JPH029507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ターミナルの接続装置に係り、特に
自動車用各種センサのリード線接続部などに用い
られるターミナルの接続装置に関するものであ
る。

従来のこの種の装置として第１図の断面図に示
す如き構造のものが知られている。

図示の従来装置は、水温計（ウオータゲージ）
用のセンサの例で、１は小径部１ａと大径部１ｂ
とからなる有底の円筒状をなす黄銅製の支持ケー
ス、２はサーミスタエレメントであり、支持ケー
ス１の底部に設置されることでその一端が支持ケ
ース１に電気的に接触されている。３は支持ケー
ス１の小径部１ａの内壁に沿つて設けられた絶縁
紙である。

４はベーク材からなる絶縁座、５はゴムなどの
絶縁体からなるターミナルパツキン、６はベーク
材などの絶縁材からなるリング状のモールド剤受
枠であり、これらは支持ケース１の小径部１ａと
大径部１ｂとの間の段部１ｃ上に順番に重ねら
れ、支持ケース１の開口部を内方へ折曲すること
により段部１ｃに保持されている。絶縁座４、タ
ーミナルパツキン５、受枠６の中央には孔４ａ，
５ａ，６ａがそれぞれあけられており、これらの
孔４ａ，５ａ，６ａには黄銅製のターミナル７が
挿通されている。ターミナル７は、その受枠側端
にリード線８が半田付Ｘなどによつて接続され、
このターミナル接続部を覆うように受枠６の凹部
６ｂに充填した合成樹脂の如き電気絶縁材料から
なるモールド剤９により支持ケース１の先端部中
央に固定されている。このターミナル７のケース
内側端は、サーミスタエレメント２の他端に電気
的に接触された導電材料からなるエレメント押え
１０との間に縮設された導電材料からなるスプリ
ング１１を介してサーミスタエレメント２の他端
に電気接続されている。

以上の構成の装置を自動車のラジエータなどに
取付けることにより、サーミスタエレメント２の
一端がケース１を介してアースされ、第２図に示
すような等価回路が形成される。

これにより、ターミナル接続部を受枠６の上端
との間に一定以上の距離をおいて、接続部に対す
る防水機能の信頼性を向上させるとともに接続部
の強固な固定及び保護を図つているのである。

しかし乍ら上記従来例にあつては、内径の比較
的小さな凹部６ｂの底部に位置するターミナル７
に対してリード線８を挿入しながら先端を半田付
Ｘしなければならないため、作業性が悪く、また
半田付不良やリード線の絶縁被覆部分の熱変形、
絶縁破壊等の不良を招く恐れがある。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、タ
ーミナルとリード線の接続作業を容易にするとと
もに、製品の信頼性を向上させたターミナルの接
続装置の提供を目的としている。

以下に本考案に一実施例を図面に基づいて説明
するが、第１図と同一の部分には同一の符号を付
している。

第３図は本考案実施例の部分断面図であり、従
来例と同様の黄銅製の支持ケース１の先端には第
１のモールド剤受枠６′が設けられており、該受
枠６′の中央にはターミナル７が装着されている。
この受枠６′はターミナル１２の先端よりも上方
には突出しない周壁６′ａを有し、周壁６′ａの外
周面はテーパ面６′ｂとして形成されている。第
４図に拡大して示すようにこの受枠６′には環状
の第２のモールド剤受枠６″が取り付けられる。
受枠６″は内壁をテーパ面６″ａとしており、この
テーパ面６″ａが前記受枠６′のテーパ面６′ｂと
圧入により緊密に嵌合し、受枠６″の上端はター
ミナル７とリード線８との半田付Ｘによる接続部
より上方に位置し、受枠６″と受枠６′とで凹部６
ｃを形成する。そしてこの凹部６ｃ内に合成樹脂
の電気絶縁材料からなるモールド剤９が充填され
る。

上記構造の接続手順は次の通りである。受枠
６′を支持ケース１と一体化した状態で、ターミ
ナル７にリード線８を半田付けする。この際ター
ミナル７の先端は受枠６′の上端より突出してい
るため半田付け作業は極めて容易であり、リード
線８の絶縁被覆を剥す恐れはない。また半田ごて
を側方より挿入できるから、先端の細い特殊な半
田ごて等を用いる必要もない。

次に受枠６″を受枠６′の周壁６′ａに圧入嵌合
し、凹部６ｃを形成し、この凹部６ｃ内にモール
ド剤９を注入する。これによりターミナル７とリ
ード線８との接続部は従来と同様に受枠の先端よ
り距離をおいて設けられるとともにモールド剤９
により被覆されるから、確実に保護固定される。
また受枠６″の装着はテーパ面６′ｂ及び６″ａに
よつて、単なる圧入によりなされるから、その作
業は容易である。

尚上記実施例においては、前記受枠６″の内壁
上部に内側へ突出する段部６″ｂを形成している。
これは凹部内に充填したモールド剤９が容易に脱
落しないようにするためのものである。

本考案は以上の如くであり、ターミナルを支持
する第１の受枠とこの受枠に装着した第２の受枠
とで電気絶縁性材料を充填する凹部を形成したこ
とを特徴としている。従つて、ターミナルとリー
ド線との半田付け作業は容易であり、リード線の
絶縁被覆部分を誤つて剥すこともなく、接続部分
の防水及び絶縁保護は確実であつて、製品の信頼
性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のターミナル接続装置を適用した
センサの一例を示す断面図、第２図は同センサの
取付時の電気回路を示す図、第３図は本考案実施
例の一部断面図、第４図は本考案実施例の要部拡
大断面図である。 １……支持ケース、７……ターミナル、６′，
６″……受枠、８……リード線、６ｃ……凹部、
９……モールド剤、Ｘ……半田。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 凹部内で半田付けされて互いに接続されたター
   ミナルとリード線との接続部を凹部内に充填した
   電気絶縁性の材料で保護するようにしたターミナ
   ルの接続装置において、 前記ターミナルを支持する第１の受枠と、この
   第１の受枠に装着した第２の受枠とで電気絶縁性
   の材料を充填する前記凹部を形成したことを特徴
   とするターミナル接続装置。