JP2837049B2 - 複層セラミックスるつぼの製造方法 - Google Patents
複層セラミックスるつぼの製造方法Info
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Description
ぼ、特には化合物半導体の分子線エピタキシー法に好適
とされる複層セラミックスるつぼの製造方法に関するも
のである。
ー法に使用される蒸発源るつぼとして、熱分解窒化ほう
素などの高耐熱性セラミックスからなるるつぼが用いら
れてきた。また、これを改良して、熱分解窒化ほう素の
るつぼ基材上に熱吸収率の高い熱分解グラファイトから
なる熱吸収層を設け、さらに電気絶縁性セラミックスを
被覆してなる複層セラミックスるつぼも開発されてい
る。
う素は熱吸収率が低いため、蒸発源るつぼとして用いる
と開口部付近の温度が相対的に低くなり、蒸発が不安定
になる欠点がある。また、これを改良したものは、この
低温部に熱吸収層を設けて温度を均一化できるものの、
被覆層と熱吸収層がるつぼ基材と一体化しているため、
温度が変化 するとそれらの熱膨張係数の差によって接合
部に熱応力が発生し、被覆層や熱吸収層がるつぼ基材か
ら剥離する欠点がある。
を解決したもので、これは熱分解窒化ほう素のるつぼ基
材の表面に熱分解グラファイトの熱吸収層を接合し、そ
の上に電気絶縁性セラミックスの被覆層を設ける複層セ
ラミックスるつぼの製造方法において、るつぼ基材と熱
吸収層、熱吸収層と被覆層との熱膨張係数の差が1×10
-6/℃以下となるように、製造時の温度と真空度を調整
するものである。
複層セラミックスるつぼを開発すべく種々検討した結
果、熱分解窒化ほう素のるつぼ基材の表面に熱吸収層と
して熱分解グラファイト層を接合し、この上に電気絶縁
性セラミックスを被覆してなる複層セラミックスるつぼ
の製造方法において、るつぼ基材と熱吸収層との熱膨張
係数の差および被覆層と熱吸収層との熱膨張係数の差を
いずれも1×10-6/℃以下とすれば被覆層や熱吸収層が
るつぼ基材から剥離しないことを見出し、そのためには
該複層セラミックスるつぼの製造時の温度と真空度を調
整すればよいことを確認して本発明を完成させた。以下
にこれをさらに詳述する。
時に温度が変化しても、熱膨張係数の差により接合部に
発生する熱応力が接合強度より小さいので、被覆層や熱
吸収層がるつぼ基材接合部で剥離しなくなる。
分解窒化ほう素のるつぼ基材の表面に熱分解グラファイ
トの熱吸収層を接合し、その上に電気絶縁性セラミック
スの被覆層を設けたもので、これ自体の構成は公知であ
る。しかし、この複層セラミックスるつぼは、熱分解グ
ラファイトの熱吸収層と熱分解窒化ほう素のるつぼ基材
との熱膨張係数の差、また絶縁性セラミックスの被覆層
と該熱吸収層との熱膨張係数の差が1×10-6/℃より大
きいと、使用時に温度が変化するとその熱膨張係数の差
によって接合部に熱応力が発生して、熱吸収層や被覆層
がるつぼ基材から剥離する。
つぼ基材との熱膨張係数の差、および被覆層と熱吸収層
との熱膨張係数の差が1×10-6/℃以下であることが必
要である。これによれば使用時に温度が変化してもこれ
ら両者の熱膨張係数の差による接合部の熱応力が接合強
度より小さいので、接合部での被覆層、熱吸収層の剥離
は起こらない。
I-V 族化合物半導体製造プロセスに使用されることか
ら、るつぼ基材は同族化合物である窒化ほう素からなる
ものとする。 次に、るつぼ基材と接合する熱吸収層は、
窒化ほう素との付着性が比較的よいことから熱分解グラ
ファイトからなるものとする。 また、熱分解グラファイ
トの上に被覆される被覆層は電気絶縁性セラミックスか
らなるものとする。これは例えば、るつぼ基材が熱分解
窒化ほう素であるから、窒化ほう素とすればよい。
法は、熱分解窒化ほう素のるつぼ基材の表面に熱分解グ
ラファイトの熱吸収層を接合し、その上に電気絶縁性セ
ラミックスの被覆層を設け、るつぼ基材と熱吸収層、被
覆層と熱吸収層との熱膨張係数の差を1×10 -6 /℃以下
とするものである。 るつぼ基材の熱分解窒化ほう素は、
例えばアンモニアと三塩化ほう素とを1,800 〜2,100
℃、10トールの条件下で反応させて得る。この熱膨張係
数は2〜4×10 -6 /℃となる。熱吸収層の熱分解グラフ
ァイトは、例えばメタンガスを1,900 〜2,100 ℃、5ト
ールの条件下で熱分解させて作る。この熱分解グラファ
イトは熱膨張係数が1〜3×10-6/℃となる。被覆層の
窒化ほう素は、るつぼ基材の熱分解窒化ほう素と同様に
アンモニアと三塩化ほう素とを1,800 〜2,100 ℃、5〜
10トールの条件下で熱分解させて作ればよい。
の熱膨張係数の差を1×10-6/℃以下とするには、製造
時の温度、真空度などを上記範囲内に調整すればよい。
るつぼは、被覆層や熱吸収層がるつぼ基材から剥離せ
ず、長い寿命をもつ。 また、被覆層を窒化ほう素とすれ
ばIV族元素などで汚染されないので、III-V族化合物半
導体の分子線エピタキシー法などに使用できる。 さらに
るつぼ基材、熱吸収層も化学気相蒸着法で作れば、焼結
法で作るよりも不純物のない高純度となるので、これを
半導体製造プロセスに使用しても半導体は不純物で汚染
されない。
件下で反応させて、直径20mm、 厚さ1mmの熱分解窒化ほ
う素のるつぼを作ったのち、メタンガスを 1,900℃、 5
トールの条件下で熱分解させて、るつぼの表面に厚さ40
μmの熱分解グラファイトからなる熱吸収層を形成させ
た。ついで、アンモニアと三塩化ほう素とを 2,100℃、
10トールの条件下で反応させて、熱吸収層の上に厚さ 1
00μmの電気絶縁性セラミックスとしての熱分解窒化ほ
う素からなる被複層を形成させて複層セラミックスるつ
ぼを作った。
とるつぼ基材との熱膨張係数の差と、被覆層と熱吸収層
との熱膨張係数の差がいずれも1×10-6/℃であった。
このるつぼは室温から 1,300℃まで 100回昇温、降温を
くり返しても、るつぼ基材と熱吸収層(発熱層)との接
合部、熱吸収層と被覆層との接合部には剥離が発生せ
ず、長い寿命をもった。また化合物半導体としてのGaAs
の分子線エピタキシー法に使用したところ、6ケ月間毎
日昇降温をくり返しても剥離は発生せず、安定した蒸発
を維持することができた。
件下で反応させて、直径40mm、 厚さ1mmの熱分解窒化ほ
う素のるつぼをつくったのち、メタンガスを 2,100℃、
5トールの条件下で熱分解させて、るつぼの表面に厚さ
50μmの熱分解グラファイトの熱吸収層を形成させた。
ついで、アンモニアと三塩化ほう素とを1,900℃、10ト
ールの条件下で反応させて、この熱吸収層の上に厚さ90
μmの熱分解窒化ほう素の被複層を形成させて複層セラ
ミックスるつぼを作った。
とるつぼ基材との熱膨張係数の差が0.5 ×10-6/℃、被
複層と熱吸収層との熱膨張係数の差が0.4 ×10-6/℃で
あり、室温から 1,300℃まで 100回の昇温、降温をくり
返しても、るつぼ基材と熱吸収層の接合部、熱吸収層と
被覆層との接合部には剥離は発生しなかった。
件下で反応させて、直径が50mm、 厚さが1mmの熱分解窒
化ほう素製るつぼを作ったのち、メタンガスを2,100
℃、5トールの条件下で熱分解させて、るつぼの表面に
厚さが10μmの熱分解グラファイトの熱吸収層を形成さ
せた。ついで、アンモニアと三塩化ほう素とを 1,800
℃、5トールの条件下で反応させて、熱吸収層の上に厚
さ 100μmの熱分解窒化ほう素の被覆層を形成させて複
層セラミックスるつぼを作った。
とるつぼ基材との熱膨張係数の差が2×10-6/℃、被覆
層と熱吸収層との熱膨張係数の差が 1.2×10-6/℃でい
ずれも1×10-6/℃以上であり、室温から 1,300℃まで
昇温、降温を28回くり返した時点でるつぼ基材と熱吸収
層との接合部に剥離が発生した。
差が生じても接合部に発生する熱応力が接合強度より小
さいので、接合部で熱吸収層や被覆層が剥離せず寿命の
長い複層セラミックスるつぼとなる。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱分解窒化ほう素のるつぼ基材の表面に
熱分解グラファイトの熱吸収層を接合し、その上に電気
絶縁性セラミックスの被覆層を設ける複層セラミックス
るつぼの製造方法において、るつぼ基材と熱吸収層、熱
吸収層と被覆層との熱膨張係数の差が1×10-6/℃以下
となるように、製造時の温度と真空度を調整することを
特徴とする複層セラミックスるつぼの製造方法。 - 【請求項2】 前記温度と真空度をるつぼ基材は1,800
〜2,100 ℃、10トール、熱吸収層は1,900 〜2,100 ℃、
5トール、被覆層は1,800 〜2,100 ℃、5〜10トールに
調整する請求項1記載の複層セラミックスるつぼの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312901A JP2837049B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 複層セラミックスるつぼの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4312901A JP2837049B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 複層セラミックスるつぼの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06135794A JPH06135794A (ja) | 1994-05-17 |
JP2837049B2 true JP2837049B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=18034827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4312901A Expired - Lifetime JP2837049B2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | 複層セラミックスるつぼの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2837049B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3638345B2 (ja) * | 1995-08-22 | 2005-04-13 | 信越化学工業株式会社 | 熱分解窒化硼素容器 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0688866B2 (ja) * | 1985-12-24 | 1994-11-09 | 京セラ株式会社 | 窒化ホウ素被覆ルツボおよびその製造方法 |
JPS62176981A (ja) * | 1986-01-29 | 1987-08-03 | Kyocera Corp | 窒化ホウ素被覆ルツボ |
US5075055A (en) * | 1990-06-06 | 1991-12-24 | Union Carbide Coatings Service Technology Corporation | Process for producing a boron nitride crucible |
JPH04285086A (ja) * | 1991-03-14 | 1992-10-09 | Fujitsu Ltd | 窒化硼素複合材料 |
-
1992
- 1992-10-28 JP JP4312901A patent/JP2837049B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06135794A (ja) | 1994-05-17 |
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