JP2800050B2 - 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品 - Google Patents
耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品Info
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Description
て、乳化状態が安定であり且つ起泡性能等の基本性能を
失うことのない水中油型乳化脂組成物に関する。更に詳
しくは、カゼインの如き酸に不安定な蛋白質を含むも
の、即ち、従来の牛乳、生クリーム、濃縮乳、チーズ、
ヨーグルトの様な乳製品、各種乳製品を還元して作られ
たこれらに類似の乳製品、乳脂肪の一部を異脂肪に代替
する等の組成物の部分変換又は追加、削除をし且つカゼ
インを含むこれらに類似の組成物、及びカゼインを含む
全ての水中油型乳化脂組成物においてさえ、これらの各
用途における各種の基本性能(起泡性等)を何ら阻害す
ることのない、耐酸性及び耐熱性を有する水中油型乳化
脂組成物及びそれを含有してなる食品に関する。
なく乳化が不安定となり、油脂の分離、脂肪球の凝集を
伴い乳化破壊が起こる。特にカゼインの如く酸に不安定
な蛋白質を含有した前掲の如き水中油型乳化脂組成物で
は、この現象は極めて顕著である。また、この現象は加
熱を施すことにより一層顕著となり、著しい乳化破壊を
起こす。
12930号や同58−209947号にはアニオン性コロイド物
質、例えばカルボキシメチルセルロース、ペクチン、グ
アガム、キサンタンガム等による脂肪球の安定化及び/
又は多量の緩衝塩、例えば重合リン酸塩やクエン酸ナト
リウム等により安定化する方法が開示されている。しか
し乍ら、この方法では低pH下での安定性はほとんど得ら
れず、特に加熱時には例外なく乳化破壊が起こる。また
乳化剤の工夫を計ったものもあるが、いずれも酸や熱に
対する安定性の向上が不充分である上、苦味やしぶ味が
発生し食品としての旨味が著しく阻害される。更に、脱
脂粉乳を酵素で処理する方法も提案されている(特開昭
64−23867号)が、カゼイン蛋白質の加水分解による苦
味が生じるか乳化力が著しく低下し、乳のコク味に直接
関係する生クリーム、濃縮乳、牛乳やバターには適用で
きない。
物が開発され、該組成物の耐酸、耐熱性機能・性能の拡
大が要求されている。
実現されると、酸味系原料を併用した食品や加熱処理を
施した食品への利用が可能となる。この様な食品とし
て、例えばフルーツ等の酸味系原料を混ぜ合わせたホイ
ップクリーム、ムースの如きデザート類、流動化された
チーズ、ヨーグルトやその類似物、酸味系原料を含む牛
乳飲料、マヨネーズやドレッシング様でホイップ機能を
持つ食品、タレ、ソース及びスープ類、畜肉類のピック
ル液やインジェクション液、コーヒー用クリーム等の、
そのままで食されるか或いは更に殺菌やレトルト処理を
目的として加熱処理される食品が挙げられる。その他、
液性が中性付近であっても従来品では不可能であったよ
うな高温の加熱処理が施される様な水中油型乳化脂組成
物やこれを使用した食品の提供も可能となる。
物の前記の課題を解決し、広範なpHにおいて乳化安定性
が良好で且つ加熱されても水中油型乳化の破壊が起こら
ない水中油型乳化脂組成物を開発すべく鋭意研究の結
果、意外にも特定の酵素により加水分解された乳清蛋白
質を主成分とする加水分解物を用いるとともに、特定の
乳化剤を用いることにより、水中油型乳化脂組成物の耐
酸性及び/又は耐熱性安定化が達成出来ることを見出し
た。更に、カゼインの如き酸に不安定な蛋白質を含む系
においてさえ、該組成物の耐酸性及び/又は耐熱性安定
化が達成出来ることを見出した。
蛋白質を主成分として含む加水分解物を含有し、且つ乳
化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸
モノグリセライドから選ばれた少なくとも1種を含有す
ることを特徴とする水中油型乳化脂組成物を内容とする
ものである。
ホエー、酸ホエー、及びそれらの濃縮物であって、蛋白
質の他に脂肪分やミネラル等を含有してもよい。また濃
縮物はUF膜処理、CMセルロースイオン交換等いずれの方
法で濃縮されたものでもよく、更に粉末化されたもので
もよい。尚、濃縮工程は酵素分解の前でも後でも差し支
えない。
パパイン、ブロメライン及び各種微生物起源のプロテア
ーゼがあるが、特にトリプシン等のエンド切断型酵素が
好適である。酵素は食品工業レベルのものでも試薬レベ
ルのものでもよい。特にトリプシンが好適である理由
は、他のパパイン、ブロメライン及び微生物起源のプロ
テアーゼの場合は、分解の程度によって生じる苦味が発
生したり酸性下での乳化効果及び乳化安定性が劣るのに
対し、トリプシンで分解した場合は苦味の発現が極く少
なく、且つ比較的僅かな分解でも良好な乳化効果及び乳
化安定性が得られるとともに、苦味の発現の全くない程
度の少量の使用でも充分な乳化効果を発揮するからであ
る。
下の水系で行えばよく、酵素処理は55〜30℃の温度範囲
が好ましい。また酵素処理される乳清蛋白質濃度は10重
量%程度以下にすることが蛋白質の安定性を保つ上で好
ましい。また水系のpHは酵素活性のあるpH範囲であれば
よい。酵素分解を行うと、酵素による分解に伴いpHが若
干変化するが、短時間の加水分解の場合は問題とならな
い。加水分解度は全ペプチドの0.01〜8.0%の範囲が好
ましい。分解度が0.01%未満では充分な効果がなく、一
方、8.0%を越えて分解すると苦味の発現と風味の低下
及び乳化効果の低下が起こる。尚、分解度はホルモール
滴定等によるα−アミノ基の測定により分解された量を
測定し、乳清蛋白質の総アミノ酸量で割った値(%)と
した。酵素により加水分解された乳清蛋白質を主成分と
して含む加水分解物は加熱処理し保存した後、起泡性水
中型乳化脂に使用してもよく、またトリプシンインヒビ
ターを適量使用し酵素反応を停止させた後、そのまま使
用してもよい。
であれば特に問題なく使用できる。また乳化剤はポリグ
リセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセライドか
ら選ばれる少なくとも1種を使用するのが好ましく、更
には、これらと、ショ糖脂肪酸エステル及びレシチンか
ら選ばれる少なくとも1種とを併用するのが好ましく、
各々0.01重量%以上添加され、その総添加量は0.05〜2.
0重量%の範囲が好ましい。その他、酵素により加水分
解されていない乳清蛋白質、無脂乳固形物等を含有して
も差し支えない。
め乳化された物、例えば牛乳、生クリーム、濃縮乳、チ
ーズ及びヨーグルトのごとき物、或いは何等かの方法で
乳化調整された物に当該加水分解物を添加混合し、殺菌
処理して調整してもよく、また全て又は一部の成分を最
初から混合乳化して調整してもよい。後者の場合、当該
加水分解物、水溶性乳化剤及びその他の無脂乳固型物な
どの配合材料を温水に溶解して水相部とし、一方で準備
した油脂原料と油溶性乳化剤を含む油相部を乳化し、両
者をバルブ式ホモジナイザー等の均質化装置により均質
化し、更に殺菌処理をして調整するのが好ましい。殺菌
工程での加熱処理は、80〜150℃が好ましい。殺菌の方
法通常の間接殺菌又は直接殺菌のどちらの方式を採用し
ても差し支えない。
乳化安定性に極めて優れるとともに、更に加熱処理が加
わっても乳化破壊に対して高い安定性を有する。即ち、
該組成物の液性が変化しても、また加熱しても、油脂の
分離、蛋白の凝集、沈澱が起こらず乳化物は極めて安定
である。
剤の多量使用に伴ういや味、苦味、塩味がない他、これ
らの物質による緩衝作用や乳化作用が少ないので食品素
材の味をストレートに生かすことが出来、食品の持つ旨
味を損なうことがない。
でないから糊感もなく、サラッとした食感の組成物が得
られる。
汁、果肉等の酸味性物質と混合しても安定な起泡力が得
られることはもちろん、乳のコクと酸味物質の味が生き
たホイッピングクリームが得られる。また、ドレッシン
グやマヨネーズでは、糊感の出るまで多量のデンプンや
増粘剤を使う必要がなく、従って食感が著しく改善され
るとともに乳化安定性にも優れたものが得られる。また
卵黄を使わなくても安定性を保つことが出来るのでコレ
ステロール含量の低い物が提供出来る他、ホイップ性を
持ったこれらの類似物も提供することが出来る。
トナーでは、フェザリングや油分離が全くないものを提
供できることはもちろんのこと、従来カゼインとの併用
で多量に使用されてきた重合リン酸塩や緩衝塩の使用が
不要となるため、コーヒー本来の美味しさを味わうこと
が出来る。
れた耐酸性及び耐熱性から、低いpH下での処理及び/又
は高い温度で加熱処理される調理食品、レトルト食品用
の乳製品代替物或いは水中油型乳化脂組成物として、今
までの水中油型乳化脂組成物が使用不可能又は困難であ
った広汎な食品分野に使用することが出来る。
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。
した乳清蛋白質(ホエー蛋白質:WPC、以下同じ)と、該
乳清蛋白質を用いた水中油型乳化脂組成物の乳化安定性
との関係を調べた。
溶解し、50℃に加温した。各種プロテアーゼをWPCに対
して0.5重量%添加して1時間酵素分解を行った。その
後、急冷して乳化液を作製する使用とした。なお、対照
としてプロテアーゼを添加しない物を同様の操作にて作
製した。
セリン脂肪酸エステル0.4部、ショ糖脂肪酸エステル0.4
部、ヘキサメタリン酸ソーダ0.1部を添加して60℃にて
溶解した水相部と、植物油脂20部にポリグリセリン脂肪
酸エステル0.4部を60℃にて溶解した油相部とを混合
し、20分間予備乳化を行った。その後、140℃にて4秒
間殺菌して5℃まで冷却して、乳化液を調製した。均質
化圧力は、200kg/cm2とした。
性、耐熱性を測定した。
酸を添加してP3.8とした。この乳化液を90℃にて30分間
加熱したのち25℃で2時間放置した。容器の下層部より
サンプルを丁寧に取り660nmのO.D.値を測定した。一
方、加熱していないサンプルを同様に操作して測定した
値で割った値を分散安定性(%)とした。値は、高いほ
ど乳化安定性が高いことを示す。
た。この乳化液を90℃にて30分間加熱した後、冷却して
25時間5℃で保管したものの粘度をB型粘度計にて測定
した。粘度が低いほど、乳化安定性が高いことを示す。
化安定性がかなり異なり、分散安定性、原液安定性の両
方にすぐれた効果を示す乳化液が得られたのは、トリプ
シンで分解したWPCであることがわかる。
化ナトリウム溶液でpH7.0に調整した。その後トリプシ
ン(Novo社製)2.5gを添加し分解度が2.3%になるまで
加水分解し、2.5gの大豆トリプシンインヒビターで反応
を停止し冷却、冷蔵保管した。このトリプシン加水分解
乳清蛋白質液を2.0重量%溶液となるように希釈後、該
水溶液69.0重量%を60度に加温し、ショ糖脂肪酸エステ
ル0.35重量%、ピロリン酸Na0.05重量%を溶解して水相
部とした。また、トーモロコシ油30重量%にポリグリセ
リンペンタステアレート0.5重量%とレシチン0.1重量%
を溶解し油相部とした。上記の如くして得た水相部に油
相部を混合し予備乳化した。これをバルブ式ホモジナイ
ザーにて1段目170kg/cm2、2段目100kg/cm2で処理し85
℃15秒殺菌し水中油型乳化脂組成物を得た。この乳化脂
組成物の平均粒子径は1.40μmであった。
れぞれ調整し、90℃で30分間加熱した。該組成物を水に
て1/5に希釈し、同様にpH7、5及び3に調整し、90℃で
30分間加熱した。これらの乳化安定性を評価した結果を
第1表に示した。
化脂組成物は酸性下や加熱下においてもほとんど脂肪球
の粒径に変化がなく、その結果、粘度も安定で極めて良
好な状態を維持した。また1/5倍に希釈した場合も同様
であった。
トをクエン酸モノグリセライドに置き換えた他は実施例
1と同様に操作及び評価した。結果を第1表に示した
が、得られた水中油型乳化脂組成物は酸性下や加熱下に
おいてもほとんど脂肪球の粒径に変化がなく、粘度も安
定で良好な状態を維持した。また1/5倍に希釈した場合
も同様であった。
を用いた他は実施例1と同様に操作、評価した結果を第
1表に示した。加熱前粒径は1.41μmであったが、pH7
で粒径は1.63と肥大化し、乳化状態もわずかに油分離
し、pH5及び3ではこの傾向はさらに顕著となり、商品
性のないものであった。
トを蒸留モノグリセライド(ステアリン酸系)(比較例
2)、プロピレングリコールモノステアレート(比較例
3)又はソルビタンモノステアレート(比較例4)に置
き換えた他は実施例1と同様に操作及び評価した。結果
を第1表に示したが、酸性下や加熱下において脂肪球の
粒径は肥大化し、粘度も大きく変動し、また乳化状態も
油分離が見られ商品性のないものであった。
ン(Sigma社製、試薬グレード)15gを添加し、分解度が
5.0%になるまで加水分解した。その後、旭化成製UF膜
にて分子量6000以下の低分子のペプチドを除き、得た加
水分解乳清蛋白質を遠心式噴霧乾燥機で粉末化し、トリ
プシン加水分解乳清蛋白質を得た、この乳清蛋白質を用
いて実施例1と同様にして水中油型乳化脂組成物を作成
した。この組成物も実施例1と同様に、極めて優れた乳
化性を示した。
5gを添加後、加水分解度が1.7%になるまで酵素処理を
行った後、60℃まで昇温させ酵素反応を停止させた。こ
の酵素処理乳清蛋白質を用いて第2表に示す配合にて実
施例4〜10の予備乳化物を作成した。このものをバルブ
式ホモジナイザーにて1段目250kg/cm2、2段目160kg/c
m2で処理、130℃で5秒間殺菌し、水中油型乳化脂組成
物を得た。これらのものを、クエン酸を用いてpH3に調
整し、90℃で30分間加熱テストを行った。
とその量を変化させても脂肪球粒径に大きな変化はな
く、加熱後の乳化状態も極めて良好であった。また実施
例7〜9で、トリプシン分解乳清蛋白質の量を変化させ
たが、同様に極めて良好な結果を示した。
の実用上特に問題のないものであった。
ンソーダ、酵素処理大豆蛋白質、牛血清蛋白質及び卵白
アルヴミンを使用した他は実施例4〜10と同様にして水
中油型乳化脂組成物を調製、評価した。この結果、第3
表に示したごとく、いずれも脂肪球粒径が測定不能か、
極めて肥大化し、油分離を起こした。
脂肪酸エステルとを用いた他は実施例4〜10と同様にし
て水中油型乳化脂組成物を調製、評価した。1/5希釈液
の加熱後の乳化状態は、僅かにクリームの浮上、僅かに
蛋白の凝集が認められた。
ーを添加し、水中油型乳化脂組成物A、B及びCを得
た。これらの乳化脂組成物と、カゼインソーダ及び/又
はその他乳製品と重合リン酸塩及び/又は緩衝塩を併用
して作った市販のコーヒーホワイトナー又はコーヒー用
クリームの比較テストを実施した。
コーヒー豆抽出液及びブルーマウンテン種のコーヒー豆
抽出液を準備しておき、訓練された50人のパネラーに事
前にコーヒーを試飲させて味を確認させた後、該組成物
A、B及びCと市販品a、b及びcを添加してコーヒー
種の識別テストを行った。フェザリングや油分離につい
ては市販品bで多少の油分離があった他はいずれも安定
であった。
はほとんどの人が3種のコーヒーを全て識別したのに対
し、市販品a、b、cでは識別が困難となり、cではほ
とどの人が全く識別できなかった。
5表に示す配合に従って酸性レトルトデザート食品(pH
3.0)を作成し、レトルト殺菌機にて90℃、20分間殺菌
して冷却し固化させた。このデザートは蛋白質の凝集、
油分離が全く見られず、均一な組織であって、かつレモ
ンの風味、酸味がストレートに出る糊感のない、サラッ
としたゲルの美味なものであった。
ー豆抽出液に5重量%添加し混合した後、110℃、20分
間殺菌したころ、クリームの浮上、凝集が全くないコー
ヒー飲料が得られた。このコーヒー飲料はコーヒー豆特
有の風味が活かされ、一般のコーヒーホワイトナー、コ
ーヒー用クリームとは明らかに区別できるものであっ
た。
その後、トリプシン(Novo社製)3gを添加し加水分解度
が3%になるまで加水分解し加熱により酵素反応を停止
させ、冷蔵保管した。
ホモジナイザーにて均質化処理し、135℃、4秒間殺菌
して起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
起泡性、保型性はもとより、酸性下での乳化安定性に優
れ、起泡重量%の起泡性、保型性もすこぶる良好であっ
た。
酵素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は実施例
14と同様に操作して起泡性水中油型乳化脂組成物を得
た。
同蛋白質濃度の酵素処理大豆蛋白質液を用いた他は、実
施例14と同様に操作して起泡性水中油型乳化脂組成物を
得た。
水を用いた他は、実施例14と同様に操作して起泡性水中
油型乳化脂組成物を得た。
第6表に示したが、いずれも酸性下において乳化安定性
が全く認められず、酸により可塑化し、起泡性がなかっ
た。
ホモジナイザーにて均質化処理し、135℃、4秒間殺菌
して起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
酸性下での乳化安定性が良好で、保型性にも優れたもの
であった。
酸素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は、実施
例15と同様に操作して起泡性水中油型乳化脂組成物を得
た。
とともに起泡性のないものであった。
分間予備乳化した後、生クリームを添加し、更に5分間
予備乳化を行った。その後、バルブ式ホモジナイザーに
て均質化処理し、135℃、4秒間殺菌して起泡性水中油
型乳化脂組成物を得た。
酸性下でも優れた乳化安定性を示し、起泡性、保型性も
良好であった。
素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は実施例16
と同様にして起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
り、また起泡力のないものであった。
ブ式ホモジナイザーにて均質化処理を行ない、更に135
℃、4秒間殺菌して起泡性水中油型乳化脂組成物を得
た。
中性はもちろん、酸性下でも良好な乳化安定性を示し、
また起泡性に富んでいた。
素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は実施例17
と同様にして起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
起泡力は不充分であった。
加水分解しない乳清蛋白質を用いた他は実施例17と同様
にして起泡性水中油型乳化脂組成物を得た。
ろ、中性はもちろん、酸性下でも著しく乳化安定性に優
れ、且つ起泡性、保型性も充分実用的なものであった。
2%とした乳清蛋白質液5重量部、脱脂粉乳2重量部、
水16重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.5重量
部、食塩2重量部、食酢8重量部、砂糖2重量部、グル
タミン酸ソーダ0.2重量部、香辛料0.3重量部を加温溶解
した油相部を乳化し、均質処理後85℃で殺菌してカゼイ
ンを含有する水中油型乳化脂組成物を得た。
ヨネーズ様食品であり、カゼインの不溶物等によるザラ
ツキや糊感が全く認められなかった。
を使用する代わりに水を使用した以外は実施例19と同様
に操作して、カゼインを含有する水中油型乳化脂組成物
を調整しようとしたが、均質な乳化物が得られず、油の
分離した組織のザラツいた乳化物しか得られなかった。
部及び脱脂粉乳4重量部を加温溶解した水相部と硬化ヤ
シ油30重量部、分別パーム油17重量部にショ糖脂肪酸エ
ステル0.5重量部からなる油相部を乳化し均質化処理し
た。
47重量%)を等量混合し80℃で加熱殺菌した。これに前
もってラクトバチルス・ブルガリカス及びラツコバチル
ス・クレモリスを混合スタータとした脱脂乳を接種し、
pH4になるまで醗酵した。更にこの醗酵液95重量部に実
施例19にて作成したトリプシン加水分解乳清蛋白質液5
重量部を添加し、均質化処理液120℃で殺菌してサワー
クリーム様の乳化物を得た。この乳化物は2ケ月経過し
た後も粘度変化は認められず、安定は乳化状態を示し、
美味であった。
白質液5重量部、カゼインソーダ1重量部、脱脂粉乳1
重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.2重量部、シ
ョ糖脂肪酸エステル0.1重量部、重合リン酸塩0.04重量
部、安定剤0.05重量部及び水62重量部を加温溶解し水相
部としたものに、硬化ヤシ油15重量部、乳脂肪15重量
部、レシチン0.05重量部、有機酸モノグリセライド0.1
重量部及び香料0.05重量部を含む油相部を混合、乳化後
均質化処理し、次いで130℃で殺菌を行ってコーヒー用
クリームを得た。
℃)に5ml加えて乳化安定性を確認したところ、オイル
オフ、フェザリング共まったく発生しなかった。またコ
ーヒー独特の苦味や酸味が極めてストレートに出ており
美味であった。
の代わりに水を用いた他は実施例21と同様に操作してコ
ーヒー用クリームを得た。
ところ、オイルオフは僅かであったがフェザリングが著
しく発生し、商品価値のないものであった。
を65℃に加温し、実施例19で調整したトリプシン加水分
解乳清蛋白質液2.5重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.2重
量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル0.2重量部から
なる水相部を加えて乳化した。この乳化物を均質化後13
0℃で殺菌してコーヒー用クリームを得た。
ところ、オイルオフ、フェザリングが全く発生せず、コ
ーヒー特有の酸味、コク味及び香りが従来になくストレ
ートに現れており、美味であった。
10重量部、脱脂粉乳20重量部、ラクトース2重量部、シ
ョ糖脂肪酸エステル0.1重量部及び水58重量部を加温溶
解した水相部と、サフラワー油9重量部と、レシチン0.
1重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステル0.1重量部か
らなる油相部を混合乳化した。その後、均質化処理を行
ない140℃で殺菌後、濃縮型調整乳を得た。
し、更に上記濃縮型調整乳を2.5倍に希釈したものを500
g加えてホワイトソースを作成した。このホワイトソー
スを120℃、40分間レトルト殺菌を行ったところ、油の
分離や組織のザラツキの全くない美味なホワイトソース
が得られた。
2重量部、脱脂粉乳20重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.
05重量部及びポリグリセリン脂肪酸エステルの0.1重量
部及び水68重量部を加温溶解した水相部と、バター脂肪
10重量部及びレシチン0.1重量部よりなる油相部を混合
乳化した。その後、均質化処理を行ない140℃で殺菌
後、濃縮型調整乳を得た。
(B型粘度計)は250cpsで極めて安定な乳化状態を示し
た。
ワイトソースを作成した。即ち、調整乳100重量部に対
してトマトピューレ8重量部、コンソメスープ10重量部
及び生クリーム5重量部を加温混合してクリームトマト
スープを作成し、120℃、30分間レトルト殺菌を行った
ところ、油の分離、蛋白質の凝集の全くない、均質で美
味なスープが得られた。
代わりに酵素加水分解しない乳清蛋白質液を用いた他は
実施例24と同様に操作して濃縮型調整乳を得た。
粘度(B型粘度計)は5000cpsであり、酸に対して極め
て不安定な乳化物であった。また実施例24と同様にして
クリームトマトスープを作成したところ、明らかに大量
の油を分離した。更に蛋白質は凝集し組織の不均質なも
のしか得られず、商品価値の全くないものであった。
5重量部、脱脂粉乳2重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.
3重量部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、ピ
ロリン酸ソーダ0.01重量部を水50重量部に加水溶解した
水相部と、バター脂肪40重量部、ポリグリセリン脂肪酸
エステル0.5重量部よりなる油相部を混合乳化した。そ
の後、均質化処理、殺菌して水中油型乳化脂組成物を得
た。
が脂肪球の粒子径は全く変化せず、油脂の分も全くない
安定な乳化状態を示した。
酸0.3重量部、砂糖8.0重量部、カラギーナン製剤1.5重
量部、水50重量部を用いて酸性の組成物を調整し、レト
ルト殺菌機にて85℃、25分間殺菌して冷却固化させた。
く、均一な組織の今までにないデザートであった。
の代わりに酵素で加水分解しない乳清蛋白質液を用いた
他は実施例25と同様に操作して水中油型乳化脂組成物を
得た。得られた組成物を実施例25と同様に加熱すると、
油脂の完全分離、蛋白質の凝集が起こり、全く商品価値
のないものであった。
白質液を用いた他は実施例20と同様にしてサワークリー
ムを得た。
他は同様な乳化性を示し、非常に美味であった。
まで加水分解したトリプシン加水分解乳清蛋白質液を用
いた他は実施例23と同様に操作して組成物を得た。得ら
れた組成物は実施例23より若干粘度が高いものの実施例
23と同様優れた乳化性を持つ良好な濃縮型調整乳であっ
た。
Claims (5)
- 【請求項1】トリプシンにより加水分解された乳清蛋白
質を主成分として含む加水分解物を含有し、且つ乳化剤
として、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノ
グリセライドから選ばれた少なくとも1種を含有するこ
とを特徴とする水中油型乳化脂組成物。 - 【請求項2】カゼイン蛋白質を0.3〜30重量%含有する
ともに、トリプシンにより加水分解された乳清蛋白質を
主成分として含む加水分解物を含有し、且つ乳化剤とし
て、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び有機酸モノグリ
セライドから選ばれた少なくとも1種を含有することを
特徴とする水中油型乳化脂組成物。 - 【請求項3】トリプシンにより加水分解された乳清蛋白
質の分解度が0.01〜8.0%である請求項1又は2記載の
組成物。 - 【請求項4】更に、乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステ
ル及びレシチンから選ばれた少なくとも1種を含有する
請求項1乃至3記載の組成物。 - 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかの項記載の水中
油型乳化脂組成物を含有することを特徴とする食品。
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (3)
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JP63-319173 | 1988-12-16 | ||
JP31917388 | 1988-12-16 | ||
JP1324711A JP2800050B2 (ja) | 1988-12-16 | 1989-12-13 | 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02257838A JPH02257838A (ja) | 1990-10-18 |
JP2800050B2 true JP2800050B2 (ja) | 1998-09-21 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP1324711A Expired - Lifetime JP2800050B2 (ja) | 1988-12-16 | 1989-12-13 | 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品 |
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-
1989
- 1989-12-13 JP JP1324711A patent/JP2800050B2/ja not_active Expired - Lifetime
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