JP2778975B2 - マルトシル―サイクロデキストリンの製造方法 - Google Patents

マルトシル―サイクロデキストリンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はマルトシル−サイクロデキストリン(以下G2
−CDと略称する)を効率よく製造する方法に関するもの
である。
<従来の技術> マルトシル−サイクロデキストリン(G2−CD)は、グ
ルコース残基が6ないし12個環状に結合してなるサイク
ロデキストリン(CD)に、マルトースがα−1,6結合に
より結合した分岐サイクロデキストリンであり、中でも
グルコース残基数が6個のα−CDにマルトースが分岐し
た構造のG2−α−CD、グルコース残基数7個のβ−CDに
マルトースが分岐した構造のG2−β−CD、およびグルコ
ース残基数8個のγ−CDにマルトースが分岐した構造の
G2−γ−CDがよく知られている。
これらのG2−CDはCDよりはるかに高い溶解度を有する
包接化合物として、食品、医薬品、化粧品等の分野にお
いて幅広い用途が期待されている。
従来知られているG2−CDの製法は以下の通りである。
すなわち、マルトースとCDの混合溶液に、バチルス
(Bacillus)属等の細菌が産生するプルラナーゼを溶液
として添加し、バッチ方式で約20〜200時間反応させ
る。当該反応により、マルトースをCDにα−1,6結合に
よって結合させることが出来、生成物としてG2−CDが得
られる。また、この際上記反応中、一部のG2−CDに更に
マルトースが導入され、ジマルトシルCDが生成すること
も知られている。
なお、上述した従来技術の例としては、原料CDとして
α−CDを用い、G2−α−CDを製造する方法(特開昭61−
70996号公報)、β−CDを用いてG2−β−CDを製造する
方法(特開昭61−197602号公報)、γ−CDを用いてG2
γ−CDを製造する方法(特開昭61−236802号公報)等を
挙げることが出来る。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、このような方法でG2−CDを製造する場
合、反応時間が長時間かかること、また酵素反応がバッ
チ式であるためにプルラナーゼを再使用することが出来
ず使い捨てとなり、従って酵素費用が高くつく等の問題
点がある。
本発明はこのような問題点をプルラナーゼを固定化す
ることによって解決しようとするものであり、プルラナ
ーゼを使い捨てとするような不経済さを失くし、しかも
G2−CDを連続的に、かつ効率的に得ることのできるG2
CDの製造方法を提供することを目的とするものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは、G2−CDの連続製造と酵素の有効利用を
可能とすべく、プルラナーゼの固定化について鋭意研究
を重ねた結果、プルナラーゼがある種のイオン交換樹脂
または合成吸着樹脂に極めて効果的に吸着固定化され、
しかも得られる固定化酵素が高い酵素活性を長時間持続
することを見出した。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、
フェノール系イオン交換樹脂またはフェノール系吸着樹
脂にプルラナーゼを吸着させてなる固定化酵素に、マル
トースとサイクロデキストリンの混合溶液を接触させる
ことを特徴とするG2−CDの製造方法である。
<作用> 以下に本発明を詳細に説明する。
本発明者等は既存の各種イオン交換樹脂あるいは合成
吸着樹脂を用いてプルラナーゼの吸着固定化を試みた。
その結果、プルラナーゼは、樹脂母体がフェノール系樹
脂であるイオン交換樹脂または吸着樹脂に極めて効率よ
く吸着固定されることが判明した。
第1図は、イオン交換樹脂の母体がそれぞれフェノー
ル系樹脂、スチレン系樹脂、およびアクリル系樹脂であ
る各アニオン交換樹脂に、同一の条件下でプルラナーゼ
を吸着させ、得られた各固定化酵素を用いて同一の条件
で、かつバッチ法によってCDとマルトースとを反応させ
た際の、反応時間と、原料CDのG2−CDへの転換率(モル
比率)との関係を示したものであり、第1図−(イ)は
フェノール系アニオン交換樹脂の場合、第1図(ロ)は
スチレン系アニオン交換樹脂の場合、第1図−(ハ)は
アクリル系アニオン交換樹脂の場合である。
第1図から明らかなように、フェノール系アニオン交
換樹脂デュオライト(登録商標、以下同じ)A−568を
担体とした固定化酵素は、スチレン系アニオン交換樹脂
であるアンバーライト(登録商標、以下同じ)IRA−904
(強塩基性アニオン交換樹脂)、IRA−93(弱塩基性ア
ニオン交換樹脂)およびアクリル系アニオン交換樹脂で
あるアンバーライトIRA−958(強塩基性)IRA−35(弱
塩基性)に比べて著しく高い活性を有している。
本発明に用いるフェノール系イオン交換樹脂として
は、フェノール類の縮合物を樹脂母体とするものであれ
ばアニオン交換樹脂でもカチオン交換樹脂でもよく、ア
ニオン交換樹脂としてはたとえばデュオライトA−2、
A−4、A−7、ES−562、A−568等、カチオン交換樹
脂としてはデュオライトC−3、C−10等、あるいはこ
れらと同等のものを用いることが出来る。
また、本発明においては上記イオン交換樹脂に替え
て、イオン交換能を有しないフェノール系吸着樹脂を用
いることも出来、当該吸着樹脂としてはたとえばデュオ
ライトES−761、ES−762等、あるいはこれと同等のもの
を使用することが出来る。
なお、フェノール系イオン交換樹脂には母体構造によ
っていわゆるゲルタイプのものと、マクロポーラス型も
しくは巨大網目状構造型(MR型)のものとがあるが、後
者の方が細孔径が大きいので酵素が吸着され易く、ま
た、G2−CD生成反応時に基質および生成物の拡散が容易
であって有利である。これらイオン交換樹脂あるいは吸
着樹脂の粒子径としては、通常湿潤状態において0.02mm
〜0.6mmのものを用いるが、好ましくは粒子径0.05〜0.3
mmのものがよい。すなわち、粒子径があまり小さいと固
定化酵素をカラムに充填し、これにマルトースとCDとの
混合溶液を通液した場合に圧力損失の増大をきたす。一
方、粒子径があまり大きいと、表面積が小となって、吸
着させようとする酵素の量が小となり、また、G2−CD生
成反応時における基質と酵素の接触効率が劣り、不利で
ある。
更に、上記担体に吸着させるプルラナーゼは、たとえ
ばBucillus属、Klebsiella属、Aerobactor属、Streptom
yces属等の細菌から産生され、当該プルラナーゼはその
起源によって至適温度、至適pH、等電点等の性質が多少
異なる。本発明においては起源を問わずすべてのプルラ
ナーゼを用いることが出来るが、好ましくはなるべく耐
熱性に優れたものを用いるのがよい。というのは、当該
酵素を用いてマルトースをCDに分岐として結合させる反
応は、原料基質の濃度、すなわちマルトースとCDとの混
合溶液の濃度が高いほど効果的である。ところが基質濃
度を高めることによって液の粘性が高くなり、流動性が
失われたり、場合によっては基質が析出したりする。そ
こで、濃度を高めてなおかつ反応に必要な程度の流動性
を確保するためには、前記混合液の温度をたとえば60〜
70℃に加熱しなければならない。よって、使用するプル
ラナーゼとしては当該温度域で高い活性と安定性を使用
するものが好ましく、このようなプルラナーゼの例とし
てはBucillus acidpulluliticus菌産生のプルラナーゼ
が挙げられる。
次に、フェノール系イオン交換樹脂またはフェノール
系吸着樹脂にプルラナーゼを吸着させる方法を説明す
る。
まず、担体としてアニオン交換樹脂を用いる場合は、
当該担体をアルカリ溶液で再生して交換基を遊離塩基形
にした後、吸着させようとするプルラナーゼの等電点と
同等かあるいはこれよりやや高いpHの緩衝溶液と接触さ
せて樹脂のイオン組成を当該緩衝溶液のイオン組成とほ
ぼ平衡な状態とする。
また、担体としてカチオン交換樹脂を用いる場合は、
当該担体を酸溶液で再生して遊離酸形にした後、吸着さ
せようとするプルラナーゼの等電点と同等かあるいはこ
れよりやや低いpHの緩衝溶液と接触させて平衡化させ
る。
以上がイオン交換樹脂を担体として用いる場合の前処
理であるが、担体としてイオン交換能を有しない吸着樹
脂を用いる場合は、前処理として当該担体を脱塩水で十
分に洗浄し、その後吸着させようとするプルラナーゼの
至適pH不換の緩衝溶液と接触させるか、あるいは単に脱
塩水で洗浄するだけでもよい。
なお、プルラナーゼの等電点あるいはG2−CD生成反応
における至適pHは、前述の如くその起源によって若干異
なるため、それぞれのプルラナーゼに適したpHの緩衝溶
液を選択する必要があるが、たとえばpH4〜8の範囲に
おいては酢酸−酢酸ナトリウム溶液、リン酸−リン酸ナ
トリウム溶液等がよく使用される。
使用する担体に上述のような前処理を施した後、当該
担体にプルラナーゼを接触させ吸着させる。接触に際し
ては、蛋白質として0.4〜20mg/ml程度の濃度の酵素溶液
を、乾燥樹脂1gあたりの酵素添加量が蛋白質として20〜
200mg/g−樹脂となるような条件で、好ましくは50〜150
mg/g−樹脂となるような条件で、担体樹脂に接触させる
とよい。また、触媒法としては容器に担体と酵素溶液を
入れ、バッチ法で撹拌しながら吸着させるか、あるいは
担体をカラムに充填し、酵素溶液を下降流または上昇流
で通液して吸着させる。この場合、流出液を再循環して
吸着させてもよい。接触時間としては0.5〜4時間で吸
着させるが、好ましくは1時間程度がよい。
以上のようにして作製した固定化酵素に、マルトース
とCDの混合溶液を接触させてG2−CDを製造するが、この
時の接触方法はいかなるものでもよく、通常は当該固定
化酵素をカラムに充填してマルトースとCDとの混合溶液
を通液することにより、G2−CDを連続的に製造するとよ
い。また、当該固定化酵素を前記混合溶液中に投入して
撹拌しながらバッチ法で反応させてもよく、その場合は
反応後固定化酵素を簡単に分離、回収することが出来る
とともに当該酵素を使い捨てにすることなく繰り返し使
用することが出来る。
また、上記触媒に際しては、マルトースとCDの混合溶
液の濃度、すなわち基質濃度を前述のごとく高濃度とす
ることが重要であり、具体的にはマルトースとCDを所定
の比率で含む総糖濃度60〜85%(重量%、以下同じ)、
好ましくは70〜80%の混合溶液を用いるとよい。
更に、この時の反応温度は50〜80℃、好ましくは60〜
70℃とするとよく、接触時間は前記カラム通液において
は通液流速がSV0.1〜0.5、好ましくはSV0.3〜0.4となる
ような接触時間とするとよく、バッチ法においては2〜
20時間、好ましくは4〜10時間とするとよい。
以下に、本発明を実施例によって更に詳しく説明す
る。なお、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。
<実施例−1> 湿潤状態のマクロポーラス型フェノール系弱塩基性ア
ニオン交換樹脂デュオライトA−568の粒径約0.2〜0.3m
mのものを、脱塩水でスラリーとした後カラムに乾燥樹
脂換算で4g充填する。なお、上記「湿潤状態」とは水分
含有率50〜60%程度の水を吸着した一般に市販されてい
る樹脂の状態を指し、以下の実施例においても同様であ
る。
次に、1N−水酸化ナトリウム溶液50mlを通薬液、水洗
して遊離塩基形とする。更に、0.03Mリン酸−リン酸ナ
トリウム緩衝溶液(pH6.0)1を通薬し、樹脂の平衡
化を行う。この樹脂をカラムから取り出して100mlのビ
ーカーに入れ、これにBacilluse acidpulluliticusの産
生するプルラナーゼ酵素液(ノボ・インダストリー社
製)を前述の緩衝溶液で希釈して蛋白質として2.5mg/ml
の酵素濃度とした溶液80mlを加え、スターラーで撹拌し
ながら1時間反応させ、プルラナーゼを吸着させる。得
られた固定化酵素を再びカラムに充填し、400mlの前述
の緩衝溶液を通薬して未吸着のプルラナーゼおよび不純
物を洗い流す。その後、当該カラムに、マルトースとα
−CDとを重量比で5:1の割合で含む総糖濃度70%(重量
%、以下同じ)の混合溶液(マルトースとα−CDを前述
の緩衝溶液中に加熱しながら溶液して調整)を、温度65
℃、流速SV0.3で通液した。得られた処理液のG2−α−C
D生成量を測定して原料α−CDのG2−α−CDへの転換率
を求めたところ、42.2%であった。更に、同一条件で連
通通液を行い、20日経過後の転換率を求めたところ36.5
%であり、20日経過後においても通液初期の約86%とい
う高い酵素活性を維持していた。
なお、上記転換率とは原料糖液中のα−CDがG2−α−
CDに転換されたモル比率である。
<実施例−2> 実施例−1で用いたと同じノボ・インダストリー社製
の酵素液を、限外濾過膜を用いて処理し、当該原酵素液
中に含まれている微量の不純物(例えばプルラナーゼ以
外の低分子量の蛋白質、ペプチド等)を除去する操作を
行った。すなわち、前記原酵素液を分画分子量を50,000
の限外濾過膜(東ソー(株)製、UF−50PS)を装着した
平膜回分式装置内に入れ、これに0.03Mリン酸−リン酸
ナトリウム緩衝溶液(pH6.0)を約100倍量程度加えて希
釈する。次いで、当該平膜回分式装置内の希釈酵素液を
加圧下に濾過して、不純物を含む透過液を前記回分式装
置外に流出させる。当該濾過を、前記回分式装置内の酵
素液の容量がはじめに投入した原酵素液の容量と同じに
なるまで行い、同容量となった時点で前記回分式装置内
に前述した緩衝溶液を新たに加えて再び希釈し、上述の
ような濾過処理を再び行う。このような操作を10回繰り
返して、前記装置内に不純物の量を低減した精製酵素液
を得た。
得られた精製酵素液を用いて、実施例−1と同じ方法
で固定化酵素(担体も実施例−1と同じデュオライトA
−568)を作製した。当該固定化酵素をカラムに充填
し、前述の緩衝溶液400mlを通液した後、マルトースと
β−CDとを重量比で30:7の割合で含む、総糖濃度80%の
混合溶液を温度65℃、流速SV0.35で通液した。得られた
処理液のG2−β−CD生成量を測定して原料β−CDのG2
β−CDへの転換率(モル比率)を求めたところ、52.0%
であった。更に、同一条件で連続通液を行い、30日経過
後の転換率を求めたところ42.1%であり、通液初期の約
81%という高い活性を維持していた。
<実施例−3> 実施例−1で用いたと同じ湿潤状態のフェノール系ア
ニオン交換樹脂デュオライトA−568を乾燥樹脂換算で1
g秤量し、これに実施例−1と同じ方法でプルラナーゼ
を吸着させ、固定化酵素を作製した。当該固定化酵素を
容器に入れ、これに5gのマルトースと1gのα−CDを0.03
Mリン酸−リン酸ナトリウム緩衝溶液(pH6.0)に溶解さ
せて総糖濃度を70%とした混合溶液を加え、温度65℃の
条件で振盪しながらバッチ法で反応させた。容器内の反
応液を一定時間毎に分取してG2−α−CDへの転換率を測
定し、反応時間と転換率との関係を求めた。その結果を
第1図−(イ)に示す。
比較のため、スチレン系アニオン交換樹脂(強塩基性
アニオン交換樹脂アンバーライトIRA−904と弱塩基性ア
ニオン交換樹脂アンバーライトIRA−93の二種類、いず
れもMR型樹脂)およびアクリル系アニオン交換樹脂(ア
ンバーライトIRA−958(強塩基性)とアンバーライトIR
A−35(弱塩基性)の二種類、いずれもMR型)に、上記
フェノール系アニオン交換樹脂の場合と全く同様にして
プルラナーゼを吸着、固定化し、得られた四種類の固定
化酵素を用いて上述の場合と同様なバッチ反応を行い、
反応時間と転換率との関係を調べた。スチレン系アニオ
ン交換樹脂の場合の結果を第1図−(ロ)に、アクリル
系アニオン交換樹脂の場合の結果を第1図−(ハ)にそ
れぞれ示す。
第1図に見られる如く、フェノール系アニオン交換樹
脂であるデュオライトA−568を担体とする本発明例の
固定化酵素は、他のスチレン系あるいはアクリル系アニ
オン交換樹脂を担体とする比較例の各固定化酵素に比べ
て格段に優れた活性を有していることが明らかである。
<実施例−4> 湿潤状態のマクロポーラス型フェノール系強酸性カチ
オン交換樹脂デュオライトC−3を、乾燥樹脂換算で1g
秤量し、これを1N−硫酸溶液を用いて再生して遊離酸形
とし、次に0.03M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝溶液(pH4.
5)250mlを用いて樹脂の平衡化を行う。
平衡化後の樹脂を容器に入れ、これに、実施例−1で
用いたと同じプルラナーゼ酵素液を上述の緩衝溶液(pH
4.5)で希釈して蛋白質として2.5mg/mlの酵素濃度とし
た溶液20mlを加え、スターラーで撹拌しながら1時間反
応させ、プルラナーゼを吸着させる。
このようにして作製した固定化酵素を用いて、マルト
ースとα−CDの溶解に上述の緩衝溶液を使用する以外は
実施例−3と同じ条件でバッチ反応を行い、40時間経過
後の転換率を測定したところ、28%であった。
比較のため、スチレン系強酸性カチオン交換樹脂アン
バーライト200Cおよびアクリル系弱酸性カチオン交換樹
脂アンバーライトIRC−72(いずれもMR型)を担体とし
て、上述の場合と全く同様な実験を行ったところ、40時
間経過後の転換率はスチレン系カチオン交換樹脂の場合
16%、アクリル系カチオン交換樹脂の場合7.5%であ
り、いずれも上記フェノール系カチオン交換樹脂の場合
に比べて著しく低かった。
<実施例−5> 湿潤状態のマクロポーラス型フェノール系吸着樹脂デ
ュオライトS−762を乾燥樹脂換算で1g秤量し、これを
純水で洗浄した後、0.03M酢酸−酢酸ナトリウム緩衝溶
液(pH5.0)250mlを用いて樹脂の平衡化を行う。
平衡化後の樹脂に、プルラナーゼ酵素液の希釈に上記
pH5.0の緩衝溶液を使用する以外は実施例−1と同じ方
法でプルラナーゼを吸着させ、固定化酵素を得た。当該
固定化酵素を用いて、マルトースとα−CDの溶解に上述
の緩衝溶液を使用する以外は実施例−3と同じ条件でバ
ッチ反応を行い、20時間経過後の転換率を測定したとこ
ろ、20.0%であった。
比較のため、スチレン系吸着樹脂アンバーライトXAD
−2およびアクリル系吸着樹脂XAD−7(いずれもMR
型)について同様な実験を行ったところ、20時間経過後
の転換率はスチレン系吸着樹脂の場合7.1%、アクリル
系吸着樹脂の場合2.0%であり、いずれも上記フェノー
ル系吸着樹脂の場合に比べて著しく低かった。
<効果> 以上説明した如く、フェノール系イオン交換樹脂また
はフェノール系吸着樹脂は、プルラナーゼの固定化担体
として極めて適しており、当該担体を用いた固定化酵素
は非常に高い活性を有するので、当該固定化酵素をカラ
ムに充填してマルトースとCDとの混合溶液を通液するこ
とにより、簡単な操作でG2−CDを連続的に製造すること
が出来、しかも上記固定化酵素は長期間にわたり極めて
安定した性能を保持することが可能である。
従って、本発明方法によれば高価な酵素を1回だけの
使い捨てにするという無駄をなくすことが出来て極めて
経済的であるとともに、G2−CDを従来より効率よく製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例−3における各固定化酵素毎のG2−α
−CD生成反応(バッチ)時の反応時間と転換率との関係
を示すグラフであり、(イ)は本発明例の場合、(ロ)
および(ハ)は比較例の場合を示しており、いずれも横
軸に反応時間、縦軸に転換率を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール系イオン交換樹脂またはフェノ
    ール系吸着樹脂にプルラナーゼを吸着させてなる固定化
    酵素に、マルトースとサイクロデキストリンの混合溶液
    を接触させることを特徴とするマルトシル−サイクロデ
    キストリンの製造方法。
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