JP2827348B2 - 移動農機の水平制御装置 - Google Patents

移動農機の水平制御装置

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道男 石川
雅博 黒河
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、車体の左右傾斜に基づいて左右の走行装
置を車体に対して各別に昇降させて、車体を左右水平状
に維持制御する水平制御装置を備えたコンバインに関す
る。
従来の技術、および発明が解決しようとする課題 水平制御に関して、実開昭61−129681号で車体の傾斜
角度を検出して車体を水平にする技術が開示されてい
る。
しかし、車体の傾斜姿勢を検出して水平制御をするコ
ンバインにおいては、車体が左右水平状に維持制御され
るものであるから、左右走行装置が走行する土壌面の左
右方向の実際の傾斜姿勢に対して、オペレータが感じて
いる傾斜姿勢との間には差があり、車体に対して一方の
走行装置が下限近くにあって、他方が上限に近い位置に
あることを気付かない場合がある。
このように、水平制御の限界に近い状態で走行中に、
例えば、車体上の左右一側に設けられた穀粒タンク内
に、刈取作業により穀粒が順次収納されると、車体の重
心位置が左右一側に偏ってくると、転倒の危険が生じ
る。特に、水平制御の限界に近い状態で走行中に、例え
ば、急に平坦な土壌面になり、左右走行装置が水平状態
になると、車体は傾斜状態になるので、傾斜方向に穀粒
が収納された穀粒タンクがあると転倒の危険は大きい。
本発明は、走行する水平制御を有するコンバインにお
いて、オペレータが気付かないまま左右走行装置が一定
傾斜以上の姿勢になり、車体が転倒することを防止し、
安全に走行できることを目的とする。
課題を解決するための手段 この発明は、車体1の左右傾斜に基づいて左右走行装
置2の昇降により車体1を左右水平状に維持制御する水
平制御装置を有するコンバインにおいて、車体の左右傾
斜を検出するセンサと、左右走行装置2それぞれの昇降
量を検出するセンサとから左右走行装置2の接地面の左
右傾斜を検出し、該接地面の左右傾斜が一定傾斜以上に
なったことを検出すると警報装置4を作動させることを
特徴とするコンバインの転倒警報装置の構成とする。
発明の作用 走行中において、車体1の左右傾斜が検出されると、
左右走行装置2を車体1に対してそれぞれ別個に昇降さ
せ、車体1は左右水平状に維持制御される。この時、車
体1の左右傾斜と左右走行装置2の昇降とをそれぞれ検
出するセンサの検出結果より左右走行装置2の接地面の
左右傾斜を検出する。
そして、この左右傾斜が一定傾斜以上になると警報装
置4が作動する。
発明の効果 本発明により、車体1の左右傾斜角にかかわらず、左
右走行装置2の接地面の左右傾斜が検出されるため、オ
ペレータが左右走行装置2の左右傾斜姿勢に気付かない
場合でも、一定傾斜以上になると警報装置が作動するの
で、車体1の転倒を防止し、安全な走行を行なうことが
できる。
実施例 なお、図例はコンバインを示すもので、クローラより
なる左右走行装置2を有する車体1に穀桿を刈取る刈取
装置5、この刈取装置5で刈取られて移送される穀桿を
受けて脱穀する後部の脱穀装置6、この脱穀装置6の横
側に脱穀された殻粒を収容する殻粒ホッパ26等を設けて
いる。
車体1の下方左右に前後方向の車体フレーム7を設
け、この車体フレーム7の前端部に駆動スプロケット8
を取付けている。これら左右の車体フレーム7の外側下
方に走行フレーム9を前後方向に平行状に各々設け、こ
の走行フレーム9の横外側方に複数の転輪10を回転自在
に設けると共に、後端部に緊張用の輪体11を設けてい
る。これら駆動スプロケット8、転輪10及び輪体11には
クローラを巻回して走行装置2を構成している。
車体フレーム7の前後の支軸12回りに揺動自在のベル
クランク13を設け、これら前後のベルクランク13の下端
は走行フレーム9に各々枢支14すると共に、上端側は連
結ロッド15で連結した構成としている。
該後側のベルクランク13の上端と車体フレーム7側と
の間に油圧シリンダ16を各々設け、この油圧シリンダ16
の伸縮によって前後のベルクランク13が一体的に上下揺
動され、車体フレーム7に対して走行フレーム9が昇降
される連動構成としている。左右の油圧シリンダ16の作
動ストロークを各々検出するストロークセンサ17を設け
ている。
車体1には、この車体1の左右傾斜を検出する傾斜セ
ンサ18を設けている。
水平制御装置3は、傾斜センサ18、左右ストロークセ
ンサ17L、17R、及び水平制御スイッチ19の各検出情報
が、入力インタフェース20を介してCPUに入力される
と、これらの検出情報にもとずいて、CPUにおいて左右
油圧シリンダ16の作動方向を決定し、その結果、出力イ
ンタフェース21を介してこれら左右の油圧シリンダ16に
対応する左上げソレノイド22、左下げソレノイド23、右
上げソレノイド24及び右下げソレノイド25を作動させる
ことで、左右の油圧シリンダ16のうち一方を伸長すると
他方を縮小するように互いに反対方向へ作動するように
同時出力して、車体1を左右水平状に制御する構成とし
ている。
傾斜センサ18、及び左右ストロークセンサ17L、17Rの
検出情報によって、左右走行装置2の接地面の左右方向
の傾斜角がCPUにおいて演算され、この傾斜角が一定角
度以上になると警報装置4を作動させる構成としてい
る。
なお、警報装置4を作動させる一定傾斜角度は、左右
走行装置2を車体1に対して下降させて車高が高くなる
に従って小さくする構成としている。19は車体1の水平
制御を開始する水平制御スイッチである。
走行中において、水平制御スイッチ19をONすると車体
1の水平制御が開始される。
車体1の左右傾斜を傾斜センサ18が検出すると、この
検出情報にもとずいて、CPUにおいて左右油圧シリンダ1
6の作動方向を決定し、例えば車体1が左傾斜するとき
は、左油圧シリンダ16を伸長して右油圧シリンダ16を縮
小するように互いに反対方向へ同時に出力する。このよ
うにして車体1は左右水平状に維持制御される。この水
平制御中においては、左右ストロークセンサ17L、17R及
び傾斜センサ18の検出情報にもとずいて、左右走行装置
2の接地面の左右傾斜角θ、及びストロークセンサ17
L、17Rの平均値が車高としてCPUにおいて演算される。
この傾斜角θが予め記憶して格納してある車高に対する
一定傾斜角度と比較され、この一定傾斜角度より大なる
ときは警報装置4へ出力されて警報が発せられる。
例えば、左右走行装置2の接地面が右下り傾斜のとき
には、傾斜センサ18の検出にもとずいて左油圧シリンダ
16Lが縮小されて左走行装置2は車体1に対して上昇さ
れ、右油圧シリンダ16Rは伸長されて右走行装置2は車
体1に対して下降され、車体1は左右水平状に維持制御
されて走行する(第3図)。
このような右下り傾斜の接地面における走行におい
て、車体1上の右一側に設けられた穀粒ホッパ26に、コ
ンバイン作業によって穀粒が順次収容されると、車体1
の重心が右側に移動し、その上車高が高くなると重心が
高くなるから更に転倒しやすい状態となる。しかし、傾
斜センサ18と左右ストロークセンサ17L,17Rの検出にも
とずいて、車体1の左右傾斜角に拘らず左右走行装置2
の接地面の左右傾斜角が検出され、一定傾斜角度以上に
なると警報が発せられてオペレータに警告するから、安
全に走行することができる。
【図面の簡単な説明】
図は、この発明の一実施例を示すもので、第1図は制御
ブロック図、第2図はコンバインの全体側面図、第3図
は背面図である。 符号の説明 1……車体、2……走行装置 3……水平制御装置、4……警報装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒河 雅博 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農 機株式会社技術部内 (72)発明者 萩山 丈士 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農 機株式会社技術部内 審査官 大島 祥吾 (56)参考文献 特開 昭50−154944(JP,A) 実開 昭63−104292(JP,U) 実開 昭61−129681(JP,U) 実開 昭49−23404(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 55/116 A01D 67/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体1の左右傾斜に基づいて左右走行装置
    2の昇降により車体1を左右水平状に維持制御する水平
    制御装置を有するコンバインにおいて、車体の左右傾斜
    を検出するセンサと、左右走行装置2それぞれの昇降量
    を検出するセンサとから左右走行装置2の接地面の左右
    傾斜を検出し、該接地面の左右傾斜が一定傾斜以上にな
    ったことを検出すると警報装置4を作動させることを特
    徴とするコンバインの転倒警報装置。
JP29304989A 1989-11-10 1989-11-10 移動農機の水平制御装置 Expired - Fee Related JP2827348B2 (ja)

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