JP2017038574A - 水中油型乳化物 - Google Patents
水中油型乳化物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017038574A JP2017038574A JP2015163738A JP2015163738A JP2017038574A JP 2017038574 A JP2017038574 A JP 2017038574A JP 2015163738 A JP2015163738 A JP 2015163738A JP 2015163738 A JP2015163738 A JP 2015163738A JP 2017038574 A JP2017038574 A JP 2017038574A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- water emulsion
- degradation product
- protein
- protein degradation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Grain Derivatives (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
- Tea And Coffee (AREA)
- Dairy Products (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Abstract
Description
、カゼインミセル表面に存在するκ-カゼインの遊離SH基と分子間ジスルフィド結合によ
り複合体を形成することに起因している。また、ホエイタンパク質のβ-ラクトグロブリ
ンが分子内又は分子間でジスルフィド結合することも要因として挙げられる。
々のタンパク質の構造的要因が深く関与している。このように界面に強く吸着するタンパク質は、pHや熱の影響を受けやすく、食品に用いた場合の共存成分や殺菌過程において、乳化が不安定化する問題があった。
本発明の別の一形態は、上記水中油型乳化物において、植物油脂が、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ゴマ油、落花
生油、ひまわり油、サフラワー油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、マカデミア種子油、ツバキ種子油、茶実油及びそれらの加工油脂から選ばれる一種または二種以上の植物油脂である水中油型乳化物に存する。
本発明の別の一形態は、上記水中油型乳化物において、植物油脂が、中鎖脂肪酸トリグリセリドである、水中油型乳化物に存する。
本発明の別の一形態は、上記水中油型乳化物において、乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステルである水中油型乳化物に存する。
本発明の別の一形態は、流動食である上記飲食品に存する。
本発明の別の一形態は、コーヒー飲料である上記飲食品に存する。
本発明の別の一形態は、上記水中油型乳化物の製造方法において、分子量分布が、サイズ排除クロマトグラフィー分析によるものである水中油型乳化物の製造方法に存する。
まず、植物油脂について説明する。植物油脂は特に制限されるものではないが、食用として一般的に使用されるものであればよく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ゴマ油、落花生油、ひまわり油、サフラワー油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、マカデミア種子油、ツバキ種子油、茶実油などが挙げられる。また、植物油脂として、前記の植物油脂の液状または固体状物を精製や脱臭、分別、硬化、エステル交換といった油脂加工した加工油脂、更にこれらの油脂を分別して得られる液体油を使用することができる。前記加工油脂としては、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、硬化ヤシ油、硬化パーム核油などの硬化油脂が挙げられる。中でも、植物油脂としてはMCTが好ましい。また、これら油脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
リグリセリド分子に結合している全脂肪酸に占める炭素数が12以下の脂肪酸の割合が50質量%以上であるものが好ましい。
本発明で用いる植物油脂は、過酸化物価が通常0.2以下、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下、最も好ましくは、0.01以下であることが、殺菌や保存時の酸化臭がなく、良好な風味となるため好適である。
次にタンパク質分解物について説明する。本発明で用いられるタンパク質分解物は、タンパク質をトリプシン処理して得られるものであるが、このタンパク質としては特に制限されるものではなく、食用として一般的に使用されるものであり、酵素処理等により、本発明の特定の分子量分布を達成することができるものであればよい。
るものが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、95質量%以下であることが好ましい。この範囲であることにより、乳化安定性が良好である。
60℃で通常30分以上、好ましくは1時間以上、通常6時間以下、好ましくは3時間以下で行う。その後、例えば、85℃で10分間加熱することなどにより、酵素を失活させる。
ましい。さらに、1000Da未満の分子のピーク面積の総和は0〜40%が好ましく、0〜30%がより好ましく、0〜20%が特に好ましい。
乳化剤について説明するが、乳化剤としては食用として一般に使用されるものであればよい。例えば、レシチン、リゾレシチン、モノグリセリンコハク酸脂肪酸エステル、モノグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなどのモノグリセリン有機酸脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、プロピレングリコール脂肪酸エステル、サポニン、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウムなどが挙げられ、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、モノグリセリンコハク酸脂肪酸エステルが好ましく、ショ糖脂肪酸エステルがより好ましい。
乳化剤のHLBは、2以上18以下であることが好ましく、4以上16以下であることがより好ましい。
これらの乳化剤は1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
本発明の水中油型乳化物中には、植物油脂、トリプシン処理により得られたタンパク質分解物、乳化剤の他、水等の水性媒体、必要に応じて各種添加剤等が含まれていてもよく、例えば、添加剤等としては水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、クエン酸塩、リン酸塩、重曹などのpH調整剤などが挙げられる。
本発明の水中油型乳化物は、植物油脂、上記トリプシン処理により得られたタンパク質分解物、乳化剤及び水性媒体を混合して製造する。水中油型乳化物の製造は、常法に基づいて行うことができる。
本発明の水中油型乳化物の用途は特に限定されるものではないが、飲食品に好適であり、耐酸性及び耐熱性、乳化安定性を有するため殺菌処理、レトルト処理、高温加熱処理、酸味系原料を添加した飲食品に好適であり、また、耐酸性及び乳化安定性を有し、風味も良好であり、タンパク源としての使用も可能であるため、流動食としても好適である。
タンパク質分解物のSEC測定は以下の通り行った。
具体的には、15mlのプラスチック遠沈管(IWAKI社製)にサンプル(タンパク質分解
物) 10mgを採取し、SEC移動相溶液10mlをホールピペットで採取して添加し
た後、ボルテックスミキサーで振とう溶解させた。ディスポフィルター(親水性PTFE 0.2
μm)でこの溶液の不溶物をろ過し、このサンプルのSEC測定を行った。
尚、以下のタンパク質・ペプチド標品を用いて、較正曲線を作成した。
<SEC分析条件>
装置:東ソー社製、HPLCシステム(8020シリーズ)
カラム:TSKgel G2000SWXL (東ソー社製) 300mm×7.8mm i.d
移動相溶液:0.1%TFA + 30%アセトニトリル
流速:1.0ml/min
カラム温度:35℃
検出器:UV 215nm
試料濃度:1mg/ml (Mobile Phase)
注入量:10μL
水にホエイタンパク質分離物(WPI9410、Hilmar社製)を溶解し、4質量%の濃度のタン
パク質水溶液を得た。タンパク質水溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整した後、トリプシン(Tripsin from poricine pancreas、SIGMA社製)をホエ
イタンパク質の質量の0.2質量%となるように添加し、60℃で3時間酵素反応を行った。この水溶液に対し、85℃で10分間加熱処理を行い酵素を失活させた後、水溶液を冷却し、凍結乾燥させ、粉末状のタンパク質分解物(ホエイタンパク質加水分解物)を得た。
ーエステルP-1670、三菱化学フーズ社製)0.5質量%を脱塩水53質量%に溶解し、こ
れに予め65℃に加温した植物油脂(MCT:スコレー64G)を45質量%添加した。この溶液を65℃に保温しながら、ホモジナイザーを用いて6000rpmで1分間、更に12000rpmで5分間の均質化を行い水中油型乳化物を得た。pHを測定したところ、pH7であった。
察により、目視で分離の程度を観察して評価した。分離なしを−、分離の程度が小さいものを+、分離の程度が大きいものを++とした。
60℃で1週間及び10℃で2週間後の水中油型乳化物について、上記と同様にして粒子径測定及び外観観察を行い、保存安定性を評価した。
結果を表2に示す。
(比較例1)
水中油型乳化物を調製するに当たり、タンパク質分解物を使用せず、ホエイタンパク質分離物(WPI9410、Hilmar社製)を使用した以外は、実施例1と同様にして水中油型乳化物
を調製した。
この水中油型乳化物について、実施例1と同様にして、粒子径測定及び外観観察を行い、保存安定性を評価した。結果を表2に示す。
植物油脂を添加する前に、クエン酸を添加することでpHを5に調整した以外は、実施例1と同様にして、水中油型乳化物を得た。この水中油型乳化物について、実施例1と同様にして、初期と10℃で2週間後の粒子径測定及び外観観察を行い、保存安定性を評価した。結果を表3に示す。
(比較例2)
水中油型乳化物を調製するに当たり、タンパク質分解物を使用せず、ホエイタンパク質分離物(WPI9410、Hilmar社製)を使用した以外は、実施例2と同様にして水中油型乳化物
を調製した。
この水中油型乳化物について、実施例2と同様にして、初期と10℃で2週間後の粒子径測定及び外観観察を行い、保存安定性を評価した。結果を表3に示す。
さらに、pH5の酸性下においても、本発明の水中油型乳化物は粒子径は多少大きいも
のの、保存初期の段階では分離は見られず、良好な保存安定性を示すことがわかった。
Claims (9)
- 植物油脂、トリプシン処理により得られたタンパク質分解物及び乳化剤を含有する水中油型乳化物であって、
該タンパク質分解物が、分子量分布において、タンパク質分解物に由来する全ての分子のピーク面積の総和に対する、分子量1000〜5000Daの分子のピーク面積の総和が30〜80%であることを特徴とする、水中油型乳化物。 - 該タンパク質分解物がホエイタンパク質分解物である、請求項1に記載の水中油型乳化物。
- 植物油脂が、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ゴマ油、落花生油、ひまわり油、サフラワー油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、マカデミア種子油、ツバキ種子油、茶実油及びそれらの加工油脂から選ばれる一種または二種以上の植物油脂である、請求項1または2に記載の水中油型乳化物。
- 植物油脂が、中鎖脂肪酸トリグリセリドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水中油型乳化物。
- 乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水中油型乳化物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水中油型乳化物を含有することを特徴とする、飲食品。
- 流動食である、請求項6に記載の飲食品。
- コーヒー飲料である、請求項6に記載の飲食品。
- 植物油脂、トリプシン処理により得られたタンパク質分解物、乳化剤及び水性媒体を混合する工程を含み、
該タンパク質分解物が、分子量分布において、タンパク質分解物に由来する全ての分子のピーク面積の総和に対する、分子量1000〜5000Daの分子のピーク面積の総和が30〜80%であることを特徴とする、水中油型乳化物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015163738A JP2017038574A (ja) | 2015-08-21 | 2015-08-21 | 水中油型乳化物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015163738A JP2017038574A (ja) | 2015-08-21 | 2015-08-21 | 水中油型乳化物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017038574A true JP2017038574A (ja) | 2017-02-23 |
Family
ID=58202329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015163738A Pending JP2017038574A (ja) | 2015-08-21 | 2015-08-21 | 水中油型乳化物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017038574A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111432643A (zh) * | 2017-12-22 | 2020-07-17 | 雀巢产品有限公司 | 奶精组合物 |
CN113115821A (zh) * | 2019-12-30 | 2021-07-16 | 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 | 含多肽的结构化乳液 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02257838A (ja) * | 1988-12-16 | 1990-10-18 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品 |
-
2015
- 2015-08-21 JP JP2015163738A patent/JP2017038574A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02257838A (ja) * | 1988-12-16 | 1990-10-18 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 耐酸、耐熱性水中油型乳化脂組成物及び該組成物を含有する食品 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111432643A (zh) * | 2017-12-22 | 2020-07-17 | 雀巢产品有限公司 | 奶精组合物 |
CN113115821A (zh) * | 2019-12-30 | 2021-07-16 | 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 | 含多肽的结构化乳液 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7331848B2 (ja) | 水中油型ピッカリングエマルション | |
KR102569626B1 (ko) | 수중유형 유화 조성물, 및 그 수중유형 유화 조성물의 제조 방법 | |
JP6430947B2 (ja) | 飲料の製造方法 | |
JP2022173548A (ja) | 水中油型乳化組成物、及び該水中油型乳化組成物の製造方法 | |
JP2019004877A (ja) | 乳化組成物及び飲料 | |
JP2018038397A (ja) | 飲料及び飲料の製造方法 | |
JP2022100383A (ja) | 水中油型乳化組成物、及び該水中油型乳化組成物の製造方法 | |
JP4750738B2 (ja) | 濃縮乳タイプ乳化物およびそれを用いたミルク入り飲料 | |
JP2017038574A (ja) | 水中油型乳化物 | |
EP3520620B1 (en) | Premix for preparing emulsion composition, and composition using same | |
WO2013031335A1 (ja) | 油中水型油脂組成物及びその製造方法 | |
JP5128982B2 (ja) | 油中水型クリーム | |
JP6509508B2 (ja) | 水中油型乳化脂用乳化材 | |
JP4486907B2 (ja) | 香味付与物、その製造法および香味付与物含有飲食品 | |
JP6593323B2 (ja) | 乳様のなめらかさやコクを付与する組成物 | |
JP6228789B2 (ja) | 水中油型乳化脂用乳化材の製造方法 | |
JP2005269950A (ja) | 風味油脂及びその製造方法 | |
WO2013125385A1 (ja) | 起泡性水中油型乳化物用油脂組成物及び起泡性水中油型乳化物 | |
WO2012115144A1 (ja) | 水中油型乳化物、水中油型気泡含有乳化物および酵素分解乳タンパク混合物 | |
WO2015083355A1 (ja) | 味覚、風味及び乳化安定性の良好な還元乳、及びその製造方法 | |
JP2017184637A (ja) | 起泡性水中油型乳化油脂組成物 | |
JP2017012068A (ja) | 水中油型乳化組成物の製造方法及び加熱調理食品の製造方法 | |
WO2023162607A1 (ja) | 親水性粉末油脂およびその製造方法 | |
JP2023113592A (ja) | クリーミングパウダー | |
JP2023171271A (ja) | 粉末油脂及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180323 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190205 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190325 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190730 |