JP2824889B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2824889B2
JP2824889B2 JP4354750A JP35475092A JP2824889B2 JP 2824889 B2 JP2824889 B2 JP 2824889B2 JP 4354750 A JP4354750 A JP 4354750A JP 35475092 A JP35475092 A JP 35475092A JP 2824889 B2 JP2824889 B2 JP 2824889B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高感度で保存性の高いハ
ロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハロゲン化銀感光材料の高感
度化が望まれてきた。また特に分光増感されたハロゲン
化銀感光材料の高感度化が強く望まれてきた。分光増感
技術は高感度で色再現性に優れた感光材料を製造する上
で極めて重要、且つ必須の技術である。分光増感剤は本
来ハロゲン化銀写真乳剤が実質的に吸収しない長波長域
の光を吸収しハロゲン化銀にその光吸収エネルギーを伝
達する作用を有している。従って分光増感剤による光捕
捉量の増加は写真感度を高めるのに有利となる。このた
め、ハロゲン化銀乳剤への添加量を増加させて、光捕捉
量を高める試みがなされてきた。しかしながらハロゲン
化銀乳剤への分光増感剤の添加量は最適量を過ぎて添加
すれば、かえって大きな減感をもたらす。これは一般に
色素減感といわれるもので、実質的に増感色素による光
吸収がないハロゲン化銀固有の感光域において減感が生
ずる現象である。色素減感が大きいと分光増感効果はあ
るのに総合的な感度は低くなってしまう。換言すれば、
色素減感が減少すれば、その分だけ増感色素による光吸
収域の感度(即ち分光増感度)も上昇する。従って分光
増感技術において、色素減感の改善は大きな課題であ
る。また色素減感は、一般に感光域が長波長にある増感
色素ほど大きい。これらのことはC.E.K.ミース(Mees)
著、“ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・
プロセス (The Theory of the Photographic Process)"
1067〜1069頁(マクミラン社1942年刊)に
記載されている。
【0003】色素減感を減少させて感度を高める方法と
しては、特開昭47−28916号、同49−4673
8号、同54−118236号、米国特許4,011,
083号が知られている。しかしながら前記の技術は使
用し得る増感色素が限られたものであったり、その効果
も未だ不満足なものであった。現在、色素減感の改善の
ための最も有効な手段としては例えば、特公昭45−2
2189号、特開昭54−18726号、特開昭52−
4822号、特開昭52−151026号、米国特許
2,945,762号に記載されているピリミジン誘導
体、トリアジン誘導体で置換されたビスアミノスチルベ
ン化合物を併用する方法が知られている。しかしなが
ら、前記の化合物が有効な増感色素は通常例えばジカル
ボシアニン、トリカルボシアニン、ローダシアニン、メ
ロシアニン等のなだらかな増感極大を示す所謂 M-band
増感型の色素でしかも比較的長波長域に増感極大をもつ
色素に限られている。
【0004】米国特許3,695,888号では特定の
トリカルボシアニンとアスコルビン酸との組合せで赤外
域の増感がえられること、又英国特許1,255,08
4号では特定の色素とアスコルビン酸との併用でマイナ
スブルー感度が上昇すること、また英国特許1,06
4,193号では特定の色素とアスコルビン酸との併用
で感度増加がえられること、また米国特許3,809,
561号では減感性核含有シアニン色素に対してアスコ
ルビン酸等の強色増感剤との併用が記載されている。し
かしながら、以上の従来技術では、いぜんとして色素の
増感効果が充分満足のいくものは少なく、また、増感効
果が高いものはカブリが増大する傾向にあった。
【0005】また、ヒドラジン類をハロゲン化銀感光材
料または現像液に添加する試みが、種々の目的で行なわ
れている。米国特許2,419,975号、特開昭63
−261362号、特公昭51−15745号ではヒド
ラジン類を現像液に添加して使用している。特公昭58
−9410、58−9411では、硬調なハロゲン化銀
感光材料を得るために、アシルヒドラジン類を感光材料
に添加している。このヒドラジン類添加では、小さいな
がらも増感効果を示すが、カブリが増大する。特開昭6
3−95444号、63−43145号ではマゼンタカ
プラーと特定のヒドラジン類を併用することにより、色
素画像の熱・光に対する安定性を向上させている。特開
昭63−220142号、63−256951号、63
−229455号では有機着色物質と特定のヒドラジン
類を併用することにより光退色を防止している。一方、
高感度で画質の優れたカラー感光材料を提供する技術と
しては、ハロゲン化銀粒子の直径と厚みの比(アスペク
ト比)が8:1以上の平板状ハロゲン化銀粒子を用いる
ことが、例えば、特開昭58−113934号に提案さ
れているが、高感度化、画質、感材の保存性、カラー現
像処理安定性などまだまだ不満足でより一層の改良が望
まれている。従来、本発明の特定の構造を持つヒドラジ
ンと平板状ハロゲン化銀乳剤を用いて、特異的な効果を
見いだした例は全く知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に高感度化しかつカブリの少ないハロゲン化銀写真感光
材料、特に分光増感されたハロゲン化銀写真感光材料を
提供することである。第2に保存安定性の高いハロゲン
化銀感光材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題達成のために検
討を重ねた結果、以下に説明する手段によって達成でき
た。 (1)支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、該乳剤層にアスペクト比2以上のハロゲン化銀粒子
が全ハロゲン化銀粒子の50%以上存在する平板状粒子
からなるハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ、下記一般式
(II)、(III)および(IV)から選はれた化合
物から選ばれた少なくとも1つを含有することを特徴と
するハロゲン化銀写真感光材料
【0008】
【0009】
【0010】(2) 上記(1) に記載のハロゲン化銀乳剤
が、ハロゲン化銀粒子の粒径に係る変動係数が0.25
以下の単分散粒子からなるハロゲン化銀乳剤であること
を特徴とする上記(1) に記載のハロゲン化銀写真感光材
料。
【0011】(3) 上記(1) または(2) に記載のハロゲ
ン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%
以上が平行な二面を外表面として有し、最小の長さを有
する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比
が2以下の六角平板状粒子からなるハロゲン化銀乳剤で
あることを特徴とする上記(1) または上記(2) に記載の
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】(4) 上記(1) または(3) に記載のハロゲ
ン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子の個数の少なくとも5
0%が1粒子当り10本以上の転位を含む粒子からなる
ハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする上記(1) また
は(3) に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
【0013】 (5)上記(1)または(4)に記載のハロゲン化銀乳
剤が、ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含有率の相対標
準偏差が30%以下のハロゲン化銀粒子からなるハロゲ
ン化銀乳剤であることを特徴とする上記(1)または
(4)に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 (6)ハロゲン化銀乳剤が増感色素によって分光増感さ
れていることを特徴とする上記(1)ないし(4)記載
のハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(II)
【0014】
【化3】
【0015】一般式(III)
【0016】
【化4】
【0017】一般式(IV)
【0018】
【化5】
【0019】式中、R5 、R6 、R7 およびR8 はアル
キル基、アリール基または複素環基を表わす。Z1 は炭
素原子数4または6のアルキレン基を表わす。Z2 は炭
素原子数2のアルキレン基を表わす。Z3 は炭素原子数
1または2のアルキレン基を表わす。Z4 およびZ5
炭素原子数3のアルキレン基を表わす。L1 およびL2
はメチン基を表わす。ただし、R5 、R6 、R7
8 、Z1 、Z4 およびZ5 のうち、ヒドラジンの窒素
原子に直接結合している炭素原子にオキソ基が置換して
いることはない。さらに好ましくは、一般式(II)およ
び(III) から選ばれた化合物であり、特に好ましくは一
般式(II)から選ばれた化合物である。
【0020】以下に前記一般式のR 、R 、R およ
びR について詳細に説明する。 、R 、R およ
びR としては、例えば無置換アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシ
ル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロプロ
ピル基、シクロヘキシル基)、置換アルキル基{置換基
をVとすると、Vで示される置換基として特に制限はな
いが、例えばカルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ハロ
ゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃
素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例
えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フ
ェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基)、炭素数18
以下のアリールオキシ基(例えばフェノキシ基、4−メ
チルフェノキシ基、α−ナフトキシ基)、アシルオキシ
基(例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ
基)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、
ベンゾイル基、メシル基)、カルバモイル基(例えばカ
ルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モル
ホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基)、スル
ファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジ
メチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピ
ペリジノスルホニル基)、アリール基(例えばフェニル
基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α
−ナフチル基)、複素環基(例えば、2−ピリジル基、
テトラヒドロフルフリル基、モルホリノ基、2−チオフ
ェノ基)、アミノ基(例えば、アミノ基、ジメチルアミ
ノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アルキルチ
オ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基)、アルキル
スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、プロピル
スルホニル基)、アルキルスルフィニル基(例えばメチ
ルスルフィニル基)、ニトロ基、リン酸基、アシルアミ
ノ基(例えばアセチルアミノ基)、アンモニウム基(例
えばトリメチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウ
ム基)、メルカプト基、ヒドラシノ基(例えばトリメチ
ルヒドラジノ基)、ウレイド基(例えばウレイド基、
N,N−ジメチルウレイド基)、イミド基、不飽和炭化
水素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1−シクロヘ
キセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)が挙げ
られる。置換基Vの炭素原子数は18以下が好ましい。
またこれらの置換基上にさらにVが置換していてもよ
い。
【0021】より具体的にはアルキル基(例えば、カル
ボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボ
キシプロピル基、4−カルボキシブチル基、2−スルホ
エチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル
基、3−スルホブチル基、2−ヒドロキシ−3−スルホ
プロピル基、2−シアノエチル基、2−クロロエチル
基、2−ブロモエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキ
シエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、メトキ
シカルボニルメチル基、2−メトキシエチル基、2−エ
トキシエチル基、2−フェノキシエチル基、2−アセチ
ルオキシエチル基、2−プロピオニルオキシエチル基、
2−アセチルエチル基、3−ベンゾイルプロピル基、2
−カルバモイルエチル基、2−モルホリノカルボニルエ
チル基、スルファモイルメチル基、2−(N,N−ジメ
チルスルファモイル)エチル基、ベンジル基、2−ナフ
チルエチル基、2−(2−ピリジル)エチル基、アリル
基、3−アミノプロピル基、3−ジチルアミノプロピル
基、メチルチオメチル基、2−メチルスルホニルエチル
基、メチルスルフィニルメチル基、2−アセチルアミノ
エチル基、3−トリメチルアンモニウムエチル基、2−
メルカプトエチル基、2−トリメチルヒドラジノエチル
基、メチルスルホニルカルバモイルメチル基、(2−メ
トキシ)エトキシメチル基、などが挙げられる}、アリ
ール基(例えばフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフ
チル基、例えば、前述の置換基Vで置換されたフェニル
基、ナフチル基)、複素環基(例えば2−ピリジル基、
2−チアゾリル基、前述の置換基Vで置換された2−ピ
リジル基)が好ましい。
【0022】また、 とR 、およびR とR が互
いに結合して環を形成してもよい。ただし、芳香族環を
形成することはない。これらの環は、例えば、前述の置
換基Vにより置換されていてもよい。ただし、 、R
、R およびR のうちヒドラジンの窒素原子に直接
結合している炭素原子にオキソ基が置換していることは
ない。例えば 、R 、R およびR はアセチル
基、カルボキシ基、ベンゾイル基、ホルミル基、2つが
環を形成する場合マロニル基、スクシニル基、グルタリ
ル基、アジポイル基であることはない。また、 、R
、R およびR のうちヒドラジンの窒素原子に直接
結合している炭素原子にチオキソ基(例えば、チオアセ
チル基、チオアルデヒド基、チオカルボキシ基、チオベ
ンゾイル基)が置換していない方が好ましい。
【0023】 、R 、R およびR としてさらに
好ましくは、前述した無置換アルキル基、置換アルキル
基、および とR 、およびR とR が互いに結合
して、環を構成する原子に炭素原子以外(例えば、酸素
原子、硫黄原子、窒素原子)を含まないアルキレン基
{アルキレン基は置換(例えば前述の置換基V)されて
いてもよい}を形成する場合である。 、R 、R
およびR としてさらに好ましくは、ヒドラジンの窒素
原子に直接結合している炭素原子が、無置換メチレン基
の場合である。特に好ましくは無置換アルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)、置
換アルキル基{例えばスルホアルキル基(例えば2−ス
ルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチ
ル基、3−スルホブチル基)、カルボキシアルキル基
(例えばカルボキシメチル基、2−カルボキシエチル
基)、ヒドロキシアルキル基(例えば2−ヒドロキシエ
チル基)}および、 とR 、およびR とR がア
ルキレン鎖により互いに結合して、5員環および7員環
を形成する場合である。
【0024】
【0025】以下に一般式(II)について詳細に説明
する。R、およびR は特に好ましくは、メチル基お
よびRとRが互いに結合して、無置換テトラメチレ
ン基を形成する場合である。Zは炭素原子数4または
6のアルキレン基を表わし、好ましくは炭素原子数4の
アルキレン基の場合である。ただし、ヒドラジンの窒素
原子に直接結合して炭素原子にオキソ基が置換している
ことはない。また、このアルキレン基は無置換でも置換
されていても良い。置換基としては例えば前述の置換基
Vが挙げられるが、ヒドラジンの窒素原子に直接結合し
ている炭素原子は無置換メチレン基である場合が好まし
い。Zとして特に好ましくは、無置換テトラメチレン
基である。
【0026】以下に一般式(III)について詳細に説
明する。RおよびR は特に好ましくは、メチル基お
よびRとRが互いに結合してトリメチレン基を形成
する場合である。Zは炭素原子数2のアルキレン基を
表わす。Zは炭素原子数1または2のアルキレン基を
表わす。また、これらのアルキレン基は無置換でも置換
されていても良い。置換基としては、例えば前述の置換
基Vが挙げられる。Zとしてさらに好ましくは、無置
換エチレン基である。Zとしてさらに好ましくは、無
置換メチレン基およびエチレン基である。LおよびL
はメチン基または置換メチン基を表わす。置換基とし
ては、例えば前述の置換基Vが挙げられ、好ましくは無
置換アルキル基(例えばメチル基、t−ブチル基)であ
る。さらに好ましくは無置換メチン基である。
【0027】一般式(IV)について詳細に説明する。
およびZは炭素原子数3のアルキレン基を表わ
す。ただしヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭
素原子にオキソ基が置換していることはない。また、こ
れらのアルキレン基は無置換でも置換されていても良
い。置換基としては例えば前述の置換基Vが挙げられる
が、ヒドラジンの窒素原子に直接結合している炭素原子
は、無置換メチレン基である場合が好ましい。Zおよ
びZとして特に好ましくは、無置換トリメチレン基、
無置換アルキル基置換トリメチレン基(例えば、2,2
−ジメチルトリメチレン基)である。一般式(II)、
(III)および(IV)で表わされる化合物は、合成
上、および保存上有利な場合、塩として単離しても何ら
差しつかえない。このような場合、ヒドラジン類と塩を
形成しうる化合物なら、どのような化合物でも良いが好
ましい塩としては次のものが挙げられる。 例えば、アリ
ールスルホン酸塩(例えばp−トルエンスルホン酸塩、
p−クロルベンゼンスルホン酸塩)、アリールジスルホ
ン酸塩(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸塩、1,
5−ナフタレンジスルホン酸塩、2,6−ナフタレンジ
スルホン酸塩)、チオシアン酸塩、ピクリン酸塩、カル
ボン酸塩(例えばシュウ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、シ
ュウ酸水素塩)、ハロゲン酸塩(例えば塩化水素酸塩、
フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩)、硫
酸塩、過塩素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、亜硫酸
塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩である。好ま
しくは、シュウ酸水素塩、シュウ酸塩、塩化水素酸塩で
ある。以下に一般式II)、(III)および(I
V)で表わされる化合物の典型的な例を挙げるが、これ
に限定されるものではない
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】一般式(II)で表わされる化合物
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】一般式(III)で表わされる化合物
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】一般式(IV)で表わされる化合物
【0048】
【化23】
【0049】
【化24】
【0050】
【化25】
【0051】本発明のヒドラジン類は種々の方法で合成
できる。例えば、ヒドラジンをアルキル化する方法によ
り合成できる。アルキル化の方法としては、ハロゲン化
アルキルおよびスルホン酸アルキルエステルを用いて直
接アルキル化する方法、カルボニル化合物と水素化シア
ノホウ素ナトリウムを用いて還元的にアルキル化する方
法、およびアシル化した後水素化リチウムアルミニウム
を用いて還元する方法などが知られている。例えば、エ
ス・アール・サンドラー(S.R.Sandler)、
ダブリュー・カロ(W.Karo)、「オーガニック・
ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ(O
rganic FanctionalGroup Pr
eparation)」第1巻、第14章、434−4
65ページ(1968年)、アカデミック・プレス(A
cademic Press)社刊などに記載されてい
【0052】一般式(II)で表わされる化合物は、例え
ばエス・エフ・ネルセン(S.F.Nelsen) 等 ジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイェティー(J
ournal of The American Chemical Society)第98巻1
2号5269頁(1976年)、エス・エフ・ネルセン
(S.F.Nelsen) 、ジー・アール・ワイスマン(G.R.
Weisman)、テトラヘドロン・レター(Tetrahed
ron Letter) 第26号、2321頁(1973年)など
に記載されており、それらを参照すれば合成できる。以
下に代表的な化合物の合成例を記す。
【0053】(合成例1) ・化合物(2−3)の合成 合成ルート
【0054】
【化26】
【0055】(ア)20g(0.163モル)、(イ)
16.3g(0.163モル)、および酢酸80mlを1
5時間加熱還流した後、水50ml、5%水酸化ナトリウ
ム水溶液100mlを加え、クロロホルム200mlで抽出
する。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去す
る。得られたオイルに酢酸エチル200mlを加え、さら
にヘキサン200mlを加えると結晶が析出する。吸引ろ
過によりろ別後、乾燥し(ウ)(無色結晶、8.65
g、収率32%)を得た。水素化リチウムアルミニウム
8.9g(0.235モル)、テトラヒドロフラン10
0mlを0℃に冷却し、攪拌しながら(ウ)7.9g
(0.047モル)/テトラヒドロフラン70ml溶液を
徐々に滴下する。このとき反応溶液を5℃以下に保つ。
室温で4時間攪拌した後、再び反応溶液を0℃に冷却
し、水9ml、15%水酸化ナトリウム水溶液9ml、水2
7mlの順で滴下し、析出した無色結晶を吸引ろ過でろ別
して除く。ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
減圧留去で除いた後、減圧蒸留により(2−3)(無色
液体、1.44g、85〜90℃/25mmHg、収率17
%)を得た。
【0056】(合成例2) ・化合物(2−1)の合成 (2−3)6g(0.043モル)、酢酸エチル100
mlにシュウ酸4.3g(0.048モル)/酢酸エチル
120ml溶液を加え、攪拌する。析出した結晶を吸引ろ
過でろ別後乾燥し(2−1)(無色結晶9.3g、mp.
129〜131℃、収率94%)を得た。
【0057】一般式(III)で表わされる化合物は、例え
ばエッチ・アール・スニダージュニア(H.R.Snycler,J
R) 、ジェー・ジー・ミッシェル( J.G.Michels)、ジャ
ーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal o
f Organic Chemistry)第28巻、1144頁(1963
年)、ジェー・イー・アンダーソン(J.E.Anderson) 、
ジェー・エム・レーン(J.M.Lehn) 、ジャーナル・オブ
・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイェティー(Journal
of The American Chemical Society) 第89巻1号、
81頁(1967年)、ヘルマン・ステター(Hermann
Stetter)、ペーター・ウォーンレ(Peter Woernle) ユス
トウス・リービッヒ・アナレン・デル・ヘミー(Justus
Liebigs Ammalen der Chemie)第724号、150頁
(1969年)、エス・エフ・ネルセン(S.F.Nelsen)
等、テトラヘドロン(Tetrahedron) 、第42巻6号、1
769頁(1986年)などに記載されており、それら
を参照すれば合成できる。
【0058】一般式 (IV)で表わされる化合物は、例え
ばエス・エフ・ネルセン(S.F.Nelsen) 等 ジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイェティー(J
ournal of The American Chemical Society)、第96巻
9号、2916頁(1974年)、イ・エル・ブーレ
(E.L.Buhle)等、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・
ケミカル・ソサイェティー(Journal of The American
Chemical Society) 、第65巻、29頁(1943年)
などに記載されており、それらを参照すれば合成でき
る。
【0059】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
に応じてメチン色素類その他によって分光増感すること
ができる。また、前述した鮮鋭度の向上の他に、分光速
度が高いことも本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の特長
である。用いられる色素には、シアニン色素、メロシア
ニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、
ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリ
ル色素及びヘミオキソノール色素が包含される。特に有
用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複
合メロシアニン色素に属する色素である。
【0060】有用な増感色素の例としては、ドイツ特許
第929,080号、米国特許第2,493,748
号、同第2,503,776号、同第2,519,00
1号、同第2,912,329号、同第3,656,9
59号、同第3,672,897号、同第4,025,
349号、英国特許第1,242,588号、特公昭4
4−14030号に記載されたものを挙げることができ
る。
【0061】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらを組合せて用いてもよく、特に増感色素の組
合せは強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表
例は、米国特許第2,688,545号、同第2,97
7,229号、同第3,397,060号、同第3,5
22,052号、同第3,527,641号、同第3,
617,293号、同第3,628,964号、同第
3,666,480号、同第3,672,898号、同
第3,679,728号、同第3,814,609号、
同第4,026,707号、英国特許第1,344,2
81号、特公昭43−4936号、同53−12375
号、特開昭52−109925、同52−110618
号に記載されている。特に好ましい増感色素はその酸化
電位が0.95(V vsSCE)またはそれより卑の場合であ
る。これらの色素は一般に色素減感が大きいことが知ら
れている。さらに好ましくは、酸化電位が0.95(V
vsSCE)またはそれより卑であり分光感度極大が600nm
以上にあるパンクロおよび近赤外領域を分光増感する色
素である。
【0062】酸化電位の測定は位相弁別式第二高周波交
流ポーラログラフィーで行なった。以下に詳細について
記述する。溶媒としては4A−1/16モレキュラーシ
ーブス中で乾燥されたアセトニトリル(スペクトルグレ
ード)を、支持電解質としてノルマルテトラプロピルア
ンモニウムパークロレート(ポーラログラフ用特製試
薬)を用いた。試料溶液は0.1Mの支持電解質を含む
アセトニトリルに増感色素を10-3〜10-5モル/リッ
トル溶解することによって調製され、測定前にピロガロ
ールの高アルカリ水溶液更に、塩化カルシウム通過させ
た超高純度のアルゴンガス(99.999%)で15分
以上脱酸素した。作用電極は回転白金電極を、参照極に
は飽和カロメル電極(SCE)を、更に対極には白金を
用いた。参照極と試料溶液との間は0.1Mの指示電解
質を含むアセトニトリルで満したルギン管で接続し液絡
部にはバイコールガラスを用いた。ルギン管の先と回転
白金電極の先は5mmから8mm離れている状態で25℃に
おいて測定した。なお以上の位相弁別式第二高調波交流
ボルタンメトリーよる酸化電位の測定は「ジャーナル・
オブ・イメージング・サイエンス」(Journal of Imagi
ng Science) 、第30巻、27〜35頁(1986年)
に記載されている。この条件で、後述する色素(XIV−
9)の酸化電位は0.915V(vsSCE) であった。前述
した酸化電位と分光感度極大の条件を満たし、かつ、以
下の一般式(XI)、(XII) および(XIII)で表わされる増
感色素は特に好ましく用いられる。一般式(XI)
【0063】
【化27】
【0064】一般式(XII)
【0065】
【化28】
【0066】一般式(XIII)
【0067】
【化29】
【0068】式中、Z11、Z12、Z13、Z14、Z15およ
びZ16は5員または6員の含窒素複素環を形成するのに
必要な原子群を表わす。DおよびD′は非環式または環
式の酸性核を形成するのに必要な原子群を表わす。
11、R12、R13、R14およびR16はアルキル基を表わ
す。R15はアルキル基、アリール基または複素環基を表
わす。L11、L12、L13、L14、L15、L16、L17、L
18、L19、L20、L21、L22、L23、L24、L25
26、L27、L28、L29およびL30はメチン基を表わ
す。M11、M12およびM13は電荷中和対イオンを表わ
し、m11、m12およびm13は分子内の電荷を中和させる
ために必要な0以上の数である。n11、n13、n14、n
16およびn19は0または1を表わす。n12は1、2また
は3を表わす。n15は2または3を表わす。n17とn18
はそれぞれ0以上の整数であり、合計が1、2、3また
は4を表わす。さらに好ましくは一般式(XI)で表わさ
れる増感色素である。
【0069】以下に一般式(XI)、(XII) および(XIII)
をさらに詳細に説明する。R11、R12、R13、R14およ
びR16として好ましくは、炭素数18以下の無置換アル
キル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシ
ル)、または置換アルキル基{置換基として例えば、カ
ルボキシ基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例え
ばフッ素、塩素、臭素である。)、ヒドロキシ基、炭素
数8以下のアルコキシカルボニル基(例えばメトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニ
ル、ベンジルオキシカルボニル)、炭素数8以下のアル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ベンジルオキ
シ、フェネチルオキシ)、炭素数10以下の単環式のア
リールオキシ基(例えばフェノキシ、p−トリルオキ
シ)、炭素数3以下のアシルオキシ基(例えばアセチル
オキシ、プロピオニルオキシ)、炭素数8以下のアシル
基(例えばアセチル、プロピオニル、ベンゾイル、メシ
ル)、カルバモイル基(例えばカルバモイル、N,N−
ジメチルカルバモイル、モルホリノカルボニル、ピペリ
ジノカルボニル)、スルファモイル基(例えばスルファ
モイル、N,N−ジメチルスルファモイル、モルホリノ
スルホニル、ピペリジノスルホニル)、炭素数10以下
のアリール基(例えばフェニル、4−クロルフェニル、
4−メチルフェニル、α−ナフチル)で置換された炭素
数18以下のアルキル基}が挙げられる。好ましくは無
置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基)、カルボキシアルキル基(例えば2−カルボキシ
エチル基、カルボキシメチル基)、スルホアルキル基
(例えば、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル
基、4−スルホブチル基、3−スルホブチル基)、メタ
ンスルホニルカルバモイルメチル基である。M1111
1212およびM1313は、色素のイオン電荷を中性に
するために必要であるとき、陽イオンまたは陰イオンの
存在または不存在を示すために式の中に含められてい
る。ある色素が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは
正味のイオン電荷をもつかどうかは、その助色団および
置換基に依存する。典型的な陽イオンは無機または有機
のアンモニウムイオンおよびアルカリ金属イオンであ
り、一方陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機
陰イオンのいずれであってもよく、例えばハロゲン陰イ
オン(例えば弗素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨ
ウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば
p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンス
ルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例え
ば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフ
タレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスル
ホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫
酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素
酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イ
オン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオ
ンが挙げられる好ましくは、アンモニウムイオン、ヨウ
素イオン、p−トルエンスルホン酸イオンである。
【0070】Z11、Z12、Z13、Z14およびZ16によっ
て形成される核としては、チアゾール核{チアゾール核
(例えばチアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェ
ニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5
−ジフェニルチアゾール)、ベンゾチアゾール核(例え
ば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、
5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾ
ール、5−ニトロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾ
チアゾール、5−メチルチオベンゾチアゾール、5−メ
チルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、
5−ブロモベンゾチアゾール、6−ブロモベンゾチアゾ
ール、5−ヨードベンゾチアゾール、5−フェニルベン
ゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メ
トキシベンゾチアゾール、6−メチルチオベンゾチアゾ
ール、5−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシカ
ルボニルベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチア
ゾール、5−フェネチルベンゾチアゾール、5−フルオ
ロベンゾチアゾール、5−クロロ−6−メチルベンゾチ
アゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5,6
−ジメチルチオベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシ
ベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾ
チアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、4−フェ
ニルベンゾチアゾール)、ナフトチアゾール核(例え
ば、ナフト〔2,1−d〕チアゾール、ナフト〔1,2
−d〕チアゾール、ナフト〔2,3−d〕チアゾール、
5−メトキシナフト〔1,2−d〕チアゾール、7−エ
トキシナフト〔2,1−d〕チアゾール、8−メトキシ
ナフト〔2,1−d〕チアゾール、5−メトキシナフト
〔2,3−d〕チアゾール)}、チアゾリン核(例え
ば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン、4−ニトロチ
アゾリン)、オキサゾール核{オキサゾール核(例え
ば、オキサゾール、4−メチルオキサゾール、4−ニト
ロオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニ
ルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4
−エチルオキサゾール)、ベンゾオキサゾール核(例え
ば、ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾー
ル、5−メチルベンゾオキサゾール、5−ブロモベンゾ
オキサゾール、5−フルオロベンゾオキサゾール、5−
フェニルベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキ
サゾール、5−ニトロベンゾオキサゾール、5−トリフ
ルオロメチルベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベン
ゾオキサゾール、5−カルボキシベンゾオキサゾール、
6−メチルベンゾオキサゾール、6−クロロベンゾオキ
サゾール、6−ニトロベンゾオキサゾール、6−メトキ
シベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾ
ール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−
ジメチルベンゾオキサゾール、5−エトキシベンゾオキ
サゾール)、ナフトオキサゾール核(例えば、ナフト
〔2,1−d〕オキサゾール、ナフト〔1,2−d〕オ
キサゾール、ナフト〔2,3−d〕オキサゾール、5−
ニトロナフト〔2,1−d〕オキサゾール)}、オキサ
ゾリン核(例えば、4,4−ジメチルオキサゾリン)、
セレナゾール核{セレナゾール核(例えば、4−メチル
セレナゾール、4−ニトロセレナゾール、4−フェニル
セレナゾール)、ベンゾセレナゾール核(例えば、ベン
ゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−
ニトロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナ
ゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、6−ニト
ロベンゾセレナゾール、5−クロロ−6−ニトロベンゾ
セレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾー
ル)、ナフトセレナゾール核(例えば、ナフト〔2,1
−d〕セレナゾール、ナフト〔1,2−d〕セレナゾー
ル)}、セレナゾリン核(例えば、セレナゾリン、4−
メチルセレナゾリン)、テルラゾール核{テルラゾール
核(例えば、テルラゾール、4−メチルテルラゾール、
4−フェニルテルラゾール)、ベンゾテルラゾール核
(例えば、ベンゾテルラゾール、5−クロロベンゾテル
ラゾール、5−メチルベンゾテルラゾール、5,6−ジ
メチルベンゾテルラゾール、6−メトキシベンゾテルラ
ゾール)、ナフトテルラゾール核(例えば、ナフト
〔2,1−d〕テルラゾール、ナフト〔1,2−d〕テ
ルラゾール)}、テルラゾリン核(例えば、テルラゾリ
ン、4−メチルテルラゾリン)、3,3−ジアルキルイ
ンドレニン核(例えば、3,3−ジメチルインドレニ
ン、3,3−ジエチルインドレニン、3,3−ジメチル
−5−シアノインドレニン、3,3−ジメチル−6−ニ
トロインドレニン、3,3−ジメチル−5−ニトロイン
ドレニン、3,3−ジメチル−5−メトキシインドレニ
ン、3,3,5−トリメチルインドレニン、3,3−ジ
メチル−5−クロロインドレニン)、イミダゾール核
{イミダゾール核(例えば、1−アルキルイミダゾー
ル、1−アルキル−4−フェニルイミダゾール、1−ア
リールイミダゾール)、ベンゾイミダゾール核(例え
ば、1−アルキルベンゾイミダゾール、1−アルキル−
5−クロロベンゾイミダゾール、1−アルキル−5,6
−ジクロロベンゾイミダゾール、1−アルキル−5−メ
トキシベンゾイミダゾール、1−アルキル−5−シアノ
ベンゾイミダゾール、1−アルキル−5−フルオロベン
ゾイミダゾール、1−アルキル−5−トリフルオロメチ
ルベンゾイミダゾール、1−アルキル−6−クロロ−5
−シアノベンゾイミダゾール、1−アルキル−6−クロ
ロ−5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、1−
アリル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾール、1−ア
リル−5−クロロベンゾイミダゾール、1−アリールベ
ンゾイミダゾール、1−アリール−5−クロロベンゾイ
ミダゾール、1−アリール−5,6−ジクロロベンゾイ
ミダゾール、1−アリール−5−メトキシベンゾイミダ
ゾール、1−アリール−5−シアノベンゾイミダゾー
ル)、ナフトイミダゾール核(例えば、アルキルナフト
〔1,2−d〕イミダゾール、1−アリールナフト
〔1,2−d〕イミダゾール)、前述のアルキル基は炭
素原子数1〜8個のもの、たとえば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル等の無置換のアルキル
基やヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエ
チル、3−ヒドロキシプロピル)が好ましい。特に好ま
しくはメチル基、エチル基である。前述のアリール基
は、フェニル、ハロゲン(例えばクロロ)置換フェニ
ル、アルキル(例えばメチル)置換フェニル、アルコキ
シ(例えばメトキシ)置換フェニルを表わす。}、ピリ
ジン核(例えば、2−ピリジン、4−ピリジン、5−メ
チル−2−ピリジン、3−メチル−4−ピリジン)、キ
ノリン核{キノリン核(例えば、2−キノリン、3−メ
チル−2−キノリン、5−エチル−2−キノリン、6−
メチル−2−キノリン、6−ニトロ−2−キノリン、8
−フルオロ−2−キノリン、6−メトキシ−2−キノリ
ン、6−ヒドロキシ−2−キノリン、8−クロロ−2−
キノリン、4−キノリン、6−エトキシ−4−キノリ
ン、6−ニトロ−4−キノリン、8−クロロ−4−キノ
リン、8−フルオロ−4−キノリン、8−メチル−4−
キノリン、8−メトキシ−4−キノリン、6−メチル−
4−キノリン、6−メトキシ−4−キノリン、6−クロ
ロ−4−キノリン)、イソキノリン核(例えば、6−ニ
トロ−1−イソキノリン、3,4−ジヒドロ−1−イソ
キノリン、6−ニトロ−3−イソキノリン)}、イミダ
ゾ〔4,5−b〕キノキザリン核(例えば、1,3−ジ
エチルイミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン、6−クロ
ロ−1,3−ジアリルイミダゾ〔4,5−b〕キノキザ
リン)、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テト
ラゾール核、ピリミジン核を挙げることができる。ただ
し、一般式において、n12が1のときZ11およびZ12
ともにオキサゾール核、イミダゾール核であることはな
い。Z11、Z12、Z13、Z14およびZ16によって形成さ
れる核として好ましくは、ベンゾチアゾール核、ナフト
チアゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾ
ール核、ベンゾイミダゾール核、2−キノリン核、4−
キノリン核である。
【0071】DとD′は酸性核を形成するために必要な
原子群を表すが、いかなる一般のメロシアニン色素の酸
性核の形をとることもできる。ここでいう酸性核とは、
例えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー・オブ・ザ
・フォトグラフィック・プロセス」(The Theory of the
Photographic Process) 第4版、マクミラン出版社、
1977年、198頁により定義される。好ましい形に
おいて、Dの共鳴に関与する置換基としては、例えばカ
ルボニル基、シアノ基、スルホニル基、スルフェニル基
である。D′は酸性核を形成するために必要な残りの原
子群を表わす。具体的には、米国特許第3,567,7
19号、第3,575,869号、第3,804,63
4号、第3,837,862号、第4,002,480
号、第4,925,777号、特開平3−167546
号などに記載されているものが挙げられる。酸性核が非
環式であるとき、メチン結合の末端はマロノニトリル、
アルカンスルフォニルアセトニトリル、シアノメチルベ
ンゾフラニルケトン、またはシアノメチルフェニルケト
ンのような基である。DとD′が環式であるとき、炭
素、窒素、及びカルコゲン(典型的には酸素、イオウ、
セレン、及びテルル)原子から成る5員または6員の複
素環を形成する。
【0072】好ましくは次の核が挙げられる。2−ピラ
ゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イ
ミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チ
オヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オ
ン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリ
ジン−2,4−ジオン、イソオキサゾリン−5−オン、
2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−オン、
チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリ
ジン−2,4−ジチオン、イソローダニン、インダン−
1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェン−
3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オ
ン、インドリン−3−オン、インダゾリン−3−オン、
2−オキソインダゾリニウム、3−オキソインダゾリニ
ウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ
〔3,2−a〕ピリミジン、シクロヘキサン−1,3−
ジオン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、
1,3−ジオキサン−4,4−ジオン、バルビツール
酸、2−チオバルビツール酸、クロマン−2,4−ジオ
ン、インダゾリン−2−オン、またはピリド〔1,2−
a〕ピリミジン−1,3−ジオンの核。さらに好ましく
は、3−アルキルローダニン、3−アルキル−2−チオ
オキサゾリジン−2,4−ジオン、3−アルキル−2−
チオヒダントインである。
【0073】以上の核に含まれる窒素原子に結合してい
る置換基およびR15は水素原子、炭素数1〜18、好ま
しくは1〜7、特に好ましくは1〜4のアルキル基(例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オク
タデシル)、置換アルキル基(例えばアラルキル基(例
えばベンジル、2−フェニルエチル)、ヒドロキシアル
キル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキ
シプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば、2−カ
ルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボ
キシブチル、カルボキシメチル)、アルコキシアルキル
基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシ
エトキシ)エチル)、スルホアルキル基(例えば、2−
スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチ
ル、4−スルホブチル、2−〔3−スルホプロポキシ〕
エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−ス
ルホプロポキシエトキシエチル)、スルファトアルキル
基(例えば、3−スルファトプロピル、4−スルファト
ブチル)、複素環置換アルキル基(例えば2−(ピロリ
ジン−2−オン−1−イル)エチル、テトラヒドロフル
フリル、2−モルホリノエチル)、2−アセトキシエチ
ル、カルボメトキシメチル、2−メタンスルホニルアミ
ノエチル}、アリル基、アリール基(例えばフェニル、
2−ナフチル)、置換アリール基(例えば、4−カルボ
キシフェニル、4−スルホフェニル、3−クロロフェニ
ル、3−メチルフェニル)、複素環基(例えば2−ピリ
ジル、2−チアゾリル)、好ましい。さらに好ましく
は、無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシ
ル)、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチ
ル、2−カルボキシエチル、スルホアルキル基(例えば
2−スルホエチル)である。
【0074】Z15によって形成される5員または6員の
含窒素複素環は、D、D′によって表わされる環式の複
素環から適切な位置にある、オキソ基、またはチオオキ
ソ基を除いたものである。さらに好ましくはローダニン
核のチオオキソ基を除いたものである。
【0075】L11、L12、L13、L14、L15、L16、L
17、L18、L19、L20、L21、L22、L23、L24
25、L26、L27、L28、L29およびL30はメチン基ま
たは置換メチン基{例えば置換もしくは無置換のアルキ
ル基(例えばメチル、エチル、2−カルボキシエチ
ル)、置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェ
ニル、o−カルボキシフェニル)、複素環基(例えばバ
ルビツール酸)、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素
原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ)、アミノ基(例えばN,N−ジフェニルアミノ、N
−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチルピペラジ
ノ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ)、などで置換されたものなど}を表わし、また、他
のメチン基と環を形成してもよく、あるいは助色団と環
を形成することもできる。L11、L12、L16、L17、L
18、L19、L22、L23、L29およびL30として好ましく
は無置換メチン基である。L13、L14およびL15により
トリメチン、ペンタメチンおよびヘプタメチン色素を形
成する。L13およびL14の単位がn12が2、3の場合繰
り返されるが同一である必要はない。以下にL13、L14
およびL15によって形成されるメチン鎖の好ましい例を
挙げる。
【0076】
【化30】
【0077】L20およびL21によりテトラメチレンおよ
びヘキサメチン色素を形成する。L20およびL21の単位
が繰り返されるが同一である必要はない。L20およびL
21によって形成されるメチン鎖の好ましい例を挙げる。
【0078】
【化31】
【0079】L24およびL25によりジメチン、テトラメ
チン、ヘキサメチンなどを形成する。L24およびL25
単位が、n17が2以上のとき繰り返されるが同一である
必要はない。L24およびL25によって形成されるメチン
鎖の好ましい例を挙げる。
【0080】
【化32】
【0081】n17が2以上のとき好ましい例は(化3
1)と同様である。L26、L27およびL28によりモノメ
チン、トリメチン、ペンタメチンなどを形成する。L26
およびL27の単位が、n18が2以上のとき繰り返される
が同一である必要はない。L26、L27およびL28によっ
て形成されるメチン鎖の好ましい例を挙げる。
【0082】
【化33】
【0083】この他、(化30)で示した例が好まし
い。一般式(XI)で表わされる該化合物のうち、以下の
一般式(XIV)で表わされる化合物はさらに好ましく用い
られる。一般式(XIV)
【0084】
【化34】
【0085】式中、Z17およびZ18は硫黄原子またはセ
レン原子を表わす。R17およびR18はアルキル基を表わ
す。R19、V11、V12、V13、V14、V15、V16、V17
およびV18は水素原子または1価の置換基を表わす。M
14は電荷中和対イオンを表わし、m14は分子内の電荷を
中和させるために必要な0以上の数である。一般式(XI
V) をさらに詳細に説明する。R17およびR18として好
ましくは、R11、R12、R13、R14およびR16と同様な
ものである。R19、V11、V12、V13、V14、V15、V
16、V17およびV18で示される置換基としては特に制限
はないが、前述のVで示した置換基が挙げられる。また
11、V12、V13、V14、V15、V16、V17およびV18
のなかで隣接する炭素原子に結合している2つは互いに
縮合環を形成してもよい。例えば、縮合環としては、ベ
ンゼン環および複素環(例えばピロール、チオフェン、
フラン、ピリジン、イミダゾール、トリアゾール、チア
ゾール)が挙げられる。R19として、好ましくはメチル
基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基である。
さらに好ましくはエチル基である。V11、V12、V14
15、V16およびV18として好ましくは水素原子であ
る。V13およびV17として好ましくは、クロロ基、メチ
ル基、メトキシ基、フェニル基およびカルボキシ基であ
る。また、V13とV14およびV17とV18が互いに結合し
てベンゼン環を形成する場合も好ましい。M1414はM
1111、M1212およびM1313と同義である。以下
に、本発明に使用される増感色素の典型的な例を挙げる
がこれに限定されるものではない。なお、上位概念の増
感色素から順に例示し、このときより好ましい下位概念
の増感色素は除外する。 (1) 本発明に使用される増感色素
【0086】
【化35】
【0087】
【化36】
【0088】
【化37】
【0089】
【化38】
【0090】
【化39】
【0091】
【化40】
【0092】(2) 酸化電位が0.95(V vsSCE)または
それより卑な増感色素
【0093】
【化41】
【0094】
【化42】
【0095】
【化43】
【0096】
【化44】
【0097】
【化45】
【0098】(3) 酸化電位が0.95(V vsSCE)または
それより卑であり、分光感度極大が600nm以上の増感
色素
【0099】
【化46】
【0100】
【化47】
【0101】(4) 酸化電位および分光感度極大に関する
前記(3) の条件を満たし、一般式(XI)、(XII) および(X
III)で表わされる増感色素 (4−1)一般式(XI)で表わされる増感色素
【0102】
【化48】
【0103】
【化49】
【0104】
【化50】
【0105】
【化51】
【0106】
【化52】
【0107】
【化53】
【0108】
【化54】
【0109】
【化55】
【0110】(4−2)一般式(XII)で表わされる増感
色素
【0111】
【化56】
【0112】
【化57】
【0113】
【化58】
【0114】(4−3)一般式(XIII) で表わされる増
感色素
【0115】
【化59】
【0116】
【化60】
【0117】
【化61】
【0118】(5) 酸化電位および分光感度極大に関する
前記(3) の条件を満たし、一般式(XIV) で表わされる増
感色素
【0119】
【化62】
【0120】
【化63】
【0121】
【化64】
【0122】
【化65】
【0123】
【化66】
【0124】
【化67】
【0125】
【化68】
【0126】本発明で使用する増感色素はエフ・エム・
ハーマー(F.M.Hamer) 著「ヘテロサイクリック・コンパ
ウンズ−シアニン・ダイズ・アンド・リレイティド・コ
ンパウンズ(Heterocyclic Compounds − Cyanine Dyes
and Related Compounds)(ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ John & Sons社−ニューヨーク、ロンドン、1
964年刊).、デー・エム・スターマー(D.M.Sturme
r)著,「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャ
ル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミスト
リー(Heterocyclic Compounds−Special topics in he
terocyclic chemistry−)」,第18章,第14節,第
482〜515頁,ジョン・ウィリー・アンド・サンズ
(John Wiley & Sons )社,ニューヨーク,ロンドン,
(1977年刊).,「ロッズ・ケミストリー・オブ・
カーボン・コンパウンズ(Rodd'sChemistry of Carbon C
ompounds )」,(2nd.Ed.vol.IV ,part B,1977年
刊),第15章,第369〜422頁;(2nd.Ed.vol.I
V ,part B,1985年刊),第15章,第267〜29
6頁,エルスバイヤー・サイエンス・パブリック・カン
パニー・インク(Elsvier Science Publishing Company
Inc.)年刊,ニューヨーク,などに記載の方法に基づい
て合成することができる。
【0127】本発明の一般式II)、(III)また
は(IV)で表わされる化合物および本発明で使用する
増感色素を本発明のハロゲン化銀乳剤中に含有せしめる
には、それらを直接乳剤中に分散してもよいし、或いは
水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセト
ン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノー
ル、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−
1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、
N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは
混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。また、米国
特許3,469,987号明細書等に記載のごとき、色
素または本発明の化合物(II)〜(IV)を揮発性の
有機溶剤に溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中
に分散し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭
46−24,185号等に記載のごとき、水不溶性色素
を溶解することなしに水溶性溶剤中に分散させ、この分
散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23,38
9号、特公昭44−27,555号、特公昭57−2
2,091号等に記載されているごとき、色素を酸に溶
解し、該溶液を乳剤中へ添加したり、酸または塩基を共
存させて水溶液とし乳剤中へ添加する方法、米国特許
3,822,135号、米国特許4,006,026号
明細書等に記載のごとき、界面活性剤を共存させて水溶
液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中へ添加す
る方法、特開昭53−102,733号、特開昭58−
105,141号に記載のごとき、親水性コロイド中に
色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中へ添加する方
法、特開昭51−74,624号に記載のごとき、レッ
ドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を
乳剤中へ添加する方法等を用いる事もできる。また、溶
解に超音波を使用することも出来る。
【0128】本発明に用いる増感色素または本発明の化
合物(II)〜(IV)を本発明のハロゲン化銀乳剤中
に添加する時期は、これまで有用である事が認められて
いる乳剤調製の如何なる工程中であってもよい。例え
ば、米国特許2,735,766号、米国特許3,62
8,960号、米国特許4,183,756号、米国特
許4,225,666号、特開昭58−184,142
号、特開昭60−196,749号等の明細書に開示さ
れているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/
及び脱塩前の時期、脱塩工程中及び/または脱塩後から
化学熟成の開始前迄の時期、特開昭58−113,92
0号等の明細書に開示されているように、化学熟成の直
前または工程中の時期、化学熟成後塗布迄の時期の乳剤
が塗布される前なら如何なる時期、工程に於いて添加さ
れても良い。また、米国特許4,225,666号、特
開昭58−7,629号等の明細書に開示されているよ
うに、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と
組み合わせて、例えは、粒子形成工程中と化学熟成工程
中または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前ま
たは工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加し
ても良く、分割して添加する化合物及び化合物の組み合
わせの種類をも変えて添加されても良い。
【0129】本発明に用いる増感色素の添加量として
は、ハロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なるが、
好ましくはハロゲン化銀1モル当たり、4×10−8
8×10−2モルで用いることができる。本発明の一般
II)、(III)または(IV)で表わされる化
合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好
ましくはハロゲン化銀1モル当たり、1×10−6〜5
×10−1モル、さらに好ましくは1×10−5〜2×
10−2モル、特に好ましくは1×10−4〜1.6×
102−モルの割合でハロゲン化銀乳剤中に含有する。
増感色素と、一般式II)、(III)または(I
V)で表わされる化合物の比率(モル比)は、いかなる
値でも良いが、増感色素/(II)、(III)または
(IV)=10/1〜1/1000の範囲が有利に用い
られ、とくに1/1〜1/100の範囲が有利に用いら
れる。
【0130】次に、本発明に用いる平板状ハロゲン化銀
乳剤について詳しく説明する。
【0131】本発明の乳剤は、アスペクト比が2以上の
平板状ハロゲン化銀粒子である。ここで平板状粒子と
は、1枚の双晶面か2枚以上の平行な双晶面を有する粒
子の総称である。双晶面とは、この場合(111)面の
両側ですべての格子点のイオンが鏡像関係にある場合に
この(111)面のことをいう。この平板状粒子は粒子
を上から見た時に三角形状、六角形状もしくはこれらが
丸みを帯びた円形状をしており、三角形状のものは三角
形の、六角形状のものは六角形の、円形状のものは円形
状の互いに平行な外表面を有している。
【0132】本発明における平板状粒子のアスペクト比
とは0.1μm以上の粒子直径を有する平板状粒子につ
いて、各々その粒子直径を厚みで割った値をいう。粒子
の厚みの測定は、参照用のラテックスとともに粒子の斜
め方向から金属を蒸着し、そのシャドーの長さを電子顕
微鏡写真上で測定し、ラテックスのシャドーの長さを参
照にして計算することにより容易にできる。
【0133】本発明における粒子直径とは、粒子の平行
な外表面の投影面積と等しい面積をもつ円の直径であ
る。
【0134】粒子の投影面積は電子顕微鏡写真上での面
積を測定し、撮影倍率を補正することにより得られる。
【0135】平均アスペクト比は、少なくとも100個
のハロゲン化銀粒子について、各粒子のアスペクト比の
算術平均として求められる。また、粒子の平均厚さに対
する平均直径の比率としても求めることができる。
【0136】本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子において、粒子直径は粒子厚さの
2倍以上であるが、好ましくは3〜20倍、より好まし
くは4〜15倍、特に好ましくは5〜10倍である。ま
た、全ハロゲン化銀粒子の投影面積における平板状ハロ
ゲン化銀粒子の占める割合は50%以上であるが、好ま
しくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
【0137】このような乳剤を用いることにより、優れ
た鮮鋭度のハロゲン化銀写真感光材料を得ることができ
る。鮮鋭度が優れているのは、このような乳剤を用いた
乳剤層では光散乱が従来の乳剤層と比較して極めて小さ
いことによる。このことは、当業者が日常使用しうる実
験方法により容易に確認することができる。平板状ハロ
ゲン化銀乳剤を用いた乳剤層の光散乱が小さい理由は明
らかではないが、平板状ハロゲン化銀乳剤の主要面が、
支持体面と平行に配向するためではないかと考えられ
る。
【0138】また、平板状ハロゲン化銀粒子の直径は、
0.02〜20μm 、好ましくは0.3〜10.0μm
であり、特に好ましくは0.4〜5.0μm である。粒
子の厚みとしては、0.7μm以下であり、好ましくは
0.5μm 以下である。
【0139】本発明において、より好ましい平板状ハロ
ゲン化銀粒子は、粒子直径が0.3μm 以上かつ10.
0μm 以下で、粒子厚さが0.3μm 以下であり、平均
(直径/厚さ)が5以上かつ10以下のものである。1
0より大になると、感光材料を折り曲げたり固く巻き込
んだり、あるいは鋭利な物に触れた時に、写真性能に異
常が出ることがあるため好ましくない。さらに好ましい
のは、粒子直径が0.4μm 以上かつ5.0μm 以下
で、平均(直径/厚さ)が5以上の粒子が全ハロゲン化
銀粒子の全投影面積の85%以上を占めるハロゲン化銀
乳剤の場合である。
【0140】本発明で使用する平板状ハロゲン化銀粒子
は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀
のいずれでもよいが、臭化銀、沃化銀15モル%以下の
沃臭化銀、又は塩化銀50モル%以下で沃化銀2モル%
以下の塩沃臭化銀及び塩臭化銀がより好ましく、混合ハ
ロゲン化銀における組成分布は均一でも局在化していて
もよい。
【0141】本発明で使用する平板状のハロゲン化銀乳
剤は、Cugnac,Chateauの報告や、Duf
fin著“Photographic Emulsio
nChemistry”(Focal Press刊、
New York 1966年)66頁〜72頁、及び
A.P.H.Trivelli,W.F.Smith編
“Phot.Jouranl”80(1940年)28
5頁に記載されているが、特開昭58−113927
号、同58−113928号、同58−127921号
に記載された方法を参照すれば容易に調製することがで
きる。
【0142】例えば、pBrが1.3以下の比較的高p
Ag値の雰囲気中において平板状粒子が重量で40%以
上存在する種晶を形成し、同程度のpBrに保ちつつ銀
及びハロゲン溶液を同時に添加しながら種晶を成長させ
ることにより得られる。この粒子成長過程においては、
新たな結晶核が発生しないように銀及びハロゲン溶液を
添加することが望ましい。
【0143】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、温度
調節、溶剤の種類や質の選択、粒子成長時に用いる銀
塩、及びハロゲン化物の添加速度等をコントロールする
ことにより調整することができる。
【0144】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の製造時
に、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用いることによ
り、粒子サイズ、粒子の形状(直径/厚み比等)、粒子
サイズの分布、粒子の成長速度をコントロールすること
ができる。溶剤の使用量は、反応溶液の10-3〜1.0
重量%の範囲が好ましく、特に10-2〜10-1重量%の
範囲が好ましい。本発明においては、溶剤の使用量の増
加と共に粒子サイズ分布を単分散化し、成長速度を進め
ることができる一方、溶剤の使用量と共に粒子の厚みが
増加する傾向もある。
【0145】本発明においては、ハロゲン化銀溶剤とし
て公知のものを使用することができる。しばしば用いら
れるハロゲン化銀溶剤の例としては、アンモニア、チオ
エーテル、チオ尿素類、チオシアネート塩、チアゾリン
チオン類を挙げることができる。チオエーテルに関して
は、米国特許第3,271,157号、同第3,57
4,628号、同第3,790,387号等を参考にす
ることができる。また、チオ尿素類に関しては特開昭5
3−82408号、同55−77737号、チオシアネ
ート塩に関しては米国特許第2,222,264号、同
第2,448,534号、同第3,320,069号、
チアゾリンチオン類に関しては、特開昭53−1443
19号をそれぞれ参考にすることができる。
【0146】ハロゲン化銀粒子の形成又は物理熟成の過
程においては、例えばカドミウム塩、亜鉛塩、タリウム
塩、イリジウム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯
塩、鉄塩又は鉄錯塩を共存させてもよい。
【0147】本発明で使用する平板状ハロゲン化銀粒子
の製造時には、粒子成長を速めるために添加する銀塩溶
液(例えばAgNO3 水溶液)とハロゲン化物溶液(例
えばKBr水溶液)の添加速度、添加量、添加濃度を上
昇させる方法が好ましく用いられる。これらの方法に関
しては、例えば米国特許第1,335,925号、同
3,650,757号、同第3,672,900号、同
第4,242,445号、特開昭55−142329
号、同55−158124号等の記載を参考にすること
ができる。
【0148】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
により化学増感することができる。化学増感のために、
例えば、H.Frieser編“Die Grundl
agen der Photogrophischen
Prozesse mitSilberhaloge
niden”(Akademishce Verlag
sgesellschaft.1968年)675頁〜
735頁に記載の方法を用いることができる。
【0149】すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る
硫黄を含む化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、メ
ルカプト化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感
法;還元性物質(例えば第一錫塩、アミン類、ヒドラジ
ン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合
物)を用いる還元増感法、;貴金属化合物(例えば、金
錯塩の他、Pt、Ir、Pd等の周期律表第VIII族の金
属の錯塩)を用いる貴金属増感法などを単独又は組み合
わせて用いることができる。
【0150】これらの具体例は,硫黄増感法については
米国特許第1,574,944号、同第2,278,9
47号、同第2,410,689号、同第2,728,
668号、同第3,656,955号等、還元増感法に
ついては米国特許第2,419,974号、同第2,9
83,609号、同第4,054,458号等、貴金属
増感法については米国特許第2,399,083号、同
第2,448,060号、英国特許第618,061号
等の各明細書に記載されている。
【0151】特に省銀の観点から、本発明の平板状ハロ
ゲン化銀粒子は金増感又は硫黄増感、或るはこれらの併
用が好ましい。
【0152】本発明で使用する写真乳剤には、感光材料
の製造工程中、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、また写真性能を安定化させる目的で、種々の化合
物を含有させることができる。すなわちアゾール類、例
えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾイール類、
トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダ
ゾール類(特に、ニトロ又はハロゲン置換体);ヘテロ
環メルカプト化合物、例えば、メルカプトチアゾール
類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズ
イミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカ
プトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾール)、メルカプトピリミジン類;カルボキ
シル基やスルホン基等の水溶性基を有する上記のヘテロ
環メルカプト化合物類;例えばオキサドリンチオンのよ
うなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリアザ
インデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキ
シ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類);
ベンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸;等
のようなカブリ防止剤または安定剤として知られた、多
くの化合物を加えることができる。これらのさらに詳し
い具体例及びその使用方法については、例えば米国特許
第3,954,474号、同第3,982,947号、
同第4,021,248号の各明細書、又は特公昭52
−28660号公報の記載を参考にすることができる。
【0153】本発明の前記乳剤は、単分散乳剤であるこ
とが好ましい。
【0154】本発明に関わる単分散乳剤とは、ハロゲン
化銀粒子の粒径に関する変動係数が0.25以下の粒径
分布を有する乳剤である。ここで変動係数とは、粒径に
関する標準偏差を平均粒径で除した値である。すなわ
ち、個々の乳剤粒子の粒径がriであり、その数がni
であるとき、平均粒径は
【0155】
【数1】
【0156】で定義され、その標準偏差は
【0157】
【数2】
【0158】と定義される。
【0159】本発明でいう個々の粒子径とは、ハロゲン
化銀乳剤をティ・エイチ・ジェームス(T.H.Jam
es)ら著「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィ
ック・プロセス」(The Theory of th
e Photographic Process)第3
版36〜43頁、マクミラン社発行(1966年)に記
載されているような、当業界でよく知られた方法(通常
は電子顕微鏡撮影)で微小撮影した場合に、投影された
面積に相当した投影面積相当直径である。ここでハロゲ
ン化銀粒子の投影相当直径とは、上述の著書に示されて
いるように、ハロゲン化銀粒子の投影面積と等しい円の
直径で定義される。従って、ハロゲン化銀粒子の球状以
外(たとえば立方体、八面体、十四面体、平板状、ジャ
ガイモ状など)の場合も、上述のように平均粒径rおよ
びその偏差Sを求めることが可能である。
【0160】ハロゲン化銀粒子の粒径にかかわる変動係
数は0.25以下であるが、好ましくは0.20以下、
より好ましくは0.15以下である。
【0161】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開
昭63−151618号等に記載されている単分散六角
平板状ハロゲン化銀乳剤であることが特に好ましい。
【0162】ここで六角平板状ハロゲン化銀粒子とは、
その{1,1,1}面の形状が六角形であり、隣辺比率
が2以下であることを特徴としている。ここで隣辺比率
とは、六角形を形成する最小の長さを有する辺の長さに
対する最大の長さを有する辺の長さの比である。本発明
の六角平板状ハロゲン化銀粒子は、隣辺比率が2以下で
あれば、その角が幾分丸味みをおびていてもよい。角が
丸みをおびている場合の辺の長さは、その辺の直線部分
を延長し、隣接する辺の直線部分を延長した線との交点
の間の距離で表わされる。本発明の六角平板状粒子の六
角形を形成する各辺は、その1/2以上が実質的に直線
からなることが好ましく、特に4/5以上が実質的に直
線からなることが好ましい。本発明において、隣辺比率
は1〜1.5であることが好ましい。
【0163】本発明の六角平板状ハロゲン化銀乳剤は、
分散媒とハロゲン化銀粒子とからなり、該ハロゲン化銀
粒子の全投影面積の50%以上、好ましくは70%以
上、より好ましくは90%以上が上記六角平板状ハロゲ
ン化銀粒子によって占められている。
【0164】本発明における六角平板状ハロゲン化銀粒
子のハロゲン組成としては、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀のいずれであってもよいが、臭化銀及び
沃臭化銀が好ましい。沃臭化銀の場合、沃化銀含量は0
〜30モル%であり、好ましくは2〜15%、より好ま
しくは4〜12モル%である。沃化銀の粒子内分布は、
粒子全体に均一であってもよいし、粒子内部と表面層と
で沃化銀含量が異なってもよい。また、粒子内部に異な
った沃化銀含量の層がいくつもあるいわゆる多重構造で
あってもよいが、粒子内部よりも粒子表面の方が沃化銀
含量が少ない、いわゆる内部ヨード型粒子が好ましい。
【0165】六角平板状ハロゲン化銀乳剤の製造法につ
いては、米国特許第4,797,354号を参考にする
ことができる。
【0166】単分散六角平板状ハロゲン化銀乳剤の作り
方としては、製造工程を核形成、オストワルド熟成及び
粒子成長の過程に分ける。核形成時には、pBrを1.
0〜2.5に保ち、できるだけ平行な双晶面をもつ核
(平板粒子核)を多くつくるような過飽和条件(温度、
ゼラチン濃度、銀塩水溶液と、ハロゲン化アルカリ水溶
液の添加速度、pBr、ヨードイオン含量、攪拌回転
数、pH、ハロゲン化銀溶剤量、塩濃度など)で核形成を
行う。オストワルド熟成時には、核形成時に形成された
平板状粒子核以外の粒子を消滅せしめ、平板粒子核のみ
を成長させかつ単分散性の良い核にするために、温度、
pBr、pH、ゼラチン濃度、ハロゲン化銀溶剤量などを
調節する。粒子成長時には、pBr及び添加する銀イオ
ン量とハロゲンイオン量を調節することによって、所望
のアスペクト比と粒子サイズをもつ六角平板状ハロゲン
化銀粒子を得ることができる。粒子成長時は、銀イオン
及びハロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長速度の3
0〜100%にすることが好ましい。
【0167】本発明の前記乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
個数の50%が、1粒子当たり10本以上の転位を含む
ことが好ましい。
【0168】平板粒子の転位は、たとえばJ.F.Ha
milton,Phot.Sci.Eng.,11,5
7,(1967)やT.Shiozawa,J.So
c.Phot.Sci Japan,35,213(1
972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた
直接的な方法により観察することができる。すなわち、
乳剤から、粒子に転位が発生するほどの圧力をかけない
よう注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡
観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリント
アウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で、透過法
により観察を行う。このとき、粒子の厚みが厚いほど電
子線が透過しにくくなるので、高圧型(0.25μm の
厚さの粒子に対し200kV)の電子顕微鏡を用いた方が
より鮮明に観察することができる。このような方法によ
って得られた粒子の写真から、主平面に対して垂直方向
から見た場合の各粒子についての転位の位置及び数を用
いることができる。
【0169】本発明の平板粒子の転位の位置は、平板粒
子の長軸方向の中心から辺までの長さのx%の距離から
辺にかけて発生している。このxの値は、好ましくは1
0≦x<100であり、より好ましくは30≦x<98
であり、さらに好ましくは50≦x<95である。この
とき、この転位の開始する位置を結んで作られる形状
は、粒子形と相似に近いが、完全な相似形でなくゆがむ
ことがある。転位線の方向は、略中心から辺に向かう方
向であるが、しばしば蛇行している。
【0170】本発明の平板粒子の転位の数については、
10本以上の転位を含む粒子が50個数%以上存在する
ことが好ましい。さらに好ましくは、10本以上の転位
を含む粒子が80個数%以上、特に20本以上の転位を
含む粒子が80個数%以上存在するものが好ましい。
【0171】さらに、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子
で好ましく用いられる、ハロゲン化銀粒子の50個数%
以上が1粒子当たり10本以上の転位を含むハロゲン化
銀粒子においては、ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含
有率の相対標準偏差が30%以下であることが特に好ま
しく、さらに好ましくは20%以下が好ましい。
【0172】個々の乳剤粒子の沃化銀含有率は、例えば
X線マイクロ・アナライザーを用いて、一個一個の粒子
の組成を分析することによって測定できる。ここで「個
々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差」とは、例えば
X線マイクロ・アナライザーにより少なくとも100個
の乳剤粒子の沃化銀含有率を測定した際の、沃化銀含有
率の標準偏差を平均沃化銀含有率で除した値に100を
乗じて得られる値である。個々の乳剤粒子の沃化銀含有
率測定の具体的方法は、例えば、欧州特許第147,8
48A号に記載されている。
【0173】個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差
が大きいと、個々の粒子の化学増感の適点が異なり、す
べての乳剤粒子の性能を引き出すことが不可能になる。
また、転位の数の粒子間の相対標準偏差も大きくなる傾
向にある。
【0174】個々の粒子の沃化銀含有率Yi(モル%)
と、各粒子の球相当直径Xi(ミクロン)の間には、相
関がある場合とない場合があるが、相関がないことが望
ましい。
【0175】平板粒子のハロゲン組成に関する構造につ
いては、X線回折、EPMA法(XMA法という名称も
ある;電子線でハロゲン化銀粒子を走査して、ハロゲン
化銀組成を検出する方法)、ESCA法(XPS法とい
う名称もある;X線を照射し粒子表面から出てくる光電
子を分光する方法)などを組み合わせることにより確認
できる。
【0176】本発明において粒子表面とは、表面より5
0オングストローム程度の深さまでの領域をいう。この
ような領域のハロゲン組成は、通常ESCA法により測
定することができる。粒子内部とは、上記の表面領域以
外の領域をいう。
【0177】前記の転位線を有する平板状粒子よりなる
乳剤は、特開昭63−220238号、特願平2−31
0862号に記載されている方法に基づいて調製するこ
とができる。また,本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子
サイズ分布が狭いことが好ましく、核形成−オストワル
ド熟成及び粒子成長の段階を経て調製する特願昭63−
151618号に記載されている方法を好ましく用いる
ことができる。
【0178】しかしながら、乳剤の個々の粒子の沃化銀
含有率は、特に緻密な制御をしないと不均一になり易
い。
【0179】乳剤の個々の粒子の沃化銀含有率を均一に
するために、まず、オストワルド熟成後の粒子のサイズ
と形状をできるだけ均一にすることが肝要である。さら
に成長段階において、硝酸銀水溶液とアルカリ・ハライ
ド水溶液を、pAg を6.0から10.0の範囲で一定に
保ちつつ、ダブル・ジェット法で添加し、特に均一な被
覆を行うためには、添加中の溶液の過飽和度は高い方が
好ましい。例えば米国特許第4,242,445号に記
載されているような方法で、結晶の成長速度が結晶臨界
成長速度の30〜100%になるような比較的高い過飽
和度で添加を行うことが望ましい。
【0180】本発明の平板粒子の転位は、粒子の内部に
特定の高ヨード相を設けることによってコントロールす
ることができる。具体的には、基板粒子を調製し、次に
高ヨード相を設け、その外側を高ヨード相よりヨード含
有率の低い相でカバーすることによって得られる。ここ
で、個々の粒子の沃化銀含有率を均一にするために、上
記高ヨード相の形成条件を適切に選択することが重要で
ある。
【0181】内部の高ヨード相とは、ヨードを含むハロ
ゲン化銀固溶体をいう。この場合のハロゲン化銀として
は、沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀が好ましいが、沃化
銀または沃臭化銀(ヨード含有率10〜40モル%)で
あることが好ましく、特に沃化銀であることが好まし
い。
【0182】この内部高ヨード相は、基板の平板粒子の
平面に均一に沈着したものではなく、むしろ局在的に存
在させることが重要である。このような局在化は、平板
の主平面上、側面上、辺上、角上のいずれの場所で起っ
てもよい。さらに、内部高ヨード相を、そのような部位
に選択的にエピタキシャルに配位していても良い。
【0183】このための方法として、沃化物塩を単独に
添加する、いわゆるコンバージョン法や、例えば特開昭
59−133540号、特開昭58−108526号、
特開昭59−162540号に記載されているようなエ
ピタキシャル接合法を用いることができる。その時に以
下のような条件を選択することが、個々の粒子の沃化銀
含有率を均一にするために有効である。すなわち、沃化
物塩添加時のpAg は8.5〜10.5の範囲が好まし
く、9.0〜10.5の範囲が特に好ましい。温度は、
50℃〜30℃の範囲に保つことが好ましい。沃化物塩
の添加は、十分に攪拌された条件下で、全銀量に対し1
モル%以上の沃化物塩を30秒から5分間にわたって添
加することが好ましい。
【0184】基板の平板粒子のヨード含有率は高ヨード
相よりも低く、好ましくは0〜12モル%、さらに好ま
しくは0〜10モル%である。
【0185】高ヨード相をカバーする外側の相は、高ヨ
ード相のヨード含有率よりも低く、好ましくは0〜12
モル%、さらに好ましくは0〜10モル%であり、最も
好ましくは0〜3モル%である。
【0186】この内部高ヨード相は、平均粒子の長軸方
向に関して粒子中心から粒子全体の銀量で5モル%〜8
0モル%の範囲にある、粒子中心を中心とする環状領域
内に存在することが好ましく、さらに好ましくは10モ
ル%〜70モル%、特に20モル%〜60モル%の範囲
の環状領域内に存在することが好ましい。
【0187】ここで、粒子の長軸方向とは平板粒子の直
径方向をいい、短軸方向とは平板粒子の厚さ方向をい
う。
【0188】内部高ヨード相のヨード含有率は、粒子表
面に存在する沃化銀、沃臭化銀または塩沃臭化銀におけ
る平均ヨード含有率よりも高く、好ましくは5倍以上、
特に好ましくは20倍以上である。
【0189】さらに、内部高ヨード相を形成するハロゲ
ン化銀の量は、銀量にして粒子全体の銀量の50モル%
以下であり、さらに好ましくは10モル%以下であり、
特に5モル%以下であることが好ましい。
【0190】種々の化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程
で存在せしめることによって、ハロゲン化銀粒子の性質
をコントロールできる。このような化合物は、反応器中
に最初に存在せしめても良い。また、常法に従って、1
もしくは2以上の塩を加えると共に添加することもでき
る。米国特許第2,448,060号、同2,628,
167号、同3,737,313号、同3,772,0
31号、並びにリサーチ・ディスクロージャー、134
巻、1975年6月、13452に記載されるように、
銅、イリジウム、鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛、カ
ルコゲン化合物(例えば、硫黄、セレン及びテルルの化
合物)、金および第VII 属貴金属の化合物のような化合
物をハロゲン化銀沈殿生成過程で存在せしめることによ
って、ハロゲン化銀の特性をコントロールできる。特公
昭58−1410号、モイザー(Moisar)ら著、ジャー
ナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス、25
巻、1977、19−27頁に記載されるように、ハロ
ゲン化銀乳剤は沈殿生成過程において粒子の内部を還元
増感することができる。
【0191】本発明に用いられる平板粒子においては、
エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀
が接合されていてもよく、また、例えばロダン銀、酸化
鉛のようなハロゲン化銀以外の化合物と接合されていて
も良い。これらの乳剤粒子は、例えば、米国特許第4,
094,684号、同4,142,900号、同4,4
59,353号、英国特許第2,038,792号、米
国特許第4,349,622号、同4,395,478
号、同4,433,501号、同4,463,087
号、同3,656,962号、同3,852,067
号、特開昭59−162540号に開示されている。
【0192】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
化学的に増感されている。
【0193】化学増感は、上記ハロゲン化銀乳剤成形後
に行われるが、ハロゲン化銀乳剤形成後、化学増感を行
う間に、前記乳剤を水洗してもよい。
【0194】化学増感については、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643(1978年12月:23
頁)及び同No.18716(1979年11月:648
頁右欄)に記載されており、pAg 5〜10、pH5〜8及
び温度30〜80℃において硫黄、セレン、テルル、
金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれら増感剤
の複数の組み合わせを用いて行うことができる。
【0195】また、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤
は、分光増感色素の存在下で化学増感されることが好ま
しい。分光増感色素の存在下で化学増感する方法は、例
えば米国特許第4,425,426号、同4,442,
201号、特開昭59−9658号、同61−1031
49号、同61−133941号などに記載されてい
る。使用する分光増感色素としては、通常ハロゲン化銀
写真感光材料に用いられる分光増感色素であればいかな
るものでもよく、その分光増感色素は、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.17643の23〜24頁及び同N
o.18716の648頁右欄〜649頁右欄に記載さ
れている。分光増感色素は一種類でもよく、数種類混ぜ
て使用してもよい。
【0196】分光増感色素を添加する時期は、化学増感
の開始前(粒子形成時、粒子形成終了時、水洗後)、化
学増感の途中及び化学増感終了時のいずれの時期でもよ
いが、粒子形成終了後で化学増感の開始前又は化学増感
の終了時が好ましい。
【0197】添加される分光増感色素の量は任意である
が、飽和吸着量の30〜100%が好ましく、より好ま
しくは50〜90%である。
【0198】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
分光増感されている。用いられる分光増感色素の例は、
上記と同様上記の2つのリサーチ・ディスクロージャー
に記載されている。上述のように化学増感時に分光増感
色素を存在させた乳剤は、分光増感するために、同種又
は別種の色素をさらに追加で添加してもよいし、しなく
てもよい。
【0199】本発明の乳剤は感光性乳剤層に単独で用い
てもよいし、平均粒子サイズの異なる2種以上の乳剤を
併用するようにしてもよい。2種以上の乳剤を用いる場
合、異なる層に用いてもよいが、同一感光層に混合して
用いるのが好ましい。また、2種以上の乳剤を用いる場
合、本発明で規定する平均アクペクト比の乳剤とそうで
ないものとを用いてもよい。上記のように、乳剤を混合
して用いることは、階調コントロール、低露光量領域か
ら高露光量領域すべてにわたる粒状性のコントロール、
及び発色現像依存性(時間及び発色現像主薬・亜硫酸ナ
トリウム塩等の現像液内組成依存性、pH依存性)のコン
トロールなどの観点から好ましい。
【0200】また本発明の乳剤は、特開昭60−143
332号、同60−254032号に記載されている、
粒子間の沃化銀含有率の相対標準偏差が20%以下であ
ることが特に好ましい。
【0201】本発明では感度、粒状性、及び脱銀性を向
上させるために、メルカプト基で置換された含窒素複素
環化合物を用いることが好ましい。これらの化合物は公
知であり、また以下の文献に記載されている。
【0202】米国特許第2,585,388号、同2,
541,924号、特公昭42−21842号、特開昭
53−50169号、英国特許第1,275,701
号、D.A.バージエスら、“ジャーナル・オブ・ヘテ
ロサイクリック・ケミストリ”(D.A.berges
et.al.,“Journal of the H
eterocyclic Chemistry”)第1
5巻981号(1978号)、“ザ・ケミストリ・オブ
・ヘテロサイクリック・ケミストリ”、イミダゾール・
アンド・デリバティブス・パートI(“The Che
mistry of Heterocyclic Ch
emistry”Imidazole and Der
ivatives part I)、336〜9頁、ケ
ミカル・アブストラクト(Chemical Abst
ract)、58、7921号(1963)、394
頁、E.ホガース、“ジャーナル・オブ・ケミカル・ソ
サエティ”(E.Hoggarth“Journal
of Chemical Society”)1160
〜7頁(1949)及びS.R.サウドラー、W.カ
ロ、“オルガニック・ファンクショナル・グループ・プ
レパレーション”、アカデミック・プレス社(S.R.
Saudler,W.karo“OrganicFan
ctional Group Preparatio
n”Academic Press)312〜5頁(1
968)、M.シャムドンら(M.Chamdon,e
t al.,)、ブルタン・ド・ラ・ソシエテ・シミー
ク・ド・フランス(Bulletin de la S
ociete Chimique de Franc
e)、723(1954)、D.A.シャーリー、D.
W.アレイ、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミ
カル・ソサエティ(D.A.Shirley,D.W.
Alley,J.Amer.Chem.Soc.)、7
9、4922(1954)、A.ボール、W.マーチバ
ルト・ベリッヒテ(A.Wohl,W.Marchwa
ld,Ber.)(ドイツ化学会誌)、22巻、568
頁(1889)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミ
カル・ソサエティー(J.Amer.Chem.So
c.)、44、1502〜10頁、米国特許第3,01
7,270号、英国特許第940,169号、特公昭4
9−8334号、特開昭55−59463号、アドバン
スト・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリ(Adv
anced in Heterocyclic Che
mistry)、9、165〜209(1968)、西
独特許第2,716,707号、ザ・ケミストリー・オ
ブ・ヘテロサイクリック・コンパウンズ・イミダゾール
・アンド・デリバティブス(The Chemistr
y of Heterocyclic Compoun
ds Imidazole and Derivati
ves)、Vol.1、384頁、オルガニック・シン
セシス(Org.Synth.)IV.,569(19
63)、ベリッヒテ(Bre.)、9、465(197
6)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサ
エティ(J.Amer.Chem.Soc.)、45、
2390(1923)、特開昭50−89034号、同
53−28426号、同55−21007号、特開昭4
0−28496号。
【0203】また、これらの含窒素複素環化合物は、ハ
ロゲン化銀乳剤層、親水性コロイド層(例えば中間層、
表面保護層、イエローフィルター層、アンチハレーショ
ン層)に含有させるが、ハロゲン化銀乳剤層またはその
隣接層に含有させることが好ましい。
【0204】また、その添加量は1×10-7〜1×10
-3mol/m2 であり、好ましくは5×10-7〜1×10-4
mol/m2 、より好ましくは1×10-6〜3×10-5mol/
2である。
【0205】本発明により調製されたハロゲン化銀乳剤
はカラー写真感光材料及び黒白写真感光材料のいずれに
も用いることができる。カラー写真感光材料としては特
にカラーペーパー、カラー撮影用フィルム、カラーリバ
ーサルフィルム、黒白感光材料としてはX−レイ用フィ
ルム、一般撮影用フィルム、印刷感材用フィルム等を挙
げることができる。特にカラー写真感光材料に好ましく
用いることができ、この場合、支持体上に青感色性層、
緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なく
とも1層が設けられている場合、ハロゲン化銀乳剤層お
よび非感光性層の層数および層順に特に制限はない。典
型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じ
であるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から
成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真
感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、および
赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、
多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般
に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性
層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、
目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色
性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもと
り得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上
層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けても
よい。該中間層には、特開昭61-43748号、同59-113438
号、同59-113440 号、同61-20037号、同61-20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含ま
れていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含
んでいてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロ
ゲン化銀乳剤層は、西独特許第 1,121,470号あるいは英
国特許第923,045 号に記載されるように高感度乳剤層、
低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることができ
る。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くなる様
に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の間に
は非感光性層が設けられていてもよい。また、特開昭57
-112751 号、同62- 200350号、同62-206541 号、62-206
543 号等に記載されているように支持体より離れた側に
低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置し
てもよい。具体例として支持体から最も遠い側から、低
感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感
度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度
赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、また
はBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL
/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭 5
5-34932 号公報に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列す
ることもできる。また特開昭56-25738号、同62-63936号
明細書に記載されているように、支持体から最も遠い側
から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することも
できる。また特公昭49-15495号公報に記載されているよ
うに上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層
をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を
中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置
し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の
異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよう
な感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭
59-202464 号明細書に記載されているように、同一感色
性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/
高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、
あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層な
どの順に配置されていてもよい。 また、4層以上の場
合にも、上記の如く配列を変えてよい。色再現性を改良
するために、米国特許第4,663,271 号、同第 4,705,744
号,同第 4,707,436号、特開昭62-160448 号、同63- 89
850 号の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分
光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光
層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。上
記のように、それぞれの感光材料の目的に応じて種々の
層構成・配列を選択することができる。
【0206】本発明に用いられる写真感光材料の前記感
光性ハロゲン化銀乳剤層以外の写真乳剤層に含有される
好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀を含
む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化銀で
ある。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%まで
のヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀であ
る。写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面
体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面
などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形
でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約 0.2μm以下の微
粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ
粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。本
発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサ
ーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643 (1978年12
月), 22〜23頁,“I. 乳剤製造(Emulsion preparation
and types)”、および同No.18716 (1979年11月), 64
8 頁、同No.307105(1989年11月),863 〜865 頁、および
グラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社
刊(P.Glafkides, Chemie et Phisique Photographiqu
e, PaulMontel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」,
フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin,Photographic Emu
lsion Chemistry (Focal Press, 1966))、ゼリクマンら
著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊
(V. L. Zelikman et al.,Making and Coating Photogr
aphic Emulsion, Focal Press, 1964) などに記載され
た方法を用いて調製することができる。
【0207】米国特許第 3,574,628号、同 3,655,394号
および英国特許第 1,413,748号などに記載された単分散
乳剤も好ましい。また、アスペクト比が約3以上である
ような平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子
は、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Gutoff, PhotographicScience
and Engineering )、第14巻 248〜257頁(1970年);
米国特許第 4,434,226号、同 4,414,310号、同 4,433,0
48号、同 4,439,520号および英国特許第 2,112,157号な
どに記載の方法により簡単に調製することができる。結
晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲ
ン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていても
よい、また、エピタキシャル接合によって組成の異なる
ハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えばロダ
ン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合さ
れていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用
いてもよい。上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭 63-264740号に記載のコア/シェル型
内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シェル型内
部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭 59-133542号に記載
されている。この乳剤のシェルの厚みは、現像処理等に
よって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好
ましい。
【0208】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643、同No.18716および同No.307105 に記載
されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。本発
明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイ
ズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度
の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、
同一層中に混合して使用することができる。米国特許第
4,082,553号に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子、米国特許第 4,626,498号、特開昭 59-214852号
に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロ
イド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/ または実質
的に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用でき
る。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子
とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様
に( 非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこ
とをいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子の調製法は、米国特許第 4,626,498号、特開昭 5
9-214852号に記載されている。粒子内部がかぶらされた
コア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハ
ロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をもつものでも異な
るハロゲン組成をもつものでもよい。粒子内部または表
面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることがで
きる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サ
イズには特別な限定はないが、平均粒子サイズとしては
0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散( ハロゲン
化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒
子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが
好ましい。
【0209】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲン化
銀粒子の表面は、化学的に増感される必要はなく、また
分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加す
るのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデ
ン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化
合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加してお
くことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層
に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。本
発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2 以下が好まし
く、4.5g/m2 以下が最も好ましい。
【0210】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648 頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5. かぶり防止 24 〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 剤、安定剤 6. 光吸収剤、 25 〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7. ステイン 25 頁右欄 650頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8. 色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 9. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11. 可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 12. 塗布助剤、 26 〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 13. スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 14. マット剤 878〜879頁
【0211】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許 4,411,987号や同
第 4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応し
て、固定化できる化合物を感光材料に添加することが好
ましい。本発明の感光材料に、米国特許第 4,740,454
号、同第 4,788,132号、特開昭62-18539号、特開平1-28
3551号に記載のメルカプト化合物を含有させることが好
ましい。本発明の感光材料に、特開平1-106052号に記載
の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係にか
ぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそれら
の前駆体を放出する化合物を含有させることが好まし
い。本発明の感光材料に、国際公開WO88/04794号、特表
平1-502912号に記載された方法で分散された染料または
EP 317,308A 号、米国特許 4,420,555号、特開平1-2593
58号に記載の染料を含有させることが好ましい。本発明
には種々のカラーカプラーを使用することができ、その
具体例は前出のリサーチ・ディスクロージャーNo.1764
3、VII −C〜G、および同No.307105 、VII −C〜G
に記載された特許に記載されている。イエローカプラー
としては、例えば米国特許第3,933,501 号、同第 4,02
2,620号、同第 4,326,024号、同第 4,401,752号、同第
4,248,961号、特公昭 58-10739 号、英国特許第 1,425,
020号、同第 1,476,760号、米国特許第 3,973,968号、
同第 4,314,023号、同第4,511,649 号、欧州特許第 24
9,473A 号、等に記載のものが好ましい。
【0212】マゼンタカプラーとしては5-ピラゾロン系
及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許
第 4,310,619号、同第 4,351,897号、欧州特許第 73,63
6号、米国特許第 3,061,432号、同第 3, 725,067 号、
リサーチ・ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60-33552号、リサーチ・ディスクロージャ
ーNo.24230(1984年6月)、特開昭60-43659号、同61-7
2238号、同60-35730号、同55-118034 号、同60-185951
号、米国特許第4,500,630 号、同第4,540,654 号、同第
4,556,630号、国際公開WO88/04795号等に記載のものが
特に好ましい。シアンカプラーとしては、フェノール系
及びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第 4,0
52,212号、同第 4,146,396号、同第 4,228,233号、同第
4,296,200号、同第 2,369,929号、同第 2,801,171号、
同第 2,772,162号、同第2,895,826 号、同第 3,772,002
号、同第 3,758,308号、同第 4,334,011号、同第 4,32
7,173号、西独特許公開第3,329,729 号、欧州特許第 12
1,365A号、同第 249, 453A号、米国特許第 3,446,622
号、同第 4,333,999号、同第 4,775,616号、同第 4,45
1,559号、同第 4,427,767号、同第 4,690,889号、同第
4,254, 212号、同第4,296,199号、特開昭 61-42658 号
等に記載のものが好ましい。さらに、特開昭64-553号、
同64-554号、同64-555号、同64-556に記載のピラゾロア
ゾール系カプラーや、米国特許第4,818,672 号に記載の
イミダゾール系カプラーも使用することができる。ポリ
マー化された色素形成カプラーの典型例は、米国特許第
3,451,820号、同第 4,080,211号、同第 4,367,282号、
同第 4,409,320号、同第 4,576, 910 号、英国特許 2,1
02,137号、欧州特許第341,188A号等に記載されている。
【0213】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第 4,366,237号、英国特許第 2,12
5,570号、欧州特許第 96,570 号、西独特許(公開)第
3,234,533号に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカラード・カプラーは、リサーチ
・ディスクロージャーNo.17643のVII −G項、同No.307
105 のVII −G項、米国特許第4,163,670 号、特公昭57
-39413号、米国特許第4,004,929 号、同第4,138,258
号、英国特許第1,146,368号に記載のものが好ましい。
また、米国特許第 4,774,181号に記載のカップリング時
に放出された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正
するカプラーや、米国特許第 4,777,120号に記載の現像
主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を
離脱基として有するカプラーを用いることも好ましい。
カップリングに伴って写真的に有用な残基を放出する化
合物もまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤を
放出するDIRカプラーは、前述のRD 17643、VII −F
項及び同No.307105 、VII −F項に記載された特許、特
開昭57-151944号、同57-154234 号、同60-184248 号、
同63-37346号、同63-37350号、米国特許4,248,962号、
同4,782,012 号に記載されたものが好ましい。R.D.No.1
1449、同 24241、特開昭61-201247 号等に記載の漂白促
進剤放出カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を
短縮するのに有効であり、特に、前述の平板状ハロゲン
化銀粒子を用いる感光材料に添加する場合に、その効果
が大である。 現像時に画像状に造核剤もしくは現像促
進剤を放出するカプラーとしては、英国特許第 2,097,1
40号、同第 2,131,188号、特開昭59-157638 号、同59-1
70840 号に記載のものが好ましい。また、特開昭 60-10
7029号、同 60-252340号、特開平1- 44940号、同 1-456
87号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応によ
り、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放
出する化合物も好ましい。
【0214】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427号等に記
載の競争カプラー、米国特許第 4,283,472号、同第 4,3
38,393号、同第 4,310,618号等に記載の多当量カプラ
ー、特開昭60-185950 号、特開昭62-24252号等に記載の
DIRレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー
放出カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物も
しくはDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特
許第173,302A号、同第313,308A号に記載の離脱後復色す
る色素を放出するカプラー、米国特許第 4,555,477号等
に記載のリガンド放出カプラー、特開昭63-75747号に記
載のロイコ色素を放出するカプラー、米国特許第4,774,
181 号に記載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げら
れる。
【0215】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第 2,322,027号
などに記載されている。水中油滴分散法に用いられる常
圧での沸点が175 ℃以上の高沸点有機溶剤の具体例とし
ては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ-2- エチルヘキシルフタレ
ート、デシルフタレート、ビス(2,4-ジ-t- アミルフェ
ニル)フタレート、ビス(2,4-ジ-t- アミルフェニル)
イソフタレート、ビス(1,1-ジエチルプロピル)フタレ
ートなど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類(ト
リフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロ
ヘキシルホスフェート、トリ-2- エチルヘキシルホスフ
ェート、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチ
ルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ
-2-エチルヘキシルフェニルホスホネートなど)、安息
香酸エステル類(2-エチルヘキシルベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ヒドロキシベ
ンゾエートなど) 、アミド類(N,N-ジエチルドデカンア
ミド、N,N-ジエチルラウリルアミド、N-テトラデシルピ
ロリドンなど) 、アルコール類またはフェノール類(イ
ソステアリルアルコール、2,4-ジ-tert-アミルフェノー
ルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビス(2-エチ
ルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリ
セロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、
トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,N-
ジブチル-2- ブトキシ-5-tert-オクチルアニリンな
ど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジ
イソプロピルナフタレンなど)などが挙げられる。また
補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃
以上約 160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例と
しては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-エトキシエ
チルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ
る。ラテックス分散法の工程、効果および含浸用のラテ
ックスの具体例は、米国特許第 4,199,363号、西独特許
出願(OLS)第 2,541,274号および同第2,541,230 号など
に記載されている。
【0216】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭 63-257747号、同 62-272248号、
および特開平 1-80941号に記載の1,2-ベンズイソチアゾ
リン-3-オン、n-ブチル p-ヒドロキシベンゾエート、
フェノール、4-クロル -3,5-ジメチルフェノール、2-フ
ェノキシエタノール、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダ
ゾール等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加すること
が好ましい。本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のR
D.No.17643の28頁、同No.18716の 647頁右欄から 648
頁左欄、および同No.307105 の 879頁に記載されてい
る。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性
コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下であることが好ま
しく、23μm 以下がより好ましく、18μm 以下が更に好
ましく、16μm 以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T
1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した
膜厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技術分野にお
いて公知の手法に従って測定することができる。例え
ば、エー・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング (Photog
r.Sci.Eng.),19卷、2号,124 〜129 頁に記載の型のス
エロメーター(膨潤計)を使用することにより、測定で
き、T1/2 は発色現像液で30℃、3 分15秒処理した時に
到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚
の1/2 に到達するまでの時間と定義する。膜膨潤速度T
1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加える
こと、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって
調整することができる。また、膨潤率は 150〜400 %が
好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨
潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従っ
て計算できる。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側
の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コ
ロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。
このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染料、
紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダ
ー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有さ
せることが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500
%が好ましい。
【0217】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18716の 651左欄
〜右欄、および同No.307105 の880 〜881 頁に記載され
た通常の方法によって現像処理することができる。本発
明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、好まし
くは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とする
アルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、
アミノフェノール系化合物も有用であるが、p-フェニレ
ンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例と
しては3-メチル-4- アミノ-N,Nジエチルアニリン、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒドロキシエチルア
ニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β-メタン
スルホンアミドエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N
- エチル- β- メトキシエチルアニリン、4-アミノ-3-
メチル-N- メチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプ
ロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N- エチル-N-
(2-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- エチ
ル-N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-
アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(3-ヒドロキシプロピ
ル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル -N-メチル-N-(3-
ヒドロキシプロピル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N
- メチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミノ
-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N- プロピル-N-(4-ヒドロキシ
ブチル)アニリン、4-アミノ-3- エチル-N- エチル-N-
(3-ヒドロキシ-2- メチルプロピル)アニリン、4-アミ
ノ-3- メチル-N,N- ビス(4- ヒドロキシブチル)アニリ
ン、4-アミノ-3- メチル-N,N- ビス(5−ヒドロキシペン
チル)アニリン、4-アミノ-3- メチル-N-(5-ヒドロキシ
ペンチル)-N-(4-ヒドロキシブチル)アニリン、4-アミ
ノ-3- メトキシ-N-エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、4-アミノ-3- エトキシ-N,N- ビス(5- ヒドロキ
シペンチル)アニリン、4-アミノ-3- プロピル-N-(4-ヒ
ドロキシブチル)アニリン、及びこれらの硫酸塩、塩酸
塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
これらの中で、特に、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N
-β-ヒドロキシエチルアニリン、4-アミノ-3- メチル-
N- エチル-N-(3-ヒドロキシプロピル)アニリン、4-ア
ミノ-3- メチル-N- エチル-N-(4-ヒドロキシブチル)ア
ニリン、及びこれらの塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩
もしくは硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応
じ2種以上併用することもできる。発色現像液は、アル
カリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のような
pH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミ
ダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化
合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤などを含む
のが一般的である。また必要に応じて、ヒドロキシルア
ミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N-ビ
スカルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フ
ェニルセミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテ
コールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベンジ
ルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニ
ウム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラ
ー、競争カプラー、1-フェニル-3-ピラゾリドンのよう
な補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、
アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノ
カルボン酸に代表されるような各種キレート剤、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロキシエチ
リデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N- テトラメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o- ヒドロ
キシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を代表例として挙げ
ることができる。
【0218】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3- ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p- アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。これらの発色現像液及び黒白現像液
のpHは9〜12であることが一般的である。またこれらの
現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよ
るが、一般に感光材料1平方メートル当たり3l 以下で
あり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくこ
とにより 500ml以下にすることもできる。補充量を低減
する場合には処理槽の空気との接触面積を小さくするこ
とによって液の蒸発、空気酸化を防止することが好まし
い。処理槽での写真処理液と空気との接触面積は、以下
に定義する開口率で表わすことができる。即ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2) 〕÷〔処理
液の容量(cm3) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平 1-82033号に記載さ
れた可動蓋を用いる方法、特開昭 63-216050号に記載さ
れたスリット現像処理方法を挙げることができる。開口
率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程
のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、
定着、水洗、安定化などの全ての工程において適用する
ことが好ましい。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積
を抑える手段を用いることにより補充量を低減すること
もできる。発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高濃
度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図るこ
ともできる。
【0219】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III )などの多
価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が
用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III )の有機錯
塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイ
ミノ二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコール
エーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸
類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩など
を用いることができる。これらのうちエチレンジアミン
四酢酸鉄(III )錯塩、及び1,3-ジアミノプロパン四酢
酸鉄(III )錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄
(III )錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好ま
しい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III )錯塩は漂
白液においても、漂白定着液においても特に有用であ
る。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III )錯塩を用
いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常 4.0〜8である
が、処理の迅速化のためにさらに低いpHで処理すること
もできる。
【0220】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第 3,893,858号、西独特許第1,290,812
号、同2,059,988 号、特開昭53-32736号、同53-57831
号、同53-37418号、同53-72623号、同53-95630号、同53
-95631号、同53-104232 号、同53-124424 号、同53-141
623 号、同53-28426号、リサーチ・ディスクロージャー
No.17129号(1978年7月)などに記載のメルカプト基ま
たはジスルフィド基を有する化合物;特開昭50-140129
号に記載のチアゾリジン誘導体;特公昭45-8506 号、特
開昭52-20832号、同53-32735号、米国特許第3,706,561
号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,127,715 号、
特開昭58-16,235 号に記載の沃化物塩;西独特許第966,
410 号、同2,748,430 号に記載のポリオキシエチレン化
合物類;特公昭45-8836 号記載のポリアミン化合物;そ
の他特開昭49-40,943 号、同49-59,644 号、同53-94,92
7 号、同54-35,727 号、同55-26,506 号、同58-163,940
号記載の化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかで
もメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が
促進効果が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,89
3,858 号、西独特許第1,290,812 号、特開昭53-95,630
号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特許第4,552,
834 号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤
は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を
漂白定着するときにこれらの漂白促進剤は特に有効であ
る。漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他に、漂白
ステインを防止する目的で有機酸を含有させることが好
ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(pKa)が2
〜5である化合物で、具体的には酢酸、プロピオン酸、
ヒドロキシ酢酸などが好ましい。定着液や漂白定着液に
用いられる定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用
できる。また、チオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエー
テル系化合物、チオ尿素などの併用も好ましい。定着液
や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸
塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第 294
769A号に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。更に、
定着液や漂白定着液には液の安定化の目的で、各種アミ
ノポリカルボン酸類や有機ホスホン酸類の添加が好まし
い。本発明において、定着液または漂白定着液には、pH
調整のために pKaが6.0〜9.0の化合物、好ましくは、イ
ミダゾール、1-メチルイミダゾール、1-エチルイミダゾ
ール、2-メチルイミダゾールの如きイミダゾール類を0.
1〜10モル/l 添加することが好ましい。
【0221】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。好ましい
温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ処理後の
ステイン発生が有効に防止される。脱銀工程において
は、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。
攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭 62-183460号
に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる
方法や、特開昭 62-183461号の回転手段を用いて攪拌効
果を上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレ
ードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳
剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上さ
せる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙
げられる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定
着液、定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向
上は乳剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果と
して脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の
攪拌向上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効
であり、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤によ
る定着阻害作用を解消させることができる。本発明の感
光材料に用いられる自動現像機は、特開昭 60-191257
号、同 60-191258号、同 60-191259号に記載の感光材料
搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭 6
0-191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴
から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液
の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は各
工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減に
特に有効である。
【0222】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journ-al ofthe Society of Motion Picture a
nd Tele- vision Engineers 第64巻、P. 248〜253 (195
5年5月号)に記載の方法で、求めることができる。前
記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅
に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加
により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材
料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材
料の処理において、このような問題が解決策として、特
開昭62-288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネシ
ウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用いること
ができる。また、特開昭57-8,542号に記載のイソチアゾ
ロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌ
ール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリ
アゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)
三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技
術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌
防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることも
できる。本発明の感光材料の処理における水洗水のpH
は、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは
25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発
明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって
処理することもできる。このような安定化処理において
は、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号
に記載の公知の方法はすべて用いることができる。ま
た、前記水洗処理に続いて、更に安定化処理する場合も
あり、その例として、撮影用カラー感光材料の最終浴と
して使用される、色素安定化剤と界面活性剤を含有する
安定浴を挙げることができる。色素安定化剤としては、
ホルマリンやグルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、
N-メチロール化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるい
はアルデヒド亜硫酸付加物などを挙げることができる。
この安定浴にも各種キレート剤や防黴剤を加えること
もできる。
【0223】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
水を加えて濃縮補正することが好ましい。本発明のハロ
ゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化及び迅速化の
目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するために
は、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ま
しい。例えば米国特許第 3,342,597号記載のインドアニ
リン系化合物、同第 3,342,599号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.14,850 及び同No.15,159 に記載のシッフ
塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール化合物、米
国特許第 3,719,492号記載の金属塩錯体、特開昭53-135
628 号記載のウレタン系化合物を挙げることができる。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じ
て、発色現像を促進する目的で、各種の1-フェニル-3-
ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物は特
開昭56-64339号、同57-144547号、および同58-115438号
等に記載されている。本発明における各種処理液は10℃
〜50℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0224】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、特公平2-32615 号、実公平3-39784 号などに記載さ
れているレンズ付きフイルムユニットに適用した場合
に、より効果を発現しやすく有効である。
【0225】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0226】実施例1 不活性ゼラチン30g、臭化カリウム6g、蒸留水1リ
ットルを溶かした水溶液を75℃で攪拌しておき、ここ
へ硝酸銀5.0gを溶かした水溶液35cc及び臭化カリ
ウム3.2g、沃化カリウム0.98gを溶かした水溶
液35ccをそれぞれ70cc/分の流速で30秒間添加し
た後、pAgを10に上げて30分間熟成して、種乳剤
を調製した。
【0227】つづいて、硝酸銀145gを溶かした水溶
液1リットルのうちの所定量及び臭化カリウムと沃化カ
リウムの混合物の水溶液を等モル量ずつ所定の温度、所
定のpAgで臨界成長速度近くの添加速度で添加し、平
板コア乳剤を調製した。さらにひきつづいて、残りの硝
酸銀水溶液及びコア乳剤調製のときとは異なった組成の
臭化カリウムと沃化カリウムの混合物の水溶液を等モル
量ずつ臨界成長速度近くの添加速度で添加し、コアを被
覆することにより、コア/シェル型の沃臭化銀平板乳剤
1〜5を調製した。
【0228】アスペクト比の調節は、コア−及びシェル
調製時のpAgを選択することで得られた。結果を表1
に示す。
【0229】
【表1】
【0230】調製した上述のこれら乳剤1〜5を使用
し、以下に示す試料を作製した。下塗りを施した三酢酸
セルロースフィルム支持体上に、下記に示すような組成
の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料である試料1
01〜108を作製した。 (感光層組成) 各層に使用する素材の主なものは下記のように分類され
ている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 各成分に対応する数字は、g/m単位で表した塗布量
を示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素および本発明の化合物(II)
(IV)については、同一層のハロゲン化銀1モルに対
する塗布量をモル単位で示す。
【0231】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.40 ExM−1 0.18 ExF−1 2.0×10-3 HBS−1 0.20
【0232】第2層(中間層) 乳剤G 銀 0.065 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン 0.18 ExC−2 0.020 UV−1 0.060 UV−2 0.080 UV−3 0.10 HBS−1 0.10 HBS−2 0.020 ゼラチン 1.04
【0233】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤B 銀 0.25 (XI−1) 6.9×10-5 (XIV −15) 1.8×10-5 (XIV −7) 3.1×10-4 化合物I〜IV(表2) 3.0×10-3 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−7 0.0050 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0234】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.70 (XI−1) 3.5×10-4 (XIV −15) 1.6×10-5 (XIV −7) 5.1×10-4 化合物I〜IV(表3,4) 3.0×10-3 ExC−1 0.13 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.025 ExC−7 0.0010 ExC−8 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0235】 第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤1 銀 1.40 (XI−1) 2.4×10-4 (XIV −15) 1.0×10-4 (XIV −7) 3.4×10-4 化合物I〜IV(表3,4) 3.0×10-3 ExC−1 0.12 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−8 0.025 Cpd−2 0.050 AB−18 1.3×10-5モル HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.20
【0236】第6層(中間層) Cpd−1 0.10 HBS−1 0.50 ゼラチン 1.10
【0237】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤C 銀 0.35 (B−6) 3.0×10-5 (B−9) 2.1×10-4 (A−12) 8.0×10-4 ExM−1 0.010 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0238】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.80 (B−6) 3.2×10-5 (B−9) 2.2×10-4 (A−12) 8.4×10-4 ExM−2 0.13 ExM−3 0.030 ExY−1 0.018 HBS−1 0.16 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0239】 第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤1〜5(表3,4) 銀 1.25 (B−6) 3.7×10-5 (B−9) 8.1×10-5 (B−12) 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.030 ExM−4 0.040 ExM−5 0.019 Cpd−3 0.040 AB−32 1.2×10-5モル HBS−1 0.25 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.44
【0240】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.030 Cpd−1 0.16 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0241】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤C 銀 0.18 (A−3) 8.6×10-4 ExY−1 0.020 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10
【0242】第12層(中感度青感乳剤層) 乳剤D 銀 0.40 (A−3) 7.4×10-4 ExC−6 7.0×10-3 ExY−2 0.050 ExY−3 0.10 HBS−1 0.050 ゼラチン 0.78
【0243】 第13層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.00 (A−3) 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 AB−37 1.4×10-5モル HBS−1 0.070 ゼラチン 0.86
【0244】第14層(第1保護層) 乳剤G 銀 0.20 UV−4 0.11 UV−5 0.17 HBS−1 5.0×10-2 ゼラチン 1.00
【0245】第15層(第2保護層) H−1 0.44 B−1(直径 約1.7μm) 5.0×10-2 B−2(直径 約1.7μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.20
【0246】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために、W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0247】
【表2】
【0248】表2において、 (1) 乳剤A〜Fは特開平2-191938号の実施例に従い、二
酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に
還元増感されている。 (2) 乳剤A〜Fは特開平3-237450号の実施例に従い、各
感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウム
の存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されてい
る。
【0249】
【化69】
【0250】
【化70】
【0251】
【化71】
【0252】
【化72】
【0253】
【化73】
【0254】
【化74】
【0255】
【化75】
【0256】
【化76】
【0257】
【化77】
【0258】
【化78】
【0259】
【化79】
【0260】
【化80】
【0261】
【化81】
【0262】
【化82】
【0263】続いて以下の試料を作製した。試料101
〜108において、第5層の乳剤を乳剤2に変更し、XI
−1、XIV−15、XIV −7の添加量をそれぞれ1.1
倍とした試料109〜116を作成した。さらに、試料
101〜108の第5層の乳剤を乳剤3に変更し、XI−
1、XIV−15、XIV −7の添加量をそれぞれ1.2倍
とした試料117〜124を作成した。さらに、試料1
01〜108の第5層の乳剤を乳剤4に変更し、XI−
1、XIV−15、XIV −7の添加量をそれぞれ1.4倍
とした試料125〜132を作成した。さらに、試料1
01〜108の第5層の乳剤を乳剤5に変更し、XI−
1、XIV−15、XIV −7の添加量をそれぞれ1.8倍
とした試料133〜140を作成した。試料101〜1
40のそれぞれに、白光(光源の色温度4800°K)
の階調露光を与え、現像処理して得られた各試料のシア
ン濃度を測定し、その特性曲線から最小濃度+0.2の
濃度を与える露光量の逆数で感度を定義し、各試料の感
度を試料101の値を100としたときの相対値で第3
表、第4表に示した。また、各試料を50℃相対湿度7
0%の条件下に3日間放置した後、同様にして露光、現
像し感度、被りを求めた。感度の表示は50℃相対湿度
70%の条件下に3日間放置しなかった試料101の感
度を100としたときの各々の相対値で表わした。
【0264】得られた結果はまとめて表3,4に示す。
また、上記性能を調べるために用いたカラー現像処理工
程、処理液組成を以下に示す。
【0265】
【表3】
【0266】
【表4】
【0267】(処理方法) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 3分15秒 38℃ 漂 白 3分00秒 38℃ 水 洗 30秒 24℃ 定 着 3分00秒 38℃ 水 洗(1) 30秒 24℃ 水 洗(2) 30秒 24℃ 安 定 30秒 38℃ 乾 燥 4分20秒 55℃
【0268】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−〔N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ〕−2−メ 4.5 チルアニリン硫酸塩 水を加えて 1.0リットル pH 10.05
【0269】 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.08 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル pH 6.0
【0270】 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸アンモニウム 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 290.0ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル pH 6.7
【0271】 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5 表3、4から本発明の一般式(II)〜(IV)で表わ
される化合物を使用し、かつアスペクト比が2以上の平
板状粒子からなるハロゲン化銀乳剤を用いることによ
り、高感度で保存性の高いハロゲン化銀写真感光材料を
得ることができることが分かる。
【0272】実施例2 実施例1の試料の各処理を富士写真フイルム社製自動現
像機FP−560Bを用いて以下により行なった。処理
工程及び処理液組成を以下に示す。
【0273】 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分5秒 38.0 ℃ 600ミリリットル 17リットル 漂 白 50秒 38.0 ℃ 140ミリリットル 5リットル 漂白定着 50秒 38.0 ℃ − 5リットル 定 着 50秒 38.0 ℃ 420ミリリットル 5リットル 水 洗 30秒 38.0 ℃ 980ミリリットル 3.5リットル 安 定(1) 20秒 38.0 ℃ − 3リットル 安 定(2) 20秒 38.0 ℃ 560ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分30秒 60 ℃ *補充量は感光材料1m2当たりの量 安定液は(2) から(1) への向流方式であり、水洗水のオ
ーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着浴へ
の補充は、自動現像機の漂白槽の上部並びに定着槽の上
部に切りかきを設け、漂白槽、定着槽への補充液の供給
により発生するオーバーフロー液の全てが漂白定着浴に
流入されるようにした。尚、現像液の漂白工程への持ち
込み量、漂白液の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定
着液の定着工程への持ち込み量及び定着液の水洗工程へ
の持ち込み量は感光材料1m2当たりそれぞれ65ミリリ
ットル、50ミリリットル、50ミリリットル、50ミ
リリットルであった。また、クロスオーバーの時間はい
ずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含
される。
【0274】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホ 3.3 3.3 ン酸 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.1 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3 mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β− ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.15
【0275】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1 ,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモ 130 195 ニウム一水塩 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 ヒドロキシ酢酸 50 75 酢酸 40 60 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.4 4.4
【0276】(漂白定着タンク液)上記漂白タンク液と
下記定着タンク液の15対85(容量比)混合液。(p
H7.0)
【0277】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19 57 チオ硫酸アンモニウム水溶液 280ミリリットル 840ミリリットル (700g/リットル) イミダゾール 15 45 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 7.4 7.45
【0278】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−
120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同ア
ンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに
通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg
/リットル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール
酸ナトリウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150
mg/リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.
5の範囲にあった。
【0279】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル 0.2 (平均重合度 10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イル メチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5
【0280】このようにして得られた、各試料の感度、
被り、保存性は実施例1と同様な結果を与えた。
【0281】実施例3 乳剤6(本発明用) 0.04Mの臭化カリウムを含有する0.7重量%のゼ
ラチン溶液1リットル中に、ゼラチンを含んだ2Mの硝
酸銀水溶液とゼラチンを含んだ2Mの臭化カリウム水溶
液を、30℃で激しく攪拌しながら、1分間で各25cc
を同時に混合した。この後75℃に昇温し、10重量%
ゼラチン溶液300ccを添加した。次に、1Mの硝酸銀
水溶液30ccを5分間かけて添加し、その後、25重量
%のアンモニア水を10cc添加し、75℃で熟成を行っ
た。熟成終了後、アンモニアを中和した後に、1Mの硝
酸銀水溶液と1Mの臭化カリウム水溶液をpBrを2.
3に保ちながら加速された流速(終了時の流速が開始時
の5倍)で同時混合した。このとき使用した硝酸銀水溶
液の量は、600ccであった。この乳剤を常法のフロキ
ュレーション法で水洗し、更に分散ゼラチンを添加する
ことにより、800gの六角平板状ハロゲン化銀乳剤を
得た(種乳剤−A)。この種乳剤−Aは、平均投影面積
円相当径(粒子サイズ)が1.0μm、平均厚さが0.
18μmで、変動係数が11%の単分散六角平板状粒子
であった。次に、この種乳剤−Aを250gとり、蒸留
水800cc、ゼラチン30g、及び臭化カリウム6.5
gを加え、75℃に加温し、攪拌した。その中に、1M
の硝酸銀水溶液と1Mのハロゲン化アルカリ水溶液(臭
化カリウム90モル%に対して沃化カリウム10モル%
で混合してある)を、pBrを1.6に保ちながら加速
された流速(終了時の流速が開始時の3倍)で同時混合
した。このとき使用した硝酸銀水溶液の量は600ccで
あった。さらに1Mの硝酸銀水溶液と1Mの臭化カリウ
ム水溶液とを、同時にpBrを1.6に保ちながら加速
された流速(終了時の流速が開始時の1.5倍)で同時
混合を続けた。ここで使用した硝酸銀水溶液量は200
ccであった。 この乳剤を前述の方法で水洗し、分散ゼ
ラチンを添加して、単分散六角平板状ハロゲン化銀乳剤
(乳剤6)を得た。得られた乳剤6は、全投影面積の9
2%が六角平板状粒子によつて占められており、この六
角平板状粒子の平均粒子サイズは1.75μm平均厚さ
は0.29μm、平均アスペクト比は6:1で変動係数
は16%であった。
【0282】乳剤7(本発明用) 乳剤6と同様にして(ただし、2回目の1Mの硝酸銀水
溶液の量は20ccとし、アンモニア水の添加量は8ccと
した)、種乳剤−Bを得た。次に、この種乳剤−Bを乳
剤6と同様にして成長させた。ただし、成長のpBrは
1.5に保った。得られた乳剤は、全投影面積の90%
が六角平板状粒子によつて占められており、この六角平
板状粒子の平均サイズは2.1μm、平均厚さは0.2
1μm、平均アスペクト比は10:1で変動係数は19
%であった。
【0283】乳剤8(本発明用) 乳剤6の調製方法において、2回目の1Mの硝酸銀水溶
液の量を30ccから10ccに変更し、アンモニア水の添
加を行わず、さらに、3回目のpBrを2.3から1.
7に変更することによって種乳剤−Cを得た。次に、こ
の種乳剤−Cを乳剤6と同じ方法で成長させることによ
って乳剤8を得た。
【0284】得られた乳剤8は、全投影面積の62%が
六角平板状粒子によつて占められており、この六角平板
状粒子の平均サイズは2.0μm、平均厚さは0.17
μm、平均アスペクト比は12:1で変動係数は37%
であった。
【0285】乳剤6、7、8及び1に対して、増感色素
(XI-1)、(XIV-15)、(XIV-7) をモル比で5:2:7で混
合したものを、各乳剤における飽和吸着量の70%にな
る量で加えた。これを60℃で20分間保持した後、6
0℃、pH6.5において、チオ硫酸ナトリウム、塩化
金酸及びチオシアン酸カリウムを用いて各々最適に化学
増感した。こうして表5に示す、乳剤6−1、乳剤7−
1、乳剤8−1及び乳剤1−1を得た。
【0286】
【表5】
【0287】実施例1の第5層の乳剤を乳剤1−1、6
−1、7−1及び8−1に置き換え(第9層は乳剤
1)、第5層に添加してある増感色素(XI-1)、(XIV-1
5)、(XIV-7) を除去して、表6に示した試料301〜3
20を作製した。ここで用いた本発明の化合物を表6に
示す様に変更した。試料301〜320を実施例1と同
様に露光した後、以下に記す現像処理を行った。また実
施例1と同様に保存した試料についても露光、現像処理
を行った。現像は、自動現像機を用いて、以下に記載の
方法で、現像液の累積補充量がそのタンク容量の3倍に
なるまで処理したのち、性能を評価する試料の処理を実
施した。 (処理方法) 工程 処理時間 処理温度 補充量 タンク容量 発色現像 2分00秒 40℃ 3.5ミリリットル 10リットル 漂 白 3分00秒 40℃ 25ミリリットル 20リットル 水 洗 30秒 24℃ 1200ミリリットル 10リットル 定 着 3分00秒 40℃ 25ミリリットル 20リットル 水洗 (1) 30秒 24℃ (2) から(1) への 10リットル 向流配管方式 水洗 (2) 30秒 24℃ 1200ミリリットル 10リットル 安 定 30秒 40℃ 25ミリリットル 10リットル 乾 燥 4分20秒 55℃ 補充量は35mm巾1m 長さ当たり
【0288】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− 3.0 3.2 ジホスホン酸 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 6.0 − ヨウ化カリウム 1.5 mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−〔N−エチル−N−(4−ヒドロキシ ブチルアミノ)〕−2−メチルアニリン 硫酸塩 6.0 15.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.15
【0289】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム 100.0 120.0 三水塩 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 11.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.08 0.09 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5 ミリリットル 4.0ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH 6.0 5.7
【0290】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 0.7 亜硫酸アンモニウム 20.0 22.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 290.0ミリリットル 320.0ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH 6.7 7.0
【0291】 (安定液) タンク液/補充液共通(g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニル エーテル(平均重合度 10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1− イルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0292】
【表6】
【0293】現像処理後、シアン濃度を測定し、その特
性曲線から最小濃度+0.2の濃度を与える露光量の逆
数で感度を定義し、各試料の感度を試料301の値を1
00としたときの相対値で表わした。かぶり、感度の結
果一覧を表6に示す。表6の結果からアスペクト比の高
い粒子を用いると、高感度が達成できる。さらに本発明
の化合物を用いると、アスペクト比の低い粒子で予想さ
れる効果よりも著しく大きな効果を得て、従来の技術で
は到達しえない高感度を達成できることがわかる。この
とき、保存耐性も大きく改良される。以上より本発明に
よれば高感度で保存性にも優れた感光材料が得られる。
【0294】実施例4 乳剤の調製 臭化カリウム6gおよび不活性ゼラチン23gを蒸留水
3.7リットルに溶かした水溶液をよく攪拌しながら、
これにダブルジェット法により、14%の臭化カリウム
水溶液と20%の硝酸銀水溶液とを、一定流量で1分間
にわたって、45℃、pAg9.6の条件下で加えた
(この添加(I)で全銀量の2.40%を消費した)。
次いで、ゼラチン水溶液(17%、3300cc)を加え
て45℃で攪拌した後、20%の硝酸銀水溶液をpAg
が8.40に達するまで一定流量で加えた(この添加
(II) で全銀量の5.0%を消費した)。温度を75℃
に上げて25%のNH3 水溶液35μlを添加し、15
分間保った後、1NのH2SO4 を510μl添加して中和
した。さらに、沃化カリウム8.3gが添加されるよう
に、沃化カリウムを含む20%の臭化カリウム溶液及び
33%の硝酸銀水溶液を、ダブルジェット法によって8
0分間にわたって加えた(この添加(III)で全銀量の9
2.6%を消費した)。この間、温度を75℃、pAg
を8.10に保持した。また、この乳剤に使用した硝酸
銀量は425gであり、次いで通常のフロキュレーショ
ン法により脱塩した後、増感色素S−5及びS−6の存
在下(添加量は後述)で金・硫黄増感を最適に行い、平
板状AgBrI(AgI=2.0モル%)乳剤−1−2
を調製した。乳剤−2−2は、上記乳剤−1−2の調製
手順において、添加(III)で用いたハロゲン溶液から沃
化カリウムを除き、1%の沃化カリウム水溶液830ml
を、添加(III)の途中、全銀量の60%を消費した時点
で硝酸銀と臭化カリウムの溶液の添加を中断して、約9
0秒間にわたって添加し、残りの添加(III)の流量を3
倍にした以外は同様の方法によって調製した。
【0295】乳剤−3−2は、上記乳剤−2−2の調製
手順において、沃化カリウム水溶液の添加直前に臭化カ
リウム水溶液を添加し、pAgを9.0に調節した以外
は同様の方法によって調製した。
【0296】乳剤−4−2は、前記乳剤−2−2の調製
手順において、沃化カリウム水溶液の添加直前に温度を
30℃とした以外は同様の方法によって調製した。な
お、沃化カリウム水溶液添加後の臭化カリウムと硝酸銀
水溶液のダブルジェット法添加は、30℃、pAg8.
1の条件で行った。
【0297】以上により調製した乳剤−1−2〜4−2
の球相当径は、どれも0.7μmと同等であり、平均粒
子直径/粒子厚み比は6.5〜7.0の範囲であった。
【0298】乳剤−1−2〜4−2について、特開昭6
3−220238号の実施例1−(2)に記載されてい
る方法に従って、透過型電子顕微鏡を用いて直接的な転
位の観察を行った。その結果、乳剤−1−2には転位は
観察されなかった。乳剤−2−2〜4−2には、50%
個数以上の粒子に10本以上の転位線が観察された。ま
た、乳剤−2−2に対して、乳剤−3−2、4−2は、
転位線が粒子間で均一に観察される傾向にあった。
【0299】さらに、乳剤−1−2〜4−2について、
欧州特許第147868A号に記載の方法に従って粒子
間ヨード分布を求めた。その結果を第7表に示した。
【0300】
【表7】
【0301】調製したこれら乳剤−1−2〜4−2を用
いて表8、9に示す試料を作製した。フィルムの両面に
下塗りを施した厚み205μの三酢酸セルロースフィル
ム支持体上に、下記のような組成の各層より成る多層カ
ラー感光材料を作製した。各組成の塗布量は、試料1m2
当の値を示した。なおハロゲン化銀、コロイド銀につい
ては、当量の銀に換算した重量を示した。
【0302】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.25 g ゼラチン 1.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.2 g 紫外線吸収剤U−3 0.1 g 紫外線吸収剤U−4 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1 g
【0303】 第2層:中間層 非感光性微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.1μm、AgI含量1モル%) 銀量 0.15 g 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変 動係数18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.05 g 化合物 Cpd−A 0.1 g 化合物 Cpd−M 0.05 g ゼラチン 0.4 g
【0304】 第3層:中間層 ゼラチン 0.40 g 化合物Cpd−C 1 mg 化合物Cpd−D 3 mg 染料D−4 0.4 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 40 mg
【0305】 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.3 g 乳剤B 銀量 0.4 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.12 g カプラーC−3 0.02 g カプラーC−10 0.02 g 化合物Cpd−D 1 mg 化合物Cpd−K 0.05 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.10 g エチルアクリレートのラテックス分散物 0.5 g
【0306】 第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.2 g 乳剤(第8,9 表) 銀量 0.3 g 化合物(I) 〜(IV)( 第8,9 表) 0.0015 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.2 g カプラーC−2 0.05 g カプラーC−3 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.05 g エチルアクリレートのラテックス分散物 0.05 g
【0307】 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤(第8,9 表) 銀量 0.4 g 化合物(I) 〜(IV)( 第8,9 表) 0.0015 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−1 0.4 g カプラーC−3 0.1 g 添加物P−1 0.02 g 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1 g エチルアクリレートのラテックス分散物 0.1 g
【0308】 第7層:中間層 ゼラチン 1.0 g 化合物Cpd−J 0.2 g 化合物Cpd−L 0.05 g 化合物Cpd−N 0.02 g 添加物 P−1 0.05 g 染料D−1 0.02 g
【0309】 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数 16%、AgI含量0.3モル%) 銀量 0.02 g ゼラチン 0.4 g 化合物Cpd−A 0.1 g 化合物Cpd−D 1 mg 化合物Cpd−M 0.05 g
【0310】 第9層:低感度緑感性乳剤層 粒子内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.1μm、AgI含量0. 1モル%) 銀量 0.15 g 乳剤E 銀量 0.3 g 乳剤F 銀量 0.1 g 乳剤G 銀量 0.1 g ゼラチン 2.0 g カプラーC−4 0.03 g カプラーC−7 0.05 g カプラーC−8 0.02 g カプラーC−9 0.05 g カプラーC−12 0.2 g 化合物Cpd−B 0.03 g 化合物Cpd−D 1 mg 化合物Cpd−E 0.02 g 化合物Cpd−F 0.02 g 化合物Cpd−G 0.02 g 化合物Cpd−H 0.02 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.2 g
【0311】 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.3 g 乳剤H 銀量 0.1 g ゼラチン 0.6 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.05 g カプラーC−8 0.05 g カプラーC−9 0.02 g カプラーC−12 0.20 g 化合物Cpd−B 0.03 g 化合物Cpd−E 0.02 g 化合物Cpd−F 0.02 g 化合物Cpd−G 0.05 g 化合物Cpd−H 0.05 g 添加剤 F−5 0.08 mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01 g
【0312】 第11層:高感度緑感性乳剤層 粒子内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.2μm、AgI 含量 0.1モ ル%) 銀量 0.05 g 乳剤I 銀量 0.5 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.3 g カプラーC−8 0.07 g カプラーC−9 0.05 g カプラーC−12 0.1 g 化合物Cpd−B 0.08 g 化合物Cpd−E 0.02 g 化合物Cpd−F 0.02 g 化合物Cpd−G 0.02 g 化合物Cpd−H 0.02 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.04 g
【0313】 第12層:中間層 ゼラチン 0.4 g エチルアクリレートのラテックス分散物 0.15 g 染料D−1 0.1 g 染料D−2 0.05 g 染料D−3 0.07 g
【0314】 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.08 g ゼラチン 1.0 g 化合物Cpd−A 0.04 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01 g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.05 g
【0315】 第14層:中間層 ゼラチン 0.6 g
【0316】 第15層:低感度青感性乳剤層 粒子内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.2μm、AgI 含量 0.1モ ル%) 銀量 0.1 g 乳剤J 銀量 0.4 g 乳剤K 銀量 0.1 g 乳剤L 銀量 0.1 g ゼラチン 1.0 g カプラーC−5 0.5 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−11 0.1 g 化合物Cpd−K 0.1 g
【0317】 第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.1 g 乳剤M 銀量 0.1 g ゼラチン 0.6 g カプラーC−5 0.02 g カプラーC−6 0.002g カプラーC−11 0.02 g
【0318】 第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤N 銀量 0.6 g ゼラチン 1.4 g カプラーC−5 0.05 g カプラーC−6 0.08 g カプラーC−11 0.8 g
【0319】 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.4 g 紫外線吸収剤U−2 0.01 g 紫外線吸収剤U−3 0.03 g 紫外線吸収剤U−4 0.03 g 紫外線吸収剤U−5 0.05 g 紫外線吸収剤U−6 0.05 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02 g ホルマリンスカベンジャー Cpd−C 0.2 g Cpd−I 0.4 g エチルアクリレートのラテックス分散物 0.05 g 染料D−3 0.05 g 化合物Cpd−A 0.02 g 化合物Cpd−J 0.02 g 化合物Cpd−N 0.01 g
【0320】 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.05 mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量1モル%) 銀量 0.05 g ゼラチン 0.3 g
【0321】 第20層:第3保護層 コロイド銀 銀量 0.05 mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.07μm、AgI 含量1モル%) 銀量 0.05 g ゼラチン 0.4 g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5 μm) 0.1 g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体(平均粒径1.5μ m) 0.1 g シリコーンオイル 0.03 g 界面活性剤W−1 3.0 mg 界面活性剤W−2 0.03 g
【0322】各ハロゲン化銀乳剤層および中間層には添
加剤F−1〜F−9を添加した。また、各層には上記組
成物以外にゼラチン硬化剤H−1および塗布用界面活性
剤W−3、W−4およびW−5を、乳化用界面活性剤W
−6を添加した。更に防腐・防黴剤としてフェノール、
1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノ
キシエタノール、イソチオシアン酸フェニル、およびフ
ェネチルアルコールを添加した。
【0323】
【化83】
【0324】
【化84】
【0325】
【化85】
【0326】
【化86】
【0327】
【化87】
【0328】
【化88】
【0329】
【化89】
【0330】
【化90】
【0331】
【化91】
【0332】
【化92】
【0333】
【化93】
【0334】
【化94】
【0335】
【化95】
【0336】
【化96】
【0337】試料に用いた沃臭化銀乳剤は以下のとおり
である。 乳剤名 粒子の特徴 平均球相当径 変動係数 AgI 含率 (μm) (%) (%) A 単分散14面体粒子 0.35 16 4.0 B 単分散立方体内部潜像型粒子 0.45 10 2.0 C 多分散双晶粒子 0.70 20 6.0 (内部高ヨード型コア・シェル粒子、 平均アスペクト比1.5) D 多分散双晶粒子、平均アスペクト比0.5 0.90 25 6.0 E 多分散双晶粒子 0.30 18 6.5 F 多分散双晶粒子 0.40 23 5.5 G 単分散立方体内部潜像型粒子 0.50 11 4.5 H 単分散14面体粒子 0.80 15 5.0 I 多分散双晶粒子、 1.00 25 6.5 平均アスペクト比1.5 J 多分散双晶粒子、 0.60 20 3.5 平均アスペクト比1.5 K 単分散14面体粒子 0.70 15 5.0 L 単分散8面体粒子 0.80 14 5.0 M 単分散8面体粒子 1.00 18 5.0 N 多分散双晶粒子 1.20 25 7.5 (内部高ヨード型コア・シェル粒子) 平均アスペクト比1.5
【0338】 乳剤A〜Hの分光増感 乳剤名 添加した増感色素 ハロゲン化銀1mol 当たりの添加量(g) A XIV −6 0.15 XIV −23 0.02 XIV −5 0.15 B XIV −6 0.15 XIV −23 0.04 XIV −5 0.20 C XIV −6 0.15 XIV −23 0.02 XIV −5 0.05 D XIV −6 0.08 XIV −23 0.01 XIV −5 0.02 E A−11 0.5 B−18 0.08 B−11 0.02 B−19 0.05 F A−11 0.3 B−18 0.07 B−11 0.03 G A−11 0.25 B−18 0.08 H A−11 0.2 B−18 0.03 B−11 0.03 B−19 0.1
【0339】 乳剤I〜Nの分光増感 乳剤名 添加した増感色素 ハロゲン化銀1mol 当たりの添加量(g) I A−11 0.3 XIV −23 0.02 B−11 0.02 A−20 0.1 B−19 0.05 J A−7 0.2 A−6 0.05 K A−7 0.2 A−6 0.05 L A−7 0.22 A−6 0.06 M A−7 0.15 A−6 0.04 N A−7 0.22 A−6 0.06
【0340】試料401〜430を連続ウェッジを通し
て白色光で露光し、下記に示す現像処理に付した後、シ
アン濃度を測定した。感度は光学濃度が1.5となるの
に要した露光量の逆数で定義し、試料401の値を10
0とした相対値で表わし、第8表、第9表に示した。試
料401〜430を実施例1と同じ条件で保存した後、
本実施例の条件で露光、現像に付した後、シアン濃度を
測定した。得られた感度及び、保存なしの試料を基準と
したときの最大発色濃度の低下△Dmax を表8、9に示
した。感度は保存なしの試料401の値を100とした
相対値で表わした。現像処理工程及び処理液組成を以下
に示す。
【0341】上記性能を調べる試料の処理は、自動現像
機を用い、発色現像液の累積補充量がタンク容量の3倍
量になるまで別途像様露光を与えた試料を処理したのち
実施した。
【0342】 処理工程 時間 温 度 タンク容量 補充量 第一現像 6分 38℃ 12リットル 2200ミリリットル/m2 第一水洗 45秒 38℃ 2リットル 2200ミリリットル/m2 反 転 45秒 38℃ 2リットル 1100ミリリットル/m2 発色現像 6分 38℃ 12リットル 2200ミリリットル/m2 漂 白 2分 38℃ 4リットル 860ミリリットル/m2 漂白定着 4分 38℃ 8リットル 1100ミリリットル/m2 第二水洗(1) 1分 38℃ 2リットル − 第二水洗(2) 1分 38℃ 2リットル 1100ミリリットル/m2 安 定 1分 25℃ 2リットル 1100ミリリットル/m2 乾 燥 1分 65℃ − − ここで第二水洗の補充は、第二水洗(2) に補充液を導
き、第二水洗(2) のオーバーフロー液を第二水洗(1) に
導く、いわゆる向流補充方式とした。
【0343】各処理液の組成は以下の通りであった。 〔第一現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン 酸・5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 30 g 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 20 g 炭酸カリウム 33 g 33 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル −3−ピラゾリドン 2.0g 2.0g 臭化カリウム 2.5g 1.4g チオシアン酸カリウム 1.2g 1.2g ヨウ化カリウム 2.0mg − 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH 9.60 9.60 pHは塩酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0344】 〔第一水洗液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸 2.0g タンク液に同じ リン酸2ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000ミリリットル pH 7.00 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0345】 〔反転液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン 酸・5ナトリウム塩 3.0g タンク液に同じ 塩化第一スズ・2水塩 1.0g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15ミリリットル 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.00 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0346】 〔発色現像液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン 酸・5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g 7.0g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 36 g 臭化カリウム 1.0g − ヨウ化カリウム 90mg − 水酸化ナトリウム 3.0g 3.0g シトラジン酸 1.5g 1.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミド エチル)−3−メチル−4−アミノアニリン ・3/2硫酸・1水塩 11 g 11g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0g 1.0g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH 11.80 12.00 pHは塩酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0347】 〔漂白液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・ 2水塩 10.0g タンク液に同じ エチレンジアミン4酢酸・Fe(III) ・アンモニウ ム・2水塩 120g 臭化カリウム 100g 硝酸アンモニウム 10g 漂白促進剤 0.005モル (CH3)2N-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-N(CH3)2 ・2HCl 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.30 pHは塩酸又はアンモニア水で調整した。
【0348】 〔漂白定着液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・ 2水塩 5.0g タンク液に同じ エチレンジアミン4酢酸・Fe(III) ・アンモニウ ム・2水塩 50g チオ硫酸アンモニウム 80g 亜硫酸ナトリウム 12.0g 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.60 pHは塩酸又はアンモニア水で調整した。
【0349】〔第二水洗液〕
〔タンク液、補充液とも〕 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型ア
ニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充
填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシ
ウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて
二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと
硫酸ナトリウム1.5g/リットルを添加した。この液
のpHは6.5〜7.5の範囲にある。
【0350】 〔安定液〕 〔タンク液〕 〔補充液〕 ホルマリン(37%) 0.5ミリリットル タンク液に同じ ポリオキシエチレン−p−モノノニル フェニルエーテル(平均重合度10) 0.3 g トリアゾール 1.7 g ピペラジン・6水和物 0.6 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 調整せず
【0351】結果は第8表、第9表に示す。
【0352】
【表8】
【0353】
【表9】
【0354】第8表、9表より、本発明による試料は、
著しく高感度で保存性も良好であることがわかる。
【0355】実施例5 実施例1で作製した試料のなかから試料101〜108
の8種を、特公平2−32615号、実公平3−397
84号に記載の方法に従ってレンズ付フィルムユニット
を作製した。これら5種のレンズ付フィルムユニットは
同一条件で種々の被写体を撮影し、自動現像機FP−5
60B AL(富士写真フイルム株式会社製)でもって
カラー現像処理を行い、続いて富士ミニラボチャンピオ
ン、プリンタープロセッサーFA−140(富士写真フ
イルム株式会社製)を使用し、フジカラーペーパー、ス
ーパーFA、TypeIIにプリントを行った(この時のカラ
ー現像処理はCP−43FAを使用した)。
【0356】これら8種のレンズ付フィルムユニットか
ら得られたネガを通してプリントして得られたそれぞれ
の絵柄を観察したところ、本発明の構成からなる試料
03〜108から得たプリントは比較試料101から得
られたプリントに比べ、高感度化していることが明らか
に確認できた。
【0357】実施例6 臭化カリウム25.7g、ゼラチン125g、5%3,
6−ジチアオクタン−1,8−ジオール水溶液を水2.
5リットル中に加え、充分攪拌しながら、75℃で臭化
カリウム12.77%水溶液65mlと硝酸アンモニウ
ム0.4gを加えた硝酸銀17.22%水溶液65ml
をダブルジェット法により一定流量で15秒間に亘り加
えた。次いで20分間そのまま攪拌を続けた後、臭化カ
リウム246.2g、沃化カリウム10.5g及び3,
6−ジチアオクタン−1,8−ジオール1.7gを加え
た水溶液1.44リットルと硝酸アンモニウム9.0g
を加えた硝酸銀20.90%水溶液1.44リットルと
をダブルジェット法にて90分間に亘り加えた(加えた
全硝酸銀の量は375.5gである)。次いで35℃に
冷却し、pH4.10に調整し、調製例(1)と同じ沈
降剤を加え、ハロゲン化銀を沈降水洗し、ゼラチン10
0g、フェノール5%水溶液150mlと水1.4リッ
トルを加え、pH6.8、pAg8.8に調整した。こ
のようにして得たハロゲン化銀粒子は平均直径1.78
μm、平均厚さ0.12μm(平均の直径/厚さ14.
8)であり、直径0.6μ以上、厚さ0.2μm以下で
かつ直径/厚さ10以上の平板状ハロゲン化銀粒子が全
粒子の全投影面積の97.8%を占めていた。次いでこ
の乳剤をチオ硫酸ナトリウム5水和物とテトラ金酸カリ
ウムを加え60℃で熟成した。このようにして調整され
た沃臭化銀乳剤を各々1kgづつポットに秤取し、増感
色素(XIV−6)4×10−4モル/kg乳剤、(X
IV−23)1.2×10−5モルkg乳剤と、第10
表に示す本発明の化合物(II)〜(IV)7.0×1
−5モルkg乳剤を添加し、さらに2,4−ジクロロ
−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム
塩の1重量%水溶液を加えた後、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムベース上に乾燥膜厚が5ミクロンになる
ように塗布して、写真感光材料を得た。これらの試料、
夫々に青色フィルター(395nmから440nmまで
の光を透過するバンドパスフィルター)、及び赤色フィ
ルター(600nmより長波長の光を透過するフィルタ
ー)を用いて、タングステン光(5400゜K)で1/
50秒間の光楔露光を行った。露光後、下記の組成の現
像液を用いて、20℃で4分間現像し、停止、定着処理
し更に水洗して黒白像をもつストリップスを得た。この
ストリップスを富士写真フイルム社製の濃度計を用い
て、濃度測定し、青色フィルター感度(SB)と赤色フ
ィルター感度(SR)とカブリを求めた。感度を決定し
た光学濃度の基準点は〔カブリ+0.2〕の点であっ
た。また、実施例1と同様に保存した試料についても、
上記と同様に露光、現像を行なった。感度は、SB、S
R各々試料601の保存前の感度を100としたときの
相対感度で表わした。 現像液の組成 水 700ml メトール 3.1g 無水亜硫酸ナトリウム 45g ハイドロキノン 12g 炭酸ナトリウム(一水塩) 79g 臭化カリウム 1.9g 水を加えて 1リットルとする 使用に際して水2容を加えて使用液とする。得られた結
果を相対的な値として第10表に示す。
【0358】
【表10】
【0359】第10表から、本発明の化合物(II)〜
(IV)により高感度化し、保存安定性も向上すること
が分かる。
【0360】
【発明の効果】一般式(II)、(III)、(IV)
で表される化合物及びアスペクト比2以上のハロゲン化
銀粒子が全ハロゲン化銀粒子の50%以上存在する平板
状粒子のハロゲン化銀乳剤を使用することにより、高感
度で保存性の優れたハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることができる。さらに、ハロゲン化銀粒子の粒径に係
る変動係数が0.25以下の単分散粒子、ハロゲン化銀
粒子の全投影面積の50%以上が平行な二面を外表面と
して有し最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長
さを有する辺の長さの比が2以下の六角平板状粒子、ハ
ロゲン化銀粒子の個数の少くとも50%が1粒子当り1
0本以上の転位を含む粒子あるいはハロゲン化銀粒子の
個々の沃化銀含有率の相対標準偏差が30%以下のハロ
ゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤を使用すること
により、上述の諸性能がさらに改良されたハロゲン化銀
カラー写真感光材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 1/08 G03C 1/08 1/12 1/12 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/34 G03C 1/035 G03C 1/08 G03C 1/12 G03C 1/06 501

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該乳剤層にアスペクト比2以上のハロゲン化銀粒
    子が全ハロゲン化銀粒子の50%以上存在する平板状粒
    子からなるハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ下記一般式
    (II)、(III)および(IV)から選ばれた化合
    物から選ばれた少なくとも1つを含有することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、R 、R 、R およびR はアルキル基、アリ
    ール基または複素環基を表わす。 は炭素原子数4ま
    たは6のアルキレン基を表わす。 は炭素原子数2の
    アルキレン基を表わす。 は炭素原子数1または2の
    アルキレン基を表わす。 およびZ は炭素原子数3
    のアルキレン基を表わす。 およびL はメチン基を
    表わす。 ただし、R 、R 、R 、R 、Z 、Z
    およびZ のうち、ヒドラジン の窒素原子に直接結合し
    ている炭素原子にオキソ基が置換していることはない。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子
    の粒径に係る変動係数が0.25以下である単分散粒子
    からなるハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする請求
    項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子
    の全投影面積の50%以上が平行な二面を外表面として
    有し、最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さ
    を有する辺の長さの比が2以下の六角平板状粒子からな
    るハロゲン化銀乳剤であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子
    の個数の少なくとも50%が1粒子当り10本以上の転
    位を含む粒子からなるハロゲン化銀乳剤であることを特
    徴とする請求項1または請求項3に記載のハロゲン化銀
    写真感光材料。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子
    の個々の沃化銀含有率の相対標準偏差が30%以下のハ
    ロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤であることを
    特徴とする請求項1または請求項4に記載のハロゲン化
    銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銀乳剤が増感色素によって分
    光増感されていることを特徴とする請求項1ないし5記
    載のハロゲン化銀写真感光材料。
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