JP2811792B2 - モータ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ産業上の利用分野 本発明はモータに関し、例えば磁気デイスクを回転駆
動するようになされたモータに適用して好適なものであ
る。

Ｂ発明の概要 本発明は、筐体に部品取り付け用のねじ孔が穿設され
たモータにおいて、筐体を貫通するようにねじ孔を形成
して筐体をメツキ処理した後、ねじ孔を封止部材によつ
て封止するようにしたことにより、ねじ孔の内部を実用
上十分にメツキ処理し得ると共に、当該モータを封止構
造にし得る。

Ｃ従来の技術 従来例えば磁気デイスクを回転駆動するようになされ
たモータとしては、固定された鉄心に対して回転するよ
うになされた筐体上に磁気デイスクを直接固定すること
によつて、磁気デイスク装置を小型、薄型化し得るよう
になされたものがある。

すなわち第４図に示すように、モータ１はフランジ形
状の固定部材２の凹部上側面2Aに固定軸３が植立して設
けられており、さらに鉄心５が中心部に設けられた係合
孔5Aを固定軸３に係合して固定部材２上に固着されてい
る。

またモータ１の筐体を形成する回転ハブ６は、係合孔
6Aに嵌合されたベアリング７の内周面7Aを固定軸３に係
合することによつて、当該固定軸３に回転自在に係合さ
れている。

また回転ハブ６は上側面に突設された突起部6Bの外周
面に、間座8A及び8Bを介挿して第１及び第２の磁気デイ
スク10A及び10Bを嵌合すると共に、固定円板12を当該突
起部6Bの上側面6Cにねじ９によつてねじ止めすることに
より磁気デイスク10A及び10Bを固定するようになされて
いる。

また回転ハブ６の下側面には外周に沿つて下方向に突
設したスカート部6Dが設けられており、第５図に示すよ
うに、当該スカート部の内周面に環状磁石13が固着され
ている。

従つて環状磁石13に鉄心５が対向する位置に回転ハブ
６を装着することによつて環状磁石及び鉄心によつて磁
気回路を構成し、鉄心に駆動電流を導通することによつ
て、当該回転ハブ６が回転駆動され、これにより磁気デ
イスク10A及び10Bが回転駆動される。

Ｄ発明が解決しようとする問題点 ところで当該モータによつて磁気デイスクが回転駆動
される磁気デイスク装置においては、磁気デイスク表面
上に例えば0.数〔μｍ〕の間隙で磁気ヘツドを浮遊さ
せ、高速で回転する磁気デイスク板から情報を読み取り
又は書き込むようになされている。

従つて極微細な塵が磁気デイスク板上に付着しても、
この塵が磁気ヘツドに衝突して情報を正確に読み出し又
は書き込むことができない。

従つて磁気デイスクを回転駆動させるモータは、当該
モータの内部から例えばベアリンググリス等の異物がモ
ータ外部に飛散しないような封止構造を有し、回転ハブ
６（第５図）は、磁気デイスクをねじ止めするようにな
されたねじ孔6Eを、突起部6Bの上側面6Cから下側面6Fに
貫通せずに上側面6Cから所定の深さまで穿設し、これに
より筐体としての回転ハブ６を封止構造として、モータ
内部から異物が外部に飛散しないようになされている。

ところが回転ハブ６は快則鋼等の鉄系金属材料の表面
に例えばニツケルメツキを施して形成されており、メツ
キ工程において貫通していないねじ孔6Eの内部までメツ
キ液を均一に付着させることが困難であり、当該ねじ孔
6Eの内部を実用上十分に防錆処理し得ない問題があつ
た。

また一度ねじ孔6Eの内部に付着したメツキ液は、メツ
キ液の除去工程においても完全に除去し得ず、これによ
り磁気デイスク装着後において当該メツキ液がねじ孔か
ら外部に飛散して磁気デイスク表面上に付着する問題が
あつた。

本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ねじ孔
の内部を実用上十分にメツキ処理し得ると共に、当該ね
じ孔の内部にメツキ液等の異物を残置させないようにし
得る封止構造のモータを提案しようとするものである。

Ｅ問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決するため本発明においては、内側
に環状磁石13を有する円筒状筐体部材21にねじ孔21Eが
穿設され、ねじ孔21Eの一端にねじ９をねじ込むことに
より被駆動部材10A、10B又は固定部を円筒状筐体部材21
に固定し、環状受け部材２の内側に固着された駆動磁界
発生部５において発生した駆動磁界を環状磁石の磁束と
鎖交させることにより円筒状筐体部材21又は環状受け部
材２を回転駆動するモータ20において、円筒状筐体部材
21を貫通して他端が環状受け部材２の内側に連通するよ
うに形成されたねじ孔21Eと、ねじ孔21Eの他端を封止す
るように、当該他端に設けられた封止部材24とを設ける
ようにする。

Ｆ作用 モータ20の円筒状筐体部材21に設けられたねじ孔21E
の内部をメツキ処理する際に、円筒状筐体部材21を貫通
するように穿設したねじ孔24Eの一端及び他端を開放し
た状態でメツキ処理した後、当該ねじ孔21Eを封止部材2
4によつて封止するようにしたことにより、ねじ孔21Eの
内部を実用上十分にメツキ処理し得ると共に、駆動時異
物をねじ孔21Eを通して放出させないように阻止できる
ような封止構造のモータ20を実現できる。

Ｇ実施例 以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。

第４図及び第５図との対応部分に同一符号を付して示
す第１図及び第２図において、磁気デイスク回転駆動用
のモータ20は、回転ハブ21の突起部21Aに上側面21Bから
所定の深さまで磁気デイスク固定用のねじ孔21Cが穿設
され、当該ねじ孔21Cに固定円板12を介してねじ９を締
着させることによつて磁気デイスク10A及び10Bを回転ハ
ブ21に固定するようになされている。

さらに第２図に示すように、回転ハブ21はねじ孔21C
に連通して下側面21Dに貫通する第３図に示すように、
貫通孔21Eが形成されており、回転ハブ21の下側面21Dに
おいては、貫通孔21Eに連通して平面円環形状の溝部21F
が形成されており、第３図に示すように当該溝部21Fに
環状板でなるホールドリング24が嵌合するようになされ
ている。

このホールドリング24は板金プレスによつて円環形状
に形成されており、例えば紫外線硬化形の接着材によつ
て溝部21F内に固着される。

従つて当該ホールドリング24を溝部21F内に固着する
ことによつて、貫通されたねじ孔21Cを封止することが
でき、これにより回転ハブ21の内部側（下側面21D側）
を外部から封止させるようになされている。

以上の構成において、回転ハブ21は溝部21Fにホール
ドリング24を装着する前の状態（第２図）において、メ
ツキ処理される。

このようにすれば、ねじ孔21Cは貫通孔21Eによつて上
側面21Bから下側面21Dに貫通された状態となることによ
り、当該ねじ孔21Cの内部にメツキ液が十分に流入す
る。

従つてねじ孔21Cを実用上十分にメツキ処理すること
ができると共に、メツキ液除去工程においてもねじ孔21
Cの内部にメツキ液を残置させないようにし得る。

続いてメツキ処理を施した回転ハブ21の溝部21Fにホ
ールドリング24を装着することにより、ねじ孔21Cを封
止させることができる。

従つて回転ハブ21を固定軸３に装着してモータ20を構
成した際に、ベアリンググリス等の異物が回転ハブ21の
内部側から外部に飛散しない封止構造が構成される。

以上の構成によれば、ねじ孔21Cに連通して貫通孔21E
を形成し、回転ハブ21をメツキ処理した後にホールドリ
ング24を溝部21Fに装着するようにしたことにより、ね
じ孔21Cの内部を実用上十分にメツキ処理することがで
きると共に、モータ20の内部から発生する異物をねじ孔
21Cを通して外部に飛散させないようにし得る。

かくして回転ハブ21上に固定された磁気デイスク10A
及び10Bの表面上に異物が付着することを未然に防止し
得る。

因にねじ孔21Cを貫通構造としたことにより、製造工
程上当該ねじ孔21Cを形成する際の切り粉を十分に排出
することができると共に、メツキ液を十分に排出し得、
これにより磁気デイスクを装着した後に、ねじ孔21Cか
ら切り粉及びメツキ液等が飛散しないようにすることが
できる。

なお上述の実施例においては、ホールドリング24を溝
部21Fに嵌着する際に接着材を用いた場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、例えば溝部に圧入する等
他の手段を用いても良い。

また上述の実施例においては、溝部21Fを形成して、
ホールドリング24を嵌着した場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、溝部21Fを設けずに直接ホールド
リング24を回転ハブ21の下側面21Dに接着するようにし
ても良い。

また上述の実施例においては、ねじ孔21Cを封止する
手法として、ホールドリング24を用いた場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、例えばねじ孔21Cに連
通した貫通孔21Eにも同様にしてタツプを形成し、回転
ハブ21の下側面21Dから当該貫通孔21Eねにじを締着する
ことによつて、ねじ孔21Cを封止するようにしても上述
の場合と同様の効果を得ることができる。

また上述の実施例においては、本発明を筐体（回転ハ
ブ21）を回転するようになされたモータに適用した場合
について述べたが、本発明はこれに限らず、筐体が固定
されて、軸及び又は鉄心が回転するようになされたモー
タに適用したも良い。

さらに上述の実施例においては、本発明を磁気デイス
ク回転駆動用のモータに適用した場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、他の種々のモータの筐体に
設けられたねじ孔についても広く適用し得る。

Ｈ発明の効果 上述のように本発明によれば、モータの筐体部材に設
けられたねじ孔の内部をメツキ処理する際に、筐体部材
を貫通するように穿設したねじ孔の一端及び他端を開放
した状態でメツキ処理した後、当該ねじ孔の他端を封止
部材によつて封止させるようにしたことにより、ねじ孔
の内部を実用上十分にメツキ処理し得ると共に、駆動時
異物をねじ孔を通って放出させないように阻止できるよ
うな封止構造のモータを実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるモータの一実施例を示す断面図、
第２図は回転ハブの構成を示す断面図、第３図は回転ハ
ブを封止する際の説明に供する斜視図、第４図は磁気デ
イスク装置用モータの全体構成を示す斜視図、第５図は
問題点の説明に供する断面図である。 １、20……モータ、２……固定部材、３……固定軸、
６、21……回転ハブ、6E、21C……ねじ孔、10A、10B…
…磁気デイスク、21E……貫通孔、21F……溝部、24……
ホールドリング。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H02K 21/00,29/00 G11B 33/12,19/20

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内側に環状磁石を有する円筒状筐体部材
   に、回転軸に沿う方向に、ねじ孔が穿設され、上記ねじ
   孔の一端にねじをねじ込むことにより被駆動部材又は固
   定部を上記円筒状筐体部材に固定し、環状受け部材の内
   側に固着された駆動磁界発生部において発生した駆動磁
   界を上記環状磁石の磁束と鎖交させることにより上記円
   筒状筐体部材又は上記環状受け部材を回転駆動するモー
   タにおいて、 上記円筒状筐体部材を貫通して他端が上記環状受け部材
   の内側に連通するように形成された上記ねじ孔と、 上記ねじ孔の上記他端を封止するように、当該他端に設
   けられた封止部材とを具えることを特徴とするモータ。
2. 【請求項２】上記被駆動部材として磁気デイスクを有
   し、上記一端及び上記他端を開放した状態で上記ねじ孔
   をメツキ処理した後、上記他端を上記封止部材で封止
   し、これに上記磁気デイスクを回転駆動する際に、上記
   環状磁石及び上記環状受け部材間の相対的な回転運動時
   により生ずる異物を、上記封止部材によつて、上記ねじ
   孔を通つて外部に放出させないように阻止した ことを特徴とする請求項１に記載のモータ。