JP2798176B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2798176B2
JP2798176B2 JP63251345A JP25134588A JP2798176B2 JP 2798176 B2 JP2798176 B2 JP 2798176B2 JP 63251345 A JP63251345 A JP 63251345A JP 25134588 A JP25134588 A JP 25134588A JP 2798176 B2 JP2798176 B2 JP 2798176B2
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有史 山口
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録媒体に関し、詳しくは六方晶フェ
ライト磁性粒子を用いた塗布型の高密度磁気記録媒体に
関する。
〔従来の技術〕
磁気記録媒体は、ポリエチレンテレフタレート等の非
磁性支持体と、その上に設けられた磁性粉とバインダー
樹脂を主成分とする磁性層で構成されている。
磁性粉としては、従来γ−Fe2O3、CrO2、Co−γ−Fe2
O3、金属鉄等の針状磁性粒子が広く用いられてきた。最
近においては、記録密度の大巾な向上を図るために新し
い磁性粉末が望まれており、このような磁性体として、
バリウムフェライト等の六方晶フェライト磁性粉を用い
た媒体が、高密度記録媒体として適していることが見出
されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、フロッピーディスク等のディスク媒体
として従来のリング型磁気ヘッドを用いた場合には、十
分なオーバーライト特性を得ることができないという問
題点があり、この点の改善が強く必要とされている。
オーバーライト特性は、磁気記録媒体の磁性層の膜厚
と密接な関係にあり、磁性層の膜厚を薄くすることによ
ってオーバーライト特性は改善されるものの、磁性層の
膜厚を薄くすると、媒体の耐久性が低下する。
したがって、オーバーライト特性と耐久性がともに良
好な磁気記録媒体が強く望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、鋭意検討した結果、研磨材として特定
の無機質粒子を用い、特定の磁性層膜厚を選択すること
により、オーバーライト特性にすぐれ、かつ耐久性にも
すぐれた高密度磁気記録媒体が得られることを見出し、
本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、非磁性支持体上に六方晶フェ
ライト磁性粒子をバインダー樹脂および無機質粒子とと
もに塗布して磁性層を形成してなる磁気記録媒体であっ
て、該無機質粒子モース硬度が6以上、平均粒子径が0.
2〜0.8μm、1.5μm以上の粒子径を有する無機質粒子
の割合が20重量%以下の粒径分布を持つものであり、磁
性層中の該無機質粒子の含有量が六方晶フェライト磁性
粒子100重量部に対して1〜13重量部であり、かつ磁性
層の膜厚が0.5〜1.5μmであることを特徴とする磁気記
録媒体に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で研磨剤として用いる無機質粒子は、モース硬
度6以上のものであり、例えば、Al2O3(モース硬度
9)、TiO(同6)、TiO2(同6.5)、SiO2(同7)、Sn
O2(同6.5)、Cr2O3(同9)等が挙げられる。
また、本発明で用いる無機質粒子は平均粒子径が0.2
〜0.8μmのものである。ここで、平均粒子径とは遠心
沈降法により求めた重量平均粒子径のことである。平均
粒子径が0.2μm未満の場合は研磨材としての効果が十
分得られず、耐久性が悪くなり、0.8μmより大きい場
合は、無機質粒子により磁気記録媒体の表面が粗くな
り、出力特性が悪くなる。
さらに、該無機質粒子は1.5μm以上の粒子径を有す
る無機質粒子の割合が20重量%以下、1重量%以下の粒
径分布を持つことが必要である。平均粒子径が0.2〜0.8
μmであっても、1.5μm以上の粒子径を有する無機質
粒子の割合が20重量%以上の粒径分布を持つものを使用
した場合は、磁気記録媒体の表面が粗くなり、出力特性
が悪くなる。また、1重量%未満の場合は耐久性の点か
ら好ましくない。
磁性層中の無機質粒子の含有量は、六方晶フェライト
磁性粒子100重量部に対して1〜13重量部であることが
必要である。無機質粒子の含有量が1重量部より少ない
と研磨材としての効果が十分得られず、耐久性が悪くな
り、また13重量部より多いと六方晶フェライト磁性粒子
の充填性が悪くなり出力が小さくなる。
本発明で用いる六方晶フェライト磁性粒子としては、
バリウムフェライト又はバリウムフェライトの置換体が
好適である。磁性粉の平均粒径は0.2μm以下、好まし
くは0.02〜0.15μm、平均厚みは0.01〜0.2μmが好適
である。
本発明で用いるバインダー樹脂としては、通常、磁気
記録媒体に用いられるものが挙げられ、例えば、フェノ
ール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿
素樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹脂、メラミン樹
脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹
脂、ポリアミド樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、飽和
ポリエステル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の縮重
合系の樹脂、あるいは高分子量ポリエステル樹脂とイソ
シアネートプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重
合体とジイソシアネートポリマーの混合物、ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートの混合物、低分子量
グリコールと高分子量ジオールとトリフェニルメタント
リイソシアネートの混合物等、上記の縮重合系樹脂とイ
ソシアネート化合物等の架橋剤との混合物、塩化ビニル
−酢酸ビニル(カルボン酸含有も含む)、塩化ビニル−
ビニルアルコール−酢酸ビニル(カルボン酸含有も含
む)、塩化ビニル−塩化ビニリデン、塩化ビニル−アク
リロニトリル、ビニルブチラール、ビニルホルマール等
のビニル共重合系樹脂と架橋剤との混合物、ニトロセル
ロース、セルロースアセトブチレート等の繊維系樹脂と
架橋剤との混合物、ブタジエン−アクリロニトリル等の
合成ゴム系と架橋剤との混合物、さらにはこれらの混合
物が挙げられる。
バインダー樹脂は、通常、六方晶フェライト磁性粒子
に対し10〜50重量%含有する。
本発明においては、磁性層の膜厚を0.5μm以上1.5μ
m以下とする必要がある。磁性層の膜厚が1.5μmより
厚い場合は、オーバーライト特性が悪くなり、0.5μm
未満の場合は良好な耐久性を得ることができない。
また、磁性層中には前述した無機質粒子、バインダー
樹脂および磁性粒子の他に、各種脂肪酸や脂肪酸エステ
ル等の潤滑剤、導電性カーボンブラック等の導電性付与
剤等を必要に応じて含有させることができる。
潤滑剤は、磁性粒子に対して1〜10重量部含有させる
ことが好ましい。これより少ないと潤滑剤としての効果
が十分発揮されず、またこれより多いと潤滑剤のブリー
ドアウト等が起きてしまう。
導電性付与剤は、磁性粒子に対して1〜10重量部含有
させることが好ましい。これより少ないと磁気記録媒体
の表面電気抵抗が大きくなりすぎ、これより多いと耐久
性が悪くなる。
また、得られる磁気記録媒体の保持力は500Oe以上800
Oe以下が好ましい。保持力が500Oe未満の場合は十分な
記録密度が得られず、800Oeより大きいとオーバーライ
ト特性が悪くなる。
本発明の磁気記録媒体は、例えば、上記バインダー樹
脂、磁性粒子、および必要に応じて研磨剤、潤滑剤、導
電性付与剤等を、メチルエチルケトン、イソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、トルエン等の有機溶媒とともに
ボールミル、サンドミル、二本ロール等の混合分散機を
用いて混合し、分散して塗料状の磁気組成物を得た後、
該塗料状組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム
等の非磁性基体上に塗布し、乾燥、加熱効果処理するこ
とによって製造することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、実施例により限定され
るものではない。
実施例1 バリウムフェライト磁性粉末 100 重量部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン製“ニッポラ
ン"2304) 7.2重量部 ニトロセルロース(ダイセル化学工業(株)製“FM20
0") 7.2重量部 酸化アルミニウム粉末(平均粒子径0.54μm、粒子径
が1.5μm以上の粒子の割合8重量%) 6.5重量部 潤滑剤(ブトキシエチルステアレート) 1.5重量部 導電性カーボンブラック 3.5重量部 メチルエチルケトン 60 重量部 トルエン 60 重量部 シクロヘキサノン 60 重量部 上記組成物をサンドミルを用いて混合、分散して磁性
塗料を製造し、さらにポリイソシアネート化合物を3.6
重量部添加し、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に塗布し、乾燥後、表面平滑化処理をおこ
なった。塗膜を加熱硬化処理した後、直径3.5インチの
ディスク状に打ち抜き、ディスク状磁気記録媒体を得
た。磁性層の膜厚は1.5μであった。
ギャップ長0.7μmのメタル−イン−ギャップヘッド
を用いて、得られた磁気記録媒体の電磁変換特性を測定
した。
また、250kHzの信号の上に500kHzの信号を重ね書き
し、もとの250kHzの信号の出力と重ね書き後に残留して
いる250kHzの信号の出力の比から、オーバーライト特性
を測定した。
室温において、最外周トラック位置で、ヘッド荷重10
0g、回転数300rpmの条件で得られた磁気記録媒体を連続
的に回転させ、ヘッドによる磁気記録媒体表面のキズの
発生を観察することにより、耐久性の評価をおこなっ
た。結果を第1表に示す。
実施例2〜5および比較例1〜3 磁性塗料の塗布時に、塗布装置への磁性塗料供給量を
コントロールすることにより、磁性層の膜厚を第1表お
よび第2表に示したように変化させたこと以外は実施例
1と同様に磁気記録媒体を製造し、評価をおこなった。
結果を第1表および第2表に示す。
実施例6〜8 実施例1で使用したものとは保磁力の異なるバリウム
フェライト磁性粉末を用い、磁性層の膜厚を1.0μmと
したこと以外は実施例1と同様に磁気記録媒体を製造
し、評価をおこなった。結果を第1表に示す。
実施例9,10および比較例4,5 酸化アルミニウム粉末の含有量を第1表および第2表
に示したように変化させ、磁性層の膜厚を1.0μmとし
たこと以外は実施例1と同様に磁気記録媒体を製造し、
評価をおこなった。結果を第1表および第2表に示す。
実施例11 平均粒子径が0.2μmであり、粒子径が1.5μm以上の
粒子の割合が1重量%である酸化アルミニウム粉末を用
い、磁性層の膜厚を1.0μmとしたこと以外は実施例1
と同様に磁気記録媒体を製造し、評価をおこなった。結
果を第1表に示す。
実施例12 平均粒子径が0.8μmであり、粒子径が1.5μm以上の
粒子の割合が5重量%である酸化アルミニウム粉末を用
い、磁性層の膜厚を1.0μmとしたこと以外は実施例1
と同様に磁気記録媒体を製造し、評価をおこなった。結
果を第1表示す。
実施例13 平均粒子径が0.69μmであり、粒子径が1.5μm以上
の粒子の割合が20重量%である酸化アルミニウム粉末を
用い、磁性層の膜厚を1.0μmとしたこと以外は実施例
1と同様に磁気記録媒体を製造し、評価をおこなった。
結果を第1表に示す。
比較例6 平均粒子径が0.1μmであり、粒子径が1.5μm以上の
粒子の割合が1重量%である酸化アルミニウム粉末を用
い、磁性層の膜厚を1.0μmとしたこと以外は実施例1
と同様に磁気記録媒体を製造し、評価をおこなった。結
果を第2表に示す。
比較例7 平均粒子径が0.1μmであり、粒子径が1.5μm以上の
粒子の割合が10重量%である酸化アルミニウム粉末を用
い、磁性層の膜厚を1.0μmとしたこと以外は実施例1
と同様に磁気記録媒体を製造し、評価をおこなった。結
果を第2表に示す。
比較例8 平均粒子径が0.7μmであり、粒子径が1.5μm以上の
粒子の割合が30重量%である酸化アルミニウム粉末を用
い、磁性層の膜厚を1.0μmとしたこと以外は実施例1
と同様に磁気記録媒体を製造し、評価をおこなった。結
果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本願発明によると、高密度記録に適しており、かつ出
力特性、オーバーライト特性および耐久性にすぐれた磁
気記録媒体が得られるため工業的に有用である。
フロントページの続き (72)発明者 鳴戸 俊也 神奈川県川崎市麻生区東百合ケ丘4丁目 27番4号 (56)参考文献 特開 昭62−107438(JP,A) 特開 昭61−94222(JP,A) 特開 昭61−158028(JP,A) 特開 昭63−217526(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に六方晶フェライト磁性粒
    子をバインダー樹脂および無機質粒子とともに塗布して
    磁性層を形成してなる磁気記録媒体であって、該無機質
    粒子がモース硬度6以上、平均粒子径が0.2〜0.8μm、
    1.5μm以上の粒子径を有する無機質粒子の割合が20重
    量%以下1重量%以上の粒径分布を持つものであり、磁
    性層中の該無機質粒子の含有量が六方晶フェライト磁性
    粒子100重量部に対して1〜13重量部であり、かつ磁性
    層の膜厚が0.5〜1.5μmであることを特徴とする磁気記
    録媒体。
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