JP2821111B2 - 耐火スクリーン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は耐火スクリーン装置
に係り、火災時に煙りの拡散と延焼を防止するものに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、シートシャッターとしては、たと
えば、実公昭６３−５０３７８号公報に記載されている
ように、２本の巻取軸を内外に平行に並設し、この内側
の巻取軸には一定の間隔をおいて下方に垂れ下がる複数
枚の縦長の内側シートをそれぞれ巻取可能に取り付け、
前記外側の巻取軸には前記各内側シートの間に位置して
下方に垂れ下がる複数枚の縦長の外側シートをそれぞれ
巻取可能に取り付け、被遮蔽部を遮蔽する際には前記各
内側シートの幅方向の側縁部と前記各外側シートの幅方
向の側縁部とを相互に重ね合わた状態に垂れ下げる構成
が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載された
構成では、各内側シート及び各外側シートはそれぞれ下
端部が自由端部として互いに分離可能になっているた
め、荷物を出し入れする出入口を遮蔽するものとしては
好ましいものであるが、火災時に被遮蔽部を遮蔽して煙
りの拡散と延焼を防止することができず、すなわち、内
外の各シートは下端部を自由端部としているため、その
内外の各シートは火災時の風圧によって煽られた場合に
はその風圧によって各重ね合わせ部がそれぞれ簡単に分
離して開口され、この開口部が排煙口として排気され、
したがって、煙りの拡散と延焼を防止する耐火スクリー
ン装置としては使用できないものである。

【０００４】そこで、前記内外の各シートには下端部に
それぞれの各シートの幅方向と略同じ長さで被遮蔽部の
床面に着床させる着床体をそれぞれ取り付け、この各着
床体にてそれぞれのシートの下端部を支持させることが
考えられるが、この場合には、隣接する着床体の長手方
向の両端部の相互はシートの重ね合わせ部が互いに重な
り合う方向すなわち、着床体の厚み方向から当接するこ
とになり、その着床体相互の厚みに応じて隣接するシー
トの重ね合わせ部が離間して開口され、この開口部が排
煙口として排気される、という問題がある。

【０００５】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、被遮蔽部を遮蔽する難燃性耐火シート体を構成
する複数の難燃性耐火シート片の下端部に前記被遮蔽部
の床面に着床する難燃性着床材を取り付けても、前記複
数の難燃性耐火シート片の重ね代が互いに重なり合う状
態にすることを可能にでき、したがって、煙りの拡散と
延焼を防止でき、避難、誘導、救助活動等を迅速かつ円
滑に行うことに十分に寄与できる耐火スクリーン装置を
提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の耐火スク
リーン装置は、両側部に相対して固定され互いに対向す
る対向面に挿入口を上下方向に形成したガイドレール
と、この両側部のガイドレールの挿入口に幅方向の両側
端部を挿入して昇降自在に設けられ被遮蔽部を遮蔽する
難燃性耐火シート体と、この難燃性耐火シート体の下端
部に取り付けられこの難燃性耐火シート体にて前記被遮
蔽部を遮蔽する際にこの被遮蔽部の床面に着床する難燃
性着床体と、を具備し、前記難燃性耐火シート体は、そ
れぞれの幅方向の両側端部を重ね代として互いに重なり
合う状態に並設固定され下端部を自由端部として互いに
分離可能な上下方向の複数の難燃性耐火シート片からな
り、この複数の難燃性耐火シート片の中で両側端部に配
置された難燃性耐火シート片の外側縁部をそれぞれ前記
両側部のガイドレールの挿入口に挿入する挿入縁部と
し、前記難燃性着床体は、前記各難燃性耐火シート片の
下端部にそれぞれ取り付けられたそれぞれの難燃性耐火
シート片の幅と略同じ長さの複数の難燃性着床材からな
り、この複数の難燃性着床材の中で両側端部に配置され
た難燃性着床材の外側端部に前記両側部のガイドレール
の挿入口にそれぞれ挿入する挿入部を形成し、この両側
端部に配置された難燃性着床材の内側端部と隣接する難
燃性着床材の外側端部との相互に、互いに係合しそれぞ
れの難燃性耐火シート片の対向する重ね代を互いに接合
させる係合部をそれぞれ形成するものである。

【０００７】そして、被遮蔽部を遮蔽する場合には、複
数の難燃性耐火シート片をそれぞれ同時に下降するが、
この際、両側端部に配置された難燃性耐火シート片の両
挿入縁部がそれぞれ両側部のガイドレールの挿入口に沿
って、かつ、両側端部に配置された難燃性着床材の両挿
入部がそれぞれ両側部のガイドレールの挿入口に沿って
下降されることにより、難燃性耐火シート体はスムーズ
に下降される。

【０００８】また、各難燃性耐火シート片の各難燃性着
床材がそれぞれ被遮蔽部の床面に着床されることによ
り、この各難燃性耐火シート片にて被遮蔽部が遮蔽され
るが、この際、両側端部の難燃性着床材の内端部と隣接
する難燃性着床材の外側端部との相互は互いの係合部が
係合されることにより、この係合部を有する難燃性着床
材のそれぞれの難燃性耐火シート片の対向する重ね代が
互いに隙間なく接合される。

【０００９】したがって、難燃性着床材を下端部に有す
る複数の難燃性耐火シート片の各重ね代の相互がそれぞ
れ気密状に接合され、この複数の難燃性耐火シート片に
て被遮蔽部が全面的に遮蔽され、火災時に煙りの拡散と
延焼が防止される。

【００１０】請求項２記載の耐火スクリーン装置は、請
求項１記載の耐火スクリーン装置において、隣接する難
燃性着床材の側端部の係合部は、それぞれの重ね代が互
いに重なり合う対向面に形成された係合段部からなるも
のである。

【００１１】そして、両側端部に配置された難燃性着床
材の内端部に形成された係合段部と隣接する難燃性着床
材の外側端部に形成された係合段部とを重ね代が互いに
重なり合う方向から係合することにより、それぞれの難
燃性耐火シート片の対向する重ね代が互いに確実に隙間
なく気密に接合される。

【００１２】請求項３記載の耐火スクリーン装置は、請
求項２記載の耐火スクリーン装置において、係合段部
は、この係合段部に連続して相手側の長手方向の側端面
を当接する当接面を有するものである。

【００１３】そして、当接面に相手側の長手方向の側端
面が当接されることにより、隣接する相互の難燃性着床
材がそれぞれ係合段部に係合された状態で位置決めさ
れ、各難燃性着床材が長さ方向に移動することが防止さ
れ、それぞれの難燃性耐火シート片の対向する重ね代が
重なり合った状態に保持される。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して説明する。

【００１５】１は被遮蔽部２の相対する両側壁部にそれ
ぞれ相対して垂直状に固定された上下方向の左右のガイ
ドレールで、この左右のガイドレール１は互いに対向す
る対向面に上下方向の挿入口３を開口して断面略コ字形
状に形成され、この対向する挿入口３は外側方に向かっ
て相対して平行状に突出した前後の上下方向の案内片3
a，3bにて形成されている。前記被遮蔽部２は出入口、
非常口及び通路等の開口部を意味している。

【００１６】また、前記被遮蔽部２の上框体等の上側壁
部４には前記左右のガイドレール１の上端部をそれぞれ
挿入したスクリーンボックス５が固定され、このスクリ
ーンボックス５は下端部に前記左右のガイドレール１の
挿入口３にそれぞれ連通して開口した左右方向の案内口
６が形成されている。

【００１７】また、前記スクリーンボックス５内には左
右方向の巻取ドラム７を有する巻取軸８が回転自在に軸
架され、この巻取軸８の一端部にはこの巻取軸８を回転
駆動する回転輪９が固着されている。また、前記回転輪
９の下方に位置して前記スクリーンボックス５内には正
逆転可能なモータ10が固定され、このモータ10の出力軸
11には前記回転輪９に対向する位置に駆動輪12が固着さ
れ、この駆動輪12と前記回転輪９との間には無端回行体
13が回行自在に懸架されている。

【００１８】前記モータ10は図示しない制御手段からの
火災信号により作動されるようになっている。そして、
前記モータ10の出力は減速されて前記巻取軸８に伝達さ
れるようになっている。

【００１９】つぎに、前記巻取ドラム７には前記被遮蔽
部２を遮蔽する昇降自在の難燃性耐火シート体14の一端
部（上端部）が固着されて巻き付けられ、この難燃性耐
火シート体14は前記巻取ドラム７の巻き戻しにより前記
左右のガイドレール１の挿入口３に幅方向の両側端部を
挿入した状態で下降され前記被遮蔽部２を遮蔽するよう
になっている。

【００２０】前記難燃性耐火シート体14は、ガラスクロ
ス、シリカクロス等からなる一枚仕立ての難燃性布地等
にて所定の幅にて形成された上下方向の複数の難燃性耐
火シート片15からなり、この複数の難燃性耐火シート片
15はそれぞれの幅方向の両側端部を重ね代16として互い
に重なり合う状態に上端部が並設固定され、下端部を自
由端部として互いに分離可能に、すなわち、隣接する難
燃性耐火シート片15の相互は互いに反対方向に分離可能
に配設されている。

【００２１】また、前記複数の難燃性耐火シート片15の
中で、両側端部に配置された難燃性耐火シート片15の外
側縁部をそれぞれ前記左右のガイドレール１の挿入口３
に挿入する挿入縁部17として形成されている。そして、
前記複数の難燃性耐火シート片15は全体的に略のれん状
に配設されている。

【００２２】つぎに、前記難燃性耐火シート体14の下端
部にはこの難燃性耐火シート体14にて前記被遮蔽部２を
遮蔽する際にこの被遮蔽部２の床面18に着床する難燃性
着床体19が一体に取り付けられている。

【００２３】前記難燃性着床体19は、前記各難燃性耐火
シート片15の下端部にそれぞれ一体に取り付けられたそ
れぞれの難燃性耐火シート片15の幅と略同じ長さの複数
の難燃性着床材20からなり、この各難燃性着床材20はそ
れぞれ断面略矩形状に形成されている。

【００２４】また、前記複数の難燃性着床材20の中で、
両側端部に配置された難燃性着床材20の外側端部には前
記両側部のガイドレール１の挿入口３にそれぞれ挿入す
る挿入部21がそれぞれ形成され、この両外側端部の挿入
部21はそれぞれの難燃性着床材20の前後方向の厚みより
薄い肉厚で偏平状の挿入片22としてそれぞれ形成され、
この両挿入片22の内側端部には前記両側部のガイドレー
ル１の挿入口３の開口縁部3cに当接する係合段部23がそ
れぞれ形成されている。

【００２５】また、前記両側端部に配置された難燃性着
床材20の内側端部と隣接する難燃性着床材の外側端部と
の相互に、互いに係合しそれぞれの難燃性耐火シート片
15の対向する重ね代16を互いに接合させる係合部24，25
がそれぞれ形成されている。

【００２６】前記互いに係合する係合部24，25は、それ
ぞれの難燃性耐火シート片15の対向する重ね代16が互い
に重なり合う対向面に形成された係合段部26，27からな
り、この係合段部26，27は、この係合段部26，27に連続
してこの係合段部26，27の内側に位置して互いに相手側
の長手方向の側端面28，29を当接する当接面30，31をそ
れぞれ有している。

【００２７】前記難燃性耐火シート体14の複数枚の難燃
性耐火シート片15及び難燃性着床体19の複数の難燃性着
床材20は火災時の火の熱に強く燃えにくいものであるこ
とを意味する。

【００２８】つぎに、前記実施の形態の作用を説明す
る。

【００２９】被遮蔽部２を遮蔽する火災時に制御手段か
らの火災信号によりモータ10が作動されると、このモー
タ10からの出力により巻取軸８が難燃性耐火シート体14
を巻き戻す方向に回転駆動され、この巻取軸８の巻取ド
ラム７にて難燃性耐火シート体14が順次巻き戻されなが
ら左右のガイドレール１に案内されて下降される。

【００３０】この際、両側端部に配置された難燃性耐火
シート片15の両挿入縁部17がそれぞれ両側部のガイドレ
ール１の挿入口３に沿って下降され、かつ、両側端部に
配置された難燃性着床材20の両挿入部21の挿入片22がそ
れぞれ両側部のガイドレール１の挿入口３に沿って下降
されることにより、難燃性耐火シート体14はスムーズに
下降される。

【００３１】また、各難燃性耐火シート片15の下降時に
は両側端部に配置された難燃性着床材20の内側端部の両
係合部24と隣接する難燃性着床材20の外側端部の係合部
25との相互が係合された状態で下降されることにより、
各難燃性耐火シート片15は対向する重ね代16を互いに接
合させた状態でスムーズに下降される。

【００３２】そして、各難燃性耐火シート片15の各難燃
性着床材20の下端面がそれぞれ被遮蔽部２の床面18に着
床されるとともにモータ10の作動が停止されることによ
り、この各難燃性耐火シート片15及び各難燃性着床材20
にて被遮蔽部２が遮蔽されるが、この際、両側端部の難
燃性着床材20の内側端部の両係合部24と隣接する難燃性
着床材20の外側端部の係合部25とは互いに係合された状
態で着床されることにより、この係合部24，25を有する
難燃性着床材20のそれぞれの難燃性耐火シート片15の対
向する重ね代16がそれぞれ互いに隙間なく接合される。

【００３３】すなわち、両側端部の難燃性着床材20の内
端部の両係合部24と隣接する難燃性着床材20の外側端部
の係合部25は、それぞれの重ね代16が互いに重なり合う
対向面に形成された係合段部26，27からなり、これらの
係合段部26，27の相互がそれぞれ係合されることによ
り、それぞれの難燃性耐火シート片15の対向する重ね代
16がそれぞれ互いに確実に隙間なく気密に接合される。

【００３４】したがって、難燃性着床材20を下端部に有
する各難燃性耐火シート片15の各重ね代16の相互がそれ
ぞれ気密状に接合され、この各難燃性耐火シート片15に
て被遮蔽部２が全面的に遮蔽され、火災時に煙りの拡散
と延焼が防止される。そして、避難、誘導、救助活動等
を迅速かつ円滑に行うことが可能となり、これらの活動
に寄与できるようになる。

【００３５】また、各難燃性耐火シート片15を下降して
被遮蔽部２を遮蔽する際及び各難燃性耐火シート片15に
て被遮蔽部２を遮蔽した際において、両側端部に配置さ
れた難燃性着床材20の外側端部の係合段部23が左右のガ
イドレール１の挿入口３の開口縁部3cに係合して位置決
めされ、かつ、両側端部に配置された難燃性着床材20の
内側端部の当接面30に隣接する難燃性着床材20の側端面
29が当接されるとともに両側端部の難燃性着床材20の側
端面28が隣接する難燃性着床材20の当接面31に当接され
ることにより、各難燃性着床材20が長さ方向に移動する
ことが防止される。

【００３６】したがって、各難燃性耐火シート片15はス
ムーズに下降されこの各難燃性耐火シート片15にて被遮
蔽部２が迅速に遮蔽され、また、被遮蔽部２の遮蔽時に
は各難燃性着床材20にて各難燃性耐火シート片15の対向
する重ね代16がそれぞれ重なり合って隙間なく接合され
た状態に保持される。

【００３７】なお、難燃性耐火シート体14は火災時に下
降して被遮蔽部２を全面的に閉じるようにしてもよく、
また、難燃性耐火シート体14は火災時以外の平常時から
あらかじめ被遮蔽部２を全面的に閉じるようにしてもよ
い。

【００３８】つぎに、難燃性耐火シート体14にて被遮蔽
部２が遮蔽された状態で、この難燃性耐火シート体14の
手前側から反対側に、または反対側から手前側に向かっ
て避難、誘導、救助活動等を行う場合には、選択した位
置の難燃性耐火シート片15を押動することにより、この
難燃性耐火シート片15の下端部の難燃性着床材20の係合
部24（または係合部25）が隣接する難燃性着床材20の係
合部25（または係合部24）から離間され、かつ、この難
燃性耐火シート片15と隣接する難燃性耐火シート片15と
の間が開口される。

【００３９】また、選択した位置の難燃性耐火シート片
15の難燃性着床材20の係合部24（または係合部25）が隣
接する難燃性着床材20の係合部25（または係合部24）に
手前側から係合されている場合には、手前側の難燃性耐
火シート片15を手前側に引き寄せることにより、この難
燃性耐火シート片15と隣接する難燃性耐火シート片15と
の間が開口される。

【００４０】したがって、その開口部または押動あるい
は引き寄せた難燃性耐火シート片15を潜り抜けることに
より、避難、誘導、救助活動等が容易に行われる。

【００４１】つぎに、前記実施の形態では、難燃性着床
体19の各難燃性着床材20は断面略矩形状にそれぞれ形成
し、この各難燃性着床材20を床面に着床させる場合につ
いて説明したが、これに限らず、各難燃性着床材20は下
端部にこの難燃性着床材20の長さと同長の可撓性を有す
る難燃性着床片32をそれぞれ設けたものであってもよ
い。

【００４２】この場合には、たとえば、図５及び図６に
示すように、各難燃性着床片32は、一枚仕立ての難燃性
シート33を幅方向の中間部で二つ折りにしてそれぞれ対
向する一対の難燃性着床片32として形成する。そして、
この各難燃性シート33の折曲部を取付部34として各難燃
性着床材20の下端面にそれぞれ当接し、この各難燃性シ
ート33の取付部34の下面に取付片35をそれぞれ当接し、
この各取付片35から前記取付部34を介して各難燃性着床
材20の下端面に複数の固定ねじ36を締着して各難燃性着
床材20の下端面に各難燃性シート33の取付部34を固着す
ることにより、各難燃性着床材20の下端面に各難燃性着
床片32がそれぞれ取り付けられる。

【００４３】このように構成することにより、各難燃性
耐火シート体14にて被遮蔽部２が遮蔽された状態では、
各難燃性着床材20の一対の難燃性着床片32が床面18に沿
って互いに反対方向に向かって変形して床面18にそれぞ
れ着床され、この各難燃性着床材20の一対の難燃性着床
片32にて床面18との間の気密性が向上される。

【００４４】また、前記実施の形態において、各難燃性
着床材20の下端面には一対の難燃性着床片32を設ける場
合について説明したが、これに限らず、各難燃性着床材
20の下端面には一枚仕立ての一枚の難燃性着床片32を設
けるものであってもよい。

【００４５】したがって、本明細書において難燃性着床
体19は被遮蔽部２の床面18に着床する難燃性着床片32を
有しないもの及び被遮蔽部２の床面18に着床する難燃性
着床片32を有するもののいずれをも含むものとする。

【００４６】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、被遮蔽部を遮
蔽する難燃性耐火シート体を構成する複数の難燃性耐火
シート片の下端部に前記被遮蔽部の床面に着床する難燃
性着床材をそれぞれ取り付けても、被遮蔽部を遮蔽した
際には複数の難燃性耐火シート片の重ね代を互いに重な
り合う状態に確実に接合させることができ、各難燃性耐
火シート片の相互の気密性を向上できる。

【００４７】また、両側端部に配置した難燃性耐火シー
ト片の外側縁部をガイドレールの挿入口に挿入する挿入
縁部とし、その両側端部に配置した難燃性耐火シート片
の難燃性着床材の外側端部にガイドレールの挿入口に挿
入する挿入部を形成し、この両側端部の難燃性着床材の
内側端部の係合部と隣接する難燃性着床材の外側端部の
係合部とを係合することにより、各難燃性耐火シート片
をスムーズに下降できるとともに、被遮蔽部の遮蔽時に
は隣接する難燃性耐火シート片の重ね代を互いに重ね合
せて接合させた状態に確実に保持できる。

【００４８】さらに、各難燃性着床材はそれぞれの難燃
性耐火シート片の幅と略同じ長さからなるので、この難
燃性着床材にて各難燃性耐火シート片の下降時には難燃
性耐火シート片の下端部が波をうつように揺動すること
なく支持でき、着床時には床面との間の気密性を向上で
きる。

【００４９】したがって、簡単な構成により煙りの拡散
と延焼を防止でき、避難、誘導、救助活動等を迅速かつ
円滑に行うことに十分に寄与できる耐火スクリーン装置
を提供することができる。

【００５０】請求項２の発明によれば、請求項１の発明
の効果に加え、隣接する難燃性着床材の側端部の係合部
は、それぞれの重ね代が互いに重なり合う対向面に形成
された係合段部からなるので、この対向する係合段部を
重ね代が互いに重なり合う方向から係合することによ
り、それぞれの難燃性耐火シート片の対向する重ね代を
隙間なく確実に気密に接合させることができる。

【００５１】請求項３の発明によれば、請求項２の発明
の効果に加え、係合段部は、この係合段部に連続して相
手側の長手方向の側端面を当接する当接面を有するの
で、当接面に相手側の長手方向の側端面が当接すること
により、隣接する相互の難燃性着床材がそれぞれ係合段
部に係合された状態で位置決めでき、各難燃性着床材が
長さ方向に移動することを防止でき、それぞれの難燃性
耐火シート片の対向する重ね代を重ね合せた状態に保持
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す耐火スクリーン装
置の横断平面図である。

【図２】同上耐火スクリーン装置の正面図である。

【図３】同上縦断側面図である。

【図４】同上難燃性耐火シート体の傾視図である。

【図５】他の実施の形態を示す難燃性着床体の斜視図で
ある。

【図６】同上側面図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール ２ 被遮蔽部 ３ 挿入口 14 難燃性耐火シート体 15 難燃性耐火シート片 16 重ね代 17 挿入縁部 18 床面 19 難燃性着床体 20 難燃性着床材 21 挿入部 24，25 係合部 26，27 係合段部 28，29 側端面 30，31 当接面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A62C 2/10 E06B 9/02 E06B 9/17

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両側部に相対して固定され互いに対向す
   る対向面に挿入口を上下方向に形成したガイドレール
   と、この両側部のガイドレールの挿入口に幅方向の両側
   端部を挿入して昇降自在に設けられ被遮蔽部を遮蔽する
   難燃性耐火シート体と、この難燃性耐火シート体の下端
   部に取り付けられこの難燃性耐火シート体にて前記被遮
   蔽部を遮蔽する際にこの被遮蔽部の床面に着床する難燃
   性着床体と、を具備し、 前記難燃性耐火シート体は、それぞれの幅方向の両側端
   部を重ね代として互いに重なり合う状態に並設固定され
   下端部を自由端部として互いに分離可能な上下方向の複
   数の難燃性耐火シート片からなり、 この複数の難燃性耐火シート片の中で両側端部に配置さ
   れた難燃性耐火シート片の外側縁部をそれぞれ前記両側
   部のガイドレールの挿入口に挿入する挿入縁部とし、 前記難燃性着床体は、前記各難燃性耐火シート片の下端
   部にそれぞれ取り付けられたそれぞれの難燃性耐火シー
   ト片の幅と略同じ長さの複数の難燃性着床材からなり、 この複数の難燃性着床材の中で両側端部に配置された難
   燃性着床材の外側端部に前記両側部のガイドレールの挿
   入口にそれぞれ挿入する挿入部を形成し、この両側端部
   に配置された難燃性着床材の内側端部と隣接する難燃性
   着床材の外側端部との相互に、互いに係合しそれぞれの
   難燃性耐火シート片の対向する重ね代を互いに接合させ
   る係合部をそれぞれ形成することを特徴とする耐火スク
   リーン装置。
2. 【請求項２】 隣接する難燃性着床材の側端部の係合部
   は、それぞれの重ね代が互いに重なり合う対向面に形成
   された係合段部からなることを特徴とする請求項１記載
   の耐火スクリーン装置。
3. 【請求項３】 係合段部は、この係合段部に連続して相
   手側の長手方向の側端面を当接する当接面を有すること
   を特徴とする請求項２記載の耐火スクリーン装置。