JP2840600B2 - 変速操作装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は変速操作装置に係り、特に自動変速機のセ
レクトレバーに連絡した作動レバーにディテントレバー
を接続して設け、このディテントレバーの凹所に接離方
向に移動可能なプランジャの先端を係合させ、前記セル
クトレバーのシフト位置を決定する変速操作装置に関す
る。

［従来の技術］ 車両に搭載される内燃機関は、その発生する馬力を充
分に利用して円滑に走行させるために、機関を一定回転
数以上に回転させ、駆動軸の回転数を走行条件に応じて
回転力を加減することが必要である。そして、あらゆる
走行状態でも機関出力が最大となる回転数で運転し、最
大出力を有効に利用するために変速機を備えている。そ
して、この変速機には、運転操作が簡便で、円滑な発
進、加速、減速で、走行条件に合致させて自動変速して
スムーズに運転できる自動変速機が多く用いられてい
る。

この自動変速機は、流体継手あるいはトルクコンバー
タと、補助変速機及び変速制御装置を組み合わせたもの
である。これら装置は、バルブ本体を有する油圧制御機
構である油圧制御弁によって作動制御される。

変速操作装置としては、特開昭60−82441号公報に開
示されるものがある。この公報に開示されるパークロッ
ク装置のパーキングサポートは、扇形状マニアルプレー
トの中心部を枢支軸によってトランスミッションケース
に回動自在に枢着し、外周に複数のレンジに対応する切
欠Ｐ、Ｒ、Ｎ、Ｄ、Ｌ、Ｉ、IIを設け、マニアルレバー
の操作によって前記マニアルプレートを回動させ、対応
する切欠内にディテントスプリングの先端に設けたロー
ラを嵌り込み、マニアルレバーの操作に節度感を持たせ
ている。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで、従来の変速操作装置においては、自動変換
機のセレクトレバーに連絡した作動レバーにディテント
レバーを接続して設け、このディテントレバーに対して
接離方向に移動可能なプランジャを設け、ディテントレ
バーの凹所にプランジャ先端を係合させて前記セレクト
レバーのシフト位置を決定している。

そしてこのとき、第８図に示す如く、前記プランジャ
110の先端110aは、図示しないディテントレバーの凹所
に係合すべく一体的に球面形状に形成されている。

しかし、前記プランジャの先端に一体的に球面形状が
形成されることにより、プランジャの先端とディテント
レバーの凹所間に大なるすべり抵抗が生じ、プランジャ
が接離方向に円滑に移動せず、車内でのセルクトレバー
のシフトタッチのフィーリングが悪化し、使い勝手が悪
いという不都合がある。

また、前記プランジャを製造する際に、先端に球面形
状を形成する切削工程と先端のみを硬化させる熱処理工
程とを施す必要があることにより、加工が困難となり、
量産化を行ってもコストダウンが望めず、経済的に不利
であるという不都合がある。

［発明の目的］ そこでこの発明の目的は、上述不都合を除去するため
に、自動変速機のセレクトレバーに連絡した作動レバー
に接続させるディテントレバーの凹所に接離方向に移動
可能なプランジャの先端を係合させてセレクトレバーの
シフト位置を決定する変速操作装置において、プランジ
ャの先端側に第１穴部を穿設するとともに、この第１穴
部と同一中心を有すべく半球状の第２穴部を穿設し、第
１穴部に補助球体を挿入した後に、この補助球体に当接
し且つディテントレバーの凹所に係合する球体を第２穴
部に回動自在に設けたことにより、車内でのセレクトレ
バーのシフトタッチのフィーリングを良好とすることが
できるとともに、加工が容易となってコストを低廉とし
得る変速操作装置を実現するにある。

［問題点を解決するための手段］ この目的を達成するためにこの発明は、自動変速機の
セレクトレバーに連絡した作動レバーに接続されるディ
テントレバーの凹所に接離方向に移動可能なプランジャ
の先端を係合させて前記セレクトレバーのシフト位置を
決定する変速操作装置において、前記プランジャの先端
側に第１穴部を穿設するとともにこの第１穴部と同一中
心を有すべく半球状の第２穴部を穿設し、前記第１穴部
に補助球体を挿入した後にこの補助球体に当接し且つ前
記ディテントレバーの凹所に係合する球体を前記第２穴
部に回動自在に設けたことを特徴とする。

［作用］ 上述の如く構成したことにより、車内でセレクトレバ
ーをシフト操作した際には、プランジャ先端の球体とデ
ィテントレバーの凹所との係合がころがり抵抗によって
行われるとともに、球体のプランジャの第２穴部に対す
る接触面積が小となってころがり抵抗を極力小とし、セ
エクトレバーのシフトタッチのフィーリングを良好とす
るとともに、加工が容易となってコストを低廉としてい
る。

［実施例］ 以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１〜７図はこの発明の実施例を示すものである。第
２図において、２は車両用自動変速機の変速操作装置、
４は作動レバー、６はディテントレバーである。

このディテントレバー６は、第２、３図に示す如く、
扇形状に形成され、点Ａを中心として回動自在に図示し
ない軸によりトランスミッションケースに枢着されてい
る。

また、前記ディテントレバー６の外周には、第３図に
示す如く、例えばＰ（パーキング）、Ｒ（リバース）、
Ｎ（ニュートラル）、Ｄ（ドライブ）、Ｌ（ロードライ
ブ）の各ポジションに対応する複数の半円状凹所8P、8
R、8N、8D、8Lを形成する。

そして、図示しないセレクトレバーの操作によってデ
ィテントレバー６を回動させる際に、第３図に示す如
く、例えばディテントレバー６の凹所8N内に先端10aが
係合するプランジャ10を設ける。このプランジャ10は、
筒状部材12内を前記ディテントレバー６の接離方向に移
動可能に設けられるとともに、一端をピン14により前記
筒状部材12に固定したディテントスプリング16によって
ディテントレバー６の接近方向に移動すべく付勢されて
いる。

また、前記プランジャ10の先端10aには、第１図に示
す如く、後述する補助球体24に当接し且つ前記ディテン
トレバー６の凹所８に係合する球体18を回動自在に設け
る。

詳述すれば、前記プランジャ10を、例えば炭素鋼材に
より柱状に形成し、プランジャ10の先端10a側に小径な
第１穴部20を穿設し、この第１穴部20と同一中心を有す
べく半球状の第２穴部22を穿設する。

そして、第１図に示す如く、第２穴部22内に前記球体
18を装着する前に、第１穴部20内に球体18よりも小なる
補助球体24を挿入し、この補助球体24に当接させて前記
第２穴部22内に球体18の略半分を挿入する構成とする。
このとき、前記球体18及び補助球体24は、前記プランジ
ャ10とは別工程によって予め硬度を大とすべく熱処理さ
れている。

また、第１図に示す如く、前記プランジャ10の先端10
aが前記第１穴部20の穿設によって環状に形成されるこ
ととなり、この環状先端10aをかしめて前記球体18を回
動自在に保持すべく設ける。

なお符号26はシフトフォーク、28はシフトサーボ、30
は図示しないセレクトレバーと前記作動レバー４とを連
絡するシフトケーブルである。

次に作用について説明する。

車両内の図示しないセレクトレバーを、第２〜５図に
示すＮ（ニュートラル）位置から所望の走行位置にシフ
ト操作すると、このシフト動作が前記シフトケーブル30
を介して作動レバー４に伝達され、点Ａを中心として作
動レバー４を回動させる。

この作動レバー４の回動に伴って前記ディテントレバ
ー６をも回動させ、前記プランジャ10をディテントスプ
リング16の付勢力に抗して離間方向に押圧移動させ、プ
ランジャ10の先端10aに設けた球体18を回動させて所望
のシフト位置である凹所８に係合させる。

そして、前記ディテントレバー６の切換回動動作に応
じて油圧によって前記シフトフォーク26をフォワードあ
るいはリバース側に移動させ、図示しない前進ギヤある
いは後退ギヤの切換を行うものである。

これにより、前記プランジャ10の先端10aに、補助球
体24に当接し且つ回動自在に球体18を設けたことによっ
て、従来のすべり抵抗をころがり抵抗に変化させること
ができるとともに、球体18のプランジャ10の第２穴部22
に対する接触面積が小となり、ころがり抵抗を極力小と
することができ、車内でのセレクトレバーのシフトタッ
チのフィーリングを大幅に向上させることができ、使い
勝手を良好とし得るものである。

また、前記球体18及び補助球体24を予め硬度を大とす
べく熱処理していることにより、プランジャ10の熱処理
が不要となり、加工が容易となって量産化によるコスト
ダウンを図ることができ、経済的に有利である。

［発明の効果］ 以上詳細に説明した如くこの発明によれば、自動変速
機のセレクトレバーに連絡した作動レバーに接続される
ディテントレバーの凹所に接離方向に移動可能なプラン
ジャの先端を係合させてセレクトレバーのシフト位置を
決定する変速操作装置において、プランジャの先端側に
第１穴部を穿設するとともに、この第１穴部と同一中心
を有すべく半球状の第２穴部を穿設し、第１穴部に補助
球体を挿入した後にこの補助球体に当接し且つディテン
トレバーの凹所に係合する球体を第２穴部に回動自在に
設けたので、プランジャの先端に、補助球体に当接し且
つ回動自在に設けた球体によって、従来のすべり抵抗を
ころがり抵抗に変化させることができるとともに、球体
のプランジャの第２穴部に対する接触面積が小となり、
ころがり抵抗を極力小とすることができ、車内でのセレ
クトレバーのシフトタッチのフィーリングを大幅に向上
させることができ、使い勝手を良好とし得る。また、前
記球体及び補助球体を予め硬度を大とすべく熱処理すれ
ば、プランジャの熱処理が不要となり、加工が容易とな
って量産化によるコストダウンを果たし得て、経済的に
有利である。

【図面の簡単な説明】

第１〜７図はこの発明の実施例を示し、第１図はプラン
ジャの要部拡大断面図、第２図はディテントレバーのＮ
位置に係合するプランジャの状態を示す概略正面図、第
３図はディテントレバーのＮ位置に係合するプランジャ
の状態を示す概略拡大断面図、第４図はディテントレバ
ーのＮ位置に係合するプランジャの状態を示す概略平面
図、第５図はディテントレバーのＮ位置に係合するプラ
ンジャの状態を示す概略左側面図、第６図はディテント
レバーのＰ位置に係合するプランジャの状態を示す概略
正面図、第７図はディテントレバーのＰ位置に係合する
プランジャの状態を示す概略左側面図である。 第８図はこの発明の従来技術を示すプランジャの拡大図
である。 図において、２は変速操作装置、４は作動レバー、６は
ディテントレバー、８は凹所、10はプランジャ、10aは
先端、12は筒状部材、14はピン、16はディテントスプリ
ング、18は球体、20は第１穴部、22は第２穴部、24は補
助球体、26はシフトフォーク、28はシフトサーボ、30は
シフトケーブルである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F16H 61/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動変速機のセレクトレバーに連絡した作
   動レバーに接続されるディテントレバーの凹所に接離方
   向に移動可能なプランジャの先端を係合させて前記セレ
   クトレバーのシフト位置を決定する変速操作装置におい
   て、前記プランジャの先端側に第１穴部を穿設するとと
   もにこの第１穴部と同一中心を有すべく半球状の第２穴
   部を穿設し、前記第１穴部に補助球体を挿入した後にこ
   の補助球体に当接し且つ前記ディテントレバーの凹所に
   係合する球体を前記第２穴部に回動自在に設けたことを
   特徴とする変速操作装置。