JP5032827B2 - 除電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯電している物体から静電気を除去するための除電装置に関するものである。
たとえば半導体デバイスやFPD用ガラス基板、その他の電子部品の製造装置、製造ラインにおいては、これらの電子部品から静電気を除去するために、長波長域(低エネルギー域)のX線である、波長が1Å〜数百Åの軟X線をこれらの電子部品やその基板に対して照射することが行われている。
上記したような軟X線を照射して除電する除電装置においては、基本的には、X線の発生方法自体は従来からほぼ同じ手段を用いている。
すなわち真空雰囲気において、電子放出源であるフィラメントを数百℃に加熱し、かつ周辺に対し負電圧を印加することで電子を放出させる方式が一般的な発生方法である。高温での電子放出であるため、放出される電子は熱電子と一般的に言われている。そして放出された熱電子は電界によって正電位側に向けて加速され、最終的に真空管構成部材(いわゆるターゲット)に衝突する。電子のエネルギーは印加される電圧差によって決まるので、例えば電子放出部であるフィラメント電位が−9kVで、電子が衝突する部材の電位が0Vの場合は、放出される電子の運動エネルギーは9keVとなる。
そして電子放出部から放出された電子が衝突するターゲットに、制動X線や特性X線を放出しやすい素材を用いることで、X線が発生する。この種のX線用ターゲットの材料としては、一般にはWやTi、Cu、Mo等が多く用いられ、ターゲットの厚さは、透過型の場合は電子進入深さと軟X線透過率の関係から最適な厚さが特定されるが、0.1〜10μm程度が一般的である。一方、反射型の場合は、電子進入深さ以上であればよく、特に厚みは限定されないターゲット材から発生したX線は、X線を比較的透過しやすい部材で構成された窓を透過して外部に出射される。
このような発生原理に基づいたX線発生装置において、X線量を増加させるためには、発生させる電子量を増加させる必要がある。例えば、X線量を10倍にするためには、発生電子量も10倍にする必要がある。この場合、印加電圧を変えずに電子数を10倍にするには、フィラメントの電子発生表面積を増加させるか、あるいはフィラメント温度をさらに高温化させるかのいずれかを行う必要があるが、何れの方法においても、発熱量の大幅な増加につながる。従来のX線発生装置の発熱源の大部分はこのような電子の発生部で起こり、電子電流による発熱(=電子電流×電圧)は全体の10〜15%程度にすぎない。
以上のことを踏まえたうえで従来技術を概観すると、特許文献1(特許2749202)において使用されているX線発生装置は、X線透過性の基体上、に電子を受けてX線を放射する材料よりなる薄いターゲット膜が形成されているターゲット材を用い、フィラメントとターゲットとの間にグリッド電極が設けられているものを使用している。
特許文献2(特開2005−11635)においては、フィラメントに通電し数百℃にした上で、当該フィラメントにターゲットに対し負電圧を印加することで、熱電子をターゲットに照射している。
同様に特許文献3(特開2001−266780)においても、X線ターゲットへの電子として熱電子を用いている。
同様に特許文献4(特開平7−211273)でも、X線ターゲットへの電子として棒状フィラメントから発生させる熱電子を用いている。
特許2749202 特開2005−116354 特開2001−266780 特開平7−211273
しかしながら除電用のX線除電装置では、他の用途のX線発生装置と異なり低エネルギー(5〜15keV)でかつX線量の多い線源が必要となるため多くの問題がある。その中で最も大きい課題は発熱の問題である。
特許2749202の用途である除電においては、X線源の発熱のため、精密な温度制御が要求される工程、例えば液晶ディスプレイ製造や半導体製造における露光工程に対しては、熱による処理への悪影響があるため、近傍での使用が難しい。そのため所定の距離離し、かつ発熱負荷が雰囲気の温度上昇源にならないように、熱排気や水冷といった個別の排熱処理設備の導入が必要となる。除電性能は距離のほぼ3乗に反比例して低下することから、近距離での使用ができないことは、除電性能面で極めて不利となる。
また冷却設備は現場での排気ダクトまたは冷却水配管工事も伴うため、トータルコストは除電装置本体の2〜3倍にまで跳ね上がる。さらにX線管構成部材の耐熱性の制約から、X線発生装置の除電性能向上には限界があり、用途によっては除電性能が不十分で適用できないところがある。特に搬送速度の速いフィルム製造工程などにおいては、現在のX線発生装置では性能不十分であるのが実状である。既述したように、高出力化のためにX線量を増大させようとすると、発生させる電子量を増加させなければないが、電子量を増加させると必然的に発熱量も増大してしまうからである。
X線除電装置の寿命も発熱による劣化が主な要因である。従来のX線除電装置の寿命は10000時間程度であり、連続使用した場合には1年ぐらいで交換しなければならない。それゆえさらなる長寿命化のためには、エミッタの劣化抑制が必要となってくる。具体的には、エミッタとしてフィラメント構造を採用している場合、使用に伴う「細り」による断線防止を図る必要がある。しかしながら何れも高温条件での使用であることから、現在の技術レベルでは、大幅な改善は難しい。特に、高出力化と寿命とはトレードオフの関係にあり、両者を同時に改善することは不可能である。
また一方、X線除電装置としては、バー状や平板状のX線発生が構造上最も望ましい形態であるが、従来の電子発生原理によるX線発生装置では、このような構造にするには極めて不向きである。例えば5cmW(幅)×100cmL(高さ)×2cmD(奥行き)の長方形形状の発生装置を製作するには、100cmのフィラメントを複数本必要とし、それに伴って発熱量、発熱面積ともに非常に大きくなってしまい、その結果本体は水冷にせざるを得なくなり、大型化は避けられない。高い除電性能を得るには、静電気が発生する場所の近傍に除電装置を設置することが最も重要であることから、このような水冷化による大型化は設置の上で大きな制約条件となり、適用できない場合が多くなる。さらに、フィラメントの総延長の増加は、結果的に寿命の大幅な短縮化を招いてしまうことから、現在の技術では実用化不可能な状況にある。
また特開2005−116354によれば、本X線管での発熱の多くは本フィラメント部での発熱が占め、発生管自身の温度は100℃前後まで容易に上昇する。既述したよう、フィラメント自身の細りによる断線によってその寿命が定まり、通常10000時間程度が限度である。また点灯時は振動にも弱く、衝撃によりフィラメントは切れやすくさらに短寿命となってしまう。このため、振動の発生しやすい場所での使用には適さないという問題もある。
特開2001−266780においては、熱電子発生部がフィラメント構造体でないため断線がなく、寿命の点に関しては特開2005−116354に比べると長くできるものと期待できる。しかしながら所定量の熱電子を得るためには、フィラメント相当の昇温が必要であり、かつフィラメントより加熱容積が大きいことから、発熱量としてはより多くなることが予想され、発熱でのデメリットはさらに大きくなる。同時に、熱電子の高効率放出に重要な条件である雰囲気の真空レベルに関しては、特開2005−116354に比べて真空レベルの低下は早くなると推測でき、X線発生量によって寿命は短くなるものと考えられる。
特開平7−211273に開示された技術でも、フィラメントを採用している関係上発熱総量が多くなり、発熱によるデメリットは大きくなる。また、雰囲気の真空度低下に関しても特開2001−266780と同様である。
以上述べた従来技術における、大きな出力と連続点灯が要求される除電用X線発生装置固有の課題をまとめると次のようになる。
(1)発熱の制約条件からX線量の高出力化に限界がある。
(2)耐熱性の制約条件から、X線発生管に使用できる構成部材には制限がある。
(3)高出力化と寿命はトレードオフの関係にある。
(4)面光源化および発生面の大面積化が困難である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、電子を発生させる電子放出部の発熱が抑えられ、それによって前記した課題を解決した軟X線発生装置を使用した除電装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の除電装置は、対象物あるいはその近傍に軟X線を照射して、当該対象物の静電気を除去する除電装置であって、電子放出部とターゲットを備えた軟X線発生装置を有し、軟X線を発生させるための電子放出部の表面を、粒径が2nm〜100nmのダイヤモンド粒子からなる薄膜で構成し、前記薄膜は、XRD測定においてダイヤモンドのXRDパターンを有し、かつラマン分光測定を行った際に、膜中のsp3結合成分とsp2結合成分の比が、2.5〜2.7:1であり、出射される軟X線のエネルギー域が5〜15keVであることを特徴としている。電子放出部の表面は、好ましくは5nm〜50nmのダイヤモンド粒子からなる薄膜で構成してもよい。
また本発明の他の除電装置は、対象物あるいはその近傍に軟X線を照射して、当該対象物の静電気を除去する除電装置であって、電子放出部とターゲットを備えた軟X線発生装置を有し、前記電子放出部の表面は、粒径が2nm〜100nmのダイヤモンド粒子からなる薄膜で構成され、前記電子放出部の導電性基板と前記薄膜との間には、厚さが5μm以下のカーボンナノウォールが設けられ、出射される軟X線のエネルギー域が5〜15keVであることを特徴としている。
ダイヤモンドは、NEA(負性電子親和力Negative Electron Affinity)を有し、電気親和力が小さいので、電子放出部の表面を粒径がnmサイズのダイヤモンド粒子からなる薄膜を構成することにより、電子放出部の表面近傍のポテンシャルバリアが低減し、より低い電圧、低い電界集中で電子を放出させることができる。そして従来のように、フィラメントを採用した熱電子の放出ではないので、発熱量は大幅に抑えられ、かつ低い電圧で電子を放出させることが可能であるから、高出力化、すなわち多量の電子放出によるエックス線量の増加が容易である。またダイヤモンドは、結晶構造が強固なため、硬度が高く化学的にも安定であるので、素子の劣化が起こりにくく、軟X線の発生装置における電子放出素子の材料として適している。
ところで、ダイヤモンドを電子放出素子に用いた場合、ダイヤモンドの結晶性が高いほど基本的な電気伝導度は低く、電極ともなる導電性基板との間に良好な電気的接触を得られにくいということも考えられる。そのため電子放出部の表面に粒径がnmサイズのダイヤモンド粒子からなる薄膜を形成する場合、ダイヤモンドと導電性基板との密着性を良好なものとし、しかもダイヤモンド微粒子を均一に分散させることが重要である。さらにまた高出力のエックス線を得るためには、よりしきい値電界強度の低い電子放出素子として電子放出部を構成する必要がある。
発明者らはかかる点に照らし、電子放出部の表面に形成される粒径が2nm〜100nm、より好ましくは5nm〜50nmのサイズのダイヤモンド粒子からなる薄膜として、次のような新しい薄膜を開発した。なお粒径が2nm〜100nmというのは、発明者らが、後述の図3と同様なエックス線解析(リーベルト法の計算)によって得られた結果に基づくものである。
すなわちこの薄膜は、XRD測定においてダイヤモンドのXRDパターンを有し、かつラマン分光測定を行った際に、膜中のsp3結合成分とsp2結合成分の比が、2.5〜2.7:1である。これによって後述するように、1mA/cmをもたらす電界強度が、1V/μm以下という条件をクリアした電子放出部を実現している。
発明者らの知見によれば、前記した構成のダイヤモンド薄膜を電子放出部の表面に形成した場合、使用空気雰囲気温度が25℃のとき、電子放出部の温度上昇が従来技術では通常600℃以上(周辺との温度差575℃以上)であったのに対して、本発明の軟X線発生装置では80℃以下(周辺との温度差55℃以下)とすることができ、しかも発生電子数も従来よりもはるかに多く得ることができる。
さらにまた導電性基板上にカーボンナノウォール(CNW)と前記ダイヤモンド膜と連続的に成長させることで、よりしきい値電界強度の低い電子放出素子が得られる。またこのような2段構造とすることで電界集中の強化による電子放出特性が向上する。しかもダイヤモンド薄膜と導電性基板との間に可塑性に富むカーボンナノウォールを挟むことで、基板材料の選択の幅が広がるだけでなく、ダイヤモンド薄膜を成膜した後の冷却過程において発生する、サーマルショックによるダイヤモンド膜剥離を抑える効果がある。なおカーボンナノウォールの厚さは、5μm以下が好ましく、またその形状は、膜状であっても、散在した核状のものであってもよい。
電子放出部の印加電圧と、ターゲットとの間の電位差5〜15kVで、かつ電子放出部の温度上昇が周辺環境温度比50℃以下であることが好ましい。
また軟X線が出射されるX線出射部の電位が−100〜+100Vの範囲であることが好ましい。
前記電子放出部とターゲットは、例えば両者で平行平板構造をなしているような構造でもよい。
除電装置の筐体は、体積抵抗率が10Ω・m未満の導体で構成され、かつ静電遮蔽できる構造であることが好ましい。
また軟X線を出射する出射用窓は、発生する軟X線の透過率が5%以上であることが好ましい。
前記出射用窓の窓材は、Be、ガラス又はAlの少なくとも1種で構成されていてもよい。
本発明によれば、電子発生に伴う発熱量を大幅に削減することができるので、周囲の雰囲気の温度を変動させず、また高出力化も容易である。また構成部材として耐熱性は必要なく、しかも容易に大量の電子が発生できることから、X線透過能が多少低い材質の窓材でも出射窓に使用することができる。したがって有害で大面積化が難しいBe以外にAl(Al合金含む)やガラスも使用できるようになり、装置設計の自由度が向上している。しかも温度上昇が極めて少ないので、雰囲気の真空度低下を大幅に改善することができ、大幅な長寿命化が達成できる。もちろんフィラメントを使用しないので断線によって寿命が尽きることもない。
次に本発明の好ましい実施の形態について説明すれば、図1は第1の実施の形態にかかる除電装置1の平面、及び側面断面を示しており、これらの図からもわかるように、本実施の形態にかかる除電装置1は、全体として箱形の形状を有している。
この除電装置1の真空容器となる筐体2は、Al(アルミニウム)からなる6枚のパネル、すなわち天板3、底板4、左側板5、右側板6、前側板7、後側板8が気密に接合されて構成されている。筐体2自体は、接地されている。左側板5、右側板6、前側板7、後側板8の内側には、各々絶縁体11が設けられている。また底板4の上面には、絶縁板12が設けられ、さらにこの絶縁板12の上面には、電子放出部となるエミッタ13が設けられている。エミッタ13に対しては、除電装置1の外部に設置されている直流電源14から、所定の直流電圧が印加される。
天板3の裏面(内側面)には、ターゲット15が設けられている。本実施の形態では、厚さが1μmのタングステンの薄膜を使用した。なおターゲット15の材質はエネルギーが5〜15keVの制動X線あるいは特性X線を放出する物であればよいので、特にタングステンに限定されるものではなく、その他に例えばチタンなども使用することができる。エミッタ13とターゲット15とは平行に位置しており、両者で平行平板構造をなしている。またエミッタ13およびターゲット15とも、サイズは3cm×15cmの長方形である。Alの天板3は、X線出射窓を構成する。出射窓しては、軟X線に対する透過性能が高い物質でかつ真空容器の構成部材としての機械的強度があるものが好ましい。またターゲット材を蒸着させる基材(通常は出射窓と兼用)には、軟X線透過能以外に熱伝達能が高いことが好ましい。
次にエミッタ13の構造について詳述する。本実施の形態で用いたエミッタ13は、図2に示した構造を有している。すなわち導電性基板21の上にnmサイズ、例えば5nm〜50nmのダイヤモンド粒子が集合した多結晶膜である薄膜22が形成されている。薄膜22の厚さは、1〜10μm、好ましくは1〜3μmがよい。
この薄膜22は、次のようにして形成される。まず導電性基板21として、Ra(中心線平均粗さ)が3μm以下の低抵抗シリコン単結晶板を使用した。そして、DCプラズマCVD装置を用いて、導電性基板21に対して成膜処理を行う。
すなわちまず、シリコン単結晶ウエハ(100)を30mm×30mmの方形に切り出し、例えば1〜5μm径のタイヤモンド粒子でその表面に対してスクラッチ加工を行い、その後基板表面の脱脂、洗浄を十分に行う。これにより、導電性基板21表面のRaを3μm以下にする。
ついで、メタンガスを50SCCMと水素ガスを500SCCM流し、CVD装置の処理容器内の圧力を7998Pa(60Torr)に維持し、導電性基板21を10rpmで回転させ、基板上の温度のばらつきを5℃以内となるように、基板を加熱するヒータを調整して成膜処理を行う。そして成膜初期段階においては、基板温度を750℃で30分間保持し、その後、ヒータの電圧を上昇させて基板温度を840℃〜890℃、好ましくは860℃〜870℃に上昇させて、120分間成膜処理を行った。
このようにして成膜された薄膜22の表面は、図2中の円内で示したように、走査型電子顕微鏡見ると、ダイヤモンドの微粒子が数十から数百個程度集まってできた笹葉構造が見られる。また膜の表面は平坦で歪みも無い。薄膜自体は単一組織であり、図3に示したXRDパターン回折によっても、薄膜22は、導電性基板21との界面から薄膜22の表面までダイヤモンドの均一膜であることが確かめられた。なお図3は、平行ビーム法によるものであり、α=1°である。なおこの薄膜22においては、グラファイトのピークは確認できなかった。
次にその特徴をさらに詳しく言うと、
(1)表面は5nm〜50nmの微粒が数十から数百個程度集まってそれらが1つの笹葉のような構造を示している。
(2)薄膜22の平坦な表面から突出した部分の高さが3μm以上10μm以下であり、太さが10〜100nm程度の針状突起が、1万本〜10万本/mmの密度で存在している。
(3)針状突起のない部分の表面粗さは、薄膜下部の構造が反映されなければRaが500nm以下である。
(4)波長が532nmのレーザによるラマン分光測定によれば、1333cm−1ダイヤモンドのピークの半値幅が500cm−1以上であり、図4に示したように、1360cm−1付近を頂点とするピークと、1581cm−1がピークの二つのピークを有している。
この薄膜22のI−V特性を調べると、図5に示したようになった。これによれば、しきい値電界強度は0.95V/μmであった。なおこの薄膜22が表面に形成されているエミッタ13からの電子放出による蛍光板の発光状態を調べると、発光の斑も無く均一な発光状態が観察できた。
また発明者がさらに調べたところ、この薄膜22における膜中のダイヤモンド成分に由来するsp3結合と、グラファイト成分に由来するsp2結合の比を調べると、2.5であった。そこで前記した成膜温度の範囲内で適宜変更して、sp3結合成分とsp2結合成分の比を変え、電気抵抗率と関係を示すと、図6のようになった。sp3結合成分とsp2結合成分の比の評価は、ラマン発光法によって評価した。またsp3結合成分とsp2結合成分の比は、プラズマ密度によっても影響されるが、成膜の過程で分光することでその放射率を計算し、放射率が0.7であれば、sp3(ダイヤモンド)、1に近ければsp2(グラファイト)と、間接的に膜組成を推測することができる。そして、sp3結合/sp2結合成分比が、2.5から2.7の間で、良好なエミッションとして期待できる電気抵抗率である1kΩcm〜20kΩcmが得られることが判った。
以上の特性を有する薄膜22をエミッタ13の表面に形成した本実施の形態にかかる除電装置1によれば、エミッタ13に直流電圧を印加することで、軟X線は出射窓(天板3)から180度に近い広がりで照射される。そしてエミッタ13に対して−9.5kVの直流電圧を印加した際、電子照射量(電子電流換算)は5mAとなり、従来のフィラメント型と比べて約30倍にも達した。本実施の形態では、出射窓(天板3)の材料に、従来一般のBeより透過能の低いAlを使用しているので、結果的に透過率はBe比約1/5となるが、最終的に得られる軟X線のX線量は、従来のフィラメント−Be出射窓型の6倍(30×1/5)になった。
そしてエミッタ13での温度上昇はほとんどなく、数℃レベルであった。尤も、電子電流による発熱分(5mA×9kV=45W)は発熱するが、出射窓(天板3)、および筐体2の材料に熱伝達率の高いAlを使用しているため、装置自身の温度上昇は比較的低いものである。この点、本実施の形態にかかる除電装置と同様のX線照射量を得るために従来のフィラメント型の軟X線除電装置を動作させた場合には、総発熱量は300W相当にもなると予測され、温度上昇による短寿命化と、除電対象物への熱の影響が懸念される。しかしながら前記したように、本実施の形態にかかる除電装置1によれば、温度上昇が殆どないので、寿命がはるかに長くなり、また除電対象物、周囲環境の温度に対する影響は心配が無いものである。
なお本実施の形態では、出射窓の材料にBeより透過率の低いAlを使用したが、AlはBeよりも機械的強度が高いことから、厚みはBeよりも薄くすることができる。また機械的強度が高いので、Beを窓材に使用した装置よりも、取り扱いが容易であり、しかもBeよりも大型の出射窓を形成することも容易である。
もちろん出射窓の材料にBeを用いてもよく、その場合には、たとえば長手方向2cm毎に適宜の補強材を追加することで、より透過率の高いBe製の出射窓とすることは可能である。かかる場合、同じX線量を得るのに、電子発生量は1/5に削減できることから、発熱総量を9W(=45/5)と、さらに大幅に軽減できるメリットがある。
なお発明者らの知見によれば、本発明に使用する電子放出部としてのエミッタを製造する場合、基板は、その表面の中心線平均粗さが3μm以下のものがよく、また成膜ガスとして使用するガスについては、メタン濃度をそれ以外のガス濃度に対する比を8%以上とするのがよい。また成膜のラスト0.5時間以上において、基板温度を基板表面の一部にグラファイトが堆積し始める温度から−20℃〜+20℃の範囲で制御して成膜処理するのがよい。
前記した第1の実施の形態にかかる除電装置1は、全体として箱型形状であったが、もちろん本発明の除電装置は、その他の形状の装置としても具現化できる。図7に示した第2の実施の形態にかかる除電装置31は、幅の大きなフィルムやガラス基板などが連続搬送される際に発生する静電気の除電用に適した装置構成を有しており、全体としてバー状の構造としている。そのため出射窓(天板3)の大きさは、0.5cm×100cmのものを使用している。また筐体32自体は、第1の実施の形態にかかる除電装置1と同様、Al合金を採用している。なお第1の実施の形態にかかる除電装置1と同一の機能を持った部材には、同一の符号を付している。そしてこの第2の実施の形態にかかる除電装置31においては、ターゲット15の材料にTiを用い、また印加電圧を−10kVとしている。この第2の実施の形態にかかる除電装置31においても、第1の実施の形態にかかる除電装置1と同様、数cmおきに、適宜補強材を追加することで、出射窓(天板3)のみ、材料をBeに容易に変更できることはもちろんである。
図8には、第3の実施の形態にかかる除電装置41の平面、及び側面断面を示している。この第3の実施の形態にかかる除電装置41は、ガラスの円筒型のX線除電装置である。すなわちこの除電装置41の筐体42自体は、全て絶縁体である円筒形のガラスで構成されている。そして出射窓となる直径2cmの天板43の裏面には、ターゲット44が設けられている。本実施の形態では、ターゲット44に、厚さが10μmのタングステン膜を採用している。また底板45の上面には、絶縁体46を介して円盤状のエミッタ47が設けられ、このエミッタ47は、直流電源14と接続されている。このエミッタ47の構造は、前記した第1の実施の形態にかかるエミッタ13と同じであり、その表面には、前記した薄膜22と同一構成のダイヤモンド薄膜が形成されている。
除電装置41の筐体42は、前記したように全て絶縁材のガラスで構成されているため、天板43以外の筐体42の表面、すなわち外周、底板45の外側は、Al合金からなる円筒形のケース48で覆われており、このケース48は接地されている。
この第3の実施の形態にかかる除電装置41において、印加電圧を−12kVとしてエミッタ47に直流電圧を印加すると、電子照射量は2mAで、総発熱量は約24Wであった。そして得られるX線量は、X線透過能がBeの1/5のAlを出射窓(天板)43に使用しているにもかかわらず、従来のフィラメント−Be出射窓タイプの装置と比べて2倍であった。
図9は、第4の実施の形態にかかる除電装置51の平面、側面断面を示しており、この除電装置51の筐体52は、第3の実施の形態にかかる除電装置41における天板43以外は、筐体42と同じガラス製の円筒形状をなしている。そしてこの第4の実施の形態にかかる除電装置51においては、天板53の材料に、Beを使用している。
この第4の実施の形態にかかる除電装置51によれば、出射窓となる天板にBeを用いたので、X線量は従来と比べて10倍となる。また発熱量は第3の実施の形態にかかる除電装置41と同じ24Wである。したがって、X線量が1/10の従来装置と同等の発熱量であるので、同じX線量当たりの発熱量は従来のフィラメント−Be出射窓タイプの装置よりも1/10に削減されていることが分かる。
次にこの除電装置51において、出射窓となる天板53に、0.6mmのBe板、ターゲット44にMo、エミッタ47に、表面がnmサイズのダイヤモンド粒子からなる薄膜を有する約0.25cmのエミッタを使用した場合と、熱電子を放出するフィラメントをエミッタに使用している従来型の除電装置との、同じ照射距離における除電性能を評価した結果例を図10のグラフに示した。
このグラフにおいては、横軸にエミッタ−ターゲット間の電位差(直流印加電圧)をとり、縦軸に除電性能の指標となる空気イオン対(正と負のイオン)生成量を単位消費電力当たりで示した。除電性能はイオン対生成量とは比例関係にあり、イオン対生成量が2倍であれば除電性能も2倍となる。上記仕様にかかる除電装置51のイオン生成量は、印加電圧上昇と共に若干増加傾向にあり、何れの印加電圧域においても、エミッタとして熱電子を放出するフィラメントを使用している従来型の除電装置のイオン生成量の10倍以上の発生量が得られている。
なお、前記した仕様の除電装置51エミッタ電流密度は4〜6mA/cmのレベルであり、最適な範囲となっている。また、エミッタとターゲット間の距離は10mm以下であり、非常にコンパクトな除電装置となっている。また除電装置全体で説明すると、比較した従来型除電装置よりも10倍の除電性能を有している前記仕様になる除電装置51の総消費電力は5〜6Wであり、これに対して従来型除電装置は6〜8Wであったので、同一イオン生成量に対しては、1/10以下の消費電力で済み、極めて効率がよい。
なお図10に示したデータは、従来型とほぼ同じ構造の除電装置でのイオン生成量の比較データであるが、図1、図7、図8において示した構造の除電装置においては、同様に大幅なイオン生成量の増加が見込まれる。
前記各実施の形態において使用したエミッタ13、47においては、導電性基板の上にダイヤモンドの薄膜を形成したものを用いていたが、導電性基板と薄膜との間に、カーボンナノウォールを介在させたエミッタを用いてもよい。
図11にカーボンナノウォールを介在させたエミッタ61の構造を示した。このエミッタ61は、ニッケル基板62の上にカーボンナノウォールからなる中間層63が形成され、さらにその上に粒径が2nm〜100nm、好ましくは5nm〜50nmのダイヤモンド粒子からなる薄膜64が形成された構造を有している。
かかる構造を有するエミッタ61は、例えば次のようなプロセスによって得られる。まずニッケル基板62上に、DCプラズマCVD装置を用いて、カーボンナノウォールの核を形成し、ついでこの核を成長させて花弁状の炭素薄片を備えたカーボンナノウォールを形成させる。形成前には、既述した薄膜形成のときと同様、ニッケル基板62の表面を脱脂、洗浄を十分に行う。
反応ガスは炭素含有化合物気体と水素との混合気体であり、炭素含有化合物としては、メタン、エタン、アセチレンなどの炭化水素化合物、メタノール、エタノールなどの酸素含有炭化水素化合物、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、二酸化炭素およびこれらの混合物を用いることができる。そしてこれらの反応ガスの混合比、ガス圧、基板バイアス電圧などの条件を適切に選択することにより、基板温度700℃〜1000℃の範囲において、ニッケル基板62上のスクラッチ近傍にカーボンナノウォールの核を形成することができる。
例えばメタン流量を50SCCM、水素を500SCCM流し、CVD装置の処理容器内の圧力を7998Pa(60Torr)に維持し、ニッケル基板62を10rpmで回転させ、基板上の温度のばらつきを5℃以内となるように、基板を加熱するヒータを調整して成膜を行った。そして成膜の際の基板の温度は、900℃〜1100℃、好ましくは890℃〜950℃とし、成膜時間は120分として成膜処理を行った。これによって、まずニッケル基板62上にカーボンナノウォールの核が発生し、この核が成長することによって花弁状の炭素薄片を備えたカーボンナノウォールを形成させてニッケル基板62上にカーボンナノウォールの中間層63を形成させることができ、さらに成長が進んで連続して当該中間層63上に薄膜64を形成することができる。
カーボンナノウォールは優れた電子放出特性をもつが、数ミクロンの凹凸があり均一なエミッションサイトを形成することが困難である。したがって微粒ダイヤモンドの薄膜をカーボンナノウォール上に成膜することで均一な表面形状を得ることができる。この場合のカーボンナノウォールの厚さは、膜の形成には至らない核のみの状態〜5μmまでがよい。そしてこれを中間層としてその上に形成されるナノダイヤモンド膜の厚さは、0.5μm〜5μm、好ましくはカーボンナノウォール核、カーボンナノウォール膜を全面被覆する最低の厚さがよい。すなわち、ダイヤモンド膜はカーボンナノウォールの花弁状グラフェンシート集合体の包絡面を欠損がなく皮膜するまで成膜されるのがよい。
そしてナノダイヤモンド膜がカーボンナノウォールの凸凹をなめらかにするため、エミッタからの電子放出が平坦化される。また構造が平坦化するために電界集中が弱まるが、その効果以上に仕事関数が下がるために、しきい値電界強度を0.9V/μm以下にすることができる。
さらにカーボンナノウォールはダイヤモンドと比べると、比較的容易にあらゆる物質に成膜することができる。そのため金属基板上への微粒ダイヤモンドを成膜するための中間層としてカーボンナノウォールを生成させ、その上に微粒ダイヤモンドを堆積させた構造のエミッタは、導電性基板の材料の選択の幅が広がり、設計の自由度が高い。
図11に示した構成を有するエミッタ61のエミッタ膜のX線回折図を図12に示した。既述のエミッタ13と比較すると、グラファイト(CNW)のピークが観察されている。そしてこのエミッタ61のI−V特性を調べると、図13のようになった。これによれば、しきい値電界強度は0.84V/μmであった。すなわちカーボンナノウォールの中間層を有するエミッタ61によれば、カーボンナノウォールの中間層を持たない前出のエミッタ13よりもさらにしきい値電界強度が下がっている。したがって電界集中の強化によって、さらに電子放出特性が向上する。また製造にあたっても触媒を必要とせず、しかも導電性基板の選択の幅が広がるというメリットがある。
以上説明したように、従来の熱電子方式の軟X線発生装置では、電子放出量がエミッタ温度、エミッタ表面積、およびエミッタ表面に印加される電界強度に依存する。ところが、エミッタは使用と共に「細り」による表面積の減少や表面温度の変化があるため、電子放出量は変動しやすい。この対策として、一般的に、エミッタとターゲット間にグリッド電極を設けて、電子電流が一定となるようグリッド電極に電圧を印加し制御している。
一方、本発明の除電装置では、発生する電子電流は、エミッタ面積とエミッタ表面近傍の電界強度のみに依存するため、これらには経時変化がなく、設計通りの電子電流が永続的に安定して得られる。つまり、グリッド電極のない簡単な構造でコンパクトかつ安価な軟X線発生装置とすることができる特徴を有する。もちろん、グリッド電極を設けても性能面でのデメリットはないので、従来と同様の3極構造(エミッタ、グリッド、ターゲット電極)にしても問題はない。
ナノダイヤモンド電子放出素子を応用した素子は、サブミリメートルオーダーの電子の発生斑があるために可視光の発光素子として用いる場合には、3極構造などの対策を講じ、平滑化する必要がある。しかし軟X線発生管による除電装置に応用した場合は、軟X線発生源からのX線の広がりが大きく、放射されるX線に斑が生じにくい。また軟X線によって被除電物周辺の大気をイオン化させることで除電を行なうため、発生イオンの移動範囲内でX線のばらつき(斑)があっても、機能的に問題がない。よって除電装置は、ナノダイヤモンドエミッタを用いた応用装置として最適である。
本発明は、特に半導体デバイスをはじめとする各種電子部品や、FPD用ガラス基板、その他温度条件が厳格な環境の下で製造される製品の製造プロセスにおいて、これら部品、製品の静電気の除去に特に有用である。
第1の実施の形態にかかる除電装置の平面及び側面断面を示した説明図である。 第1の実施の形態にかかる除電装置に用いたエミッタの構造を示す説明図である。 図2のエミッタの薄膜のXRD回折図である。 図2のエミッタの薄膜のラマンスペクトルを示すグラフである。 図2のエミッタの薄膜からの電子放出特性を示すグラフである。 図2のエミッタの薄膜におけるSP3結合成分とSP2結合成分の比と薄膜の電気抵抗率の変化を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる除電装置の平面及び側面断面を示した説明図である。 第3の実施の形態にかかる除電装置の平面及び側面断面を示した説明図である。 第4の実施の形態にかかる除電装置の平面及び側面断面を示した説明図である。 図9の除電装置と従来型の熱電子放出型の除電装置における印加電圧−イオン生成量の関係を示すグラフである。 カーボンナノウォールを有するエミッタの構造を示す説明図である。 図11のエミッタのエミッタ膜のXRD回折図である。 図11のエミッタの薄膜からの電子放出特性を示すグラフである。
符号の説明
1、31、41、51 除電装置
2、32、42、52 筐体
13、47、61 エミッタ
14 直流電源
15、44 ターゲット
22、64 薄膜
63 カーボンナノウォール

Claims (9)

  1. 対象物あるいはその近傍に軟X線を照射して、当該対象物の静電気を除去する除電装置であって、
    電子放出部とターゲットを備えた軟X線発生装置を有し、
    前記電子放出部の表面は、粒径が2nm〜100nmのダイヤモンド粒子からなる薄膜で構成され、
    前記薄膜は、XRD測定においてダイヤモンドのXRDパターンを有し、かつラマン分光測定を行った際に、膜中のsp3結合成分とsp2結合成分の比が、2.5〜2.7:1であり、
    出射される軟X線のエネルギー域が5〜15keVであることを特徴とする、除電装置。
  2. 前記電子放出部の導電性基板と前記薄膜との間には、厚さが5μm以下のカーボンナノウォールが設けられていることを特徴とする、請求項に記載の除電装置。
  3. 対象物あるいはその近傍に軟X線を照射して、当該対象物の静電気を除去する除電装置であって、
    電子放出部とターゲットを備えた軟X線発生装置を有し、
    前記電子放出部の表面は、粒径が2nm〜100nmのダイヤモンド粒子からなる薄膜で構成され、
    前記電子放出部の導電性基板と前記薄膜との間には、厚さが5μm以下のカーボンナノウォールが設けられ、
    出射される軟X線のエネルギー域が5〜15keVであることを特徴とする、除電装置。
  4. 電子放出部の印加電圧と、ターゲットとの間の電位差が5〜15kVであり、電子放出部の温度上昇が周辺環境温度比50℃以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の除電装置。
  5. 軟X線が出射されるX線出射部の電位が−100〜+100Vの範囲であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の除電装置。
  6. 前記電子放出部とターゲットは平行平板構造をなしていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の除電装置。
  7. 除電装置の筐体は、体積抵抗率が10Ω・m未満の導体で構成され、かつ静電遮蔽できる構造であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の除電装置。
  8. 軟X線を出射する出射用窓は、発生する軟X線の透過率が5%以上であることを特徴とする、請求項7に記載の除電装置。
  9. 前記出射用窓の窓材は、Be、ガラス又はAlの少なくとも1種で構成されていることを特徴とする請求項8に記載の除電装置。
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