JP2822693B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2822693B2
JP2822693B2 JP15341291A JP15341291A JP2822693B2 JP 2822693 B2 JP2822693 B2 JP 2822693B2 JP 15341291 A JP15341291 A JP 15341291A JP 15341291 A JP15341291 A JP 15341291A JP 2822693 B2 JP2822693 B2 JP 2822693B2
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清 上村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の回転速度におい
て点火位置を遅れた位置から進み位置に階段的に進角さ
せるようにした内燃機関用点火装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オートバイ用の内燃機関における有害排
気ガスの低減や、汎用内燃機関の始動操作時におけるケ
ッチング防止などのために、機関の低回転速度領域にお
いては点火位置が遅れた状態とし、機関が所定回転速度
Nc に達すると図4に示すように点火位置を階段的に進
角させてNc 以上の回転速度では点火位置が進んだ状態
とするいわゆるステップ進角を行なうようにした内燃機
関用点火装置が知られている。
【0003】従来のこの種の点火装置では、機関と同期
回転する信号発電機内に設けられて機関速度に比例する
大きさの電圧を発生する信号コイルの出力電圧をツェナ
ーダイオードに印加し、機関が所定の回転速度Nc に達
したとき信号コイルの出力電圧がツェナーダイオードの
ツェナー電圧に達して該ツェナーダイオードが導通する
ように設定して、このツェナーダイオードの導通により
点火回路に与える点火信号を第2の点火位置から該第2
の点火位置よりも位相の進んだ第1の点火位置に急変さ
せてステップ進角を行なわせるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の点火位置で
は、信号コイルの出力電圧を直接ツェナーダイオードに
印加して該ツェナーダイオードの導通によりステップ進
角を行なう所定の回転速度(ステップ回転速度)Nc を
検知していたため、信号コイルの出力電圧の大きさのば
らつきやツェナーダイオードのツェナー電圧の偏差など
により検知されたステップ回転速度の値に差が生じ、機
関の特性にばらつきが生じるという問題があった。
【0005】本発明の目的は、信号コイルの出力電圧の
大きさやツェナーダイオードのツェナー電圧のばらつき
によってステップ回転速度の検出値に差異が生ずること
がないようにした内燃機関用点火装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、点火信号が与
えられたときに点火コイルの1次電流を制御して該点火
コイルの2次側に点火用の高電圧を発生する点火回路
と、内燃機関の第1の点火位置及び該第1の点火位置よ
りも位相が遅れた第2の点火位置でそれぞれ極性が異な
る第1の信号及び第2の信号を発生する信号コイルと、
該信号コイルの出力で点火回路に点火信号を与える点火
信号供給回路とを備えた内燃機関用点火装置であって、
第1の点火位置と第2の点火位置との相互間で点火位置
を階段的に変化させるステップ回転速度が信号コイルの
出力電圧の大きさのばらつきの影響を受けないようにし
たものである。
【0007】そのため本発明においては、信号コイルが
第1の信号を発生したときにこの第1の信号によりトリ
ガ信号が与えられて導通する点火信号供給制御用スイッ
チを備えて第1の信号を該点火信号供給制御用スイッチ
を通して点火回路に点火信号として与える第1の点火信
号供給回路と、信号コイルが第2の信号を発生したとき
にこの第2の信号を点火回路に点火信号として供給する
第2の点火信号供給回路と、点火タイミング制御用コン
デンサと、信号コイルが出力する第2の信号により点火
タイミング制御用コンデンサを一定の電圧まで充電する
コンデンサ充電回路と、点火タイミング制御用コンデン
サを一定の時定数で放電させる放電回路と、点火タイミ
ング制御用コンデンサの端子電圧が設定値以下になって
いるときに点火信号供給制御用スイッチへのトリガ信号
の供給を阻止し、点火タイミング制御用コンデンサの端
子電圧が設定値を超えているときに点火信号供給制御用
スイッチへのトリガ信号の供給を許容するトリガ制御回
路とを設けた。そして、内燃機関が設定回転速度で回転
しているときに点火タイミング制御用コンデンサの端子
電圧が第1の点火位置で設定値を超えるように点火タイ
ミング制御用コンデンサの充電電圧と放電時定数とを設
定した。
【0008】
【作用】上記のように構成すると、信号コイルから第1
の信号が発生したときに点火タイミング制御用コンデン
サの端子電圧が設定値以下の場合には、点火信号供給制
御用スイッチが導通しないので、第1の信号は点火信号
として点火回路へ供給されない。このとき信号コイルか
らの第2の信号が第2の点火信号供給回路を通して点火
信号として点火回路へ供給される。
【0009】また信号コイルから第1の信号が発生した
ときに点火タイミング制御用コンデンサの端子電圧が設
定値を超えている場合には、第1の信号により点火信号
供給制御用スイッチへのトリガ信号の供給が行われて該
スイッチが導通するので、この点火信号供給制御用スイ
ッチを通して第1の信号が点火信号として点火回路に供
給される。
【0010】点火タイミング制御用コンデサは信号コイ
ルが出力する第2の信号により一定電圧まで充電された
後一定の時定数で放電するので、該コンデンサの端子電
圧が低下していって設定値に達するときの回転角度位置
は、機関の回転速度が上昇するにつれて遅れ位置側に移
動する。そして、機関の回転速度が設定回転速度(ステ
ップ回転速度)に達したときに点火タイミング制御用コ
ンデンサの端子電圧が設定値を超える回転角度位置が第
1の信号の発生位置(第1の点火位置)に一致するよう
に、該コンデンサの充電電圧(定電圧)の大きさと放電
時定数の値とを設定したので、機関の回転速度が設定回
転速度以下になっている領域では、信号コイルから出力
される第2の信号で点火回路に点火信号を供給すること
ができ、機関の回転速度が設定回転速度を超える領域で
は、第1の信号により、第1の点火位置で点火回路に点
火信号を供給することができる。
【0011】点火タイミング制御用コンデンサの充電電
圧及び放電時定数は、信号コイルの出力電圧の大きさの
影響を受けることなく一定にすることができるので、ス
テップ進角が生ずる設定回転速度は信号コイルの出力電
圧の大きさの差異の影響を受けない。
【0012】
【実施例】図1(a),(b)は本発明の実施例を示し
たものである。図1(a)において、1は図示しない内
燃機関に取付けられた磁石発電機内に設けられたエキサ
イタコイルで、このエキサイタコイルは内燃機関の回転
に同期して交流電圧を誘起する。エキサイタコイルの一
端は接地され、他端はダイオード2を通して点火エネル
ギ蓄積用コンデンサ3の一端に接続されている。コンデ
ンサ3の他端は点火コイル4の1次コイル4aの一端に
接続され、該1次コイルの他端は接地されている。点火
コイル4の2次コイル4bの一端は接地され、該2次コ
イルの非接地側の端子は機関の気筒に取付けられた点火
プラグ5の非接地側端子に接続されている。1次コイル
4aの両端間にはカソードを接地側に向けたダイオード
6が並列接続されている。コンデンサ3とダイオード2
との接続点と接地間には、カソードを接地側に向けたサ
イリスタ8のアノードカソード間回路が接続されてい
る。サイリスタ8のゲートカソード間にはコンデンサ9
が並列接続されている。ダイオード2及び6、コンデン
サ3、点火コイル4、点火プラグ5、抵抗7、サイリス
タ8及びコンデンサ9によりコンデンサ放電式の点火回
路10が構成されている。
【0013】11は後で詳細に説明する点火位置制御回
路で、この点火位置制御回路は内燃機関の点火位置で出
力端子Bから点火信号を出力して点火回路10のサイリ
スタ8にトリガ電圧を与える。12はエキサイタコイル
1の非接地側端子にアノードが接続されたダイオード
で、該ダイオードのカソードは機関停止用スイッチ13
を通して接地されている。
【0014】図1(a)において、エキサイタコイル1
に図示の実線矢印方向の電圧が誘起すると、該電圧によ
りダイオード2を介して点火エネルギ蓄積用コンデンサ
3が図示の極性に充電される。機関の点火位置で点火位
置制御回路11から出力された点火信号がサイリスタ8
のゲートに供給されると該サイリスタが導通し、コンデ
ンサ3の電荷がサイリスタ8を通して点火コイルの1次
コイル4aに放電する。このとき点火コイルの2次コイ
ル4bに誘起した高電圧により点火プラグ5に火花が生
じて機関が点火される。
【0015】機関の運転中に機関停止用スイッチ13を
閉じると、エキサイタコイル1の図示の実線矢印方向の
出力はダイオード12及びスイッチ13を通して短絡さ
れるため、点火エネルギ蓄積用コンデサ3の充電が行わ
れなくなって機関の点火が停止する。
【0016】図1(b)は点火位置制御回路11の回路
構成の一例を示したもので、同図において14は内燃機
関に取付けられた信号発電機内に設けられた信号コイル
である。この信号コイル14は機関の第1の点火位置θ
1 で図示実線矢印方向の極性の第1の信号vs1を発生
し、第1の点火位置よりも位相が遅れた第2の点火位置
θ2 で図示実線矢印方向の極性の第2の信号vs2を発生
する。第1及び第2の信号vs1及びvs2はエキサイタコ
イル1に図示の実線矢印方向の半波の電圧が誘起してい
る期間内に発生するように、エキサイタコイル1と信号
コイル14との相対的回転角度位置が選定されている。
信号コイル14の一端にサイリスタ15のアノードが接
続され、該サイリスタのカソードは点火位置制御回路1
1の出力端子Bに接続されている。本実施例ではサイリ
スタ15により点火信号供給制御用スイッチ16が構成
されている。サイリスタ15のカソードと接地間には抵
抗17が接続され、また信号コイル14の他端と接地間
にはアノードを接地側に向けたダイオード18が接続さ
れている。サイリスタ15のゲートカソード間にはコン
デンサ19が接続され、またサイリスタ15のアノード
ゲート間にはカソードをサイリスタ15のゲートに接続
したダイオード20と抵抗21との直列回路が接続され
ている。この例では、サイリスタ15、ダイオード1
8,20、抵抗17,21及びコンデンサ19により第
1の点火信号供給回路が構成されている。信号コイル1
4から出力される第1の信号vs1により抵抗21及びダ
イオード20を通してサイリスタ15のゲートへのトリ
ガ信号の供給が許容された場合には、該サイリスタ15
が導通するので、第1の信号により信号コイル14→サ
イリスタ15→抵抗17及びサイリスタ8のゲートカソ
ード→ダイオード18→信号コイル14の経路で電流が
流れたときに抵抗17の両端間に生ずる電圧で点火回路
10のサイリスタ8に点火信号vt が供給される。
【0017】信号コイル14の一端と接地間に抵抗22
が接続され、また信号コイル14の他端にダイオード2
3のアノードが接続されている。ダイオード23のカソ
ードはサイリスタ15のカソードに接続されている。こ
の例ではダイオード23、抵抗17及び22により第2
の点火信号供給回路が構成され、信号コイル14から出
力される第2の信号vs2により信号コイル14→ダイオ
ード23→抵抗17→抵抗22→信号コイル14の経路
で電流が流れたときに抵抗17の両端間に生ずる電圧で
点火回路10に点火信号vt が供給される。
【0018】第1の点火信号供給回路の点火信号供給制
御用スイッチ16(サイリスタ15)へのトリガ信号の
供給を制御するためにトリガ制御回路が設けられてい
る。すなわち、ダイオード20と抵抗21との接続点に
トランジスタ24のエミッタが接続され、該トランジス
タのコレクタは接地されている。トランジスタ24のゲ
ートコレクタ間には電界効果トランジスタ25のソース
ドレン回路が並列接続され、該電界効果トランジスタの
ゲートは一方の端子を接地した点火タイミング制御用コ
ンデンサ26の他方の端子に接続されている。この例で
はトランジスタ24と電界効果トランジスタ25とによ
りトリガ制御回路27が構成されている。このトリガ制
御回路27では、点火タイミング制御用コンデンサ26
の図示の極性の端子電圧Vc が設定値Vt を超えている
ときには電界効果トランジスタ25が遮断状態にある。
このときトランジスタ24にベース電流が流れないた
め、該トランジスタ24は遮断状態になっている。また
コンデンサ26の図示の極性の端子電圧Vc が設定値V
t 以下のときには電界効果トランジスタ25が導通し、
トランジスタ24が導通状態になる。
【0019】トランジスタ24が遮断状態にあるときに
は、信号コイル14が出力する第1の信号vs1による点
火信号供給制御用スイッチ16(サイリスタ15)への
トリガ信号の供給が許容され、トランジスタ24が導通
状態にあるときには、該トランジスタを通して第1の信
号vs1が側路されるので点火信号供給制御用スイッチ1
6へのトリガ信号の供給が阻止される。
【0020】信号コイル14が出力する図示の破線矢印
方向の第2の信号vs2により点火タイミング制御用コン
デンサ26を一定の電圧まで充電したのち該コンデンサ
26を一定の時定数で放電させるために充電回路及び放
電回路が設けられている。すなわち、コンデンサ26の
両端子間に抵抗28及び調整抵抗29の直列回路と、カ
ソードを接地側に向けたツェナーダイオード30とが並
列接続され、またコンデンサ26の非接地側端子と信号
コイル14の一端との間に、アノードをコンデンサ26
の非接地側端子に向けたダイオード31が接続されてい
る。信号コイル14、ダイオード23、抵抗17、ツェ
ナーダイオード30及びダイオード31によりコンデン
サ26を充電する充電回路が構成され、コンデンサ26
はツェナーダイオード30のツェナー電圧Vz に等しい
値の一定電圧まで充電される。また、抵抗28及び調整
抵抗29の直列回路によりコンデンサ26の放電回路が
構成され、一定電圧Vz まで充電されたコンデンサ26
は、該コンデンサの静電容量と抵抗28及び29の抵抗
値とにより定まる一定の時定数で放電する。
【0021】コンデンサ26の一定の充電電圧Vz 及び
一定の放電時定数の値は、機関が設定回転速度(ステッ
プ回転速度)Nc で回転しているときに、コンデンサ2
6の端子電圧Vc が一定の充電電圧Vz から低下してい
って設定値Vt に等しくなる回転角度位置が、機関の第
1の点火位置θ1 に一致するように選定される。コンデ
ンサ26の放電時定数は、放電回路の調整抵抗29によ
って調節することができる。
【0022】内燃機関が2サイクル機関である場合に
は、機関が逆方向にも回転する恐れがあるが、これを防
止するために、信号コイル14の一端及び他端とエキサ
イタコイル1の非接地側端子との間にそれぞれカソード
をエキサイタコイル側に向けた逆回転防止用ダイオード
32及び33が接続されている。機関が逆方向に回転す
る場合には、エキサイタコイル1に図示の破線矢印方向
の半波電圧が誘起する期間内に信号コイル14に図示の
実線矢印方向の電圧、及びこれより位相の遅れた図示の
破線矢印方向の電圧が発生するが、この場合にはエキサ
イタコイル1の図示の破線矢印方向の出力はダイオード
18及び33により短絡されるので、信号コイル14の
両端子間の電圧もほぼ零になって点火回路10に点火信
号を供給することができない。したがって機関が逆回転
を継続するのを防止できる。
【0023】次に、図3を参照して上記実施例の動作を
説明する。
【0024】図1(a)において、機関が回転してエキ
サイタコイル1に図示の実線矢印方向の電圧が誘起する
と、点火エネルギ蓄積用コンデンサ3が図示の極性に充
電される。機関の回転角度位置θ2 (第2の点火位置)
で信号コイル14に図示の破線矢印方向[図1(b)]
の第2の信号vs2[図3(a)参照]が生ずると、該第
2の信号により信号コイル14→ダイオード23→抵抗
17→点火タイミング制御用コンデンサ26及びツェナ
ーダイオード30→ダイオード31→信号コイル14の
経路で電流が流れて、コンデンサ26が図示の極性[図
1(b)]に一定電圧Vz まで充電される。次いで、コ
ンデンサ26は抵抗28及び29からなる放電回路を通
して一定の時定数で放電する。コンデンサ26の端子電
圧の波形を図3(b)に示した。
【0025】機関の回転速度がステップ回転速度Nc 未
満のときには、コンデンサ26の端子電圧Vc が、図3
(b)に実線で示すように変化して次のサイクルの第1
の点火位置θ1 より位相が進んだ角度位置θ3 で設定値
Vt に達する。したがって、Vc <Vt となっているθ
2 〜θ3 の区間では、図3(c)〜(e)に実線で示し
たようにトランジスタ25及び24が遮断状態になり、
サイリスタ15が導通状態になるため、回転角度位置θ
3 でVc =Vt となるとトランジスタ25及び24が導
通し、サイリスタ15が遮断状態になる。そのため、次
のサイクルの第1の点火位置θ1 で信号コイル14に第
1の信号vs1が生じたときにサイリスタ15(点火信号
供給制御用スイッチ16)が遮断状態にあるので、第1
の信号vs1は点火回路10に点火信号として供給され
ず、第2の点火位置θ2 で生ずる第2の信号vs2は第2
の点火信号供給回路(信号コイル14→ダイオード23
→抵抗22→信号コイル14)により点火信号vt2(抵
抗17の端子間電圧、図3(f)実線波形)として点火
回路10に供給される。従ってこのとき機関は第2の点
火位置θ2 で点火される。
【0026】機関の回転速度が上昇して設定回転速度N
c を超えているときには、コンデンサ26の端子電圧V
c が図3(b)に破線で示すようになり、次のサイクル
の第1の点火位置θ1 より位相が遅れた角度位置θ3 ´
で設定値Vt に達する。この場合、第1の点火位置θ1
では、図3(c)〜(e)に破線で示すようにトランジ
スタ25及び24が遮断状態になる。これによりサイリ
スタ15が導通状態になるので、第1の点火位置θ1 で
生ずる第1の信号vs1が第1の点火信号供給回路(信号
コイル14→サイリスタ15→抵抗17及びサイリスタ
8のゲートカソード→ダイオード18→信号コイル1
4)により点火信号vt2[抵抗17の端子電圧、図3
(f)に破線で示した波形]として点火回路10に供給
される。このとき機関は第1の点火位置θ1 で点火され
る。
【0027】コンデンサ26の端子電圧Vc が設定値V
t に達する角度位置θ3 は、機関の回転速度がステップ
回転速度Nc のときにθ3 =θ1 となるように調節され
ているので、図3に示したように、機関の回転速度がス
テップ回転速度Nc に達すると点火位置は第2の点火位
置θ2 から第1の点火位置θ1 に階段的に変化する。点
火タイミング制御用コンデンサ26の充電電圧Vz 及び
放電時定数は、機関が設定回転速度Nc で回転している
ときに、該コンデンサ26の端子電圧Vc が第1の点火
位置θ1 において設定値Vt に達するするように設定し
てあるので、機関の点火位置が第2の点火位置θ2 から
第1の点火位置θ1 へと階段的に変化する設定回転速度
Nc は信号コイル14の出力電圧の大きさの差異によっ
て影響を受けることなく常に一定となる。
【0028】図2(a),(b)は本発明の他の実施例
を示したもので、この例では、サイリスタ15のカソー
ドと点火信号の出力端子Bとの間に抵抗40とコンデン
サ41との並列回路からなるバイアス回路が挿入されて
いる。また図1(b)のダイオード18に代えてサイリ
スタ42が用いられ、該サイリスタ24のゲートと接地
間にツェナーダイオード43が接続されている。サイリ
スタ42のゲートカソード間にはコンデンサ44と、抵
抗45とが並列に接続され、抵抗45の両端に抵抗46
と温度補償用の感温抵抗素子47との直列回路が並列接
続されている。サイリスタ42のカソードにはダイオー
ド48のアノードが接続され、ダイオード48のカソー
ドは信号コイル14の一端に接続されている。ダイオー
ド32のアノードにはダイオード49のカソードが接続
され、ダイオード49のアノードは抵抗50を通して接
地されている。
【0029】またこの例では、信号コイル14の他端が
ダイオード32のアノードに接続されるとともにダイオ
ード23及び51のアノードに接続され、ダイオード5
1のカソードは図2(a)に示した点火回路10のサイ
リスタ8のアノードCに接続されている。
【0030】この実施例では、ダイオード32,33
と、サイリスタ42と、ツェナーダイオード43と、コ
ンデンサ44と、抵抗45,46と、感温抵抗素子47
とにより逆転防止回路が構成されている。
【0031】図1(a),(b)に示した実施例では、
信号コイル14が第2の信号vs2を発生したときに、信
号コイル14→ダイオード23→抵抗17及びサイリス
タ8のゲートカソード→コンデンサ26→ダイオード3
1→信号コイル14の経路でコンデンサ26が充電され
るが、このようにしてコンデンサ26を充電した場合に
は、機関の回転数が低く、信号コイル14の出力が低い
場合や、信号発電機のエアギャップが大きく設定された
ために信号コイルの出力を大きくとれない場合等にコン
デンサ26を十分充電することができないおそれがあ
る。これに対し、図2(a),(b)の実施例のよう
に、ダイオード51を設けると、点火回路のサイリスタ
8が導通したときにダイオード51と、サイリスタ8の
アノードカソード間とを通してコンデンサ26を充電す
ることができるため、コンデンサ26の充電を効率良く
行わせることができる。特に図2の実施例のように、コ
ンデンサ41と抵抗40の並列回路からなるバイアス回
路が追加されている場合にダイオード51の追加が有効
である。
【0032】尚抵抗40とコンデンサ41との並列回路
からなるバイアス回路を追加すると、第1の信号vs1が
コンデンサ41の両端の電圧を超えたときに点火信号が
与えられるようになるため、ノイズによる誤点火が生じ
るのを防ぐことができる。
【0033】図1の実施例では、ダイオード32と33
とを設けて、エキサイタコイル1と信号コイル14の出
力の位相関係を利用して逆転の防止を図っていたが、同
実施例では、正常回転時に信号コイル14から得られる
正規の信号出力の一部がサイリスタ8を通して側路され
ることがある。信号コイル14の出力の一部がサイリス
タ8を通して側路されると、信号コイルの出力が低下す
る上に、信号コイルの出力電流の増大による電機子反作
用の影響で信号の立上がりが遅れるため、点火位置が遅
れるおそれがある。
【0034】これに対し、図2に示した実施例では、信
号コイル14から得られる進角側の信号vs1は全てサイ
リスタ15を通して点火信号として点火回路に供給され
るので、上記のようにサイリスタ8を通して信号出力の
一部が側路されることはなくなる。
【0035】また機関の逆転時には、エキサイタコイル
の負方向出力(図示の破線矢印方向の出力)でサイリス
タ42が導通状態になるため、信号コイル14が出力す
る第2の信号vs2が、信号コイル14→ダイオード32
→エキサイタコイル1→サイリスタ42→ダイオード4
8→信号コイル14の経路で短絡される。従って、第2
の信号vs2によりダイオード23を通して点火回路10
に点火信号が供給されことはなく、またコンデンサ26
にも充電電流が供給されないため、点火動作は行われな
くなる。これにより機関の逆転を防止することができ
る。
【0036】上記の実施例では、点火回路10をコンデ
ンサ放電式の点火回路で構成したが、この点火回路は点
火信号が与えられたときに点火コイルの1次電流を制御
して該点火コイルの2次側に点火用の高電圧を発生する
ものであれば、他の方式の点火回路でもよいのはもちろ
んである。
【0037】また上記の実施例では、点火信号供給制御
用スイッチ16はサイリスタで構成したが、トリガ信号
が与えられて導通するトランジスタで構成してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、点火タ
イミング制御用コンデンサの端子電圧が設定値以下にな
っているときに点火信号供給制御用スイッチを遮断状態
にし、第2の点火位置で点火回路が設定値を超えている
ときに、点火信号供給制御用スイッチを導通状態にして
このスイッチを通して第1の点火位置で点火回路に点火
信号を供給するようにするとともに、点火タイミング制
御用コンデンサを信号コイルの出力により一定電圧まで
充電した後一定の時定数で放電させる回路を設けて、機
関が設定回転速度で回転しているときに該コンデンサの
端子電圧が第1の点火位置で設定値を超えるようにした
ので、信号コイルの出力電圧の大きさのばらつきの影響
を受けることなく、ステップ進角が生ずる回転速度を常
に一定にすることができる。したがって進角を生じる回
転速度が、信号コイルの出力電圧の大きさのばらつきの
影響を受けない点火装置を得ることができる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例の全体の構成を示した
回路図であり、(b)は同実施例の点火位置制御回路の
詳細を示した回路図である。
【図2】(a)は本発明の他の実施例の全体の構成を示
した回路図であり、(b)は同実施例の点火位置制御回
路の詳細を示した回路図である。
【図3】図1(b)の各部の電圧波形またはオンオフの
状態を示した波形図である。
【図4】本発明により得られるステップ進角特性の一例
を示した線図である。
【符号の説明】
1…エキサイタコイル、10…点火回路、11…点火位
置制御回路、14…信号コイル、16…点火信号供給制
御用スイッチ(サイリスタ15)、17,22…抵抗、
18,23…ダイオード、26…点火タイミング制御用
コンデンサ、27…トリガ制御回路(トランジスタ2
4、電界効果トランジスタ25)、28,29…放電回
路、30…ツェナーダイオード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−138273(JP,A) 特開 昭57−195868(JP,A) 特開 昭61−76761(JP,A) 実開 昭61−82069(JP,U) 実開 平2−59266(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 5/155 F02P 3/04 - 3/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火信号が与えられたときに点火コイル
    の1次電流を制御して該点火コイルの2次側に点火用の
    高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の第1の点火位
    置及び該第1の点火位置よりも位相が遅れた第2の点火
    位置でそれぞれ極性が異なる第1の信号及び第2の信号
    を発生する信号コイルと、前記信号コイルの出力で前記
    点火回路に点火信号を与える点火信号供給回路とを備え
    た内燃機関用点火装置において、前記信号コイルが第1
    の信号を発生したときに該第1の信号によりトリガ信号
    が与えられて導通する点火信号供給制御用スイッチを備
    えて前記第1の信号を該点火信号供給制御用スイッチを
    通して前記点火回路に点火信号として与える第1の点火
    信号供給回路と、前記信号コイルが第2の信号を発生し
    たときに該第2の信号を前記点火回路に点火信号として
    供給する第2の点火信号供給回路と、点火タイミング制
    御用コンデンサと、前記信号コイルが出力する第2の信
    号により前記点火タイミング制御用コンデンサを一定の
    電圧まで充電するコンデンサ充電回路と、前記点火タイ
    ミング制御用コンデンサを一定の時定数で放電させる放
    電回路と、前記点火タイミング制御用コンデンサの端子
    電圧が設定値以下になっているときに前記点火信号供給
    制御用スイッチへのトリガ信号の供給を阻止し、前記点
    火タイミング制御用コンデンサの端子電圧が設定値を超
    えているときに前記点火信号供給制御用スイッチへのト
    リガ信号の供給を許容するトリガ制御回路とを具備し、
    内燃機関が設定回転速度で回転しているときに前記点火
    タイミング制御用コンデンサの端子電圧が前記第1の点
    火位置で設定値を超えるように前記点火タイミング制御
    用コンデンサの充電電圧と放電時定数とが設定されてい
    ることを特徴とする内燃機関用点火装置。
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