JP2833750B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその現像処理方法

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JP2833750B2
JP2833750B2 JP62304168A JP30416887A JP2833750B2 JP 2833750 B2 JP2833750 B2 JP 2833750B2 JP 62304168 A JP62304168 A JP 62304168A JP 30416887 A JP30416887 A JP 30416887A JP 2833750 B2 JP2833750 B2 JP 2833750B2
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    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀感光材料およびその現像処理方
法に関し、さらに詳しくは、簡易迅速処理に適した撮影
用カラー感光材料および現像処理量の大小を問わずに迅
速処理が可能な現像処理方法に関する。 (従来の技術) ハロゲン化銀カラー感光材料が開発されて以来、より
高い感度とより優れた画質または迅速・簡易なカラー現
像処理への改良が行われて来た。撮影材料の一種として
インスタント写真があり、高感度と迅速簡易現像処理に
関し1つの分野を形成している。しかし、フオーマツト
が固定されていて、同時多数枚プリントも難しく、画質
や価格などについてなお改良の余地がある。 普通型カラー印画紙は、優れた画質を2浴または3浴
の現像処理により与えるのに3分40秒、またカラー反転
印画紙でもミニラボ処理で約10分の現像処理に到達し
た。しかしこれらの印画紙は撮影用には極めて低感度で
使用できない。カラーネガ感光材料はコダツク社のC−
41処理により、非常に迅速化したが、なお17分20秒を要
し、漂白と定着の各機能を統合して漂白定着工程として
も38℃で12分を要す。10分程度で無理にバツチ方式の現
像処理を行つても連続処理とすることはできない。ミニ
ラボにより迅速脱銀工程を採用しても連続処理で38℃で
11分30秒を要する。他方、カラーネガ/ポジシステム
は、優れた画質のプリントが所望の枚数、充分に割安な
コストで得られる市場ではカラーネガ/ポジシステムに
従つてどこでも、いつでもプリントがえられるような迅
速、簡易連続カラー現像処理が望まれている。このため
とくにカラーネガ感光材料の色再現性、イメージシヤー
プネス、粒状などの優れた画質と高い感度を活し、かつ
迅速簡易なカラー現像処理方法の開発が必要である。現
在、高い画質をうるために市販されているカラーネガ感
光材料のすべてにDIRカプラー(発色現像主薬の酸化体
と反応し、現像抑制剤を放出するカプラー)が用いられ
ている。DIRカプラーはカラー現像を遅らせることも知
られている。また、高い感度を与え、カブリを抑制し、
また現像進行を制御するために沃化銀を4モル%以上含
有する感光性ハロゲン化銀乳剤を用るのが一般的であ
る。 (本発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、第1に優れた色再現性や、イメージ
・シヤープネスを保ちつゝ従来到達しえなかつた程度に
迅速簡易カラー現像処理を可能ならしめるカラー写真感
光材料およびその現像処理方法を提供するにある。第2
に撮影材料として高い感度を保ちつつ、階調の現像時間
依存性の少ないカラー写真感光材料およびその現像処理
方法を提供することである。その他の目的は明細書から
明らかとなろう。 本発明の上記諸目的は、透明支持体上に青感性、緑感
性および赤感性感光層を有し、i)これらの感光層はい
ずれも色素形成カプラーを含有するネガ型ハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも1層からなり、かつ、ii)これらの
感光層中のハロゲン化銀乳剤層又は層群中の感光性ハロ
ゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率がいずれも2モル%以
下であり、iii)下記一般式[I]または一般式[II]
によって表わされる化合物の中から選ばれた少なくとも
1つの化合物を含有し、 一般式[I] A−(L1−S−Z1−[(L2−Y] 一般式[II] A−(L1−Z2−[(L2−Y] (式中、Aは芳香族第1級アミンの酸化体と反応して−
(L1−S−Z1−[(L2−Y]または−(L1
−Z2−[(L2−Y]を離脱する残基、L1はタイ
ミング基、L2は連結基、Yは水素原子、カチオン、アル
キル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基を表わ
す。Z1はヘテロ環基、アリーレン基、アルキレン基、Z2
はヘテロ環基を表わす。aとcは0または1、bは1ま
たは2を表わす。但し−[(L2−Y]には親水性
基、水溶性基またはそれらのプレカーサー残基を含有す
る。bが2のとき−[(L2−Y]残基は同じでも異
なってもよい。)、iv)下記一般式[XV]によって表わ
される残基を含有する増感色素を含有する、 一般式[XV] −(L2−Y (式中、L2、Yおよびcは一般式[I]または一般式
[II]のそれと同義である。)、ことを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料で達成された。 また、本発明では銀の塗布量が多い高感度の撮影材料
に特に有効であり、これをISO感度で下限25また上限640
0とした。ISO25以下は本発明の効果が特に顕著でなくま
た通常の撮影目的には低すぎる。ISO6400以上の感材に
対しても本発明は適用できるが、自然放射線の影響を考
えると取り扱いが複雑となり実用的でないために上限と
したがISO6400以上でも実施は可能である。 DIR化合物とはDIRカプラーおよび/またはヒドロキノ
ン類を意味する。 現像処理時間の規定は、発色現像、脱銀および水洗も
しくは安定化までを対象とし乾燥時間は含まない。 実質的に脱銀阻害を起さないのは定義は後述する。 本発明のさらに他の目的は、ハロゲン化銀カラー写真
感光材料を露光し、発色現像した後脱銀しさらに水洗も
しくは安定化処理する現像処理において、(1)このハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料が、透明支持体上に青
感性、緑感性および赤感性感光層を有し、これらの感
光層はいずれも色素形成カプラーを含有するネガ型ハロ
ゲン化銀乳剤層の少なくとも1層からなり、これらの
感光層中のハロゲン化銀乳剤層又は層群中の感光性ハロ
ゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率がいずれも2モル%以
下であり、下記一般式[I]または一般式[II]によ
つて表わされる化合物の中から選ばれた少なくとも1つ
の化合物を含有し、 一般式[I] A−(L1−S−Z1−[(L2−Y] 一般式[II] A−(L1−Z2−[(L2−Y] (式中、Aは芳香族第1級アミンの酸化体と反応して−
(L1−S−Z1−[(L2−Y]または−(L1
−Z2−[(L2−Y]を離脱する残基、L1はタイ
ミング基、L2は連結基、Yは水素原子、カチオン、アル
キル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基を表わ
す。Z1はヘテロ環基、アリーレン基、アルキレン基、Z2
はヘテロ基を表わす。aとcは0または1、bは1また
は2を表わす。但し−[(L2−Y]には親水性
基、水溶性基またはそれらのプレカーサー残基を含有す
る。bが2のとき−[(L2−Y]残基は同じでも異
なってもよい。)、下記一般式[XV]によって表わさ
れる残基を含有する増感色素を含有する構成とされるカ
ラー写真感光材料であり、 一般式[XV] −(L2−Y (式中、L2、Yおよびcは一般式[I]または一般式
[II]のそれと同義である。(2)現像処理時間が1〜
9分である、ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真
感光材料の現像処理方法によって達成された。 本発明は発色現像法に従つたハロゲン化銀感光材料と
その現像処理方法を提供する。発色現像法とは、パラフ
エニレンジアミン系の発色現像主薬の酸化体といわゆる
写真カプラーとのカツプリング反応により画像色素を形
成する現在最も広く使用されているカラー写真方法であ
る。原理はT.H.James著The Theory of the Photographi
c Process(第3版)マクミラン社、1966年発行の第17
章、383−394頁に記載されている。本発明は色素現像薬
方式または拡散性色素放出化合物方式に従うカラー感光
材料には関係しない。これら方式では現像銀とカラー画
像とを物理的に分離するために脱銀工程は不要であり、
この工程の短縮を企図する本発明とは無関係である。 本発明はネガ型の撮影用カラー感光材料を提供するこ
とが大きな目的である。カラー感光材料は通常可視域の
異つた2つ以上のスペクトル領域に感光するハロゲン化
銀乳剤層を設ける。青感性、緑感性および赤感性の3つ
の感色性を有するハロゲン化銀感光材料は本発明の代表
的な感色性の組合せを示すものである。フオールス・カ
ラーシステムは勿論のこと、被写体の撮影からプリント
まで画像処理を行なうなシステムでは、自然の色を再現
するために、異つた感色性の組合せ、例えば、緑感性、
赤感性、近赤感光性の3つの乳剤層の組合せなどに適宜
変更可能である。 また減色法のカラー写真で広く実用されている通り、
青感性、緑感性および赤感性の各乳剤層にそれぞれ、イ
エロー発色、マゼンダ発色およびシアン発色のカプラー
を含有せしめるのは本発明の好ましい態様である。 カラーカプラーはリサーチ・デイスクロージヤー、18
716などに記載される特許に開示されており、当業者に
周知である。 本発明では撮影時に露光が適正値からはずれてもその
階調を再現できるように広いラチチユードを持たせるこ
とが望ましい。更に感度と粒状性を改良するために実質
的に同一の感色性を有し異つた感度の乳剤層を複数設け
ることが好ましい。青、緑、赤の各感色性の乳剤層を高
および低感度さらに好ましくは特に、緑感性と赤感性を
高、中および低感度の3層にする。 本発明では青感性、緑感性および赤感性のうち1つの
感光性ハロゲン化銀乳剤層の平均沃化銀含量を約2モル
%以下、好ましくは1モル%以下に低減することによつ
てその感色性のハロゲン化銀乳剤層の発色現像を促進さ
せることができ、他の層への沃度イオンによる抑制効果
をも減少させることにより、全層のハロゲン化銀乳剤の
現像進行を早めることができた。3つの感色性の感光性
ハロゲン化銀の沃化銀含量を平均2モル%以下、好まし
くは1モル%以下にすると、特にこの現像促進効果が大
きくその上適当な重層効果(interlayer effects)を得
ることができる。さらに加えて、生成した現像銀の脱銀
が容易になることも大きな発見であり、これらの発見に
基づいて本発明に到達したものである。 以下本発明において脱銀工程とは発色現像により生じ
た不要の現像銀を除去するための工程を意味する。この
工程は通常漂白と定着の2工程としてもよく、また漂白
定着の一浴としてもよい。また漂白後の漂白定着の2浴
や定着後の漂白定着、または2浴から成る漂白定着など
と適宜変更して実施できる。以下代表例として、漂白定
着を挙げて説明するがこれに限られるものではない。 なお、1分ないし9分の現像処理時間には乾燥時間を
含めないで規定している。 本発明の大きな特徴は、用いるハロゲン化銀乳剤とく
にハロゲン化銀粒子のハロゲン組成にある。すなわち沃
化銀の含有量を実質的に還元銀の漂白、定着の阻害作用
がない程に減量された、または全く用ないハロゲン化銀
乳剤を用いることである。使用できる限界量は用いる現
像抑抑制剤の種類、カブリ防止剤、安定剤の種類とその
使用量に依存するが、約2モル%好しくは約1モル%以
下さらに好ましくは0.5モル%以下、出来うれば実質上
含有しないことである。低沃化銀含量の乳剤で高い感度
を得るため改良したハロゲン化銀粒子形成法と前記と同
様なイメージ・シヤープネス、粒状性を改良のための各
技術を併用してもよい。 現在、撮影用カラーネガ感光材料や、カラー反転感光
材料で沃化銀を約2モル%以下好しくは1モル%以下ま
たは実質的に使用しないハロゲン化銀乳剤を用いている
材料は見当らない。一般に高感度のネガタイプのハロゲ
ン化銀乳剤は沃臭化銀乳剤を用い、低感度の印画紙用の
ハロゲン化銀乳剤は塩臭化銀または塩化銀乳剤を用いる
のが通念である。例えば、菊地真一著写真化学 共立出
版(昭和49年)の第1章17〜19頁の記載、Pierre Glafk
ides著Photographic Chemistry第1巻Fountain Press社
出版(1958年)第19〜20章、327〜368頁の記載、とくに
日本写真学会編 写真工学の基礎、銀塩写真編 コロナ
社出版(昭和60年)第4版第3章、1,2節103〜104頁の
記載などから明らかである。 本発明による高感度のハロゲン化銀乳剤は約2モル%
以下好しくは1モル%以下の沃化銀を含む沃臭化銀乳
剤、沃塩臭化銀乳剤で好しくは臭化銀乳剤、塩臭化銀乳
剤などである。高い感度をうるために粒子形成過程で結
晶格子に欠陥を多く与えた、例えば双晶面を多くもつ粒
子、粒子形成過程でpAgの変化、ハロゲン組成の変化を
与えてえた多重構造粒子、粒子形成過程で他のハロゲン
化銀への吸着物質を加えて結晶生長の方向を変えた粒
子、または結晶形成の過程で異種金属イオン錯体または
塩例えば塩化鉛、塩化イリジウム錯体、塩化金錯体、必
要により塩化パラジウム錯体、塩化ロジウム錯体などを
添加されたハロゲン化銀粒子、結晶形成過程とくに後期
でハロゲン化銀溶剤となる化合物例えばチオシアン酸
塩、チオエーテル化合物、ハイポなど加えて表面をエツ
チングし、不規則な生長を与えた粒子、エピタキシヤル
接合により異なる結晶を接合させた粒子、低沃化銀結晶
基板に高ヨー化銀感度の結晶を接合させた粒子、表面に
凹凸をつけて表面積を増大させた粒子、また粒子形成の
過程で化学増感を多重に施した粒子、結晶生長の過程ま
たは化学増感の実施前に増感色素を吸着せしめて分光増
感させた粒子、また少量の化学増感剤の撰択使用により
感光核の集中化と強化を施した粒子などが好ましく用い
られる。 これらの各種のハロゲン化銀粒子から選択し、そのハ
ロゲン化銀粒子の特性に合せて適切に化学増感して本発
明による高い感度のハロゲン化銀乳剤をうることができ
る。 ハロゲン化銀粒子の直粒は約0.2μないし5μのもの
が用いられる。例えば、英国特許第1027146号、仝第203
8792号、米国特許第3505068号、仝第4444877号、仝第40
94684号、仝第4142900号、仝第4459353号、仝第4349622
号、仝第4395478号、仝第4,433,501号、仝第4463087
号、仝第3656962号、仝第3852067号、特開昭59−162540
号、仝昭58−108526号、仝昭58−111935号、仝昭58−11
1936号、仝昭58−111937号、特願昭58−248469号などの
記載に基本技術の示唆がのべられている。必要により0.
2μ以下の小粒子乳剤を混ぜて用いることができる。こ
のような乳剤の製造方法は米国特許第3,574,628号、同
第3,655,394号および英国特許第1,413,748号に記載され
ている。また特開昭48−8600号、同51−39027号、同51
−83097号、同53−137133号、同54−48521号、同54−99
419号、同58−37635号、同58−49938号などに記載され
るような単分散乳剤も本発明で好ましく使用できる。 また、アスベクト比が約5以上であるような平板状粒
子が本発明に使用される。平板条粒子は、ガトフ著、フ
オトグラフイク・サイエンス・アンド・エンジニアリン
グ(Gutoff,Photographic Science and Engineerin
g),第14巻,248〜257頁(1970年);米国特許第4,434,
226号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,439,520号
および英国特許第2,112,157号などに記載の方法により
簡単に調製することができる。平板状粒子を用いた場
合、増感色素による色増感効率の向上、粒状性の向上お
よび鮮鋭度の上昇などの利点のあることが、先に引用し
た米国特許第4,434,226号などに詳しく述べられてい
る。 本発明によるハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子
を生成、成長させる液相中のpAgと温度と撹拌を所定パ
ータンに制御すること、塩化ナトリウム、臭化カリウム
やヨー化カリウムなどのハロゲン化物、硝酸銀の添加を
制御する、ダブルジエツト方式の乳剤製造装置により製
造される。 本発明に用いるハロゲン化銀乳剤の製造には、リサー
チ・デスクロージヤー、17643;同、18716に記載の化合
物が用いられる。ハロゲン化銀粒子の直径が0.01〜0.2
μの微粒子乳剤を保護層、中間層にも用いることができ
る。 ハロゲン化銀乳剤のヨード含有量が低い場合、特に2
モル%以下の場合には青色波長域での光吸収が減少し、
青色波長域での感度が不足がおこりやすい。この光吸収
低下に伴う感度不足を補う観点から粒子サイズ/表面積
比が小さく、短波増感用の増感色素の多量添加が可能で
光吸収を増加させることが可能な、直径/厚みの比が5
以上の平板粒子を用いることが本発明では好ましい。 またハロゲン化銀粒子としては、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶体を有するレギユラー粒子
などがあるが、ヨード含有量が少ない場合結晶欠陥の数
が減少し、感度低下がおこる。従つて、本発明に用いる
乳剤では、意図的に結晶欠陥を導入することが好まし
い。粒子形成の過程でハロゲン化銀吸着体物質、異種ハ
ロゲン、異種金属イオンを添加して結晶欠陥を導入した
粒子などが好ましく用いられる。 本発明の感光材料が実質的に同一の感色性を有し感度
の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る場合、これ
らの乳剤層中最高感度を有する乳剤層のハロゲン化銀粒
子の平均粒子サイズは0.3ミクロン以上、好ましくは0.6
ミクロン以上である。ここで平均粒子サイズは、電子顕
微鏡により投影面積の円換算直径の平均により求めるも
のとする。 本発明の特徴はカラー現像が早く進行する、とくに現
像の初期に階調部分の現像抑制が弱く、現像進行ととも
にその作用が強くなり、特に現像銀の漂白定着に対する
阻害作用がないか少いDIR−カプラーまたはこのようなD
IRヒドロキノンを選択し阻害作用が実質上ないように用
いるかDIR−化合物(DIRカプラーとDIRヒドロキノンの
意)を用いないことにある。 撮影用カラー感光材料を、より迅速簡易にカラー現像
処理するために解決すべき課題は、先ず還元銀の脱銀処
理(漂白と定着)工程の迅速化にある。還元銀の脱銀処
理を阻害する印紙が第1に通常用いられているDIR−カ
プラーから放出される現像抑制剤の還元銀への吸着と現
象により生ずる沃素イオンにあり、更に感光性ハロゲン
化銀乳剤の分光増感に用いられる増感色素の吸着にある
ことを本発明者らは見い出した。 また発色現像を迅速する阻害因子は、第1にはハロゲ
ン化銀粒子に含有される沃化銀であり、第2には分光増
感に用いられる増感色素の吸着である。しかしながら、
ハロゲン化銀粒子に含有される沃化銀は、階調の現像進
行を適切に制御し、またハロゲン化銀の高い感度、カブ
リの抑制、粒状の改良などすぐれた機能賦与している。
従つて沃化銀の使用量を減量するには新たな技術の導入
が要求される。 発明者らは、本発明の感光材料を用いることによつて
従来にない約9分より短時間のカラー現像処理方法、と
くに約3分30秒好しくは3分ないし1分の短時間の脱銀
が可能である事を見い出した。本発明においてDIR化合
物を発色現像過程で発色現像主薬の酸化体と反応し現像
抑制剤を放出し、実質的に脱銀を阻害しない量、例えば
発色々像を構成に用いるカプラーの使用料の5モル%以
下好しくは2モル%以下用いるかまたは全く用いないカ
ラー感光材料を用いることが好ましい。 本発明においては、次の一般式〔I〕または一般式
〔II〕によつて表わされる化合物が用いられる。とくに
その中で、DIR化合物を用いるが好ましい。 一般式〔I〕 A−(L1−S−Z1−〔(L2−Y〕 一般式〔II〕 A−(L1−Z2−〔(L2−Y〕 式中Aは、芳香族第1級アミンを発色現像主薬とする
とき、その酸化体と反応して−(L1−S−Z1
〔(L2−Y〕または−(L1−Z2−〔(L2
−Y〕を離脱する残基、L1はタイミング基、L2は連結
基、Yはカチオン、水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アリール基、ヘテロ環基を表わす。Z1はヘテロ環
基、アリーレン基、アルキレン基、Z2はヘテロ環基を表
わす。aとcは0または1、bは1または2を表わす。
但し−〔(L2−Y〕には親水性基、水溶性基また
はそれらのプレカーサー残基を含有する。bが2のとき
−〔(L2−Y〕残基は同じでも、異なつてもよい。 一般式〔I〕または〔II〕において、Z1またはZ2がヘ
テロ環残基のときとくにDIR化合物として有用である。
しかしこれに限るものではない。またとくに一般式
〔I〕においてZ1がアリーレン基やアルキレン基である
ときは、脱銀工程の迅速化に有利であり本発明に用いる
がよい。DIR化合物は沃度イオンや増感色素が共存する
と脱銀工程を抑制する性質がある。DIR化合物とZ1がア
リーレン基やアルキレン基である化合物とを併用するこ
とが好ましい。 Aは、例えば米国特許第3632345号、同3958993号や特
開昭51−64927号、特開昭52−161237などに記載されて
いるカプラー残基である。 カラー・カプラー残基としては次のようなものを用い
ることができる。Aで表わされるイエローカラーカプラ
ー残基としてはピバロイルアセトアニリド型、ベンゾイ
ルアセトアニリド型、マロンジエステル型マロンジアミ
イン型、ジベンゾイルメタン型、ベンゾチアゾリルアセ
トアミド型、マロンエステルモノアミド型、ベンゾチゾ
リルアセテート型、ベンズオキサゾリルアセトアミド
型、ベンズオキサゾリルアセテート型、ベンズイミダゾ
リルアセトアミド型もしくはベンズイミダゾリルアセテ
ート型のカプラー残基や、米国特許第3,841,880号に含
まれるヘテロ環置換アセトアミドもしくはヘテロ環置換
アセテートから導かれるカプラー残基又は米国特許第3,
770,446号、英国特許第1,459,171号、西独特許(OLS)
第2,503,099号、日本国公開特許50−139,738号もしくは
リサーチデイスクロージヤー15737号に記載のアシルア
セトアミド類から導かれるカプラー残基又は、米国特許
第4,046,574号に記載のヘテロ環置換カプラー残基が好
ましい。 Aで表わされるマゼンタカラーカプラー残基としては
5−オキソ−2−ピラゾリン核、ピラゾロ−〔1,5−
a〕ベンズイミダゾール核、シアノアセトフエノン型カ
プラー残基またはピラゾロトリアゾール核を有するカプ
ラー残基が好ましい。 Aで表わされるシアンカラーカプラー残基としてはフ
エノール核またはα−ナフトール核を有するカプラー残
基で好ましい。 さらにAで表わされるカプラー残基が現像主薬の酸化
体とカツプリングし現像抑制剤を放出した後、実質的に
色素を形成しなくてもよい。Aで表わされるこの型のカ
プラー残基としては米国特許第4,052,213号、同第4,08
8,491号、同第3,632,345号、同第3,958,993号又は同第
3,961,959号に記載のカプラー残基が挙げられる。 Aはつまり、発色現像主薬の酸化体と反応して−S−
Z1−〔(L2−Y〕残基、または−Z2−〔(L2
−Y〕残基を放出するカプラー残基である。 L1はタイミング基でaは0または1を表わす。L1とし
て表わされる連結基としては次に示すものがあげられ
る。例えば、 −OCH2−(米国特許第4146396号に記載の連結基) −SCH2− −OCO−(西独公開特許第2626315号に記載の連結基) R21は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカル
ボニル基、アニリノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、
シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基、スルフアモイ
ル基、カルバモイル基、アリール基、カルボキシ基、ス
ルホ基、シクロアルキル基、アルカンスルホニル基、ア
リールスルホニル基またはアシル基を表わし、 R22は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラル
キル基、シクロアルキル基またはアリール基を表わす。 p、qはそれぞれ1または2を表わす。 qが2のときはR21どうしで縮合環を形成してもよ
い。 Z1はヘテロ環、無置換または置換のアリーレン、直鎖
または分岐アルキレンなどのb+1価の連結基を表わ
す。−S−Z1−として示すと、 例えば、 Z2は、ヘテロ環残基を表わす。 L2は連結基を表わす。 例えば、 ただしdは0から10、好ましくは0〜5の整数を表わ
す。 W1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10、好まし
くは1〜5のアルキル基、炭素数1〜10、好ましくは1
〜5のアルカンアミド基、炭素数1〜10、好ましくは1
〜5のアルコキシ基、炭素数1〜10、好ましくは1〜5
のアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルカンスルホ
ンアミド基、アリール基、カルバモイル基、炭素数1〜
10、好ましくは1〜5のN−アルキルカルバモイル基、
ニトロ基、シアノ基、アリールスルホンアミド基、スル
フアモイル基およびイミド基などから選ばれる。 W2は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール
基またはアルケニル基を表わし、 W3は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜
6のアルコキシ基、またはアルキル基を表わし、pは0
から6の整数を表わす。 Yは、カチオン、水素原子、アルキル基またはアルケ
ニル基くわしくは炭素数1〜10、好ましくは1〜5の直
鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、アルケニル基、ア
リール基またはヘテロ環基を表わし、好ましくは置換基
を有するものであり、置換基としてはハロゲン原子、ニ
トロ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10の
アリールオキシ基、炭素数1〜4のアルカンスルホニル
基、炭素数6〜10のアリールスルホニル基、炭素数1〜
5のアルカンアミド基、アニリノ基、ベンズアミド基、
炭素数1〜6のアルキル置換カルバモイル基、カルバモ
イル基、炭素数6〜10のアリール置換カルバモイル基、
炭素数1〜4のアルキルスルホンアミド基、炭素数6〜
10のアリールスルホンアミド基、炭素数1〜4のアルキ
ルチオ基、炭素数6〜10のアリールチオ基、フタールイ
ミド基、サクシンイミド基、イミダゾリル基、1,2,4−
トリアゾリル基、ピラゾリル基、ベンズトリアゾリル
基、フリル基、ベンズチアゾリル基、炭素数1〜4のア
ルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルカノイル基、ベン
ゾイル基、炭素数1〜4のアルカノイルオキシ基、ベン
ゾイルオキシ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル
基、シアノ基、テトラゾリル基、ヒドロキシ基、カルボ
キシル基、メルカプト基、スルホ基、アミノ基、炭素数
1〜4のアルキルスルフアモイル基、炭素数6〜10のア
リールカルボニル基、炭素数6〜10のアリールオキシ置
換カルボニル基、イミダゾリジニル基または炭素数1〜
6のアルキリデンアミノ基などから選ばれる。 Yで表わされるアリール基はフエニル基またはナフチ
ル基を表わし、置換基としては前記アルキル基またはア
ルケニル基のところで列挙した置換基または炭素数1〜
4のアルキル基などから選ばれる。 Yで表わされるヘテロ環基は、ジアゾリル基、(2−
イミダゾリル基、4−ピラゾリル基など)、トリアゾリ
ル基(1,2,4−トリアゾール−3−イル基など)、チア
ゾリル基(2−ベンゾチアゾリル基など)、オキサゾリ
ル基(1,3−オキサゾール−2−イル基など)、ピロリ
ル基、ピリジル基、ジアゾニル基(1,4−ジアジン−2
−イル基など)、トリアジニル基(1,2,4−トリアジン
−5−イル基など)、フリル基、ジアゾリニル基(イミ
ダゾリン−2−イル基など)、ピロリニル基およびチエ
ニル基などから選ばれる。 −(L2−Y残基は、親水基、水溶性基またはその
プレカーサーをもつ。親水基、水溶性基またはそのプレ
カーサーの例を以下に示す: −SO3Hまたはその塩(ナトリウム、カリウムイオン、
アンモニウムイオン、ピリジニウムカチオンなど) −COOHまたはその塩、 などのカルボン酸エステル基、 −NHSO2CH3などのスルホンアミド基、 −NHCOOCH3、 −NHCOOC2H5などのカルバミド基、 次に一般式〔I〕で表わされる化合物の具体例をあげ
る。しかしこれに限るものでない。 本発明に用いられるDIRカプラーは前にのべた効果に
従う現像抑制性と、実質的に銀漂白性を阻害しない傾向
をもち、その中でもとくに次の一般式〔III〕、〔I
V〕、〔V〕、〔VI〕、〔VII〕、〔VIII〕〜〔XIV〕に
よつて表される化合物が好しい。 式中、Z1、Y、およびbは一般式〔I〕または〔II〕
のそれと同義、Xは水素原子、置換基を表わし、Yの置
換基として列挙したものが撰ばれる。例えばハロゲン原
子、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、
アルカンアミド基、アリール基、ヘテロ環基、などの同
じまたは異なる基、uは0、1、および2の整数を表わ
す。 式中、R11は脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基また
はヘテロ環基を、R12およびR13は各々芳香族基または複
素環基を表わす。 式中、R11で表わされる脂肪族基は好ましくは炭素数
1〜22で、置換もしくは無置換、鎖状もしくは環状、い
ずれであつてもよい。アルキル基への好ましい置換基は
アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルア
ミノ基、ハロゲン原子等でこれらはそれ自体更に置換基
をもつていてもよい。R11として有用な脂肪族基の具体
的な例は、次のようなものである:イソプロピル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基、tert−ア
ミル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシ
ル基、1,1−ジエチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサ
デシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル基、2−メ
トキシイソプロピル基、2−フエノキシイソプロピル
基、2−p−tert−ブチルフエノキシイソプロピル基、
α−アミノイソプロピル基、α−(ジエチルアミノ)イ
ソプロピル基、α−(サクシンイミド)イソプロピル
基、α−(フタルイミド)イソプロピル基、α−(ベン
ゼンスルホンアミド)イソプロピル基などである。 R11、R12またはR13が芳香族基(特にフエニル基)を
あらわす場合、芳香族基は置換されていてもよい。フエ
ニル基などの芳香族基は炭素数32以下のアルキル基、ア
ルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、
アルコキシカルボニルアミノ基、脂肪族アミド基、アル
キルスルフアモイル基、アルキルスルホンアミド基、ア
ルキルウレイド基、アルキル置換サクシンイミド基など
で置換されていてもよく、この場合アルキル基は鎖中に
フエニレンなど芳香族基が介在してもよい。フエニル基
またはアリールオキシ基、アリールオキシカルボニル
基、アリールカルバモイル基、アリールアミド基、アリ
ールスルフアモイル基、アリールスルホンアミド基、ア
リールウレイド基などで置換されていてもよく、これら
の置換基のアリール基の部分はさらに炭素数の合計が1
〜22の一つ以上のアルキル基で置換されていてもよい。 R11、R12またはR13で表わされるフエニル基はさら
に、炭素数1〜6の低級アルキル基で置換されるものも
含むアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ
基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基またはハロゲン
原子で置換されていてもよい。 またR11、R12またはR13は、フエニル基が他の環を縮
合した置換基、例えばナフチル基、キノリル基、イソキ
ノリル基、クロマニル基、クマラニル基、テトラヒドロ
ナフチル基等を表わしてもよい。これらの置換基はそれ
自体さらに置換基を有してもよい。 R11がアルコキシ基をあらわす場合、そのアルキル部
分は、炭素数1から40、好ましくは1〜22の直鎖ないし
分枝鎖のアルキル基、アルケニル基、環状アルキル基も
しくは環状アルケニル基を表わし、これらはハロゲン原
子、アリール基、アルコキシ基などで置換されていても
よい。 R11、R12またはR13が複素環基をあらわす場合、複素
環基それぞれ、環を形成する炭素原子の一つを介してア
ルフアアシルアセトアミドにおけるアシル基のカルボニ
ル基の炭素原子又はアミド基の窒素原子と結合する。こ
のような複素環としてはチオフエン、フラン、ピラン、
ピロール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジ
ン、ピリダジン、イソドリジン、イミダゾール、チアゾ
ール、オキサゾール、トリアジン、チアジアン、オキサ
ジンなどがその例である。これらはさらに環上に置換基
を有していてもよい。 一般式〔V〕においてR15は、炭素数1から40、好ま
しくは1〜22の直鎖ないし分岐鎖のアルキル基(例えば
メチル、イソプロピル、tert−プチル、ヘキシル、ドデ
シル基など)、アルケニル基(例えばアリル基など)、
環状アルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキ
シル基、ノルボニル基など)、アラルキル基(例えばベ
ンジル、βフエニルエチル基など)、環状アルケニル基
(例えばシクロペンテニル、シクロヘキセニル基など)
を表わし、これらはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カ
ルボキシ基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオ
カルボニル基、アルコキシンカルボニル基、アリールオ
キシカルボニル基、スルホ基、スルフアモイル基、カル
バモイル基、アシルアミノ基、ジアシルアミノ基、ウレ
イド基、ウレタン基、チオウレタン基、スルホンアミド
基、複素環基、アリールアリールスルホニル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、ア
ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アニリン基、N
−アリールアニリン基、N−アルキルアニリン基、N−
アシルアニリン基、ヒドロキシ基、メルカプト基などて
置換されてもよい。 更にR15は、アリール基、(例えばフエニル基、α−
ないしはβ−ナフチル基など)を表わしてもよい。アリ
ール基は1個以上の置換基を有してもよく、置換基とし
てはたとえばアルキル基、アルケニル基、環状アルキル
基、アラルキル基、環状アルケニル基、ハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、スルフア
モイル基、カルルバモイル基、アシルアミノ基、ジアシ
ルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルホンアミド
基、複素環基、アリールスルホニル基、アルキルスルホ
ニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アルキルア
ミノ基、ジアルキルアミノ基、アニリノ基、N−アルキ
ルアニリノ基、N−アリールアニリノ基、N−アシルア
ニリノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基などを有しても
よい。R5してより好ましいのは、オルト位の少なくとも
1個がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などに
よつて置換されているフエニル基で、これはフイルム膜
中に残存するカプラーの光や熱による退色が少なくて有
用である。 更にR15は、複素環基(例えばヘテロ原子として窒素
原子、酸素原子、イオウ原子を含む5員または6員環の
複素環、縮合複素環基で、ピリジル基、キノリル基、フ
リル基、ベンゾチアゾリル基、オキサゾリル基、イミダ
ゾリル基、ナフトオキサゾリル基など)、前記のアリー
ル基について列挙した置換基によつて置換された複素環
基、脂肪族または芳香族アシル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アルキルカルバモイル基、
アリールカルバモイル基、アルキルチオカルバモイル基
またはアリールチオカルバモイル基を表わしてもよい。 式中R14は水素原子、炭素数1から40、好ましくは1
〜22の直鎖ないし分岐鎖のアルキル、アルケニル、環状
アルキル、アラルキル、環状アルケニル基(これらの基
は前記R15について列挙した置換基を有していてもよ
い。)アリール基および複素環基(これらは前記R15
ついて列挙した置換基を有してもよい。)アルコキシカ
ルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカ
ルボニル基、ステアリルオキシカルボニル基など)、ア
ラルキルオキシカルボニル基(例えばベンジルオキシカ
ルボニル基など)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、
エトキシ基、ヘプタデシルオキシ基など)、アリールオ
キシ基(例えばフエノキシ基、トリルオキシ基など)、
アルキルチオ基(例えばエチルチオ基、ドデシルチオ基
など)、アリールチオ基(例えばフエニルチオ基、α−
ナフチルチオ基など)、カルボキシ基、アシルアミノ基
(例えばアセチルアミノ基、3−〔(2,4−ジ−tert−
アミルフエノキシ)アセタミド〕ベンズアミド基な
ど)、ジアシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基
(例えばN−メチルプロピオンアミド基など、N−アリ
ールアシルアミノ基(例えばN−フエニルアセタミド基
など)、ウレイド基(例えばウレイド、N−アリールウ
レイド、N−アルキルウレイド基など)、ウレタン基、
チオウレタン基、アリールアミノ基(例えばフエニルア
ミノ、N−メチルアニリノ基、ジフエニルアミノ基、N
−アセチルアニリン基、2−クロロ−5−テトラデカン
アミドアニリ基など)、アルキルアミノ基(例えばn−
プチルアミノ基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミ
ノ基など)、シクロアミノ基(例えばピペリジノ基、ピ
ロリジノ基など)、複素環アミノ基(例えば4−ピリジ
ルアミノ基、2−ベンゾオキサゾリルアミノ基など)、
アルキルカルボニル基(例えばメチルカルボニル基な
ど)、アリールカルボニル基(例えばフエニルカルボニ
ル基など)、スルホンアミド基(例えばアルキルスルホ
ンアミド基、アリールスルホンアミド基など)、カルバ
モイル基(例えばエチルカルバモイル基、ジメチルカル
バモイル基、N−メチル−フエニルカルバモイル、N−
フエニルカルバモイルなど)、スルフアモイル基(例え
ばN−アリールアルキルスルフアモイル基、N,N−ジア
ルキルスルフアモイル基、N−アリールスルフアモイル
基、N−アルキル−N−アリールスルフアモイル基、N,
N−ジアリールスルフアモイル基など)、シアノ基、ヒ
ドロキシ基、メトカプト基、ハロゲン原子、およびスル
ホ基のいずれかを表わす。 式中R17は、水素原子または、炭素数1から32、好ま
しくは1〜22の直鎖ないし分岐鎖のアルキル基、アルケ
ニル基、環状アルキル基、アラルキル基、もしくは、環
状アルケニル基を表わし、これらは前記R15について列
挙した置換基を有してもよい。 またR17はアリール基もしくは複素環基を表わしても
よく、これらは前記R15について列挙した置換基を有し
てもよい。 またR17は、シアン基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、ハロゲン原子、カルボキシ基、アルキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、
スルホ基、スルフアモイル基、カルバモイル基、アシル
アミノ基、ジアシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン
基、スルホンアミド基、アリールスルホニル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールチオ基、アルキルチオ基、ア
ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アニリノ基、N
−アリールアニリノ基、N−アルキルアニリノ基、ヒド
ロキシ基又はメルカプト基を表わしてもよい。 R18、R19およびR20は各々通常の4当量型フエノール
もしくはα−ナフトールカプラーにおいて用いられる基
を表わし、具体的にはR8としては水素原子、ハロゲン原
子、脂肪族炭化水素残基、アシルアミノ基、−O−R31
または−S−R31(但しR31は脂肪族炭化水素残基)が挙
げられ、同一分子内に2個以上のR18が存在する場合に
は2個以上のR18は異なる基てあつてもよく、脂肪族炭
化水素残基は置換基を有しているものを含む。R19およ
びR20としては脂肪族炭化水素残基、アリール基及びヘ
テロ環残基から選択される基を挙げることができ、ある
いはこれらの一方は水素原子であつてもよく、またこれ
らの基に置換基を有しているものを含む。またR19とR20
は共同して含窒素ヘテロ環核を形成してもよい。rは1
〜4の整数、sは1〜3の整数、tは1〜5の整数であ
る。そして脂肪族炭化水素残基としては飽和のもの不飽
和のもののいずれでもよく、また直鎖のもの、分岐のも
の、環状のもののいずれでもよい。そして好ましくはア
ルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、プチル、t−プチル、イソプチル、ドデシル、オ
クタデシル、シクロプチル、シクロヘキシル等の各
基)、アルケニル基(例えばアリル、オクテニル等の各
基)である。アリール基としてはフエニル基、ナフチル
基等があり、またヘテロ環残基としてはピリジニル、キ
ノリル、チエニル、ピペリジル、イミダゾリル等の各基
が代表的である。これら脂肪族炭化水素残基、アリール
基およびヘテロ環残基に導入される置換基としてはハロ
ゲン原子、ニトロ、ヒドロキシ、カルボキシル、アミ
ノ、置換アミノ、スルホ、アルキル、アルケニル、アリ
ール、ヘテロ環、アルコキシ、アリールオキシ、アリー
ルチオ、アリールオアゾ、アシルアミノ、カルバモイ
ル、エステル、アシル、アシルオキシ、スルホンアミ
ド、スルフアモイル、スルホニル、モルホリノ等の各基
が挙げられる。 一般式〔III〕から〔XIV〕で表わされるカプラーの置
換基のR11、R12、R13、R14、R15、R17、R18、R19、R20
が互いに結合するか、またはいずれかが2価基となつて
対称または非対称の複合カプラーを形成してもよい。 本発明に使用されるカプラー類としては次のような化
合物を例に挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。 さらに具体的に特願昭60−113596に記載した化合物を
挙げることができる。 本発明に用いられるDIRカプラーは、前記のRD17643、
VII〜F項に記載された特許、特開昭57−151944号、同
昭57−154234号、同昭60−184248号、米国特許第4,248,
962号に記載された方法に準じて合成することができ
る。 本発明に使用されるカラー・カプラーはRD17643、VII
−C〜Gに記載された特許に記載されている。 イエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,933,
501号、同第4,022,620号、同第4,326,024号、同第4,40
1,752号、特公昭58−10739号、英国特許第1,425,020
号、同第1,476,760号などに記載のものが好ましい。ピ
バロイルアセトアニリド系イエローカプラーとベンゾイ
ルアセトアニリド系イエローカプラーの何れかまたは組
合せて用いるがよい。 マゼンタ・カプラーとしては、5−ピラゾロン系およ
びピラゾロアゾール系の化合物が好しい。米国特許第4,
310,619号、同第4,351,897号、欧州特許第73,636号、米
国特許第3,061,432号、同第3,725,067号、RDNo.24220
(1948年6月)、特開昭60−33552号、RDNo.24230(194
8年6月)、特開昭60−43659号、米国特許第4,500,630
号、同第4,540,654号などに記載のものが特に好しい。 シアンカプラーとしては、フエノール系およびナフト
ール系カプラーが挙げられる。米国特許第4,052,212
号、同第4,146,396号、同第4,228,233号、同第4,296,20
0号、同第2,369,929号、同第2,801,171号、同第2,772,1
62号、同第2,895,826号、同第3,772,002号、同第3,758,
308号、同第4,344,011号、同第4,327,173号、西独特許
公開第3,329,729号、欧州特許第121,365A号、米国特許
第3,446,622号、同第4,333,999号、同第4,451,559号、
同第4,427,767号、欧州特許第161,626A号などに記載の
ものが好しい。とくにポリマー・カプラーや2当量カプ
ラーが好しい。 発色色素の不要吸収を補正するためのカラードカプラ
ーは、RDNo.17643のVII−G項や米国特許第4,163,670
号、特公昭57−39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368号などに記載のもの
が好しい。 発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、
米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,570号、欧州
特許第96,570号、西独特許(公開)第3,234,533号に記
載のものが好しい。 ポリマー化されたカラー・カプラーの典型例は米国特
許第3,451,820号、同第4,080,211号、同第4,367,282
号、英国特許第2,102,173号などに記載されている。 カラー・カプラーの使用量は、ハロゲン化銀1モルあ
たり、0.001ないし1モル程度であり、好しくはイエロ
ー・カプラーで0.01ないし0.5モル、マゼンタ・カプラ
ーでは0.003ないし0.3モル、またシアンカプラーでは0.
002ないし0.3モル程度である。 本発明による一般式〔I〕または〔II〕によつて表わ
される化合物は、DIR−化合物として作用するものと、
むしろ脱銀工程の迅速化に作用するものもある。DIR−
化合物は、実質的に脱銀阻害を示さないような使用量
で、好しくはDIR−化合物と脱銀工程を迅速化するその
他の化合物と組合せて用いられる。好しくはカラーカプ
ラーの使用量の7モル%、さらには5モル%以下で用い
られる。 本発明による一般式〔I〕または〔II〕によつて表わ
されるDIR化合物と併せ他の一般式〔I〕によつて表わ
される化合物を用いると脱銀阻害を示さない量の基準を
10モル%程度に高めることもできる利点がある。この作
用は本発明による増感色素と併せ用いるときに顕著に表
われる。 本発明で使用するのに特に好ましいDIRカプラーは、
前記の例示化合物(2)、(3)、(4)、(6)など
のようにカルボン酸エステル結合を有する現像抑制剤を
放出するDIRカプラーである。これらのカプラーは現像
に伴つて乳剤膜中で離脱するとその低分子量のために拡
散性が大きく好ましい層間重層効果をもたらす。さらに
現像液中に移動したときにはアルカリ加水分解を受け無
害の化合物となるために脱銀阻害が少ないDIRカプラー
である。 本発明の感光材料においてDIR化合物の塗布量が感光
性ハロゲン化銀の銀換算塗布量1.0gあたり5×10-4モル
以下、好ましくは1×10-4モル以下であり、かつ、感光
性ハロゲン化銀の沃化銀含量が2モル%以下、好ましく
は1モル%以下であると、約3分以下の漂白定着となつ
ても脱銀阻害を防止するのに有利である。 本発明に使用するカプラーは、種々の公知分散方法に
より感光材料中に導入でき、例えば固体分散法、アルカ
リ分散法、好ましくはラテツクス分散法、より好ましく
は水中油滴分散法などを典型例として挙げることができ
る。水中油滴分散法では、沸点が175℃以上の高沸点有
機溶媒および低沸点のいわゆる補助溶媒のいずれか一方
の単独液または両者混合液に溶解した後、界面活性剤の
存在下に水またはゼラチンなど水性媒体中に微細分散す
る。高沸点有機溶媒の例は米国特許第2,322,027号など
に記載されている。分散には転相を伴つてもよく、また
必要に応じて補助溶媒を蒸留、ヌードル水洗または限外
炉過法などによつて除去または減少させてから塗布に使
用してもよい。 ラテツクス分散法の工程、効果および含浸用のラテツ
クスの具体例は、米国特許第4,199,363号、西独特許出
願(OLS)第2,541,274号および同第2,541,230号などに
記載されている。 一般式〔I〕または〔II〕によつて表わされる化合物
は、還元銀の漂白定着の阻害作用が少いか又は示さない
ばかりか発色現像に際し階調部分特にその脚部の現像進
行に阻害作用が弱く、中間調〜高濃度領域に対し重層効
果が働く特長がある。 DIRカプラーを用いない場合は還元銀の漂白、定着の
阻害作用がきわめて少ないために本発明のカラー感光材
料の漂白定着工程を約2分以下、1分でも終了させるこ
とができる。DIR−カプラーを用いないことにより起る
弱点の補強例えば重層効果、イメージシヤープネス、粒
状の改良は、他の手段で補うことが望ましい。重層効果
は、カラード・カプラーによるマスキング法の適用、例
えばマゼンダ発色緑感層に対する赤感層からの重層効果
はマゼンダ染料離脱化合物を赤感層に加えることによる
賦与させることができる。イメージシヤープネスはボケ
マスクを賦与するカラード・カプラーなどを用いること
により賦与することができる。粒状の改良は、例えば競
争カプラーの併用またはやゝ拡散性をもつ発色々素を形
成するカプラーを1部併用することによつて補うことが
できる。 本発明に好ましく組合せる増感色素がある。発色現像
を抑制しないまた還元銀の漂白、定着作用を阻害しない
増感色素が好ましく用いられる。用いられる増感色素の
種別としてはシアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スリチル色素およびヘミ
オキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シ
アニン色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素、お
よび複合メロシアニン色素に属する色素である。これら
の色素類には、塩基性異節環核としてシアニン色素類に
通常利用される核のいずれをも適用できる。すなわち、
ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール
核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、
イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核など;こ
れらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;およびこれ
らの核に芳香族炭化水素環が融合した核、すなわち、イ
ンドレニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、
ベンズオキサドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾ
チアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾー
ル核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などが適用で
きる。これらの核は炭素原子上に置換基を有していても
よい。 メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケ
トメチレン構造を有する核としてピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,
4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニ
ン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異節環核を
適用することができる。 発色現像の抑制作用や還元銀の漂白、定着の阻害作用
をもつ増感色素とくに後者はカチオン型のシアニン色素
とくにJ凝集体の形で吸収された増感色素である。しか
しシアニン色素のN−置換基にまたはC−置換基に水溶
性基をもつ置換基を導入すると、その阻害作用が著しく
軽減する。アニオン型のシアニン色素は殆ど阻害作用が
ない。ヘミシアニン色素、ロダシアニン色素についても
同じ性質が示される、メロシアニン色素はカチオン型シ
アニン色素よりも阻害作用が少いが同様に水溶性基をも
つ置換基を導入することにより阻害作用を殆どなくすこ
とができる。 本発明においては、生のカラー感光材料に水溶性基の
プレカーサーをもつ置換基をもつ増感色素を用い、像露
光ご、発色現像の過程で加水分解して水溶性基をもつ置
換基に変換し、還元銀の漂白定着の阻害作用をなくすこ
とができる。これらの増感色素は組合せて用いるのがよ
い。 とくに撮影用カラー感光材料には、モノメチンシアニ
ン色素、トリメチンシアニン色素、シンプロメロシアニ
ン色素、ジメチンメロシアニン色素が用いられペンタメ
チンシアニン色素、ヘミシアニン色素も用いられること
がある。この骨核のN原子、またはC原子に置換基が導
入される。本発明に用いられる増感色素には次の一般式
〔XV〕によつて表わされる置換基を導入したものがとく
によい。 一般式[XV] −(L2−Y 式中、L2、Yおよびcは一般式〔I〕または一般式
〔II〕のそれと同義で、この残基に、親水基、水溶性基
およびそのプレカーサーを含む。L2はとくにアルキレン
基、アリーレン基、および2価のヘテロ環残基などの連
結基が好しい。 その具体例を次に示す。しかしこれに限るものではな
い。 好しくは、発色現像液中で加水分解して強い水溶性基
に変換しうる基がよい。 次に本発明に用いられる増感色素の具体例をあげる。
しかしこれに限るものではない。 本発明に用いられる増感色素は例えば特開昭51−3072
4号、仝昭51−29128号、仝昭51−29129号、仝昭51−140
19号や、特公昭40−14112号、仝昭40−23467号、仝昭43
−4931号、仝昭44−23389号、仝昭48−25652号、仝昭48
−25653号、仝昭49−46416号、仝昭55−44368号、特開
昭49−66330号、英国特許第1137083号、仝742112号、仝
840223号、仝975504号、仝980254号、仝第1077984号、
仝第1084435号、などの記載、また特願昭61−131583号
の記載による増感色素の色素骨核に本発明による一般式
〔XV〕によつて表わされる置換基を導入された増感色素
である。これらの増感色素の群の中から選んで使用する
ことができる。 本発明に用いられる増感色素は、水可溶の有機溶媒に
とかして添加することができる。界面活性剤に可溶化し
て添加することもできる。また、化学増感済のハロゲン
化銀乳剤に銀1モル当り1×10-5〜1×10-3モル量添加
することもできる。本発明においてはとくに、化学増感
の前または粒子形成の中途で、銀1モル当り1×10-5
1×10-2モル量添加することが好しい。この方法によ
り、沃化銀が約1モル%以下または零のハロゲン化銀に
おいて高い感度をうることができる。本発明による増感
色素は、通常のものより多く添加でき、分光増感ととも
に、イラジエーシヨン防止の効果も与えることができ
る。 本発明の感光材料の塗布銀量は、漂白、定着工程の短
縮という点からは出来るだけ少い方が好ましく、また感
度、粒状という画質の点からは、多い方が好ましいが、
処理時間を短縮し、感度、粒状性を保つという総合的な
観点からは、支持体1m2当り2g以上で15g以下、好ましく
は10g以下、より好ましくは8g以下、更に好ましくは、6
g以下が良い。 本発明の感光材料はISO感度で25以上6400以下の感度
を有するように設計して、ネガ型の撮影用感光材料とす
ることができる。好ましくはISO感度が100と1600の間に
なるように、ISO100,200,400,1000,1600などの感度に設
計できる。 本発明の感光材料は透明支持体を使用する。酢酸セル
ロース系フイルム、ポリエチレンテレフタレート2軸延
伸フイルムなどの適当な厚さ例えば10μmから200μm
の厚さのフイルムが使用できる。 本発明の感光材料に使用することのできる写真用添加
剤は、以下のリサーチ・デイスクロージヤー17643およ
び18716の特定した個所およびそこに引用された特許に
記載されている。 本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフエノール系化合物も有用であるが、p−
フエニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その
代表例として3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
β−ヒドロキシルエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−メトキシエチルアニリンおよびこれらの硫酸塩、
塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などが挙げら
れる。これらのジアミン類は遊離状態よりも塩の方が一
般に安定であり、好ましく使用される。 発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もし
くはリン酸塩のようなpH緩衡剤、臭化物、沃化物、ベン
ズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカ
プト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤など
を含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒドロキ
シルアミンまたは硫酸塩のような保恒剤、トリエタノー
ルアミン、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベ
ンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アン
モニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色形成カプ
ラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイドライドの
ような造核剤、1−フエニル−3−ピラゾリドンのよう
な補助現像薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、ア
ミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカ
ルボン酸に代表されるような各種キレート剤、西独特許
出願(OLS)第2,622,950号に記載の酸化防止剤などを発
色現像剤に添加してもよい。 反転カラー感光材料の現像処理では、通常黒白現像を
行つてから発色現像をする。この黒白現像液には、ハイ
ドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フエニ
ル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類または
N−メチル−p−アミノフエノールなどのアミノフエノ
ール類など公知の黒白現像薬を単独であるいは組み合わ
せて用いることができる。 とくに迅速簡易発色現像のためには、例えば特願昭61
−259799号明細書などに記載のように、発色現像主薬の
酸化体の復元剤(Regenerator)と、その復元剤の酸化
体の捕獲剤とを併せ含有することを特徴とする発色現像
液の使用が好しい。復元剤とその復元剤の酸化体の捕獲
剤は、用いる発色現像主薬例えば3−メチル・4アミノ
NエチルN(β−メタンスルホンアミドエチル)アニリ
ンを用い規定することができる。用いる主薬が変つたと
きは、モル数を合せるなど通常の化学的知見に則り条件
をかえて測定し規定することができる。 例えば復元剤はヒドロキシルアミン誘導体例えば特願
昭61−198987号、仝昭61−147822号、仝昭61−186558
号、仝昭61−186559号などヒドラジン誘導体例えば特願
昭61−170756号、特願昭61−171682号、仝昭61−173468
号などに記載された化合物から撰ぶことが出来る。捕獲
剤はトリエタノールアミン誘導体例えば特願昭61−1865
60号、仝昭61−207545号、仝昭61−197420号、などに記
載された化合物から選ぶことが出来る。 次に「復元剤」と「捕獲剤」を規定する方法をのべ
る。 発色現像主薬の酸化体の還元性の還元性「復元剤」規定 下記の試験液A、B及びCを作成し、窒素雰囲気下で
試験液Aをロ過し、酸化銀を除去した後、ロ液とB液と
を同液量ずつ混合する。混合液をD液とし、D液とC液
の302nmでの吸光度(C302とD302)測定した。ここで
A、B及びC液は窒素ガスを30分間通して脱酸素処理し
た。 試験液A:脱酸素処理を施す リン酸1カリウム 5×10-3モル 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メ
タンスルホンアミドエチル)−アニリン 0.30g 酸化銀 0.17g 水を加えて 1000ml pH 7.0 試験液B:脱酸素処理を施す リン酸1カリウム 2×10-1モル 試験液 7×10-3モル 水を加えて 1000ml pH 10.10 試験液C:脱酸素処理施こす。 リン酸1カリウム 0.10モル 3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−(β−メ
タンスルホンアミドエチル)−アニリン 0.15 g 水を加えて 1000ml pH 10.00 各pHは塩酸または水酸化カリウムで調製する。 <復元剤の規定> 前記の試験に従つてD302/C302が0.3以上である化合物
を「復元剤」と定義する。ここでD302/C302は特に0.4以
上であることが好ましい。 本発明による発色現像主薬の「復元剤(Regenerato
r)」とは水溶液中で発色現像主薬3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル、N−(βメタンスルホンアミドエチ
ル)−アニリンの酸化体を還元しもとにもどす性質をも
つ化合物を言う。また復元剤自体もその捕獲剤との共存
下では酸化分解されにくい特徴をもつている。 還元性復元剤の一電子酸化体の「捕獲剤」の規定 下記の試験液E及びFを作成した。 試験液F 試験液Eのうち試験化合物を含有しない液 <捕獲剤の規定> 上記試験液E及びFを作成し、開口率(試験液の空気
との接触面積/試験液の体積)が、0.06cm-1となる様に
ビーカーにとり、室温静置系にて数時間放置した。 放置後の試験液E及びFに含まれる例示化合物I−
(33)のラジカル体をESR操置を使用して検出した。 ERS測定に際しては、DPPH(ジフエニルピクリル ヒ
ドラジル)にて、空洞共振器のQ値を規格化し、試験液
E及びF中のラジカル濃度比SE/SFを決定した。(ただ
し試験液Eのラジカル濃度をSE試験液Fのラジカル濃度
をSFとする) ここでESR測定は、日本電子(株)製FE3XGESR測定装
置を用いた。測定条件は下記の通りであつた。 周波数帯;Xバンド 磁場変調;100KHz、位相敏感検波及び検波 測定温度;25℃ マイクロ波出力;4mW 上記の試験方法に従つて、SE/SFが90%以下である化
合物を「捕獲剤」と定義する。 本発明による「復元剤の酸化体の捕獲剤(Scavenge
r)」とは用いるアルカリ水溶液中で、復元剤の1電子
もしくは2電子酸化体と反応して、復元剤のもとにもど
す性質をもつ化合物を言う。 発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白
処理は定着処理と同時に行なわれていてもよいし、個別
に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を計るため、漂
白処理後、漂白定着処理する処理方法でもよい。漂白剤
としては例えば鉄(III)、コバルト(III)、クロム
(VI)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸類、キ
ノン類、ニトロン化合物等が用いられる。代表的漂白剤
としてフエリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III)も
しくはコバルト(III)の有機錯塩、例えばエチレンジ
アミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、メチルイ
ミノジ酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、シクロヘ
キサンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸類、
もしくは、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸の
鉄塩;過硫酸塩;臭素酸塩;マンガン酸塩などに用いる
ことができる。 これらのうち、漂白の迅速化の観点から好ましい漂白
剤の使用方法は、漂白液に1,3−ジアミノプロパン四酢
酸鉄(III)錯塩、クエン酸又は酒石酸の鉄(III)塩の
如き酸化還元電位の高い(酸化力の強い)鉄(III)塩
を用いるか、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩の
ような比較的酸化還元電位の低いアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩と、これらの還元態を速やかに酸化でき
る化合物、例えば上記過硫酸塩、臭素酸塩を併用するも
のである。 又、漂白と定着を同時に行なう漂白定着液の使用も迅
速処理において好ましい態様である。 漂白定着液に使用するのに好ましい漂白剤は、単に酸
化力の強さだけでなく、定着剤とある程度安定に共存で
きることが必要である。このような漂白剤の例として、
エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸の鉄(III)錯塩が
あげられる。 漂白液、漂白定着液およびそれらの前浴には、漂白促
進剤を使用することが好ましい。有用な漂白促進剤の具
体例は、次の明細書に記載されている:米国特許第3,89
3,858号、西独特許第1,290,812号、同2,059,988号、特
開昭53−32736号、同53−57831号、同37418号、同53−6
5732号、同53−72623号、同53−95631号、同53−104232
号、同53−124424号、同53−141623号、同53−28426
号、特公昭61−19985号、同61−22295号、リサーチ・デ
イスクロージヤーNo.17129号(1978年7月)などに記載
のメルカプト基またはジスルフイド基を有する化合物;
特開昭50−140129号に記載されている如きチアゾリジン
誘導体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832号、同53
−32735号、米国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素誘
導体;西独特許第1,127,715号、特開昭58−16235号に記
載の沃化物;西独特許第966,410号、同2,748,430号に記
載のポリエチレンオキサイド類;特公昭45−8836号に記
載のポリアミン化合物;その他特開昭49−42434号、同4
9−5964号、同53−94927号、同54−35727号、同55−265
06号および同58−163940号記載の化合物および沃素、臭
素イオンも使用できる。なかでもメルカプト基またはジ
スルフイド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で
好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西独特許第1,2
90,812号、特公昭61−19985号、同61−22295号に記載の
化合物が好ましい。更に、米国特許第4552834号に記載
の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添
加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着する
ときに、これらの漂白促進剤は特に有効である。 定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物チオ尿素類、多量の沃化物等をあげる事
ができるが、チオ硫酸流酸塩の使用が一般的である。漂
白定着液や定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜硫
酸塩あるいはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。 本発明による漂白、定着は、漂白定着(Blix)液とし
て工程にくみ入れられることが好しい。 漂白定着の阻害作用は、ハロゲン化銀乳剤層を設けた
フイルムの上に現像によりえた一定銀量をのせた試料
を、所定漂白定着液に一定時間浸漬し水洗し、残留銀量
を測定する。ハロゲン化銀乳剤層中に所定量の化合物を
ハロゲン化銀とともに共存させ、残留銀量の増加分を測
定することにより阻害作用を示すことができる。 本発明におけるカラー現像後の現像銀の好ましい脱銀
工程は漂白定着(Blix)を含む工程としてくみこまれ
る。例えば、現像→漂白定着→安定化または水洗、現像
→漂白→漂白定着→安定または水洗などの工程が用いら
れる。 そこで脱銀の阻害作用の評価を漂白定着工程により試
験した。ハロゲン化銀乳剤感光層をフイルム支持体の上
設けた試料を作成し、現像により還元銀の一定量を生成
せしめた試験試料を作成する。所定漂白定着液に一定時
間浸漬し水洗し残留銀量を測定し測定値とする。他方、
ハロゲン化銀乳剤中に種々の化合物を所定量添加してフ
イルム試料を作成する。前述試料と同様にして所定の現
像銀が生成したフイルム試料を作り同一の漂白定着液で
処理し水洗して残留銀量を測定する。標準試料と各種試
料の残留銀量とを比較し、漂白定着の阻害作用を評価す
ることができる。また各種のカラー感光材料を用いて、
カラー現像処理後に残留する銀量を求め、許容量内か否
かを判定をすることにより、脱銀阻害の有無を評価でき
る。残留銀の許容量は、約5μg/cm2程度で3μg/cm2
下であることが好しい。 本発明において、実質的に銀漂白性を阻害しない量と
は、乾燥工程に要する時間を除いたカラー現像処理時間
が約9分ないし1分のカラー現像処理において、処理後
の残留銀量が約5μg/cm2以下にとゞめるDIR化合物の使
用量などをいう。典型的には、後記の実施例1や3の漂
白定着液に代表されるような、EDTA鉄(III)錯塩を漂
白剤として、チオ硫酸アンモニウムを定着剤とする漂白
定着の連続処理において、35〜45゜で1ないし2分間の
漂白定着処理を行つたときに最大現像銀領域で5μg/cm
2以上の残留銀を生じないようなときに実質的に銀漂白
性もしくは脱銀性が阻害されないという。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、定着又
は漂白定着等の脱銀処理後、水洗及び/又は安定化処理
をするのが一般的である。 水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカ
プラー等使用素材による)や用途、水洗水温、水洗タン
クの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々
の条件によつて広範囲に設定し得る。このうち、多段向
流方式における水洗タンク数と水量の関係は、ジヤーナ
ル・オブ・ザ・ソサエテイ・オブ・モーシヨン・ピクチ
ヤー・アンド・テレヴイジヨン・エンジニアズ(Journa
l of the Society of Motion Picture and Television
Engineers)第64巻、P.248−253(1955年5月号)に記
載の方法で、もとめることができる。通常多段向流方式
における段数は2−6が好ましく、特に2−4が好まし
い。 多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に減少でき、
例えば感光材料1m2当たり0.5L−1L以下が可能である
が、タンク内での水の滞留時間増加により、バクテリア
が繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する時の等
の問題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理におい
て、この様な問題の解決策として、特願昭61−131632号
に記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法
を、極めて有効に用いることができる。また、特開昭57
−8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダ
ゾール類、同61−120145号に記載の塩素化イソシアヌー
ル酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特願昭60−105487号
に記載のベンゾトリアゾール、その他堀口博著「防菌防
黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防
黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」、に
記載の殺菌剤を用いることもできる。 更に、水洗水には、水切り剤として界面活性剤や、硬
水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いるこ
とができる。 以上の水洗工程に続くか、又は水洗工程を経ずに直接
安定液で処理することも出来る。安定液には、画像安定
化機能を有する化合物が添加され、例えばホルマリンに
代表されるアルデヒド化合物や、色素安定化に適した膜
pHに調整するための緩衝剤や、アンモニウム化合物があ
げられる。又、液中でのバクテリアの繁殖防止や処理後
の感光材料に防黴性を付与するため、前記した各種殺菌
剤や防黴剤を用いることができる。 更に、界面活性剤、螢光増白剤、硬膜剤を加えること
もできる。 本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略
化および迅速化の目的でカラー現像主薬を内蔵しても良
い。内蔵するためには、カラー現像主薬の各種プレカー
サーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,342,59
7号記載のインドアニリン系化合物、同第3,342,599号、
リサーチ・デイスクロージヤー14850号および同15159号
記載のシツフ塩基型化合物、同13924号記載のアルドー
ル化合物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩錯体、
特開昭53−135628号記載のウレタン系化合物をはじめと
して、特開昭56−6235号、同56−16133号、同56−59232
号、同56−67842号、同56−83734号、同56−83735号、
同56−83736号、同56−89735号、同56−81837号、同56
−54430号、同56−106241号、同56−107236号、同57−9
7531号および同57−83565号等に記載の各種塩タイプの
プレカーサーをあげることができる。 本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じ
て、カラー現像を促進する目的で、各種の1−フエニル
−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合
物は特開昭56−64339号、同57−144547号、同57−21114
7号、同58−50532号、同58−50536号、同58−50533号、
同58−50534号、同58−50535号および同58−115438号な
どに記載されている。 本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使用
される。33℃ないし38℃の温度が標準的であるが、より
高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆によ
り低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成
することができる。また、感光材料の節銀のため西独特
許第2,226,770号または米国特許第3,674,499号に記載の
コバルト補力もしくは過酸化水素補力を用いた処理を行
つてもよい。 各種処理浴内には必要に応じて、ヒーター、温度セン
サー、液面センサー、循環ポンプ、フイルター、浮きブ
タ、スクイジーなどを設けても良い。 また、連続処理に際しては、各処理液の補充液を用い
て、液組成の変動を防することによつて一定の仕上がり
が得られる。補充量は、コスト低減などのため標準補充
量の半分あるいは半分以下に下げることもできる。 次に本発明の具体的な処理工程を以下に示すが、本発
明の工程はこれらに限定されるものではない。 1. 発色現像−漂白−(水洗)−定着−(水洗)−(安
定) 2. 発色現像−漂白定着−(水洗)−(安定) 3. 発色現像−漂白−漂白定着−(水洗)−(安定) 4. 発色現像−漂白−漂白定着−定着−(水洗)−(安
定) 5. 発色現像−漂白−定着−漂白定着−(水洗)−(安
定) 6. 発色現像−定着−漂白定着−(水洗)−安定 以上において( )を付した工程は、感材の種類、目
的、用途によつて省略できるが、最終工程で水洗と安定
を同時に省略することは好ましくない。 (発明の効果) 本発明のハロゲン化銀感光材料は、感光性乳剤層の沃
化銀含量を2モル%以下好ましくは1モル%以下とし、
さらに適宜DIRカプラーの選択やその使用量の低減を組
合わせることによつて、優れた色再現性と鮮鋭度を維持
して、なお、迅速現像と迅速な脱銀可能な高感度ネガ型
の感光材料となる。特に発色現像に伴つて感光性ハロゲ
ン化銀から遊離される沃度イオンやDIRカプラーから発
生する現像抑制剤を低減することは、脱銀工程における
EDTA鉄(III)塩による漂白阻害とチオ硫酸ナトリウム
による定着阻害を解消するので、特に塗布銀量の多い高
感度の撮影用ネガ感光材料の迅速な現像処理を可能にし
た。本発明の現像処理方法は、大ラボは勿論ミニラボに
利用すると、待たずに処理完了するネガ処理となり経済
的効果大である。 (実施例) 以下本発明を実施例によつて更に詳しく説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。 実施例1 三酢酸セルロース支持体上に、下記に示すような組成
の各層よりなる試料101を作製した。 第1層:乳剤層 純臭化銀乳剤層(粒子サイズ0.7μ、八面体粒子)銀
塗布量 4.00g/m2 カプラーA 銀1モルに対して 9.0×10-2モル 第2層:保護層 ポリメチルメタアクリレート粒子(直径約1.5μm)を
含むゼラチン層 各層には、上記組成物の他に、ゼラチン硬化剤H−1
及び界面活性剤を添加した。 試料を作成するのに用いた化合物 次に試料101に対し、DIRカプラーを添加、あるいは純
臭化銀乳剤の代りに粒子サイズ、サイズ分布が同じでヨ
ードを均一に1モル%、2モル%、4モル%含む乳剤を
用いることにより表−1に示す組成の試料102〜140を作
製した。 このように作製した試料に、発色現像工程において生
成する現像銀量が1±0.05g/m2となるように露光を与え
たのち、以下の如く処理した。 表−1−2 工 程 処理時間 処理温度 発色現像 3分15秒 38℃ 漂 白 1分 38℃ 定 着 2分 38℃ 水 洗 1分 30℃ 全工程 7分15秒 使用した処理液の組成は以下の如くである。 (発色現像液) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−(N−エチル−β−ヒドロキシエチルアミノ)−
2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0L pH 10.05 (漂白液) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5m 水を加えて 1.0L pH 6.0 (定着液) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸ナトリウム 7.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.0ml 水を加えて 1.0L pH 6.7 尚本実施例における現像銀量は、次の処理を実施した
際に試料中に残留する銀量を螢光エツクス線法で測定し
た値である。 表−1−3 工 程 処理時間 処理温度 発色現像 3分15秒 38℃ 停 止 1分 38℃ 定 着 2分 38℃ 水 洗 1分 30℃ 尚、この処理工程において使用する発色現像液及び定
着液は前記と同じものであり、停止液は次に記すもので
ある。 (停止液) 酢酸(98%) 15ml 水を加えて 1 表−1−2に記載の処理後、各試料中に残留する銀量
を螢光エツクス線法で測定し、結果を表−2に掲載し
た。 (尚、以下本発明の実施例における銀量は、すべて螢光
エツクス線法によるものである。) 表−2から1)DIRカプラーを添加した場合残留銀量
が増加すること、2)DIRカプラーの残留抑制基に水溶
性基がない場合には残留銀量の増加が著しいこと、3)
上記1)、2)の傾向は乳剤のヨード含有量が高くなる
につれて更に大きくなることがわかり、本発明の効果が
達成されることが理解される。 次に試料101〜130を発色現像工程において生成する現
像銀量が、1±0.05g/m2となるように露光を与えたの
ち、以下の如く処理した。 表−3−2 工 程 処理時間 処理温度 発色現像 2分 40℃ 漂白定着 2分 40℃ 水 洗 1分 30℃ 全工程 5分 使用した処理液の組成は次の如くである。 (発色現像液) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 1,3−ジアミノプロパノール 4.0 グルタミン酸ナトリウム 3.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−(N−エチル−β−ヒドロキシエチルアミノ)−
2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0L pH 10.05 尚、本実施例における現像銀量とは、次の表−3−3
に記載の処理を実施した際に試料中に残留する銀量であ
り、各感材について1.00±0.05g/m2個所について、脱銀
性を比較した。なお、定着液は前掲と同一組成である。 表−1−3 工 程 処理時間 処理温度 発色現像 2分 40℃ 停 止 1分 38℃ 定 着 2分 38℃ 水 洗 1分 30℃ 表−3−2に記載の処理後、各試料中に残留する銀量
を螢光エツクス線法で測定し、表−2と同様な結果を得
た。 実施例2 試料101に対し、乳剤調製時に表−3に示す増感色素
を銀1モルに対し4.5×10-4モル添加し、試料202〜217
を作成した。 実施例1と同様に表−1−2に記載の処理後、各試料
中に残留する銀量を螢光エツクス線法で測定し表−4の
結果を得た。表−4から、水溶性基を持たない増感色素
F、Hは残留銀量が多いこと、特にこの傾向は、ヨード
含有量が多い乳剤を使用した時に顕著であることがわか
る。 なお、試料208において増感色素G4.5×10-4モル/銀
1モル添加に加えるに、増感色素Iを1×10-3モル/銀
1モル添加し試料218をえた。感度上昇を伴いつゝ残留
銀量の増加は認められなかつた。 また表−3に示した試料について、表−3−2に記載
の処理を実施後、残留する銀量を螢光エツクス線法で測
定し、表−4と同様な結果を得た。 実施例3 下塗を施した三酢酸セルロースフイルム支持体上に、
下記に示すよう組成の各層よりなる多層カラー感光材料
である試料301を作成した。 (感光層の組成) 塗布量はハロゲン化銀およびコロイド銀については銀
のg/m2単位で表した量を、またカプラー、添加剤および
ゼラチンについてはg/m2単位で表した量を、また増感色
素については同一層内のハロゲン化銀1モルあたりのモ
ル数で示した。 第1層(ハレーシヨン防止層) 黒色コロイド銀 ……0.2 ゼラチン ……1.3 カラードカプラー−C−1 ……0.06 紫外線吸収剤UV−1 ……0.1 同 上 UV−2 ……0.2 分散オイルOil−1 ……0.01 同 上 Oil−2 ……0.01 第2層(中間層) 微粒子臭化銀(平均粒径0.07μ) ……0.15 ゼラチン ……1.0 カラードカプラー−C−2 ……0.02 分散オイルOil−1 ……0.1 第3層(第1赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(沃化銀4モル%、平均粒径0.3μ) ……銀0.4 ゼラチン ……0.6 増感色素I ……1.0×10-4 増感色素II ……3.0×10-4 増感色素III ……1×10-5 カプラーC−3 ……0.06 カプラーC−4 ……0.06 カプラーC−8 ……0.04 カプラーC−2 ……0.03 分散オイルOil−1 ……0.03 同 上Oil−2 ……0.012 第4層(第2赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(沃化銀5モル%、平均粒径0.5μ) ……0.7 増感色素I ……1×10-4 増感色素II ……3×10-4 増感色素III ……1×10-5 カプラーC−3 ……0.24 カプラーC−4 ……0.24 カプラーC−8 ……0.04 カプラーC−2 ……0.04 DIRカプラーD ……0.04 分散オイルOil−1 ……0.15 同 上Oil−3 ……0.02 第5層(第3赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(沃化銀6モル%、平均粒径0.7μ) ……銀1.0 ゼラチン ……1.0 増感色素I ……1×10-4 増感色素II ……3×10-4 増感色素III ……1×10-5 カプラーC−6 ……0.05 カプラーC−7 ……0.1 分散オイルOil−1 ……0.01 同 上Oil−2 ……0.05 第6層(中間層) ゼラチン ……1.0 化合物Cpd−A ……0.03 分散オイルOil−1 ……0.05 第7層(第1緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(沃化銀4モル%、平均粒径0.3μ) ……0.30 増感色素IV ……5×10-4 増感色素VI ……0.3×10-4 増感色素V ……2×10-4 ゼラチン ……1.0 カプラーC−9 ……0.2 DIRカプラーD ……0.018 カプラーC−1 ……0.03 分散オイルOil−1 ……0.5 第8層(第2緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(沃化銀5モル%、平均粒径0.5μ) ……0.4 増感色素IV ……5×10-4 増感色素V ……2×10-4 増感色素VI ……0.3×10-4 カプラーC−9 ……0.25 カプラーC−1 ……0.03 カプラーC−10 ……0.015 DIRカプラーD ……0.02 分散オイルOil−1 ……0.2 第9層(第3緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(沃化銀6モル%、平均粒径0.7μ) ……銀0.85 ゼラチン ……1.0 増感色素VII ……3.5×10-4 増感色素VIII ……1.4×10-4 カプラーC−11 ……0.01 カプラーC−12 ……0.03 カプラーC−13 ……0.20 カプラーC−1 ……0.02 分散オイルOil−1 ……0.20 同 上 Oil−2 0.05 第10層(イエローフイルター層) ゼラチン ……1.2 黄色コロイド銀 ……0.08 化合物Cpd−B ……0.1 分散オイルOil−1 ……0.3 第11層(第1青感乳剤層) 単分散沃臭化銀乳剤(沃化銀4モル%、平均粒径0.3
μ) ……銀0.4 ゼラチン ……1.0 増感色素IX ……2×10-4 カプラーC−14 ……0.9 DIRカプラーD ……0.08 分散オイルOil−1 ……0.2 第12層(第2青感乳剤層) 沃臭化銀(沃化銀10モル%、平均粒径1.5μ) ……銀0.5 ゼラチン ……0.6 増感色素IX ……1×10-4 カプラーC−14 ……0.25 分散オイルOil−1 ……0.07 第13層(第1保護層) ゼラチン ……0.8 紫外線吸収剤UV−1 ……0.1 同 上 UV−2 ……0.2 分散オイルOil−1 ……0.01 分散オイルOil−2 ……0.01 第14層(第2保護層) 微粒子臭化銀(平均粒径0.07μ) ……0.5 ゼラチン ……0.45 ポリメチルメタアクリレート粒子(直径1.5μ) ……0.2 硬膜剤H−1 ……0.4 ホルムアルデヒドスカベンジヤーS−1 ……0.5 ホルムアルデヒドスカベンジヤーS−2 ……0.5 各層には上記の成分の他に、界面活性剤を塗布助剤と
して添加した。以上のようにして作成した試料を301と
した。 次に試料301の第4層、第7層、第8層、第11層のDIR
カプラーDを各々1/3に減じたものを試料302として調製
した。 試料301の第4層、第7層、第8層、第11層のDIRカプ
ラーDを除去したものを試料303として調製した。 試料302の第4層、第7層、第8層、第11層のDIRカプ
ラーDを等モルのDIRカプラーCに変更したものを試料3
04として調製した。 次に試料303の{第3層、第7層}の沃臭化銀乳剤
(沃化銀4モル%、平均粒径0.3μ)を純臭化銀乳剤
(平均粒径0.3μ)に、{第4層、第8層}の沃臭化銀
乳剤(沃化銀5モル%、平均粒径0.5μ)を沃臭化銀乳
剤(沃化銀0.5モル%、平均粒径0.5μ)に{第5層、第
9層}の沃臭化銀乳剤(沃化銀6モル%、平均粒径0.7
μ)を沃臭化銀乳剤(沃化銀1モル%、平均粒径0.7
μ)に、第11層単分散沃臭化銀乳剤(沃化銀4モル%、
平均粒径0.3μ)をアスペクト比5の平板沃臭化銀乳剤
(沃化銀5モル%、平均粒径0.3μ)に、増感色素IXを
銀1モル当り3×10-4モル添加に、第12層沃臭化銀乳剤
(沃化銀10モル%、平均粒径1.5μ)をアスペクト比5
の平板沃臭化銀乳剤(沃化銀1モル%、平均粒径1.5
μ)に、増感色素IXを銀1モル当り1.5×10-4モルに変
更したものを試料305として調製した。 次に用いた化合物の化学構造式または化学名を下に示
した: Oil−1 リン酸トリクレジル Oil−2 フタル酸ジブチル Oil−3 フタル酸ビス(2−エチルヘキシル) このように作製した試料を35m/m巾に裁断したのち各
々に、現像銀量が1±0.05g/m2となるように露光を与
え、表−4に記載の処理を実施した。 表−4に記載の処理は、自動現像機によつて各試料毎
に処理液を新液として開始し、漂白定着液の累積補充量
が、漂白定着タンクの容量の3倍になるまで実施して終
了とした。 次に使用した処理液の組成を記す。 (水溶液)母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カオチン交換樹脂(ロームアンド
ハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型アニオン
交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床
式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン
濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌー
ル酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム1.5g/Lを添加し
た。この液のpH6.5−7.5の範囲にある。 尚、本実施例における現像銀量は、以下の処理実施
後、試料中に残留する銀量である。 表−4−2 工 程 処理時間 処理温度 発色現像 2分 43℃ 停 止 1分 38℃ 定 着 2分 38℃ 水 洗 1分 30℃ 以上において使用した発色現像液は本実施例−3にお
いて前記した発色現像液の母液であり、又停止及び定着
液は、実施例−1に記載したと同様である。 表−4に記載の処理を、前記終了まで実施したのち、
終了時における各試料中の残留銀量を測定し、結果を表
−5に掲載した。 表−5より明らかな様に本発明の試料は、残留銀量が
著しく少ないことがわかる。 次に試料304において、第3層に用いるカプラーC−
3の半量を本発明の化合物(9)にかえ、第4層に用い
るカプラーC−3の半量を化合物(9)、DIR・カプラ
ーCを化合物(11)にそれぞれかえ、第7層と第8層の
DIR・カプラーCを化合物(7)にかえ、第7層のカプ
ラーC−12を化合物(8)にかえさらに第11層のDIRカ
プラーCの半量を化合物(5)にかえて試料306をえ
た。次に試料305において、試料304から306をえたよう
に用いる夫々のカプラーを本発明の化合物(9)(11)
(7)(8)(5)にかえ、さらに第11層に本発明の化
合物(3)を0.08gさらに第6層に化合物(11)を0.0
5、第10層に化合物(11)を0.10追加して使用し、試料3
07をえた。 前試と同様にして残留銀量を求め試料306について3.1
μg/cm2、試料307について1μg/cm2以下の結果をえ
た。 実施例4 塩臭化銀乳剤(A)(塩化物含有量50モル%)を以下
の様にして作成した。 (1)液を55℃に加熱し、(2)液を添加した後、
(3)液と(4)液とを10分間費して同時添加した。更
に10分後(5)液と(6)液を35分間費して同時添加し
た。添加終了5分後、温度を下げて脱塩した。 分散用ゼラチン水溶液を加え、pHを6.2に合わせて平
均粒子サイズ0.72μの単分散立方体塩臭化銀乳剤を得
た。この乳剤に58℃にてチオ硫酸ナトリウム、塩化金酸
およびロダンアンモニウムを添加し、最適の化学増感を
施した。 次に(3)液と(5)液のKBrとNaClのハライト組成
比を変更して、塩臭化銀乳剤(B)(塩化物含有量75モ
ル%)を乳剤(A)と同様にして得た。平均粒子サイズ
0.65μの単分散立方体乳剤であつた。 以上の様にして調製した乳剤(A)および(B)を用
いて、実施例2と同様にして表−6に示す試料を作成し
た。 実施例1と同様に表−1−2記載の処理後、各試料中
に残留する銀量を螢光エツクス線法で測定し表−6の結
果を得た。表−6からは塩化銀含有率の高い本実施例で
は、水溶液基を持たない増感色素F、Hは残留銀量が僅
かに増加する傾向はあるものの残留銀量は極めて少いこ
とが実証された。 実施例5 実施例3において作成した多層カラー感光材料304か
ら乳剤層の乳剤を表−8に示す内容の乳剤に変更した試
料501を作成した。注 塩臭化銀乳剤は、実施例−4に示した方法で、粒子形
成時の温度を変更することにより各種平均粒径を持つも
のを調製した。 次に実施例3と同様にして、現像銀量が1±0.05g/m2
となるように露光を与え表−4に記載の処理を実施し
た。 終了時における試料の残留銀量を測定したところ2.0
μg/cm2という値を得た。本発明の試料に該当する501は
極めて迅速な脱銀が可能であることが確認された。 実施例−6 試料304、501についてJIS規格のスチル写真用カラー
ネガテイブフイルムのISOスピードの求め方(JIS K−
7614−1986)に基き、表−4に記載の処理工程で処理
し、ISO感度を求めたところ試料304はISO感度125を有
し、また試料501はISO感度80を有し、撮影感光材料とし
て充分な感度を有することが確認された。 以下に本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の好
ましい実施態様を述べると、 1)ネガ型ハロゲン化銀乳剤層が、沃塩化銀、沃塩臭化
銀または沃臭化銀から選ばれた粒子を含有する特許請求
の範囲第1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 2)ネガ型ハロゲン化銀乳剤層が塩化銀、塩臭化銀また
は臭化銀から選ばれた粒子を含有する特許請求の範囲第
1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 3)青感性、緑感性および赤感性感光層がいずれも高感
度および低感度のネガ型ハロゲン化銀乳剤層からなる特
許請求の範囲第1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光
材料。 4)緑感性および赤感性感光層は感度の異なる少なくと
も3層のネガ型ハロゲン化銀乳剤層から成り、青感性感
光層は感度の異なる少なくとも2層のネガ型ハロゲン化
銀乳剤層から成る特許請求の範囲第1項記載のハロゲン
化銀カラー写真感光材料。 (5) イエロー色素形成カプラーを含有する青感性乳
剤層、マゼンダ色素形成カプラーを含有する緑感性乳剤
層およびシアン色素形成カプラーを含有する赤感性乳剤
層の少なくとも1層からなる感光層を有する特許請求の
範囲第1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 (6) 最高感度の青感性、緑感性および赤感性ハロゲ
ン化銀乳剤層が平均粒子サイズが0.3ミクロン以下のネ
ガ型ハロゲン化銀粒子を含有する特許請求の範囲第3項
または第4項いずれか記載のハロゲン化銀カラー写真感
光材料。 (7) 最高感度の青感性、緑感性および赤感性ハロゲ
ン化銀乳剤層が平均粒子サイズが0.6ミクロン以上のネ
ガ型ハロゲン化銀粒子を含有する特許請求の範囲第4項
記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 8)感光性ハロゲン化銀の1平方メートル当りの塗布量
が2ないし15gである特許請求の範囲第1項記載のハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。 9)写真感度がISO25ないし6400である特許請求の範囲
第1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 10) 感光性ハロゲン化銀の銀換算塗布量1gあたりDIR
化合物の塗布量が5×10-4モル以下である特許請求の範
囲第1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 11) DIR化合物の塗布量が画像形成用カプラーの単位
面積あたりの塗布量の5モル%以下である特許請求の範
囲第1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 12) 青感性、緑感性および赤感性感光層がいずれも2
モル%以下の平均沃化銀含有率を有するネガ型ハロゲン
化銀乳剤層または乳剤層群を有するハロゲン化銀カラー
写真感光材料である特許請求の範囲第2項記載の現像処
理方法。 13) 青感性、緑感性および赤感性感光層がいずれも2
モル%以下の平均沃化銀含有率を有する沃塩化銀、沃塩
臭化銀もしくは沃臭化銀、または塩化銀、塩臭化銀もし
くは臭化銀から選ばれたネガ型ハロゲン化銀乳剤層また
は乳剤層群を有し、感光層または感光層群が一般式
〔I〕または一般式〔II〕によつて表わされる化合物か
ら撰ばれた少くとも1つの化合物と、一般式〔XV〕によ
つて表わされる残基を有する増感色素とを含有してなる
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 14) 脱銀工程に要する時間が約0.5〜3分である特許
請求の範囲第2項記載の現像処理方法。 15) 脱銀所要時間約3分で5マイクログラム/cm2以上
の残留銀量を生じないようにイ)の平均沃化銀含有率
およびロ)DIR化合物の種類と塗布量を組合せて選ばれ
たカラー写真感光材料とを脱銀処理する特許請求の範囲
第2項記載の現像処理方法。 16) 連続的な処理を行う特許請求の範囲第2項記載の
現像処理方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 俊廣 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 安倍 章 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 高田 俊二 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−28743(JP,A) 特開 昭59−214030(JP,A) 特開 昭62−168153(JP,A) 特開 昭60−260949(JP,A) 特公 昭62−48820(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.透明支持体上に青感性、緑感性および赤感性感光層
    を有し、 i)これらの感光層はいずれも色素形成カプラーを含有
    するネガ型ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層からな
    り、かつ、 ii)これらの感光層中のハロゲン化銀乳剤層又は層群中
    の感光性ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率がいずれ
    も2モル%以下であり、 iii)下記一般式[I]または一般式[II]によって表
    わされる化合物の中から選ばれた少なくとも1つの化合
    物を含有し、 一般式[I] A−(L1−S−Z1−[(L2−Y] 一般式[II] A−(L1−Z2−[(L2−Y] 式中、Aは芳香族第1級アミンの酸化体と反応して −(L1−S−Z1−[(L2−Y]または −(L1−Z2−[(L2−Y]を離脱する残基、 L1はタイミング基、L2は連結基、Yは水素原子、カチオ
    ン、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環
    基を表わす。Z1はヘテロ環基、アリーレン基、アルキレ
    ン基、Z2はヘテロ環基を表わす。aとcは0または1、
    bは1または2を表わす。但し−[(L2−Y]
    は親水性基、水溶性基またはそれらのプレカーサー残基
    を含有する。bが2のとき−[(L2−Y]残基は同
    じでも異なってもよい。 iv)下記一般式[XV]によって表わされる残基を含有す
    る増感色素を含有する 一般式[XV] −(L2−Y 式中、L2、Yおよびcは一般式[I]または一般式[I
    I]のそれと同義である。 ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 2.ハロゲン化銀カラー写真感光材料を露光し、発色現
    像した後脱銀しさらに水洗もしくは安定化処理する現像
    処理において、 (1) このハロゲン化銀カラー写真感光材料が、 透明支持体上に青感性、緑感性及び赤感性感光層を有
    し、 これらの感光層はいずれも色素形成カプラーを含有す
    るネガ型ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層からな
    り、 これらの感光層中のハロゲン化銀乳剤層又は層群中の
    感光性ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率がいずれも
    2モル%以下であり、 下記一般式[I]または一般式[II]によって表わさ
    れる化合物の中から選ばれた少なくとも1つの化合物を
    含有し、 一般式[I] A−(L1−S−Z1−[(L2−Y] 一般式[II] A−(L1−Z2−[(L2−Y] 式中、Aは芳香族第1級アミンの酸化体と反応して −(L1−S−Z1−[(L2−Y]または −(L1−Z2−[(L2−Y]を離脱する残基、 L1はタイミング基、L2は連結基、Yは水素原子、カチオ
    ン、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環
    基を表わす。Z1はヘテロ環基、アリーレン基、アルキレ
    ン基、Z2はヘテロ環基を表わす。aとcは0または1、
    bは1または2を表わす。但し−[(L2−Y]
    は親水性基、水溶性基またはそれらのプレカーサー残基
    を含有する。bが2のとき−[(L2−Y]残基は同
    じでも異なってもよい。 下記一般式[XV]によって表わされる残基を含有する
    増感色素を含有する構成とされるカラー写真感光材料で
    あり、 一般式[XV] −(L2−Y 式中、L2、Yおよびcは一般式[I]または一般式[I
    I]のそれと同義である。 (2) 現像処理時間が1〜9分である、 ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の現
    像処理方法。
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