JP2839002B2 - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP2839002B2
JP2839002B2 JP8068658A JP6865896A JP2839002B2 JP 2839002 B2 JP2839002 B2 JP 2839002B2 JP 8068658 A JP8068658 A JP 8068658A JP 6865896 A JP6865896 A JP 6865896A JP 2839002 B2 JP2839002 B2 JP 2839002B2
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透 福原
俊雄 匝瑳
敏夫 土橋
信明 笹垣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、閃光撮影時の赤目
現象を防止するカメラの赤目防止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】赤目現象とは、電子閃光装置を用いたカ
ラ−写真撮影において、人間の眼が赤色または金色に光
って写ることをいう。この現象は、眼の瞳孔を通過した
電子閃光装置の発光部の閃光が網膜部分で反射され、そ
の反射光がフィルムに写って発生するものである。眼の
網膜部分には毛細血管が多数存在し、その血液中のヘモ
グロビンが赤色であるので、その反射光が赤みを帯びて
写るのである。
【0003】赤目現象が写真で顕著に現れるのは、以下
のような条件下であることが経験的に判明している。 1)撮影環境が暗い場合 人間の眼の瞳孔の大きさは周囲の明るさによって変化
し、暗い場合にはその直径が約7〜8mmに拡がってい
る。このときは眼への入射光量および反射光量は多くな
るので、当然赤目現象も目立ちやすい。 2)電子閃光装置の発光部と撮影レンズ光軸との距離が
近い場合 眼の網膜部分はかなりの高反射率であると同時に、また
反射の指向性も高い。従って電子閃光装置の発光部と撮
影レンズ光軸とが近く、網膜による正反射光がそのまま
撮影レンズに入射しやすい位置関係に3つの要素(発光
部、撮影レンズ、眼)がある場合は、赤目は強く発生す
る。すなわち、被写体である人物の瞳が、撮影レンズと
閃光光源の発光部とを見込む角度が、ある程度以下の小
さい角度以下になっているときには、赤目は必ず発生す
る。経験的に、この角度は約2〜2.5度である。従っ
て、電子閃光装置の発光部を撮影レンズ光軸から離せば
赤目の発生が防止されるが、カメラから被写体までの距
離(以下、被写体距離と呼ぶ)により限界があり、被写
体距離が所定値以上では赤目を避けることは困難であ
る。
【0004】そこで、赤目現象を防止する技術が、従来
から知られている。例えば「psaJOURNAL」の
1952年7月号には、撮影前に目を明るい環境に慣ら
せておき、瞳孔を3mm以下に縮小させた状態でフラッ
シュをたいて赤目を防止する方法が開示されている。ま
た、特公昭58−48088号公報には、瞳孔が閉じ動
作をするのに必要な時間だけ撮影前に予備照射ランプに
よるプリ照射を行ない、瞳孔がほぼ最小径となったとき
に電子閃光装置の発光部を発光させて写真撮影する技術
が開示されている。さらに、特開昭58−9130号公
報には、2個の閃光放電管を設け、一方の放電管をプリ
発光して瞳孔を閉じさせた後、第2の放電管をメイン発
光して実際の撮影を行なう方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、閃光撮
影時にこのような赤目防止用のプリ照射を行う場合、瞳
孔を縮小させるのに必要な時間(約0.75秒)だけ主
発光を伴うシャッタレリーズが遅れるから、上述の従来
装置のように閃光撮影時に必ずプリ照射を行うカメラに
おいては、例えば被写体輝度が高く赤目が発生しないと
きにも本来不要なプリ照射が行われ、このためシャッタ
チャンスを逃すおそれがある。またこの場合、プリ照射
に要する電池も無駄に消費される。
【0006】本発明の目的は、赤目防止の必要がないと
きのプリ照射が省略可能で無駄な電池の消耗を防止した
カメラの赤目防止制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1(a)に基づいて本
発明を説明すると、閃光撮影を行うか否かを判断する判
断手段101と、閃光撮影に先立って被写体に対して照
明光を照射する照明手段102と、判断手段101が閃
光撮影を行わないと判断したときは照明手段102の作
動を禁止する禁止手段103とを備えることにより、上
記目的を達成する。照明手段102は、被写体の瞳孔を
縮小させるための照明光を照射するものである。閃光撮
影を禁止するために操作される操作部材を設け、操作部
材が操作されたときに閃光撮影を禁止するようにしても
よい。被写体輝度を検出する輝度検出手段を備え、検出
された輝度が所定値以上のときに閃光撮影を禁止するよ
うにしてもよい。図1(b)に基づいて本発明を説明す
ると、閃光撮影を行うか否かを判断する判断手段201
と、閃光撮影に先立って被写体に対して照明光を照射す
る照明手段202と、閃光撮影に先立って照明手段20
2を作動するモードを設定する設定手段203と、判断
手段201が閃光撮影を行わないと判断したときは設定
手段203で設定されているモードを解除する解除手段
204とを備えることにより、上記目的を達成する。
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
−第1の実施の形態− 図2〜図8に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明
する。全体構成を示す図2において、CPU1には信号
伝達ラインBL1によってレンズ駆動回路2,焦点検出
回路3,測光回路4,カメラ制御回路5が接続されてい
る。焦点検出回路3は、例えばCCD等から成る一対の
受光素子を有し、撮影レンズREおよび不図示の一対の
レンズを介してこれらの受光素子上に一対の被写体像を
形成し、それぞれの受光素子からの電気信号に基づいて
被写体の結像面と予定結像面とのずれ量およびその方向
を表わす焦点検出信号をCPU1に出力する。測光回路
4は、被写体からの光を受光する受光素子を有し、この
受光素子の出力を測光データとしてCPU1に出力す
る。
【0010】カメラ制御回路5には、絞り,シャッタ等
の露出制御装置6および液晶表示器等の表示装置7が接
続されている。このカメラ制御回路5は、CPU1から
の指令により例えば露出値やシャッタスピード等の撮影
に関する情報を表示装置7にて表示するとともに、露出
制御装置6を駆動して撮影を行なう。
【0011】レンズ駆動回路2にはフォーカシングレン
ズ8を駆動するモータ9が接続され、CPU1からのレ
ンズ駆動信号によりモータ9を駆動制御してフォーカシ
ングレンズ8を駆動することによりフォーカシングを行
う。ここで、レンズ駆動信号は、上述の焦点検出信号に
基づいてCPU1にて形成される信号である。
【0012】また、CPU1には、外付けの電子閃光装
置10およびこの電子閃光装置10に一体に形成された
赤目防止装置11が接続されている。電子閃光装置10
は、発光素子としてのキセノン管Xe1、このキセノン
管Xe1発光用の充電電荷を蓄えるメインコンデンサ1
0a、このメインコンデンサ10aを充電する充電回路
10bおよびキセノン管Xe1の発光開始,終了を制御
する発光回路10cを有する。充電回路10bはメイン
コンデンサ10aの充電が完了し、キセノン管Xe1の
発光が可能になると充電完了信号をCPU1に出力す
る。この充電完了信号が入力されるとCPU1は、後述
する全押しスイッチSW2のオンに伴って発光開始信号
を発光回路10cに出力する。これに応答して発光回路
10bは、メインコンデンサ10aの充電電荷をキセノ
ン管Xe1に供給してキセノン管Xe1の発光を開始さ
せる。また、発光中にCPU1から発光停止信号が発光
回路10cに入力されると、キセノン管Xe1に供給さ
れる充電電荷を断ちキセノン管Xe1の発光を停止させ
る。キセノン管Xe1の発光量は調光回路12で測光さ
れ、調光用測光データとしてCPU1に入力される。
【0013】赤目防止装置11は、人間の眼の瞳孔を縮
小せしめる光を照射するキセノン管Xe2と、コンデン
サ11aと、その充電回路11bと、発光開始を制御す
る発光回路11cとを有し、CPU1から作動信号が発
光回路10cに入力されるとキセノン管Xe2が発光し
て、いわゆるプリ照射を行う。
【0014】さらに、CPU1には、図示せぬレリ−ズ
釦の操作に連動したレリ−ズスイッチSWが接続されて
いる。このレリ−ズスイッチSWはスイッチSW1,S
W2から構成され、レリ−ズ釦が半押し状態でスイッチ
SW1がオンし、全押し状態でスイッチSW2がオンす
る。CPU1はスイッチSW1がオンすると、上述の焦
点検出回路3および測光回路4を作動せしめ、焦点検出
回路3から入力される焦点検出信号から被写体までの距
離(距離情報)D(図8)を演算するとともに、フォー
カシングレンズ8を合焦位置に導くためのレンズ駆動量
を演算する。次いでこのレンズ駆動量に基づいてフォー
カシングレンズ8を合焦位置に駆動するためレンズ駆動
回路2にレンズ駆動信号を出力する。またスイッチSW
1のオンにより測光回路4からの測光データに基づいて
被写体輝度(輝度情報)Bを演算する。その後スイッチ
SW2がオンされると、カメラ制御回路5を介して露出
制御装置6を駆動して撮影を行い、このとき必要に応じ
て電子閃光装置10あるいは赤目防止装置11を作動せ
しめる。
【0015】またCPU1は、閃光撮影時、演算された
被写体距離Dおよび被写体輝度Bに基づいて、後述する
ように赤目現象が発生する撮影条件か否かを判定する。
そして、赤目が発生する撮影条件であると判定されると
赤目判定信号を出力して赤目防止モ−ドを設定し、スイ
ッチSW2のオンに応答して赤目防止装置11を作動せ
しめ、その後0.75秒経過したらカメラ制御回路5を
介して露出制御装置6を駆動せしめるとともに、発光回
路10cに発光開始信号を出力する。
【0016】以上の実施の形態において、赤目防止装置
11が照明手段を、CPU1が判断手段および禁止手段
を、電子閃光装置使用禁止スイッチが操作部材を、測光
回路4が輝度検出手段をそれぞれ構成する。
【0017】次に、図3〜図7のフローチャートに基づ
いてCPU1による制御の手順を説明する。半押しスイ
ッチSW1がオンすると図3,図4に示すプログラムが
起動され、まず図3のステップS1でメモリを初期値に
リセットするとともに、各回路をリセットする。これに
より、焦点検出回路3および測光回路4はそれぞれの受
光素子の検出結果を電気信号に変換してCPU1に入力
する。次いで、ステップS2で焦点検出回路3からの焦
点検出信号を読み込み、ステップS3で被写体距離Dを
演算してステップS4に進む。
【0018】ステップS4では、上述の焦点検出信号に
より得られる像ずれ量およびずれ方向から、フォーカシ
ングレンズ8を合焦位置に導くためのレンズ駆動量を演
算し、ステップS5でレンズ駆動回路2にレンズ駆動信
号を出力して、モータ9によりフォーカシングレンズ8
を合焦位置に駆動する。
【0019】次にステップS6で測光回路4からの測光
データを読み込み、ステップS7でこの測光データに基
づいて被写体輝度Bを演算するとともに、図4のステッ
プS8でこの被写体輝度BとISO感度とからシャッタ
スピ−ドおよび絞り値を演算する。これらのシャッタス
ピ−ドおよび絞り値は、ステップS9でカメラ制御回路
5に出力される。カメラ制御回路5は、これらの値を表
示装置7にて表示する。
【0020】次にステップS10に進み、電子閃光装置
10を使用する撮影か否かを判定する。これは例えば、
不図示の電子閃光装置使用禁止スイッチによって電子閃
光装置10の使用が禁止されているか否か、あるいは被
写体輝度Bの高低に基づく電子閃光装置10使用の必要
性の有無により判断される。ステップS10が肯定され
るとステップS11へ進み、否定されるとステップS1
4で赤目防止モードを解除してステップS2に戻る。
【0021】ステップS11では、充電回路10bから
充電完了信号が出力されているか否かにより、電子閃光
装置10のメインコンデンサ10aの充電が完了したか
否かを判定する。充電回路10bから充電完了信号が出
力されておりステップS11が肯定されるとステップS
12に進み、充電完了信号が未出力でありステップS1
1が否定されるとステップS14に進む。
【0022】ステップS12では、赤目が発生する撮影
条件か否かを判定する。この実施の形態では被写体距離
Dおよび撮影レンズREと電子閃光装置10の発光部と
の距離H(図8)によって赤目発生の可能性が判断でき
る。
【0023】すなわち図8に示すように、瞳Pが写真上
に写し込まれる場合、瞳Pが撮影レンズREとキセノン
管Xe1とを見込む角度、すなわち瞳Pおよび撮影レン
ズREの中心を通る直線l1と、瞳Pおよび電子閃光装
置10のキセノン管Xe1の中心を通る直線l2とのな
す角度θが約2度以下になると赤目が多く発生する。
今、撮影レンズREとキセノン管Xe1の各光軸間距離
をHとすると、角度θは、
【数1】tanθ=H/D で表わされ、この式より被写体距離Dは、
【数2】D=H/tanθ …(1) で表わすことができる。したがって、例えば撮影レンズ
REと電子閃光装置10のキセノン管Xe1の光軸間距
離Hを0.1mとし、θ=2度以下で赤目が発生するも
のと規定した場合、赤目は、被写体距離Dがほぼ、
【数3】D=28.6×0.1m=2.86m 以上で発生すると考えることができる。したがって、
(1)式で求めた被写体距離Dを赤目発生の撮影条件を
判定する基準値として用いることができる。
【0024】一方、被写体輝度が所定基準を超えるほど
に高いときは瞳孔が閉じているため、赤目現象はほとん
ど発生しない。これは換言すると、被写体輝度が人間の
瞳孔が赤目を引き起こすほどに大きくなるような所定基
準値以下で赤目が発生すると言うことができる。
【0025】以上から本実施の形態では、検出される被
写体距離Dが基準値である2.86m以上で、かつ被写
体輝度Bが所定基準値以下の場合には赤目が発生するも
のと判断するようにし、ステップS12でこれらの条件
が満たされればステップS13に進み、満たされなけれ
ばステップS14に進む。ステップS13では赤目防止
モ−ドを設定し、その後ステップS2に戻り、ステップ
S2以下の処理を繰り返す。なお、上述の距離Hは、例
えば電子閃光装置10側からキセノン管Xe1の高さ位
置に応じた信号がカメラ側に入力されることによりCP
U1内で算出される。
【0026】この状態で全押しスイッチSW2(図2)
がオンすると図5〜図7に示す割り込みル−チンが起動
され、まず図5のステップS21で赤目防止モ−ドが設
定されているか否かを判定する。肯定判定されるとステ
ップS22に進み、赤目防止装置8に作動信号を出力し
てキセノン管Xe2を閃光発光させ被写体に照射せしめ
る。これにより被写体である人物はキセノン管Xe2の
閃光を目視し、眼の瞳孔が閉じる。
【0027】次いでステップS23で、被写体の瞳孔開
口が最小となる時間(例えば0.75秒)がキセノン管
Xe2の発光後経過したか否かを判定する。これはキセ
ノン管Xe2への発光開始指令と同時にタイマを動作せ
しめるなどして計時される。否定判定されると肯定判定
されるまでステップS23に留まり上述の遅延時間を待
ち、肯定判定されるとステップS24に進む。ステップ
S24では、カメラ制御回路5を介して絞りを駆動し、
次いでステップS25でメインミラ−をアップさせ、ス
テップS26でシャッタ先幕を走行させる。その後、図
6のステップS27で電子閃光装置10使用の有無を判
定する。
【0028】ステップS27が否定されるとステップS
31に進み、所定のシャッタ開時間が経過したか否かを
判定する。ステップS31が否定されると、肯定される
までステップS31に留まり所定のシャッタ開時間を待
ち、肯定されるとステップS34でシャッタ後幕を走行
させ、ステップS35でメインミラ−をダウンさせ処理
を終了させる。
【0029】ステップS27が肯定されるとステップS
28へ進み、シャッタが全開したか否かを判定する。ス
テップS28が否定されると、肯定されるまでステップ
S28に留まりシャッタの全開を待ち、肯定されるとス
テップS29で電子閃光装置10の発光回路10cに発
光開始信号を出力してキセノン管Xe1の発光を開始さ
せる。その後ステップS30に進み、シャッタ開時間が
シンクロ同調秒時になったか否かを判定し、肯定される
とステップS34に進む。
【0030】ステップS30が否定されるとステップS
32へ進み、キセノン管Xe1の発光量が所定値になっ
たか否かを判定する。これは、上述した調光回路12で
測光されてCPU1に入力される測光データに基づいて
行われる。ステップS32が否定されるとステップS3
0に戻り、肯定されるとステップS33で発光回路10
cに発光停止信号を出力し、キセノン管Xe1の発光を
停止させる。その後処理はステップS34に進む。これ
により眼の瞳孔が最小になったときに閃光撮影が行われ
るので赤目の発生が防止される。
【0031】以上の手順によれば、ステップS3で得ら
れた被写体距離Dがθ<2°となるような距離であり、
かつ被写体輝度Bが所定値よりも低い場合には赤目が発
生すると判断して赤目防止装置11を作動せしめ、それ
以外の場合には赤目が発生しないと判断して赤目防止装
置11を作動させないようにしたので、不所望なプリ照
射によりシャッタチャンスを逃すことが防止されるとと
もに、電池の無駄な消費が防止される。
【0032】−第2の実施の形態− 図2および図9に基づいて本発明の第2の実施の形態を
説明する。図2において、カメラ制御回路5には、ファ
インダ内の表示用発光ダイオード(以下、LED)21
が接続されている。CPU1は、上述のように被写体距
離Dと被写体輝度Bとにより赤目が発生する撮影条件か
否かを判断し、赤目発生の撮影条件であることが判定さ
れるとカメラ制御回路5を介してLED21を例えば点
滅させて、その旨を報知する。
【0033】また、CPU1にはスイッチSW3が接続
されている。このスイッチSW3は、不図示のモ−メン
タリタイプの赤目防止装置作動釦の操作に連動してオン
し、一回目のオンにより赤目防止指令を出力するととも
に2回目のオンで赤目防止解除信号を出力する。CPU
1は、この赤目防止指令が出力されると上述の赤目防止
モードを設定し、赤目防止解除信号が出力されると赤目
防止モードを解除する。
【0034】以上の実施の形態において、CPU1が設
定手段および解除手段をそれぞれ構成する。
【0035】次に、図9のフローチャートによりCPU
1の処理手順を説明する。なお、図4と同様なステップ
には同一の符号を付し相違点のみ説明する。
【0036】図9において、ステップS12で赤目が発
生する撮影条件であると判定されると、ステップS41
でカメラ制御回路5を介してLED21を点滅させステ
ップS42に進む。ステップS42では、赤目防止指令
が出力されているか否か、すなわち不図示の赤目防止装
置作動釦を押圧したときだけオンとなるスイッチSW3
により赤目防止指令が出力されているか否かを判定す
る。この赤目防止指令は、該作動釦に押圧操作を加えて
スイッチSW3をオンする度に、出力、非出力の両状態
に交互に切換わる。該スイッチSW3のオンは、カメラ
の電源が投入されていればいつでも受け付けられる。ま
た赤目防止指令の出力は、1駒の撮影が完了する毎に非
出力状態に切換えられ、不用意なプリ照射を防止する。
【0037】ステップS42が肯定判定されるとステッ
プS13で赤目防止モードを設定してステップS2に戻
り、否定判定されるとステップS14で赤目防止モード
を解除してステップS2に戻る。
【0038】以上の処理によれば、CPU1により赤目
が発生する撮影条件であると判断された場合にはLED
21の点滅によりその旨が報知される。このとき赤目防
止装置作動釦を操作してから全押し操作を行えば、電子
閃光装置10のキセノン管Xe1に先だって赤目防止装
置11のキセノン管Xe2によるプリ発光が行われ、赤
目防止装置作動釦を操作せずに全押し操作を行えば、プ
リ発光が行われず電子閃光装置10のキセノン管Xe1
のみが発光する。したがって撮影者は、自分の意志によ
りプリ照射を行うか否かを選択できる。例えば被写界内
に人間が存在しない場合は赤目が発生しないのでプリ照
射を行わなくてよい。この結果、不要なプリ照射により
シャッタチャンスを逃すことが防止される。
【0039】−変形例− なお、以上では、被写体距離Dが(1)式で与えられる
値以上でかつ被写体輝度が所定値以下の場合に赤目が発
生する撮影条件であると判定するようにしたが、例え
ば、上記の条件の少なくともいずれか一方が満たされる
と赤目が発生する蓋然性が高いので、赤目発生の撮影条
件であると判断するようにしてもよい。また、被写体距
離Dと被写体輝度Bとを予めいくつかのステップにそれ
ぞれ分割し、被写体距離Dの各ステップと被写体輝度B
の各ステップSとの全ての組合せについて赤目が発生す
るか否かの条件を予めテーブル設定しておき、このテー
ブルを参照することにより赤目発生の有無を判定しても
よい。
【0040】さらに、一対の受光素子により得られる被
写体の結像面と予定結像面とのずれ量およびずれ方向か
ら被写体距離Dを求める一眼レフカメラについて説明し
たが、例えば、被写体に光を投光し、その反射光を受光
素子で受光し、この受光素子の検出信号から被写体距離
を求めるアクティブ測距方式を行うカメラにも本発明を
適用できる。
【0041】さらにまた、外付けの電子閃光装置を装着
した例を示したが、電子閃光装置を内蔵するカメラにも
本発明を適用できる。また、電子閃光装置は、被写体が
暗いときに自動的に作動される例を示したが、手動操作
により電子閃光装置の使用の有無を指示しておきレリー
ズ操作に連動して発光を行うものでもよい。
【0042】さらに電子閃光装置10の発光管を複数の
発光位置で発光可能なものについては、各位置におい
て、発光管の高さ位置を示す信号をカメラ内に取り込
み、これにより、発光管と撮影レンズの光軸間距離Hを
算出して(1)式による限界撮影距離Dを変更すること
ができる。
【0043】なお、本実施の形態では、人間の瞳孔が開
いているかどうかの明るさ情報を得る手段として、被写
体輝度Bを測定する方法をとっているが、被写体輝度B
以外にも被写体の正対している方向(すなわちカメラの
背後)の明るさや、被写体を含む広い撮影環境の明るさ
を測定するものであってもよい。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、閃光撮影を行
わないと判断されたときは照明手段の作動を禁止するよ
うにしたので、無用な電池消耗が防止されるとともに、
シャッタチャンスを逃すおそれもない。また、請求項5
の発明によれば、照明手段を作動するようなモードが設
定されているとき、閃光撮影を行わないと判断したとき
は上記モードを解除するようにしたので、誤って照明手
段を作動して無駄な電池を消耗するような事態を防止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るカメラの赤目
防止制御装置のブロック図
【図3】第1の実施の形態の処理手順を示すフローチャ
ート
【図4】第1の実施の形態の処理手順を示すフローチャ
ート
【図5】第1の実施の形態の処理手順を示すフローチャ
ート
【図6】第1の実施の形態の処理手順を示すフローチャ
ート
【図7】第1の実施の形態の処理手順を示すフローチャ
ート
【図8】赤目現象が発生する撮影条件を説明する説明図
【図9】本発明の第2の実施の形態の処理手順を例を示
すフローチャート
【符号の説明】
1:CPU 3:焦点検出回路 4:測光回路 5:カメラ制御回路 8:フォーカシングレンズ 10:電子閃光装置 11:赤目防止装置 SW3:赤目指令スイッチ 101:主閃光装置 102:主閃光作動指令手段 103:輝度情報出力手段 104:赤目判定手段 105:赤目防止手段 106:制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹垣 信明 東京都品川区西大井1丁目6番3号 日 本光学工業株式会社 大井製作所内 (72)発明者 原 正治 東京都品川区西大井1丁目6番3号 日 本光学工業株式会社 大井製作所内 (56)参考文献 特開 平1−235932(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03B 15/05 G03B 7/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閃光撮影を行うか否かを判断する判断手段
    と、 前記閃光撮影に先立って被写体に対して照明光を照射す
    る照明手段と、 前記判断手段が前記閃光撮影を行わないと判断したとき
    は前記照明手段の作動を禁止する禁止手段とを備えるこ
    とを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】請求項1のカメラにおいて、 前記照明光は被写体の瞳孔を縮小させるための照明光を
    照射することを特徴とするカメラ。
  3. 【請求項3】請求項1のカメラにおいて、 前記閃光撮影を禁止するために操作される操作部材を備
    え、 前記判断手段は前記操作部材が操作されたときに前記閃
    光撮影を禁止することを特徴とするカメラ。
  4. 【請求項4】請求項1のカメラにおいて、 被写体輝度を検出する輝度検出手段を備え、 前記判断手段は前記輝度検出手段で検出された輝度が所
    定値以上のときに前記閃光撮影を禁止することを特徴と
    するカメラ。
  5. 【請求項5】閃光撮影を行うか否かを判断する判断手段
    と、 前記閃光撮影に先立って被写体に対して照明光を照射す
    る照明手段と、 前記閃光撮影に先立って前記照明手段を作動するモード
    を設定する設定手段と、 前記判断手段が前記閃光撮影を行わないと判断したとき
    は前記設定手段で設定されている前記モードを解除する
    解除手段とを備えることを特徴とするカメラ。
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