JP2834938B2 - Dccシステムにおける信号記録方式 - Google Patents

Dccシステムにおける信号記録方式

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JP2834938B2
JP2834938B2 JP4168658A JP16865892A JP2834938B2 JP 2834938 B2 JP2834938 B2 JP 2834938B2 JP 4168658 A JP4168658 A JP 4168658A JP 16865892 A JP16865892 A JP 16865892A JP 2834938 B2 JP2834938 B2 JP 2834938B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号記録テープのテー
プ長手方向に伸びる複数本のトラックの内、1本の補助
トラックには、各種サブコードを記録し、他の複数本の
オーディオトラックにはオーディオ信号を記録するマル
チチャンネルヘッドを具えたDCC(デジタル・コンパク
ト・カセット)システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】DCCは、例えば「日経エレクトロニク
ス」1991年9月2日号の第134〜141頁に記載されて
いるように、アナログ式のコンパクトカセットプレーヤ
と略同一形状のカセットテープに対して、オーディオ信
号をデジタル式に記録するものであり、デジタル化され
たオーディオ信号は、PASC方式と呼ばれる高能率符
合化によってデータ圧縮され、磁気テープの8チャンネ
ルのオーディオトラックに記録される。又、DCCにお
いては、時間情報や曲番情報等の信号が、磁気テープの
1チャンネルの補助トラックに記録される。
【0003】図2はDCCに装備されるヘッドアセンブ
リ(27)を示しており、磁気テープ(22)の幅方向の片側領
域に対応して、夫々9チャンネルからなる録音薄膜マル
チヘッド(6)及び再生薄膜マルチヘッド(7)が配列され
る。録音薄膜マルチヘッド(6)は、最上段に補助ヘッド
チップ(23)を具えると共に、下段に8つのオーディオヘ
ッドチップ(24)を具え、再生薄膜マルチヘッド(7)は、
最上段に補助ヘッドチップ(25)を具えると共に、下段に
8つのオーディオヘッドチップ(26)を具えている。
【0004】又、ヘッドアセンブリ(27)には、磁気テー
プ(22)の他方の片側領域に対応して、アナログ信号再生
用の一対のヘッドチップ(28)(29)が装備されている。ヘ
ッドアセンブリ(27)は180度反転することによって、
磁気テープ(22)のA面及びB面の両方の記録、再生を行
なうことが可能である。
【0005】尚、DCCではテープの装着方向が規定さ
れており、テープを走行させる場合にA面、B面が一意
的に決定される。
【0006】ところで、DCCの規格においては、付加
情報として時間情報や曲番情報以外に、マーカID、セ
クターマーカ、ヒューチャーマーカ等のサブコードが定
義されており、マーカIDには、曲の先頭部を示すラベ
ルID、プログラムエリアを示すセクターマーカID等
があり、セクターマーカには、リバースマーカ、ネクス
トマーカ、ホームマーカ、ストップマーカ、ユーズアゲ
インマーカ等があり、ヒューチャーマーカには、スキッ
プマーカ、ミュートマーカ等がある。
【0007】例えば、ネクストマーカは、A面、B面の
両面で使用可能であり、再生時に該マーカを検知する
と、現在とは反対の面の先頭部より再生を開始するよう
に動作制御が行なわれる。又、ユーズアゲインマーカ
は、同じくA面、B面の両面で使用が可能であり、A面
に記録されている場合は、A面の残りのテープ部分とB
面の全部が記録可能であることを意味し、B面に記録さ
れている場合は、B面の残りのテープ部分が記録可能で
あることを意味している。
【0008】ユーザは、これらのマーカやIDを磁気テ
ープに記録することにより、種々の記録、再生動作を実
現することが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在の
ところ、各種マーカやIDは、ユーザがマニュアルで記
録することが前提となっているから、ユーザは、各種マ
ーカ及びIDの機能を熟知した上、適時に記録操作を行
なって、所望のマーカやIDを記録せねばならない。こ
れは、極めて煩雑で一般のユーザには困難である。
【0010】例えば、A面或いはB面への信号記録の
際、記録終了時に、どのマーカを記録するかはユーザに
委ねられており、この場合、マーカの種類や記録位置を
誤ると、その後の信号記録或いは再生動作に支障を生じ
る問題がある。
【0011】本発明の目的は、テープに対する記録動作
を終了する際に、そのときのテープ残量に応じて適切な
マーカが自動的に選択され、テープに記録されるDCC
システムの信号記録方式を提供し、これによって、従来
のサブコード付与手続きの煩雑さを緩和すると共に、信
号記録時或いは信号再生時の誤操作や誤動作を防止する
ことである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】本発明に係るDCCシステ
ムにおける信号記録方式においては、テープのA面或い
はB面への信号記録動作の終了時に、記録終了位置と所
定の基準位置との前後関係を検知し、記録終了位置が基
準位置よりも前であるときは、記録終了位置にて補助ト
ラックへユーズアゲインマーカを記録する。一方、記録
終了位置が基準位置よりも後であるときは、記録終了位
置にて補助トラックへネクストマーカを記録するもので
ある。
【0013】
【作用】所定の基準位置は、テープ終端からテープ始端
へ向かって一定距離dだけ離れた位置に設定され、該一
定距離dは、例えばDCCに記録することとなる標準的
なオーディオ信号の1曲あたり記録時間よりも少し長い
時間(例えば5分間)に対応して、適宜に決定することが
出来る。
【0014】記録終了位置と所定の基準位置との前後関
係は、例えばテープの片面(A面或いはB面)の全記録時
間と、テープの補助トラックに記録する時間情報(アブ
ソリュートタイム)の差に基づいて、或いは周知のテー
プ残量検出に基づいて、容易に判断出来る。
【0015】上記記録方式に従ってテープの途中まで信
号が記録されたDCCに対し、信号記録を続行する場
合、先ず補助トラックに記録されているサブコードをサ
ーチする。
【0016】これによって、ユーザアゲインマーカが検
出された場合は、該検出位置から記録を開始すれば、無
記録部分を生じることなく、連続して信号を記録するこ
とが出来る。
【0017】一方、A面にてネクストマーカーが検出さ
れた場合は、該検出位置からテープを終端まで高速走行
させ、B面の始端(A面の終端)からさらに補助トラッ
クに記録されているサブコードをサーチし、記録終る位
置から、信号記録を行なう。従って、A面の終端部にて
1つのプログラム(楽曲)の記録動作が中断することは
ない。
【0018】又、信号再生時に、例えばA面にてネクス
トマーカが検出されると、テープ終端まで早送りが行な
われ、B面の始端から再生が開始される。従って、無音
再生状態は可及的に短縮される。
【0019】
【発明の効果】本発明に係るDCCシステムにおける信
号記録方式によれば、テープに対する記録動作を終了す
る際に、そのときのテープ残量に応じてユーズアゲイン
マーカ或いはネクストマーカが自動的に選択されて、テ
ープに記録されるから、従来に比べて、ユーザのサブコ
ード付与に伴う負担が軽減され、信号記録時或いは信号
再生時の誤操作や誤動作が防止される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面に沿って
詳述する。先ず、図1に基づいてDCCシステムの回路
構成について説明する。
【0021】オーディオ信号等の情報信号は、入力端子
(1)からA/D変換回路(2)へ入力されて、デジタル信
号に変換される。該デジタル信号は周知のPASC処理
回路(3)へ供給され、データ圧縮、高能率符合化が施さ
れる。
【0022】PASC処理回路(3)から出力されるデジ
タル信号は、デジタル信号処理(4)へ入力され、インタ
ーリーブ、誤り訂正符合の付加、更にはサブコードの付
加が施された上、記録アンプ(5)を経て、9チャンネル
分の記録信号として録音薄膜マルチヘッド(6)へ送出さ
れる。そして、録音薄膜マルチヘッド(6)によって磁気
テープ(22)への信号記録が行なわれる。
【0023】再生薄膜マルチヘッド(7)によって磁気テ
ープ(22)から再生された9チャンネルの信号は、再生ア
ンプ(8)を経てイコライザー回路(9)へ供給され、波形
等化が施されると共に、データ抜出し用のPLLクロッ
クが生成される。
【0024】イコライザー回路(9)の出力は、デジタ
ル信号処理回路(10)へ送られて、誤り訂正等の処理
が施される。該信号処理回路はPASC処理回路(1
1)へ供給され、時間軸伸張、複号化を経て、元のデジ
タル信号となる。
【0025】該デジタル信号は、D/A変換回路(12)を
経てアナログ信号に変換され、出力端子(13)から後段回
路へ出力される。
【0026】DCCの磁気テープ(22)は、リールモータ
(14)(17)によって巻取り、巻き戻しが行なわれると共
に、キャプスタンモータ(15)(16)によってテープの搬送
が行なわれる。キャプスタンモータ(15)(16)の回転は、
モータコントロール回路(18)によって制御される。
【0027】又、システム全体の制御を司どる制御回路
(19)が装備され、キー入力端子(20)やメカスイッチ入力
端子(21)からの情報に応じて、モータコントロール回路
(18)、リールモータ(14)(17)、テープ走行系等のメカニ
ズムへ夫々制御信号を発する。
【0028】更に、各種マーカやID等のサブコードの
生成及び解読を行なうコード生成/解読回路(30)が装備
され、制御回路(19)とのデータ交換に応じて、サブコー
ドを作成してデジタル信号処理回路(4)へ送出し、或い
はデジタル信号処理回路(10)からのサブコードを解読す
る。
【0029】ここで、制御回路(19)及びコード生成/解
読回路(30)は専用のハードウエアに限らず、マイクロコ
ンピュータによっても構成することが出来る。
【0030】図3は、磁気テープの8トラックに記録さ
れる主データの構造を示しており、一つのテープフレー
ムは、32個のデータブロックとフレーム間ギャップ
(IFG)から構成される。テープブロックはヘッダ(3
個のシンボル)とボディ(48個のシンボル)とから構成
され、1シンボルは10ビットである。又、1個のヘッ
ダは、同期パターンと、フレームアドレス及びブロック
アドレスに分れる(前掲「日経エレクトロニクス」)。
【0031】又、図4は、補助トラックに記録されるサ
ブコードのデータ構造を示しており、誤りを抑制するた
めに、主データに比べてビットレートが1/8に下げら
れている。ここで、各テープブロックのボディに、上述
の各種マーカやIDが記録されるのである。
【0032】記録時の動作 入力端子(20)(21)の操作キー信号、機構検出信号に応じ
て、記録モードが設定されると、制御回路(19)の制御に
基づき、A面への記録時には、テープ(22)が標準モード
の正1倍速で正方向に走行し、記録薄膜マルチヘッド
(6)は、テープ(22)の上半部を走査する。一方、B面へ
の記録時には、磁気テープ(22)は標準モードの逆1倍速
で逆方向に走行し、ヘッドアセンブリが反転して、録音
薄膜マルチヘッド(6)は、テープ(22)の下半部を走査す
る。
【0033】このとき、デジタル信号処理回路(4)に対
し、コード生成/解読回路(30)にて生成されたサブコー
ド、即ち各曲の先頭部を示すLABEL等の各種IDや
マーカ、時間情報、トラックナンバー等が供給され、誤
り訂正符号が付加されたサブコード情報は、記録アンプ
(5)を経て録音薄膜マルチヘッド(6)へ供給され、磁気
テープ(22)の補助トラックへ記録される。
【0034】図5は、オーディオ信号記録終了時におけ
るサブコード記録手続きを示し、図6及び図7は、該手
続きによって磁気テープ(22)にユーズアゲインマーカ或
いはネクストマーカが記録された状態を表わしている。
【0035】本発明においては、図5の如くオーディオ
信号の記録終了操作が行なわれた時点で、記録終了位置
を検出し、記録終了位置と所定の基準位置との前後関係
を判断して、記録終了位置が基準位置よりも前であると
きは、記録終了位置にて補助トラックへユーズアゲイン
マーカを記録する。一方、記録終了位置が基準位置より
も後であるときは、記録終了位置にて補助トラックへネ
クストマーカを記録するのである。
【0036】図6は、プログラム1〜4の記録終了時
に、記録終了位置が基準位置よりも前であると判断され
た場合を示し、プログラム4の記録終了位置にユーズア
ゲインマーカが記録される。
【0037】上記テープに、引き続いてプログラム5を
記録する場合は、補助トラックのサーチの結果、ユーザ
アゲインマーカが検出されることによって、プログラム
4の記録終了点から連続して、プログラム5が記録され
る。この場合、プログラム5の記録中にテープが終端す
る虞れは少ない。
【0038】又図7は、プログラム1〜4′の記録終了
時に、記録終了位置が基準位置よりも後であると判断さ
れた場合を示し、プログラム4′の記録終了位置にへネ
クストマーカが記録される。
【0039】上記テープに、引き続いてプログラム5を
記録する場合は、補助トラックのサーチの結果、ネクス
トマーカが検出されることによって、プログラム4′の
記録終了点からテープ終端まで早送りが行なわれ、B面
の始端からプログラム5が記録される。従って、プログ
ラム5の記録中にテープが終端することはなく、然も無
記録部分は最小限に短縮される。
【0040】再生時の動作 磁気テープ(22)に記録されているサブコード、即ち各曲
の先頭部を示すLABEL等の各種IDやマーカ、時間
情報、トラックナンバー等は、再生薄膜マルチヘッド
(7)にて再生された後、デジタル信号処理回路(10)にて
誤り検出及び訂正が施されて、コード生成/解読回路(3
0)へ供給される。
【0041】そして、コード生成/解読回路(30)にてサ
ブコードが解読され、その結果が制御回路(19)へ供給さ
れることにより、各種動作制御が実行される。
【0042】図7に示す磁気テープ(22)をA面から再生
した場合は、プログラム4′の再生終了時点でネクスト
マーカが検出されることによって、テープ終端まで早送
りが行なわれ、B面の始端からプログラム5の再生が開
始される。
【0043】尚、記録動作を一旦終了した後、信号記録
を再開する場合、補助トラックのサーチの際に、無記録
部分が検出された場合は、該検出位置から記録動作を開
始することが出来る。
【0044】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るDCCシステムの構成を示すブロ
ック図である。
【図2】DCCに装備されるヘッドアセンブリの斜視図
である。
【図3】主データのデータ構造を説明する図である。
【図4】サブデータのデータ構造を説明する図である。
【図5】本発明の記録方式を示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明の記録動作の一例を説明する図である。
【図7】本発明の記録動作の他の例を説明する図であ
る。
【符号の説明】
(22) 磁気テープ (6) 録音薄膜マルチヘッド (7) 再生薄膜マルチヘッド (30) コード生成/解読回路(30)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号記録テープのテープ長手方向に伸び
    る複数本のトラックの内、1本の補助トラックには、各
    種サブコードを記録し、他の複数本のオーディオトラッ
    クにはオーディオ信号を記録するマルチチャンネルヘッ
    ドを具えたDCC(デジタル・コンパクト・カセット)シス
    テムにおいて、外部から供給されるオーディオ信号を、
    テープ信号面を幅方向に2分割して形成されたA面或い
    はB面へ記録する方式であって、信号記録動作の終了時
    に、記録終了位置と所定の基準位置との前後関係を検知
    し、記録終了位置が基準位置よりも前であるときは、記
    録終了位置にて補助トラックへユーズアゲインマーカを
    記録し、記録終了位置が基準位置よりも後であるとき
    は、記録終了位置にて補助トラックへネクストマーカを
    記録することを特徴とするDCCシステムにおける信号
    記録方式。
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