JP2833706B2 - 焼結性樹脂組成物 - Google Patents

焼結性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、難燃性で低発煙性であり且つ強制燃焼時に
焼結固化性を有する硬質又は軟質の塩素含有樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは、防火用保護管、電力ケーブル
被覆材、防火戸用ガスケット、目地、耐炎チューブホー
ス、樹脂製窓枠などの難燃性及び焼結固化性を要求され
る種々の成形品の原材料として効果的に利用することの
できる、難燃性、低発煙性、焼結固化性等の物性が著し
く改善された塩素含有樹脂組成物に関する。
電力ケーブル、防火用ガラスサッシ戸のガスケットや
目地、又は常に電気火花や熔接火花などに曝されるホー
ス・チューブ類などの合成樹脂成形品、特に軟質成形品
は、ビル火災、地下ケーブル火災、車両火災等の非常時
においてはもちろん、工事建設現場において熔接火花に
曝される場合等において、安全性の点で問題を生ずる場
合が多い。
従来、合成ゴム、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂等に
難燃性を付与する方法及び火災による変形や熔接を防止
する方法としては、三酸化アンチモン等の難燃剤や金属
水酸化物等を添加する方法、無機フィラーを添加する方
法などが試みられている。しかし、これらの方法による
成形品はいづれも火災や火花に曝されると煙が大量に発
生し、あるいは溶融軟化によるいわゆるドリッピングが
著しく、さらに長時間火炎に曝されると燃焼により焼失
したり砂状に崩壊し、成形品の初期の形状が全く失われ
て保護物や被覆物の変形、焼失を阻止し得なかった。ま
た、成形物としての本来の役割を維持しつづけることが
全く不可能となるのが常であった。
例えば合成ゴム製品はゴム弾性があり耐屈曲性に優れ
ているが、可燃性で火災時延焼を助長し、多量の煤を伴
った煙を生じさせる。又耐候性が悪く強度の劣化を防ぐ
ため肉厚に成形する必要があり、成形品の重量が重く作
業性が悪いとかコストが高くなるという欠点もある。
又架橋ポリエチレン等のポリエチレン系の製品は電気
特性や可撓性に優れているが、非常に燃え易く、ケーブ
ルに用いる場合、火災時に燃焼・軟化し、電線から容易
に離脱してしまい、ショート事故など二次災害の原因と
なることがある。
又軟質塩化ビニル樹脂は自消性である点では前2者よ
り優れるが、可塑剤によって難燃性が低下している上に
煙が多く、軟化温度が低いため火災や火の粉などに曝さ
れると直ちに軟化して垂れる。例えば防火戸用ガスケッ
トに用いた場合、火災時ガラス板がガスケットから離脱
して落下する等防火戸としての役割を果せない。さらに
工事現場の耐圧ガスホースやチューブとして用いた場
合、熔接火花がホースに付着すると、その部分が軟化
し、内部の圧力に耐え切れずピンポールを生じてガスが
抜け、耐圧ガスホースとしての機能を失うことなどがあ
る。
従って本発明の目的は、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化
ビニル樹脂などの塩素含有樹脂が有する上記の如き欠点
を改良し、難燃性、低発煙性でかつ火災時などの強制燃
焼においても燃殻が崩壊せずに固く残り、すなわち“焼
結固化性”に優れ、被覆物等から離脱せずに殻を形成し
て断熱被覆、保持等の役割を持続することにより、二次
災害等を防止することのできる特性を有する塩素含有樹
脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行
った結果、塩素化塩化ビニル樹脂に、特定のリンを含む
酸ガラス粉末と難燃耐炎性付与剤とを配合することによ
り、難燃性、低発煙性、焼結固化性等の物性に顕著に優
れた塩素含有樹脂組成物が得られることを見い出し、本
発明を完成した。
かくして、本発明によれば、塩素化塩化ビニル樹脂
に、 (a) P2O5に換算してリンを少なくとも30重量%含み
且つ軟化点が400〜900℃の範囲内にあるリン酸ガラス粉
末と、 (b) 周期律表第II〜V族に属する金属の水酸化物及
び酸化物から選ばれる少なくとも1種の難燃耐炎性付与
剤 を配合してなることを特徴とする焼結固化性に優れた塩
素含有樹脂組成物が提供される。
以下、本発明により提供される樹脂組成物につきさら
に詳細に説明する。
塩素化塩化ビニル樹脂: 塩素化塩化ビニル樹脂としては通常、塩素含有量が約
60〜約72重量%、比粘度(JIS K6721に記載の方法で測
定。以下同じ)約0.20以上のものが好適に用いられる。
特に平均重合度(1,300以上の塩化ビニル樹脂を後
塩素化して得られる塩素含有量が64〜70重量%で、比粘
度が0.24以上の塩素化塩化ビニル樹脂が好適であり、さ
らに特に平均重合度()2,500〜10,000の塩化ビニル
樹脂を後塩素化して得られる塩素含量が64〜70重量%で
比粘度0.4以上そして望ましくは0.5以上の塩素化塩化ビ
ニル樹脂を含む組成物は長時間の火炎にも垂れ、変形や
焼失が少なく強固な焼結残渣となって形状を、維持する
効果が大きく好適である。
以上に述べた塩素化塩化ビニル樹脂はそれぞれ単独で
用いることができ、或いは2種以上混合して使用しても
よい。また、軟質の成形品を目的とする場合には、塩素
化塩化ビニル樹脂は軟質剤と併用することが望ましい。
軟質剤には可塑剤、エラストマー又はこれらの混合物
等が包含され、塩素化塩化ビニル樹脂と適度の相溶性を
有し、配合することにより該樹脂の硬度を低下させ又は
ゴム弾性を向上させる等の目的で用いられる物質であ
る。しかして、可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオ
クチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)等のフタル酸
系可塑剤;りん酸トリクレジル(TCP)、トリオクチル
フォスフェート(TOF)等の含りん系可塑剤(りん酸系
可塑剤);塩素化パラフィン;エポキシ系可塑剤;トリ
メリット酸エステル系可塑剤;高分子エステル系可塑剤
等の各種可塑剤が用いられるが、特に難燃性の点から含
ハロゲン系可塑剤、含リン系可塑剤が好適であり、燃焼
時の溶融垂れ防止という観点から高分子系の可塑剤が特
に好適に用いられる。これら可塑剤の使用量は厳密に制
限されるものではなく、組成物に望まれる硬さ等に応じ
て適宜変えることができるが、後述するエラストマーを
併用しない場合、一般には、塩素化塩化ビニル樹脂100
重量部に対し40重量部以上が望ましく、特に50重量部〜
150重量部就中、70〜120重量部の範囲内が好適である。
一方、上記エラストマーには、例えば、塩素含量30〜
50%で分子量約50,000〜約400,000の塩素化ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレン/酢酸ビ
ニル重量比=85/15〜50/50)及びそのグラフト共重合
体、ニトリルゴム、ポリウレタンエラストマー、エチレ
ン−プロピレン共重合体、MBS(メチルメタアクリレー
ト−ブタジエン−スチレン共重合体)等のゴム成分含有
の共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体、フッ素ゴム、シリコンゴム、及びこれら各種の架橋
(加硫)物等が包含され、これらは単独で又は二種以上
組合せて使用される。これらエラストマーのうちでも塩
素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ニ
トリルゴムが特に好ましい。
上記エラストマーの使用量は臨界的なものではなく樹
脂組成物に望まれる物性等に応じて広範囲にわたり変え
うるが、例えば、可塑剤が併用されない場合には、一般
的に、塩素化塩化ビニル樹脂100重量部に対して20重量
部以上、特に50〜150重量部の範囲内が好適である。
一方、可塑剤とエラストマーを併用する場合は、両者
の合計100重量部を基準にして可塑剤20〜90重量部とエ
ラストマー80〜10重量部を用いるのが好ましく、更に可
塑剤40〜80重量部とエラストマー60〜20重量部を用いる
のが好ましい。
また、エラストマーを配合する場合、樹脂組成物の弾
性を向上させたり、強度や耐熱性等を向上させる等の目
的で、該組成物をさらに架橋剤や過酸化物を配合し、該
エラストマーを少なくとも部分的に架橋させることもで
きる。使用しうる架橋剤としては、例えば、硫黄、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、マ
レイン酸等が挙げられ、また過酸化物としては、例えば
ジクミルパーオキサイド、ベンジルパーオキサイド等が
挙げられる。これら架橋剤又は過酸化物は通常エラスト
マー100重量部に対して0.3〜7重量部、特に1〜4重量
部の割合で配合することができる。
リン酸ガラス粉末 本発明に従い塩素化塩化ビニル樹脂に配合されるリン
酸ガラス粉末は、P2O5に換算してリンを少なくとも30重
量%、好ましくは50〜90重量%、さらに好ましくは60〜
90重量%含むものである。
リン酸ガラスはリン酸を主要成分の1つとするガラス
(無機非晶質の固溶体)であり、他のガラス成分とし
て、CaO、Al2O3、SiO2、Na2SiO3を単独もしくは複数含
むものが好適に使用される。しかして、本発明において
好適に使用されるリン酸ガラスの代表的な組成(酸化物
としての組成)を示せば下記表−1のとおりであり、例
えば(株)ユニオン社からUP−03PH79等の商品名で市販
されているものが挙げられる。
即ち、酸化物の形態において、酸化カルシウム1〜99
重量%、酸化アルミニウム1〜99重量%、酸化リン1〜
99重量%、及び他の金属酸化物0〜99重量%含むガラス
が好適に使用されるが、特に酸化カルシウム2〜50重量
%、酸化アルミニウム2〜50重量%、酸化リン20〜96重
量%を含むガラスが好適であり、さらに好適には酸化カ
ルシウム2〜20重量%、酸化アルミニウム2〜50重量
%、酸化リン30〜70重量%を含み、さらに酸化ケイ素、
酸化ホウ素、酸化ジルコン等の無機酸化物を20〜50重量
%含むガラスである。
以上に述べたリン酸ガラス粉末は一般に平均粒径が10
0μ以下、好ましくは50μ以下、さらに好ましくは30〜
0.5μの微細粉末の形で、必要によってはシラン処理な
どの表面処理を行い塩素化塩化ビニル樹脂に配合され
る。また、該リン酸ガラス粉末は、配合する樹脂の溶融
成形温度では溶融、軟化したり分解したりしないが、火
災時など強制燃焼時の温度においては溶融し、炭化物の
灰化を防ぐことが望ましく、軟化点が900℃以下、好ま
しくは700℃以下、さらに好ましくは400〜600℃の範囲
内にあるものが好適である。
難燃耐炎性付与剤 本発明の組成物において上記無機固体粉末と組合せて
使用される難燃耐炎性付与剤は、該組成物に難燃性、耐
炎性を付与するための薬剤であり、元素の周期律表第II
〜V族に属する金属、例えばMg、Al、P、Ca、Zn、Sc、
Ga、Ge、Ti、As、V、Sn、Cd、In、Sr、Zr、Sb、Ba、P
b、HgBiなどの金属の水酸化物及び酸化物から選ばれる
ものが使用される。
そのような水酸化物及び酸化物の具体例には、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化バリウム、などの水酸化物;酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉛、三
酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコン、酸化亜鉛
などの酸化物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用
いてもよく或いは2種以上組合わせて使用してもよい。
本発明においては特に、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、三酸化アン
チモンを用いるのが好適である。
これらの付与剤の粒子径は特に限定されるものではな
いが、一般に平均粒径が100μ以下、好ましくは20μ〜
0.5μのものが好適に使用される。
その他の添加物 本発明の樹脂組成物には、以上に述べた金属含有無機
固体粉末と難燃耐炎性付与剤の2つの必須成分に加え
て、必要に応じて、この種樹脂組成物に通常用いられて
いる添加物を通常用いられている量で配合することがで
きる。
例えば、三塩基性硫酸鉛、二塩基性硫酸塩、ステアリ
ン酸鉛等の鉛系安定剤;ジブチル錫マレート、ジブチル
錫ラウレート、ジブチル錫メルカプタイド、ジオクチル
錫メルカプタイド等の錫系安定剤;エポキシ系安定剤;
カルシウムステアレート、バリウムステアレート、亜鉛
ステアレート、カドミウムステアレート等の金属石け
ん;ステアリン酸、低分子量ポリエチレン、ブチルステ
アレート、グリセリンモノステアレート、高級アルコー
ル、ステアリン酸アマイド、やその他ワックス類、高級
脂肪酸のエステル類、などの滑剤;ポリメチルメタアク
リレート等の加工助剤;紫外線吸収剤、帯電防止剤等が
用いられる。
これらの配合剤の添加量は通常、塩素含有樹脂100部
に対し、安定剤及び金属石けんは0〜15部、滑剤は0〜
10部、加工助剤は0〜6部の範囲内が好適である。
樹脂組成物の調製 本発明の樹脂組成物は、塩素化塩化ビニル樹脂に前記
のリン酸ガラス粉末及び難燃耐炎性付与剤、並びに必要
に応じて、上記他の添加物を配合し、常法に従い、例え
ばスーパーミキサー、リボンブレンダー、ロールブレン
ド、擂潰機、バンバリーミキサーなどのブレンダーで混
合し、熱可塑性プラスチックの一般的な成形加工法に従
って成形加工して後述する各種用途に利用することがで
きる。
その際用いられるリン酸ガラス粉末及び難燃耐炎付与
剤の配合量は、これら配合成分の種類や樹脂組成物の用
途等に応じて広い範囲にわたり変えることができるが、
一般的には塩素化塩化ビニル樹脂100重量部当り下記に
示す配合量で使用することができる。
以上の如くして調製される本発明の樹脂組成物は、硬
質及び軟質のいずれのタイプであってもよいが、特に軟
質タイプである場合はJIS−A硬度で表示して硬さが99
以下、好ましくは25〜95、更に好ましくは30〜90、就中
40〜80の範囲内にあることが望ましい。従って例えば、
本発明の組成物をガスケットに使用する場合、JIS−A
硬度が50〜70となるように、そして電線シースに使用す
る場合、JIS−A硬度が70〜90となるように該組成物の
組成を調整することが好都合である。
かくして、本発明の組成物は通常、軟質タイプである
場合は、柔軟でゴム弾性に優れた特性を具備しているに
も拘らず、火災等で長時間火災に曝された場合でも、優
れた難燃性と低発煙性を有し、かつ強制燃焼しても変
形、焼失し難く強固な焼結残渣を形成して火災を遮蔽す
る特性を有する。
又本発明の組成物は、硬質タイプである場合において
も、同様の難燃性、少煙性、焼結性を有する。
本明細書における組成物の硬さを表わすJIS−A硬度
は次のようにして測定することにより求められる値であ
る。
JIS K6301の5に規定するスプリング式硬さ試験機の
A形を用い、約25×70mmの試験片(厚さ3mm)を5枚水
平に重ね、該硬さ試験機を水平に保持し、押針が試験片
測定面に垂直になるように加圧面を軽く接触させ、接触
後1秒以内に目盛を読み硬さを求める。
本発明の樹脂組成物は防炎性、難燃性、耐火変形性焼
結残渣固化性、燃焼時殻形成性、少煙性、溶融垂れ防止
性、ゴム弾性、耐候性などに優れており、軟質タイプで
は、例えば、電線被覆や電力ケーブルシース、車両用ガ
スケット、防火用ガラスサッシ戸のガスケット、各種の
パッキング、目地材、耐火用ホース・チューブ、緩衝
材、容器、フイルム、レザー、発泡レザー、ラミネート
シート、壁材、天井材、床材、等の各種の用途分野で使
用することができまた、硬質タイプでは、例えば家電パ
ーツ、樹脂製窓枠スプリンクラー用配管各種電線防護管
等の用途分野で使用することができる。
また、本発明の樹脂組成物は繊維や繊維布等の繊維製
品の1部又は全体を被覆することができ、それによって
難燃性の繊維製品とすることもできる。被覆しうる繊維
製品としては例えば、天然繊維、半合成繊維、合成繊
維、無機繊維なと任意の繊維、またはこれら繊維で構成
された繊維布等が挙げられ、例えば植物繊維、動物繊
維、鉱物繊維などの天然繊維;金属繊維、ガラス繊維、
岩石繊維、鉱滓繊維、炭素繊維などの無機繊維;ビスコ
ースレーヨン、ニトロセルロース、アセテート、酸化ス
フ等のセルロース系繊維;ポリアミド系繊維、ポリエス
テル系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリエチレン系繊
維、ポリプロピレン系繊維、ポリスチレン系繊維、ポリ
塩化ビニル系繊維、ポリフロルエチレン系繊維、ポリア
クリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維などの合成
繊維が好適に使用される。
また繊維製品に用いられる繊維の太さは一般に10〜10
00デニールの範囲内が好適に使用され、100〜500デニー
ルの範囲内が特に好適である。
繊維基布の密度は10本×10本/インチ〜100本×100本
(インチ)が好適である。
特に無機繊維中の炭素繊維ガラス繊維や雲母・アスベ
スト繊維、岩石繊維や、合成繊維中のテフロン繊維は難
燃性に優れ、好適に使用される。
本発明の樹脂組成物で被覆された難燃繊維布は防炎性
であり且つ強制燃焼時においても発煙性が少なく、燃焼
による熔融垂れや焼失に対する耐性に優れており、例え
ば、車両用レザー、船舶用帆布、建設現場用防火カーテ
ン、発泡レザー、壁材、天井材、床材等に有利に利用す
ることができる。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例中「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び
「重量%」を意味する。
実施例1 (A)塩素含有樹脂として塩素含量(Cl)68%及び比
粘度(η)0.57の塩素化塩化ビニル樹脂100部、軟質剤
としてトリオクチルフオスフエート(可塑剤)50部、安
定剤として三塩基性硫酸鉛4部、二塩基性ステアリン酸
鉛1.5部及びステアリン酸鉛1部から構成される熱可塑
性樹脂配合物に、(B)リン含有の金属含有無機固体粉
末として平均粒径30μ及びP2O5含量58.8%のリン酸ガラ
ス粉末20部、及び(C)難燃耐炎性付与剤として水酸化
アルミニウム粉末20部及び三酸化アンチモン20部を加
え、これらを石川式擂潰機にて110℃で20分混合した
後、150〜190℃に調整された8″φのミキシングロール
にて10分間混練し、0.55mm厚さのロールシートを製造し
た。このロールシートを所要枚数積層し、170〜200℃に
調整されたプレス機にて所要厚みのプレス板(試料)を
成形し、後述する試験例に示す方法にて各特性を評価し
た。
実施例2〜5 (A)塩素化塩化ビニル樹脂及び軟質剤、(B)リン
酸ガラス粉末、並びに(C)難燃耐炎性付与剤を後記表
−2に示す成分及び量とする以外は、実施例1と同じ安
定剤の種類及び量を使用し且つ実施例1におけると同様
の操作を行ないプレス板(試料)を成形し、各特性を評
価した。
比較例1〜5及び7 (A)塩素含有樹脂及び軟質剤、(B)リン含有の金
属含有無機固体粉末並びに(C)難燃耐炎性付与剤を後
記表−3に示す成分及び量とする以外は、実施例1と同
じ安定剤の種類及び量を使用し且つ実施例1におけると
同様の操作を行ないプレス板(試料)を成形し、各特性
を評価した。
比較例6 表−3に示すように、(A)塩素含有樹脂、軟質剤及
び安定剤の代りにウレタン樹脂を100重量部用いる以外
は、実施例1と同様にしてプレス板(試料)を成形し、
各特性を評価した。
但し、表−3に示す比較例の配合中−で示す成分は添
加されなかったことを示す。
実施例1〜5及び比較例1〜7で成形した試料の評価結
果を表−4及び表−5にまとめて示す。
なお、上記実施例及び比較例に用いた配合物の詳細は
表−6に示すとおりである。
[試験方法] 前記実施例1〜5及び比較例1〜7において得られた
プレス板試料を、以下の試験方法により評価した。
(1)硬度 JIS K6301の第5項に規定するスプリング式硬さ試験
機のA形を用いる。約25×70mmの試験片を厚さ12mm以上
になるように水平に重ね、硬さ試験機を水平に保持し、
押針が試験片測定面に垂直になるように加圧面を軽く接
触させる。接触後1秒以内に目盛を読み硬さを求める。
(2)燃焼性 厚さ3mm、巾30mm、長さ100mmの試験片を横向きにセッ
トしたプロパンガスバーナの火災が垂直にあたるように
バーナー噴出口より150mmの位置に支持し、試験片の中
央部に前記プロパンガスバーナの火炎(火炎の径40mmφ
火炎の長さ200mm)を直接当て、試験片中央の表面温
度が約800±10℃となるように炎と試験片の距離を調節
する。試験片がバーナーの炎に曝され始めた時の煙の発
生量を肉眼で比較し、極小、小、やや多、多い、非常に
多いの5ランクに分けて評価した。さらに試験片をバー
ナーの炎に10分間曝し続け、この間に試験片の過半部分
が焼失又は溶融垂れなどにより欠落する場合はその欠落
時間と試験片の状態を記録した。また、10分間の強制燃
焼にも拘らず試験片の過半部分が欠落せずに残渣として
残存する場合は、この残渣の焼結固さの測定及び状態変
化の観察を下記のようにして行った。
焼結固さ:ステンレス板の上に約10mm角の残渣サンプル
を乗せ、15mmφの平板アダプターを装着した押圧計[ア
イコーエンジニアリング(株)製、プッシュゴルゲー
ジ]にて押圧し、破壊を生ずる最低の荷重を測定する。
5個のサンプルにつき測定し平均値を焼結固さの評価と
する。但し、形状を保てず測定できないものは−印で示
した。
状態変化:残渣サンプルの発泡状態、剥離、膨脹、ひび
割れ等の程度を観察する。
但し触わると形状を保てないものは−印で示した。
(3)酸素指数 厚さ2mm、巾60mm、長さ150mmの試験片を用いJIS K72
01に規定する試験方法にて酸素指数を測定した。
(4)耐候性試験 厚さ2mm、巾60mm、長さ100mmの試験片をアルミ板に取
り付け、屋外南面45゜の状態にて1年間の屋外曝露を行
い、曝露前に対する伸び残率を求めた。
(5)ゴム弾性 圧縮試験:添付の第1図に示す如く、厚さ3mm、巾3.5
cm、長さ8cmの試片a[第1図上(1)]を、長さの方
向の中央でほぼ180゜に折り曲げて固定する[第1図上
(2)]。20分後に固定を解除し、さらに2分後に試片
aの試験前に対する固定解除時の復元残角度α[第1図
上(3)]を測定してゴム弾性の評価とした。
(6)加熱老化試験 厚さ3mm、巾30mm、長さ50mmの試験片を200℃に調整し
たギヤオーブン中で60分加熱し、呈色変化、表面の発泡
性を観察した。
(7)耐炎性 試験片(300×300mmのラミネートシート)を横向きに
セットしたプロパンガスバーナの火炎が垂直にあたるよ
うにバーナー噴出口より150mmの位置に支持し、試験片
の中央部に前記プロパンガスバーナーの火炎(火炎の長
さ200mm)を直接当て、煙の発生状況及び炎がシートを
貫通するに要する時間、及びシートの変形の程度を評価
した。
(8)耐熔鉄性 約3mmφの鉄棒の先端を酸素−アセチレンガスバーナ
ーで熔融させ、約5mmφ球の熔鉄粒として300mm×300m
m、厚さ1mm、ラミネートシート中央付近に散在するよう
に5粒滴下し、煙量(煙の発生の多少)、燃焼時間(熔
鉄粒がラミネートシートに接触後火災が発生してから消
えるまでの平均時間)、欠落面積(自然冷却後熔鉄粒に
よって熔融・燃焼などにより欠落貫通した部分の平均面
積)につき測定した。
(9)外観・風合 ラミネートシート表面の平滑性、可塑等のブリードの
有無やベタツキ、手触りなど風合の良し悪しを観察し、
問題があるものは“不良”、問題のないものを“良好”
とした。
以上の結果より、本発明の樹脂組成物及び成形品は、
極めて難燃性、少煙性であるばかりではなく、火炎に長
時間曝されても燃え殻が崩壊せずに固く残り、すなわ
ち、焼結固化性に優れており、被覆物等から離脱し難
く、殻を形成することにより内部の断熱、被覆、保持、
保護等の防炎材、防火材としての役割を持続する効果が
優れることが明らかである。
実施例A及び比較例A (アミ入りガラスアルミサッシの実用例) 高重合度塩化ビニル樹脂を後塩素化し、塩素含量68
%、比粘度0.57とした塩素化塩化ビニル樹脂100部と、
軟質剤としてトリオクチルフオスフエート(可塑剤)70
部及び塩素含量35%の塩素化ポリエチレン(エラストマ
ー)50部、並びに加工安定剤として三塩基性硫酸鉛5.0
部、二塩基性ステアリン酸鉛2.0部、ステアリン酸鉛2.0
部、ワックス系滑剤2.0部及び顔料3.0部を加えヘンシエ
ルミキサーにて混合し熱可塑性軟質樹脂コンパウンド
(A)を得た。このコンパウンド(A)にさらに(B)
平均粒径50μで軟化点552℃のリン酸ガラス粉末(P2O5
=58%)100部及び(C)難燃性強化剤として水酸化ア
ルミニウム100部と三酸化アンチモン20部を加え、ヘン
シエルミキサーにて混合した。この混合コンパウンドよ
り65mmφ2軸押出機を用いてガスケット成形を行った。
得られたガスケットの特性及びこのガスケットを装着し
たアルミサッシガラス戸の特性は表−7のとおりであっ
た。
即ち、ガスケット製造における加工生産性、外観は共
に良好であり、またアルミサッシへの装着作業性が良好
であった。大型バーナーを用いて強制燃焼試験を行った
ところ本発明のガスケットを装着したアルミサッシガラ
ス戸は塩ビ系の一般市販のアルミサッシガラス戸に比較
し燃え難く溶融滴下し難く垂れ難く、ガスケット焼結物
を形成してガラスがアルミサッシから離脱するのを防ぐ
効果が大きいことが判った。
実施例B 塩素化塩化ビニル樹脂(比粘度0.3ηsp、塩素含量68
%)100部、トリオクチルフオスフエート90部、塩化ポ
リエチレン(塩素含量35%)60部、平均粒径30μ及びP2
O5含量58.8%のリン酸ガラス粉末100部、三酸化アンチ
モン50部及び水酸化アルミニウム100部を石川式擂潰機
にて混合した後、8″φミキシングロールにて混練した
混合物を用い8″φ×4本、逆L型カレンダーロールに
て厚さ200μのフイルムを作成した。一方250デニール、
31×30本/インチのポリエステル繊維基布を準備し、基
布の上下にフイルムを重ねて150〜180℃に調整したプレ
ス機によりプレス形成し、厚さ約400μのラミネートシ
ートを作成した。得られたシート(難燃繊維布)につい
て難燃性試験を実施したところ、難燃性酸素指数(JIS
K7201)41、耐炎性貫通時間32秒、耐熔鉄性、外観風
合、硬度いずれも優れた物性を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る成形品の圧縮試験の態様を示す説
明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:40)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩素化塩化ビニル樹脂に、 (a)P2O5に換算してリンを少なくとも30重量%含み且
    つ軟化点が400〜900℃の範囲内にあるリン酸ガラス粉末
    と、 (b)周期律表第II〜V族に属する金属の水酸化物及び
    酸化物から選ばれる少なくとも1種の難燃耐炎性付与剤 を配合してなることを特徴とする焼結固化性に優れた塩
    素含有樹脂組成物。
  2. 【請求項2】塩素化塩化ビニル樹脂が、平均重合度1300
    以上の塩化ビニル樹脂を後塩素化して得られる塩素含有
    量が64〜70重量%で比粘度が0.24以上の塩素化塩化ビニ
    ル樹脂である特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】塩素化塩化ビニル樹脂がさらに軟化剤を含
    有する特許請求の範囲第1又は2項記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】リン酸ガラス粉末の平均粒径が50μ以下で
    ある特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】難燃耐炎性付与剤が水酸化アルミニウム、
    水酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化アルミニウム及び三
    酸化アンチモンから選ばれる特許請求の範囲第1〜4項
    のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】難燃耐炎性付与剤の平均粒径が100μ以下
    である特許請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の樹
    脂組成物。
  7. 【請求項7】塩素化塩化ビニル樹脂100重量部に対し
    て、 (a)リン酸ガラス粉末 5〜100重量部 及び (b)難燃耐炎性付与剤 10〜100重量部 を含有する特許請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載
    の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】硬さ(JIS−A硬度による)が99以下の軟
    質のものである特許請求の範囲第1〜7項のいずれかに
    記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1〜8項のいずれかに記
    載の樹脂組成物で構成されたガスケット、目地又はパッ
    キング。
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