媒体への光記録方法。
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