JP2804713B2 - X線発生装置用フィラメント - Google Patents

X線発生装置用フィラメント

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JP2804713B2 JP6019910A JP1991094A JP2804713B2 JP 2804713 B2 JP2804713 B2 JP 2804713B2 JP 6019910 A JP6019910 A JP 6019910A JP 1991094 A JP1991094 A JP 1991094A JP 2804713 B2 JP2804713 B2 JP 2804713B2
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尚久 大坂
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線発生装置に用いら
れて熱電子を放出するフィラメント、特にコイル状では
ない棒状のフィラメントに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にX線発生装置では、通電によって
フィラメントを加熱してそれから熱電子を放出させ、そ
の熱電子を対陰極、すなわちターゲットに高速で衝突さ
せることによってそのターゲットからX線を発生させ
る。従来より広く用いられるフィラメントとしてタング
ステン(W)をコイル状に巻くことによって形成したも
のがある。
【0003】しかしながら、このコイル状のフィラメン
トに関しては、コイルの巻き線形状に応じてX線焦点内
に電子密度の不均一、すなわちムラが発生し、その結
果、発生するX線の強度が不均一になるという問題があ
った。また、フィラメントが高温に発熱する際にタング
ステンが蒸発し、そしてそのタングステンがターゲット
の表面に付着し、その結果、得られるX線の波長が予定
していたものと全く異なってしまうという問題もある。
【0004】上記のようなコイル状フィラメントに見ら
れる問題点を解消するため、例えばランタンヘキサボラ
イド(LaB6 )等によって形成された棒状フィラメン
トを用いることが提案されている。例えば、図4に示す
ように、U字形状に形成した棒状のフィラメント1を、
電子流を制御するための電極であるウエネルト(Wehnel
t )2によって包囲した状態で対陰極、すなわちターゲ
ット3に対向して配置する。フィラメント1の電子放射
部1aから放出された熱電子はターゲット3の表面に衝
突してX線焦点Fを形成し、そのX線焦点FからX線が
発生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
棒状フィラメント1の断面形状、特にその電子放射部1
aの断面形状は、図5に示すように、ほぼ正方形状に形
成され、ターゲット3に対向する面は平面であった。タ
ーゲット3上に形成されるX線焦点Fの形状は、そのフ
ィラメントの平面形状によって決定されるが、その平面
状フィラメントから出る電子は直進性が強く、その結
果、面積の広いX線焦点を形成することが困難であっ
た。
【0006】また、熱電子は電子放射部1aの平面部分
以外の面からも飛び出し、その熱電子がターゲット3に
到達して主焦点Fのまわりに副焦点F’を形成する。こ
の副焦点F’は電子密度が低くて不均一であり、しかも
その形状も不安定である。よって、X線焦点全体の形状
が不均一で複雑になるという問題がある。
【0007】また、電子放射部1aを長手方向、すなわ
ち図4のX−X方向に沿って見た場合、その断面の厚さ
は一定であった。断面厚さが一定であると電子放射部1
aの発熱分布は長手方向に沿って正規分布を呈示し、そ
れ故、長手方向に見て電子放射部1aの中央部分の発熱
温度は両端部分の発熱温度に比べて高くなる。このた
め、X線焦点Fにおける電子密度を考えた場合、その中
央部が高く、両端部が低くなり、均一な電子密度のX線
焦点が得られないという問題があった。
【0008】本発明は、従来のX線発生装置用フィラメ
ントにおける上記の問題点を解消するためになされたも
のであって、面積が広く、しかも電子密度が均一である
X線焦点を希望する形状に正確に形成できるX線発生装
置用フィラメントを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るX線発生装
置用フィラメントは、通電により発熱して熱電子を放出
するX線発生装置用フィラメントにおいて、対陰極に対
向する部分に棒状の電子放射部を有しており、その電子
放射部は長手方向に関して中央部の厚さが両端部の厚さ
に比べて厚いことを特徴とする。フィラメント、特にそ
の電子放射部は、望ましくはランタンヘキサボライド
(LaB)によって形成される。ここにいう棒状と
は、コイル形状のように複雑に湾曲させた形状を除くと
いう意味であり、比較的断面積の広い部材を直線状又は
緩やかな曲線状に形成することである。
【0010】
【作用】本発明のX線発生装置用フィラメントによれ
ば、フィラメントの電子放射部の厚さを長手方向の中央
部が厚く、両端部が薄くなるように設定したので、電子
放射部の発熱分布が長手方向全体にわたって均一にな
り、その結果、X線焦点Fにおける電子密度を長手方向
に関して均一にすることができる。
【0011】また、本発明では、フィラメントの電子放
射部の厚さに関して上記のような設定を行うのに加え
て、その電子放射部の断面形状を対陰極側へ向けて凸と
なる凸曲面に形成することができる。こうすれば、熱電
子は凸曲面の表面から直進放射、すなわち広い角度範囲
で発散して放射されることになり、よって、電子放射部
が平面である従来のフィラメントと同じ大きさの電流を
流す場合にも、X線焦点の面積を拡大できる。また、凸
曲面から均一に放出される熱電子によってX線焦点が形
成されるので、主焦点Fと副焦点F’との区別が発生せ
ず、よって、X線焦点全体の電子密度が均一になり、し
かもX線焦点の形状も明確に区画形成される。
【0012】
【実施例】図1は、本発明に係るフィラメントを用いた
X線発生装置の一実施例を示している。同図において、
例えばランタンヘキサボライド(LaB6 )によって形
成された、コイル状でない棒状のフィラメント1がU字
状に形成され、その先端(図の下端)に直線的な電子放
射部1aが設けられている。そして、この棒状フィラメ
ント1が取り付け具4によってウエネルト2の内部に収
容設置されている。ウエネルト2の底部2aには長方形
状の穴5が形成され、この穴5を通じて電子放射部1a
が外部へ露出して、対陰極、すなわちターゲット3に対
向している。ターゲット3の表面は希望するX線波長に
対応した材料、例えば銅(Cu)によって構成される。
また、フィラメント1及びターゲット3のまわりは、異
常放電の発生を防止したり、ガスの発生を防止する等の
ために真空状態に排気される。
【0013】棒状フィラメント1には電流供給回路6が
接続され、フィラメント1とターゲット3との間には管
電圧印加回路7が接続され、そして、ウエネルト2とタ
ーゲット3との間にはバイアス電圧印加回路8が接続さ
れる。ターゲット3はアースされており、よって、フィ
ラメント1及びウエネルト2には負の高電圧が印加され
る。
【0014】棒状フィラメント1の断面形状、特にその
電子放射部1aの断面形状は、図2に示すように、ター
ゲット3に対向する側が凸曲面Kとして形成されてい
る。また、フィラメント1を長手方向、すなわち図1の
X−X方向に見た場合、図3に示すように電子放射部1
aの厚さTに関しては、中央部Cで厚く、両端部Hで薄
くなるようにその断面積が徐々に変化する。
【0015】本実施例のX線発生装置は以上のように構
成されているので、図1において、電流供給回路6によ
る通電により棒状フィラメント1に通電がなされてその
フィラメント1が発熱し、その電子放射部1aから熱電
子が放出される。放出された熱電子は、管電圧印加回路
7の働きによってフィラメント1とターゲット3との間
に印加される高電圧、すなわち管電圧によって加速され
た状態でターゲット3に衝突して、ほぼ長方形状の領域
であるX線焦点Fを形成する。そして、そのX線焦点F
からX線が発生される。
【0016】バイアス電圧印加回路8の働きによってウ
エネルト2とターゲット3との間に印加される高電圧、
すなわちバイアス電圧は、図2に示すように、ターゲッ
ト3上に希望形状のX線焦点Fが形成されるようにフィ
ラメント1の電子放出部1aから放出される熱電子の進
行方向を制御する。
【0017】本実施例では、電子放出部1aの断面形状
がターゲット3側へ凸となる凸曲面Kとして形成される
ので、X線焦点Fを形成する電子線は比較的広い面積を
有する凸曲面Kから広い角度範囲内で均一に発散して放
出される。その結果、図5に示すような単なる平面から
成る従来の電子放射面から熱電子を放出する場合に比べ
て、X線焦点Fの幅を広く形成できる。
【0018】従来の電子放射面において平面の幅を広く
すれば幅の広いX線焦点Fを形成できるようにも考えら
れるが、例えばフィラメント1をLaB6 によって形成
した場合には、その電気抵抗値が比較的低いため、電子
放射面の幅を広く、すなわち断面積を広くするときに
は、所定の発熱量を得るために極めて多量の電流をフィ
ラメント1に流さなければならない。これに対して本実
施例によれば、フィラメント1への通電量を多くしなく
ても幅の広いX線焦点Fを得ることができる。しかも、
凸曲面Kから出る電子線の密度は均一であり、さらに各
電子線が均等にX線焦点F内に到達するので、X線焦点
Fの電子線密度は均一となり、しかも従来のフィラメン
トにおいて見られたような副焦点F’(図4)は発生し
ない。
【0019】さらに、図3に示すように、電子放射面1
aの中央部Cの肉厚Tを厚くしたことにより、電子放射
面1aの長さ方向X−Xの温度分布が正規分布ではなく
て平滑になる。よって、X線焦点Fの長手方向の電子線
密度も均一にできる。
【0020】フィラメント1をLaB6 によって形成
し、管電圧として20Kvを印加し、フィラメント1の
温度をほぼ1600゜Cに設定し、そして熱電子の放射
量を管電流として測定したとき、管電流として1A(ア
ンペア)が得られた。
【0021】以上、好ましい実施例をあげて本発明を説
明したが、本発明はその実施例に限られることなく、請
求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。
例えば、ウエネルト2及びターゲット3の材質及び形状
は図1に示したものに限られず他の任意のものとするこ
とができる。また、フィラメント1の材質もLaB6
外の材料によって形成できる。また、フィラメント1の
形状に関しては、電子放射部1aが凸曲面Tの断面形状
を有すること又は電子放射部1aの長手方向に関する中
央部Cの厚さを両端部Hの厚さに比べて厚くすることを
除いた他の形状は、任意に設定できる。
【0022】
【発明の効果】請求項1記載のX線発生装置用フィラメ
ントによれば、フィラメントの電子放射部の温度分布を
長手方向に関して平滑にすることができ、従って、X線
焦点の電子密度を均一にできる。
【0023】請求項2記載のX線発生装置用フィラメン
トによれば、電子放射部の断面形状を対陰極側へ向けて
凸となる凸曲面としたので、フィラメントへの通電量を
多くしなくても、平面状の電子放射部に比べて面積の広
いX線焦点を得ることができ、しかも副焦点の発生を防
止してX線焦点の電子密度を均一にできる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線発生装置用フィラメントの一
実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線に従ってフィラメントの電
子放射部の断面形状を示す断面図である。
【図3】フィラメントの一実施例の側面図である。
【図4】従来のX線発生装置用フィラメントの一例を示
す斜視図である。
【図5】従来のフィラメントの一例の断面形状を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 フィラメント 1a 電子放射部 2 ウエネルト 3 ターゲット 4 取り付け具 5 穴 F X線焦点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 35/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電により発熱して熱電子を放出するX
    線発生装置用フィラメントにおいて、対陰極に対向する
    部分に棒状の電子放射部を有しており、その電子放射部
    は長手方向に関して中央部の厚さが両端部の厚さに比べ
    て厚いことを特徴とするX線発生装置用フィラメント。
  2. 【請求項2】 通電により発熱して熱電子を放出するX
    線発生装置用フィラメントにおいて、対陰極に対向する
    部分に棒状の電子放射部を有しており、その電子放射部
    は、対陰極側へ向けて凸となる凸曲面の断面形状を有す
    ると共に、長手方向に関して中央部の厚さが両端部の厚
    さに比べて厚いことを特徴とするX線発生装置用フィラ
    メント。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、上記電
    子放射部はランタンヘキサボライド(LaB)によっ
    て形成されることを特徴とするX線発生装置用フィラメ
    ント。
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