JP2829768B2 - スパークプラグとプラグキャップの接続構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、内燃機関に使用する、特にヒーターや圧
力センサー等の機能を内蔵するスパークプラグとプラグ
キャップとの接合構造に関する。

（従来の技術） 近年、内燃機関の高性能化にともなって、内燃機関に
使用するスパークプラグには、ヒーターや圧力センサー
等の機能を内蔵するスパークプラグの使用が提案されて
おり、このとき、スパークプラグ内に内蔵されたヒータ
ーや圧力センサー等の機能を制御するために、スパーク
プラグにおける主体金具上部の絶縁体にプラグ側電極部
を周設し、このプラグ側電極に嵌合するようにプラグキ
ャップ内壁にキャップ側電極部を内設して電気的導通を
図るものが一般的である。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のものは、スパークプラグ内
のヒーターや圧力センサー等の機能を制御するための電
気的導通を図るため、上記のとおり絶縁体の主体金具上
部にプラグ側電極部を周設し、このプラグ側電極に対し
てプラグキャップ内壁に内設したキャップ側電極部を嵌
合させてなるものであるから、プラグキャップを繰り返
し着脱すると、キャップ側のプラグ側電極部に嵌合する
キャップ側電極部が摩耗し、確実にプラグ側電極部とキ
ャップ側電極部との接触が行なわれず、電気的導通が確
実にできなくなり、スパークプラグの諸機能を正確に制
御することができなくなる恐れがある。

そのため、プラグ側電極部とキャップ側電極部との嵌
合を常に確保できるように圧接力を高めるためスパーク
プラグの径方向を拡大することが考えられるが、近年の
内燃機関の高性能化にともなって内燃機関に取り付けら
れる補機類が増加していることから、内燃機関に径大化
したプラグキャップの装着する余地を確保できない欠点
がある。

そこで、この発明は上記従来のものの持つ欠点を改善
するものであり、最小限の空間で多機能を有するスパー
クプラグにおけるプラグキャップとの電気的導通を確実
に確保することができるようにするものである。

（課題を解決するための手段） そのために、絶縁体の主体金具上部の外周に段部を形
成するとともに、上記段部上にスパークプラグ内に内蔵
する諸機能のプラグ側電極部を配置し、このプラグ側電
極部に対してプラグキャップ内に内設する発条体である
キャップ側電極バネを圧接してなるものである。

（作用） 上記構成を具えるので、絶縁体の主体金具上部の外周
に段部を形成するとともに、上記段部上にスパークプラ
グ内に内蔵する諸機能のプラグ側電極部を配置したスパ
ークプラグに対して、プラグキャップを装着することに
よって、上記プラグキャップに内設する発条体であるキ
ャップ側電極バネが、絶縁体に形成される段部上のプラ
グ側電極部に当接するので電気的導通を確実に確保する
ことができ、更にこの段部上のプラグ側電極部に当接す
るキャップ側電極バネが発条体であるので、常にプラグ
側電極部に圧接されることになり、安定した制御を行な
うことができる。

（実施例） この発明を図に示す実施例により更に説明する。
（１）は、この発明の実施例である内燃機関に装着され
るスパークプラグであり、このスパークプラグ（１）
は、先端に発火部電極（３）を具え、後端に端子電極
（４）を保持する絶縁体（２）とその発火部電極（３）
の対向する位置に外側電極（６）を設けてなる主体金具
（５）から構成されるものであり、上記絶縁体（２）の
脚部（７）の外周に配設するヒーター（８）のためにリ
ード部（11）を介して、主体金具（５）上部の絶縁体
（２）外周に形成する段部（９）の上面にプラグ側電極
部（10）を配置してなるものである。

一方、このスパークプラグ（１）に対して装着される
プラグキャップ（13）は、ハイテンションコード（14）
の先端に、スパークプラグ（１）の端子電極（４）に嵌
着するハイテンションターミナル（15）を設け、このハ
イテンションターミナル（15）と共に一体に被覆するよ
うに樹脂によって形成され、その内側には上記スパーク
プラグ（１）のコルゲーション（12）に密着する耐フラ
ッシュオーバー用の内部ゴム部（16）と共に、キャップ
側リード（17）によって外部と電気的導通を図る発条体
であるキャップ側電極バネ（18）が付設され、さらにそ
の開口部（19）には防水ゴム（20）が装着される。

そして、このプラグキャップ（13）内側に内部ゴム部
（16）と共に付設される発条体であるキャップ側電極バ
ネ（18）は、スパークプラグ（１）の主体金具（５）上
部の絶縁体（２）の外周に形成する段部（９）の上面に
配置するプラグ側電極部（10）と弾性をもって当接して
なるものである。

この発明が以上の構成を具えるので、スパークプラグ
（１）に対してプラグキャップ（13）を装着することに
よって、スパークプラグ（１）としての電気的導通は、
ハイテンションコード（14）の先端に設けられたハイテ
ンションターミナル（15）が絶縁体（２）に保持される
端子電極（４）に嵌合することで確保されると共に、プ
ラグキャップ（13）内に付設される発条体であるキャッ
プ側電極バネ（18）は、主体金具（５）上部の絶縁体
（２）の外周に形成される段部（９）の上面に配置す
る、プラグ側電極部（10）に、弾性を以て当接すること
で、電気的導通を確実に確保することができる。このプ
ラグ側電極部（10）は絶縁体（２）の脚部（７）のヒー
ター（８）にリード部（11）により連絡される。

更にこの段部（９）上のプラグ側電極部（10）に当接
するキャップ側電極バネ（18）が発条体であるから、プ
ラグキャップ（13）装着と同時に弾性を以てプラグ側電
極部（10）に圧接されることになり、繰り返しの着脱に
よる摩耗や振動等によって、キャップ側電極バネ（18）
とプラグ側電極部（10）との当接面が離れ易くなって
も、この弾性を以て当接されているキャップ側電極バネ
（18）の伸長により、それらの当接面における電気的導
通が容易に図れることになり、スパークプラグ（１）に
内蔵する諸機能（圧力センサー等）を正確にしかも安定
してキャップ側リード（17）を介して制御することがで
きるものである。

なお、プラグキャップ（13）の開口部（19）に装着さ
れる防水ゴム（20）は、プラグキャップ（13）をスパー
クプラグ（１）に装着した場合に、スパークプラグ
（１）の主体金具（５）上部の絶縁体（２）の表面と密
着して、水分の侵入等による腐食を防止し、プラグ側電
極部（10）とキャップ側電極バネ（18）との間の電気的
導通を確保し、一定に均一なものすることができるもの
である。

（発明の効果） 以上のとおり、スパークプラグに内蔵する諸機能に対
するプラグ側電極部を主体金具上部の絶縁体に形成する
段部に配置し、このプラグ側電極部にプラグキャップ内
に付設するキャップ側電極バネを弾性を以て圧接するこ
とで相互の電極の当接を確実に図ることができるから、
安定した制御を行えると共に、装着に必要な空間を最小
限のものとすることができるので、近年の高性能化する
内燃機関に十分に対応することができる優れた効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例である内燃機関に使用される
スパークプラグの部分断面図、第２図はそのスパークプ
ラグに装着するプラグキャップの要部拡大断面図、第３
図はプラグキャップ装着状態を示す断面図である。 １……スパークプラグ、２……絶縁体 ５……主体金具、７……（絶縁体）脚部 ８……ヒーター、９……段部 10……プラグ側電極部、11……リード部 13……プラグキャップ 16……内部ゴム部、17……キャップ側リード 18……キャップ側電極バネ、19……開口部 20……防水ゴム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−272073（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−283786（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−112187（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−40887（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−148634（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H01T 13/04 H01T 13/06 H01T 13/40

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】主体金具上部の絶縁体外周に段部を周設す
   ると共に、上記段部上にプラグ側電極部を配置し、この
   プラグ側電極部にプラグキャップ内に内設するリード線
   先端のキャップ側電極バネを圧接してなるスパークプラ
   グとプラグキャップの接続構造。