JP2810956B2 - 絶対干渉測定方法 - Google Patents

絶対干渉測定方法

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JP2810956B2 JP6092502A JP9250294A JP2810956B2 JP 2810956 B2 JP2810956 B2 JP 2810956B2 JP 6092502 A JP6092502 A JP 6092502A JP 9250294 A JP9250294 A JP 9250294A JP 2810956 B2 JP2810956 B2 JP 2810956B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、或る波長範囲内でモ
ードに飛びのない状態で波長を可変できる1つのレーザ
ーと、レーザービームが入射し、干渉計のアームが可変
測定区間を含む測定干渉計とを使用する絶対距離測定用
の絶対干渉測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ドイツ特許第 36 08 075号明細書によれ
ば、測定干渉計と基準干渉計で構成され、レーザービー
ムを使用して対象物体の距離を測定する装置が知られて
いる。両方の干渉計には、同じレーザーのビームが入射
する。レーザービームを周波数変調して互いに干渉する
それぞれ2つの分割ビームから所謂基準唸り波が生じ、
測定唸り波あるいは基準唸り波の波数を測定装置で求
め、これ等の波数と基準区間の既知間隔との比から測定
間隔を求める。この方法では、測定装置は測定唸り波の
波数を数え始めるのと同じ時点で基準唸り波の波数を数
え始める。それ故、基準唸り波の波数は一般に整数では
ない。そこでは、上記の事情に対して基準唸り信号中の
波数を少数点以下の正確な精度で求めるように、測定装
置を構成することが考慮に入れられている。
【0003】特に基準唸り波の位相が全波長の約 1/10
の分解能で測定されることは上記のことによる。しか
し、この分解能は他の方法で達成できる分解能とは程遠
い。更に、ドイツ特許第 34 04 963号明細書によれば、
本来の測定干渉計の外に、他の所謂制御干渉計が光ビー
ムの空気中の波長を調整するため使用されるレーザー干
渉計も知られている。これは一回の測定期間中に測定干
渉計の測定区間内で生じる空気中の光の波長の乱れを補
償するために使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】それ故、この発明の課
題は、測定精度を高め、例えば各測定区間内で温度ある
いは気圧の変動によるレーザービームの空気中の波長の
乱れを大幅に補償し、絶対距離測定に従い既知のレーザ
ー波長を用いて、ビームあるいは測定を止めるまで、相
対測定を行い、その後、絶対測定モードを新たに行え
る、冒頭の述べた類の絶対干渉測定方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
により、冒頭の述べた類の絶対干渉測定方法にあって、
下記の過程、或る波長のレーザービームを放出し、可変
動作電流で出力される可変波長レーザー2を備え、第一
ビームスプリッタ8,第一反射体9,第二反射体10お
よび少なくとも一つの検出器11,12を含み、前記第
一反射体9と前記検出器11,12を第一物体に組み込
み、前記第二反射体10を第一物体に対して移動できる
第二物体に組み込み、前記第一ビームスプリッタ8と前
記第二反射体10の間で可変できる測定ラインを有する
測定干渉計4を備え、第二ビームスプリッタ、第一の他
の反射体、第二の他の反射体および少なくとも一つの他
の検出器を含み、前記第二ビームスプリッタ、第一の他
の反射体、第二の他の反射体および前記他の検出器を前
記第一物体に組み込み、前記第二ビームスプリッタと前
記第二の他の反射体の間で長さが一定の制御区間14を
有する制御干渉計13を備え、前記レーザービームを前
記測定干渉計4の前記第一ビームスプリッタ8および前
記制御干渉計13の第二ビームスプリッタに向け、前記
測定干渉計4と前記制御干渉計13中でそれぞれ干渉さ
せ、前記制御干渉計13の干渉を検出し、検出された干
渉に基づき、モードに飛びのない範囲で第一波長λ1
調整し、前記レーザー2を前記第一波長λ1 に調整した
後、前記制御干渉計13を止め、前記レーザー2の波長
を前記第一波長λ1 から第二波長λ2 に可変し、前記測
定干渉計4の干渉を検出し、検出した干渉の積分位相変
化Δφを検出し、前記測定ラインの絶対長さLabs を公
式、
【0006】
【外3】 に従い計算し、前記レーザーの波長が前記波長λ2 の時
に前記制御干渉計を作動する、で構成されていることに
よって解決されている。
【0007】この発明による他の有利な構成は、特許請
求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0008】
【作用】従来の技術で知られている方法に反して、この
発明の測定方法は、測定区間を求めるのに絶対距離間隔
を用いるのでなく、波長あるいは唸り波長の値のみおよ
び位相変化を用いる点で優れている。更に、この発明の
測定方法は、波長範囲の各終点で波長を調整するので、
一般に発生する測定すべき干渉信号の位相変化の一部を
1/100よりも高い分解能で求めることができる利点をも
たらす。更に、制御干渉計により2つの波長の値を調整
して上に述べたタイプの測定区間で位相測定する間に生
じる乱れを相殺することを保証する。
【0009】更に、この発明の測定方法ではセンチメー
タ程度の長さの制御区間を使用する。更に、この発明の
方法では調整された波長を用いた一回の絶対測定サイク
ルの後、通常の干渉法の意味で相対測定が行われる。半
導体レーザーを使用する場合、レーザービームの出力レ
ベルが高く、顕著な単一モードであるため、特に波長λ
2 が得策である。この発明の測定方法は、空気中の光の
波長を絶対的に調整するから、絶対的および相対的な間
隔測定を組み合わせる可能性を初めて提示している。従
って、この方法で波長の値を絶対測定できるので、上記
の組み合わせが可能である。例えば自動製造装置を制御
するため、通常相対間隔測定で充分であるが、例えば調
整のため絶対測定が時折必要であるか、あるいはビーム
と止めるか、あるいは他の方法で測定を、例えば電子的
な遮断周波数で決まる測定反射体の余りにも早い移動速
度で中断する場合に、絶対的および相対的な間隔測定の
組み合わせは得策である。
【0010】更に、この発明の測定方法ではレーザーの
動作電流により波長を変調している。一回の測定サイク
ルの時間をできる限り短く維持して誤差の影響を最小に
するため、半導体レーザーでは、波長変化を電流変調で
のみ行うと有利であるが、例えばレーザーの熱シンクの
温度変化で行うべきではない。温度可変時の連続可変範
囲は電流変化時の可変範囲より5倍ほど大きいが、この
過程は電流変調の場合の数ミリ秒に比べて数秒を必要と
する。しかし、この代わりに、例えば外部共振格子を有
する半導体レーザーも使用できる。この光源では、共振
格子の回転および/または移動で波長を可変する。この
代わりに、変調は温度、電流と共振格子の回転および/
または移動の組み合わせでも行える。
【0011】更に、この発明の測定方法ではその時の残
留位相を波長の値λ1 とλ2 の範囲内で求めることがで
きる。残留位相とは、波長の全間隔の両端で端数となっ
た位相値である。更に、この発明の測定方法では、少な
くとも測定干渉計内で少なくとも2つの干渉分割ビーム
によりそれぞれ位相のずれた干渉信号が生じ、これ等の
干渉信号がそれぞれ1つの光検出器で測定される。
【0012】周知のように、ビーム通路にλ/4板を挿入
して、例えば 90°位相のずれた干渉信号を発生させ
る。この方法は、一方で絶対干渉測定の外に相対的な距
離測定も行えて、例えば測定区間にλ/4板を挿入して、
測定すべき物体の相対運動の方向も周知のように求める
ことができる利点がある。更に、この方法は位相測定で
分解能を更に高める可能性を提供する。これは、この発
明により 90°位相のずれた2つの干渉信号で形成され
た楕円状のリッサジュール図形に基づき積分位相変化を
求めて達成できる。
【0013】リッサジュール楕円の評価により干渉信号
の位相、特に残留位相を非常に正確に求めることができ
る。もっとも、この評価を効果的に行うには、光検出器
で検出された 90°位相のずれた干渉信号の光強度が2
軸表示で円形のリッサジール曲線上に載ることを保証す
る必要がある。しかし、通常測定される位相値は円上で
なく、楕円上にあり、この楕円は電流変調時の半導体レ
ーザーの出力特性により閉ず、渦巻き状に広がる。 90
°位相のずれた2つの干渉信号の正確に 90°でない位
相差、等しくない増幅率およびオフセットの発生は主に
楕円の形状に関係する。リッサジュール曲線の楕円を主
軸変換で円に変換する周知のヘィデエマン(Heydemann)
補正が測定された位相値を修正できる可能性を与える。
もっとも、これには1信号周期全体にできる限り多くの
測定点を当てる必要がある。
【0014】それ故、上記のことを行うには、この発明
の測定方法により、更に残留位相を求めるため、波長値
λ1 またはλ2 に波長の調整を行い、位相の変化をこれ
等の波長間の範囲内で少なくとも1波長周期にわって求
め、 90°位相のずれた2つの干渉信号に関して一つの
楕円を楕円状のリッサジュール図形に合わせ、次いで円
に変換してその時の残留位相を求めるように、レーザー
の動作電流を可変している。
【0015】更に、この発明の測定方法では増幅率がレ
ーザー出力に逆比例する初段増幅器に測定干渉計の干渉
信号を導入する。更に、この発明の測定方法では設定さ
れた基準区間がほぼ測定区間の半分に等しく、その他の
点では測定干渉計と同じように構成されている基準干渉
計を使用する。
【0016】この発明の測定方法を周知の基準区間法と
組み合わせると、長い基準区間による測定の不正確さの
少ない利点を波長を非常に正確に認識する利点と組み合
わせることができる。例えば、本来の絶対干渉計の外
に、波長調整法の干渉計や基準干渉計も使用する測定装
置が考えられる。測定区間の約半分である基準区間の利
点は、測定間隔全体で2つの干渉計の空気中の光の波長
を最適に一致させる点にある。もっとも、これには両方
の干渉計を互いにできる限り短い間隔に設置すると効果
的である。
【0017】基準干渉計を採用すると測定距離の比較値
を求めることができ、この発明によれば波長の変調によ
り基準干渉計と測定干渉計中で生じる位相変化ΔΦref
とΔΦabs を測定でき、ここで測定区間の長さLabs
基準区間の長さLref が既知の場合、公式
【0018】
【外4】 により求まる。
【0019】更に、この発明の測定方法では位相変化Δ
Φref とΔΦabs を同じトリガ信号を用いて過剰サンプ
リングして求まる。積分位相変化を測定技術で求める場
合、この位相変化は一般に階段状のデジタル化曲線の形
で求まる。デジタル化のステップ数は最近の市販半導体
レーザーを用いた絶対干渉法で一般的に極度に少なく、
通常の干渉計の場合より係数、
【0020】
【外5】 ほど少ない。デジタルデータ捕捉をする場合、位相分解
能の向上は一定のサンプリング速度で測定電子回路を過
剰サンプリング(oversampling) して達成できる。その
場合、分解能の向上はサンプリング間隔の長さに対する
ステップの長さの比に比例している。過剰サンプリング
を行う波長端部の範囲は最大で全波長間隔の 1/2に相当
する。
【0021】最後に、この発明の測定方法では、第二レ
ーザーあるいは多波長レーザーを使用し、このレーザー
は少なくとも1つの他の離散的な波長λ3 のレーザービ
ームを出射し、このレーザービームも同じように各干渉
計に導入される。その場合、レーザー光の波長を交互に
切り換え、電子回路あるいは電算機により後から行われ
る2つのレーザービームの重ね合わせにより、一定の唸
り波長の合成唸りを形成するように、波長値λ3 を波長
λ1 とλ2 に合わせる。
【0022】上記の処置により、この発明の測定法の波
長分解能は更に高まる。付加的な離散波長のため、波長
の連続可変方法による測定の不確実さより長い唸り波長
が生じる。λ1 に属する残留位相は既に測定されている
から、λ1 とλ2 を重ね合わせてることもできる。こう
して、λ1 とλ3 やλ2 とλ3 も一致した結果を与える
ので、誤りの制御が行える。
【0023】レーザー源として、例えば半導体レーザー
あるいは固体レーザーが考えられる。制御干渉計は、以
下の構成を除いて、その構造に関して測定干渉計に一致
する。除外される構成とは、干渉計の2つのアームの長
さに一定の差があり、特に制御区間の長さが予め一定に
与えられていて、この制御区間が測定区間の長さの半分
より短かく構成されている点にある。その場合、制御区
間の短い利点は、制御干渉計が乱れている場合、例えば
測定区間あるいは制御区間に温度または気圧の変動があ
る場合、他の状態に移行しない点にある。もっとも、こ
れは制御干渉計で達成できる分解能を犠牲にし、確か
に、この発明の干渉計装置の場合、この装置で達成され
る精度で充分である。
【0024】干渉計のカスケードを使用する場合には、
異なった制御区間の制御干渉計を使用する。短い制御区
間の第一干渉計により、動作の開始時に、波長の調整を
所定値にロックできる。その場合、この波長はこの干渉
計により、次に長い測定区間に切り換えた時、正しい波
長に合うように、正確に安定化される。次いで、長い測
定区間を用いてより良い安定化を達成できる。
【0025】この発明のレーザー干渉計装置では、更に
制御区間の長さがセンチメータの程度である。更に、こ
の発明のレーザー干渉計装置では測定干渉計の干渉信号
に対して増幅率がレーザー出力に逆比例する初段増幅器
が設けてある。これは、これ等の初段増幅により信号レ
ベルがレーザー出力に無関係である、つまり波長に無関
係であることになる。
【0026】更に、この発明のレーザー干渉計装置では
制御干渉計の制御区間のビーム通路中に 1/4波長板が設
けてある。この処置により波長を連続的に変える間でも
制御干渉計により次数を一緒に数えることができる。更
に、この発明のレーザー干渉計装置は二つの干渉計のア
ームの長さが一定の差を有し、その基準区間がほぼ測定
区間の半分に相当する基準干渉計を付加的に設けるよう
に構成されている。
【0027】測定干渉計と基準干渉計の組み合わせは、
基準区間が長いため測定の不正確が少ない利点を波長に
関して非常に正確な知識を持つ利点に付加する。更に、
この発明のレーザー干渉計装置は、波長λ1 やλ2 とは
異なる少なくとも1つの他の離散的な波長のレーザービ
ームを出射する第二のレーザーまたは多波長レーザーを
設けるように構成できる。
【0028】こうして生じたレーザービーム波長を後で
重ね合わせて、全体として波長の連続可変法による測定
の不正確さより長い唸り波長が生じる。従って、レーザ
ー干渉計装置の分解能が更に向上する。更に、この発明
のレーザー干渉計装置は位相を自動的に評価するため、
計数器あるいは計数電子回路および評価電子回路ないし
は電算機が設けあるように構成されている。
【0029】従って、この測定法での全ステップを自動
化でき、それ故順次距離測定を行うことができる。最後
に、この発明のレーザー干渉計装置では装置の少なくと
も一部を集積光学系で、また光通路の複数の部分を光導
波路で構成している。超小型化は集積光学系中に通常使
用される標準部材を主に使用して初めて可能になり、こ
の発明のレーザー干渉計装置にもっと広い応用分野を開
拓させる。その場合、個々の部材間に生じるカップリン
グは光導波路で行われる。
【0030】
【実施例】以下では、この発明のレーザー干渉計装置の
実施例に基づきこの発明の測定法をより詳しく説明す
る。図1に示す絶対測定式のレーザー干渉計装置1には
波長を可変できる2つのレーザー2,3があり、レーザ
ー2は駆動電源(図示せず)によりモードに飛びのない
波長範囲内でレーザー特性曲線を変調するが、レーザー
3は一定の波長で駆動される。更に、干渉計のアーム5
が実際の測定区間を形成する測定干渉計4が組み込まれ
ている。互いに干渉する少なくとも2つの分割ビーム
6,7を発生させるため、ビームスプリッタ8と2つの
逆行反射体9,10が使用されている。干渉する分割ビ
ーム6,7の検出は光検出器11,12で行われる。更
に、光検出器11,12は計数電子回路(図示せず)に
接続し、レーザー2,3はそれぞれレーザー波長の調整
装置(図示せず)に接続している。測定干渉計4の直ぐ
近くに、更に制御区間14の長さが測定区間の長さの半
分より短い一定値の制御干渉計13も設けてある。それ
以外では、制御干渉計13は構造に関して測定干渉計4
と一致する。測定干渉計4と制御干渉計13には主ビー
ムスプリッタ15と反射体16により能力の等しいレー
ザー2,3のビームが入射する。レーザー2のビームの
入射は反射体17で行われる。専ら標準部品を使用して
いるので、レーザー干渉計装置1全体を集積光学系で形
成できる。
【0031】絶対距離Labs の測定は、例えば或る区間
で測定された残留位相φ2 とφ3 を用い、連続可変法で
求めた距離の周りで公式
【0032】
【外6】 を最も良く満たす距離を求めるようにして行われ、上記
の区間はこの方法を用いた測定の不確実さの二倍より長
く、合成波長の半分より短くなっている必要がある。こ
れは、前記区間内で、例えばφ2 とλ2 およびφ3 とλ
3 により可能であって、大きさに応じて分類され、連続
する2つの距離の差が最小になる距離を求めて行われ
る。こうして、整数の干渉次数m2 あるいはm3 が判明
する。測定された残留位相φ1 とφ3 を用いる絶対距離
の測定は、ここでは点検のために使用される。位相測定
は非常に正確であるため、距離を個々の波長の分数で絶
対的に求めることができる。つまり 1/100の位相分解能
の場合、λ2/100 で求めることができる。この方法で
は、測定距離がメートルの程度である場合、10-7より良
好な波長調整が前提となる。これは「自走」半導体レー
ザー(つまり電流と温度の調整のみを用いるもの)で不
可能である。何故なら、それ以外では 1/100の位相分解
能が求まらないからである。
【0033】図2の上部に示す波長曲線21は測定開始
の時点t1 で一定の波長値λ1 22を有する。この時点
までは、制御干渉計13を用いて上記の波長値への調整
を行う。モードに飛びのないレーザーの広い動作範囲が
より大きな値まで続くように上記の波長値を選択する。
時点t1 で制御干渉計を一時的に止め、レーザーの動作
電流を連続的に可変して曲線21の変化に合わせてレー
ザーの波長を変調する。モードに飛びのない範囲内にあ
る波長λ2 23で制御干渉計13を再び動作させ、この
波長値に調整する。このように波長を変調させている間
に生じる位相変化24が図2の下部に示してある。この
曲線24の鋸歯波形は、波長を可変すると、位相が新し
い干渉次数に移るまで絶えず直線的に変わるために生じ
る。測定範囲の終端の各々にある一定の位相値25,2
6は干渉計で波長を調整するため非常に正確に求めるこ
とができる。以下では、全体を初期位相φ1 と最終位相
φ2 の差で表せる各残留位相を正確に求めることを考察
する。この場合、積分位相変化Δφは鋸歯の先端を単純
に数え、測定曲線24の終点で求めた残留位相を加算す
ると求まる。結局、請求項1に記載する公式により干渉
信号の全(積分)位相変化と波長値λ1 とλ2 から測定
区間を求めるか、事前の較正で求める。この較正は、例
えば互いにできる限り離れた異なる2つの位置に関して
測定を行って得られ、同時に他の適当な方法で両方の位
置の間の距離を測定する。その結果、比k=ΔL/ΔΦ
が得れ、この比kから絶対距離がLabs =k・ΔΦとし
て定まる。波長λ2 の正確な知識により相対測定を絶対
測定に続けることができる。
【0034】図3は、付加的な基準干渉計を使用する時
に行われるような過剰サンプリングにより位相を分解す
る模式図を示す。この過剰サンプリングは測定サイクル
の最初と終わりでのみ行われる。ここでは、例えば波長
変調の初めに検出されたデジタル化曲線31が示してあ
る。波長変調の初めと終わりで測定干渉計と基準干渉計
の測定値を同時に求めているので(その都度、約 10,00
0 個の測定値),対応する多数の整数の位相差Nabs
Ref を形成でき、これ等の値から絶対距離Labs
【0035】
【外7】 に従い計算できる。この場合、測定毎に 10,000 個の位
相差Nabs とNRef を使用し、次いでこれ等を平均化し
て高い分解能を達成している。
【0036】図4は光検出器11,12で検出され 90
°位相のずれた2つの分割ビーム6,7の干渉信号に解
析的に合わせて求めた典型的なリッサジュール楕円を示
す。内側のリッサジュール曲線41は測定サイクルの初
めの1波長周期の2つの干渉信号の位相変化を示す。こ
れに反して、外側のリッサジュール曲線42は測定サイ
クルの終わりの位相変化を示す。半径が異なるのは波長
と共に増加するレーザーの出力特性による。残留位相φ
1 とφ2 の各々はこれ等の曲線の一方の上に載っている
ので、非常に正確に求まる。もっとも、周知の方法によ
り楕円を予め円に変換すると通常効果的である。
【0037】最後に、図5は波長の最終値の範囲内でレ
ーザー波長を変える方法に応じて位相を決める信号波形
を示す。この場合、そこで静的に求めた位相値に加え
て、1周期全体の位相も収録されている。図5のグラフ
は測定サイクルの初めに求めた90 °位相のずれた干渉
信号の位相データ51,52および測定期間の終わりに
求めた対応するデータ53,54に対するものを示す。
これ等の曲線51,52,53,54を求めるため、制
御干渉計13で行われる波長の調整が時点55で短時間
中断され、レーザーの動作電流を変えて、少なくとも1
周期にわたり位相変化が生じる。こうして求めたデータ
にリッサジュール楕円を合わせ、この楕円を図4の方法
で評価できる。
【0038】図1から離れるが、特に信頼性のある評価
を行うため、対にして位相差を付けた信号を使用する周
知の方法、つまり互いに位相のずれた4つの信号を使用
する所謂プッシュプル評価も利用できる。他の有利な評
価は互いに位相が 120°ずれた干渉信号を発生させるも
のである。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の測定方
法とこれに適した干渉計装置により、測定精度を高め、
例えば各測定区間内で温度あるいは気圧の変動によるレ
ーザービームの空気中の波長の乱れを大幅に補償し、絶
対距離測定に従い既知のレーザー波長を用いて、ビーム
あるいは測定を中断するまで、相対測定を行い、その
後、絶対測定モードを新たに行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2つのレーザーを備えたこの発明のレーザー
干渉計装置、
【図2】 測定方法に相当する波長変化の例、およびそ
れから生じる測定干渉計で生じる干渉信号の位相変化を
示す図、
【図3】 過剰サンプリングによる位相分解能の模式
図、
【図4】 互いに位相が 90°ずれた2つの干渉信号の
リッサジュール楕円の図、
【図5】 残留位相でレーザー波長を可変する方法によ
る位相を決定するための信号波形。
【符号の説明】
1 レーザー干渉計装置 2 可変波長レーザー 3 固定波長レーザー 4 測定干渉計 5 干渉計のアーム 6,7 分割ビーム 8 ビームスプリッタ 9,10 逆行反射体 11,12 光検出器 13 制御干渉計 14 制御区間 15 主ビームスプリッタ 16,17 反射体
フロントページの続き (73)特許権者 591125153 フラウンホ−フエル・ゲゼルシヤフト・ ツール・フエルデルング・デル・アンゲ ウアンテン・フオルシユング・エー・フ アウ ドイツ連邦共和国、80636 ミユンヘン、 レオンロートストラーセ、54 (72)発明者 ユルゲン・テイール ドイツ連邦共和国、52074 アーヒエン、 ジーメンスストラーセ、11 (72)発明者 デイーター・ミッヒエル ドイツ連邦共和国、83278 トラウンシ ユタイン、ラングアウエンストラーセ、 12 (72)発明者 アンドレアス・フランツ ドイツ連邦共和国、83361 キーンベル ク、ゾンネンライテ、21 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 9/00 - 9/10

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の過程、 或る波長のレーザービームを放出し、可変動作電流で出
    力される可変波長レーザー(2)を備え、 第一ビームスプリッタ(8),第一反射体(9),第二
    反射体(10)および少なくとも一つの検出器(11,
    12)を含み、前記第一反射体(9)と前記検出器(1
    1,12)を第一物体に組み込み、前記第二反射体(1
    0)を第一物体に対して移動できる第二物体に組み込
    み、前記第一ビームスプリッタ(8)と前記第二反射体
    (10)の間で可変できる測定ラインを有する測定干渉
    計(4)を備え、 第二ビームスプリッタ、第一の他の反射体、第二の他の
    反射体および少なくとも一つの他の検出器を含み、前記
    第二ビームスプリッタ、第一の他の反射体、第二の他の
    反射体および前記他の検出器を前記第一物体に組み込
    み、前記第二ビームスプリッタと前記第二の他の反射体
    の間で長さが一定の制御区間(14)を有する制御干渉
    計(13)を備え、 前記レーザービームを前記測定干渉計(4)の前記第一
    ビームスプリッタ(8)および前記制御干渉計(13)
    の第二ビームスプリッタに向け、前記測定干渉計(4)
    と前記制御干渉計(13)中でそれぞれ干渉させ、 前記制御干渉計(13)の干渉を検出し、検出された干
    渉に基づき、モードに飛びのない範囲で第一波長λ1
    調整し、 前記レーザー(2)を前記第一波長λ1 に調整した後、
    前記制御干渉計(13)を止め、 前記レーザー(2)の波長を前記第一波長λ1 から第二
    波長λ2 に可変し、 前記測定干渉計(4)の干渉を検出し、 検出した干渉の積分位相変化Δφを検出し、 前記測定ラインの絶対長さLabs を公式、 【外1】 に従い計算し、 前記レーザーの波長が前記波長λ2 の時に前記制御干渉
    計を作動する、 により構成されていることを特徴とする絶対距離測定用
    の絶対干渉測定方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザーの波長を変調する過程は前
    記レーザーの動作電流を連続的に可変して行われること
    を特徴とする請求項1に記載の絶対干渉測定方法。
  3. 【請求項3】 更に、通常の干渉測定法により増分距離
    を測定する過程を含むことを特徴とする請求項2に記載
    の絶対干渉測定方法。
  4. 【請求項4】 相互に位相のずれた干渉信号はそれぞれ
    二つの干渉成分ビームの最小値から発生し、位相のずれ
    た干渉信号の各々は前記測定干渉計の光検出器を用いて
    測定されることを特徴とする請求項2に記載の絶対干渉
    測定方法。
  5. 【請求項5】 更に、第一波長λ1 と第二波長λ2 で残
    留位相を検出する過程を含むことを特徴とする請求項2
    に記載の絶対干渉測定方法。
  6. 【請求項6】 更に、前記第一波長λ1 と前記第二波長
    λ2 で前記制御干渉計をそれぞれ止めて、前記第一波長
    λ1 と前記第二波長λ2 の範囲で、それぞれ少なくとも
    一つの波の周期にわたり位相の変化を求め、少なくとも
    二つの位相直交成分の干渉信号に対する楕円を楕円リッ
    サジュール図形を形成するように合わせ、次いで円に変
    換して、各々の場合の残留位相を求めるように前記レー
    ザーの動作電流を可変する過程を含むことを特徴とする
    請求項5に記載の絶対干渉測定方法。
  7. 【請求項7】 更に、通常の干渉測定法により増分距離
    を測定する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の絶対干渉測定方法。
  8. 【請求項8】 前記測定干渉計の干渉信号は、レーザー
    出力に反比例する利得を有する初段増幅器に供給される
    ことを特徴とする請求項7に記載の絶対干渉測定方法。
  9. 【請求項9】 測定干渉計および制御干渉計に入力され
    る少なくとも一つの他の離散的な値の波長のレーザービ
    ームを放出する第二のレーザーあるいは多波長レーザー
    を用い、複数のレーザー波長を順次交互に発生させ、電
    子回路あるいは電算機で二つのレーザービームを重畳さ
    せて、特別な唸り波長の合成唸り波を形成するように、
    波長λ3 を波長λ1 とλ2 に合わせることを特徴とする
    請求項7に記載の絶対干渉測定方法。
  10. 【請求項10】 約半分の測定区間に相当する一定の基
    準区間を除いて、前記測定干渉計とほぼ同じ構造の基準
    干渉計を備えていることを特徴とする請求項1に記載の
    絶対干渉測定方法。
  11. 【請求項11】 基準干渉計と測定干渉計で波長を変調
    させた結果として生じる位相の変化、ΔΦRef とΔΦ
    abs をそれぞれ求め、一定の基準区間の長さLReg が既
    知の時、公式 【外2】 に従い測定区間の長さLabs を求めることを特徴とする
    請求項10に記載の絶対干渉測定方法。
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