JP2837719B2 - パンチプレス用の金型 - Google Patents

パンチプレス用の金型

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、例えばタレットパンチプレスや通常のパ
ンチプレスに装着して使用される金型に係り、さらに詳
細には、大きな板材から比較的大きな製品あるいはスク
ラップを剪断分離する際に使用する金型に関する。
(従来の技術) 従来、例えばタレットパンチプレスや工具支持部に複
数の金型を備えたパンチプレスには、定尺材等の矩形状
の大きな板材状のワークをX軸、Y軸方向へ自動的に移
動し位置決めする移動位置決め装置が備えられている。
上記移動位置決め装置によってワークを加工位置へ移動
位置決めして所望のパンチング加工を行なった後に、比
較的大きな製品あるいはスクラップをワークから剪断分
離することがある。
上述のごとくワークから製品あるいはスクラップを剪
断分離する加工として、ニブリング加工があるが、製品
等が矩形状の場合には、切刃部が矩形状のパンチ等を使
用して追抜き加工によって剪断分離が行なわれている。
(発明が解決しようとする課題) 従来、例えばタレットパンチプレスにおいて前述のご
とき加工を行なうには、先ず、例えば切刃部がX軸方向
に長い金型を使用して、ワークをX軸方向へ移動しつつ
X軸方向の追抜きを行なう。次に、タレットパンチプレ
スにおけるタレットを旋回してY軸方向に切刃部の長い
金型を加工位置に割出した後、ワークをY軸方向に移動
しつつY軸方向に追抜き加工を行ない、大きな板状のワ
ークから矩形状の製品あるいはスクラップの剪断分離を
行なっている。
したがって、従来においては、切刃部がX軸方向に長
い金型とY軸方向に長い金型とをタレットに装着しなけ
ればならず、金型の装着箇所が余分になると共に、例え
ばX軸方向の追抜き加工後にY軸方向の追抜き加工を行
なうべく、重く大きなタレットを旋回割出ししなければ
ならず、作業能率向上に問題があった。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前述のごとき従来の問題に鑑みて、本発明は、円柱形
状のパンチホルダに複数のパンチボディを弾性部材を介
して個別に上下動自在に支承して設け、上記各パンチボ
ディの下端部に着脱可能に取付けた各パンチチップの下
部に形成した細長い形状の各切刃部を直交する方向に配
置した構成のパンチプレス用の金型において、前記各パ
ンチチップにおいて前記各切刃部の長手方向に対して直
交する方向の一側部にキー又はキー溝を設け、このキー
又はキー溝の反対側に他方の切刃部との干渉を回避する
干渉回避溝を形成して各パンチチップを同一形状に設け
てなるものである。
(実施例) 第1図を参照するに、例えばタレットパンチプレス
(図示省略)における上部タレットのごとく上型を支持
する上部金型支持部1には上部金型3が着脱可能に支承
されており、下型を支持する下部金型支持部5(タレッ
トパンチプレスの場合には下部タレットが相当する)に
は、上部金型3と対応する下部金型7が着脱可能に支持
されている。
前記上部金型3は、上部金型支持部1に形成されたパ
ンチ装着孔9に上下動自在かつ着脱可能に装着されてい
る。より詳細には、パンチ装置孔9には円柱状のパンチ
ホルダ11が上下動自在に嵌入してある。このパンチホル
ダ11の外周面の複数箇所にはピン13が突設してあり、こ
のピン13は、リフタスプリング15によって上方向に付勢
されたリフタブロック17に支持されている。したがっ
て、パンチホルダ11は、リフタスプリング15により、上
部金型支持部1に対して押し上げられた状態に支持され
ているものである。なお、パンチホルダ11の方向性は、
パンチホルダ11の外周面に形成したキー溝11Kに、キー1
2を係合することにより、常に一定に保持されている。
前記パンチホルダ11内には、複数のパンチボディ19A,
19Bが上下動自在に支持されており、各パンチボディ19
A,19Bの上端には、それぞれ複数のボルトによりパンチ
ヘッド21A,21Bが固定してある。そして、パンチヘッド2
1A,21Bに下方から当接した各ブラケット23A,23Bと前記
パンチホルダ11との間には、ストリッパースプリングと
して、例えばコイルスプリングや弾性ゴム等によりなる
弾性部材25(第2図参照)が弾装してある。
したがって、各パンチボディ19A,19Bは、弾性部材25
の作用により、パンチホルダ11に対して上方向に付勢さ
れた状態にある。
前記各パンチボディ19A,19Bの下部には、取付けボル
ト27を介してパンチチップ29A,29Bが着脱可能に取付け
てある。このパンチチップ29A,29Bの下端部には、第3
図に示すように、細長い形状(本実施例においては端面
が長方形)の切刃部31A,31Bが形成してある。また、各
パンチチップ29A,29Bには、パンチホルダ11に方向性90
゜異にして形成した各キー溝33A,33Bに係合するキー35
A,53Bが取付けてあると共に、他方の切刃部との干渉を
回避する干渉回避溝37A,37Bが形成してある。
したがって、各パンチチップ29A,29Bは、同一形状で
あってパンチボディ19A,19Bの両方に任意に取付けるこ
とができ、かつ作業能率向上を図るべく、切刃部31A,31
Bをより長く大きく形成した場合であっても、各パンチ
チップ29A,29Bが干渉するようなことがないものであ
る。また、各パンチチップ29A,29Bにそれぞれキー35A,3
5Bを設けて方向性を規制した構成であるので、各パンチ
ボディ19A,19Bに対する各パンチチップ29A,29Bの取付方
向に僅かな誤差があったとしても、パンチホルダ11に対
する各パンチチップ29A,29Bの方向性は正確に保持され
るものである。
パンチホルダ11に対する各パンチボディ19A,19Bの上
下動を円滑に行なうために、各パンチボディ19A,19Bが
パンチホルダ11に嵌合した各嵌合孔11A,11Bの内周面に
は、それぞれ油溝11AG,11BGが形成してあり、かつ各油
溝11AG,11BGは、例えばグリスニップルのごとき油供給
部39に接続してある。また、パンチホルダ11の下端部に
は、ワークWを下部金型7に押圧固定するための板押え
41がホルダ等により固定されている。
前記下部金型7は、パンチプレスにおける通常のダイ
と同様に、キー、キー溝の関係において下部金型支持部
5に固定されており、この下部金型7には、前記各パン
チチップ29A,29Bの各切刃部31A,31Bに対応するダイ孔7
A,7Bが形成されている。
以上のごとき構成において、パンチプレス(図示省
略)における移動位置決め装置の作用によってワークW
を、例えば第1図における左右方向へ移動しつつ、パン
チプレスにおける上下動自在なストライカSTにより一方
のパンチヘッド21Aの打圧を繰り返すことにより、一方
のパンチチップ29Aとダイ孔7Aによって、ワークWの左
右方向への追抜き加工が行なわれ、左右方向のスリット
が形成される。次に、ストライカSTを他方のパンチヘッ
ド21Bの上方に移動して、パンチヘッド21Bの打圧を繰り
返すと共に、ワークWを前後方向(第1図においては紙
面に垂直な方向)に移動することにより、ワークWには
前後方向のスリットが追抜き加工によって形成される。
したがって、既に理解されるように、ワークWに左右
方向のスリットと前後方向のスリットとを連続して形成
することにより、ワークWから矩形状の製品あるいはス
クラップを得ることができる。
すなわち本実施例によれば、パンチプレスにおける移
動位置決め装置によりワークを前後左右方向(Y軸、X
軸方向)へ移動しつつ、パンチチップ29A,29Bを選択し
て追抜き加工を行なって、前後左右後方のスリットを連
続してワークWに形成することにより、ワークWから矩
形状の製品あるいはスクラップを剪断分離することがで
きる。この際、パンチプレスにおけるストライカSTを一
方のパンチヘッドの上方から他方のパンチヘッドの上方
へ移動することにより、パンチチップの選択を迅速に行
うことができる。また、ワークWも一方のパンチチップ
から他方のパンチチップに対応するように僅か寸法移動
すれば良いものであり、大きな板材から比較的大きな製
品あるいはスクラップの剪断分離を迅速に行なうことが
でき、作業能率が向上するものである。
なお、この発明は、前述の実施例のみに限るものでは
なく、適宜の変更を行なうことによっては、その他の態
様でも実施し得るものである。
[発明の効果] 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要
するに本発明は、円柱形状のパンチホルダ(11)に複数
のパンチボディ(19A,19B)を弾性部材(25)を介して
個別に上下動自在に支承して設け、上記各パンチボディ
(19A,19B)の下端部に着脱可能に取付けた各パンチチ
ップ(29A,29B)の下部に形成した細長い形状の各切刃
部(31A,31B)を直交する方向に配置した構成のパンチ
プレス用の金型において、前記各パンチチップ(29A,29
B)において前記各切刃部(31A,31B)の長手方向に対し
て直交する方向の一側部にキー又はキー溝を設け、この
キー又はキー溝の反対側に他方の切刃部との干渉を回避
する干渉回避溝(37A,37B)を形成して各パンチチップ
(29A,29B)を同一形状に設けてなるものである。
上記構成より明らかなように、パンチホルダ11に上下
動可能に支承された各パンチボディ19A,19Bの下部に着
脱可能に取付けた各パンチチップ29A,28Bは、下部に形
成した細長い形状の各切刃部31A,31Bの長手方向に対し
て直交する方向の一側部にキー又はキー溝を設け、この
キー又はキー溝の反対側に切刃部との干渉を回避する干
渉回避溝37A,37Bを形成して同一形状に形成してある。
したがって、各パンチチップ29A,29Bを各パンチボデ
ィ19A,19Bに取付けるとき、各パンチチップ29A,29Bに設
けた例えばキーをパンチホルダ11に形成したキー溝に係
合して取付けることにより、各パンチチップ29A,29Bの
方向性が設定されるものである。この際、各パンチチッ
プ29A,29Bの形状が同一であるから、各パンチボディ19
A,19Bに対して任意に取付けることができ、その組付け
が容易なものである。
また、各パンチチップ29A,29Bには干渉回避溝37A,37B
が形成してあることにより、各パンチチップ29A,29Bを
互に極めて近接できることとなり、全体的構成のコンパ
クト化を図ることができるものである。
さらに、各パンチチップ29A,29Bが同一形状であるこ
とにより、各パンチチップ29A,29Bを区別することなく
製造でき、その製造が容易なものである。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の1実施例を示すもので、第1図は第2図
におけるI−I線に沿った断面図、第2図は平面図、第
3図は板押えを省略した底面図である。 1……上部金型支持部 9……パンチ装着孔 11……パンチホルダ 19A,19B……パンチボディ 25……弾性部材 29A,29B……パンチチップ 31A,31B……切刃部 35A,35B……キー 33A,33B……キー溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円柱形状のパンチホルダ(11)に複数のパ
    ンチボディ(19A,19B)を弾性部材(25)を介して個別
    に上下動自在に支承して設け、上記各パンチボディ(19
    A,19B)の下端部に着脱可能に取付けた各パンチチップ
    (29A,29B)の下部に形成した細長い形状の各切刃部(3
    1A,31B)を直交する方向に配置した構成のパンチプレス
    用の金型において、前記各パンチチップ(29A,29B)に
    おいて前記各切刃部(31A,31B)の長手方向に対して直
    交する方向の一側部にキー又はキー溝を設け、このキー
    又はキー溝の反対側に他方の切刃部との干渉を回避する
    干渉回避溝(37A,37B)を形成して各パンチチップ(29
    A,29B)を同一形状に設けてなることを特徴とするパン
    チプレス用の金型。
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JP4133005B2 (ja) * 2002-06-13 2008-08-13 株式会社アマダ パンチプレス用金型
JP2006142337A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Amada Co Ltd パンチ金型
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