JP2834214B2 - プロピレンブロック共重合体の製造法 - Google Patents

プロピレンブロック共重合体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 <技術分野> 本発明は、高剛性かつ高衝撃強度で流動性の良いプロ
ピレンブロック共重合体を、実質的に溶媒を使用しない
条件下で、しかも高活性で重合する方法に関するもので
ある。
<先行技術> 結晶性ポリプロピレンは、剛性および耐熱性に優れた
特性を有する反面、耐衝撃強度、特に低温における耐衝
撃強度が、弱いという問題があった。
この点を改良する方法として、プロピレンとエチレン
またはその他のオレフィンを段階的に重合させてブロッ
ク共重合体を生成させる方法はすでに公知である(特公
昭43−11230号、特公昭44−16668号、特公昭44−20621
号、特公昭49−24593号、特公昭49−30264号、特開昭48
−25781号、特開昭50−115296号、特開昭53−35789号、
特開昭54−110072号公報など)。
しかしながら、プロピレンとエチレンを二段もしくは
多段で重合させた場合は、耐衝撃性が改良される反面、
生成物は共重合部分を含むため、低結晶性の重合体が大
量に副生するという問題が生ずる。特に、ブロック共重
合体の衝撃強度を向上させるためにゴム状共重合体の生
成割合を増加させるという一般的手法には、ゴム状共重
合体の生成に伴って重合体粒子を粘着性が増大する傾向
がある。その結果、重合体粒子間の付着、装置内壁への
付着などを起こして、安定な長期連続運転が困難となる
ことが多い。特に、溶媒を使用しない場合、たとえば気
相重合においては、重合体粒子粘着による流動性の悪化
は運転操作上きわめて大きな問題である。したがって、
ゴム状共重合体の生成割合を増加させたときの重合体粒
子粘着を防止して運転安定性を増加させることのできる
技術の開発が望まれている。
〔発明の概要〕
<要 旨> 本発明者らは、前述の問題点を解決すべく鋭意研究の
結果、特定の触媒を使用することにより前述の問題点を
解決して本発明に到達した。
すなわち、本発明によるプロピレンブロック共重合体
の製造法は、下記の触媒成分(A)および(B)の組合
せからなる触媒を使用して、実質的に溶媒の不存在下の
条件で、下記の重合工程(1)および(2)を実施し
て、プロピレンのゴム状共重合体(20℃キシレン可溶
分)の重量が10〜70重量パーセントであるプロピレンブ
ロック共重合体を得ることを、特徴とするものである。
触 媒 成分(A) 下記の成分(i)、(ii)および(iii)を接触させ
て得られた固体成分に、遊離の有機アルミニウム化合物
の実質的不存在下にα−オレフィンを接触させた成分。
成分(i):チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必
須成分として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii): 一般式 (ただし、R1は分岐鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
を、nは1≦n≦3の数をそれぞれ示す) で表わされるケイ素化合物、 成分(iii): 有機アルミニウム化合物、 成分(B) 有機アルミニウム化合物。
重合工程 (1) プロピレンまたはプロピレン/エチレン混合物
を一段あるいは多段に重合させて、プロピレン単独重合
体またはエチレン含量7重量%以下のプロピレン・エチ
レン共重合体を形成させる工程(ただし、この工程での
重合量は、全重合量の10〜90重量%に相当する量であ
る)。
(2) プロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多
段に重合させて、プロピレン/エチレンの重合比(重量
比)が90/10〜10/90の割合であるプロピレンのゴム状共
重合体を得る工程(ただし、この工程での重合量は、全
重合量の90〜10重量%に相当する量である)。
<効 果> 本発明による触媒で実質的に溶媒を使用しない方法で
プロピレンブロック共重合体を製造することにより、高
活性で、すなわち触媒当り高収率で、しかも高剛性、高
衝撃強度のプロピレンブロック共重合体を安定して製造
することができる。
また、本発明によれば、ゴム状共重合体の重量が多く
なった場合(たとえば60重量パーセント)にも、重合体
粒子の粘着性が少なく、従来問題とされていた運転操作
上のトラブルを解決することができる。
さらにまた、本発明の触媒で重合を行なうと、ゴム成
分重合時(本発明では、重合工程(2))の触媒活性が
高いことがあげられる。
従来知られている多くの触媒系では、ゴム成分重合時
に触媒活性が低下することが多く問題になることが多い
が、本発明の触媒系では上記のような問題がなく、工業
生産上もきわめて有利である。
さらに、本発明の触媒を使用した場合の効果として、
ポリマー重合体の性状がよいことが挙げられる。例えば
ポリマー嵩比重について考えると、本発明では0.45g/cc
以上、場合によっては0.50g/cc以上、の値を得ることも
可能である。
〔発明の具体的説明〕
〔I〕触 媒 本発明による触媒は、下記の成分(A)および(B)
の組合せからなる。ここで「組合せからなる」というこ
とは、挙示の成分(すなわち(A)および(B))のみ
の組合せ物の外に、合日的的な補助成分との組合せ物を
も意味するものである。
成分(A) 本発明の成分(A)は、成分(i)、(ii)および
(iii)を接触させて得られた固体成分に、有機の遊離
アルミニウム化合物の実質的不存在下にα−オレフィン
を接触させた成分である。ここで「接触させて得られた
固体成分」ということは、挙示の成分(すなわち、
(i)〜(iii))のみの接触生成物の外に、合目的的
な補助成分をも含んだ接触による産物をも意味するもの
である。
成分(i) 成分(i)は、チタン、マグネシウムおよびハロゲン
を必須成分として含有するチーグラー型触媒用固体成分
である。ここで「必須成分として含有する」ということ
は、挙示の三成分の外に合目的的な他元素を含んでいて
もよいこと、これらの元素はそれぞれ合目的的な任意の
化合物として存在してもよいこと、ならびにこれら元素
は相互に結合したものとして存在してもよいこと、を示
すものである。
チタン、マグネシウムおよびハロゲンを含むチーグラ
ー触媒成分そのものは公知のものである。本発明では、
このような固体成分としては公知のものが使用できる。
例えば、本発明では、特開昭53−45688号、同54−3894
号、同54−31092号、同54−39483号、同54−94591号、
同54−118484号、同54−131589号、同55−75411号、同5
5−90510号、同55−90511号、同55−127405号、同55−1
47507号、同55−155003号、同56−18609号、同56−7000
5号、同56−72001号、同56−86905号、同56−90807号、
同56−155206号、同57−3803号、同57−34103号、同57
−92007号、同57−121003号、同58−5309号、同58−531
0号、同58−5311号、同58−8706号、同58−27732号、同
58−32604号、同58−32605号、同58−67703号、同58−1
17206号、同58−127708号、同58−183708号、同58−183
709号、同59−149905号、同59−149906号各公報等に記
載のものが使用される。
本発明において使用されるマグネシウム源となるマグ
ネシウム化合物としては、マグネシウムハライド、ジア
ルコキシマグネシム、アルコキシマグネシウムハライ
ド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシ
ウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネ
シウムのカルボン酸塩等があげられる。これらのマグネ
シウム化合物の中でもマグネシウムハライドが好まし
い。
また、チタン源となるチタン化合物は、一般式Ti(OR
44-nXn(ここでR4は炭化水素残基であり、好ましくは
炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲンを示し、
nは0≦n≦4の数を示す。)で表わされる化合物があ
げられる。具体例としては、TiCl4、TiBr4、 Ti(OC2H5)Cl3、 Ti(OC2H52Cl2、 Ti(OC2H53Cl、 Ti(O−iC3H7)Cl3、 Ti(O−nC4H9)Cl3、 Ti(O−nC4H92Cl2 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(OC2H5)(OC4H92Cl、 Ti(O−nC4H93Cl、 Ti(O−C6H5)Cl3、 Ti(O−iC4H92Cl2、 Ti(OC5H11)Cl3、 Ti(OC6H13)Cl3、 Ti(OC2H5、 Ti(O−nC3H7、 Ti(O−nC4H9、 Ti(O−iC4H9、 Ti(O−nC6H13、 Ti(O−nC8H17、 Ti〔OCH2CH(C2H5)C4H9 等がある。
また、TiX′(ここではX′はハロゲンを示す)に
後述する電子供与体を反応させた分子化合物を用いるこ
ともできる。そのような分子化合物の具体例としては、 TiCl4・CH3COC2H5、 TiCl4・CH3CO2C2H5、 TiCl4・C6H5NO2、 TiCl4・CH3COCl、 TiCl4・C6H5COCl、 TiCl4・C6H5CO2C2H5、 TiCl4・ClCOC2H5、 TiCl4・C4H4O等があげられる。
これらのチタン化合物の中でも好ましいものは、 TiCl4、Ti(OEt)、 Ti(OBu)、Ti(OBu)Cl3等である。
ハロゲン源としては、上述のマグネシウム及び(又
は)チタンのハロゲン化合物から供給されるのが普通で
あるが、他のハロゲン源、たとえばアルミニウムのハロ
ゲン化物やケイ素のハロゲン化物、リンのハロゲン化物
といった公知のハロゲン化剤、から供給することもでき
る。
触媒成分中に含まれるハロゲンはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素又はこれらの混合物であってよく、特に塩素
が好ましい。
本発明に用いる固体成分は、上記必須成分の他にSiCl
4、CH3SiCl3等のケイ素化合物、メチルハイドロジェン
ポリシロキサン等のポリマーケイ素化合物、Al(OiC
3H7、AlCl3、AlBr3、Al(OC2H5、Al(OCH32C
l等のアルミニウム化合物およびB(OCH3、B(OC2
H5、B(OC6H5等のホウ素化合物等の他成分の
使用も可能であり、これらがケイ素、アルミニウム及び
ホウ素等の成分として固体成分中に残存することは差支
えない。
更に、この固体成分を製造する場合に、電子供与体を
内部ドナーとして使用することもできる。
この固体成分の製造に利用できる電子供与体(内部ド
ナー)としては、アルコール類、フェノール類、ケトン
類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸又は無機酸類
のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物類の
ような含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリ
ル、イソシアネートのような含窒素電子供与体などを例
示することができる。
より具体的には、(イ)メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、ドデカノール、オクタデシルアルコール、ベンジル
アルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコ
ール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素数1
ないし18のアルコール類、(ロ)フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノ
ール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ナフトー
ルなどのアルキル基を有してよい炭素数6ないし25のフ
ェノール類、(ハ)アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ンなどの炭素数3ないし15のケトン類、(ニ)アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデ
ヒドなどの炭素数2ないし15のアルデヒド類、(ホ)ギ
酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸
プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸セ
ロソルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エ
チル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロ
ル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチ
ル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セロソル
ブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸
アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニ
ス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、γ−ブチ
ロラクトン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリ
ド、炭酸エチレンなどの炭素数2ないし20の有機酸エス
テル類、(へ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、フェニル
トリエトキシシランなどのケイ酸エステルのような無機
酸エステル類、(ト)アセチルクロリド、ベンゾイルク
ロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリド、塩化
フタロイル、イソ酸化フタロイルなどの炭素数2ないし
15の酸ハライド類、(チ)メチルエーテル、エチルエー
テル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミル
エーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニ
ルエーテルなどの炭素数2ないし20のエーテル類、
(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミド
などの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、
トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、
テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、(ル)
アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリルなどの
ニトリル類、などを挙げることができる。これら電子供
与体は、二種以上用いることができる。これらの中で好
ましいのは有機酸エステルおよび酸ハライドであり、特
に好ましいのはフタル酸エステル、酢酸セロソルブエス
テルおよびフタル酸ハライドである。
上記各成分の使用量は、本発明の効果が認められるか
ぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範囲内
が好ましい。
チタン化合物の使用量は、使用するマグネシウム化合
物の使用量に対してモル比で1×10-4〜1000の範囲内が
よく、好ましくは0.01〜10の範囲内である。ハロゲン源
としてそのための化合物を使用する場合は、その使用量
はチタン化合物および(または)マグネシウム化合物が
ハロゲンを含む、含まないにかかわらず、使用するマグ
ネシウムの使用量に対してモル比で1×10-2〜1000の範
囲内がよく、好ましくは0.1〜100の範囲内である。
ケイ素、アルミニウムおよびホウ素の使用量は、上記
のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10
-3〜100の範囲内がよく、好ましくは0.01〜1の範囲内
である。
電子供与体化合物の使用するときの量は、上記のマグ
ネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-3〜10
の範囲内がよく、好ましくは0.01〜5の範囲内である。
成分(i)は、上述のチタン源、マグネシウム源およ
びハロゲン源、更には必要により電子供与体等の他成分
を用いて、例えば以下の様な製造法により製造される。
(イ) ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供
与体とチタン含有化合物とを接触させる方法。
(ロ) アルミナまたはマグネシアをハロゲン化リン化
合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供
与体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。
(ハ) ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコ
キシドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて
得られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および(ま
たは)ケイ素のハロゲン化合物を接触させる方法。
このポリマーケイ素化合物としては、下式で示される
ものが適当である。
(ここで、Rは炭素数1〜10程度の炭化水素残基、nは
このポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチスト
ークス程度となるような重合度を示す) これらのうちでは、メチルハイドロジエンポリシロキ
サン、エチルハイドロジエンポリシロキサン、フェニル
ハイドロジエンポリジロキサン、シクロヘキシルハイド
ロジエンポリシロキサン、1,3,5,7テトラメチルシクロ
テトラシロキサン、1,3,5,7,9ペンタメチルシクロペン
タシロキサン、等が好ましい。
(ニ) マグネシウム化合物をチタンテトラアルコキシ
ドおよび電子供与体で溶解させて、ハロゲン化剤または
チタンハロゲン化合物で析出させた固体成分に、チタン
化合物を接触させる方法。
(ホ) グリニヤール試薬等の有機マグネシウム化合物
をハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要
に応じて電子供与体チタン化合物とを接触させる方法。
(ヘ) アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤
および(または)チタン化合物を電子供与体の存在もし
くは不存在下に接触させる方法。
このようにして、チタン、マグネシウムおよびハロゲ
ンを必須成分として含有するチーグラー接触用固体成分
(i)が得られる。
成分(ii) 成分(A)を製造するために使用する成分(ii)は、
一般式 (ただし、R1は分岐鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
を、nは1≦n≦3の数をそれぞれ示す)で表わされる
ケイ素化合物である。成分(ii)が本式の化合物の複数
種の混合物であってもよいことはいうまでもない。
ここで、R1はケイ素原子に隣接する炭素原子から分岐
しているものが好ましい。その場合の分岐基は、アルキ
ル基、シクロアルキル基またはアリール基(たとえば、
フェニル基またはメチル置換フェニル基)であることが
好ましい。さらに好ましいR1は、ケイ素原子に隣接する
炭素原子、すなわちα−位炭素原子、が2級または3級
の炭素原子であるものである。とりわけ、ケイ素原子に
結合している炭素原子が3級のものが好ましい。R1の炭
素数は通常3〜20、好ましくは4〜10、である。
R2は、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、の分岐また
は直鎖状の脂肪族炭化水素基であることがふつうであ
る。R3は脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4の
鎖状脂肪族炭化水素基、であることがふつうである。
成分(ii)のケイ素化合物の具体例は、下記の通りで
ある。
(CH33CSi(CH3)(OCH3、 (CH33CSi(CH(CH3)(OCH3、 (CH33CSi(CH3)(OC2H5、 (C2H53CSi(CH3)(OCH3、 (CH3)(C2H5)CHSi(CH3)(OCH3、 ((CH32CHCH22Si(OCH3、 (C25)(CH32CSi(CH3)(OCH3、 (C2H5)(CH32CSi(CH3)(OC2H5、 (CH33CSi(OCH3、 (CH33CSi(OC2H5、 (C2H53CSi(OC2H5、 (CH3)(C2H5)CHSi(OCH3、 (C2H5)(CH32CSi(OCH3、 (C2H5)(CH32CSi(OC2H5 これらの中で好ましいのは、R1のα位の炭素が2級又
は3級で炭素数3〜20の分岐鎖状炭化水素残基、特にR1
のα位の炭素が3級であって炭素数4〜10の分岐鎖状炭
化水素残基、を有するケイ素化合物である。
成分(iii) チーグラー型触媒用固体触媒成分を構成すべき成分
(iii)は、有機アルミニウム化合物である。
有機アルミニウム化合物であるからこの化合物は少な
くとも一つの有機基−アルミニウム結合を持つ。その場
合の有機基としては、炭素数1〜10程度、好ましくは1
〜6程度、のヒドロカルビル基が代表的である。
原子価の少なくとも一つの有機基で充足されている有
機アルミニウム化合物のアルミニウムの残りの原子価
(もしそれがあれば)は、水素原子、ハロゲン原子、ヒ
ドロカルビルオキシ基(ヒドロカルビル基は、炭素数1
〜10程度、好ましくは1〜6程度)、あるいは酸素原子
を介した当該アルミニウム(具体的には、メチルアルモ
キサンの場合の その他で充足される。
このような有機アルミニウム化合物の具体例を挙げれ
ば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミ
ニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、
エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、メチルアルミノキサン等の有機アルミニ
ウム化合物があげられる。有機アルミニウム化合物のさ
らなる具体例は、成分(B)として後記する有機アルミ
ニウム化合物の例示の中に見出すことができる。
固体触媒成分(A)の調製 成分(i)〜(iii)の接触方法および使用量は効果
が認められる限り任意のものでありうるが、一般的に
は、次の条件が好ましい。
成分(i)と成分(ii)の量比は、成分(i)を構成
するチタン成分に対する成分(ii)のケイ素の原子比
(ケイ素/チタン)で0.01〜1000の範囲内がよく、好ま
しくは0.1〜100の範囲である。成分(iii)の成分
(i)に対する量比は、有機金属化合物の金属原子比
(金属/チタン)で0.01〜100、好ましくは、0.1〜30、
の範囲である。
成分(i)〜(iii)の接触順序および接触回数は、
特に制限はないが、例えば次のような方法があげられ
る。
(イ) 成分(i)→成分(ii)→成分(iii) (ロ) 成分(i)→成分(iii)→成分(ii) (ハ) 成分(i)→{成分(ii)+成分(iii)}→
{成分(ii)+成分(iii)} (ニ) {成分(ii)+成分(iii)}→成分(i) (ホ) 成分(i)、(ii)および(iii)を同時に接
触させる方法 (ヘ) (イ)〜(ニ)の方法において、各工程の間の
洗浄工程を行なう方法 接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0〜100℃
程度、である。接触方法としては、回転ボールミル、振
動ミル、ジェットミル、媒体撹拌粉砕機などによる機械
的な方法、不活性希釈剤の存在下に、撹拌により接触さ
せる方法などがあげられる。このとき使用する不活性希
釈剤としては、脂肪族または芳香族の炭化水素およびハ
ロ炭化水素、ポリシロキサン等があげられる。これらの
接触に際しては、本発明の効果を損なわない限りにおい
て、成分(i)〜(iii)以外のその他の成分、たとえ
ばメチルハイドロジェンポリシロキサン、ホウ酸メチ
ル、アルミニウムトリイソプロポキシド、三塩化アルミ
ニウム、四塩化ケイ素、一般式Ti(OR)4-nXn(ただ
し、0≦n≦4、Rは炭化水素残基、Xはハロゲンを表
わす)で表わされるチタン化合物、三価のチタン化合
物、六塩化タングステン、五塩化モリブデン等を添加す
ることも可能である。
本発明の成分(A)は、前記成分(i)〜(iii)を
接触させて得られた固体成分に、遊離の有機アルミニウ
ム化合物の実質的不存在下にα−オレフィンを接触させ
た成分である。
通常、チタン含有固体成分をα−オレフィンと接触さ
せて、いわゆる「予備重合」を行なう場合には、周期律
表I〜III族金属の有機金属化合物の存在下にこれを行
なうのが普通である。しかし、本発明においては、この
ような通常行なわれている有機金属化合物の存在下に行
なう「予備重合」では、本発明の目的とする効果は、全
く得られない(後記の比較例参照)。
成分(i)〜(iii)の接触生成物とα−オレフィン
の接触条件は、本発明の効果が認められるかぎり任意の
ものでありうるが、一般的には、次の条件が好ましい。
接触温度は、−50〜200℃程度、好ましくは0℃〜100
℃程度、である。
接触方法としては、脂肪族または芳香族の炭化水素等
の不活性希釈剤の存在または不存在下に、撹拌により接
触させるのが普通である。
使用するα−オレフィンとしては、炭素数2〜20程
度、好ましくは2〜10、のもの、具体的にはエチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−
1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセン等があげられる。α−オ
レフィンの成分(i)〜(iii)の接触生成物に対する
使用量は、上記接触物1グラムあたり0.001〜500グラム
が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜50グラムであ
る。
成分(B) 成分(B)は、有機アルミニウム化合物である。
具体例としては、 (ここで、R5およびR6は同一または異ってもよい炭素数
1〜20程度の炭化水素残基または水素原子、R7は炭素数
1〜20程度の炭化水素残基、Xはハロゲン、nおよびm
はそれぞれ0≦n≦3、0<m<3の数である。)で表
されるものがある。具体的には、(イ)トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチル
アルミニウム、トリデシルアルミニウム、などのトリア
ルキルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノ
クロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアル
ミニウムジクロライドなどのアルキルアルミニウムハラ
イド、(ハ)ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイ
ソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアル
ミニウムハイドライド、(ニ)ジエチルアルミニウムエ
トキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのア
ルミニウムアルコキシド、などがあげられる。
これら(イ)〜(ニ)の有機アルミニウム化合物に他
の有機金属化合物、たとえば (ここで、1≦a≦3、R8およびR9は、同一または異な
ってもよい炭素数1〜20程度の炭化水素残基である。)
で表わされるアルキルアルミニウムアルコキシドを併用
することもできる。たとえば、トリエチルアルミニウム
とジエチルアルミニウムエトキシドの併用、ジエチルア
ルミニウムモノクロライドとジエチルアルミニウムエト
キシドの併用、エチルアルミニウムジクロライドとエチ
ルアルミニウムジエトキシドの併用、トリエチルアルミ
ニウムとジエチルアルミニウムエトキシドとジエチルア
ルミニウムクロライドの併用があげられる。
成分(B)の使用量は、重量比で成分(B)/成分
(A)比が0.1〜1000、好ましくは1〜100、の範囲であ
る。
第三成分(任意成分) 本発明で使用する触媒は、成分(A)および(B)の
組合せからなるものである。ここで、「組合せからな
る」ということは、挙示の成分(すなわちAおよびB)
の外に合目的的な第三成分の共存を排除しないというこ
とを示すことであることは前記した通りである。
そのような合目的的な第三成分の代表例としては、ホ
ウ素アルコキシド化合物を挙げることができる。そのよ
うなホウ素化合物の具体例としては、 B(OCH3、B(OC2H5、 B(OC3H7、B(OiC3H7、 B(O−nC4H9、B(OC6H13、 B(OC6H5、B(OC6H4(CH3))、 B(OC2H5)Cl、B(OCH32Cl、 (C2H5)B(OC2H5、 B(C6H5)(OCH3、 B(OC4H9)Cl2など、があげられる。このホウ素化合物
の使用量は、成分(A)を構成するチタン成分に対する
モル比で0.1〜40の範囲内がよい。これらのホウ素アル
コキシド化合物は、重合時に添加することができる。
〔II〕重合工程 前記触媒成分の存在下に行なう本発明の重合工程は、
少なくとも工程(1)および工程(2)の二段階よりな
る。工程(1)および工程(2)はいずれを先に実施し
てもよいが、この順序((1)→(2))で実施するこ
とが工業的に有利である。両工程は、実質的に溶媒の不
存在下に実施する。いずれにしても、両工程は、ブロッ
ク共重合体製造の常法に従って、その前段工程の産物の
少なくとも一部の存在下に後段工程を実施する。
触媒の形成 前記触媒成分(A)および(B)を、一時にあるいは
段階的に、重合系内であるいは重合系外で接触させるこ
とによって、本発明での触媒が形成される。触媒は各工
程で追加してもよく、特に後段工程は成分(B)を追加
して実施することができる。
重合工程(1) 重合工程(1)は、プロピレン単独あるいはプロピレ
ン/エチレン混合物を前記触媒成分(A)、(B)を有
する重合系に供給して、一段あるいは多段に重合させ
て、プロピレン単独重合体またはエチレン含量7重量%
以下、好ましくは0.5重量%以下、のプロピレン・エチ
レン共重合体を、全重量の10〜90重量%、好ましくは20
〜80重量%、に相当する量形成させる工程である。
重合工程(1)でプロピレン・エチレン共重合体中の
エチレン含量が7重量%を越えると、最終共重合体の嵩
密度が低下し、低結晶性重合体の副生量が大幅に増大す
る。また、重合割合が上記範囲の下限未満では、やはり
低結晶性重合体の副生量が増加する。
重合工程(1)での重合温度は30〜95℃、好ましくは
50〜85℃、程度であり、重合圧力は通常1〜50kg/cm2G
の範囲である。重合工程(1)においては、水素などの
分子量調節剤を用いてMFRを制御して、最終共重合体の
溶融時流動性を高めておくのが好ましい。
重合工程(2) 重合工程(2)は、プロピレン/エチレン混合物を一
段あるいは多段に重合させて、プロピレン/エチレンの
重合比(重量比)が90/10〜10/90、好ましくは70/30〜3
0/70、の割合であるプロピレンのゴム状共重合体を得る
工程(ただし、この工程での重合量は、全重合量の90〜
10重量%、好ましくは80〜20重量%、に相当する量であ
る)である。
重合工程(2)では、他のコモノマーを共存させても
良い。例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−ペンテン−1等のα−オレフィンを用
いることができる。
重合工程(2)の重合温度は、30〜90℃、好ましくは
50〜80℃、程度である。重合圧力は、1〜50kg/cm2Gの
範囲が通常用いられる。
重合工程(1)から重合工程(2)に移る際に、プロ
ピレンガスまたはプロピレン/エチレン混合ガスと水素
ガスをパージして次の工程に移ることが好ましい。
重合工程(2)で分子量調節剤は、目的に応じて用い
ても用いなくても良い。
重合様式 本発明による共重合体の製造法、回分式、連続式、半
回分式のいずれの方法によっても実施可能である。この
とき使用する単量体自身を媒質として重合を行なう方
法、媒質を使用せずにガス状の単量体中で重合を行なう
方法、さらにはこれらを組み合わせて重合を行なう方法
などがある。
好ましい重合様式は、媒質を使わずにガス状の単量体
中で重合を行なう方法、たとえば生成ポリマー粒子をモ
ノマー気流で流動させて流動床を形成させる方式あるい
は生成ポリマー粒子を撹拌機により反応槽において撹拌
する方式、である。
〔III〕生成プロピレンブロック共重合体 本発明に従って実質的に溶媒の不存在下に重合を行な
って製造すべきプロピレン共重合体は、プロピレンのゴ
ム状共重合体の含量が10〜70重量%、好ましくは20〜70
重量%、特に好ましくは35〜60重量%、のものである。
ここで「プロピレンのゴム状重合体」とは、20℃でのキ
シレン可溶分のことである。
本発明はプロピレンブロック共重合体の製造法であ
る。しかし、ここでいう「ブロック共重合体」は、必ず
しも理想的な姿のもの、すなわち工程(1)で生成した
ブロックと工程(2)で生成したブロックとが一つの分
子鎖上に存在するもの、のみを意味するものではなく、
慣用されているところに従って各工程で生成したポリマ
ーの物理的混合物およびこれと上記の理想的なブロック
共重合体との間の各種の形態のポリマーを包含するもの
である。
〔成分(A)の製造〕
充分に窒素置換したフラスコに脱水および脱酸素した
n−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2
0.1モル、 Ti(O−nC4H9を0.2モル導入し、95℃で2時間反応
させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチル
ヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を
12ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固
体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
ついで、充分に窒素置換したフラスコに上記と同様に
精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で
合成した固体成分をMg原子換算で0.03モル導入した。つ
いでn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl4 0.05モルを
混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時
間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。
ついで、n−ヘプタン25ミリリットルにフタ酸クロラ
イド、0.003モルを混合して、90℃、30分間でフラスコ
導入し、95℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘ
プタンで洗浄した。次いで、SiCl4 5ミリリットルお
よびヘプタン80ミリリットルを導入して、90℃で4時間
反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し
た。生成固体中のチタン含量は、1.78重量パーセントで
あった。これを固体成分(A)を製造するための成分
(i)とした。
次に充分に窒素置換したフラスコに充分に精製したn
−ヘプタンを80ミリリットル導入し、これに上記で得た
成分(i)を4グラム、次いで成分(ii)として (CH33CSi(CH3)(OCH3を2.0ミリリットル、成
分(iii)としてトリエチルアルミニウム 4.5グラムを
それぞれ導入し、30℃で2時間接触させた。接触終了
後、これをn−ヘプタンで充分洗浄して、固体成分を得
た。続いて、得られた固体成分とプロピレンの接触を行
なった。内容積1.5リットルの温度制御装置を有する撹
拌槽に、充分に精製したn−ヘプタンを400ミリリット
ル導入し、さらに上記で得られた固体成分を導入し、水
素を60ミリリットル導入した。20℃でプロピレンの導入
を開始し、1時間後プロピレンの導入を停止した。その
後、これをn−ヘプタンで充分に洗浄して、成分(A)
とした。なお、プロピレンの予備重合量は、固体成分1
グラムあたり、10.3グラムであった。
〔プロピレンの共重合〕
特公昭61−33721号公報に開示されている方法で、内
容積13リットルの横型二軸気相重合槽を使用してプロピ
レンの共重合を行なった。
重合槽内を充分に精製した窒素で置換したあと、充分
に脱水および脱酸素したポリマー担体を400グラム添加
した。次いで成分(B)のトリエチルアルミニウム500
ミリグラムおよび前記で合成した成分(A)を820ミリ
グラム導入した。第一段目の重合工程(1)では、水素
を1000ミリリットル導入した後、温度を75℃にして、プ
ロピレンを1.3グラム/分の定速で導入した。なお、重
合槽の撹拌回転数は、350r.p.mであった。重合温度を75
℃に維持し、3時間40分後、プロピレンの導入を停止し
た。75℃で重合を継続し、重合圧力が1kg/cm2Gになった
時点で重合サンプルを一部採取した。
その後、H2を500ミリリットル添加して、重合工程
(2)を開始した。第二段重合は、プロピレンを0.59グ
ラム/分、エチレンを0.40g/分のそれぞれ定速で、70℃
で1時間36分導入した。プロピレンおよびエチレンの導
入を停止して、重合圧力が1kg/cm2Gになるまで残圧重合
した。重合終了後、パージをしてポリマーを取り出し
た。381グラムの重合体が得られた。生成ポリマーのMFR
は8.2g/10分であり、ポリマー嵩密度(B.D.)は0.43(g
/cc)であり、ポリマー落下速度は5.7秒であった。ゴム
状共重合体の重量は、23.6重量パーセントであった。
また、重合槽はポリマー付着が全くなく、中間サンプ
ルのMFRは18.3g/10分であった。
なお、ポリマー落下速度は、50グラムのポリマーが落
下するのに要する時間を意味する。
実施例2 〔成分(A)の製造〕 実施例1と同様にMgCl2と Ti(O−nC4H9およびメチルヒドロポリシロキサン
の反応を行ない、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗
浄した。
ついで、充分に窒素置換したフラスコに上記と同様に
精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で
合成した固体成分をMg原子換算で0.03モル導入した。次
いでn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl4 11.6ミリリ
ットルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、90
℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗
浄した。次いで成分(ii)のケイ素化合物として、 (CH33CSi(CH3)(OCH3を2.4ミリリットル導入
し、次いで成分(iii)のトリエチルアルミニウム6.0を
導入し、30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘ
プタンで充分に洗浄して、固体成分を得た。
次いで、実施例1と同様に、得られた固体成分とプロ
ピレンの接触を行なった。ただし、接触温度は20℃から
30℃に変更した。プロピレンの重合量は、固体成分1グ
ラムあたり10.8グラムであった。
〔プロピレンの共重合〕
実施例1の重合条件において、重合工程(1)の重合
時間を3時間10分とし、重合工程(2)の重合時間を1
時間50分に変更した以外は、全く同様に重合を行なっ
た。380グラムのポリマーが得られ、MFR=7.3g/10分、
ポリマーB.D.=0.44(g/cc)であり、ポリマー落下速度
6.2秒であった。ゴム状共重合体の重量は、35.2重量%
であった。
実施例3 〔成分(A)の製造〕 実施例1と同様に成分(i)〜成分(iii)の接触を
行なって、接触生成物を得た、また、実施例1と同様に
上記接触生成物とプロピレンの接触を行なった。プロピ
レンの重合量は、接触生成物1グラムあたり11.3グラム
であった。
〔プロピレンの共重合〕
実施例1の重合条件において、重合工程(1)の重合
時間を1時間58分、重合工程(2)の重合時間を3時間
49分に変更し、重合工程(2)の重合開始時にB(OC
H3を77リグラム添加した以外は、全く同様に重合を
行なった。381グラムのポリマーが得られ、MFR=6.1g/1
0分、ポリマーB.D.=0.43(g/cc)であり、ポリマー落
下速度=5.5秒であった。ゴム状共重合体の重量は、57.
8重量%であった。
実施例4 〔成分(A)の製造〕 実施例2と全く同様に成分(i)〜(iii)の接触を
行なって、固体成分を得た。次いで、得られた固体成分
とエチレンの接触を実施例2と全く同様の条件で行なっ
た。固体成分1グラムあたり、9.7グラムのエチレンが
重合されていた。
〔プロピレンの共重合〕
実施例1と全く同様の条件でプロピレンの共重合を行
なった。その結果、379グラムの重合体が得られ、MFR=
7.9g/10分、ポリマーB.D=0.41(g/cc)、ポリマー落下
速度は6.1秒、ゴム状共重合体の重量は、23.8重量パー
セントであった。
比較例1 〔成分(A)の製造〕 実施例1と全く同様に成分(i)〜(iii)の接触を
行なった。また、得られた固体成分とプロピレンの接触
は、トリエチルアルミニウムを1.5グラム添加した以外
は実施例1と全く同様に行なって、成分(A)を製造し
た。
〔プロピレンの共重合〕
実施例1と全く同様の条件で重合を行なった。その結
果、380グラムの重合体が得られ、MFR=9.9g/10分、ポ
リマーB.D=0.25(g/cc)、ポリマー落下速度は測定不
可(流れず)、ゴム状共重合体の重量は、23.5重量パー
セントであった。重合槽の内部には、ポリマー付着が多
く存在していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本願発明の技術内容
の理解を助けるためのものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の触媒成分(A)および(B)の組合
    せからなる触媒を使用して、実質的に溶媒の不存在下の
    条件で、下記の重合工程(1)および(2)を実施し
    て、プロピレンのゴム状共重合体(20℃キシレン可溶
    分)の重量が10〜70重量パーセントであるプロピレンブ
    ロック共重合体を得ることを特徴とする、プロピレンブ
    ロック共重合体の製造法。 触 媒 成分(A) 下記の成分(i)、(ii)および(iii)を接触させて
    得られた固体成分に、遊離の有機アルミニウム化合物の
    実質的不存在下にα−オレフィンを接触させた成分。 成分(i):チタン、マグネシウムおよびハロゲンを必
    須成分として含有するチーグラー型触媒用固体成分、 成分(ii): 一般式 (ただし、R1は分岐鎖状炭化水素残基を、R2はR1と同一
    かもしくは異なる炭化水素残基を、R3は炭化水素残基
    を、nは1≦n≦3の数をそれぞれ示す) で表わされるケイ素化合物、 成分(iii):有機アルミニウム化合物、 成分(B) 有機アルミニウム化合物。 重合工程 (1) プロピレンまたはプロピレン/エチレン混合物
    を一段あるいは多段に重合させて、プロピレン単独重合
    体またはエチレン含量7重量%以下のプロピレン・エチ
    レン共重合体を形成させる工程(ただし、この工程での
    重合量は、全重合量の10〜90重量%に相当する量であ
    る)。 (2) プロピレン/エチレン混合物を一段あるいは多
    段に重合させて、プロピレン/エチレンの重合比(重量
    比)が90/10〜10/90の割合であるプロピレンのゴム状共
    重合体を得る工程(ただし、この工程での重合量は、全
    重合量の90〜10重量%に相当する量である)。
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