JP2793516B2 - 光情報記録媒体とその再生方法 - Google Patents

光情報記録媒体とその再生方法

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JP2793516B2
JP2793516B2 JP7047755A JP4775595A JP2793516B2 JP 2793516 B2 JP2793516 B2 JP 2793516B2 JP 7047755 A JP7047755 A JP 7047755A JP 4775595 A JP4775595 A JP 4775595A JP 2793516 B2 JP2793516 B2 JP 2793516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明な基板上に少なく
とも光吸収層と反射層を有し、基板側から光吸収層に入
射したレーザ光により、光吸収層より基板側にある層に
光吸収層側に突出したピットを形成することができ、基
板側から入射させた読取り用レーザ光の前記ピットの部
分とそれ以外の部分の反射光の光学的位相差により記録
された信号を読み取る光情報記録媒体とその再生方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射により、データを記録す
ることができる、いわゆる書き込み可能な光情報記録媒
体は、Te、Bi、Mn等の金属層や、シアニン、メロ
シアニン、フタロシアニン等の色素層等からなる記録層
を有し、レーザ光の照射により、前記記録層を変形、昇
華、蒸発或は変性させる等の手段で、透孔状のピットを
形成し、データを記録する。この記録層を有する光情報
記録媒体では、ピットを形成する際の記録層の変形、昇
華、蒸発或は変性等を容易にするため、記録層の背後に
空隙を設けることが一般に行なわれている。具体的には
例えば、空間部を挟んで2枚の基板を積層する、いわゆ
るエアサンドイッチ構造と呼ばれる積層構造がとられ
る。
【0003】このような孔明けピットを形成するタイプ
の光情報記録媒体は、光吸収材料の光を吸収する性質を
利用し、孔明けピット部分とそれ以外の部分とでの光の
透過率の違いにより生じる反射光量の差で再生コントラ
ストをとる。つまり、反射光を読みとるが、基本的には
透過形の光情報記録媒体と変わらず、再生コントラスト
をとるメカニズムが、いわば吸光形ともいうべき光情報
記録媒体である。
【0004】一方、予めデータが記録され、その後のデ
ータの書き込みや消去ができない、いわゆるROM型光
情報記録媒体が情報処理や音響部門で既に広く実用化さ
れている。この種の光情報記録媒体は、前記のような記
録層を持たず、記録データを再生するためのピットを予
めプレス等の手段でポリカーボネート製の基板の上に形
成し、この上にAu、Ag、Cu、Al等の金属膜から
なる反射層を形成し、さらにこの上を保護層で覆ったも
のである。
【0005】このROM型光情報記録媒体で最も代表的
なものが音響部門や情報処理部門等で広く実用化されて
いるコンパクトディスク、いわゆるCDであり、このC
Dの記録、再生信号の仕様は、いわゆるCDフォーマッ
トとして規格化され、これに準拠する再生装置は、コン
パクトディスクプレーヤ(CDプレーヤ)として極めて
広く普及している。前記光情報記録媒体は、何れのもの
も中心に回転軸にクランプするための孔を有する円板状
形態、すなわち光ディスクの形態をとる。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】前記光情報記録媒
体は、やはりCDと同じレーザ光を用いて再生するもの
であるため、既に広く普及したCDに準拠することが強
く望まれる。しかしながら、前記のような孔明けピット
を形成するタイプの光情報記録媒体では、吸収層が除去
されなかった部分、つまりピットでない部分での反射光
の強度は低レベルとなり、吸収層が除去された部分、つ
まりピット部分での反射光の強度が高レベルとなる。従
って、その反射光を捉えた場合、いわゆる位相形である
CDとは逆に、一面の吸光層により暗くなった背景の中
に、開孔による明るいピットが存在することになる。こ
のため、反射率を高めれば再生コントラストが低くな
り、再生コントラストを高めようとすれば反射率が低く
なるという結果を招く。それ故、高い反射率が求められ
るCD規格のもとで、反射率と変調度の点で共に同規格
をクリアすることはできなかった。
【0007】他方、既に広く普及したCDは、記録デー
タを再生するためのピットを有するポリカーボネート製
の基板を、プレス等の手段で成形しなければならないた
め、大量出版向きのもので、コスト等の面から少量出版
には不向きである。本発明は、前記従来の問題点を解消
するためなされたもので、データの再生に際し、CD規
格に規定する範囲内のブロックエラーレートの出力信号
が得られ、しかも、プレス等の手段を用いず、簡便な手
段でピットを形成し、このピットから記録情報を再生す
ることができ、そのため少量出版に適した光情報記録媒
体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
光情報記録媒体は、レーザ光が入射する側に設けられた
透光性基板1と、この透光性基板1の上に設けられた
ーザ光を吸収する有機色素を含む光吸収層2と、この光
吸収層2の上に設けられたレーザ光を反射する反射層3
と、この反射層3の上に設けられた保護層4を少なくと
も有し、前記透光性基板1は、同透光性基板1を通して
入射したレーザ光が前記光吸収層2で吸収されることに
より発生したエネルギにより変形されるものであり、前
記光吸収層2より前記反射層3側に硬質層6を有し、こ
の硬質層6の硬度が前記透光性基板1よりも高いことを
特徴とする。
【0009】また、本発明による光情報記録媒体の再生
方法は、前記の光情報記録媒体を使用し、その透光性基
板1側からレーザ光を照射することにより光吸収層2に
エネルギを与え、透光性基板1側の層を変形させてピッ
ト5を形成し、前記基板1側から入射させた読取り用レ
ーザ光の前記ピット5の部分とそれ以外の部分の反射光
の光学的位相差により記録された信号を読み取ることを
特徴とする。
【0010】前記の硬質層6のロックウェル硬度AST
MD785がM75以上、熱変形温度ASTM D64
8(4.6kg/cm2 )が80℃以上である。この硬
化層6が反射層3の背後側にあって、最も外側に形成さ
れる場合は、紫外線硬化性樹脂のスピンコート膜により
形成されることもある。このような硬質層6は、光吸収
層と反射層との間に形成されている場合もあり、また光
吸収層2に対して反射層3の背後に形成されている場合
もある。光吸収層2は透光性基板1上の一部の領域に形
成されている場合もあり、この場合、光吸収層2の無い
領域に予め信号再生用のピットが形成された予記録領域
を設けることもできる。
【0011】
【作用】本発明による光情報記録媒体では、透光性基板
1側から光吸収層2にレーザスポットを当てることによ
り、有機色素膜である光吸収層2がこのレーザ光を吸収
し、透光性基板1の変形を引き起こすことで、透光性基
板1の表面に吸収層2側へ突出したピット5が形成され
る。この場合、光吸収層2に対して反射層3側に、ピッ
ト5が形成された層より硬度の高い硬質層6を有するた
め、透光性基板1の変形作用が反射層3側の層には及ば
ずに、透光性基板1側にのみ及び、同透光性基板1の表
面に光吸収層2側に突出した明瞭なピット5が形成され
ることになる。
【0012】このようにして形成されるピット5は、
光性基板1側から入射させた読取り用レーザ光の反射光
に光学的位相差を生じさせる記録用のピットとなり、そ
れは、成形により形成された一般のCDのプレピットと
きわめて近いものである。そして、反射層3の背後側に
は変形が起こりにくく、その変形を原因とする二次的な
反射光が生じないため、再生波形の歪がなく、ブロック
エラーレートを低く抑えることができる。従って、この
光情報記録媒体は市販のCDプレーヤで再生できる。
【0013】また、本発明による光情報記録媒体を再生
する場合、その記録信号の再生コントラストは、透光性
基板1側から読取り用のレーザ光を照射したとき、ピッ
ト5の部分とそれ以外の部分の光学的位相差により生じ
る反射光量の差でとられる。このタイプの光情報記録媒
体では、ピット5の部分での反射光の強度が低レベルと
なり、それ以外の部分での反射光の強度が高レベルとな
る。このため、反射率を高くする程再生コントラストを
高くしやすくなり、反射率と変調度の点でCD規格を同
時にクリアしやすくなる。
【0014】前記ピット5を形成するため、光吸収層2
にレーザスポットを当てたとき、同層に発生するエネル
ギは、熱エネルギを伴う。このため、硬質層6が熱変形
温度の高い層である場合も前記と同様にブロックエラー
レートを低く抑えるのに有効である。本発明者らは、実
験の結果、CD規格に準拠した再生信号を得るために
は、硬質層6がロックウェル硬度ASTMD785にお
いてM75以上または、熱変形温度ASTM D648
(4.6kg/cm2 )において80℃以上である必要
があることを見出だした。例えば、ポリカーボネート透
光性基板1上に、シアニン色素系の光吸収層2、Au蒸
着膜及び紫外線硬化性樹脂のスピンコート膜を紫外線硬
化させた硬質層6を形成した光情報記録媒体の場合の硬
質層6の硬度とブロックエラーレートとの関係は、具体
的には第9図のように示される。
【0015】さらに、熱変形温度ASTM D648
(4.6kg/cm2 )において80℃以上であると、
耐熱試験を行ったときの記録されたピット5の形状の保
存性が非常に高いことがわかった。第10図のグラフ
は、前記の光情報記録媒体の場合を例として、その温度
70℃、湿度25%RHの下でのブロックエラーレート
の再生時の経時変化を示したものである。このグラフか
らわかるように、熱変形温度が高ければ高いほどブロッ
クエラーレートの劣化が少ないことがわかる。
【0016】硬質層6を光吸収層2と反射層3の間に設
けた場合において、反射層3が金属である場合は、硬質
層6にエンハンス層として、あるいは結着層としての機
能を持たせることができる。また、硬質層6を反射層3
の背面に設けた場合は、その硬質層6を保護層4とし
て、或は反射層3の酸化防止層として機能させることが
できる。
【0017】さらに、透光性基板1上の一部の領域に前
記光吸収層2が形成され、同光吸収層2の無い領域に予
め信号再生用のピットが形成された予記録領域を有する
光情報記録媒体では、予記録領域に予めプレス等でデー
タを記録しておくことができるが、ここには光吸収層2
が無いため、誤消去や別なデータの誤記録のおそれが無
い。また、光吸収層2を有する領域では、使用者独自の
データを任意に記録することができる。そして、この記
録されたデータがCD規格に準じた信号をもって再生で
きるため、前記予記録領域の情報と同様に、市販のCD
プレーヤで再生することができる。
【0018】
【実施例】次に、図面を参照しながら、本発明の実施例
について詳細に説明する。本発明による光情報記録媒体
の模式的な構造の例を、第1図〜第3図及び第4図〜第
6図に示す。同図において、1は、透光性を有する透光
性基板、2は、その上に形成された光吸収層で、照射さ
れたレーザ光を吸収して透光性基板1側の層の表面にピ
ットを形成する作用を有する層である。また3は、その
上に形成された反射層、4は、その外側に設けられた保
護層を示す。第1図〜第3図で示した実施例は、光吸収
層2と反射層3との間に、硬質層6が介在されている場
合である。これに対し、第4図〜第6図で示した実施例
は、反射層3の背後に硬質層6を配置してある場合であ
る。なお、図示してはいないが、保護層4そのものを硬
質層として用いることができる。
【0019】また、第1図〜第3図で示した実施例で
は、光吸収層2が透光性基板1のほぼ全面に形成されて
いが、第4図〜第6図で示した実施例では、透光性基板
1の外周寄りの一部にのみ光吸収層2が形成され、ここ
が後記録領域11となっており、それより内周側の部分
に予記録領域10が形成されている。第2図は、レーザ
光による記録前の状態を、第3図と第6図は、記録後の
状態、すなわち、光ピックアップ8からの記録用のレー
ザ光を照射したとき、その照射部分が凸状に変形され、
ピット5が形成された状態を模式的に示す。
【0020】第7図は、透光性基板1の表面に形成され
たトラッキング表示手段であるところのプリグルーブ1
2に沿ってピット5を形成するため、前記プリグルーブ
12に沿って光吸収層2にEFM信号に変調されたレー
ザスポットを照射した後、保護層4と反射層3を透光性
基板1から剥離し、さらに同透光性基板1の表面から光
吸収層2を除去した状態を模式的に示している。
【0021】さらに、STM(Scanning Tu
nneling Microscope)を用い、前記
プリグルーブ12に沿って透光性基板1の表面の状態を
観察した例を、第8図に示す。同図では、チップ(探
針)aのプリグルーブ12に沿う方向、つまりトラッキ
ング方向の移動距離を横軸にとり、透光性基板1の表面
の高度を縦軸にとって示してある。同図(a)は、ピッ
トの長さが10000オングストロームと比較的短い場
合であり、ここでは高さ約200オングストロームの凸
状の明瞭な変形が形成されていることが理解できる。ま
た、同図(b)は、ピットの長さが40000オングス
トロームと比較的長い場合であり、ここでは高さ約20
0オングストロームの凸状の変形が認められるが、この
変形の中間部がやや低くなっており、変形の峰が2つに
分かれていることが分かる。
【0022】前記光情報記録媒体の層構造及び、その記
録方法の具体例について、以下に説明する。透光性基板
1の材料は、レーザ光に対する屈折率が1.4〜1.6
の範囲の透明度の高い材料で、耐衝撃性に優れた樹脂が
望ましい。具体的には、ポリカーボネート、アクリル等
が例示できるが、これらに限られるわけではない。この
ような材料を用いて、透光性基板は例えば射出成形等の
手段により成形される。
【0023】透光性基板1には、スパイラル状にプリグ
ルーブ12が形成されていてもよい。プリグルーブは、
通常考えられる条件のものであればどのような条件のも
のでもよいが、50〜250nmの深さが好適である。
プリグルーブ12は、透光性基板の射出成形時のスタン
パを押し当てることにより形成されるのが通常である
が、レーザによってカッティングすることや2P法によ
って作られるものでもよい。透光性基板1と光吸収層と
の間に、SiO2 等の耐溶剤層やエンハンス層をコーテ
ィングしておいてもよい。
【0024】光吸収層2の材料は、光吸収性の有機色素
が望ましく、シアニン色素、ポリメチン色素、トリアリ
ールメタン色素、ピリリウム色素、フェナンスレン色
素、テトラデヒドロコリン色素、トリアリールアミン色
素、スクアリリウム色素、クロコニックメチン色素、フ
タロシアニン色素、アズレニウム色素等が例示できる
が、これらに限定されるものではなく、低融点金属等、
公知の記録層材料を用いても本発明の効果を得ることが
可能である。なお、光吸収層2には、他の色素、樹脂
(例えばニトロセルロース等の熱可塑性樹脂、熱可塑性
エラストマー)、液ゴム等を含んでいても良い。
【0025】光吸収層2は、前記の色素および任意の添
加剤を公知の有機溶媒(たとえばアルコール、アセチル
アセトン、メチルセロソルブ、トルエン等)で溶解した
ものをプリグルーブが形成された透光性基板、またはさ
らに透光性基板上に他の層をコーティングした透光性基
板の表面に形成される。この場合の形成手段としては、
蒸着法、LB法、スピンコート法等が挙げられるが、光
吸収層の濃度、粘度、溶剤の乾燥速度を調節することに
より層厚を制御できるために、スピンコート法が望まし
い。
【0026】なお、第4図〜第6図のような予記録領域
10を有する光情報記録媒体は、透光性基板1の表面の
予記録領域10となる部分に信号再生用のピット9(第
5図参照)をスタンパ等で予め形成しておき、その外側
の後記録領域11にのみ前記材料をコーティングして光
吸収層2を形成することにより得られる。反射層3は、
金属膜が望ましく、例えば、金、銀、アルミニウムある
いはこれらを含む合金を、蒸着法、スパッタ法等の手段
により形成される。反射率が70%以上を有することが
必要であるため、金または金を含む合金を主体とする金
属で形成することが望ましい。さらに、反射層の酸化を
防止するための耐酸化層等の他の層を介在させてもよ
い。
【0027】保護層4は耐衝撃性の優れた樹脂によって
形成されることが望ましい。たとえば紫外線硬化性樹脂
をスピンコート法により塗布し、紫外線を照射して硬化
させることにより形成する。また、ウレタン等の弾性材
で形成してもよく、以下に述べる硬質層の機能を有する
ものでもよい。硬質層6は、メチルエチルケトン、アル
コール等の溶剤に溶けてスピンコート法により塗布する
ことができ、物理的変化(熱、光等)によって硬化する
ものが製造上望ましい。また、硬質層6が光吸収層2と
反射層3の間にある場合には、透光性の高い材料が望ま
しい。硬質層6が反射層3の背面にある場合には、硬質
層3の透光性は記録、再生時のレーザ光の透過に影響を
与えないため、その透光性は問わない。
【0028】硬質層6の硬度は、ASTMD785にお
いてM75以上が望ましく、M110〜200がいっそ
う望ましい。また、硬質層の熱変形温度は、吸収層と反
射層の間にある場合には、100℃以上が望ましく、1
20℃以上がいっそう望ましい。反射層の背面にある場
合には、80℃以上が望ましく、100℃以上がいっそ
う望しく、特に110℃以上が最良である。硬質層6の
厚みは、任意に設定できるが、5μm〜10μmの範囲
が望ましい。
【0029】本発明による光情報記録媒体は、光吸収層
2にレーザ光を照射することにより、光吸収層を基準と
して反射層側の層を透光性基板1側の層に比べて熱変形
し難い層で形成しているため、レーザ光により引き起こ
された光吸収層2のエネルギは透光性基板1側の層に主
として与えられ、その結果、透光性基板1側の層に凸
状、波状もしくは凹状のピットを形成するものである。
【0030】本実施例の場合においては、第3図及び第
6図に模式的に示すように、記録後の光ディスクの前記
透光性基板1の光吸収層2と接する表面部分に、吸収層
側に突出したピット5が確認でき、このようにして形成
されたピット5の再生波形は、CDのそれと同様のもの
である。記録信号の再生は、透光性基板1側から読取り
用のレーザ光を照射することにより、ピット部分の反射
光とピット以外の部分の反射光の光学的位相差を読み取
ることにより行われる。
【0031】本発明のさらに具体的な実施例について、
以下に説明する。 (実施例1)直径46〜117mmφの範囲に、幅0.
8μm、深さ0.08μm、ピッチ1.6μmのスパイ
ラル状のプリグルーブが形成された厚さ1.2mm、外
径120mmφ、内径15mmφのポリカーボネート透
光性基板を射出成形法により成形した。このポリカーボ
ネート透光性基板と同じ材料を用いて成形したテストピ
ースのロックウェル硬度ASTMD785は、M75で
あり、熱変形温度ASTMD648は、132℃であっ
た。
【0032】光吸収層を形成するための有機色素とし
て、0.65gの1,1’ジブチル3,3,3’,3’
テトラメチル4,5,4’,5’ジベンゾインドジカー
ボシアニンパークロレート(日本感光色素株式会社製、
品番NK3219)を、ジアセトンアルコール溶剤10
ccに溶解し、これを前記の透光性基板の表面に、スピ
ンコート法により塗布し、膜厚130nmの光吸収層を
形成した。
【0033】次に、このディスクの直径45〜118m
mφの領域の全面にスパッタリング法により、膜厚50
nmのAu膜を成膜し、反射層を形成した。さらに、こ
の反射層の上に紫外線硬化性樹脂をスピンコートし、こ
れに紫外線を照射して硬化させ、膜厚10μmの保護層
を形成した。この保護層と同じ材料を用いて成形したテ
ストピースのロックウェル硬度ASTMD785はM9
0であり、熱変形温度ASTMD648は、150℃で
あった。
【0034】こうして得られた光ディスクの前記後記録
領域11に、波長780nmの半導体レーザを線速1.
2m/sec、記録パワー6.0mWで照射し、EFM
信号を記録した。そして、この光ディスクを、市販のC
Dプレーヤ(Aurex XR−V73、再生光の波長
λ=780nm)で再生したところ、半導体レーザの反
射率が72%、I11/Itop が0.65、I3 /Itop
が0.35、ブロックエラーレートBLERが3.4×
10-3であった。
【0035】CD規格では、反射率が70%以上、I11
/Itop が0.6以上、I3 /Itop が0.3〜0.
7、ブロックエラーレートBLERが3×10-2以下と
定められており、この実施例による光ディスクは、この
規格を満足している。さらに、前記記録後の光ディスク
の保護層と反射層4を剥離し、光吸収層を溶剤で洗浄
し、透光性基板の剥離面をSTM(Scanning
Tunneling Microscope)で観察し
たところ、ピットの部分に凸状の変形が見られた。な
お、この実施例は、保護層を硬質層として利用した場合
の実施例である。
【0036】(実施例2)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するポリカーボネート(帝人化学
製、パンライト)透光性基板の上に、前記と同様にして
光吸収層を形成した後、この上に硬質層として、膜厚5
0nmのシリコンアクリル層を形成し、その上に反射層
として、真空蒸着法により膜厚50nmのAg膜を形成
し、さらにその上に前記実施例1と同様の保護層を形成
した。なお、前記透光性基板と同じ材料を用いて成形し
たテストピースのロックウェル硬度ASTMD785は
M75であり、熱変形温度ASTMD648は、135
℃であった。これに対し、前記硬質層と同じ材料を用い
て成形したテストピースのロックウェル硬度ASTMD
785はM100であり、熱変形温度ASTMD648
は、200℃であった。
【0037】この光ディスクについて、前記実施例1と
同様にしてデータを記録し、これを再生したところ、半
導体レーザの反射率が71%、I11/Itop が0.6
3、I3 /Itop が0.33、ブロックエラーレートB
LERが3.5×10-3であった。また、前記実施例1
と同様にして、記録後の光ディスクの透光性基板の表面
をSTM(Scanning Tunneling M
icroscope)で観察したところ、ピットの部分
に凸状の変形が認められた。この変形の中間部はやや低
くなっており、変形6の峰が2つに分かれていることが
確認された。
【0038】(実施例3)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するポリカーボネート(三菱ガス化
学製、ユーピロン)透光性基板の上に、前記と同様にし
て光吸収層を形成した後、この上に硬質層として、膜厚
50nmのエポキシ樹脂層を形成し、その上に反射層と
して、真空蒸着法により膜厚50nmのAu膜を形成
し、さらにその上に前記実施例1と同様の保護層を形成
した。なお、前記透光性基板と同じ材料を用いて成形し
たテストピースのロックウェル硬度ASTMD785は
M75であり、熱変形温度ASTMD648は、132
℃であった。これに対し、前記硬質層と同じ材料を用い
て成形したテストピースのロックウェル硬度ASTMD
785はM90であり、熱変形温度ASTMD648
は、140℃であった。この光ディスクについて、前記
実施例1と同様にしてデータを記録し、これを再生した
ところ、半導体レーザの反射率が72%、I11/Itop
が0.62、I3 /Itop が0.32、ブロックエラー
レートBLERが2.4×10-3であった。
【0039】(実施例4)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するポリスチレン透光性基板の上
に、前記と同様にして光吸収層を形成した後、この上に
硬質層として、膜厚50nmのアクリル樹脂層を形成
し、この上に結着性を高めるためエポキシ樹脂をスピン
コートしてから、反射層として、真空蒸着法により膜厚
50nmのAu膜を形成し、さらにこの上に前記実施例
1と同様の保護層を形成した。なお、前記透光性基板と
同じ材料を用いて成形したテストピースのロックウェル
硬度ASTMD785はM80であり、熱変形温度AS
TMD648は、89℃であった。これに対し、前記硬
質層と同じ材料を用いて成形したテストピースのロック
ウェル硬度ASTMD785はM100であり、熱変形
温度ASTMD648は、100℃であった。この光デ
ィスクについて、前記実施例1と同様にしてデータを記
録し、これを再生したところ、半導体レーザの反射率が
72%、I11/Itop が0.62、I3 /Itop が0.
31、ブロックエラーレートBLERが7.0×10-3
であった。
【0040】(実施例5)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するポリメチルメタクリレート透光
性基板の上に、前記と同様にして光吸収層を形成した
後、この上に硬質層として、膜厚50nmのポリエステ
ル樹脂層を形成し、その上に反射層として、真空蒸着法
により膜厚50nmのAu膜を形成し、さらにこの上
に、結着性を高めるためエポキシ樹脂をスピンコートし
てから、前記実施例1と同様の保護層を形成した。な
お、前記透光性基板と同じ材料を用いて成形したテスト
ピースのロックウェル硬度ASTMD785はM100
であり、熱変形温度ASTMD648は、110℃であ
った。これに対し、前記硬質層と同じ材料を用いて成形
したテストピースのロックウェル硬度ASTMD785
はM110であり、熱変形温度ASTMD648は、1
15℃であった。この光ディスクについて、前記実施例
1と同様にしてデータを記録し、これを再生したとこ
ろ、半導体レーザの反射率が72%、I11/Itop が
0.64、I3 /Itop が0.34、ブロックエラーレ
ートBLERが8.0×10-3であった。
【0041】(実施例6)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するポリオレフィン透光性基板の上
に、1、1’ジブチル3、3、3’、3’テトラメチル
5、5’ジエトキシインドジカーボシアニンパークロレ
ートを用いて、前記実施例1と同様の方法で光吸収層を
形成した後、この上に硬質層として、膜厚50nmのシ
リコンアクリル樹脂層を形成し、その上に反射層とし
て、真空蒸着法により膜厚50nmのAu膜を形成し、
さらにこの上に、結着性を高めるためエポキシ樹脂をス
ピンコートしてから、前記実施例1と同様の保護層を形
成した。なお、前記透光性基板と同じ材料を用いて成形
したテストピースのロックウェル硬度ASTMD785
はM75であり、熱変形温度ASTMD648は、14
0℃であった。これに対し、前記硬質層と同じ材料を用
いて成形したテストピースのロックウェル硬度ASTM
D785はM100であり、熱変形温度ASTMD64
8は、200℃であった。この光ディスクについて、前
記実施例1と同様にしてデータを記録し、これを再生し
たところ、半導体レーザの反射率が74%、I11/Ito
p が0.61、I3 /Itop が0.33、ブロックエラ
ーレートBLERが2.3×10-3であった。
【0042】(実施例7)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するエポキシ樹脂透光性基板の上に
1、1’ジブチル3、3、3’、3’テトラメチル5、
5’ジエトキシインドジカーボシアニンパークロレート
を用いて、前記実施例1と同様の方法で光吸収層を形成
した後、この上に硬質層として、膜厚50nmのシリコ
ン樹脂層を形成し、その上に反射層として、真空蒸着法
により膜厚50nmのAl膜を形成し、さらにこの上
に、前記実施例1と同様の保護層を形成した。なお、前
記透光性基板と同じ材料を用いて成形したテストピース
のロックウェル硬度ASTMD785はM90であり、
熱変形温度ASTMD648は、135℃であった。こ
れに対し、前記硬質層と同じ材料を用いて成形したテス
トピースのロックウェル硬度ASTMD785はM10
0であり、熱変形温度ASTMD648は、180℃で
あった。この光ディスクについて、前記実施例1と同様
にしてデータを記録し、これを再生したところ、半導体
レーザの反射率が73%、I11/Itop が0.61、I
3 /Itop が0.30、ブロックエラーレートBLER
が2.0×10-3であった。
【0043】(実施例8)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するポリカーボネート(帝人化学
製、パンライト)透光性基板の上に、前記と同様にして
光吸収層を形成した後、この上に反射層として、真空蒸
着法により膜厚50nmのAg膜を形成し、この上に硬
質層として、膜厚50nmのシリコンアクリル層を形成
し、さらにこの上に前記実施例1と同様の保護層を形成
した。なお、前記透光性基板と同じ材料を用いて成形し
たテストピースのロックウェル硬度ASTMD785は
M75であり、熱変形温度ASTMD648は、135
℃であった。これに対し、前記硬質層と同じ材料を用い
て成形したテストピースのロックウェル硬度ASTMD
785はM100であり、熱変形温度ASTMD648
は、200℃であった。この光ディスクについて、前記
実施例1と同様にしてデータを記録し、これを再生した
ところ、半導体レーザの反射率が71%、I11/Itop
が0.64、I3 /Itop が0.34、ブロックエラー
レートBLERが3.7×10-3であった。
【0044】(実施例9)前記実施例1と同様の形状及
びプリグルーブを有するポリカーボネート(三菱ガス化
学製、ユーピロン)透光性基板の上に、前記と同様にし
て光吸収層を形成した後、その上に反射層として、真空
蒸着法により膜厚50nmのAu膜を形成し、さらにこ
の上に保護層を兼ねる硬質層として、膜厚7μmのエポ
キシ樹脂層を形成した。なお、前記透光性基板と同じ材
料を用いて成形したテストピースのロックウェル硬度A
STMD785はM75であり、熱変形温度ASTMD
648は、135℃であった。これに対し、前記硬質層
と同じ材料を用いて成形したテストピースのロックウェ
ル硬度ASTMD785はM90であり、熱変形温度A
STMDD648は、140℃であった。この光ディス
クについて、前記実施例1と同様にしてデータを記録
し、これを再生したところ、半導体レーザの反射率が7
2%、I11/Itop が0.63、I3 /Itop が0.3
3、ブロックエラーレートBLERが2.7×10-3
あった。
【0045】(実施例10)前記実施例1と同様の形状
及びプリグルーブを有するポリスチレン透光性基板の上
に、前記と同様にして光吸収層を形成した後、この上に
反射層として、真空蒸着法により膜厚50nmのAu膜
を形成し、この上に保護層を兼ねる硬質層として、膜厚
10μmのアクリル樹脂層を形成した。なお、前記透光
性基板と同じ材料を用いて成形したテストピースのロッ
クウェル硬度ASTMD785はM80であり、熱変形
温度ASTMD648は、89℃であった。これに対
し、前記硬質層と同じ材料を用いて成形したテストピー
スのロックウェル硬度ASTMD785はM100であ
り、熱変形温度ASTMD648は、100℃であっ
た。この光ディスクについて、前記実施例1と同様にし
てデータを記録し、これを再生したところ、半導体レー
ザの反射率が72%、I11/Itop が0.63、I3 /
Itop が0.32、ブロックエラーレートBLERが
7.1×10-3であった。
【0046】(実施例11)前記実施例1と同様の形状
及びプリグルーブを有するポリメチルメタクリレート透
光性基板の上に、前記と同様にして光吸収層を形成した
後、その上に反射層として、真空蒸着法により膜厚50
nmのAu膜を形成し、さらにこの上に、結着性を高め
るためエポキシ樹脂をスピンコートしてから、保護層を
兼ねる硬質層として、膜厚10μmのポリエステル樹脂
層を形成した。なお、前記透光性基板と同じ材料を用い
て成形したテストピースのロックウェル硬度ASTMD
785はM100であり、熱変形温度ASTMD648
は、110℃であった。これに対し、前記硬質層と同じ
材料を用いて成形したテストピースのロックウェル硬度
ASTMD785はM110であり、熱変形温度AST
MD648は、115℃であった。この光ディスクにつ
いて、前記実施例1と同様にしてデータを記録し、これ
を再生したところ、半導体レーザの反射率が72%、I
11/Itop が0.65、I3 /Itop が0.34、ブロ
ックエラーレートBLERが8.3×10-3であった。
【0047】(実施例12)直径46〜100mmφの
範囲(予記録領域10)に、幅0.6μm、深さ0.1
0μm、ピッチ1.6μmのスパイラル状のCDフォー
マット信号が再生できるプレピット8が形成され、その
外側の直径100〜117mmφの範囲(後記録領域1
1)に、幅0.7μm、深さ0.07μm、ピッチ1.
6μmのスパイラル状のプリグループが形成された厚さ
1.2mm、外径120mmφ、内径15mmφのポリ
オレフィン透光性基板を射出成形法により成形した。
【0048】前記透光性基板の直径100mmφより外
周側の部分、つまり後記録領域11の上にのみ、1、
1’ジブチル3、3、3’、3’テトラメチル5、5’
ジエトキシインドジカーボシアニンパークロレートをス
ピンコート法により塗布し、光吸収層を形成した後、透
光性基板の全面にわたり反射層として、真空蒸着法によ
り膜厚50nmのAu膜を形成し、さらにこの上に、結
着性を高めるためエポキシ樹脂をスピンコートしてか
ら、保護層を兼ねる硬質層として、膜厚7μmのシリコ
ンアクリル樹脂層を形成した。なお、前記透光性基板と
同じ材料を用いて成形したテストピースのロックウェル
硬度ASTMD785はM75であり、熱変形温度AS
TMD648は、140℃であった。これに対し、前記
硬質層と同じ材料を用いて成形したテストピースのロッ
クウェル硬度ASTMD785はM100であり、熱変
形温度ASTMD648は、200℃であった。
【0049】この光ディスクについて、前記実施例1と
同様にして前記後記録領域11にデータを記録し、予記
録領域及び後記録領域について再生したところ、後記録
領域での半導体レーザの反射率が71%、I11/Itop
が0.62、I3 /Itop が0.34、ブロックエラー
レートBLERが2.4×10-3であり、予記録領域で
の半導体レーザの反射率が90%、I11/Itop が0.
80、I3 /Itop が0.50、ブロックエラーレート
BLERが1.0×10-3であった。
【0050】(実施例13)直径46〜100mmφの
範囲(予記録領域10)に、幅0.6μm、深さ0.1
0μm、ピッチ1.6μmのスパイラル状のCDフォー
マット信号が再生できるプレピット8が形成され、その
外側の直径100〜117mmφの範囲(後記録領域1
1)に、幅0.7μm、深さ0.07μm、ピッチ1.
6μmのスパイラル状のプリグループが形成された厚さ
1.2mm、外径120mmφ、内径15mmφのエポ
キシ樹脂透光性基板を射出成形法により成形した。
【0051】前記透光性基板の直径100mmφより外
周側の部分、つまり後記録領域11の上にのみ、1、
1’ジブチル3、3、3’、3’テトラメチル5、5’
ジエトキシインドジカーボシアニンパークロレートをス
ピンコート法により塗布し、光吸収層を形成した後、透
光性基板の全面にわたり反射層として、真空蒸着法によ
り膜厚50nmのAl膜を形成し、この上に保護層を兼
ねる硬質層として、膜厚7μmのシリコン樹脂層を形成
した。なお、前記透光性基板と同じ材料を用いて成形し
たテストピースのロックウェル硬度ASTMD785は
M90であり、熱変形温度ASTMD648は、135
℃であった。これに対し、前記硬質層と同じ材料を用い
て成形したテストピースのロックウェル硬度ASTMD
785はM100であり、熱変形温度ASTMD648
は、180℃であった。
【0052】この光ディスクについて、前記実施例1と
同様にして前記後記録領域11にデータを記録し、予記
録領域及び後記録領域について再生したところ、後記録
領域での半導体レーザの反射率が72%、I11/Itop
が0.62、I3 /Itop が0.32、ブロックエラー
レートBLERが2.1×10-3であり、予記録領域で
の半導体レーザの反射率、I11/Itop、I3 /Itop 、
ブロックエラーレートは前記実施例12と同様であっ
た。
【0053】(比較例)前記実施例1において、紫外線
硬化性樹脂により形成された保護層と同じ材料を用いて
成形したテストピースのロックウェル硬度ASTMD7
85を、M60、熱変形温度ASTMD648(4.6
kg/cm2 )を75℃としたこと以外は、同実施例1
と同様にして、光ディスクを製作した。
【0054】この光ディスクに、前記実施例1と同様に
して波長780nmの半導体レーザを線速1.2m/s
ecで照射し、EFM信号を記録したところ、透光性基
板の板面側には、十分明瞭なピットが確認できなかっ
た。そして、この光ディスクを、前記実施例1で用いた
のと同じCDプレーヤで再生したところ、光ディスクの
反射率が71%、I11/Itop が0.7、I3 /Itop
が0.37であったが、ブロックエラーレートBLER
が1.5×10-1あり、上述したCD規格を満足するこ
とができなかった。
【0055】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光情報記録
媒体では、光吸収層2と反射層3との間に硬度の高い硬
質層を設け、色素膜からなる光吸収層2に記録用レーザ
光のスポットを当て、透光性基板1に光吸収層2側へ突
出したピット5を形成するようにしたので、成形という
手段で形成される一般のCDのプレピットにきわめて近
似した明瞭なピット5を形成できる。これにより、再生
信号のブロックエラーレートをCD規格に規定された範
囲に収めることができる。そして、透光性基板1側から
入射させた読取り用レーザ光の前記ピット5の部分とそ
れ以外の部分の反射光の光学的位相差により記録された
信号を読み取ることにより、高い反射率が得られると共
に、高い反射率のもとで、高い変調度が得られる。これ
により、CD規格に適合し得る光情報記録媒体が容易に
得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光情報記録媒体の構造の一例を示す模式半断面
斜視図である。
【図2】第1図の光記録前のトラッキング方向に断面し
た拡大断面図である。
【図3】第1図の光記録後のトラッキング方向に断面し
た拡大断面図である。
【図4】光情報記録媒体の構造の他の例を示す模式半断
面斜視図である。
【図5】第4図のA部拡大断面図である。
【図6】第4図のB部拡大断面図である。
【図7】記録後の光情報記録媒体の透光性基板の表面を
示す要部拡大斜視図である。
【図8】前記透光性基板の表面をSTM(Scanni
g Tunneling Microscope)で観
察したときのチップのトラッキング方向に沿う移動距離
と高度の関係を示すグラフである。
【図9】硬質層の硬度とブロックエラーレートとの関係
の例を示すグラフである。
【図10】再生時のブロックエラーレートの経時変化を
示したグラフである。
【符号の説明】
1 透光性基板 2 光吸収層 3 反射層 4 保護層 6 硬質層 9 ピット 10 予記録領域 11 後記録領域 12 プリグルーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 雄治 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−21893(JP,A) 特開 昭58−189851(JP,A) 特開 昭62−295237(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24 522 G11B 7/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光が入射する側に設けられた透光
    性基板(1)と、この透光性基板(1)の上に設けられ
    レーザ光を吸収する有機色素を含む光吸収層(2)
    と、この光吸収層(2)の上に設けられたレーザ光を反
    射する反射層(3)と、この反射層(3)の上に設けら
    れた保護層(4)を少なくとも有し、前記透光性基板
    (1)は、同透光性基板(1)を通して入射したレーザ
    光が前記光吸収層(2)で吸収されることにより発生し
    たエネルギにより変形されるものであり、前記光吸収層
    (2)より前記反射層(3)側に硬質層(6)を有し、
    この硬質層(6)の硬度が前記透光性基板(1)よりも
    高いことを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 硬質層(6)がロックウェル硬度AST
    MD785においてM75以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 硬質層(6)が熱変形温度ASTM D
    648(4.6kg/cm2 )において80℃以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 硬質層(6)が、光吸収層(2)と反射
    層(3)との間に形成されていることを特徴とする請求
    項1〜3の何れかに記載の光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 硬質層(6)が、光吸収層(2)に対し
    て反射層(3)の背後に形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜3の何れかに記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 硬質層(6)が、紫外線硬化性樹脂のス
    ピンコート膜により形成されていることを特徴とする請
    求項6に記載の光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 光吸収層(2)が透光性基板(1)上の
    一部の領域に形成され、同光吸収層(2)の無い領域に
    予め信号再生用のピットが形成された予記録領域を有す
    ることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の光情
    報記録媒体。
  8. 【請求項8】 レーザ光が入射する側に設けられた透光
    性基板(1)と、この透光性基板(1)の上に設けられ
    レーザ光を吸収する有機色素を含む光吸収層(2)
    と、この光吸収層(2)の上に設けられたレーザ光を反
    射する反射層(3)と、この反射層(3)の上に設けら
    れた保護層(4)を少なくとも有し、前記透光性基板
    (1)は、同透光性基板(1)を通して入射したレーザ
    光が前記光吸収層(2)で吸収されることにより発生し
    たエネルギにより変形されるものであり、前記光吸収層
    (2)より前記反射層(3)側に硬質層(6)を有し、
    この硬質層(6)の硬度が前記透光性基板(1)よりも
    高い光情報記録媒体を用い、透光性基板(1)側からレ
    ーザ光を照射することにより光吸収層(2)にエネルギ
    を与え、透光性基板(1)側の層を変形させてピット
    (5)を形成し、前記基板(1)側から入射させた読取
    り用レーザ光の前記ピット(5)の部分とそれ以外の部
    分の反射光の光学的位相差により記録された信号を読み
    取ることを特徴とする光情報記録媒体の再生方法。
  9. 【請求項9】 硬質層(6)がロックウェル硬度AST
    MD785においてM75以上であることを特徴とする
    請求項8に記載の光情報記録媒体の再生方法。
  10. 【請求項10】 硬質層(6)が熱変形温度ASTM
    D648(4.6kg/cm2 )において80℃以上で
    あることを特徴とする請求項8または9に記載の光情報
    記録媒体の再生方法。
  11. 【請求項11】 硬質層(6)が、光吸収層(2)と反
    射層(3)との間に形成されていることを特徴とする請
    求項8〜10の何れかに記載の光情報記録媒体の再生方
    法。
  12. 【請求項12】 硬質層(6)が、光吸収層(2)に対
    して反射層(3)の背後に形成されていることを特徴と
    する請求項8〜10の何れかに記載の光情報記録媒体の
    再生方法。
  13. 【請求項13】 硬質層(6)が、紫外線硬化性樹脂の
    スピンコート膜により形成されていることを特徴とする
    請求項12に記載の光情報記録媒体の再生方法。
  14. 【請求項14】 光吸収層(2)が透光性基板(1)上
    の一部の領域に形成され、同光吸収層(2)の無い領域
    に予め信号再生用のピットが形成された予記録領域を有
    することを特徴とする請求項8〜13の何れかに記載の
    光情報記録媒体の再生方法。
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