JP2809711B2 - 1―カルバ(デチア)セファロスポリンの中間体 - Google Patents

1―カルバ(デチア)セファロスポリンの中間体

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JP2809711B2 JP1158119A JP15811989A JP2809711B2 JP 2809711 B2 JP2809711 B2 JP 2809711B2 JP 1158119 A JP1158119 A JP 1158119A JP 15811989 A JP15811989 A JP 15811989A JP 2809711 B2 JP2809711 B2 JP 2809711B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、β−ラクタム抗生物質に関するものであ
る。特に、1−カルバ(デチア)セファロスポリン抗生
物質の製造に有用なp−ニトロベンジル7β−アミノ−
3−ヒドロキシ−1−カルバ(デチア)−3−セフェム
−4−カルボキシレートに関するものである。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) 1−カルバ(デチア)セファロスポリン類は、多少の
例外を除き、一般に半合成法によって製造されるセファ
ロスポリン抗生物質とは対照的に、全合成によって製造
されている。エバンズ等(Evans et al.)による米国特
許第4,665,171号には、1−カルバ(デチア)セファロ
スポリン中間体の不斉合成が開示されている。エス・ウ
イェオ(S.Uyeo)およびエッチ・オナ(H.Ona)によるC
hem.Pharm.Bull.(Japan)(第28巻、第1563頁〜第1577
頁、1980年)には、特定の1−カルバ(デチア)セファ
ロスポリン類のラセミ体の合成が開示されており、ヒラ
タ等(Hirata et.al)による米国特許第4,708,956号に
は、3−ハロ−1−カルバ(デチア)セファロスポリン
類およびその製造法が開示されている。
1−カルバセファロスポリン類は、感染症の治療に用
いるためのβ−ラクタム類抗生物質の新しい化合物とし
て重要さが増している。これらの抗生物質は全合成で製
造されているので、この製造法に有用な精製された中間
体が強く望まれている。
(課題を解決するための手段) p−ニトロベンジル7−アミノ−3−ヒドロキシ−1
−カルバ(デチア)−3−セフェム−4−カルボキシレ
ートは、塩酸塩の形で提供される。この中間体は、p−
ニトロベンジル7−フェノキシアセチルアミノ−3−ヒ
ドロキシ−1−カルバ(デチア)−3−セフェム−4−
カルボキシレートのN−脱アシン化によって純粋な形で
得られる。この結晶性塩は、1−カルバセファロスポリ
ン抗生物質を製造するための中間体として有用である。
本発明は、式[I]: で示されるp−ニトロベンジル7−アミノ−3−ヒドロ
キシ−1−カルバ(デチア)−3−セフェム−4−カル
ボキシレートを提供するものである。この塩[I]は、
高純度の固体として得られる。
今までは、3−ヒドロキシ−1−カルバセファロスポ
リンエステル[I]は、7−アシルアミノ−3−ヒドロ
キシ−1−カルバ(デチア)3−セフェム−4−カルボ
ン酸・p−ニトロベンジルエステルのN−脱アシル化に
よってのみ製造されていた。例えば、ハットフィールド
等(Hatfield et al.)による米国特許第4,226,986号に
開示されている方法によるp−ニトロベンジル7−フェ
ノキシアセチルアミノ−3−ヒドロキシ−1−カルバ
(デチア)−3−セフェム−4−カルボキシレートの塩
素化およびN−脱アシル化の2段階工程の間に、3−ヒ
ドロキシ基の付随的な塩素化を伴うことなくN−脱アシ
ル化が生じ、式[I]の化合物が形成された。N−脱ア
シル化は、ジクロロメタン中、−30℃で製造されたトリ
フェニルホスファイト−クロリン付加物2モルを用いて
行なわれた。窒素下およびピリジンの存在下、塩素化試
薬と3−ヒドロキシ1−カルバエステルの溶液とを混合
し、この混合物を−30℃で4時間撹拌し、イミノクロリ
ドを形成させ、イソブタノールを添加し、混合物の温度
は−14℃に上げられた。この混合物に塩化水素を通気
し、次いで、25℃に温められた。3−ヒドロキシ核エス
テル・塩酸塩が沈澱し、これを3Aエタノール中にスラリ
ー化し、残存するピリジニウム・塩酸塩が除去された。
このスラリーを濾過して、白色固体の塩[I]が得られ
た。
7−アシルアミノ−3−ヒドロキシ−1−カルバ(デ
チア)−3−セフェム−4−カルボン酸・p−ニトロベ
ンジルエステル、例えば、7−フェニルアセチルアミノ
・3−ヒドロキシエステルまたは7−フェノキシアセチ
ルアミノ・3−ヒドロキシエステルのN−脱アシル化
は、他のイミノクロリド形成試薬を用いて行うことがで
き、3−ヒドロキシ基を塩素化することなく式[I]の
化合物を形成することができる。この脱アシル化におい
て、PCl5、PCl3、POCl3、SOCl2のようなイミノクロリド
試薬を用いることができる。1−カルバ−3−ヒドロキ
シセファロスポリン類の3−ヒドロキシ基は、3−ヒド
ロキシセファロスポリン類の3−ヒドロキシ基よりも上
記試薬による塩素化に対する反応性が低い様である。し
たがって、N−脱アシル化法によって、7−アミノ−3
−ヒドロキシ−1−カルバ−3−セフェム・p−ニトロ
ベンジルエステルが選択的に形成される。
p−ニトロベンジル7−アシルアミノ−3−ヒドロキ
シ−1−カルバ(デチア)−3−セフェム−4−カルボ
キシレート、例えば7−フェノキシアセチルアミノエス
テルは、エバンス等による米国特許第4,665,171号に記
載の方法によって製造される。
7−アミノ−3−ヒドロキシエステル・塩酸塩[I]
は多少吸湿性であるが、密封容器中または乾燥雰囲気中
に貯蔵することによって高湿度状態から容易に保護する
ことができる。
塩[I]を塩基による中和によって遊離7−アミノエ
ステルに転換し、そして所望のカルボン酸によってこの
7−アミノエステルを再アシル化することができる。例
えば、遊離7−アミノエステルをD−フェニルグリシル
クロリド・塩酸塩でアシル化し、p−ニトロベンジル7
β(D−フェニルグリシルアミノ)−3−ヒドロキシ−
1−カルバ(デチア)−3−セフェム−4−カルボキシ
レートを形成することができる。次いで、エバンズ等に
よる米国特許第4,673,737号の記載に従って、このp−
ニトロベンジル7β−(D−フェニルグリシルアミノ)
−3−ヒドロキシ−1−カルバ(デチア)−3−セフェ
ム−4−カルボキレートを3−トリフルオロメチルスル
ホニルオキシ誘導体(トリフレート)を経て3−クロロ
エステルに転換してもよい。
一方、塩[I]から製造した遊離7−アミノ−3−ヒ
ドロキシエステルのアミノ基は、例えばt−BOC基また
はベンジルオキシカルボニル(CBz)基のような通常の
アミノ保護基で保護することができる。上記エバンズに
よる文献の記載に従って、3−トリフレートエステルを
経て7−保護アミノ−3−ヒドロキシエステルを3−ク
ロロ誘導体に転換することができる。塩素化後、アミノ
保護基を除去し、非保護7−アミノ基を、目的の最終生
成物のアシル基を提供するカルボン酸、例えばフェニル
グリシンでアシル化する。
上記のいずれかの合成法に続いて、例えば亜鉛とHCl
による還元または5%パラジウム/炭素触媒による接触
水素添加によってp−ニトロベンジルエステル基を除去
する。この脱エステル化遊離酸が目的の抗生物質であ
る。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例1 p−ニトロベンジル7β−アミノ−3−ヒドロキシ−1
−カルバ(デチア)−3−セフェム−4−カルボキシレ
ート・塩酸塩の製造 乾燥器で乾燥した、撹拌棒、ゴム製隔壁、温度計およ
び窒素挿入口を装着した容量250mlの3つ口フラスコに
ジクロロメタン(100ml)およびピリジン(1.73ml)を
入れた。フラスコを−30℃に冷却し、この溶液に塩素ガ
スを通気した。溶液は薄黄色に変わった。この溶液を黄
色に維持しかつ内部温度を−15℃以下に維持するような
速度で、注射器を用いてトリフェニルホスファイト(1
4.48g、46.7mmol、2.18当量)を添加した。添加の最後
にさらにトリフェニルホスファイト20滴を添加して黄色
を消散させ、−30℃で20分間撹拌した。
乾燥器で乾燥した、温度計、撹拌棒、窒素挿入口およ
びゴム製隔壁を装着した容量250mlの3つ口丸底フラス
コにp−ニトロベンジル7β−フェノキシアセチルアミ
ノ−3−ヒドロキシ−1−カルバ(デチア)−3−セフ
ェム−4−カルボキシレート(10g、21.4mmol)、酢酸
エチル(100ml)およびピリジン(2.1ml)を入れた。溶
液を−25℃に冷却し、窒素下でカニューレを介して、上
記で得たトリフェニルホスファイト・ジクロライド溶液
を1度に全部添加した。反応物を−30℃で4時間撹拌し
た。次いでイソブタノール(20ml)を一度に全部添加
し、内部温度を−30℃から−14℃に上げた。塩化水素を
40秒間通気し、氷浴を取り外した。反応物を撹拌しなが
ら25℃に温めた。固体を回収し、酢酸エチルとジクロロ
メタンとからなる冷溶液(1:1)で洗浄し、48時間減圧
乾燥し、白色固体5.60gを得た。この固体を3Aエタノー
ル90ml中で1時間スラリー化し、残存するピリジニウム
・塩酸塩を除去した。得られた懸濁液を濾過し、精製さ
れた固体を減圧乾燥し、目的の生成物4.91g(58%)を
得た。
分解点:170〜190℃ 1HNMR(d6−DMSO):δ2.06(m、2H、−CH2−)、2.
60(m、2H、−CH2−)、3.95(m、1H、N−C−C
H)、4.8(d、1H、H2N−CH)、5.4(q、2H、CO2CH
2−)、8.0(q、4H、芳香族CH)9.4(幅広s、2H、H
2N)。
IR(KBrディスク):3450(幅広、NH)、2596(s、O
H)、1770(s、CO)、1755(s、CO)、1654(−C
(O)−CH=CH−OH)cm-1
UV(EtOH)λmax276(吸光度2,377)。
質量スペクトル(フィールド・デソープション):m/e
333。
▲[α]25 589▼+11.99。
元素分析(C15H16N3O6Cl): 理論値:C48.73;H4.36;N11.36;Cl9.59 測定値:C48.70;H4.23;N11.14;Cl9.66。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: で示される化合物の製造方法であって、 式: (式中、Rはベンジルまたはフェノキシメチルである) で示される化合物とイミノクロリド形成試薬とを反応さ
    せた後、イミノエーテル形成アルコールと反応させるこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】イミノクロリド形成試薬が塩化リンである
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】塩化リンが五塩化リン、三塩化リンまたは
    オキシ塩化リンである請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】イミノクロリド形成試薬がトリフェニルホ
    スファイト・クロリン付加物である請求項1に記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】−30℃の温度でイミノクロリド形成工程を
    行うことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
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KR900000363A (ko) 1990-01-30
EP0348124B1 (en) 1994-04-27
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CA1334971C (en) 1995-03-28
IE63268B1 (en) 1995-04-05
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