JP2795941B2 - マスク及びマスクを用いたガラスへのマーキング方法 - Google Patents

マスク及びマスクを用いたガラスへのマーキング方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、マスク及びこのマスクを用いてガラスへ
のマーキングを行うマーキング方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来、ガラスの表面にマーキングを施す方法として、
主としてサンドラスト法が行われていた。この方法はマ
ーキングしようとするガラスの表面に、砂を高速で吹付
けることにより、ガラスの表面の一部を削り取ってマー
キングするというものである。
[発明の効果が解決しようとする課題] このサンドブラスト法によりマーキング方法は、マー
キングのために吹付けられた砂の粉末が全部除去され
ず、ガラスの表面に付着して残ることがある。ガラスの
表面に砂の粉末の残った部分があると、マーキング終了
後、ガラスを積み重ねたりする際にガラスの表面に砂に
よる傷が出来たりするという問題がある。その上、この
サンドブラスト法は運動コストが高く、自動化が難しい
という問題もある。
ここで、電子部品等のマーキングに応用されているレ
ーザマーキング法を、ガラスのマーキングに適用すれ
ば、上器欠点を解消できると考えられる。
しかし、既に商品化されているレーザマーキング装置
のうち、YAGレーザはガラスへの透過率が高いので使用
不可能である。一方、TEA−CO2レーザは10.6μmの赤外
線レーザなので、ガラスの吸収率が高く、マーキングが
可能であると考えられる。そこで、TEA−CO2レーザを所
望のパターンでガラスに照射して実験してみたところ、
一応マーキングは可能であるけれども、マーキングが鮮
明にできなかった。
TEA−CO2レーザをガラスに照射して文字等をマーキン
グしようとした場合に、マーキングが鮮明にできない原
因を分析してみると、TEA−CO2レーザの照射を受けたガ
ラスの表面はレーザ光による熱歪みによってガラス表面
にマイクロクラックが生じ、この状態で表面をブラシ等
でこすると、ガラスの結晶の大きさに応じて塊状に飛散
する。この時、大きな塊でガラスが飛散すると、照射パ
ターン通りにマーキングをすることができないことが判
明した。
第4図はTEA−CO2レーザの照射を受けて塊状に飛散し
たガラスの表面の説明図で、同図(イ)はパターン
「H」の文字がマーキングされた状態を示し、同図
(ロ)は同図(イ)のパターンの斜線部分を拡大した図
である。
第4図(ロ)から明らかなように、照射パターンの境
界付近で、ある部分は大きな塊となってガラスの破片が
飛散してしまい、マーキングの歪みが大きくなるという
問題がある。
レーザ光照射のよって取除かれたガラス表面のマーキ
ングパターン部分は、スリガラス状になって透明感がな
くなって、散乱光によってマーキングが鮮明に見えるの
であるが、ガラス破片の大きな塊が抜けてしまうと、そ
の部分がスリガラス状にならず、視認性が悪くなる。こ
の発明はかかる課題を解決するためになされたもので、
TEA−CO2レーザをガラスに照射した時に生じるガラスの
大きな塊状の飛散を防止して実用に耐え得る鮮明なマー
キングを可能にしたマスクと、このマスクを用いたガラ
スへのマーキング方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、この請求項(1)にお
けるマスクは、金属製の基板部と、マーキングしようと
するパターンに形成された金属製のメッシュ部とからな
るものであり、また請求項(2)におけるマーキング方
法は、TEA−CO2レーザー発振装置から発振されたレーザ
ー光を前記マスクに照射し、このマスクを透過したレー
ザ光をガラスの表面に結像させるものである。
[作用] 上記のマスクを用いれば、剥離するガラスの塊の大き
さはメッシ部の網の目の大きさにより制限されて小さな
ものとなり、マーキングされたパターンは鮮明なものと
なる。
[実施例] 第2図はこの発明の一実施例であるTEA−CO2レーザに
よるマーキングを行う装置の説明図である。
第2図において、1はTEA−CO2レーザ発振装置、2は
このTEA−CO2レーザ発振装置1からのレーザ光をワーク
の方向に反射する折返しミラー、3aは金属製の基板部、
3bはマーキングしようとするパターンの形成された金属
製のメッシュ部、4はこの基板部3a,メッシュ部3bを有
するマスクである。5はこのマスク4からのパターン像
を結像させるためのメニスカスレンズ、6はマーキング
しようとするガラスからなるワーク、7はマーキングさ
れるパターンである。
第2図の装置において、TEA−CO2レーザ発振装置1か
ら発振されとTEA−CO2レーザは折返しミラー2で反射
し、マスク4のメッシュ部3bを透過して、メニスカスレ
ンズ5によってワーク6のガラス表面にパターン7とな
って結像する。
このマーキングの方法では、ガラス表面のパターン7
を形成しようとする部分にメッシュ状のレーザ光を照射
すると、その照射された部分と照射されない部分とで熱
歪みが細かく生じ、その後、その歪んだ部分をブラッシ
ングすることにより多少の衝撃が与えられ、レーザ光照
射が行われた部分の表面のガラスの小さな破片となって
剥離される。
第2図の実施例では、メッシュ部3bを通過したレーザ
光のみによってパターン7が形成されることになるの
で、レーザ光照射により剥離されるガラスの塊の大きさ
は、大きな結晶の部分でも、第3図(イ)に示すように
大きくなることはなく、第3図(ロ)の如く、小さな塊
のみが飛散してできたくぼみにより、スリガラス状のパ
ターン7が形成される。即ち、レーザ光をマスク4に照
射した時、マスク4上に形成されているメッシュ3bの網
の目の線によって、ガラス表面の熱歪みが細かくかかる
ことにより剥離されるガラス粒子の大きさは、メッシュ
部3bの網の目の大きさにほぼ制限されて小さなものとな
り、鮮明なパターンが得られる。第3図は金属製のメッ
シュ部の像がガラス表面に結像された場合のガラスの飛
散状態を説明するための図である。
第1図はこの発明の実施例のマスクの詳細を示しす平
面図である。
第1図のマスク4は金属製の基板部3aと、マーキング
しようとするパターンに形成されたメッシュ部3bとから
なり、このマスク4の製作にはフォトエッチングやレー
ザを用いる方法等が可能である。
以下、その製作方法の一例として、フォトエッチング
による場合について説明する。
まず、マスクとなるべき金属製基板の両面の表面全体
に感光剤を塗布し、さらにその感光剤の表面に金属の細
線を格子(網)状に張付けた後、このマスクの両面にマ
ーキングしたいパターンの形状で光を照射する。次に、
先に張付けた金属の細線を除去して後、酸液等で洗浄す
ると、メッシュの像の中にパターン部分が蝕刻されて打
抜かれ、第1図に示すようなマスク4が形成される。
尚、薄い基板であれば片面だけでも打抜きできる。
上記実施例として、具体的には、ワークとしては窓ガ
ラス等に使われている青板を用い、1ショットが10
Joul/cm 以上のエネルギーのレーザ光を照射してマー
キングを行った。そして、フォトエッチングにより製作
するメッシュ部3bの網の目の大きさとしてはワークであ
るガラスの材質によっても異なるが、剥離される塊の大
きさの直径が0.1〜0.2mmになるようにメッシュ部3bの網
の目の大きさ(開口率)を決めた。また照射するレーザ
のショット数も、ワークであるガラスの材質に応じて決
まるものであるので、それに応じてショット数を決め
た。
また、第1図の実施例において、レーザのビーム整形
用に、折返しミラー2とマスク4との間にシリンドリカ
ルレンズのようなビーム整形レンズを設けても良い。
[発明の効果] 以上説明したとおり、この発明のマスクは、金属製の
基板部と、マーキングしようとするパターンに形成され
た金属製のメッシュ部とからなるので、マーキングのた
めに剥離されるガラスの塊の大きさはメッシュ部の網の
目の大きさによって制限されて小さくなるので、鮮明な
パターン形成される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例のマスクの詳細を示す平面
図、第2図はこの発明の一実施例であるTEA−CO2レーザ
によるマーキングを行なう装置の説明図、第3図は金属
製のメッシュ部の像がガラス表面に結像された場合のガ
ラスの飛散状態を説明するための図、第4図はTEA−CO2
レーザの照射を受けて塊状に飛散したガラスの表面の説
明図で、同図(イ)はパターン「H」の文字がマーキン
グされた状態、同図(ロ)は同図(イ)のパターンの斜
線部分を拡大した図である。 図中. 1:TEA−CO2レーザ発振装置 2:折返しミラー 3a:金属製の基板部 3b:メッシュ部、4:マスク 5:メニスカスレンズ、6:ワーク 7:パターン

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の基板部と、マーキングしようとす
    るパターンに形成された金属製のメッシュ部とからなる
    ことを特徴とするレーザマーキング用のマスク。
  2. 【請求項2】TEA−CO2レーザ発振装置から発振されたレ
    ーザ光を、請求項(1)に記載のマスクに照射し、該マ
    スクを透過したレーザ光をガラスの表面に結像させるこ
    とを特徴とするガラスへのマーキング方法。
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