JP2835947B2 - 間仕切り構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、出入り口を有するブー
スを形成する間仕切り構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の間仕切り構造は、比較的高寸のパ
ネルで囲繞するとともにドアを取付けることにより、密
室性や秘密保持性に重点を置いたものが多かった。しか
し、このようなものでは、利用者に対して沈鬱な気分や
孤立感を醸成したり、照明の照度の不足や、喫煙による
空気の汚濁や、閉塞感圧迫感による思考の停滞等の生理
的心理的悪影響を与えることがある。

【０００３】そのため、近年においては、開放感があ
り、必要に応じて模様替えが容易であり、かつ空いてい
るブースが一見して判り、また、或る程度の連帯感も醸
成され、しかも必要最小限の個室感が得られるようにし
た、低寸の間仕切り構造が用いられるようになってい
る。

【０００４】このような間仕切りでは、開放感を求める
と同時に、プライバシーが或る程度守られるように、つ
まり個室感が失われないように、出入り口の広さを、身
体の幅ぎりぎりに狭く設定されている。そのため、身体
障害者、例えば車椅子を使用する人たちにとっては、使
いづらいものであった。また、テーブルや椅子や黒板等
のやや大きめの家具や事務器具等の搬入搬出にも不便で
あった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした従
来の間仕切り構造における不便さを解消して、必要最小
限の個室感が得られるにも拘らず、車椅子や、テーブル
や椅子や黒板等のやや大きめの家具や事務器具の搬入搬
出にも支障を来さないようにした間仕切り構造を得るこ
とを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、多数枚の間仕切りパネルを連結して、
室内の床上に立設することにより、出入り口を有するブ
ースを形成し、かつ前記出入り口が少なくとも広狭の２
状態間を変移出来るように、その広狭と直接関与する可
動パネルを、隣接する固定パネルの側端部に回動自在に
蝶着して連設し、かつ、前記可動パネルの自由端下面
に、床面に接するキャスターを設け、さらに、前記可動
パネルを出入り口の狭め位置に固定する固定手段を設け
てある。

【０００７】また、本発明では、前記可動パネルが、出
入り口を狭める位置においては、安定して固定されるよ
うに、前記固定手段を、可動パネルの側端下部に上下方
向に摺動自在に支持された係止ロッドと、前記係止ロッ
ドが嵌入する床面の孔とから構成してある。

【０００８】さらに、本発明においては、前記可動パネ
ルの開閉を円滑にするために取付けられたキャスターが
可動パネルの外観を損なわないようにするために、前記
キャスターを、可動パネルの自由端の下端面に形成した
凹所内に半ば埋没して取付けてある。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の間仕切り構造の
一実施例であるブース(１)全体の斜視図である。このブ
ース(１)は、多数のやや低めの間仕切りパネル(２)〜
(８)を連結して、室内の床上に立設することにより形成
してあり、かつ出入り口(９)を空けてある。したがっ
て、ブース(１)内の使用不使用の状況は、俯瞰一見して
容易に視認することが出来る。

【００１０】前記の出入り口(９)は、少なくとも広狭の
２状態間を変移出来るように、前記出入り口(９)の広狭
に直接関与する可動パネル(２)を、それと隣接する固定
パネル(３)の側端部に、図３に示すように回動自在に蝶
着(１０)によって連設し、さらに、前記可動パネル(２)
の自由端の下面に、床面に接するキャスター(11)を設け
てある。キャスター(11)は、図４の断面図に示すよう
に、可動パネル(２)の底面に設けられた凹部(12)の中に
半ば埋没して取付けてある。

【００１１】可動パネル(２)の側端下部には、上下方向
に摺動自在に支持された係止ロッド(いわゆるフランス
落し)(13)と、前記出入り口の狭め位置において、前記
係止ロッド(13)が嵌入する床面の孔(いわゆる坪受)(14)
とから構成された可動パネル固定装置が設けられてい
る。なお、図３において、(15)は可動パネル(２)のため
の緩衝材、(16)は、パネルのためのアジャスター付き床
固定金具、(17)は、床固定ボルトである。

【００１２】車椅子を使用したまま、このブース(１)を
利用したり、やや大きめの物品を搬入搬出する際には、
可動パネル(２)を開閉すれば、出入り口を自由に通過す
ることが出来る。用済み後は、可動パネル(２)を係止装
置により狭め位置に止めておけば、個室感も失われず、
また不用意に開くこともない。

【００１３】

【発明の効果】出入り口のあるブースを構成することに
より、若干低めのパネルの使用と相挨って、多数のブー
スが集合している状態にあっても、その利用状況を一見
しただけで知ることができる。

【００１４】また、本発明によるブースは、常時開放さ
れている出入り口を、必要に応じて広げることが出来る
ので、従来の間仕切り構造における車椅子その他の出入
りの不便さを解消することが出来る。

【００１５】さらに、本発明により構成したブースは、
閉塞感や孤立感を適度に解消して、必要最小限の個室感
や連帯感も得られ、精神衛生上大きな効果を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の間仕切り構造の一実施例であるブース
の斜視図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】図２の一部の拡大斜視図である。

【図４】図３のキャスターの取付け部の断面図である。

【符号の説明】

(１)ブース (２)可動パネル (３)固定パネル (４)パネル (５)パネル (６)パネル (７) パネル (８)パネル (９)出入り口 (10) 蝶番 (11) キャスター (12) 凹所 (13) 係止ロッド (14) 孔(坪受) (15) 緩衝材 (16) アジャスター付き床固定金具 (17) 床固定ボルト

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数枚の間仕切りパネルを連結して、室
   内の床上に立設することにより、出入り口を有するブー
   スを形成し、かつ前記出入り口が少なくとも広狭の２状
   態間を変移出来るように、その広狭と直接関与する可動
   パネルを、隣接する固定パネルの側端部に回動自在に蝶
   着して連設し、かつ、前記可動パネルの自由端下面に、
   床面に接するキャスターを設け、さらに、前記可動パネ
   ルを出入り口の狭め位置に固定する固定手段を設けたこ
   とを特徴とする間仕切り構造。
2. 【請求項２】 固定手段が、可動パネルの側端下部に上
   下方向に摺動自在に支持された係止ロッドと、前記出入
   り口の狭め位置において前記係止ロッドが嵌入する床面
   の孔とからなる請求項１記載の間仕切り構造。
3. 【請求項３】 前記キャスターが、可動パネルの自由端
   の下端面に形成した凹所内に半ば埋没して取付けられて
   いる請求項１または２記載の間仕切り構造。