JP2834915B2 - 吸引回復装置 - Google Patents

吸引回復装置

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JP2834915B2
JP2834915B2 JP23191591A JP23191591A JP2834915B2 JP 2834915 B2 JP2834915 B2 JP 2834915B2 JP 23191591 A JP23191591 A JP 23191591A JP 23191591 A JP23191591 A JP 23191591A JP 2834915 B2 JP2834915 B2 JP 2834915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被記録部材上にインク
滴を吐出して文字、画像等を形成するインクジェット記
録装置に具備され、ノズル部を良好な状態に維持した
り、インク固着等による不吐出を回避するための吸引回
復装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に於いて本発明に係わるインクジェ
ット記録装置について詳述する。
【0003】本装置は、搬送手段である搬送ローラ機構
により紙を所定の方向に間欠的に送り、この方向とはほ
ぼ直角方向に画像記録手段であるインクジェット記録ヘ
ッドを搭載したキャリッジを走査させるものである。
【0004】紙1は不図示の給紙機構により矢印方向に
搬送され、紙ガイド2及び3との間に導かれる。紙ガイ
ド2及び3は紙搬送手段を構成する副走査基台4に支持
されている。副走査基台4は支持板16及び17により
本体に支持されている。さらに紙1は、副走査基台4に
固定されている軸受け部5及び6によって支持された副
走査ローラ7と、不図示である付勢手段により副走査ロ
ーラ7にある程度の圧力で加圧されている副走査従動ロ
ーラ8のニップ部へ、その先端部が到達するまで前記不
図示の給紙機構によって送り出される。
【0005】その後、副走査ローラ7と副走査従動ロー
ラ8の回転により、紙1は副走査基台4に固定されたプ
ラテン9に支持されながら、軸受け部10及び11によ
って支持された排紙ローラ12と、不図示である付勢手
段により排紙ローラ12にある程度の圧力で加圧されて
いる排紙従動ローラ13のニップ部へ案内される。そし
て、同様に排紙ローラ12と排紙従動ローラ13の回転
により紙1は副走査基台4に支持されている排紙ガイド
14の上に排紙される。
【0006】副走査ローラ7と副走査従動ローラ8及び
後述する排紙ローラ12と排紙従動ローラ13は、副走
査基台4に固定されている紙搬送モータ23により副走
査ベルト24、排紙ベルト25を介して副走査側、排紙
側それぞれ同時に回転駆動するように構成されている。
【0007】プラテン9の上方奥側には副走査ローラ7
の軸方向と平行に配置された主走査レール15が本体の
両側板に固定されている。キャリッジ18は主走査レー
ル15に挿通され、仕切板19上方に固定された主走査
モータ20の回転により主走査駆動ベルト21を介して
主走査レール15の軸方向に移動可能である。キャリッ
ジ18には4色のインクを備えたインクジェットカート
リッジ(ブラック22BK、シアン22C、マゼンタ2
2M、イエロー22Y)がそれぞれ決められた位置に取
り外し可能に固定されている。各インクジェットカート
リッジ22は、それぞれ下側にキャリッジ18の移動方
向と直角の方向に複数本のノズル(不図示)を配列した
記録ヘッドを保持しており、キャリッジ18下部の開口
部を通して、インクをプラテン9側に向かって吐出する
ことができる。また、記録ヘッドのノズルは、紙1に対
する吐出インクの着弾精度を確保するため極力紙1に近
い位置に配置するのが普通であり、副走査従動ローラ8
と排紙従動ローラ13の間からプラテン9の近傍へ臨出
する構成をとっている。
【0008】キャリッジ18が図5右側の一点鎖線の位
置の記録前の待機状態いわゆるホームポジションにある
時、キャリッジ18の真下には画像記録に際して各記録
ヘッドのノズル(不図示)を良好な状態に維持したり、
あるいは良好な状態に回復したりする吸引回復装置が本
体に固定されている。26は回復ポンプであり、回復支
持板27の上部に固定されている。また、下部には回復
ポンプ26を駆動させる駆動手段が備えられている。
【0009】記録動作は、キャリッジ18がプラテン9
に支持された紙1上を主走査モータ20によって走査す
るとき、不図示の記録ヘッドのノズルが紙1に向けてイ
ンクを吐出することによって行われる。また、紙1はキ
ャリッジ18が走査、記録する毎に副走査ローラ7、副
走査従動ローラ8、排紙ローラ12、排紙従動ローラ1
3によって矢印方向へ所定量だけ送られる。こうして紙
1上に2次元画像が得られる。
【0010】図6及び図7に於いて、本発明の背技術
である吸引回復装置について詳述する。
【0011】回復ポンプ26には、ゴムキャップ28を
具備したキャップホルダー29が設けられており、キャ
ップホルダー29は回復ポンプ26に対し上下移動可能
に構成されている。ゴムキャップ28はインクジェット
カートリッジ22と対に備えられており、キャップホル
ダー29が上方へ移動したとき、各色の記録ヘッドのノ
ズルを密閉するように配置されている。更に、各ゴムキ
ャップ28には各記録ヘッドのノズルから流出してきた
インクが通る連通口30が設けられており、連通口30
には回復チューブ31が接続されている。また、回復チ
ューブ31は弾力性に富んでおり、且つ外部からの加重
に耐え得る柔らかい材質で出来ている。回復チューブ3
1のもう一端は本体の底板32の下部に備えられた排イ
ンクタンク33に導かれるべく、底板32の付近に配置
されている。排インクタンク33には回復チューブ31
より排出されたインクを吸収保持する吸収シート34が
設けられており、それにより本体外部へのインク漏れ等
を防止している。
【0012】連通口30に接続された各回復チューブ3
1は、回復ポンプ26内に設けられた第1の固定溝35
に挟み込み、回復チューブ31の材質上の弾性により固
定され、次に回復ポンプ26の断面U形状部36(斜線
部)に沿うような状態で、第2の固定溝37に挟まれ固
定される。次に回復チューブ31は回復支持板27に開
けられたチューブ開口部38を通り、一対の第3の固定
溝39の溝部に挟まれ固定される。また、第1、第2、
第3の固定溝35、37、39は、複数本の回復チュー
ブ31を各々隣接して固定する複数の溝部を設けてあ
る。さらに溝部の幅は、回復チューブ31の内径もしく
はそれ以上の溝幅を有しており、回復チューブ31の内
径が閉鎖されず、且つ安易にはずれないように考慮され
ている。第3の固定溝39は図7のように、回復チュー
ブ31のたるみ等を極力抑えるため、回復ポンプ26を
駆動させるギヤ列を支持しているギヤ支持板40に上下
2箇所設けて有る。
【0013】回復ポンプ26内には、ガイドローラー4
1が回転自在に軸支されている。42はコロでガイド軸
43に回転自在に軸支されており、ガイド軸43はガイ
ドローラー41に支持されていて、ガイドローラ41と
共に回転する。また、ガイド軸43及びコロ42は断面
U形状部36(斜線部)に沿わせてある各回復チューブ
31と対に設けられ、同じ間隔で隣接してガイドローラ
ー41に設けられている。また、ガイド軸43は、ばね
44により常に矢印E方向に付勢されている。
【0014】次に吸引回復動作について説明する。
【0015】インクジェットカートリッジ22を搭載し
たキャリッジ18がホームポジションの位置に移動して
くると、図示しない手段によりキャリッジ18に連動し
てキャップホルダー29が上方へ移動し、ゴムキャップ
28が各々の記録ヘッドのノズルを密閉する。キャリッ
ジ18がホームポジションにある場合は常に上記の状
態、すなわちキャッピング状態にある。ガイドローラー
41と共に回転するコロ42の位置は、図示しないセン
サーによりガイドローラー41の位置を検知することで
位置制御を行っており、図6のコロ42の位置は初期位
置:Aであり、動作指示信号がないときはこの位置で待
機している。
【0016】この状態に於いて、回復動作の信号があっ
た場合図示しない回復モータが駆動し、伝達ギヤ45に
駆動が伝達される。伝達ギヤ45は回復支持板27に設
けられたギヤ開口部46から、回復支持板27上部に突
き出た状態で支持されている。ガイドローラー41の同
軸上の片端にはガイドギヤ47がガイドローラー41と
一体に構成されており、伝達ギヤ45とかみ合ってい
る。伝達ギヤ45を介してガイドギヤ47に駆動が伝達
されると、ガイドローラー41は矢印F方向に回転す
る。それと共にガイド軸43に軸支されたコロ42も同
時に回転する。そうするとコロ42は、断面U形状部3
6(斜線部)に沿わせてある回復チューブ31に当接し
て、さらに回転することでガイド軸43を付勢している
ばね44の圧力により、回復チューブ31を潰した状態
になる。コロ42は回復チューブ31を潰しながらガイ
ドローラー41と共に回転して、コロ42が回復チュー
ブ31を潰し終わるほぼ直前(まだ回復チューブ31は
潰れている状態)の位置:Bに回転してくると、ここで
数秒間一時停止する。そうすることにより、回復チュー
ブ31内が負圧状態となりゴムキャップ28により密閉
された記録ヘッドのノズルからインクが流出し、連通口
30を介して回復チューブ31にインクが導かれ吸引動
作が成される。
【0017】次に、図示しないキャリッジがホームポジ
ションから離れると、それに連動してキャップホルダー
29が下方へ移動し、ゴムキャップ2が記録ヘッドの
ノズルから離脱する。その後更に、ガイドローラー41
は約2回転し、最後は初期位置:Aにコロ42が位置す
るところで停止する。また、この時約2回転することに
より、回復チューブ31内に吸引されたインクを本体底
板32下部に設けられた排インクタンク33内の吸収シ
ート34に排出するようになっている。
【0018】また、吸引回復装置は回復支持板27をベ
ースに、上部に回復ポンプ26等の吸引手段を有し、下
部には上部吸引手段に動力を伝達する駆動手段を有する
ことで1つのユニットとし、メンテナンス性等を考慮
し、本体に対し取り外しが容易に行われるようになって
いる。従って本体下部に設けて有るような排インクタン
ク33とは離別構成になっており、底板32にはインク
開口部48が設けられ、吸引回復装置を本体に組み付け
たときに回復チューブ31の排出口49がインク開口部
48の真上にくるようになっている。また、吸引回復装
置は排インクタンク33と別体で構成され、底板32を
はさんで離間した状態にあるため、回復チューブ31の
排出口49と底板32にはある程度の空間をもってお
り、排出口49から排出されたインクは、インク開口部
48を通って排インクタンク33内の吸収シート34に
落下するようになっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】これまでの吸引回復装
置は、メンテナンス性等を考慮し、1つのユニットとし
て本体に対し取り外しが容易に行えるように構成されて
おり、本体底板下部に設けられた排インクタンクとは離
別構成である。すなわち、吸引回復装置の回復チューブ
の排出口と排インクタンクは、底板をはさんで離間した
状態である。
【0020】このため、吸引されたインクは、回復チュ
ーブの排出口から底板下部の排インクタンクに到達する
までの間、インク自体が空間を落下することになる。
【0021】さらにインクは、回復チューブの排出部か
ら直接排インクタンクに排出落下するようになってい
る。
【0022】しかしながらこのような構成に於いて、回
復チューブの排出口からは、吸引回復動作時等に回復チ
ューブ内に混入した空気もインクと共に排出される。そ
のため、吸引されたインクが回復チューブの排出口から
排出される際、混入した空気によって排出口端部に風船
状に保持される。更に、風船状に保持されていたインク
は、ある程度までふくらむと割れて落下するため、回復
チューブの排出口周囲にインクが飛散した。
【0023】このため、装置本体内が汚れてしまいメン
テナンス等を行う作業者がインクで汚れるという問題が
発生した。また、回復チューブの排出口近傍には回復ポ
ンプを駆動させる駆動手段が具備されており、駆動手段
にインクが付着すると吸引回復動作等に支障をきたすと
いう問題も発生した。
【0024】そこで本例に於いては、回復チューブを固
定する際、前記インクの飛散問題の対策として、チュー
ブの排出口を底板に設けられたインク開口部に近ずけて
固定した。
【0025】ところが、回復チューブの排出口と底板の
距離があまり近すぎると、メンテナンスのため等で吸引
回復装置をユニットとして本体から取り外す際、こんど
は回復チューブの排出口が底板に接触して、回復チュー
ブに傷を付けるといった問題が発生した。そのため、回
復チューブの排出口の位置出しは定規を合わせて確認し
ながら固定したり、回復チューブにマーキングをつける
等する必要が生じ、非常に手間のかかる作業となった。
【0026】本発明の目的は上記問題を解決し、本体に
対し取り外しが可能で且つ、排インクタンクと離別して
構成される吸引回復装置に於いて、回復チューブの排出
口から排出されるインクの飛散を防止し、且つ回復チュ
ーブ先端の位置出しが容易に行われるような吸引回復装
置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、回復チューブ
を固定保持する溝部と、回復チューブの端部を突き当て
る段差部と、インクを下方へ導く第1と第2の流路部を
形成するインク排出部とで構成されるチューブ固定部材
を設け、回復チューブの排出口を段差部に突き当てて固
定する回復チューブ固定手段を用いることにある。
【0028】
【作用】記録ヘッドのノズルからインクを吸引する回復
ポンプ51を構成するガイドローラー74が回転するこ
とにより、複数本の回復チューブ62の排出口73から
チューブ固定部材68の段差70に排出されたインク
は、段差部70より下方のインク排出部72に形成され
た第1の流路部71の三角(V形)溝に沿って下方へ導
かれる。この時、段差部70と第1の流路部71の形状
により、インクは空気と共に排出されても風船状に保持
されることなく下方へ導かれる。
【0029】そして、各々の第1の流路部71に沿って
流れてきたインクは、第2の流路部83の傾斜部83
b,83cを伝わってインク排出部72の下端中央部8
3aに集中するようになっている。また、第2の流路部
83はこのような形状のため、下端中央部83aに集中
したインクを落下しやすくしている。
【0030】そして、チューブ固定部材68のインク排
出部72から落下したインクは、本体底板79に設けら
れたインク開口部82を通って排インクタンク80内の
吸収シート81に落下するようになっている。
【0031】
【実施例】本発明に係わるインクジェット記録装置は、
搬送手段である搬送ローラ機構により紙を所定の方向に
間欠的に送り、この方向とはほぼ直角方向に画像記録手
段であるインクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッ
ジを走査させるものである。なお、本インクジェット記
録装置の構成及び記録動作は、前述のものと何ら変わり
ないため、ここでの説明は省略する。
【0032】図1に於いて、吸引回復装置の構成につい
て詳述する。
【0033】本発明に係わるインクジェット記録装置に
は、複数本のノズルを配列した記録ヘッドを有するイン
クジェットカートリッジの、ノズル部のインク固着等に
よるインクの不吐出を回避したり、吐出を良好な状態に
維持するための吸引回復装置が構成されており、本吸引
回復装置は、組立作業性及び、メンテナンス性等を考慮
し、本体に対し取り外しが容易に行えるようにしてあ
り、回復支持板50をベースに上部に回復ポンプ51等
の吸引手段を有し、下部には回復モータ52等の上部吸
引手段に動力を伝達する駆動手段を有している。
【0034】ゴムキャップ53を具備したキャップホル
ダー54は、両側面にカムガイド55を一体に構成して
おり、回復ポンプ51に突設されているピン57によっ
て摺動可能に取り付いている。また、キャップホルダー
54は、常時図示しないばねにより矢印方向に付勢され
ている。
【0035】56はキャップホルダー54に一体で構成
されたレバーであり、キャリッジ(不図示)がホームポ
ジションに移動してくると、キャリッジの側面がレバー
56に当接し、更にキャリッジが同方向(矢印と反対方
向)に移動すると、キャップホルダー54はキャリッジ
に引っ張られながら同方向に移動する。この時、キャッ
プホルダー54はカムガイド55の形状により上方へ上
がっていくようになっている。
【0036】ゴムキャップ53はインクジェットカート
リッジと対に備えられており、キャリッジに搭載された
インクジェットカートリッジの記録ヘッドのノズルと同
じ間隔で配置されて、キャップホルダー54が上方へ移
動したとき、各色の記録ヘッドのノズルを密閉するよう
に配置されている。また、ゴムキャップ53は記録ヘッ
ドのノズルに傷等を付けないように柔らかいゴム系の部
材で出来ている。
【0037】回復支持板50下部には、吸引回復装置を
駆動させるための駆動手段が構成されており、回復モー
タ52を駆動源とし、ギヤ列を介し駆動が伝達される。
【0038】回復支持板50には下部からの駆動を伝達
するためのギヤ開口部58が設けられており、ここから
上部へ突き出た状態で支持されている伝達ギヤ59によ
り回復ポンプ51内に駆動を伝達している。
【0039】また、回復支持板50には後述する回復チ
ューブを回復支持板50下方へ送出するための、チュー
ブ開口部60が設けられている。
【0040】図2乃至図4に於いて、各ゴムキャップ5
3には連通口61が設けられており、連通口61には回
復チューブ62が接続されている。回復チューブ62は
弾力性に富んでおり、且つ外部からの加重に耐え得る柔
らかい材質で出来ている。(ここではシリコンゴムを使
用) 連通口61に接続された各回復チューブ62は、回復ポ
ンプ51内に設けられた第1の固定溝63に挟み込み、
回復チューブ62の材質上の弾性により固定され、次に
回復ポンプ51の断面U形状部64(斜線部)に沿うよ
うな状態で、第2の固定溝65に挟まれ固定される。次
に回復チューブ62は回復支持板50に開けられたチュ
ーブ開口部60を通り、回復支持板50下部へ導出され
る。
【0041】回復支持板50下部に固定され、回復系を
駆動させるためのギヤ列等を支持しているギヤ支持板6
6には、第3の固定溝67が設けられている。第1と第
2と第3の固定溝63、65、67には、複数本の回復
チューブ62を各々隣接して固定する複数の溝部を設け
てある。
【0042】第3の固定溝67の下方(本体底板79近
傍)には、同ギヤ支持板66に固定されたチューブ固定
部材68が設けられている。
【0043】本発明は、特にこのチューブ固定部材の点
に特徴を有する。
【0044】チューブ固定部材68は、図3及び図4の
如く、複数本の回復チューブ62を1本ずつ隣接して固
定保持する複数の溝部69と、回復チューブ62の排出
口73を突き当てる段差部70と、インクを下方へ導く
インク排出部72とで構成されている。段差部70は回
復チューブ62の外径の半分ほどの幅を有しており、段
差部70より下方に構成されたインク排出部72は、複
数の溝部69の同軸上に三角溝で下方に延びる第1の流
路部71と、下端中央部83aを頂点とした傾斜部83
b、83cを有する第2の流路部とで形成されている。
また、第1の流路部71の三角溝は、回復チューブ62
内径の半分以下の深さで形成されている。
【0045】回復支持板50下部に送出された複数本の
回復チューブ62は、チューブの排出口73をチューブ
固定部材68の段差部70に突き当てるようにして、同
チューブ固定部材68に設けて有る溝部69に挟み込む
ようにして固定する。
【0046】各回復チューブ62をチューブ固定部材6
8の溝部69に固定したら、回復チューブ62がたるま
ないようにギヤ支持板66上部に取付けてある第3の固
定溝67に同様に挟み込むように固定する。
【0047】チューブ固定部材68の回復チューブ62
を挟み込む溝部の幅は、回復チューブ62の内径もしく
はそれ以上の溝幅を有しており、挟み込んで固定したと
き回復チューブ62の内径が閉鎖されず、且つ安易には
ずれないように考慮されている。また、回復ポンプ51
内に構成された第1、第2の固定溝63,65と、ギヤ
支持板66の同面に設けられた第3の固定溝67の回復
チューブを挟み込む複数の溝部の幅も同様である。さら
に、各々の溝部は回復チューブ62が安易にはずれない
ような長さを有して回復チューブ62を固定保持してい
る。
【0048】回復ポンプ51内には、ガイドローラー7
4が回転自在に軸支されている。75はコロでガイド軸
76に回転自在に軸支されており、ガイド軸76はガイ
ドローラー74に支持されていて、ガイドローラ74と
共に回転する。
【0049】また、ガイド軸76及びコロ75はU形状
部64(斜線部)に沿わせてある各回復チューブ62と
対に設けられ、同じ間隔で隣接してガイドローラー74
に設けられている。また、ガイド軸76は、ばね77に
より常に矢印G方向に付勢されている。
【0050】次に吸引回復動作について説明する。
【0051】前述したように、図示しないインクジェッ
トカートリッジを搭載したキャリッジがホームポジショ
ンの位置に移動してくると、キャリッジに連動してキャ
ップホルダー54が上方へ移動し、ゴムキャップ53が
各々の記録ヘッドのノズルを密閉する。
【0052】キャリッジがホームポジションにある場合
は常に上記の状態、すなわちキャッピング状態にある。
【0053】ガイドローラー74と共に回転するガイド
軸76に支持されたコロ75の位置は、図示しないセン
サーによりガイドローラー74の位置を検知することで
位置制御を行っており、図2のコロ75の位置は初期位
置:Cであり、動作指示信号がないときはこの位置で待
機している。
【0054】この状態に於いて、回復動作の信号があっ
た場合、回復モータ52が駆動し、図示しないギヤ列を
介して伝達ギヤ59に駆動が伝達される。伝達ギヤ59
は回復支持板50に設けられたギヤ開口部58から、回
復支持板50上部に突き出た状態で支持されている。
【0055】ガイドローラー74の同軸上の片端にはガ
イドギヤ78がガイドローラー74と一体に構成されて
おり、伝達ギヤ59とかみ合っている。
【0056】伝達ギヤ59を介してガイドギヤ78に駆
動が伝達されると、ガイドローラー74は矢印H方向に
回転し、それと共にガイド軸76に軸支されたコロ75
も同時に回転する。
【0057】そうするとコロ75は、回復ポンプ51の
断面U形状部64(斜線部)に沿わせてある回復チュー
ブに当接し、さらに回転するとガイド軸76を付勢して
いるばね77の圧力により、回復チューブ62を押し潰
していくと共に、回復チューブの今まで押し潰されてい
た部分はその弾性力によって元に戻りその際に負圧状態
が生じる。
【0058】このように、ガイドローラ74の回転と共
に、コロ75が回復チューブを回転方向に向って順次押
し潰していくと、その後には次々と負圧状態が生じる。
コロ75が回復チューブ62に当接しなくなる直前(ま
だ回復チューブは押し潰されている状態)の位置Dまで
くると、ここでガイドローラ74は数秒間一時停止す
る。
【0059】この動作の間、回復チューブ62内に生じ
る負圧状態によって、ゴムキャップ53により密封され
た記録ヘッドのノズルからインクが連通口を介して回復
チューブ内に充分に吸引され、貯溜される。
【0060】次に回復チューブ62内のインクを排出す
る動作について説明する。
【0061】図示しないキャリッジがホームポジション
と反対方向に、ある距離移動しそれに連動してキャップ
ホルダー54が下方へ移動し、ゴムキャップ53が記録
ヘッドのノズルから離脱する。その後更に、ガイドロー
ラー74は約2回転し、初期位置:Cにコロ75が位置
するところで停止し、一連のインクの吸引回復動作が終
了する。
【0062】この時約2回転することにより、再び回復
チューブ62は押し潰され回復チューブ62内に吸引さ
れたインクは、しぼり出されるように、吸引回復動作時
等に混入した空気と共に回復チューブの排出口から排出
され、本体底板79下部に設けられた排インクタンク8
0内の吸収シート81に排出するようになっている。吸
収シート81は、排出されたインクを吸収保持し本体外
部へのインク漏れ等を防止している。
【0063】本吸引回復装置は、本体に対し取り外しが
容易に行われるように構成されている。従って本体下部
に設けて有るような排インクタンク80とは離別構成に
なっており、回復チューブ62の排出口73とは本体底
板79をはさんで離間した状態である。そこで、底板7
9には排インクタンク80に連通するインク開口部82
が設けられ、吸引回復装置を本体に組み付けたときにギ
ヤ支持板66に設けて有るチューブ固定部材68のイン
ク排出部72がインク開口部82の真上近傍にくるよう
になっている。
【0064】本発明によれば、ガイドローラー74が回
転することにより、複数本の回復チューブ62の排出口
73からチューブ固定部材68の段差部70に排出され
たインクは、段差部70より下方のインク排出部72に
形成された第1の流路部71の三角(V形)溝に沿って
下方へ導かれる。この時、段差部70と第1の流路部7
1の形状により、インクは空気と共に排出されても風船
状に保持されることなく下方へ導かれる。
【0065】そして、各々の第1の流路部71に沿って
流れてきたインクは、第2の流路部83の傾斜部83
b、83cを伝わってインク排出部72の下端中央部8
3aに集中するようになっている。また、第2の流路部
83はこのような形状のため、下端中央部83aに集中
したインクを離落しやすくしている。
【0066】そして、チューブ固定部材68のインク排
出部72から離落したインクは、本体底板79に設けら
れたにインク開口部82を通って排インクタンク80内
の吸収シート81に落下するようになっている。
【0067】次に、本発明に係るインクジェット方式の
記録ヘッド、記録装置の代表的な構成や原理について
は、例えば米国特許第4,723,129号明細書、同
第4,740,796号明細書に開示されている基本的
な原理を用いて行うのが好ましい。この方式はいわゆる
オンディマンド型、コンティニアス型のいずれにも適用
可能であるが、特にオンディマンド型の場合には、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置された電気熱変換体に、記録情報に対応して核沸騰を
越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信
号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギ
ーを発生させて、結果的にこの駆動信号に一体一対応し
て液体(インク)内の気泡を形成できるので有効であ
る。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液
体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパ
ルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,
359号明細書、同第4,345,262号明細書に記
載されているようなものが適している。なお、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,31
3,124号明細書に記載されている条件を採用する
と、さらに優れた記録を行うことができる。
【0068】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許
第4,459,600号明細書を用いた構成も本発明に
含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対
して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする
構成を開示する特開昭59年第123670号公報や熱
エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応する
構成を開示する特開昭59年第138461号公報に基
づいた構成としても本発明は有効である。
【0069】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合せによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも上述した効果を一層有効に発揮するこ
とができる。加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体にインクタンクが一体的に設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数本の回復チューブを固定保持する溝部と、回復チュー
ブを突き当てる段差部と、インクを下方へ導く第1と第
2の流路部を形成するインク排出部とで構成されるチュ
ーブ固定部材を設け、回復チューブのチューブ排出口を
段差部に突き当てるように固定したことにより、回復チ
ューブの固定作業の際、チューブ先端の位置出しが迅速
に行え作業性が向上する。また、回復チューブの排出口
は、本体底板に接触することがないため本体から取り外
す際、傷を付ける心配がないなどの効果を有する。
【0071】更に、回復チューブの排出口を段差部に突
き当てることで、回復チューブより排出してくるインク
が風船状になり割れるのを防止し、排出部下方中央へ集
中させて落下するので、インクの飛散による汚れがなく
なり、支障なくインクの吸引回復動作が行える。また、
メンテナンス等を行う作業者がインクで汚れる心配がな
くなるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における吸引回復装置の概略図。
【図2】本発明における吸引回復装置の主要側面断面
図。
【図3】本発明における回復チューブ排出端部の固定手
段の正面概略図。
【図4】本発明におけるチューブ固定部材の斜視図。
【図5】本発明に係わるインクジェット記録装置の概略
図。
【図6】本発明の背となる吸引回復装置の主要側面断
面図。
【図7】本発明の背となる回復チューブ排出端部の固
定手段の正面概略図。
【符号の説明】
51 回復ポンプ 53 ゴムキャップ 54 キャップホルダー 62 回復チューブ 63 第1の固定溝 64 断面U形状部 65 第2の固定溝 67 第3の固定溝 68 チューブ固定部材 69 溝部 70 段差部 71 第1の流路部 72 インク排出部 74 ガイドローラ 83 第2の流路部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のノズルを配列した記録ヘッドを
    有するインクジェットカートリッジのホームポジション
    位置に配置され、記録ヘッドの各ノズルよりインクを吸
    引し、吸引したインクを本体底部に設置した排インクタ
    ンクに向けて排出落下させる回復チューブと回復ポンプ
    とから成るインクジェット記録装置における吸引回復装
    置において、 前記回復チューブの各排出端部を挟持する溝部と、挟持
    される回復チューブの排出口を突き当てる段差部と、排
    出されるインクを下方へ導く三角溝とその下端が逆山型
    に傾斜した端縁とからなるインク排出部とを形成してな
    る回復チューブ固定部材を備えたことを特徴とする吸引
    回復装置。
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