JPH0725960A - プロピレンブロック共重合体の製造法 - Google Patents

プロピレンブロック共重合体の製造法

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JPH0725960A
JPH0725960A JP17301693A JP17301693A JPH0725960A JP H0725960 A JPH0725960 A JP H0725960A JP 17301693 A JP17301693 A JP 17301693A JP 17301693 A JP17301693 A JP 17301693A JP H0725960 A JPH0725960 A JP H0725960A
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健二 山本
Takashi Fujita
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゲルやフィッシュアイの発生を抑えたプロピ
レンブロック共重合体を、実質的に溶媒が存在しない条
件下に安定して製造する。 【構成】 Ti、Mg、ハロゲン及びEDを必須成分と
する固体(成分(A))及び有機Al(成分(B))の
存在下実質的に溶媒が存在しない条件下に第一段重合及
び第二段重合を行ってプロピレンブロック共重合体を製
造する方法において、第一段重合が終了した後第二段重
合の開始前又は途中に活性水素含有化合物(成分
(C))を、成分(C)/成分(A)中のチタン=10
0〜1000、成分(C)/成分(B)=2.0〜5.
0 (それぞれモル比)の範囲で使用する。 【効果】 上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレンブロック共
重合体の製造法に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、実質的に溶媒が存在しない条件下に行うプロ
ピレンブロック共重合体の製造法において、第一段重合
が終了した後で第二段重合の開始前又は第二段重合の途
中に特定の化合物を特定の範囲で添加して使用すること
で、高剛性かつ高衝撃強度でしかもゲル、フィッシュア
イが低減した製品外観にも優れたプロピレンブロック共
重合体を、共重合体パウダー粒子の“べたつき”等のな
い流動性の良い状態で製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリプロピレンは、剛性および耐
熱性に優れた特性を有する反面、耐衝撃強度、特に低温
における耐衝撃強度、が弱いという問題があった。この
点を改良する方法として、プロピレンとエチレンまたは
その他のオレフィンを段階的に重合させてブロック共重
合体を生成させる方法はすでに公知である(例えば、特
公昭43−11230号公報等)。このブロック共重合
体の製造においては、得られた共重合体にゲルやフィッ
シュアイが発生し、製品外観が悪くなったり、機械的強
度を低下させる原因となることがある。これは、例えば
連続重合方法においては、第1段重合槽において、触媒
成分の重合時間(重合槽内滞留時間)に分布を生じ、そ
の結果、第2段重合槽において重合反応が不均一にな
り、そのためフィッシュアイ等が発生するものと考えら
れる。特に第2段重合槽の重合割合を増加したとき、フ
ィッシュアイが発生しやすく、ゴム状共重合体の生成割
合を増加させたとき、フィッシュアイ等を実質的になく
す技術の開発が望まれており、これらの課題を解決する
ため、特開平4−146912号、同4−285619
号、同4−296313号公報等の提案がなされている
が、その改良効果はまだ不充分なレベルにある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プロピレン
ブロック共重合体を実質的に溶媒が存在しない条件下に
製造するときに、特に上記ゲルやフィッシュアイが発生
し易い問題点の解決を図るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のプロピレンブロ
ック共重合体の製造法は、下記の成分(A)及び成分
(B)からなる触媒の存在下、下記の第一段重合及び第
二段重合を実質的に溶媒が存在しない条件下に行ってプ
ロピレンブロック共重合体を製造する方法において、第
一段重合が終了した後で第二段重合の開始前又は第二段
重合の途中に成分(C)を、下記成分(A)を構成する
チタン成分に対するモル比で100〜1000、かつ成
分(B)に対するモル比で2.0〜5.0の範囲内で使
用して重合を行うことを特徴とするものである。 成分(A):チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子
供与性化合物を必須成分とする固体成分、 成分(B):有機アルミニウム化合物、 成分(C):活性水素含有化合物、 (1)第一段重合 プロピレン単独又はプロピレンとエチレンとの混合物を
一段又は多段に重合させて、結晶性のプロピレン重合体
を製造する工程、 (2)第二段重合 プロピレンとエチレンとの混合物を一段又は多段に重合
させて、ゴム状重合体を製造する工程。
【0005】発明の具体的説明 〔I〕触 媒 成分(A):本発明で使用する触媒を構成する成分
(A)は、チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供
与性化合物を必須成分とする固体成分である。本発明に
おいて使用されるマグネシウム源となるマグネシウム化
合物としては、マグネシウムジハライド、ジアルコキシ
マグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、マグ
ネシウムオキシハライド、ジアルキルマグネシウム、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムの
カルボン酸塩等があげられる。これらのマグネシウム化
合物の中でもマグネシウムジハライドが好ましい。ま
た、チタン源となるチタン化合物は、一般式Ti(OR
1 4-n n (ここでR1 は炭化水素残基であり、好ま
しくは炭素数1〜10程度のものであり、Xはハロゲン
を示し、nは0≦n≦4の数を示す。)で表わされる化
合物があげられる。好ましい具体例として、TiC
4 、Ti(OC2 5 4 、Ti(OC4 9 4
Ti(OC4 9 )Cl3 等が例示できる。
【0006】ハロゲン源としては、上述のマグネシウム
及び(又は)チタンのハロゲン化合物から供給されるの
が普通であるが、他のハロゲン源、たとえばアルミニウ
ムのハロゲン化物やケイ素のハロゲン化物、リンのハロ
ゲン化物といった公知のハロゲン化剤、から供給するこ
ともできる。触媒成分中に含まれるハロゲンはフッ素、
塩素、臭素、ヨウ素又はこれらの混合物であってよく、
特に塩素が好ましい。本発明において使用される電子供
与性化合物(内部ドナー)としては、アルコール類、フ
ェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、
有機酸又は無機酸類のエステル類、エーテル類、酸アミ
ド類、酸無水物類のような含酸素電子供与体、アンモニ
ア、アミン、ニトリル、イソシアネートのような含窒素
電子供与体など公知の電子供与性化合物を例示すること
ができる。
【0007】電子供与性化合物は、2種以上併用するこ
とができる。好ましい電子供与性化合物としては、無機
酸エステル、有機酸エステルおよび有機酸ハライドであ
り、特に好ましいのはケイ酸エステル、フタル酸エステ
ル、酢酸セロソルブエステルおよびフタル酸ハライドで
ある。本発明で使用できる好ましいケイ酸エステルとし
ては、一般式 R1 2 3-n Si(OR3 n (ただし、R1 は分岐を有する炭素数3〜20、好まし
くは4〜10の脂肪族炭化水素残基又は、炭素数5〜2
0、好ましくは6〜10の環状脂肪族炭化水素残基を、
2 は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の分岐又は
直鎖状の脂肪族炭化水素残基を、R3 は炭素数1〜1
0、好ましくは1〜4の脂肪族炭化水素残基を、nは1
≦n≦3の数を、それぞれ示す)で表わされる有機ケイ
素化合物である。尚、前記一般式のR1 は、ケイ素原子
に隣接する炭素原子から分岐しているものが好ましい。
また、成分(A)中に、上記有機ケイ素化合物が含まれ
ているのが更に好ましい。
【0008】成分(A)を調製するときに上記マグネシ
ウム源、チタン源及びハロゲン源となるマグネシウム化
合物、チタン化合物及びハロゲン源となる化合物並びに
電子供与性化合物の使用量は、本発明の効果が認められ
るかぎり任意のものでありうるが、一般的には、次の範
囲内が好ましい。チタン化合物の使用量は、使用するマ
グネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×10-4
〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01〜10
の範囲内である。ハロゲン源としてそのための化合物を
使用する場合は、その使用量はチタン化合物および(ま
たは)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含まない
にかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に対して
モル比で1×10-2〜1000の範囲内がよく、好まし
くは0.1〜100の範囲内である。電子供与性化合物
の使用するときの量は、上記のマグネシウム化合物の使
用量に対してモル比で1×10-3〜10の範囲内がよ
く、好ましくは0.01〜5の範囲内である。
【0009】本発明で使用される成分(A)は、上述の
チタン源、マグネシウム源およびハロゲン源、更には電
子供与性化合物等の各成分を用いて、例えば以下の様な
製造法により製造することができる。 (イ)ハロゲン化マグネシウムと電子供与性化合物とチ
タン含有化合物とを接触させる方法。 (ロ)アルミナまたはマグネシウムをハロゲン化リン化
合物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供
与性化合物、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方
法。
【0010】(ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテ
トラアルコキシドおよび特定のポリマーケイ素化合物を
接触させて得られる固体成分に、電子供与性化合物並び
にチタンハロゲン化合物および(または)ケイ素のハロ
ゲン化合物を接触させる方法。このポリマーケイ素化合
物としては、下式で示されるものが適当である。 (ここで、Rは炭素数1〜10程度の炭化水素残基、n
はこのポリマーケイ素化合物の粘度が1〜100センチ
ストークス程度となるような重合度を示す)これらのう
ちでは、メチルハイドロジエンポリシロキサン、エチル
ハイドロジエンポリシロキサン、フェニルハイドロジエ
ンポリシロキサン、シクロヘキシルハイドロジエンポリ
シロキサン、1,3,5,7テトラメチルシクロテトラ
シロキサン、1,3,5,7,9ペンタメチルシクロペ
ンタシロキサン等が好ましい。
【0011】(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラ
アルコキシドおよび電子供与性化合物で溶解させて、ハ
ロゲン化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固
体成分に、チタン化合物を接触させる方法。 (ホ)グリニヤール試薬等の有機マグネシウム化合物を
ハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、電子供与性化
合物および(または)チタン化合物とを接触させる方
法。 (ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤お
よび(または)チタン化合物を電子供与性化合物の存在
下に接触させる方法。 上記製造法の中でも(ハ)及び(ヘ)が好ましい。
【0012】本発明の方法に用いる成分(A)を調製す
る際に、周期律表第I〜III 族金属の有機金属化合物を
使用することができる。本発明において使用される周期
律表第I〜III 族金属の有機金属化合物は、少なくとも
一つの有機基−金属結合を持つ。その場合の有機基とし
ては、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度、の
ヒドロカルビル基が代表的である。原子価の少なくとも
一つが有機基で充足されている有機金属化合物の金属の
残りの原子価(もしそれがあれば)は、水素原子、ハロ
ゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基(ヒドロカルビル基
は、炭素数1〜10程度、好ましくは1〜6程度)、あ
るいは酸素原子を介した当該金属(具体的にはメチルア
ルモキサンの場合の 化合物が好ましい。有機金属化合物を使用する場合の使
用量は、本発明の効果が認められるかぎり任意のもので
あり得るが、一般的には、有機金属化合物中の金属原子
/チタン原子の原子比で0.1〜1000の範囲内が好
ましい。
【0013】成分(B):本発明で使用する触媒を構成
する成分(B)は、有機アルミニウム化合物である。こ
の具体例としては、R4 3-n AlXn またはR5 3-mAl
(OR6 m (ここでR4 およびR5 は、同一または異
ってもよい炭素数1〜20程度の炭化水素残基または水
素原子、R6 は炭素数1〜20程度の炭化水素残基、X
はハロゲン、nおよびmはそれぞれ0≦n<3、0<m
<3の数である。)で表されるものがある。具体的に
は、(イ)トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルア
ルミニウム、などのトリアルキルアルミニウム、(ロ)
ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルア
ルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキ
クロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのア
ルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアルミニ
ウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、(ニ)
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウ
ムフェノキシドなどのアルミニウムアルコキシド、など
があげられる。これらの中でも、特にトリアルキルアル
ミニウムが好ましい。有機アルミニウム化合物の使用量
は、重量比で(有機アルミニウム化合物)/成分(A)
の比が0.1〜1000、好ましくは1〜100、の範
囲である。
【0014】成分(C):本発明で使用する成分(C)
は、活性水素含有化合物である。具体的には、水、アル
コール類、フェノール類、アルデヒド類、カルボン酸
類、酸アミド類、アンモニア、アミン、などを例示する
ことができる。より具体的には、(イ)メタノール、エ
タノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコ
ール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコー
ル、クミルアルコール、イソプロピルベンジルアルコー
ルなどの炭素数1ないし18のアルコール類、(ロ)フ
ェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノー
ル、プロピルフェノール、クミルフェノール、ノニルフ
ェノール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭
素数6ないし25のフェノール類、(ハ)アセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベ
ンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドな
どの炭素数2ないし15のアルデヒド類、
【0015】(ニ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トル
イル酸アミドなどの酸アミド類、(ホ)メチルアミン、
エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピ
ペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、
ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン
類、(ヘ)酢酸、プロピオン酸、吉草酸、ギ酸、カプリ
ル酸、ピバル酸、アクリル酸、モノクロロ酢酸等があげ
られる。これらの中で好ましくは、アルコール類、フェ
ノール類等があげられ、特に好ましくは、アルコール類
殊にメタノール及びエタノールである。
【0016】成分(C)は、後述する重合工程におい
て、第一段重合が終了した後で第二段重合の開始前又は
第二段重合の途中で重合系に添加され使用される。成分
(C)の使用量は、成分(A)を構成するチタン成分に
対してモル比で100〜1000、好ましくは200〜
500の範囲内であり、かつ成分(B)に対してモル比
で2.0〜5.0、好ましくは2.5〜4.0の範囲内
である。第二段重合の重合活性は、成分(C)を使用し
なかったときに比較して1/2〜1/5、好ましくは1
/2.5〜1/4である。
【0017】〔II〕重合工程 前記触媒成分の作用下に行なう本発明の重合工程は、少
なくとも第一段重合および第二段重合の二段階よりな
る。第一段重合および第二段重合はこの順序(第一段→
第二段)で実施することが工業的に有利である。両重合
工程は、実質的に溶媒の不存在下に行なわれる。いずれ
にしても、両工程は、ブロック共重合体製造の常法に従
って、その前段重合工程の産物の少なくとも一部の存在
下に後段重合工程を実施する。触媒の形成 前記成分(A)および成分(B)を、一時にあるいは段
階的に、重合系内であるいは重合系外で接触させること
によって、本発明での触媒が形成される。触媒は各工程
で追加してもよく、特に後段工程は有機アルミニウム化
合物を追加して実施することができる。
【0018】第一段重合 第一段重合は、プロピレン単独あるいはプロピレンとエ
チレンとの混合物をチタン含有固体成分および有機アル
ミニウム化合物を有する重合系に供給して、一段あるい
は多段に重合させて、結晶性のプロピレン重合体を製造
する工程である。この第一段重合では、プロピレン単独
重合体またはエチレン含量7重量%以下、好ましくは
0.5重量%以下、のプロピレン・エチレン共重合体
を、全重合量の10〜90重量に相当する量形成させ
る。第一段重合でプロピレン・エチレン共重合体中のエ
チレン含量が7重量%を越えると、最終共重合体の嵩密
度が低下し、低結晶性重合体の副生量が大幅に増大す
る。また、重合割合が上記範囲の下限未満では、やはり
低結晶性重合体の副生量が増加する。第一段重合での重
合温度は30〜130℃、好ましくは50〜100℃、
程度であり、重合圧力は通常1〜50kg/cm2 Gの
範囲である。第一段重合においては、水素などの分子量
調節剤を用いてMFRを制御して、最終共重合体の溶融
時流動性を高めておくのが好ましい。
【0019】第二段重合 第二段重合は、プロピレンとエチレンとの混合物を一段
あるいは多段に重合させて、ゴム状重合体を製造する工
程である。この第二段重合ではプロピレン/エチレンの
重合比(重量比)が90/10〜10/90、好ましく
は80/20〜20/80、特に好ましくは70/30
〜30/70の割合であるプロピレンのゴム状共重合体
を製造する。ただし、この工程での重合量は、全重合量
の90〜10重量%である。第二段重合では、他のコモ
ノマーを共存させても良い。例えば、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1等
のα−オレフィンを用いることができる。第二段重合の
重合温度は、30〜90℃、好ましくは50〜80℃、
程度である。重合圧力は、1〜50kg/cm2 Gの範
囲が通常用いられる。第一段重合から第二段重合に移る
際に、プロピレンガスまたはプロピレン/エチレン混合
ガスと水素ガスをパージして次の工程に移ることが好ま
しい。第二段重合で分子量調節剤は、目的に応じて用い
ても用いなくても良い。
【0020】重合様式 本発明による共重合体の製造法は、回分式、連続式、半
回分式のいずれの方法によっても実施可能であるが特に
連続式が好ましい。このとき使用する単量体自身を媒質
として重合を行なう方法、媒質を使用せずにガス状の単
量体中で重合を行なう方法、さらにはこれらを組み合わ
せて重合を行なう方法などがある。好ましい重合様式
は、少くとも第二段重合が媒質を使わずにガス状の単量
体中で重合を行なう方法、たとえば生成ポリマー粒子を
モノマー気流で流動させて流動床を形成させる方式ある
いは生成ポリマー粒子を攪拌機により反応槽において撹
拌する方式、である。
【0021】〔III 〕生成プロピレンブロック共重合体 本発明に従って重合を行なって製造すべきプロピレン共
重合体は、プロピレンのゴム状共重合体の含量が10〜
70重量%、好ましくは35〜60重量%のものであ
る。ここで「プロピレンのゴム状重合体」とは、23℃
でのキシレン可溶分のことである。本発明はプロピレン
ブロック共重合体の製造法である。しかし、ここでいう
「ブロック共重合体」は、必ずしも理想的な姿のもの、
すなわち第一段重合で生成したブロックと第二段重合で
生成したブロックとが一つの分子鎖上に存在するもの、
のみを意味するものではなく、慣用されているところに
従って各工程で生成したポリマーの物理的混合物および
これと上記の理想的なブロック共重合体との間の各種の
形態のポリマーを包含するものである。
【0022】
【実施例】以下の実験例において、生成重合体の分析及
び物性評価は次の様に行った。 (イ)ゴム成分含有量 500mlフラスコで重合体5gを300mlのキシレ
ンに溶解した後23℃においてキシレン可溶成分と不溶
成分を分離し、キシレン可溶成分の重量百分率(wt
%)を求めた。 (ロ)エチレン単位含量 赤外吸収スペクトルより求めた。 (ハ)物性評価 チバガイギー社「Irganox 1010」及び耕正
社製ステアリン酸カルシウムを生成重合体100重量部
に対しそれぞれ0.1重量部を加え、ヘンシェルミキサ
ーにて3分間混合した後、単軸押出機を用い230℃で
造粒した。得られたペレットを用い型締圧力100Tの
射出成形機にて曲げ弾性率及びIZOD 試験片を作成し
た。曲げ弾性率は、ASTM D−747−70に準拠
し、IZOD 値はASTMD−258に準拠(−20℃)
し、それぞれ値を求めた。フィッシュ・アイ個数は、上
述ペレットを用い厚さ30μmのフィルムを成形し10
0cm2 当りのフィッシュ・アイ個数を目視にて調べ
た。
【0023】実施例1 〔チタン含有固体成分の製造〕充分に窒素置換した内容
積50リットルの攪拌機付撹拌槽に脱水および脱酸素し
たn−ヘプタン20リットルを導入し、次いでMgCl
2 を4モル、Ti(O−nC4 9 4 を8モル導入
し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に
温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20
センチストークスのもの)を480ミリリットル導入
し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタ
ンで洗浄した。ついで、充分に窒素置換した上記の撹拌
槽に上記と同様に精製したn−ヘプタンを15リットル
導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で3モ
ル導入した。ついでn−ヘプタン25ミリリットルにS
iCl4 8モルを混合して30℃、30分間でフラスコ
へ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n
−ヘプタンで洗浄した。
【0024】充分に窒素置換した前記の攪拌槽に充分に
精製したn−ヘプタンを5リットル導入し、次いで上記
で得た固体成分を250グラム導入し、1,5−ヘキサ
ジエンを750グラム、(CH3 3 CSi(CH3
(OCH3 2 を130ミリリットル、ジビニルジメチ
ルシランを10ミリリットル、トリエチルアルミニウム
を225グラムをそれぞれ導入し、30℃で2時間接触
させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して、
チタン含有固体成分を得た。一部分をとり出して、1,
5−ヘキサジエンの予備重合量を調べたところ、チタン
含有固体成分1グラムあたり、2.97グラムの予備重
合量であった。
【0025】〔プロピレン共重合体の製造〕内容積23
0リットルの流動床式反応槽を2個連結してなるプロセ
スを用いて重合を行なった。まず前段の反応器で、重合
温度75℃、プロピレン分圧20kg/cm2 (Ab
s)の条件を保持するようにプロピレンを連続的に供給
するとともに前記固体触媒成分およびトリエチルアルミ
ニウムを連続的に供給し、ポリマー重合速度が10kg
/時、重合ポリマーのMFRが20g/10分になるよ
うに触媒及び水素を連続的に供給し、供給量にて制御し
た。第1段重合工程で重合したポリマーは、第2段反応
器に連続的に送入され、新たに、エチレンとプロピレン
混合ガスを供給し、エチレン−プロピレン共重合体を重
合した。
【0026】そのとき成分(C)として、エチレンアル
コールを、第1段で供給した成分(A)中のチタン成分
に対するモル比で200、およびトリエチルアルミニウ
ムに対するモル比で2.5になるように供給した。反応
槽内の混合ガスのプロピレンとエチレンの分圧比が5
5:45、ポリマー重合速度が3.3kg/時となるよ
うにエチレン−プロピレン混合ガス供給量にて制御しつ
つ重合パウダーを連続的に抜出し、1週間連続運転を実
施した。第2段重合工程の重合活性は0.26kg−ポ
リマー/圧力・時間であり、運転中粗大ポリマーの生成
もなかった。また運転停止後、反応槽の内部観察を実施
したところ、ポリマーの付着及び粗大ポリマーもなかっ
た。生成ポリマーの分析及び物性評価結果を表−1に示
す。
【0027】比較例1 実施例1で製造した触媒成分を使用して、実施例1と全
く同様の条件で第1段の重合を行なった。また第2段の
重合は、成分(C)としてエチルアルコールを使用せず
に実施したが、反応槽内の混合ガスのプロピレンとエチ
レンの分圧比及びポリマー重合速度は実施例と同様の条
件で1週間連続で運転した。第2段重合工程の重合活性
は0.87kg・ポリマー/圧力・時間であり、粗大ポ
リマーがときどき排出された。また運転停止後反応槽内
部を観察したところ、反応槽壁面に厚さ2cm程度の付
着が認められた。生成ポリマーの分析及び物性評価結果
を表−1に示す。
【0028】実施例2 実施例1で製造した触媒成分を使用して実施例1と全く
同様の条件で第1段重合工程を行った。第2段重合工程
では、成分10としてメチルアルコールを、第1段で供
給した成分(A)を構成するチタン成分に対してモル比
で300、およびトリエチルアルミニウムに対するモル
比で3.0になるように供給し、反応槽内の混合ガスの
プロピレン−エチレンの分圧比を60:40、重合速度
が4.3kg/時となるように制御し10日間連続運転
を実施した。第2段重合工程の重合活性は0.22kg
・ポリマー/圧力・時間であり粗大ポリマーは排出され
なかった。運転停止後、反応槽の内部観察を実施したと
ころ、ポリマー付着もなく粗大ポリマーもなかった。生
成ポリマーの分析及び物性評価結果を表−1に示す。
【0029】比較例2 成分(C)として、メチルアルコールを使用しなかった
以外は、実施例2と全く同様に実験を行った。第2段重
合工程の活性は、0.90kg・ポリマー/圧力・時間
であった。10日間の運転中に粗大ポリマーがかなりの
頻度で排出された。又、運転停止後反応槽の内部観察を
実施したところ、壁面に3〜5cmの付着が見られた。
生成ポリマーの分析及び物性評価結果を表−1に示す。
【0030】実施例3 〔チタン含有固体成分の製造〕実施例1のチタン含有固
体成分の製造において使用した撹拌槽に、Mg(OC 2
5 2 500g、n−ヘプタン5リットルを導入
し、次いでTiCl41.5リットル、ジオクチルフタ
レートを190ml導入した後、100℃に昇温し、3
時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗
浄した。その後上記と同量のTiCl4 及びジオクチル
フタレートを使用して、全く同様の反応を2回(合計3
回)行ない、n−ヘプタンで充分に洗浄しチタン含有固
体成分を得た。 〔プロピレン共重合体の製造〕実施例1のプロピレン共
重合体の製造において、第1段の重合にシクロヘキシル
メチルジメトキシシランをトリエチルアルミニウムに対
してモル比で0.15の割合で使用し、第2段の重合を
成分(C)としてn−ヘキシルアルコールを第1段重合
で供給した成分(A)を構成するチタン成分に対してモ
ル比で350、およびトリエチルアルミニウムに対する
モル比で3.9となる様に供給し、ポリマー重合速度を
1.5kg/時とした以外は、実施例1と同様に、4日
間の連続運転を行った。第2段重合工程の活性は、0.
17kg・ポリマー/圧力・時間であった。運転停止後
の反応槽内部観察を実施したところ、ポリマー付着は見
られなかった。生成ポリマーの分析及び物性評価結果を
表−1に示す。
【0031】比較例3 実施例3で使用したチタン含有固体成分を使用し、成分
(C)として、n−ヘキシルアルコールを使用しなかっ
た以外は実施例3と同様に4日間の連続運転を行った。
第2段重合工程の活性は0.79kg・ポリマー/圧力
・時間であった。運転中粗大ポリマーが時折排出され
た。又運転停止後の反応槽内部観察を実施したところ、
壁面に3cmの厚さでポリマーで付着していた。生成ポ
リマーの分析及び物性評価結果を表−1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明による方法で、高剛性かつ高衝撃
強度でしかもゲル、フィッシュアイが低減した製品外観
にも優れたプロピレンブロック共重合体を、共重合体パ
ウダー粒子の“べたつき”等の問題のない流動性の良い
状態で、安定した製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、チーグラー触媒に関する本発明の技術
内容の理解を助けるためのフローチャート図である。
フロントページの続き (72)発明者 石田 公一郎 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)及び成分(B)からな
    る触媒の存在下、下記の第一段重合及び第二段重合を実
    質的に溶媒が存在しない条件下に行ってプロピレンブロ
    ック共重合体を製造する方法において、第一段重合が終
    了した後で第二段重合の開始前又は第二段重合の途中に
    成分(C)を、下記成分(A)を構成するチタン成分に
    対するモル比で100〜1000、かつ成分(B)に対
    するモル比で2.0〜5.0の範囲内で使用して重合を
    行うことを特徴とする、プロピレンブロック共重合体の
    製造法。 成分(A):チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子
    供与性化合物を必須成分とする固体成分、 成分(B):有機アルミニウム化合物、 成分(C):活性水素含有化合物、 (1)第一段重合 プロピレン単独又はプロピレンとエチレンとの混合物を
    一段又は多段に重合させて、結晶性のプロピレン重合体
    を製造する工程、 (2)第二段重合 プロピレンとエチレンとの混合物を一段又は多段に重合
    させて、ゴム状重合体を製造する工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999046311A1 (fr) * 1998-03-12 1999-09-16 Mitsubishi Chemical Corporation Procede permettant d'estimer la teneur en gel d'un polypropylene sequence
JP2008150465A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Japan Polypropylene Corp プロピレン系ブロック共重合体の気相連続製造方法
WO2013035764A1 (ja) 2011-09-08 2013-03-14 日本ポリプロ株式会社 繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体
WO2014088035A1 (ja) 2012-12-07 2014-06-12 日本ポリプロ株式会社 繊維強化ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体

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