JP2834190B2 - 失活酵素の脱着方法 - Google Patents

失活酵素の脱着方法

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は使用済の固定化酵素から失活した酵素を脱着
する方法に関するものである。
<従来の技術> 一般に、担体に結合させた固定化酵素を長時間使用
し、活性が低下した場合、それを廃棄することなく経済
性を高めるため、失活した酸素のみを担体から着脱し、
担体を再使用する方法が行われている。
本発明者等は先に特願昭63−8523において、酵素活性
が低下した固定化酵素を温アルカリ溶液と接触させて酵
素を脱着する酵素脱着方法を提案した。
しかしながら、その後の研究で、酵素の種類によって
は温アルカリ溶液で酵素を脱着する酵素の脱着方法だけ
では脱着が不充分であることがわかった。
すなわち、使用剤固定化酵素を温アルカリ溶液で失活
酵素を脱着し、酵素を再固定化したものは、一回目より
酵素固定化量が多くなるが、基質溶液を通液すると反応
液中に少量ではあるが酵素が離脱し、しかも固定化酵素
の寿命が非常に短くなる等の問題点があることが明らか
となった。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明は再固定した酵素が反応液中に離脱することな
く、使用酵素の安定値pHおよび温度範囲において長時間
にわたり、高い活性を維持し、かつ一定期間使用後、容
易に失活酵素を脱離することができる失活酵素の脱着方
法を提供することを目的とする。
<問題点を解決するための手段> 前述の目的を実現するためになされた本発明よりなる
失活酵素の脱着方法は、不飽和カルボン酸グリシジルエ
ステルの重合物からなる巨大網状構造を有する母体にイ
オン交換基として第1級アミンを有する塩基性陰イオン
交換樹脂を担体とし、当該担体の第1級アミンにグルタ
ルアルデヒドを架橋剤として介在させて酵素を結合させ
て得た固定化酵素を一定期間使用した後、当該固定化酵
素から失活した酵素を脱着するにあたり、当該固定化酵
素に温アルカリ溶液を接触させた後、塩酸溶液を接触さ
せることを特徴とする生活酵素の脱着方法である。
<作用> 以下に本発明を詳細に説明する。
前述したごとく使用済固定化酵素を温アルカリ溶液で
脱着した場合は、後述する実施例で示すごとく、再固定
化した固定化酵素を用いた場合、通液中に酵素の離脱が
起こり性能低下が著しい。それに対して温アルカリ溶液
に接触させた後、塩酸溶液を接触させて酵素を脱着した
場合は、再固定した固定化酵素を酵素反応に用いた場
合、酵素の離脱がなく、長期間にわたり高い活性を維持
できる。
この原因について検討した結果、温アルカリ溶液だけ
では酵素の種類によって酵素の脱着が不充分であること
が考えられた。
すなわち温アルカリ溶液だけで脱着すると微量の酵素
が残存し、次いで後述する固定化法でグルタルアルデヒ
ド処理すると担体の第1級アミンとともに酵素のアミン
基にもグルタルアルデヒドが結合し、これに酵素を固定
化すると担体とともに残存酵素にも酵素が結合すること
が考えられる。次に基質溶液を通液すると担体に結合し
た酵素は結合が強く離脱しないが、残存酵素に結合した
酵素は結合が弱いため、反応液中に離脱してくるものと
考えられる。これを理由づける一つの根拠として2回目
以降の担体あたりの酵素固定化量は、最初の酵素固定化
量に対して数倍固定化されていた。
また、この現象はすべての酵素において見られるので
なく、酵素の種類によって異なることがわかった。すな
わち、グルコアミラーゼ、タカアミラーゼのような分子
量が数万の酵素では認められず、サイクロデキストリン
グルカノトランスファーゼ(以下CGTaseと略す)のよう
な分子量が約14万と大きい酵素に認められた。このこと
は分子量が大きいと当該酵素と担体との親和力が強くな
り、温アルカリ溶液だけでは完全に脱着し得ないものと
考えられる。
この問題を解決するために鋭意研究を行った結果、使
用済固定化酵素を温アルカリ溶液に接触させた後に、次
いで塩酸溶液を接触させることにより、失活酵素を完全
に脱着できることを見出した。
本発明に用いる担体としては、不飽和カルボン酸グリ
シジルエステルの重合物からなり、イオン交換基として
第1級アミンを有する巨大網状構造を有する塩基性陰イ
オン交換樹脂であって、好ましくはメタアクリル酸グリ
シジルエステルまたはアクリル酸グリシジルエステル、
クロトン酸グリシジルエステル等に、架橋剤としてジメ
タアクリル酸エチレングリコール、ジメタアクリル酸ポ
リエチレングリコール等を重合反応させて得た母体に官
能基としてエタノールアミンまたはプロパノールアミン
またはアンモニアを付加したものがよい。
巨大網状構造を有する母体の物理的構造としては平均
粒子径0.2〜1mmで、細孔径が100〜2,000Å、細孔容積が
0.5〜1.5ml/g程度のものが用いられる。
次に酵素の固定化法について説明すると、まず当該担
体をpH緩衝液を用いて使用酵素の安定pHに緩衝化し、次
いで同緩衝液に溶解した0.5〜10%濃度のグルタルアル
デヒド溶液と4〜40℃にて0.5〜2時間接触させ、その
後緩衝液で過剰のグルタルアルデヒドを洗い流す。この
ようにして調整した担体と酵素溶液とを1時間以上、好
ましくは2〜5時間接触させて酵素を固定化した後、過
剰の酵素を緩衝液で洗い流すことにより得ることができ
る。酵素の使用量は使用する酵素によって異なるが蛋白
質として0.5〜50mg−蛋白質/ml−担体の範囲が適当であ
る。
上述のような担体の第1級アミンにグルタルアルデヒ
ドを架橋剤として介在させて酵素を結合する反応は
(1)式および(2)式のごとく例示される。
担体−NH2+OHC−(CH2−CHO →担体−N=CH−(CH2−CHO・・・・・・(1) 担体−N=CH−(CH2−CHO+酵素 →担体−N=CH−(CH2−CH=N−酵素 ・・・(2) 当該担体とグルタルアルデヒドあるいは酵素溶液との
接触方法としてはバッチ法でもカラムに充填して上向流
あるいは下向流にて通液して実施しても良い。
次に上記のようにして製造した固定化酵素を一定期間
使用して、活性の低下した酵素を脱着する方法について
説明すると、まず反応に使用した固定化酵素を水洗して
その後0.5〜10%濃度、特に好ましくは2〜5%のアル
カリ溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム溶液と40〜70℃にて0.5時間以上、好ま
しくは1〜3時間接触させて酵素をグルタルアルデヒド
とともに脱着し、担体を水洗する。
次に塩酸溶液を0.05〜4%濃度、好ましくは0.1〜0.2
%濃度を常温で1〜3時間接触させて残存酵素を脱着
し、担体を水洗する。
以後は前述した方法で担体の緩衝化、グルタルアルデ
ヒド処理を実施し、酵素溶液と接触させて再固定化し目
的の反応に使用する。このようにして担体を繰り返し使
用することができる。着脱の際のアルカリ溶液および塩
酸溶液との接触方法はバッチ法でも担体をカラムに充填
し通液して実施しても良い。
<効果> 以上説明したごとく一定期間使用した固定化酵素は温
アルカリ溶液と塩酸溶液の使用によって酵素を容易に脱
着できる。したがって、担体は繰り返し使用することが
でき経済的メリットは大きい。
以下に本発明を実施例をもって、さらに詳しく説明す
る。
実施例 不飽和カルボン酸グリシジルエステルの重合物からな
る巨大網状構造を有する母体にイオン交換基として第1
級アミンを有する担体に次の手順によりバチルスステア
ロサーモフィラス菌由来のCGTaseを結合させた。すなわ
ち、まず前記担体50mlをカラムに充填し、4%水酸化ナ
トリウム溶液250mlを50℃にて通液した後、純水にて洗
浄した。次いで0.1M−酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液(pH
6.0)約1,000mlを通液して緩衝化した後、担体をカラム
からビーカーに取り出し、同じ緩衝液に溶解した5%グ
ルタルアルデヒド溶液100mlを加えて撹拌しながら1時
間反応させ、その後グラスフィルターにて固液分離し、
さらに緩衝液にて過剰のグルタルアルデヒドを洗浄し
た。
上述の方法で調整した湿潤樹脂10gをビーカーに取
り、前記緩衝液29.2mlとCGTase(13.5mg−蛋白質/ml)
1.6mlとを加え、撹拌しながら2時間反応させて酵素を
固定化し、その後グラスフィルターにて固液分離し、さ
らに過剰の酵素を緩衝液にて洗浄した。このようにして
得た固定化酵素は湿潤担体1gあたり、0.10mg−蛋白質の
酵素が固定化されていた。
この固定化酵素10gを内径15mm、高さ200mmのジャケッ
ト付きカラムに充填し、4%の分岐デキストリン溶液を
温度50℃、通液流速SV0.2で約2ヶ月連続通液し、グル
コシル−サイクロデキストリン(以下G1−CDと略す)の
生成を行った。
次に、この使用済固定化酵素を5gづつ2等分し、二つ
の方法で酵素の脱着を行った。すなわち、A法(比較
例)は5gをビーカーに取り、4%水酸化ナトリウム溶液
37.5mlを加えて50℃で2時間撹拌し、その後グラスフィ
ルターで固液分離し、さらに水洗して脱着した酵素を洗
い出した。もう一つのB法(本発明方法)はA法と同様
な方法で酵素を脱着した担体5gをカラムに充填し、次い
で0.2%塩酸溶液50mlを通液し、これをビーカーに取り
出し、さらに0.2%塩酸溶液15mlを加えて、1時間撹拌
し、その後グラスフィルターで固液分離した後、水洗を
行った。
このようにA法、B法で脱着した担体を前述の方法で
酵素を再固定化した。このようにして得た固定化酵素は
湿潤担体1gあたり法は0.59mg蛋白質、B法は0.10mg−蛋
白質の酵素が固定化されていた。
これらの固定化酵素各々5gを前述のカラムに充填し、
4%の分岐デキストリン溶液を温度50℃で、下記の通液
流速で通液した。
すなわちA法の固定化酵素は前述の理由により酵素固
定化量が多いため、G1−CDの過分解を防ぐためSV1.6で
通液し、一方B法の固定化酵素はSV0.18で通液した。こ
のような流速にて連続通液し、G1−CDの生成率の経日変
化を測定した。
本発明の酵素脱着法にて失活酵素を脱着した後、再固
定化した固定化酵素と比較例の従来の酵素脱着法にて失
活酵素を脱着した後、再固定化した固定化酵素を用いた
結果を第1図に示した。
第1図に見られるごとく比較例(A法)によるもの
は、数日経過する頃からG1−CD生成率が急激に低下した
のに対し、本発明の方法(B法)によるものは1ヶ月以
上にわたり、G1−CDの生成率は約10%を保持し、極めて
優れた性能を示した。
なお本発明方法(B法)によるものは反応液中への酵
素の離脱は認められないが、比較例(A法)によるもの
は明らかに酵素の離脱が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例における本発明の脱着方法(B法)と比
較例の脱着方法(A法)にて失活酵素を脱着し、次いで
酵素を再固定した固定化酵素について分岐デキストリン
溶液を用いたG1−CDの生成率を示すグラフであり、縦軸
にG1−CD生成率、横軸に通液日数を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−247650(JP,A) 特開 平1−187086(JP,A) 特開 平3−219873(JP,A) 特開 昭51−70781(JP,A) 特開 昭60−30683(JP,A) 特開 昭61−15690(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 11/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸グリシジルエステルの重
    合物からなる巨大網状構造を有する母体にイオン交換基
    として第1級アミンを有する塩基性陰イオン交換樹脂を
    担体とし、当該担体の第1級アミンにグルタルアルデヒ
    ドを架橋剤として介在させて酵素を結合させて得た固定
    化酵素を一定時間使用した後、当該固定化酵素から失活
    した酵素を脱着するにあたり、当該固定化酵素に温アル
    カリ溶液を接触させた後、塩酸溶液を接触させることを
    特徴とする失活酵素の脱着方法。
  2. 【請求項2】担体が、メタアクリル酸グリシジルエステ
    ルまたはアクリル酸グリシジルエステルあるいはクロト
    ン酸グリシジルエステルと、架橋剤であるジメタアクリ
    ル酸エチレングリコールあるいはジメタアクリル酸ポリ
    エチレングリコールの共重合物からなる巨大網状構造を
    有する母体にイオン交換基としてエタノールアミンまた
    はプロパノールアミンまたはアンモニアを付加した塩基
    性陰イオン交換樹脂である請求項1に記載の失活酵素の
    脱着方法。
  3. 【請求項3】通アルカリ溶液が、温度40ないし70℃で、
    濃度0.5ないし10重量%の水酸化ナトリウム溶液または
    水酸化カリウム溶液または炭酸ナトリウム溶液であり、
    塩酸溶液が濃度0.05ないし4重量%の塩酸溶液である請
    求項1または請求項2に記載の失活酵素の脱着方法。
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