JP2810351B2 - 有機質正特性サーミスタ - Google Patents
有機質正特性サーミスタInfo
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Description
正の抵抗温度特性(PTC)を持つサーミスタに関す
る。
ポリマーにカーボンブラックや金属粉等の導電性粉末を
分散混合した導電性組成物はPTC特性を発揮し、この
ような導電性組成物は、従来のセラミック系PTC組成
物に比較して室温比抵抗値が低く、大電流用として用い
ることができ、小型化でき、さらに抵抗変化率(最大抵
抗値/室温抵抗値)が大きいという優れた特性と持つこ
とが知られている。このような組成物は、例えば米国特
許第3591526号、米国特許第3673121号に
開示されている。
2、TiN、ZrC、ZrB2 、ZrN、NbC等の非
酸化物セラミック粉を有機ポリマーに添加して構成され
たサーミスタが、例えば特開平2−86087号や、米
国文献である「ジャーナルオブ マテアリアルズ サイ
エンス レターズ」9号(1990年)の611〜61
2頁および同文献の26号(1991年)の145〜1
54頁に開示されている。
有機ポリマーに分散させたものは、作動による温度の上
昇、降下の繰り返しにより抵抗値が変化するという問題
点がある。また、カーボンブラック(以下CBと称す)
を用いたものは、比較的室温抵抗値が高く、かつ前記抵
抗変化率が小さいという問題点があった。一方、前記非
酸化物セラミック粉を有機ポリマーに分散させたもの
は、耐熱性、機械的強度、化学的安定性において優れて
いるが、有機ポリマーに混入すると、CBに比較し、添
加量をかなり増やさないと抵抗値が下がらず、過添加の
ために混練、成形が困難になるという問題点があった。
サーミスタは、二次電池の短絡等による充放電電流や、
モータのロック等による過電流防止等用いることによ
り、繰り返し性の良い安定性のあるサーミスタとして用
いることができるものと期待されているが、前記のよう
に添加量を増やさないと低い抵抗値が得られないことか
ら、混練や成形が困難になるという製造上の問題があ
り、大電流用で小型化されたものが得がたいという問題
点があった。
粉末の混練、成形が容易に行え、しかも室温抵抗値、抵
抗変化率、繰り返し性において優れた有機質正特性サー
ミスタを提供することを目的とする。
成するため、有機ポリマーに混入する導電性粉末とし
て、非酸化物セラミック粉を用いたものを鋭意研究の結
果、炭化タングステン(以下WCと称す)粉を有機ポリ
マーに添加する導電性粉末として用いることにより、他
の非酸化物セラミックに比較し、少ない添加量で室温抵
抗値を下げることができ、しかも大きな抵抗変化率が得
られ、繰り返し性の面でも優れていることを見いだした
ものである。すなわち、セラミック自体の室温における
比抵抗値がWCと殆ど同じである例えばZrNをポリフ
ッ化ビニリデン(以下PVDFと称す)に例えば30体
積%ずつ混入し、所定のサイズに作製したサーミスタに
おいては、室温における抵抗値が200MΩ以上とな
り、実用に供するものは得られなかったが、本発明にお
けるWCを30体積%混入した同サイズのサーミスタの
室温における抵抗値は0.007Ωとなり、他のセラミ
ックと比較にならない程の低い抵抗値が得られる。
値が同じであるにもかかわらず、サーミスタとして構成
した場合には、同じ体積%で混入しても、室温抵抗値に
大差が生じる明確な理由については現在のところ不明で
あるが、有機ポリマーとの親和性の有無等に起因するの
ではないかと考えられる。本発明のように、WCを用い
た場合の室温における比抵抗値は、好ましくは10Ω・
cm以下であり、このような室温における比抵抗値は本
発明による場合には少ないWC添加率で容易に得ること
ができる。すなわち本発明の特徴は、導電性物質が分散
混合され、かつ少なくとも1対の電極を有し、正の抵抗
温度特性を持つ有機質正特性サーミスタにおいて、前記
導電性物質としてWC粉を用いたものであり、好ましく
は、室温(25℃)における比抵抗値を10Ω・cm以
下としたものである。
は、所定の破壊電圧を確保するためには、10μm以下
にすることが好ましく、また、室温抵抗値をより低くす
る上で、1μm以下とすることがさらに好ましい。ま
た、平均粒径が0.1μmより小さいとWCが高価にな
り、しかも混練がしにくくなる。従って、平均粒径は好
ましくは0.1μm〜10μm、さらに好ましくは0.
1μm〜1μmである。また、本発明に用いる有機ポリ
マーとしては、熱可塑性のもので、結晶性重合体であれ
ば良く、特に制限はないが、例えばポリフッ化ビニリデ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、アイオノマーまたはこれらの共重合体
のいずれかを用いることができる。特にポリフッ化ビニ
リデンは、自消性(着火しても炎を遠ざけると自然に消
火する性質)がある点において、着火の可能性のある箇
所において使用するものに適している。
は20〜50体積%であることが好ましい。WC粉の添
加量が20体積%を下回ると、室温抵抗値の上昇が認め
られ、50体積%を超えると、ポリマーに対する導電性
物質の量が大くなり、混練に要するトルクが上昇して混
練しにくくなる傾向や、成形しにくくなるという問題が
生じる。
明すると、まず、結晶性重合体にWCを分散させてなる
PTC組成物を、バンバリーミキサーあるいはミキシン
グロール等の混練機により混練する。この混練に当た
り、抗酸化剤や、界面活性剤等の混練助剤を添加しても
よい。このように混練したものを熱プレスによりシート
またはフィルム状に成形する。この場合必ずしも必要で
はないが、電子線や架橋の効率を高めるため、架橋助剤
を添加した電子線架橋(米国特許第3269862号)
や化学架橋、あるいはシラン化合物を遊離基発生剤の存
在下で結晶性重合体にグラフト化させた後、シラノール
縮合触媒の存在下で水あるいは水性媒体と接触させて行
う水架橋(特公平4−11575号)等の方法により、
PTC発現後の重合体の流動性を抑制し、抵抗値の安定
化が図られる。
対する電極の取付けは、該両主面に金属板を加熱圧着し
たり(米国特許4426633号)、金属メッキを施し
たり(特公平4−44401号)、導電性ペーストを塗
布したり(特開昭59−213102号)、あるいはス
パッタリング(特開昭62−85401号)や溶射(特
開昭62−92409号)等の方法により行う。
じて打ち抜きあるいはカッティングにより所望の大きさ
に加工される。さらに、両主面に金属リード線を半田付
けした後、外装として絶縁樹脂でモールドしたり、導電
性接着剤を電極に塗布後、他の金属からなる端子を接着
してもよい。
あるいはこれらにスパッタリング等の薄膜形成技術を複
合させた技術により、PTC組成物と電極を多層に積層
し、内部に対向する1組以上の電極をPTC層を介して
対向形成した積層体としてサーミスタを構成することも
可能である。
いた場合には、他の非酸化物セラミックに比較して、W
C粉の少ない添加量ではるかに低い室温抵抗値が得られ
るので、WC粉の添加量を少なくすることができ、その
結果、導電性粉末とポリマーとの混練時におけるトルク
が小さく、また、ポリマー成分が多くなるために成形も
容易となる。
ルを作製し、さらに比較のために、後述の比較例1〜8
のサンプルを作製した。 (実施例1)有機ポリマーとして、PVDF(米国エル
フ・アトケム・ノース・アメリカ社製カイナー711)
に、特公平4−11575号に開示されているように、
シランカップリング剤(信越化学工業(株)製KBC1
003)を、ポリマー100重量部に対して10重量部
加え、また有機過酸化物である2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3を1重
量部の割合で加え、200℃に加熱しながら二軸押し出
し機でグラフト樹脂を作製した。次に、該グラフト樹脂
にWC粉(日本新金属(株)製、WC−F、平均粒径
0.65μm)が20体積%となるように混合し、20
0℃に加熱しながら混練機で25rpmで1時間混練
し、PTC組成物を得、その後、200℃、30kgf
/cm2 にて熱プレスし、1mm厚程度のシート状成形
物を得た。その後、片面を粗面化したニッケル箔(福田
金属箔粉工業(株)製)を、粗面化した面が前記シート
状成形物に接触するように、シート状成形物の両主面に
付け、200℃、30kgf/cm2で加圧した後、室
温にて徐冷して電極を形成した後、最後に10mmの直
径に打ち抜いてサンプルを作製した。
した以外は実施例1と同じ条件でサンプルを作製した。 (実施例3)WCの添加量を30体積%とした以外は実
施例1と同じ条件でサンプルを作製した。 (実施例4)WCの添加量を40体積%とした以外は実
施例1と同じ条件でサンプルを作製した。 (実施例5)平均粒径が2.09μmのWC粉(日本新
金属(株)製WC−25)を用いた以外は、実施例2と
同じ条件でサンプルを作製した。 (実施例6)平均粒径が4.82μmのWC粉(日本新
金属(株)製WC−50)を用いた以外は、実施例2と
同じ条件でサンプルを作製した。 (実施例7)平均粒径が8.60μmのWC粉(日本新
金属(株)製WC−90)を用いた以外は、実施例2と
同じ条件でサンプルを作製した。 (実施例8)平均粒径が75μmのWC粉(日本新金属
(株)製WC−S)を用いた以外は、実施例2と同じ条
件でサンプルを作製した。
として、前記カイナー711の代わりに、同社製のカイ
ナー461とした以外は実施例2と同じ条件でサンプル
を作製した。なお、カイナー461と711とは溶融粘
度が異なり、モンサント キャピラリー粘度計を用いて
230℃における粘度を測定した場合、カイナー461
の場合、28,000ポイズ、カイナー711の場合
7,000ポイズとなるものである。
チレン(以下PEと称す)(三井石油化学工業(株)製
HiZex2100P)を用い、シランカップリング剤
(信越化学工業(株)製KBE1003)をポリマー1
00重量部に対して10重量部、有機過酸化物ジクミル
パーオキサイド(DCP)を1重量部の割合で加え、1
40℃に加熱しながら二軸押し出し機でグラフト樹脂を
作製した。その後、混練温度を140℃にした以外は実
施例2と同じ条件でサンプルを作製した。
ン酢酸ビニル共重合体(以下EVAと称す)(三菱化学
(株)製LV140)を用い、シランカップリング剤
(信越化学工業(株)製KBE1003)をポリマー1
00重量部に対して10重量部、有機過酸化物DCPを
1重量部の割合で加え、120℃に加熱しながら二軸押
し出し機でグラフト樹脂を作製した。その後、混練温度
を120℃にした以外は実施例2と同じ条件でサンプル
を作製した。 (実施例12)WC粉として、平均粒径が0.1〜0.
2μmの東京タングステン(株)製のWC02Nを用い
た以外は実施例3と同じ条件でサンプルを作製した。
て比較するため、下記のような比較例1〜8のサンプル
を作製した。以下の比較例1〜7においては、導電性粉
末やその添加量が異なる(ただし比較例6は添加量が実
施例2と同じ)以外は、実施例2と同じ条件でサンプル
を作製した。また、比較例8は前記実施例1におけるW
Cの添加量を異ならせたものである。
N(日本新金属(株)製TiN−01、平均粒径1.3
7μm)、導電性粉末の添加量:30体積% (比較例2)導電性粉末:窒化ジルコニウムZrN(日
本新金属(株)製ZrN、平均粒径1.19μm)、導
電性粉末の添加量:30体積% (比較例3)導電性粉末:炭化チタンTiC(日本新金
属(株)製TiC−007、平均粒径0.88μm)、
導電性粉末の添加量:40体積% (比較例4)導電性粉末:ホウ化チタンTiB2(日本
新金属(株)製TiB2−PF、平均粒径1.80μ
m)、導電性粉末の添加量:30体積% (比較例5)導電性粉末:珪化モリブデンMoSi
2(日本新金属(株)製MoSi2 −F、平均粒径1.
60μm)、導電性粉末の添加量:40体積% (比較例6)導電性粉末:Ni(インコ(INCO)社
製フィラメント状Ni粉#210、平均粒径0.5〜
1.0μm)、導電性粉末の添加量:25体積% (比較例7)導電性粉末:CB(東海カーボン(株)製
トーカブラック#4500、平均粒径40nm)、導電
性粉末の添加量:30体積% (比較例8)WCの添加量を18体積%にした以外は実
施例1と同じサンプルである。
8について、それぞれの組成や測定結果を表1ないし表
3に示す。なお、表1、表2において、実施例12を除
いては、充填材に関するデータは日本新金属(株)の提
供による。(以下余白)
よって測定した抵抗値である。 ρ25:R25値と、サンプルの電極を除く素子部の主表面
の面積Sと厚みtとから次の式によって算出した比抵抗
値である。 ρ25=R25×(S/t) R85/R25:25℃におけるサンプルの抵抗値に対する
85℃におけるサンプルの抵抗値の比を示す。 Hp :PTC特性の大小を示す指数でであり、比抵抗−
温度特性において、R25に対する最大比抵抗値ρmax の
比(桁)で表し、次式で求められるもので、これを抵抗
変化率と称する。 Hp =log(ρmax /ρ25) Vb :サンプルの破壊電圧を示し、電圧を徐昇しながら
電流をチェックし、素子がスパークあるいは溶融した時
点の電圧をVb とした。
の実施例1〜12と表2の比較例との比較から明らかな
ように、WC以外の導電性セラミック粉を導電性粉末に
用いた比較例1〜5の場合、比較例3のTiCを除いて
は、添加量を30体積%あるいは40体積%にしても、
サンプルの抵抗値は絶縁体に近い極めて高い抵抗値とな
る。ただしTiCの場合、添加量を40体積%と大きく
しても、比抵抗値が985と高い値を示す。一方本発明
のWCを用いれば、実施例1の20体積%と少ない添加
量でも、TiCの40体積%の場合よりはるかに低い抵
抗値を示す。図4にTiCを40体積%添加した場合
と、本発明によりWCを25体積%添加した場合の比抵
抗値(ρ)−温度(T)特性を対比して示す。
4および比較例8のρ−T特性を示す図であり、この特
性図と表1に示す測定結果から、18体積%の添加量で
は室温抵抗値が300kΩを超えてしまい、実用に供し
得るものが得られず、実用に供し得る程度のWCの好ま
しい添加量は20体積%以上であり、WC添加量が増え
るほど室温抵抗値が低くなる。一方、WCは添加量が増
えるほど混練トルクが大となり、図1、表1には表示し
ていないが、50体積%を超えると、混練、成形が困難
となることが判明しているので、好ましいWCの添加量
は20体積%〜50体積%、より好ましくは25体積%
〜40体積%である。
び12のデータの対比と、粒径に対応したρ−T特性を
比較した図2と、実施例12のρ−T特性である図6に
示すように、WCの平均粒径が大きくなるほど、室温抵
抗値が増大する。また、平均粒径があまり大きくなる
と、抵抗値の不安定性の増大が認められ、50μmを超
えると、実施例8の場合について表1に示すように、破
壊電圧Vb が著るしく劣ることが判明した。また、18
0V以上の高い破壊電圧Vb を確保するには、実施例1
〜7の対比からも明らかなように、WCの平均粒径が1
0μm以下であることがより好ましい。さらに、実施例
1〜4に示すように、WCの平均粒径が1μm以下では
25体積%から30体積%に添加量を増やすと、抵抗値
を1桁以上下げることが可能となり、しかも抵抗変化率
Hp や破壊電圧Vbの低下も認められなかった。従っ
て、WCの平均粒径は1μm以下であることがさらに好
ましい。
高価になり、しかも混練トルク上昇により混練がしにく
くなるので、平均粒径は0.1μm以上であることが好
ましい。このように平均粒径が小さいと、実施例9のよ
うに、PVDFの種類を変えても、また、実施例10、
実施例11について、表1、図3に示すように、PVD
F以外のPE、EVA等の他の有機ポリマーでも前記と
同様な性能が得られ、また、平均粒径が大きくなると、
破壊電圧、抵抗値、抵抗値の安定性について、PVDF
と同様の傾向が得られることが確認された。
粉を用いた場合には、表2の比較例6および図5のρ−
T特性図に示すように、初期の室温抵抗値と抵抗変化率
についてはWC系と同様の特性が得られるが、破壊電圧
が低く(Vb=130V)、また、耐熱性、繰り返し性
等の信頼性の面でWC系に劣ることが分かった。すなわ
ち、表3に示すように、ρ−T特性の熱履歴(室温〜2
00℃の繰り返し)において、3回のρ−Tのサイクル
を繰り返した後の室温抵抗値に対する初期の比抵抗値の
変化率は、実施例3では+22%程度であるのに対し、
Niを用いた比較例6においては、約+900%以上に
も及び、繰り返し性が悪いことが判明した。
用いた場合には、表3に示すように、前記ρ−Tサイク
ルを行った後の比抵抗値の変化率は約18%であり、本
発明による場合と大差は無いが、表2の比較例7および
図5のρ−T特性図に示すように、初期室温抵抗値がN
i系、WC系よりも1桁以上高く、また、抵抗変化率H
pも4桁程度小さくなる傾向を示した。CBの場合、さ
らに室温抵抗値を下げるために、CBの添加量を増やし
ても、Ni系、WC系のレベルまでは下がらず、逆に抵
抗変化率Hp のさらなる低下が認められた。
する導電性粉末としてWCを用いたので、他の導電性セ
ラミック粉を導電性粉末として用いる場合に比較し、少
ない添加量で低い抵抗値を得ることができ、このため、
有機ポリマーとの混練、成形が容易に行え、製造が容易
となり、導電性セラミック粉を用いた小型大電流用のサ
ーミスタが得られる。また、導電性セラミック粉は金属
に比較して化学的に安定し、かつ金属やCBに比較して
高硬度で、耐熱性に優れているため、機械的強度に優
れ、抵抗値が安定し、温度サイクルの繰り返しによる性
能の劣化が少ない上、破壊電圧が高いので、信頼性の高
いサーミスタが得られる。また、CBをポリマーに添加
したサーミスタに比較して低い室温抵抗値と大きな抵抗
変化率が得られる。本発明によるサーミスタは、このよ
うな特性を有するため、より低抵抗で耐熱性が要求され
る用途、例えば電池の充放電回路の短絡による過電流防
止、自動車のドアロックモータに代表されるモータのロ
ック等による過電流防止、さらには電話通信回線の短絡
等の過電流防止の用途に有効である。
0.1μm以上としたので、平均粒径が細か過ぎること
による混練の困難さがなく、また10μm以下としたの
で、室温抵抗値が低く、抵抗変化率が大きく、しかも高
い破壊電圧が得られる。
て、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アイオノマー
またはこれらの共重合体のいずれかを用いたので、WC
と混練した場合に、サーミスタとして前記室温抵抗値、
抵抗変化率、破壊電圧、繰り返し性、信頼性の面で優れ
たものが得られる。
積%以上としたので、低い室温抵抗値、大きな抵抗変化
率が得られると共に、WCの添加量を50体積%以下と
したので、混練、成形が容易であり、製造が容易とな
る。
に対するWC添加量別のρ−T特性を示す図である。
を用い、WCの平均粒径を種々に変化させた場合のρ−
T特性を示す図である。
場合の各ρ−T特性を示す図である。
場合と、TiCを用いた場合の各ρ−T特性を示す図で
ある。
場合と、Ni、CBを用いた場合の各ρ−T特性を示す
図である。
mと超微粉のWCを用いた場合のρ−T特性の代表例で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】有機ポリマーに導電性物質が分散混合さ
れ、かつ少なくとも1対の電極を有し、正の抵抗温度特
性を持つ有機質正特性サーミスタにおいて、 前記導電性物質として炭化タングステン粉を用いたこと
を特徴とする有機質正特性サーミスタ。 - 【請求項2】請求項1において、前記炭化タングステン
粉の平均粒径が0.1μm〜10μmであることを特徴
とする有機質正特性サーミスタ。 - 【請求項3】請求項1または2において、前記有機ポリ
マーとして、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、アイ
オノマーまたはこれらの共重合体のいずれかを用いたこ
とを特徴とする有機質正特性サーミスタ。 - 【請求項4】請求項1から3までのいずれかにおいて、
前記炭化タングステン粉の添加量が20〜50体積%で
あることを特徴とする有機質正特性サーミスタ。
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JPH09153402A (ja) | 1997-06-10 |
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