JP2800050B2 - 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品 - Google Patents

耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品

Info

Publication number
JP2800050B2
JP2800050B2 JP1324711A JP32471189A JP2800050B2 JP 2800050 B2 JP2800050 B2 JP 2800050B2 JP 1324711 A JP1324711 A JP 1324711A JP 32471189 A JP32471189 A JP 32471189A JP 2800050 B2 JP2800050 B2 JP 2800050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
oil
whey protein
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1324711A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02257838A (ja
Inventor
潔 伊原
弘二 荻野
由美 玉野
千夏子 下司
武彦 大藤
完 平川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP1324711A priority Critical patent/JP2800050B2/ja
Publication of JPH02257838A publication Critical patent/JPH02257838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2800050B2 publication Critical patent/JP2800050B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Tea And Coffee (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は広範なpH下及び/又は広範な温度範囲におい
て、乳化状態が安定であり且つ起泡性能等の基本性能を
失うことのない水中油型乳化脂組成物に関する。更に詳
しくは、カゼインの如き酸に不安定な蛋白質を含むも
の、即ち、従来の牛乳、生クリーム、濃縮乳、チーズ、
ヨーグルトの様な乳製品、各種乳製品を還元して作られ
たこれらに類似の乳製品、乳脂肪の一部を異脂肪に代替
する等の組成物の部分変換又は追加、削除をし且つカゼ
インを含むこれらに類似の組成物、及びカゼインを含む
全ての水中油型乳化脂組成物においてさえ、これらの各
用途における各種の基本性能(起泡性等)を何ら阻害す
ることのない、耐酸性及び耐熱性を有する水中油型乳化
脂組成物及びそれを含有してなる食品に関する。
〔従来の技術〕
水中油型乳化脂は、その液性を酸性にした場合、例外
なく乳化が不安定となり、油脂の分離、脂肪球の凝集を
伴い乳化破壊が起こる。特にカゼインの如く酸に不安定
な蛋白質を含有した前掲の如き水中油型乳化脂組成物で
は、この現象は極めて顕著である。また、この現象は加
熱を施すことにより一層顕著となり、著しい乳化破壊を
起こす。
この問題を解決する方法としては、例えば特開昭60−
12930号や同58−209947号にはアニオン性コロイド物
質、例えばカルボキシメチルセルロース、ペクチン、グ
アガム、キサンタンガム等による脂肪球の安定化及び/
又は多量の緩衝塩、例えば重合リン酸塩やクエン酸ナト
リウム等により安定化する方法が開示されている。しか
し乍ら、この方法では低pH下での安定性はほとんど得ら
れず、特に加熱時には例外なく乳化破壊が起こる。また
乳化剤の工夫を計ったものもあるが、いずれも酸や熱に
対する安定性の向上が不充分である上、苦味やしぶ味が
発生し食品としての旨味が著しく阻害される。更に、脱
脂粉乳を酵素で処理する方法も提案されている(特開昭
64−23867号)が、カゼイン蛋白質の加水分解による苦
味が生じるか乳化力が著しく低下し、乳のコク味に直接
関係する生クリーム、濃縮乳、牛乳やバターには適用で
きない。
〔発明が解決しようとする課題〕
食品の多様化に伴い、各種用途の水中油型乳化脂組成
物が開発され、該組成物の耐酸、耐熱性機能・性能の拡
大が要求されている。
該水中油型乳化脂組成物の耐酸、耐熱性機能の拡大が
実現されると、酸味系原料を併用した食品や加熱処理を
施した食品への利用が可能となる。この様な食品とし
て、例えばフルーツ等の酸味系原料を混ぜ合わせたホイ
ップクリーム、ムースの如きデザート類、流動化された
チーズ、ヨーグルトやその類似物、酸味系原料を含む牛
乳飲料、マヨネーズやドレッシング様でホイップ機能を
持つ食品、タレ、ソース及びスープ類、畜肉類のピック
ル液やインジェクション液、コーヒー用クリーム等の、
そのままで食されるか或いは更に殺菌やレトルト処理を
目的として加熱処理される食品が挙げられる。その他、
液性が中性付近であっても従来品では不可能であったよ
うな高温の加熱処理が施される様な水中油型乳化脂組成
物やこれを使用した食品の提供も可能となる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等はかかる実情に鑑み、水中油型乳化脂組成
物の前記の課題を解決し、広範なpHにおいて乳化安定性
が良好で且つ加熱されても水中油型乳化の破壊が起こら
ない水中油型乳化脂組成物を開発すべく鋭意研究の結
果、意外にも特定の酵素により加水分解された乳清蛋白
質を主成分とする加水分解物を用いるとともに、特定の
乳化剤を用いることにより、水中油型乳化脂組成物の耐
酸性及び/又は耐熱性安定化が達成出来ることを見出し
た。更に、カゼインの如き酸に不安定な蛋白質を含む系
においてさえ、該組成物の耐酸性及び/又は耐熱性安定
化が達成出来ることを見出した。
即ち、本発明はトリプシンにより加水分会された乳性
蛋白質を主成分として含む加水分解物を含有し、且つ乳
化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸
モノグリセライドから選ばれた少なくとも1種を含有す
ることを特徴とする水中油型乳化脂組成物を内容とする
ものである。
本発明において、加水分解される乳清蛋白質はチーズ
ホエー、酸ホエー、及びそれらの濃縮物であって、蛋白
質の他に脂肪分やミネラル等を含有してもよい。また濃
縮物はUF膜処理、CMセルロースイオン交換等いずれの方
法で濃縮されたものでもよく、更に粉末化されたもので
もよい。尚、濃縮工程は酵素分解の前でも後でも差し支
えない。
乳清蛋白質を加水分解する酵素としてはトリプシン、
パパイン、ブロメライン及び各種微生物起源のプロテア
ーゼがあるが、特にトリプシン等のエンド切断型酵素が
好適である。酵素は食品工業レベルのものでも試薬レベ
ルのものでもよい。特にトリプシンが好適である理由
は、他のパパイン、ブロメライン及び微生物起源のプロ
テアーゼの場合は、分解の程度によって生じる苦味が発
生したり酸性下での乳化効果及び乳化安定性が劣るのに
対し、トリプシンで分解した場合は苦味の発現が極く少
なく、且つ比較的僅かな分解でも良好な乳化効果及び乳
化安定性が得られるとともに、苦味の発現の全くない程
度の少量の使用でも充分な乳化効果を発揮するからであ
る。
加水分解の条件は蛋白質の変性を起こしにくい60℃以
下の水系で行えばよく、酵素処理は55〜30℃の温度範囲
が好ましい。また酵素処理される乳清蛋白質濃度は10重
量%程度以下にすることが蛋白質の安定性を保つ上で好
ましい。また水系のpHは酵素活性のあるpH範囲であれば
よい。酵素分解を行うと、酵素による分解に伴いpHが若
干変化するが、短時間の加水分解の場合は問題とならな
い。加水分解度は全ペプチドの0.01〜8.0%の範囲が好
ましい。分解度が0.01%未満では充分な効果がなく、一
方、8.0%を越えて分解すると苦味の発現と風味の低下
及び乳化効果の低下が起こる。尚、分解度はホルモール
滴定等によるα−アミノ基の測定により分解された量を
測定し、乳清蛋白質の総アミノ酸量で割った値(%)と
した。酵素により加水分解された乳清蛋白質を主成分と
して含む加水分解物は加熱処理し保存した後、起泡性水
中型乳化脂に使用してもよく、またトリプシンインヒビ
ターを適量使用し酵素反応を停止させた後、そのまま使
用してもよい。
また本発明で使用する油脂は、一般の動・植物性油脂
であれば特に問題なく使用できる。また乳化剤はポリグ
リセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセライドか
ら選ばれる少なくとも1種を使用するのが好ましく、更
には、これらと、ショ糖脂肪酸エステル及びレシチンか
ら選ばれる少なくとも1種とを併用するのが好ましく、
各々0.01重量%以上添加され、その総添加量は0.05〜2.
0重量%の範囲が好ましい。その他、酵素により加水分
解されていない乳清蛋白質、無脂乳固形物等を含有して
も差し支えない。
本発明の水中油型乳化脂組成物の調整法としては、予
め乳化された物、例えば牛乳、生クリーム、濃縮乳、チ
ーズ及びヨーグルトのごとき物、或いは何等かの方法で
乳化調整された物に当該加水分解物を添加混合し、殺菌
処理して調整してもよく、また全て又は一部の成分を最
初から混合乳化して調整してもよい。後者の場合、当該
加水分解物、水溶性乳化剤及びその他の無脂乳固型物な
どの配合材料を温水に溶解して水相部とし、一方で準備
した油脂原料と油溶性乳化剤を含む油相部を乳化し、両
者をバルブ式ホモジナイザー等の均質化装置により均質
化し、更に殺菌処理をして調整するのが好ましい。殺菌
工程での加熱処理は、80〜150℃が好ましい。殺菌の方
法通常の間接殺菌又は直接殺菌のどちらの方式を採用し
ても差し支えない。
〔発明の効果〕
本発明の水中油型乳化脂組成物は、広範なpHにおいて
乳化安定性に極めて優れるとともに、更に加熱処理が加
わっても乳化破壊に対して高い安定性を有する。即ち、
該組成物の液性が変化しても、また加熱しても、油脂の
分離、蛋白の凝集、沈澱が起こらず乳化物は極めて安定
である。
また重合リン酸塩やクエン酸塩のごとき緩衝塩や乳化
剤の多量使用に伴ういや味、苦味、塩味がない他、これ
らの物質による緩衝作用や乳化作用が少ないので食品素
材の味をストレートに生かすことが出来、食品の持つ旨
味を損なうことがない。
更に、また、多量のアニオン性コロイドの使用も必要
でないから糊感もなく、サラッとした食感の組成物が得
られる。
従って、例えばホイッピングクリーム用途では、果
汁、果肉等の酸味性物質と混合しても安定な起泡力が得
られることはもちろん、乳のコクと酸味物質の味が生き
たホイッピングクリームが得られる。また、ドレッシン
グやマヨネーズでは、糊感の出るまで多量のデンプンや
増粘剤を使う必要がなく、従って食感が著しく改善され
るとともに乳化安定性にも優れたものが得られる。また
卵黄を使わなくても安定性を保つことが出来るのでコレ
ステロール含量の低い物が提供出来る他、ホイップ性を
持ったこれらの類似物も提供することが出来る。
また、耐熱性が要求される用途、例えばコーヒホワイ
トナーでは、フェザリングや油分離が全くないものを提
供できることはもちろんのこと、従来カゼインとの併用
で多量に使用されてきた重合リン酸塩や緩衝塩の使用が
不要となるため、コーヒー本来の美味しさを味わうこと
が出来る。
更にまた、本発明の水中油型乳化脂組成物は、その優
れた耐酸性及び耐熱性から、低いpH下での処理及び/又
は高い温度で加熱処理される調理食品、レトルト食品用
の乳製品代替物或いは水中油型乳化脂組成物として、今
までの水中油型乳化脂組成物が使用不可能又は困難であ
った広汎な食品分野に使用することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明を実験例及び実施例を挙げて更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。
実験例 下記の方法により、各種プロテアーゼにより加水分解
した乳清蛋白質(ホエー蛋白質:WPC、以下同じ)と、該
乳清蛋白質を用いた水中油型乳化脂組成物の乳化安定性
との関係を調べた。
(1)方法 1)WPCの加水分解 WPC10部(重量部、以下同じ)をイオン交換水90部に
溶解し、50℃に加温した。各種プロテアーゼをWPCに対
して0.5重量%添加して1時間酵素分解を行った。その
後、急冷して乳化液を作製する使用とした。なお、対照
としてプロテアーゼを添加しない物を同様の操作にて作
製した。
2)乳化液の調製 63部の水に上記1)で得たWPC分解物11部、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル0.4部、ショ糖脂肪酸エステル0.4
部、ヘキサメタリン酸ソーダ0.1部を添加して60℃にて
溶解した水相部と、植物油脂20部にポリグリセリン脂肪
酸エステル0.4部を60℃にて溶解した油相部とを混合
し、20分間予備乳化を行った。その後、140℃にて4秒
間殺菌して5℃まで冷却して、乳化液を調製した。均質
化圧力は、200kg/cm2とした。
(2)乳化液の安定性テスト 以下の2種類の方法にて乳化液の安定性、特に耐酸
性、耐熱性を測定した。
1)分散安定性 乳化液をイオン交換水にて10倍に希釈した後、クエン
酸を添加してP3.8とした。この乳化液を90℃にて30分間
加熱したのち25℃で2時間放置した。容器の下層部より
サンプルを丁寧に取り660nmのO.D.値を測定した。一
方、加熱していないサンプルを同様に操作して測定した
値で割った値を分散安定性(%)とした。値は、高いほ
ど乳化安定性が高いことを示す。
2)原液安定性 乳化液100gにクエン酸を添加して、pH3.8に調整し
た。この乳化液を90℃にて30分間加熱した後、冷却して
25時間5℃で保管したものの粘度をB型粘度計にて測定
した。粘度が低いほど、乳化安定性が高いことを示す。
(3)結果 結果を下表に示したが、プロテアーゼの種類により乳
化安定性がかなり異なり、分散安定性、原液安定性の両
方にすぐれた効果を示す乳化液が得られたのは、トリプ
シンで分解したWPCであることがわかる。
実施例1 乳清蛋白質1kgを50℃の温水9.0に溶解し、2Nの水酸
化ナトリウム溶液でpH7.0に調整した。その後トリプシ
ン(Novo社製)2.5gを添加し分解度が2.3%になるまで
加水分解し、2.5gの大豆トリプシンインヒビターで反応
を停止し冷却、冷蔵保管した。このトリプシン加水分解
乳清蛋白質液を2.0重量%溶液となるように希釈後、該
水溶液69.0重量%を60度に加温し、ショ糖脂肪酸エステ
ル0.35重量%、ピロリン酸Na0.05重量%を溶解して水相
部とした。また、トーモロコシ油30重量%にポリグリセ
リンペンタステアレート0.5重量%とレシチン0.1重量%
を溶解し油相部とした。上記の如くして得た水相部に油
相部を混合し予備乳化した。これをバルブ式ホモジナイ
ザーにて1段目170kg/cm2、2段目100kg/cm2で処理し85
℃15秒殺菌し水中油型乳化脂組成物を得た。この乳化脂
組成物の平均粒子径は1.40μmであった。
該組成物を50%クエン酸溶液にてpH7、5及び3にそ
れぞれ調整し、90℃で30分間加熱した。該組成物を水に
て1/5に希釈し、同様にpH7、5及び3に調整し、90℃で
30分間加熱した。これらの乳化安定性を評価した結果を
第1表に示した。
第1表の結果から明らかな如く、得られた水中油型乳
化脂組成物は酸性下や加熱下においてもほとんど脂肪球
の粒径に変化がなく、その結果、粘度も安定で極めて良
好な状態を維持した。また1/5倍に希釈した場合も同様
であった。
実施例2 実施例1において、ポリグリセリンペンタステアレー
トをクエン酸モノグリセライドに置き換えた他は実施例
1と同様に操作及び評価した。結果を第1表に示した
が、得られた水中油型乳化脂組成物は酸性下や加熱下に
おいてもほとんど脂肪球の粒径に変化がなく、粘度も安
定で良好な状態を維持した。また1/5倍に希釈した場合
も同様であった。
比較例1 実施例1において、酵素で加水分解しない乳清蛋白質
を用いた他は実施例1と同様に操作、評価した結果を第
1表に示した。加熱前粒径は1.41μmであったが、pH7
で粒径は1.63と肥大化し、乳化状態もわずかに油分離
し、pH5及び3ではこの傾向はさらに顕著となり、商品
性のないものであった。
比較例2〜4 実施例1において、ポリグリセリンペンタステアレー
トを蒸留モノグリセライド(ステアリン酸系)(比較例
2)、プロピレングリコールモノステアレート(比較例
3)又はソルビタンモノステアレート(比較例4)に置
き換えた他は実施例1と同様に操作及び評価した。結果
を第1表に示したが、酸性下や加熱下において脂肪球の
粒径は肥大化し、粘度も大きく変動し、また乳化状態も
油分離が見られ商品性のないものであった。
実施例3 乳清蛋白質5kgを40℃の温水45に溶解し、トリプシ
ン(Sigma社製、試薬グレード)15gを添加し、分解度が
5.0%になるまで加水分解した。その後、旭化成製UF膜
にて分子量6000以下の低分子のペプチドを除き、得た加
水分解乳清蛋白質を遠心式噴霧乾燥機で粉末化し、トリ
プシン加水分解乳清蛋白質を得た、この乳清蛋白質を用
いて実施例1と同様にして水中油型乳化脂組成物を作成
した。この組成物も実施例1と同様に、極めて優れた乳
化性を示した。
実施例4〜10 乳清蛋白質5kgを45℃の温水45に溶解しトリプシン2
5gを添加後、加水分解度が1.7%になるまで酵素処理を
行った後、60℃まで昇温させ酵素反応を停止させた。こ
の酵素処理乳清蛋白質を用いて第2表に示す配合にて実
施例4〜10の予備乳化物を作成した。このものをバルブ
式ホモジナイザーにて1段目250kg/cm2、2段目160kg/c
m2で処理、130℃で5秒間殺菌し、水中油型乳化脂組成
物を得た。これらのものを、クエン酸を用いてpH3に調
整し、90℃で30分間加熱テストを行った。
その結果、第3表に示した様に、実施例4〜6で油種
とその量を変化させても脂肪球粒径に大きな変化はな
く、加熱後の乳化状態も極めて良好であった。また実施
例7〜9で、トリプシン分解乳清蛋白質の量を変化させ
たが、同様に極めて良好な結果を示した。
また、実施例10では加熱後の粒径が若干変化したもの
の実用上特に問題のないものであった。
比較例5〜9 蛋白質として第2表に示した如く、脱脂粉乳、カゼイ
ンソーダ、酵素処理大豆蛋白質、牛血清蛋白質及び卵白
アルヴミンを使用した他は実施例4〜10と同様にして水
中油型乳化脂組成物を調製、評価した。この結果、第3
表に示したごとく、いずれも脂肪球粒径が測定不能か、
極めて肥大化し、油分離を起こした。
比較例10 乳化剤として第2表に示した如く、レシチンとショ糖
脂肪酸エステルとを用いた他は実施例4〜10と同様にし
て水中油型乳化脂組成物を調製、評価した。1/5希釈液
の加熱後の乳化状態は、僅かにクリームの浮上、僅かに
蛋白の凝集が認められた。
実施例11 実施例5、6及び7を調整する時点で少量のフレーバ
ーを添加し、水中油型乳化脂組成物A、B及びCを得
た。これらの乳化脂組成物と、カゼインソーダ及び/又
はその他乳製品と重合リン酸塩及び/又は緩衝塩を併用
して作った市販のコーヒーホワイトナー又はコーヒー用
クリームの比較テストを実施した。
比較テストはフリーズドライのコーヒー豆、モカ種の
コーヒー豆抽出液及びブルーマウンテン種のコーヒー豆
抽出液を準備しておき、訓練された50人のパネラーに事
前にコーヒーを試飲させて味を確認させた後、該組成物
A、B及びCと市販品a、b及びcを添加してコーヒー
種の識別テストを行った。フェザリングや油分離につい
ては市販品bで多少の油分離があった他はいずれも安定
であった。
第4表にその結果を示したが、実施例A、B及びCで
はほとんどの人が3種のコーヒーを全て識別したのに対
し、市販品a、b、cでは識別が困難となり、cではほ
とどの人が全く識別できなかった。
実施例12 実施例4で作成した水中油型乳化脂組成物を用い、第
5表に示す配合に従って酸性レトルトデザート食品(pH
3.0)を作成し、レトルト殺菌機にて90℃、20分間殺菌
して冷却し固化させた。このデザートは蛋白質の凝集、
油分離が全く見られず、均一な組織であって、かつレモ
ンの風味、酸味がストレートに出る糊感のない、サラッ
としたゲルの美味なものであった。
実施例13 実施例7にて作成した水中油型乳化脂組成物をコーヒ
ー豆抽出液に5重量%添加し混合した後、110℃、20分
間殺菌したころ、クリームの浮上、凝集が全くないコー
ヒー飲料が得られた。このコーヒー飲料はコーヒー豆特
有の風味が活かされ、一般のコーヒーホワイトナー、コ
ーヒー用クリームとは明らかに区別できるものであっ
た。
実施例14 A:加水分解乳清蛋白質液の作成 水9kgに乳清蛋白質1kgを加温溶解し50℃に昇温した。
その後、トリプシン(Novo社製)3gを添加し加水分解度
が3%になるまで加水分解し加熱により酵素反応を停止
させ、冷蔵保管した。
B:水中油型乳化脂組成物の調整 (配合) バター: 54重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.10重量部 有機酸モノグリセライド: 0.05重量部 レシチン: 0.1重量部 加水分解乳清蛋白質液: 10重量部 脱脂粉乳: 3重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.4重量部 重合リン酸塩: 0.05重量部 水: 33重量部 上記原材料を65℃で15分間予備乳化した後、バルブ式
ホモジナイザーにて均質化処理し、135℃、4秒間殺菌
して起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
得られた組成物は第6表より明らかな如く、中性での
起泡性、保型性はもとより、酸性下での乳化安定性に優
れ、起泡重量%の起泡性、保型性もすこぶる良好であっ
た。
比較例11 実施例14において、加水分解乳清蛋白質液の代わりに
酵素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は実施例
14と同様に操作して起泡性水中油型乳化脂組成物を得
た。
比較例12 実施例14において、加水分解乳清蛋白質液の代わりに
同蛋白質濃度の酵素処理大豆蛋白質液を用いた他は、実
施例14と同様に操作して起泡性水中油型乳化脂組成物を
得た。
比較例13 実施例14において、加水分解乳清蛋白質液の代わりに
水を用いた他は、実施例14と同様に操作して起泡性水中
油型乳化脂組成物を得た。
比較例11〜13を実施例14と同様に評価し、その結果を
第6表に示したが、いずれも酸性下において乳化安定性
が全く認められず、酸により可塑化し、起泡性がなかっ
た。
実施例15 (配合) バター: 20重量部 硬大豆油(融点33℃): 30重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.25重量部 レシチン: 0.07重量部 加水分解乳清蛋白質液*: 10重量部 全脂粉乳: 3.5重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.3重量部 重合リン酸塩: 0.06重量部 水: 37重量部 *実施例14と同様の方法で作成した。
上記原材料を65℃で15分間予備乳化した後、バルブ式
ホモジナイザーにて均質化処理し、135℃、4秒間殺菌
して起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
得られた組成物を実施例14と同様に評価したところ、
酸性下での乳化安定性が良好で、保型性にも優れたもの
であった。
比較例14 実施例15において、加水分解乳清蛋白質液の代わりに
酸素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は、実施
例15と同様に操作して起泡性水中油型乳化脂組成物を得
た。
得られた組成物は酸性下での乳化安定性に著しく劣る
とともに起泡性のないものであった。
実施例16 (配合) 硬化ナタネ油: 15重量部 パーム硬化油: 20重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.2重量部 レシチン: 0.1重量部 加水分解乳清蛋白質液*: 10重量部 脱脂粉乳: 0.5重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.4重量部 ショ糖脂肪酸エステル: 0.1重量部 生クリーム: 20重量部 重合リン酸塩: 0.05重量部 水: 28重量部 *実施例14と同様の方法で作成した。
上記原材料のうち、生クリーム以外の材料を65℃で15
分間予備乳化した後、生クリームを添加し、更に5分間
予備乳化を行った。その後、バルブ式ホモジナイザーに
て均質化処理し、135℃、4秒間殺菌して起泡性水中油
型乳化脂組成物を得た。
得られた組成物を実施例14と同様に評価したところ、
酸性下でも優れた乳化安定性を示し、起泡性、保型性も
良好であった。
比較例15 実施例16において加水分解乳清蛋白質液の代わりに酵
素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は実施例16
と同様にして起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
得られた組成物は酸性下での乳化安定性が著しく劣
り、また起泡力のないものであった。
実施例17 (配合) パーム硬化油(融点33℃) :30重量部 バター: 20重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.2重量部 有機酸モノグリセライド: 0.2重量部 レシチン: 0.05重量部 加水分解乳清蛋白質液*: 8重量部 分離大豆蛋白質: 2重量部 ポリグリセリン脂肪酸エステル: 0.2重量部 重合リン酸塩: 0.10重量部 水: 38重量部 *実施例14と同様の方法で作成した。
上記原材料のうち65℃で15分間予備乳化した後、バル
ブ式ホモジナイザーにて均質化処理を行ない、更に135
℃、4秒間殺菌して起泡性水中油型乳化脂組成物を得
た。
得られた組成物を実施例14と同様に評価したところ、
中性はもちろん、酸性下でも良好な乳化安定性を示し、
また起泡性に富んでいた。
比較例16 実施例17において加水分解乳清蛋白質液の代わりに酵
素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は実施例17
と同様にして起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
得られた組成物は酸性下での乳化安定性に劣り、また
起泡力は不充分であった。
実施例18 実施例17において、分離大豆蛋白質の代わりに酵素で
加水分解しない乳清蛋白質を用いた他は実施例17と同様
にして起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
得られた組成物を実施例14と同様にして評価したとこ
ろ、中性はもちろん、酸性下でも著しく乳化安定性に優
れ、且つ起泡性、保型性も充分実用的なものであった。
実施例19 実施例14において作成した、トリプシン加水分解度を
2%とした乳清蛋白質液5重量部、脱脂粉乳2重量部、
水16重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.5重量
部、食塩2重量部、食酢8重量部、砂糖2重量部、グル
タミン酸ソーダ0.2重量部、香辛料0.3重量部を加温溶解
した油相部を乳化し、均質処理後85℃で殺菌してカゼイ
ンを含有する水中油型乳化脂組成物を得た。
この組成物は粘度130000cpsで、組織のなめらかなマ
ヨネーズ様食品であり、カゼインの不溶物等によるザラ
ツキや糊感が全く認められなかった。
比較例17 実施例19において、トリプシン加水分解乳清蛋白質液
を使用する代わりに水を使用した以外は実施例19と同様
に操作して、カゼインを含有する水中油型乳化脂組成物
を調整しようとしたが、均質な乳化物が得られず、油の
分離した組織のザラツいた乳化物しか得られなかった。
実施例20 水45重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.5重量
部及び脱脂粉乳4重量部を加温溶解した水相部と硬化ヤ
シ油30重量部、分別パーム油17重量部にショ糖脂肪酸エ
ステル0.5重量部からなる油相部を乳化し均質化処理し
た。
次いで、この組成物に牛乳由来の生クリーム(脂肪分
47重量%)を等量混合し80℃で加熱殺菌した。これに前
もってラクトバチルス・ブルガリカス及びラツコバチル
ス・クレモリスを混合スタータとした脱脂乳を接種し、
pH4になるまで醗酵した。更にこの醗酵液95重量部に実
施例19にて作成したトリプシン加水分解乳清蛋白質液5
重量部を添加し、均質化処理液120℃で殺菌してサワー
クリーム様の乳化物を得た。この乳化物は2ケ月経過し
た後も粘度変化は認められず、安定は乳化状態を示し、
美味であった。
実施例21 実施例19において調整したトリプシン加水分解乳清蛋
白質液5重量部、カゼインソーダ1重量部、脱脂粉乳1
重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.2重量部、シ
ョ糖脂肪酸エステル0.1重量部、重合リン酸塩0.04重量
部、安定剤0.05重量部及び水62重量部を加温溶解し水相
部としたものに、硬化ヤシ油15重量部、乳脂肪15重量
部、レシチン0.05重量部、有機酸モノグリセライド0.1
重量部及び香料0.05重量部を含む油相部を混合、乳化後
均質化処理し、次いで130℃で殺菌を行ってコーヒー用
クリームを得た。
このコーヒー用クリームをコーヒー抽出液120ml(80
℃)に5ml加えて乳化安定性を確認したところ、オイル
オフ、フェザリング共まったく発生しなかった。またコ
ーヒー独特の苦味や酸味が極めてストレートに出ており
美味であった。
比較例18 実施例21において、トリプシン加水分解乳清蛋白質液
の代わりに水を用いた他は実施例21と同様に操作してコ
ーヒー用クリームを得た。
このコーヒー用クリームを実施例21と同様に評価した
ところ、オイルオフは僅かであったがフェザリングが著
しく発生し、商品価値のないものであった。
実施例22 牛乳より得た生クリーム97重量部(脂肪率31重量%)
を65℃に加温し、実施例19で調整したトリプシン加水分
解乳清蛋白質液2.5重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.2重
量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル0.2重量部から
なる水相部を加えて乳化した。この乳化物を均質化後13
0℃で殺菌してコーヒー用クリームを得た。
このコーヒー用クリームを実施例21と同様に評価した
ところ、オイルオフ、フェザリングが全く発生せず、コ
ーヒー特有の酸味、コク味及び香りが従来になくストレ
ートに現れており、美味であった。
実施例23 実施例19で調整したトリプシン加水分解乳清蛋白質液
10重量部、脱脂粉乳20重量部、ラクトース2重量部、シ
ョ糖脂肪酸エステル0.1重量部及び水58重量部を加温溶
解した水相部と、サフラワー油9重量部と、レシチン0.
1重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル0.1重量部か
らなる油相部を混合乳化した。その後、均質化処理を行
ない140℃で殺菌後、濃縮型調整乳を得た。
またサラダ油40g、小麦粉40gでホワイトルーを作成
し、更に上記濃縮型調整乳を2.5倍に希釈したものを500
g加えてホワイトソースを作成した。このホワイトソー
スを120℃、40分間レトルト殺菌を行ったところ、油の
分離や組織のザラツキの全くない美味なホワイトソース
が得られた。
実施例24 実施例19で調整したトリプシン加水分解乳清蛋白質液
2重量部、脱脂粉乳20重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.
05重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステルの0.1重量
部及び水68重量部を加温溶解した水相部と、バター脂肪
10重量部及びレシチン0.1重量部よりなる油相部を混合
乳化した。その後、均質化処理を行ない140℃で殺菌
後、濃縮型調整乳を得た。
調整乳をクエン酸にてpH4に調整したところ、粘度
(B型粘度計)は250cpsで極めて安定な乳化状態を示し
た。
更に、上記濃縮型調整乳を用いて実施例23と同様にホ
ワイトソースを作成した。即ち、調整乳100重量部に対
してトマトピューレ8重量部、コンソメスープ10重量部
及び生クリーム5重量部を加温混合してクリームトマト
スープを作成し、120℃、30分間レトルト殺菌を行った
ところ、油の分離、蛋白質の凝集の全くない、均質で美
味なスープが得られた。
比較例19 実施例24において、トリプシン加水分解乳蛋白質液の
代わりに酵素加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は
実施例24と同様に操作して濃縮型調整乳を得た。
この調整乳をクエン酸にてpH4.0に調整したところ、
粘度(B型粘度計)は5000cpsであり、酸に対して極め
て不安定な乳化物であった。また実施例24と同様にして
クリームトマトスープを作成したところ、明らかに大量
の油を分離した。更に蛋白質は凝集し組織の不均質なも
のしか得られず、商品価値の全くないものであった。
実施例25 実施例19で調整したトリプシン加水分解乳清蛋白質液
5重量部、脱脂粉乳2重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.
3重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、ピ
ロリン酸ソーダ0.01重量部を水50重量部に加水溶解した
水相部と、バター脂肪40重量部、ポリグリセリン脂肪酸
エステル0.5重量部よりなる油相部を混合乳化した。そ
の後、均質化処理、殺菌して水中油型乳化脂組成物を得
た。
この組成物をpH4.0に調整し、90℃で30分間加熱した
が脂肪球の粒子径は全く変化せず、油脂の分も全くない
安定な乳化状態を示した。
当該組成物を30重量部、イチゴ果汁10重量部、クエン
酸0.3重量部、砂糖8.0重量部、カラギーナン製剤1.5重
量部、水50重量部を用いて酸性の組成物を調整し、レト
ルト殺菌機にて85℃、25分間殺菌して冷却固化させた。
このイチゴムースは蛋白質の凝集、油脂の分離等がな
く、均一な組織の今までにないデザートであった。
比較例20 実施例25において、トリプシン加水分解乳清蛋白質液
の代わりに酵素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた
他は実施例25と同様に操作して水中油型乳化脂組成物を
得た。得られた組成物を実施例25と同様に加熱すると、
油脂の完全分離、蛋白質の凝集が起こり、全く商品価値
のないものであった。
実施例26 実施例19において調整したトリプシン加水分解乳清蛋
白質液を用いた他は実施例20と同様にしてサワークリー
ムを得た。
このサワークリームは実施例20よりも低粘度であった
他は同様な乳化性を示し、非常に美味であった。
実施例27 実施例19と同様に操作し、加水分解度が0.5%になる
まで加水分解したトリプシン加水分解乳清蛋白質液を用
いた他は実施例23と同様に操作して組成物を得た。得ら
れた組成物は実施例23より若干粘度が高いものの実施例
23と同様優れた乳化性を持つ良好な濃縮型調整乳であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/00 A23L 1/00 L 1/05 1/19 1/19 1/24 A 1/24 1/39 1/39 A23J 3/34 // A23J 3/34 A23L 1/04 (72)発明者 下司 千夏子 兵庫県高砂市高砂町宮前町1番8号 鐘 淵化学工業株式会社内 (72)発明者 大藤 武彦 兵庫県高砂市高砂町宮前町1番8号 鐘 淵化学工業株式会社内 (72)発明者 平川 完 兵庫県高砂市高砂町宮前町1番8号 鐘 淵化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−10259(JP,A) 特開 昭61−96956(JP,A) 特開 昭63−109737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23D 7/005,7/01,7/06 A23C 11/04,13/14,13/16 A23F 5/24 A23L 1/00 A23L 1/05,1/19,1/24,1/39 A23J 3/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリプシンにより加水分解された乳清蛋白
    質を主成分として含む加水分解物を含有し、且つ乳化剤
    として、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノ
    グリセライドから選ばれた少なくとも1種を含有するこ
    とを特徴とする水中油型乳化脂組成物。
  2. 【請求項2】カゼイン蛋白質を0.3〜30重量%含有する
    ともに、トリプシンにより加水分解された乳清蛋白質を
    主成分として含む加水分解物を含有し、且つ乳化剤とし
    て、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリ
    セライドから選ばれた少なくとも1種を含有することを
    特徴とする水中油型乳化脂組成物。
  3. 【請求項3】トリプシンにより加水分解された乳清蛋白
    質の分解度が0.01〜8.0%である請求項1又は2記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】更に、乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステ
    ル及びレシチンから選ばれた少なくとも1種を含有する
    請求項1乃至3記載の組成物。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかの項記載の水中
    油型乳化脂組成物を含有することを特徴とする食品。
JP1324711A 1988-12-16 1989-12-13 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品 Expired - Lifetime JP2800050B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1324711A JP2800050B2 (ja) 1988-12-16 1989-12-13 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-319173 1988-12-16
JP31917388 1988-12-16
JP1324711A JP2800050B2 (ja) 1988-12-16 1989-12-13 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02257838A JPH02257838A (ja) 1990-10-18
JP2800050B2 true JP2800050B2 (ja) 1998-09-21

Family

ID=26569630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1324711A Expired - Lifetime JP2800050B2 (ja) 1988-12-16 1989-12-13 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2800050B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3118155B2 (ja) 1994-12-01 2000-12-18 アサヒフーズ株式会社 低脂肪分、耐酸性および凍結耐性を有するホイップクリーム組成物並びにその製造方法
JP4508729B2 (ja) * 2004-06-07 2010-07-21 キリンビバレッジ株式会社 植物油脂組成物およびそれを含有する飲料
JP4882749B2 (ja) * 2004-09-29 2012-02-22 不二製油株式会社 水中油型乳化物
JP4464324B2 (ja) * 2005-06-29 2010-05-19 カルピス株式会社 発酵乳飲料の製造法
JP4616824B2 (ja) * 2006-12-21 2011-01-19 ミヨシ油脂株式会社 水中油型乳化物
JP2010126495A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Morinaga Milk Ind Co Ltd 母乳添加用粉末
CN102781246A (zh) 2010-03-04 2012-11-14 味之素株式会社 咖啡增白剂、其制造方法和饮料的制造方法
JP5877564B2 (ja) * 2012-09-27 2016-03-08 森永乳業株式会社 ホイップ用クリームの製造方法及びホイップ用クリームへの耐酸性の付与方法
JP5941428B2 (ja) * 2013-03-28 2016-06-29 森永乳業株式会社 ホイップ用クリーム及びその製造方法
JP2017038574A (ja) * 2015-08-21 2017-02-23 三菱化学フーズ株式会社 水中油型乳化物
TW202235585A (zh) * 2021-03-04 2022-09-16 日商不二製油集團控股股份有限公司 水系組成物、光劣化抑制劑及水系組成物的光劣化抑制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02257838A (ja) 1990-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2369674C (en) Process for making a wheyless cream cheese using transglutaminase
JP5719346B2 (ja) コーヒーホワイトナー、その製造方法及び飲料の製造方法
JP4911173B2 (ja) 微細気泡含有果実または野菜ピューレとその製造方法
JP2800050B2 (ja) 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品
US6627243B2 (en) Cream substitute
JP2004504050A (ja) 卵をベースとした粉末およびこれを含む食品
JP7355488B2 (ja) ゲル状食品の製造方法
US20090123604A1 (en) Emulsion food ingredient
JP3424393B2 (ja) 水中油型油脂乳化組成物
JP5877564B2 (ja) ホイップ用クリームの製造方法及びホイップ用クリームへの耐酸性の付与方法
JP2010075083A (ja) 殺菌済濃縮牛乳状組成物
JP2628862B2 (ja) 高蛋白低脂肪酸性ホイッピングクリーム
JP4357126B2 (ja) 水中油型乳化脂
JP6509508B2 (ja) 水中油型乳化脂用乳化材
US20160316777A1 (en) Quark based fat mixture comprising plant oil and a process for producing it
JP2739161B2 (ja) 加熱耐性を有するo/w型乳化脂組成物及び該組成物を含有した加熱殺菌処理済食品
JP2000139344A (ja) 耐酸、耐熱性を有する水中油型エマルション
JP3421475B2 (ja) 水中油型油脂乳化組成物及びその製造方法
JP4664244B2 (ja) 蛋白再凝集抑制剤
US20230232848A1 (en) Functionalized non-dairy base and method for producing non-dairy analogs
RU2803511C2 (ru) Способ получения ингредиента, содержащего комбинацию по меньшей мере трех молочных протеинов, и применение этого полученного ингредиента
JP3258634B2 (ja) 加熱安定性に優れた生クリーム乳化物およびその製造方法
JP4623213B2 (ja) 微細気泡含有フレッシュ乳製品およびその製造方法
WO2023183629A2 (en) Functionalized non-dairy base and method for producing non-dairy analogs
CN114568500A (zh) 米酪风味发酵乳及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090710

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100710

Year of fee payment: 12